JP2021062495A - 複合積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Atsushi Hatayama
淳 畑山
八木 洋
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洋 八木
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Abstract

【課題】切削加工性に優れる、複合積層体を提供する。【解決手段】A層2とB層3とを備え、B層3の片面上又は両面上に、直接的又は間接的にA層2が設けられている複合積層体1において、A層2が、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)とを含み、B層3が、前記充填材(a1)とは異なる強化繊維(b1)と、熱可塑性樹脂(b2)とを含み、A層2のナノインデンターを用いて測定される表面硬度が、500MPa未満である、複合積層体1。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化された複合積層体及び該複合積層体の製造方法に関する。
繊維強化樹脂は、軽くて強いことから金属に代わる材料として、ゴルフクラブ、テニスラケット、航空機、自動車などの様々な分野で用いられている。特に、近年は低燃費を達成するために自動車の軽量化が求められていることから、繊維強化樹脂が自動車分野において注目されている。しかし、自動車部材に繊維強化樹脂を用いるためには、様々な課題がある。例えば、熱硬化性樹脂からなる繊維強化樹脂は、成形後に熱処理(硬化反応)が必要であることから、自動車部材の製造で必須となる高い生産性と低いコストを達成できない。そこで、熱硬化性樹脂に代わり成形が容易な熱可塑性樹脂を用いた繊維強化熱可塑性樹脂(以下「FRTP」ともいう)が求められている。
FRTPの成形方法としては、連続繊維に熱可塑性樹脂を含浸せしめたシートを積層し、プレス等で加熱加圧することにより目的の形状に賦形するスタンピング成形が一般的に行われている。これにより得られた部材は、連続繊維を用いているため優れた機械的物性に設計することが可能であり、機械的物性のばらつきも小さい。しかし、連続した繊維であるために3次元形状等の複雑な形状を形成することは難しく、主として平面形状に近い部材に限られる。そこで、特許文献1では、連続繊維と熱可塑性樹脂とからなるプリプレグに切込を入れることにより、短時間成形が可能であり、成形時には優れた賦形性を示し、FRTP部材としたときに優れた機械的物性を発現できることが提案されている。特許文献2では、非連続繊維と熱可塑性繊維を含むプリプレグ(連続した又は不連続の強化繊維に熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を含浸させた半硬化状態のシート状成形中間材料のことをプリプレグと称する)を用いることが提案されている。
特開2009−286817号公報 特開2010−235779号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2で得られたFRTP部材では、切削加工時において、切削断面にバリが生じることがあり、切削加工性が十分でないという問題がある。また、特許文献1や特許文献2では、このようなFRTP部材の加工性を向上させる手法について、何ら提案されていない。
本発明の目的は、切削加工性に優れる、複合積層体及び該複合積層体の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の複合積層体及びその製造方法を提供する。
項1 A層とB層とを備え、前記B層の片面上又は両面上に、直接的又は間接的に前記A層が設けられている複合積層体において、前記A層が、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)とを含み、前記B層が、前記充填材(a1)とは異なる強化繊維(b1)と、熱可塑性樹脂(b2)とを含み、前記A層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度が、500MPa未満である、複合積層体。
項2 前記充填材(a1)が、無機粒子である、項1に記載の複合積層体。
項3 前記充填材(a1)が、有機粒子である、項1に記載の複合積層体。
項4 前記充填材(a1)の体積平均粒子径が0.01μm〜100μmである、項1〜3のいずれか1項に記載の複合積層体。
項5 前記熱可塑性樹脂(a2)が、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂および熱可塑性ポリイミド樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜項4のいずれか一項に記載の複合積層体。
項6 前記充填材(a1)の含有量が、前記A層に含まれる成分の全量100質量%中において0.5質量%〜40質量%である、項1〜項5のいずれか一項に記載の複合積層体。
項7 前記A層の厚みが500μm未満である、項1〜項6のいずれか一項に記載の複合積層体。
項8 前記強化繊維(b1)が、炭素繊維、ガラス繊維およびアラミド繊維よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜項7のいずれか一項に記載の複合積層体。
項9 前記強化繊維(b1)の含有量が、前記B層に含まれる成分の全量100質量%中において10質量%〜80質量%である、項1〜項8のいずれか一項に記載の複合積層体。
項10 前記熱可塑性樹脂(b2)が、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂および熱可塑性ポリイミド樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜項9のいずれか一項に記載の複合積層体。
項11 前記B層の厚みが0.3mm以上である、項1〜項10のいずれか一項に記載の複合積層体。
項12 自動車部材用又は電気・電子機器部材用である、項1〜項11のいずれか一項に記載の複合積層体。
項13 項1〜項12のいずれか1項に記載の複合積層体の製造方法であって、強化繊維(b1)と、熱可塑性樹脂(b2)とを含むシート(b3)の片面上または両面上に、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)とを含むフィルム(a3)を積層配置し、前記積層配置された積層物を加熱及び加圧することでシート(b3)及びフィルム(a3)を一体化する、複合積層体の製造方法。
本発明によれば、切削加工性に優れる、複合積層体及び複合積層体の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合積層体を示す模式的断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る複合積層体を示す模式的断面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
本発明の複合積層体は、A層とB層とを備え、B層の片面上又は両面上に、直接的又は間接的にA層が設けられている。B層の片面上又は両面上に、直接A層が設けられていることが好ましい。もっとも、B層の片面上又は両面上に、他の層を介してA層が設けられていてもよい。この場合、他の層は、A層及びB層とは異なる層であればよい。
また、A層は、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)とを含む。一方、B層は、充填材(a1)とは異なる強化繊維(b1)と熱可塑性樹脂(b2)とを含む。
より具体的に、図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合積層体を示す模式的断面図である。図1に示すように、複合積層体1は、第1の層であるA層2と第2の層であるB層3とを備える。B層3は、互いに対向している第1の主面3a及び第2の主面3bを有する。B層3の第1の主面3a上に、A層2が設けられている。A層2は、充填材(a1)と熱可塑性樹脂(a2)とを含むフィルム(a3)により形成されている。また、B層3は、充填材(a1)とは異なる強化繊維(b1)と熱可塑性樹脂(b2)とを含むシート(b3)により形成されている。なお、フィルム(a3)及びシート(b3)は、一体化されている。具体的には、例えば、後述する製造方法で説明するように、シート(b3)の片面上又は両面上にフィルム(a3)を積層配置し、積層配置された積層物を加熱及び加圧することにより一体化されている。
また、図2は、本発明の第2の実施形態に係る複合積層体を示す模式的断面図である。図2に示すように、複合積層体21では、B層3の第2の主面3b上にも、A層2が設けられている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態及び第2の実施形態で示すように、本発明の複合積層体では、B層の片面上にのみA層が設けられていてもよく、B層の両面上にA層が設けられていてもよい。
本発明の複合積層体では、A層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度が、500MPa未満である。なお、上記第2の実施形態のように、B層の両面上にA層が設けられている場合は、少なくとも一方側のA層の表面硬度が上記範囲内にあればよいが、両側のA層の表面硬度が上記範囲内にあることが好ましい。
ナノインデンターは、三角錐の圧子を材料表面に押し込んで、圧子にかかる荷重と圧子の下の射影面積から硬度を求める測定機器である。三角錐の圧子は、ダイヤモンドチップにより構成することができる。このようなナノインデンターとしては、例えば、エリオニクス社製、品番「ENT−1100a」を用いることができる。なお、A層の表面硬度は、複合積層体とした状態で測定されることが望ましいが、複合積層体とする前のA層単独で測定した場合においても同じ値が得られることが確認されている。従って、A層の表面硬度は、複合積層体とした状態で測定してもよく、複合積層体とする前のA層単独で測定してもよい。
本発明の複合積層体は、A層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度が、500MPa未満であるため、切削加工時において、切削断面にバリが生じ難く、切削加工性に優れている。
本発明においては、A層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度が、好ましくは450MPa以下、より好ましくは400MPa以下、さらに好ましくは350MPa以下である。A層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度が上記上限値以下である場合、複合積層体の切削加工性をより一層向上させることができる。なお、A層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度の下限値は、特に限定されないが、例えば、10MPaとすることができ、好ましくは150MPaである。
また、B層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度は、A層より大きいことが好ましい。この場合、複合積層体の切削加工性をより一層向上させることができる。なお、B層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度は、例えば、500MPa以上、10000MPa以下とすることができる。
本発明の複合積層体の各構成要素等について以下に説明する。
<A層>
本発明の複合積層体を構成するA層は、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)とを含むフィルム(a3)により形成されている。A層が後述するB層の片面上又は両面上に存在する。A層が、本複合積層体の表層、裏層、又は表裏層に存在することで、切削加工性などの加工性に優れている。また、成形時の離型性、複合積層体の表面平滑性及び機械的物性に優れ、さらに塗装密着性にも優れる。
A層の厚みは、B層の厚みより小さいことが好ましく、より好ましくは500μm未満であり、さらに好ましくは30μm〜450μmであり、特に好ましくは50μm〜300μmである。A層の厚みが厚くなりすぎると、複合積層体中の充填材(a1)の含有量が低下し、切削加工性の低下を招くおそれがある。一方、A層の厚みがB層の厚みより小さいことで、B層の機械的物性を最大限に生かし、より一層機械的物性に優れた複合積層体を得ることができる。なお、A層がB層の両面に存在する場合のA層の厚みとは、両面のA層における厚みの合計のことをいう。
A層とB層との厚みの比(A層/B層)は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.30以下である。
(充填材(a1))
A層に用いられる充填材(a1)としては、例えば、粒状充填材や板状充填材などの非繊維状充填材、又は繊維状充填材を用いることができる。充填材(a1)は、無機粒子であってもよく、有機粒子であってもよい。充填材(a1)は、フィルム(a3)の製造時や、複合成形体のプレス成形の熱で溶融しないものであることが望ましい。このような充填材を用いることにより、樹脂の糸引きを防止し、切削加工性をより一層向上させることができる。
より具体的に、充填材(a1)としては、例えば、マイカ、タルク、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム、カオリンクレー、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム水和物、ガラスフレーク、ガラス粉、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の非繊維状の無機粒子;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、アラミド樹脂等の非繊維状の有機粒子;チタン酸カリウム、ワラストナイト等の繊維状の無機粒子;アラミド繊維、ポリイミド繊維、セルロース繊維等の繊維状の有機粒子等が挙げられる。
本発明に用いられる充填材(a1)の体積平均粒子径は、0.01μm〜100μmであり、好ましくは0.1μm〜80μmであり、より好ましくは0.5μm〜60μmであり、さらに好ましくは1μm〜40μmであり、特に好ましくは1μm〜30μmである。体積平均粒子径を上記範囲とすることで、複合積層体の切削加工性をより一層向上させることができる。
体積平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
本発明に用いられる充填材(a1)は、非繊維状の粒子であることが好ましい。なお、非繊維状の粒子とは、粒子に外接する直方体のうち最小の体積をもつ直方体(外接直方体)の最も長い辺を長径L、次に長い辺を短径B、最も短い辺を厚さT(B>T)と定義したときに、L/Bが3より小さい粒子のことをいい、非繊維状の粒子のうちL/Bが3より小さく、L/Tが3以上の粒子を板状の粒子という。また、繊維状の粒子とは、L/BおよびL/Tがいずれも3以上の粒子のことをいい、長径Lが繊維長、短径Bが繊維径に相当する。
充填材(a1)は、熱可塑性樹脂(a2)との濡れ性を高め、得られる樹脂組成物の機械的物性等の物性をより一層向上させるために、本発明で用いられる充填材(a1)の表面に表面処理剤からなる処理層が形成されていてもよい。
表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。これらの中でもシランカップリング剤が好ましく、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、アルキル系シランカップリング剤がより好ましい。上記表面処理剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
アミノ系シランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−エトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、トリエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アルキル系シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
充填材(a1)の表面に表面処理剤からなる処理層を形成する方法としては、公知の表面処理方法を使用することができ、例えば、加水分解を促進する溶媒(例えば、水、アルコール又はこれらの混合溶媒)に表面処理剤を溶解して溶液として、その溶液を充填材(a1)に噴霧する湿式法、樹脂組成物に充填材(a1)と表面処理剤とを配合するインテグラルブレンド法等でなされる。
表面処理剤を本発明で用いる充填材(a1)の表面へ処理する際の該表面処理剤の量は特に限定されないが、湿式法の場合、例えば、充填材(a1)100質量部に対して表面処理剤が0.1質量部〜20質量部となるように表面処理剤の溶液を噴霧すればよい。また、インテグラルブレンド法の場合は充填材(a1)100質量部に対して、好ましくは表面処理剤が1質量部〜50質量部、より好ましくは10質量部〜40質量部となるように表面処理剤を樹脂組成物に配合すればよい。表面処理剤の量を上記範囲内にすることで、熱可塑性樹脂(a2)との密着性がより一層向上し、充填材(a1)の分散性をより一層向上するこができる。
充填材(a1)の含有量は、フィルム(a3)に含有する成分の全量100質量%中において0.5質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜35質量%であることがより好ましく、15質量%〜25質量%であることが更に好ましく、16質量%〜25質量%であることが特に好ましい。
充填材(a1)の含有量を0.5質量%以上とすることで、切削加工性をより一層向上することができ、40質量%以下とすることで後述するフィルムの製膜性がより一層向上する。
(熱可塑性樹脂(a2))
フィルム(a3)に使用する熱可塑性樹脂(a2)としては、フィルム化できる熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、環状ポリオレフィン(COP)樹脂、環状オレフィン・コポリマー(COC)樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン(PS)樹脂、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブチレン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(MS)、メタクリル酸メチル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)、スチレン/ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン/イソプレン共重合体(SIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエン共重合体(SIBR)、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体(SEPS)等のポリスチレン系樹脂;ポリ乳酸(PLA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリシクロヘキセレンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリアセタール(POM)樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド6C樹脂、ポリアミド9C樹脂、ポリアミド6樹脂とポリアミド66樹脂の共重合体(ポリアミド6/66樹脂)、ポリアミド6樹脂とポリアミド12樹脂の共重合体(ポリアミド6/12樹脂)等の脂肪族ポリアミド(PA)樹脂;ポリアミドMXD6樹脂、ポリアミドMXD10樹脂、ポリアミド6T樹脂、ポリアミド9T樹脂、ポリアミド10T樹脂等の芳香環を有する構造単位と有さない構造単位からなる半芳香族ポリアミド(PA)樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂;液晶ポリエステル(LCP)樹脂;ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)等のポリエーテル芳香族ケトン樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂等を例示することができる。上記熱可塑性樹脂から選ばれる相溶性のある2種以上の熱可塑性樹脂同士の混合物、すなわちポリマーアロイ等も使用できる。
これらのなかでも熱可塑性樹脂(a2)としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド(PA)樹脂、半芳香族ポリアミド(PA)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂および熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(a2)は、B層との密着性をより一層高める観点から、後述する熱可塑性樹脂(b2)と同種であることが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂(b2)が脂肪族ポリアミド(PA)である場合、熱可塑性樹脂(a2)は脂肪族ポリアミド(PA)樹脂または半芳香族ポリアミド(PA)であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(a2)の形状は、溶融混練が可能であれば特に制限はなく、例えば、粉末状、顆粒状、ペレット状のいずれも使用することができる。
熱可塑性樹脂(a2)の含有量は、フィルム(a3)に含有する成分の全量100質量%中において50質量%〜99質量%であることが好ましく、65質量%〜98質量%であることがより好ましく、70質量%〜92質量%であることが更に好ましい。
(その他添加剤)
フィルム(a3)は、その好ましい物性を損なわない範囲において、その他添加剤を含有することができる。その他添加剤としては、上述の充填材(a1)以外の充填材;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、グラファイト、二硫化モリブテン、二硫化タングステン、窒化ホウ素等の固体潤滑剤;銅化合物等の熱安定剤;ヒンダードフェノール系光安定剤等の光安定剤;核形成剤;アニオン性帯電防止剤、カチオン性帯電防止剤、非イオン系帯電防止剤等の帯電防止剤;老化防止剤(酸化防止剤);耐候剤;耐光剤;金属不活性剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;防菌・防黴剤;防臭剤;炭素系導電剤、金属系導電剤、金属酸化物系導電剤、界面活性剤等の導電性付与剤;分散剤;ポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、エポキシ系可塑剤等の軟化剤(可塑剤);カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、染料等の着色剤;ホスファゼン系化合物、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、無機リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、金属酸化物系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、有機金属塩系難燃剤、窒素系難燃剤、ホウ素化合物系難燃剤等の難燃剤;ドリッピング防止剤;制振剤;中和剤;ブロッキング防止剤;流動性改良剤;脂肪酸、脂肪酸金属塩等の離型剤;滑剤;耐衝撃性改良剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。
フィルム(a3)にその他添加剤を含む場合、その配合量は、本発明の好ましい物性を損なわない範囲であれば特に制限はなく、好ましくはフィルム(a3)に含有する成分の全量100質量%中において5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
(A層の製造方法)
本発明の複合積層体は後述する通り、A層を構成するフィルム(a3)と、B層を形成するシート(b3)を各々作製し、フィルム(a3)をシート(b3)の片面上又は両面上に積層配置して、得られた積層物を成形機により加熱及び加圧することでフィルム(a3)及びシート(b3)を一体化することにより得られる。
A層を形成するフィルム(a3)の製造方法としては特に限定されず、例えば、Tダイキャスト法、カレンダー法、プレス法などの公知の溶融成膜方法を採用することができる。
より具体的には、上記含有量になるように、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)と、必要に応じてその他添加剤とを、直接混合して溶融製膜する方法;上記含有量になるように、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)と、必要に応じてその他添加剤を、あらかじめ溶融混練して混合物のペレットを作製し、これを用いて溶融製膜する方法等を挙げることができる。なお、上記ペレットを構成する混合物の溶融粘度と、混合前の熱可塑性樹脂(a2)の溶融粘度との比(混合物/熱可塑性樹脂(a2))は、好ましくは1.01以上、好ましくは5以下である。溶融粘度比(混合物/熱可塑性樹脂(a2))が上記範囲内にある場合、複合積層体の切削加工性をより一層向上させることができる。溶融粘度の測定温度は、上記ペレットを構成する熱可塑性樹脂(a2)が融点を有する場合は融点より高い温度、上記ペレットを構成する熱可塑性樹脂(a2)が融点を有さずガラス転移温度を有する場合はガラス転移温度より高い温度において溶融混練に適した温度に設定すればよい。例えば、脂肪族ポリアミド(PA)樹脂及び半芳香族ポリアミド(PA)樹脂は融点より25℃高い温度、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂はガラス転移温度より150℃高い温度で溶融粘度を測定すればよい。
フィルム(a3)は、延伸フィルム、未延伸フィルムのいずれでも使用可能であるが、延伸フィルムは、加熱溶融時の収縮により、皺やたるみが防止でき、成形品の外観がより一層向上するため好ましい。延伸倍率は2倍〜15倍が好ましい。本発明において、延伸倍率は、フィルム製膜時のキャスティングロールから出てきたフィルム寸法を基準として、横方向の延伸倍率を縦方向の延伸倍率と掛け合わせた、面積倍率を延伸倍率とする。
本発明の複合積層体を製造する前における、A層を形成するフィルム(a3)の厚みは、500μm未満であることが好ましく、30μm〜450μmであることがより好ましく、50μm〜300μmであることが更に好ましく、100μm〜200μmであることが最も好ましい。A層を形成するフィルム(a3)の厚みが500μm未満であれば、複合積層体の機械的物性を損なうことなく、スタンピング成形後の複合積層体表面の表面平滑性をより一層向上することができる。
<B層>
本発明の複合積層体を構成するB層は、強化繊維(b1)と熱可塑性樹脂(b2)とを含有するシート(b3)から形成される層であり、複合積層体のコア層である。強化繊維(b1)を含有することで、優れた機械的物性の複合積層体を得ることができる。
B層の厚みは、目的とする部材の形状により任意に選択でき、機械的物性の観点から0.3mm〜15mmであることが好ましく、1mm〜10mmであることがより好ましく、1.5mm〜5mmであることがさらに好ましい。
(強化繊維(b1))
シート(b3)に使用する強化繊維(b1)は、特に限定されず、無機繊維、有機繊維、金属繊維、またはこれらの2種以上を組み合わせて使用できる。無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維などが挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のポリアミド繊維、ポリエステルなどが挙げられる。金属繊維としては、ステンレス、鉄等の繊維が挙げられ、また金属を被覆した炭素繊維でもよい。これらのなかでも炭素繊維、ガラス繊維およびアラミド繊維よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。最終成形物の強度等の機械的物性をより一層向上させる観点から、炭素繊維が更に好ましい。炭素繊維とは、アクリル繊維やピッチ(石油、石炭、コールタール等の副生成物)等を原料に、高温で炭化して製造した繊維であり、JIS規格では有機繊維の前駆体を加熱炭化処理して得られる、質量比で90%以上が炭素で構成される繊維と定義されている。アクリル繊維を使った炭素繊維はPAN系炭素繊維、ピッチを使った炭素繊維はピッチ系炭素繊維と称されている。
強化繊維(b1)は、繊維長が長すぎるとスタンピング成形時の流動性が低下する場合があり、繊維長が短すぎると強化繊維の抄造の製造が困難となる場合がある。成形性をより一層向上させる観点から、強化繊維(b1)は、非連続繊維であることが好ましく、平均繊維長が1mm以上であることがより好ましく、平均繊維長が1mm〜100mmであることがさらに好ましく、2mm〜50mmであることが特に好ましい。強化繊維(b1)の平均繊維径は、1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜20μmであることがより好ましい。強化繊維(b1)は、上記平均繊維径であれば収束剤等で凝集した強化繊維の束となっていてもよい。
強化繊維(b1)の含有量は、シート(b3)に含有する成分の全量100質量%中において10質量%〜80質量%であることが好ましく、20質量%〜70質量%であることがより好ましく、30質量%〜60質量%であることが更に好ましい。
強化繊維(b1)を10質量%以上とすることで繊維によるより一層の補強効果が得られ、80質量%以下とすることで後述するシート(b3)の製造性がより一層向上する。
(熱可塑性樹脂(b2))
シート(b3)に使用する熱可塑性樹脂(b2)としては、繊維化又はフィルム化できる熱可塑性樹脂であれば特に限定はないが、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、環状ポリオレフィン(COP)樹脂、環状オレフィン・コポリマー(COC)樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン(PS)樹脂、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブチレン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(MS)、メタクリル酸メチル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)、スチレン/ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン/イソプレン共重合体(SIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエン共重合体(SIBR)、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体(SEPS)等のポリスチレン系樹脂;ポリ乳酸(PLA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリシクロヘキセレンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリアセタール(POM)樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド6C樹脂、ポリアミド9C樹脂、ポリアミド6樹脂とポリアミド66樹脂の共重合体(ポリアミド6/66樹脂)、ポリアミド6樹脂とポリアミド12樹脂の共重合体(ポリアミド6/12樹脂)等の脂肪族ポリアミド(PA)樹脂;ポリアミドMXD6樹脂、ポリアミドMXD10樹脂、ポリアミド6T樹脂、ポリアミド9T樹脂、ポリアミド10T樹脂等の芳香環を有する構造単位と有さない構造単位からなる半芳香族ポリアミド(PA)樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂;液晶ポリエステル(LCP)樹脂;ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)等のポリエーテル芳香族ケトン樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂等を例示することができる。上記熱可塑性樹脂から選ばれる相溶性のある2種以上の熱可塑性樹脂同士の混合物、すなわちポリマーアロイ等も使用できる。
これらのなかでも熱可塑性樹脂(b2)としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド(PA)樹脂、半芳香族ポリアミド(PA)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂および熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(b2)の形状は、溶融混練が可能であれば特に制限はなく、例えば、粉末状、顆粒状、ペレット状のいずれも使用することができる。
熱可塑性樹脂(b2)の含有量は、シート(b3)に含有する成分の全量100質量%中において20質量%〜90質量%であることが好ましく、30質量%〜80質量%であることがより好ましく、40質量%〜70質量%であることが更に好ましい。
シート(b3)の目付重量は、本発明の複合積層体の成形加工をスムーズに行うことを考慮して100g/m〜1500g/mが好ましい。
(B層の製造方法)
本発明の複合積層体は、A層を形成するフィルム(a3)と、B層を形成するシート(b3)を各々作製し、フィルム(a3)をシート(b3)の片面上又は両面上に積層配置して、得られた積層物を成形機により加熱及び加圧することでフィルム(a3)及びシート(b3)を一体化することにより得られる。
B層を形成するシート(b3)としては、上記含有量になるように、強化繊維(b1)に熱可塑性樹脂(b2)を含浸させた複数のプリプレグを積層し、得られた積層物を成形機により加熱及び加圧することで一体化することで得られる。また、強化繊維(b1)に熱可塑性樹脂(b2)を含浸させたプリプレグをそのまま用いることもできる。すなわち、強化繊維(b1)に熱可塑性樹脂(b2)を含浸させたプリプレグをそのままシート(b3)として用いてもよい。
プリプレグの製造方法としては、フィルム、不織布、マット、織編物状等のシート状とした熱可塑性樹脂(b2)を2枚準備し、その2枚の間に、強化繊維(b1)をシート状に並べたシート、または強化繊維(b1)をカットして抄紙法により作製したシート(不織材料)を挟み込み、加熱及び加圧を行うことにより得る方法を挙げることができる。より具体的には、2枚の熱可塑性樹脂からなるシートを送り出す2つのロールから、2枚のシートを送り出すとともに、強化繊維のシートのロールから供給される強化繊維のシートを、2枚の熱可塑性樹脂からなるシートの間に挟み込ませた後に、加熱及び加圧する。加熱及び加圧する手段としては、公知のものを用いることができ、2個以上の熱ロールを利用したり、予熱装置と熱ロールの対を複数使用したりするなどの多段階の工程を要するものであってもよい。ここで、シートを構成する熱可塑性樹脂は1種類である必要はなく、別の種類の熱可塑性樹脂からなるシートを、上記のような装置を用いてさらに積層させてもよい。
プリプレグの他の製造方法としては、強化繊維(b1)の繊維束を開繊した強化繊維(b1)と繊維状とした熱可塑性樹脂(b2)を所望の質量比にて混綿してシート状にし、さらに積層して不織布を得た後、該不織布を加熱及び加圧を行うことにより得る方法を挙げることができる。混綿は市販のブレンダー機を用いることができる。シート化及び積層化についてはカーディング方式を用いることができ、市販のカード機を用いることができる。また、加熱及び加圧する手段としては、公知のものを用いることができる。不織布の製造に用いる繊維状の熱可塑性樹脂(b2)の平均繊維長は、混綿する強化繊維(b1)と同程度のものを用いることができ、繊度は2.2dtex〜22dtexが好ましい。繊度を2.2dtex〜22dtexとすることで強化繊維(b1)と繊維状とした熱可塑性樹脂(b2)の分散性が良くなり、より均一な不織布を形成しやすくなる。また、プリプレグを用いて成形体を得る際の厚み方向へのシートが膨張する現象をより一層抑制する観点で、プリプレグは混綿において一般的に用いられるニードルパンチ機による痕跡が5個/cm以下であることが好ましい。さらに、プリプレグの断面において、強化繊維(b1)の一部と他部が厚み方向に1mm以上変位しているものの本数が80本/cm以下であることが好ましい。
上記加熱温度は、熱可塑性樹脂(b2)の種類にもよるが、通常、100℃〜400℃であることが好ましい。一方、加圧時の圧力は、通常0.1MPa〜10MPaであることが好ましい。この範囲であれば、プリプレグに含まれる強化繊維(b1)の間に、熱可塑性樹脂(b2)をより一層含浸させることができるので好ましい。
強化繊維(b1)と熱可塑性樹脂(b2)を含むプリプレグにおいて、強化繊維(b1)が一方向に配向した連続繊維の場合、本発明の複合積層体に用いることができるプリプレグは、レーザーマーカー、カッティングプロッタや抜型等を利用して切込を入れることにより得ることが好ましい。切込により強化繊維(b1)が切断されるが、機械的物性と流動性の観点から、切断された強化繊維(b1)の長さとしては5mm〜100mmとすることが好ましく、10mm〜50mmとすることがより好ましい。
上記のようにして得られたプリプレグを強化繊維(b1)の方向が疑似等方、または交互積層になるよう2枚以上積層して積層基材を作製してもよい。上記積層基材は、プリプレグを4層〜96層となるように積層することが好ましい。プリプレグの層数のより好ましい範囲は8層〜32層である。プリプレグの層数を8層以上とすることで強化繊維の方向を疑似等方的に積層することができ、32層以下とすることで積層工程の作業負荷をより一層低減することができるので好ましい。
上記のようにして得られた積層基材を加熱及び加圧して一体化した積層基材を成形することで、シート(b3)を製造してもよい。このとき、積層基材とプレス機の金型の間にフィルム(a3)を配置させることで、シート(b3)の製造と同時に、本発明の複合積層体を製造することもできる。加熱工程の後に、冷却工程を実施することが好ましい。冷却を行うことにより、熱可塑性樹脂が固化するのでシート(b3)の取り扱いがより一層容易となる。
上記加熱においては、プリプレグに含まれる熱可塑性樹脂(b2)の種類にもよるが、100℃〜400℃で加熱することが好ましく、150℃〜350℃で加熱することがより好ましい。また、上記加熱に先立って、予備加熱を行ってもよい。予備加熱については、通常150℃〜400℃、好ましくは200℃〜380℃で加熱することが望ましい。
上記加圧において積層基材にかける圧力としては、好ましくは0.1MPa〜10MPaであり、より好ましくは0.2MPa〜2MPaである。この圧力については、プレス力を積層基材の面積で除した値とする。
上記加熱及び加圧する時間は、0.1分間〜30分間であることが好ましく、より好ましくは0.5分間〜20分間である。また、加熱及び加圧の後に設ける冷却時間は、0.5分間〜30分間であることが好ましい。
上記成形を経て一体化したシート(b3)の厚さは、目的とする部材の形状により任意に選択でき、成形性と機械的物性の観点から0.3mm〜15mmであることが好ましく、1mm〜12mmであることがより好ましい。
<複合積層体の製造方法>
本発明の複合積層体は、フィルム(a3)がシート(b3)と金型の間に配置されるように、フィルム(a3)をシート(b3)の片面上又は両面上に積層配置して、得られた積層物を成形機により加熱及び加圧することでフィルム(a3)及びシート(b3)を一体化することにより製造することができる。また、2枚以上(好ましくは2枚〜5枚)のフィルム(a3)を、シート(b3)の片面上又は両面上に積層配置してもよい。加熱工程の後に、冷却工程を実施することが好ましい。冷却を行うことにより、熱可塑性樹脂が固化するので複合積層体の取り扱いが容易となる。
上記積層物の加熱においては、フィルム(a3)に含まれる熱可塑性樹脂(a2)、シート(b3)に含まれる熱可塑性樹脂(b2)の種類にもよるが、100℃〜400℃で加熱することが好ましく、150℃〜350℃で加熱することがより好ましい。また、上記加熱に先立って、予備加熱を行ってもよい。予備加熱については、通常150℃〜400℃、好ましくは200℃〜380℃で加熱することが好ましい。
上記加圧において積層物にかける圧力としては、好ましくは0.1MPa〜10MPaであり、より好ましくは0.2MPa〜2MPaである。この圧力については、プレス力を積層物の面積で除した値とする。
上記加熱及び加圧する時間は、0.1分間〜30分間であることが好ましく、より好ましくは0.5分間〜20分間である。また、加熱及び加圧の後に設ける冷却時間は、0.5分間〜30分間であることが好ましい。
上記加熱における成形機の金型温度(Th)は、上記積層物に含まれる熱可塑性樹脂が融点(Tm)を有する場合、Tm≦Th≦(Tm+100)(℃)とすることが好ましく、(Tm+10)≦Th≦(Tm+80)(℃)とすることがより好ましい。上記加熱における成形機の金型温度(Th)は、上記積層物に含まれる熱可塑性樹脂が融点(Tm)を有さずガラス転移温度(Tg)を有する場合、Tg≦Th≦(Tg+100)(℃)とすることが好ましく、(Tg+10)≦Th≦(Tg+80)(℃)とすることがより好ましい。成形機の金型温度(Th)を上記範囲にすることで、金型の膨張を防ぎつつ、また樹脂の劣化を抑制しつつ、上記積層物を一体化することができる。
上記加熱における成形機の金型温度(Th)と積層物を冷却する時の成形機の金型温度(Tc)の差(Th−Tc)は、10≦(Th−Tc)≦250(℃)とすることが好ましく、30≦(Th−Tc)≦200(℃)とすることがより好ましい。金型温度の差を上記範囲にすることで、熱可塑性樹脂のより一層均一な溶融、固化を可能とし、得られる複合積層体の耐久性をより一層向上することができる。
本発明の複合積層体のB層のように、強化繊維を含有する熱可塑性樹脂は、一般的にプレス成形によりヒケが発生するが、本発明の複合積層体では、充填材(a1)を含有するA層を表面に形成することで、強化繊維(b1)間を充填材(a1)が隙間を埋めることによって表面平滑性と機械的物性が向上するものと考えられる。
本発明の複合積層体は、充填材(a1)を含有するA層を表面に形成することで、充填材(a1)による熱可塑性樹脂(a2)の核剤効果、充填材(a1)と金型との低接着性、充填材(a1)による熱時剛性向上等の効果により、金型からの離型性が向上するものと考えられる。
本発明の複合積層体は、充填材(a1)を含有するA層を表面に形成することで、充填材(a1)表面の水酸基等の存在により複合積層体への塗装密着性が向上する。
本発明の複合積層体は、A層の充填材(a1)とB層の強化繊維(b1)とのアンカー効果によるA層のB層との密着力が向上することが期待される。
特に、本発明の複合積層体は、充填材(a1)を含有するA層を表面に形成することで、切削加工後の切削断面にバリが生じにくいという効果がある。
上記特性から、本発明の複合積層体は、スタンピング成形等のプレス成形により任意の形状に賦形することができる成形用中間材料として用いることができ、自動車、電気・電子機器(パソコン筐体、タブレット等)などの各種部品・部材に賦形することができる。
以下に実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお、本実施例及び比較例で使用した原材料は具体的には以下の通りである。
(充填材(a1))
チタン酸リチウムカリウム粒子(商品名:テラセス L、大塚化学社製、体積平均粒子径:16μm)
フェノール樹脂粒子(商品名:ベルパールR800、エア・ウォーター・ベルパール社製、体積平均粒子径:20μm)
マイカ粒子(大塚化学社製、体積平均粒子径:3.4μm)
(熱可塑性樹脂(a2))
ポリアミドMXD10樹脂(商品名:LEXTER8500、三菱瓦斯化学社製)
(その他)
ガラス繊維(商品名:ECS 03T−289P/W、日本電気硝子社製、平均繊維長:3mm、平均繊維径:13μm)
<試験例1〜試験例5>
表1に示す配合割合で、二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットを製造した。なお、二軸押出機のシリンダ温度は、240℃であった。
得られたペレットを乾燥後、フィルム押出機(東洋精機社製、ラボプラストミル4C150−01に単軸押出機D2020(L/D=20)を接続)を用いて、シリンダ温度240℃にて、Tダイ(幅150mm、厚み0.2mm)から押し出した溶融樹脂を、フィルム引取り装置を介してフィルムが目的の厚みになるように一軸延伸を行い、フィルムを得た。フィルムの厚みは、100μmとした。
Figure 2021062495
<実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例2>
上記で得られた試験例1〜試験例5のフィルムの其々について、フィルムと、炭素繊維(平均繊維長30mm、平均繊維径7μm)とポリアミド6樹脂繊維から形成された不織布を加熱及び加圧することで得られた炭素繊維シート(シートの厚み10mm、炭素繊維含有量50質量%)とを、フィルム/炭素繊維シートの構成になるように、2枚のイミドフィルム(商品名:UPILEX 75S、宇部興産社製)に挟み込み、プレス機(東洋精機社製、商品名:Mini Test Press MP−WCH)にて天板温度220℃、予熱時間1分、圧力2MPa、加圧時間1分の条件にてプレスし、プレス後にイミドフィルムを剥離することで複合積層体を製造した。得られた複合積層体におけるA層全体の厚みは65μm、B層の厚みは0.375mmであった。
得られた複合積層体におけるA層の表面硬度について、ナノインデンター(ENT−1100a、エリオニクス社製)を用いて測定した。測定は23℃で行い、負荷荷重50mNを5秒加えた後除圧して得られた測定値を表面硬度とした。
また、得られた複合積層体をK−111PCBCOTTER(HOZAN製)ディスクカッターK−110−2を用いて切削した。加工後、切削断面について、ワンショット3D測定マイクロスコープVR−3000(KEYENCE製)を用いて観察し、断面が直線的にシャープなものを「〇」、断面が直線的でなく乱雑なものを「×」とした。評価における結果を表2に示した。
Figure 2021062495
表2より、A層の表面硬度が500MPa未満の実施例1〜実施例3では、切削加工性が向上していることがわかる。他方、A層の表面硬度が500MPaの比較例1や、表面硬度が500MPa未満であるにもかかわらず充填材を添加しなかった比較例2では、切削加工性が十分でないことがわかる。これらの結果より、充填材と熱可塑性樹脂とを含み、かつ表面硬度が500MPa未満のA層を用いることで、切削加工性に優れる複合積層体が得られることを確認できた。
1,21…複合積層体
2…A層
3…B層
3a…第1の主面
3b…第2の主面

Claims (13)

  1. A層とB層とを備え、前記B層の片面上又は両面上に、直接的又は間接的に前記A層が設けられている複合積層体において、
    前記A層が、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)とを含み、
    前記B層が、前記充填材(a1)とは異なる強化繊維(b1)と、熱可塑性樹脂(b2)とを含み、
    前記A層のナノインデンターを用いて測定される表面硬度が、500MPa未満である、複合積層体。
  2. 前記充填材(a1)が、無機粒子である、請求項1に記載の複合積層体。
  3. 前記充填材(a1)が、有機粒子である、請求項1に記載の複合積層体。
  4. 前記充填材(a1)の体積平均粒子径が0.01μm〜100μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合積層体。
  5. 前記熱可塑性樹脂(a2)が、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂および熱可塑性ポリイミド樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の複合積層体。
  6. 前記充填材(a1)の含有量が、前記A層に含まれる成分の全量100質量%中において0.5質量%〜40質量%である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の複合積層体。
  7. 前記A層の厚みが500μm未満である、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の複合積層体。
  8. 前記強化繊維(b1)が、炭素繊維、ガラス繊維およびアラミド繊維よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の複合積層体。
  9. 前記強化繊維(b1)の含有量が、前記B層に含まれる成分の全量100質量%中において10質量%〜80質量%である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の複合積層体。
  10. 前記熱可塑性樹脂(b2)が、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂および熱可塑性ポリイミド樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の複合積層体。
  11. 前記B層の厚みが0.3mm以上である、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の複合積層体。
  12. 自動車部材用又は電気・電子機器部材用である、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の複合積層体。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の複合積層体の製造方法であって、
    強化繊維(b1)と、熱可塑性樹脂(b2)とを含むシート(b3)の片面上または両面上に、充填材(a1)と、熱可塑性樹脂(a2)とを含むフィルム(a3)を積層配置し、前記積層配置された積層物を加熱及び加圧することでシート(b3)及びフィルム(a3)を一体化する、複合積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024019587A1 (ko) * 2022-07-22 2024-01-25 피아이첨단소재 주식회사 폴리이미드 필름 및 이의 제조방법

Cited By (1)

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WO2024019587A1 (ko) * 2022-07-22 2024-01-25 피아이첨단소재 주식회사 폴리이미드 필름 및 이의 제조방법

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