JP2008050598A - 繊維強化複合材料および一体化成形品 - Google Patents

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敦岐 土谷
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Abstract

【課題】接着性に優れた繊維強化複合材料に関するものであり、各種部材、特にポリカーボネート樹脂部材のホットメルト接着性に優れた繊維強化複合材料を提供する。
【解決手段】連続した強化繊維群、熱硬化性マトリックス樹脂および熱可塑性樹脂を含み、少なくとも表面の一部に熱可塑性樹脂が層状に存在し、該熱可塑性樹脂が強化繊維群に最大含浸厚みhが10μm以上で凹凸形状を形成して含浸されてなる繊維強化複合材料であって、該熱可塑性樹脂が1種または2種以上のポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂の融点Tmが120℃≦Tm≦180℃の範囲で、かつそのガラス転移温度Tgが0℃≦Tg≦110℃の範囲である繊維強化複合材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、他の部材との接着性に優れた繊維強化複合材料に関するものであり、より詳しくは、特にポリカーボネート樹脂からなる部材との接着性に優れた繊維強化複合材料に関するものである。
熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化複合材料は、力学特性に優れた材料であり、現在各種部品や部材を構成する材料として広く用いられている。
熱硬化性樹脂を用いた繊維強化複合材料は、大型の構造体では、金属材料に比較して、複雑形状の部品を一体成形できるという利点を有するが、薄肉・軽量・剛性が要望される電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器および医療機器等の比較的小型の部品では、プラスチックの射出成形材料に比較して、複雑な形状を有する部品や構造体を単一の成形工程で製造するには不向きである。そのため、複雑な形状を有する部品は、まず当該繊維強化複合材料からなる複数の部材を作成し、次いで、それらの部材を組み合わせ接合して一体化することにより製造されていた。しかしながら、熱硬化性樹脂からなる繊維強化複合材料は、一旦硬化させてしまうと他の部材との接着が難しい。
従来、繊維強化複合材料と他の部材との一体化手法として、ボルト、リベットおよびビスなどの機械的接合方法や、接着剤を使用する接合方法が用いられているが、これらの接合方法は、加工工程が増えるため量産適用に限界があり生産コストの低減が難しく、またその外観からも適用用途が限定されるなどの問題があった。
これに対し、容易にかつ強固に別の部材と溶着可能な繊維強化複合材料積層体として、熱硬化性樹脂を含む繊維強化複合材料の表面に熱可塑性樹脂層が、これらの層の界面において、強化繊維を含めて凹凸形状を有して一体化されている積層体が提案されている(特許文献1参照)。この提案によれば、繊維強化複合材料の熱硬化性樹脂の硬化過程において熱可塑性樹脂を同時に溶融軟化させることにより、凹凸形状を形成して密着させた熱可塑性樹脂層を介して他の部材を強固に溶着することが可能である。しかしながら、この提案における主な対象はポリアミド樹脂材料との接着でありそれについては詳細に開示がなされているが、その他の樹脂材料との接着に関しての詳細な開示はなく、幅広い材料を溶着させるために、さらなる改善が期待されていた。特に、樹脂の種類ではポリカーボネート樹脂(以下、PCと略すことがある)は、透明性、寸法安定性および耐衝撃性に優れていることから、光学用途向けに使用されることが多い。また、PC/ABS樹脂アロイは、成形性にも優れていることから電子機器筐体などに使用されることが多く、これらの樹脂からなる部材を容易に溶着可能な繊維強化複合材料の開発は非常に有用である。
国際公開04/060658号パンフレット
本発明は、かかる従来技術をもとにさらなる技術改良を進め、他の部材と簡便に接着でき接着強度に優れた、特にポリカーボネート樹脂からなる材料との接着性に優れた繊維強化複合材料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記課題を達成することができる、次の繊維強化複合材料を見出した。
(1)連続した強化繊維群、熱硬化性マトリックス樹脂および熱可塑性樹脂を含み、少なくとも表面の一部に熱可塑性樹脂が層状に存在し、該熱可塑性樹脂が強化繊維群に最大含浸厚みhが10μm以上で凹凸形状を形成して含浸されてなる繊維強化複合材料であって、該熱可塑性樹脂が1種または2種以上のポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂の融点Tmが120℃≦Tm≦180℃の範囲で、かつそのガラス転移温度Tgが0℃≦Tg≦110℃の範囲である繊維強化複合材料。
(2)層状に存在する熱可塑性樹脂の接着層厚みtが10〜500μmの範囲である上記(1)に記載の繊維強化複合材料。
(3)前記ポリエステル樹脂の数平均分子量が10,000〜30,000の範囲である上記(1)または(2)に記載の繊維強化複合材料。
(4)前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート成分および/またはポリブチレンテレフタレート成分を10〜80重量%含有してなり、ジオール成分としてポリテトラメチレングリコール成分を含む共重合ポリエステル樹脂である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(5)前記ポリエステル樹脂の温度(融点Tm+10)℃での直径20mmのパラレルプレートを用いた発生トルク0.005Jにおける溶融粘度η1が500≦η1≦2,000Pa・sの範囲である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(6) 熱可塑性樹脂の引張破断強度が25MPa以上および/または引張破断伸度が200%以上である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(7) ポリエステル樹脂のうち少なくとも1種のポリエステル樹脂の片末端または両末端が、第1級アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、および酸無水物基からなる群から選ばれた1種または2種の官能基構造を有している上記(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(8)官能基の含有量が1000〜100000当量である上記(7)に記載の繊維強化複合材料。
(9)ISO4587に基づく接着強度が25℃で5MPa以上である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(10)前記強化繊維群を構成する繊維が炭素繊維である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(11)前記熱硬化性マトリックス樹脂がエポキシ樹脂である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(12)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化複合材料において、少なくとも片方の表面に意匠層が接合されている繊維強化複合材料。
(13)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化複合材料において、少なくとも片方の表面に前記層状に存在する熱可塑性樹脂を介してポリエステルまたはポリカーボネートを主成分として含む意匠層を接合し、繊維強化複合材料の反対側の表面にも前記層状に存在する熱可塑性樹脂が形成された繊維強化複合材料。
(14)電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品または建材に用いられる上記(1)〜(13)のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
(15)上記(1)〜(14)のいずれかに記載の繊維強化複合材料と他の部材とが、前記の層状に存在する熱可塑性樹脂を介して接合されてなる一体化成形品。
(16)前記他の部材がポリカーボネート樹脂からなる部材である上記(15)に記載の一体化成形品。
本発明の繊維強化複合材料を用いることにより、簡便に他の部材と接着し、特にポリカーボネート樹脂からなる部材との接着性に優れた一体化成形品が得られる。さらに、本発明の繊維強化複合材料は、熱接着時の被着材(他の部材)への樹脂浸透性や樹脂垂れ抑制などの加工性に優れ、また高温接着性にも優れるものであり、電気・電子機器などに代表されるような高温耐久性が必要となる部品・部材に好適に使用できる。
以下、本発明の繊維強化複合材料について、具体的に説明する。
本発明の繊維強化複合材料は、連続した強化繊維群、熱硬化性マトリックス樹脂および熱可塑性樹脂からなるもので、該可塑性樹脂は1種または2種以上のポリエステル樹脂を含み、そのポリエステル樹脂の融点Tmが120℃≦Tm≦180℃の範囲であることが重要である。融点Tmをこの範囲とすることにより、常温付近での接着強度はもとより、80℃を超えるような高温状態でも優れた接着強度を発揮することが可能となる。さらには、融点Tmがこの範囲であることで、溶着する際の温度が極めて高くなるということはなく、使用時の被着体(他の部材)の熱分解や熱変形などの問題もなく、またプロセス的にも大きな負荷にはならない。ここで、ポリエステル樹脂が2種以上の混合物である場合などで、融点Tmが2つ以上存在する場合は、ポリエステル樹脂を十分に溶融させたところで接着評価をおこなう観点から、本発明では、最も高い融点Tmをそのポリエステル樹脂の融点Tmとして取り扱うこととする。融点Tmは、好ましくは130℃〜170℃であり、より好ましくは140℃〜160℃である。
融点を上記範囲にするためには、ポリエステル樹脂の結晶性をコントロールすることが有効である。そのためには、例えば、2種類以上のジカルボン酸と2種類以上のジオールとを用いて共重合ポリエステルとして、分子鎖の規則性をコントロールし、結晶性を高めたり低めたりするなどで融点をコントロールすることが可能である。
また、本発明で用いられるポリエステル樹脂は、温度(融点Tm+10)℃での直径20mmのパラレルプレートによる発生トルク0.005Jにおける溶融粘度η1が500≦η1≦2,000Pa・sの範囲であることが重要である。温度(融点Tm+10)℃における溶融粘度が上記範囲にあれば、被着体への熱可塑性樹脂の濡れ広がり性および接着剤として作用する熱可塑性樹脂の流出抑制に優れ、プロセス性および接着強度確保の両立が可能となる。溶融粘度η1は、好ましくは600〜1800Pa・sであり、より好ましくは700〜1600Pa・sである。
溶融粘度測定は具体的には、動的粘弾性測定装置を使用し、直径20mmのパラレルプレートを用い、平行平板間の距離1.0mm、測定周波数0.5Hz、発生トルク0.005Jの条件下で、所定の温度においてポリエステル樹脂成分の粘弾性測定を行い、複素粘性率η1を読み取る。動的粘弾性測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置ARESを用いた。
溶融粘度η1を上記範囲にするためには、ポリエステル樹脂の分子量を調整する方法や、2種類以上のジカルボン酸と2種類以上のジオールとを用いて共重合ポリエステルとして、分子鎖の規則性をコントロールし、結晶性を高めたり低めたりするなどにより、溶融粘度をコントロールすることが可能である。例えば、分子量を低くすることにより溶融粘度を低下させることが可能であり、炭素数の多いジカルボン酸成分や炭素数の多いジオール成分などの柔軟性を発現することのできる成分を原料としてポリエステル樹脂を作製すると、溶融粘度を低くするなどである。
溶融粘度に関しては、ポリエステル樹脂が2種以上の混合物である場合に2種類の結果となることはないので、特にポリエステル樹脂の種類を区別する必要はなく、混合物の粘度をそのまま測定して溶融粘度とする。
図1は、本発明の繊維強化複合材料の構造を例示説明するための模式断面図である。
本発明の繊維強化複合材料1は、熱可塑性樹脂4を繊維強化複合材料1の表面に強固に形成させる観点から、熱可塑性樹脂4は、図1のように、強化繊維群2の少なくとも一部を含み、厚み方向に凹凸の領域をなしていることが、強化繊維群2を介したアンカー効果を奏するために重要な態様である。図1において、強化繊維群2を構成する繊維(束)群は、図面の手前側から向こう側に突き抜ける方向に連続し配置されている。
また、同様にアンカー効果の観点から、熱可塑性樹脂4に接している強化繊維群2のうち、表面に最も近い繊維(繊維2−out)と最も内部側に存在する繊維(繊維2−in)との間の距離を最大含浸厚み(h)5と定義した場合、その最大含浸厚み(h)5は強固な接合を発現させる上で、10μm以上であることが重要である。最大含浸厚み(h)5は、より好ましくは20μm以上であり、さらに好ましくは30μm以上である。ここで最大含浸厚み(h)の上限は特に制限はないが、500μm程度であれば本発明の繊維強化複合材料として十分実用に値する接着強度が発現できる。最大含浸厚み(h)の好ましい上限は200μm程度である。
最大含浸厚み(h)5は、繊維強化複合材料1を切り出し、断面を光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察して求めることができる。熱可塑性樹脂4が明確に観察できない場合は、観察のコントラストを強調するために、必要に応じ、染色しても良い。
また、層状に存在する熱可塑性樹脂4は、他の部材との接着用に接着層を確保する観点から、その接着層厚み(t)6が10〜500μmの範囲であることが好ましい。接着層厚み(t)6の定義は、図1の繊維強化複合材料1の表面から熱可塑性樹脂4に接している熱硬化性マトリックス樹脂3のうち、表面に最も近い熱硬化性マトリックス樹脂3までの間の距離とする。接着層厚み(t)6は、より好ましくは20〜300μmであり、さらに好ましくは40〜100μmである。
図1において、熱可塑性樹脂4と熱硬化性マトリックス樹脂3は、連続した強化繊維群2に含浸されていると共に、両者の界面において凹凸形状を形成して接合一体化され層を形成している。そして、熱可塑性樹脂4が、少なくとも繊維強化複合材料1の表面の一部に層状に存在し、熱可塑性樹脂4が強化繊維群2に最大含浸厚み(h)5が10μm以上で凹凸形状を形成して含浸されている。強固な接合を達成するためには、熱可塑性樹脂4が形成する凹凸形状はその数量や形状については特に限定されないが、最大含浸厚み(h)5の範囲において、均一により深い部位に形成されていることが好ましい。
また、本発明で用いられるポリエステル樹脂は、ガラス転移温度Tgが0℃≦Tg≦110℃の範囲であることが重要である。ガラス転移温度Tgがこの範囲にあることで、常温付近での分子の運動性を抑えて強固なポリエステル樹脂として接着強度を高く発現させることが可能となる。ガラス転移温度Tgは、より好ましくは10℃≦Tg≦100℃の範囲であり、さらに好ましくは25℃≦Tg≦90℃の範囲である。ここでポリエステル樹脂が2種以上の混合物である場合など、ガラス転移温度Tgが2つ以上存在する場合は、常温付近でのポリエステル樹脂の強度を評価する観点から、そのうちで最も低いガラス転移温度Tgをポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgとして取り扱うこととする。
ガラス転移温度を上記範囲にするためには、ポリエステル樹脂の骨格構造をコントロールすることが有効である。例えば、芳香族ジカルボン酸成分や脂環式ジオール成分などの剛直な成分を原料としてポリエステル樹脂を作製するとガラス転移温度を高くすることが可能である。
また、熱可塑性樹脂を構成するポリエステル樹脂は、樹脂自体の強度確保と流動性確保のために、その数平均分子量が10,000〜30,000の範囲であることが好ましい。数平均分子量は、より好ましくは12,000〜28,000の範囲であり、さらに好ましくは15,000〜25,000の範囲である。
数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)などの一般的な測定手段で測定する。ここでポリエステル樹脂が2種以上の混合物である場合など、数平均分子量の異なる、すなわち数平均分子量の分布が2分布ある場合などは、ポリエステル樹脂の強度を評価する観点から、そのうちで最も低い数平均分子量のものをポリエステル樹脂の数平均分子量として取り扱うこととする。
また、ポリエステル樹脂の構造としては、ハードセグメントとして、芳香環型または脂環型の環式ジカルボン酸と次の一般式(a)
HO−R−OH(a)
(式中、RはC2n(n=2〜10の整数)で表される直鎖または分岐構造をもつアルキレン基、あるいはC2n4n(nは1以上の整数)で表される直鎖アルキレンオキシド基を表す。)で示されるジオールからなるポリエステル成分を好ましくは5〜80重量%含有し、そして、ソフトセグメントとして、芳香環型または炭素数2〜10のアルキレンジカルボン酸と上記の一般式(a)にて表されるジオールからなるポリエステル成分を好ましくは20〜95重量%含有している共重合ポリエステルであることが好ましい。ポリエステル樹脂が2種以上のポリエステル樹脂の混合物である場合は、少なくとも1種以上のポリエステル樹脂が上記構造のハードセグメントとソフトセグメントを有する共重合ポリエステルであることが好ましい。好ましくは上記構造のポリエステル樹脂が30〜95重量%、より好ましくは45〜90重量%、さらに好ましくは55〜85重量%含まれる。
ここで、ハードセグメントを構成する芳香環型のジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸およびスルホイソフタル酸ナトリウムなどが例として挙げられる。好ましくは、ポリエステル骨格を剛直にしてポリエステル樹脂強度を高める意味で、テレフタル酸とイソフタル酸が好ましく用いられる。中でも、ポリエステル樹脂の結晶性を高めて、樹脂強度を確保する点からテレフタル酸が好ましく用いられる。
また、ハードセグメントを構成する脂環型のジカルボン酸としては1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸および4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などが例として挙げられる。中でも対称性を有し、ポリエステル樹脂の剛直性と結晶性を高める観点から、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく用いられる。
上記一般式(a)で示されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールおよびダイマージオールなどが例として挙げられる。
ジオールとしては、力学特性に優れたポリエステルとして工業的にも使用頻度の高いポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートに使用されているエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールが好ましく用いられる。
ソフトセグメントを構成する芳香環型のジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸およびスルホイソフタル酸ナトリウムなどが例として挙げられる。炭素数2〜10のアルキレンジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などが挙げられる。中でも、工業的に使用頻度の高いセバシン酸が好ましく用いられる。ソフトセグメントに使用されるジオールとしては、上記ハードセグメントのジオールと同様の指針で選択することが好ましい。
ハードセグメントの構造としては、工業的に多数利用されている樹脂成分であるポリエチレンテレフタレート成分、ポリブチレンテレフタレート成分のうちの1種または両方を含むことが好ましい。また、ジオール成分として、樹脂に柔軟性を持たせるためにポリテトレメチレングリコールを含むことが好ましい。このようなポリエステル樹脂として、例えば、東レ(株)製の“ケミット”(登録商標)、東レデュポン(株)製の“ハイトレル”(登録商標)、および東洋紡(株)製の“バイロン”(登録商標)を例に挙げることができる。
さらに、本発明で用いられるポリエステル樹脂は、接着性を高める観点から、ポリエステル樹脂の片末端または両末端が、第1級アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、および酸無水物基からなる群から選ばれた1種または2種の官能基構造を有していることが好ましい。
第一級アミノ基としては、構造式−R−NHで表されるもので、反応性の面および適用し易いことから、Rは炭素数1〜10までのアルキル骨格またはアルキレンオキシド骨格が好ましい。第一級アミノ基としては、例えば、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基およびブチルアミノ基などが挙げられる。エポキシ基も同様に、構造式−R−エポキシ基で表されるもので、Rは炭素数1〜10までのアルキル骨格またはアルキレンオキシド骨格が好ましい。エポキシ基としては、例えば、グリシジル基、グリシジルエーテルおよびグリシジルエステルなどの構造が汎用的である。カルボキシル基としては、例えばR=CH、(CH、(CH、CHCHO、および(CHCHO)などが挙げられる。酸無水物基も同様に、構造式−R−酸無水物基で表されるもので、Rは炭素数1〜10までのアルキル骨格またはアルキレンオキシド骨格が好ましい。
官能基の含有量としては、第一級アミノ基は、樹脂の数平均分子量を樹脂1分子あたりに含まれるアミノ基数で割った値で表されるアミン当量として1000〜100000の範囲であることが好ましい。第一級アミノ基の含有量は、より好ましくは2000〜50000の範囲であり、さらに好ましくは3000〜30000の範囲である。エポキシ基は、樹脂の数平均分子量を樹脂1分子あたりに含まれるエポキシ基数で割った値で表されるエポキシ当量として1000〜100000の範囲であることが好ましい。エポキシ基の含有量は、より好ましくは2000〜50000の範囲であり、さらに好ましくは3000〜30000の範囲である。カルボキシル基は、樹脂の数平均分子量を樹脂1分子あたりに含まれるカルボキシル基数で割った値で表されるカルボキシル当量として1000〜100000の範囲であることが好ましい。酸無水物基は、樹脂の数平均分子量を樹脂1分子あたりに含まれる酸無水物基数で割った値で表される酸無水物当量として1000〜100000の範囲であることが好ましい。酸無水物基の含有量は、より好ましくは2000〜50000の範囲であり、さらに好ましくは3000〜30000の範囲である。
上記の官能基の含有量は、既存の手法を用いて評価することが可能である。例えば樹脂の構造をIR、プロトンNMR、カーボンNMR、マススペクトルなどの手法で構造を決定して官能基量を評価する方法がある。
別の方法としては樹脂の溶液を滴定することで測定する。カルボキシル基当量であれば、樹脂をクロロホルム、ジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒に溶かし、フェノールフタレインを指示薬として水酸化カリウムで滴定して、樹脂1分子当たりのカルボキシル基の数を定量し、樹脂の数平均分子量をカルボキシル基数で割ってカルボキシル当量を求める。
アミン当量は、樹脂中に第一級アミノ基のみを有する場合は、アミン当量はクロロホルム、DMF等の有機溶媒に溶かし、濃度既知の塩酸で滴定し、樹脂1分子当たりのアミノ基の数を定量し、樹脂の数平均分子量をアミノ基数で割ってアミン当量を求める。樹脂中に第二級アミノ基、第三級アミノ基が混在する場合には、樹脂をクロロホルム、DMF等の有機溶媒に溶かし、p−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド化合物を第一級アミノ基と反応させてイミンを形成させ、得られた樹脂反応物を精製後にプロトンNMRで末端のイミン導入量を測定し、第一級アミノ基量を定量し、樹脂の数平均分子量をアミノ基数で割ってアミン当量を求めるなどの方法でもよい。
エポキシ当量は、樹脂をクロロホルム、DMF等の有機溶媒に溶かし、塩酸で滴定してエポキシ基を塩酸と反応させ、過剰量の塩酸を水酸化カリウムで逆滴定して樹脂1分子当たりのエポキシ基の数を定量し、樹脂の数平均分子量をエポキシ基数で割ってエポキシ当量を求める。樹脂にアミノ基とエポキシ基が混在する場合は、滴定よりも樹脂構造を特定する方法が好ましい。
酸無水物当量は、樹脂のカーボンNMR評価から酸無水物の炭素由来の吸収ピークの強度を測定して酸無水物基量を定量し、樹脂の数平均分子量を酸無水物基数で割って酸無水物当量を求める。
これらの反応性官能基の形成は、化学反応による共有結合形成はもとより、水素結合や極性が高いことによる静電気的な力によって各種材料との接着性を向上させるために好ましい態様である。ポリエステル樹脂が2種以上のポリエステル樹脂の混合物である場合は、少なくとも1種以上のポリエステル樹脂が上記末端構造となることが好ましい。
また、本発明において、ポリエステル樹脂は、単独で用いても構わないが、他の添加剤成分などを含む熱可塑性樹脂組成物としても使用することができる。他の添加剤としては、例えば、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤などが挙げられる。
さらに、本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、接着剤自体として強固であることが好ましく、具体的には引張破断強度が25MPa以上であることが好ましい。引張破断強度は、より好ましくは30MPa以上であり、さらに好ましくは35MPa以上である。引張破断強度はISO527に基づいて評価することが好ましいが、サンプル量の不足などで該評価が困難な場合は小さなフィルムを作成して引張試験に供してもよい。引張破断強度の上限については特に規定していないが、熱可塑性樹脂が主成分であることを考慮すると、100MPa程度もあれば接着剤として十分な機能を果たすことが可能である。
また、本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、荷重を吸収して接着剤として有効に機能するために、引張破断伸度が200%以上であることが好ましい。引張破断伸度は、より好ましくは250%以上であり、さらに好ましくは300%以上である。引張破断伸度はISO527に基づいて評価することが好ましいが、サンプル量の不足などで該評価が困難な場合は小さなフィルムを作成して引張試験に供してもよい。引張破断伸度の上限については特に規定していないが、1000%程度もあれば接着剤として十分な機能を果たすことが可能である。
また、本発明の繊維強化複合材料の好ましい形態としては、繊維強化複合材料の難燃性を高める点で、熱硬化性マトリックス樹脂に難燃剤が添加されており、熱可塑性樹脂に限界酸素指数が好ましくは25以上の難燃性熱可塑性樹脂からなる繊維の集合体が埋没してなることが好ましい態様である。
熱硬化性マトリックス樹脂に添加される難燃剤としては特に制限はないが、難燃性が高いことからリン系の難燃剤が好ましい。難燃効果を有効に発揮するための難燃剤の添加量としては繊維強化複合材料に対して、リン原子濃度で0.2〜15重量%程度であることが好ましい。
また、難燃性熱可塑性樹脂の限界酸素指数は、より好ましくは30以上であり、さらに好ましくは35以上である。限界酸素指数の上限は、その定義上100が上限である。
また、難燃性熱可塑性樹脂からなる繊維の集合体は、燃焼時に被膜を形成しやすくするために均一な目付の単繊維集合形態を形成することが好ましく、その単繊維糸径は好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは2〜50μmであり、さらに好ましくは3〜20μmである。
繊維の集合体の形態に関しては、千本〜百万本の単繊維を繊維束とした形態のものを平織りや綾織りなどの繊維織物または編物としたもの、千本〜百万本の単繊維を繊維束とした形態のものをエアや水流などにより単繊維同士をランダムに交絡させた単繊維交絡形態としたもの、メルトブロー法やスパンボンド法などにより単繊維同士をランダムに溶融接着させた不織布形態としたものなど特に制限はないが、燃焼時に溶融して難燃性の被膜を形成しやすくし難燃性を向上させることや取り扱い性の面から、単繊維同士の接触点においてお互いの単繊維が溶融接着している状態であることが好ましく、例えば、不織布形態であることが好ましい。
また、繊維集合体は、目付が1〜100g/mであることが好ましく、目付はより好ましくは2〜70g/mである。
繊維強化複合材料が優れた接着性を発現するためには、熱可塑性樹脂に難燃性を付与する繊維の集合体が埋没して充填構造を形成することが好ましい。また、このような形態をとることは、熱可塑性樹脂が内部の未充填部分の空隙に起因して破壊する可能性が少なく、十分な接着強度を発現しうるために好ましい態様である。
また、繊維の集合体は、難燃性および接着性両立の観点から、熱可塑性樹脂に対して10〜70重量%の割合で含まれていることが好ましく、より好ましくは15〜60重量%であり、さらに好ましくは20〜50重量%である。
図2は、本発明の繊維強化複合材料の他の好ましい形態構造を例示説明するための模式断面図である。
図2において、繊維強化複合材料1を構成する熱可塑性樹脂4中に、難燃性を付与する繊維の集合体7が埋没して充填構造を形成している。そして、図2においても、熱可塑性樹脂4と熱硬化性マトリックス樹脂3は、連続した強化繊維群2に含浸されていると共に、両者の界面において凹凸形状を形成して接合一体化されている。そして、熱可塑性樹脂4が、少なくとも繊維強化複合材料1の表面の一部に層状に存在し、熱可塑性樹脂4が強化繊維群2に凹凸形状を形成して含浸されている。
また、図2に示すように、繊維強化複合材料1の表面から繊維の集合体7までの距離のうち、最も表面に近いところに存在する繊維の集合体7の部位までの距離と定義する最小埋没深さ(d)8は、燃焼時に繊維の集合体7が難燃性被膜形成を容易にして難燃性発現効果を高める観点から、0〜200μmであることが好ましく、より好ましくは0〜100μmであり、さらに好ましくは0〜50μmである。
ここで、繊維の集合体を構成する難燃性熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびフェノール系樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。また、これら難燃性熱可塑性樹脂は、上記の難燃性熱可塑性樹脂の共重合体や変性体および/または2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。さらに用途等に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で適宜、他の充填材や添加剤を含有しても良い。例えば、難燃性を高めるために難燃剤を添加することができ、あるいは繊維布帛を作製しやすくするために可塑剤を添加することができる。なかでも、難燃性、コストおよび繊維作製の簡便さから、PAS樹脂、PES樹脂、PEI樹脂およびフェノール系樹脂が好ましく用いられる。
これらのうちPAS樹脂とは、繰返し単位として−(Ar−S)−(但し、Arはアリーレン基を表す。)で主として構成されたものであり、アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p、p' −ジフェニレンスルフォン基、p、p' −ビフェニレン基、p、p' −ジフェニレンエーテル基、p、p' −ジフェニレンカルボニル基およびナフタレン基などを使用することができる。中でも、工業的に多数利用されているポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂が好ましく用いられる。
本発明の繊維強化複合材料は、優れた接着性を発現するために、繊維強化複合材料同士を張り合わせた試験片のISO4587に基づく接着強度が25℃の温度において5MPa以上であることが好ましい。接着強度を5MPa以上とすることで、接合を強固なものとすることができる。接着強度は、より好ましくは25℃の温度において7MPa以上である。接着強度の上限は特に制限はないが、40MPa程度の接着強度であれば、本発明の繊維強化複合材料としては十分実用に値するものとなる。
本発明の繊維強化複合材料を構成する連続した強化繊維群の形態は特に限定されず、例えば、多数本の強化繊維からなる強化繊維束、その繊維束から構成されたクロス、多数本の強化繊維が一方向に配列された強化繊維束(一方向性繊維束)、その一方向性繊維束から構成された一方向性クロスなど、それらを組み合わせたもの、複数層配置したものなどが挙げられる。中でも、基材としての繊維強化複合材料の生産性の観点から、クロスと一方向性繊維束が好ましく用いられる。強化繊維群は、同一の形態の複数本の繊維束から構成されていても、あるいは、異なる形態の複数本の繊維束から構成されていても良い。一つの強化繊維群を構成する強化繊維数は、通常、300〜48,000であるが、基材の製造を考慮すると、好ましくは、300〜24,000であり、より好ましくは、1,000〜12,000である。
ここで、強化繊維群は、少なくとも一方向に、10mm以上の長さにわたり連続した多数本の強化繊維から構成されている。強化繊維群は、繊維強化複合材料の長さ方向の全長さにわたり、あるいは、繊維強化複合材料の幅方向の全幅にわたり、連続している必要はなく、途中で分断されていても良い。
また、使用される強化繊維群の繊維素材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維および玄武岩繊維等が挙げられる。これらは、単独または2種以上併用して用いられる。これらの繊維素材は、表面処理が施されているものであっても良い。表面処理としては、金属の被着処理、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理および添加剤の付着処理等が挙げられる。これらの繊維素材の中には、導電性を有する繊維素材も含まれている。繊維素材としては、比重が小さく、高強度、高弾性率である炭素繊維が、好ましく使用される
また、本発明の繊維強化複合材料を構成する熱硬化性マトリックス樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド、ビスマレイミドおよびシアネートエステル等が挙げられ、これらの共重合体、変性体およびこれらの少なくとも2種をブレンドした樹脂も使用することができる。熱硬化性マトリックス樹脂には、衝撃性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていても良い。
本発明では、熱硬化性マトリックス樹脂として、特に、成形品の力学特性の観点から、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。さらにエポキシ樹脂は、その優れた力学特性を発現するために熱硬化性マトリックス樹脂の主成分として含まれることが好ましく、具体的には60重量%以上含まれることが好ましい。
本発明の繊維強化複合材料の使用用途は特に制限されないが、とりわけ力学的特性が必要とされる電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材の用途に好適に用いられる。
本発明の繊維強化複合材料は、連続した強化繊維群、熱硬化性マトリックス樹脂および熱可塑性樹脂で構成されるが、その割合については、繊維強化複合材料全体を100重量%とした場合、連続した強化繊維群が10〜80重量%、熱硬化性マトリックス樹脂が15〜70重量%、熱可塑性樹脂が1〜35重量%の範囲で構成されてなることが好ましい。
連続した強化繊維群および熱硬化性マトリックス樹脂を上記範囲とすることで、繊維強化複合材料はボイドなどの欠陥生成が少なく、強化繊維の補強効果も十分に発揮でき力学特性に優れる点で好ましい。また熱可塑性樹脂を上記範囲とすることで、接着性の良好な接合を形成できる熱可塑性樹脂層の厚みを確保し得る点で好ましい。
本発明の繊維強化複合材料は、熱可塑性樹脂が連続した強化繊維群の少なくとも一部を含み、厚み方向に凹凸形状を形成していることが優れた接着性を発現するために重要であり、そのような構造とするためには、例えば、連続した強化繊維群が含浸された熱硬化性マトリックスプリプレグを必要量だけ積層した後にその表面に熱可塑性樹脂を配置し、その積層体を熱可塑性樹脂の融点以上の温度でプレス成形することにより得ることが可能である。溶融した熱可塑性樹脂が、プリプレグの強化繊維間に含浸して凹凸形状が形成される。
本発明の繊維強化複合材料は、意匠用途への使用を考慮した場合、表面に意匠層を付与することが好ましい。意匠層として用いる材料には特に制限はないが、例えば表面平滑性のある樹脂フィルムや意匠模様が印刷された樹脂フィルムなどが挙げられる。とりわけ、繊維強化複合材料を他の部材と組み合わせて一体化成形品として用いる場合には、図4に示すように、少なくとも片方の表面に前記層状に存在する熱可塑性樹脂を介してポリエステルまたはポリカーボネートを主成分として含む意匠層を接合し、繊維強化複合材料の反対側の表面にも前記層状に存在する熱可塑性樹脂が形成された繊維強化複合材料であることが好ましい。繊維強化複合材料に形成された層状の熱可塑性樹脂を介して、ポリエステルまたはポリカーボネートを主成分として含む意匠層を接合することで、意匠層を強固に繊維強化複合材料と接合することができるため好ましい。接合は熱溶着にて行うのが好ましく、その際には意匠層が熱により変形・変質しない温度領域で行うのが好ましい。繊維強化複合材料の反対側の表面にも前記層状に存在する熱可塑性樹脂が形成されていることで、該層状の熱可塑性樹脂を介して他の部材と強固に接合することができるため好ましい。
本発明の繊維強化複合材料は、他の部材と組み合わせて一体化成形品とすることができる。他の部材の種類は特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セメント、コンクリート、あるいはそれらの繊維強化品、木材、金属材料および紙材料などの公知のものが好ましく用いられる。さらに接着性を高めるために、他の部材には場合に応じて表面処理、プライマー処理、または熱可塑性樹脂によるコーティング処理などを行うことが好ましい。
他の部材としては、特に力学特性の観点からは強化繊維群を含む熱可塑性樹脂組成物が好ましく用いられ、また成形性の観点からは熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。どちらの場合も使用する熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、とりわけ耐衝撃性に優れているポリカーボネート樹脂を含む部材が好ましい。また、上記の熱可塑性樹脂組成物に配合使用される強化繊維群を構成する繊維としては、前述の連続した強化繊維群における繊維と同様の思想により選定することができる。ただし、熱可塑性樹脂組成物を射出成形により形成する場合には、強化繊維は短繊維とし、熱可塑性樹脂組成物中に均一に分散していることが好ましい。この場合の強化繊維の配合比率は、強化繊維が炭素繊維またはガラス繊維のとき、成形性、強度および軽量性とのバランスの観点から、熱可塑性樹脂組成物に対して、5〜75重量%が好ましく、より好ましくは15〜65重量%である。
一体化手法も特に制限はなく、接着剤を使用する手法やボルトやねじを使用する手法、熱可塑性の部材と一体化する場合には熱溶着、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着、インサート射出成形およびアウトサート射出成形などが好ましく使用され、成形サイクルの観点からアウトサート成形およびインサート成形が好ましく使用される。
また、繊維強化複合材料と他の部材を一体化する場合、加熱により容易にかつ強固に接合できることから、熱可塑性樹脂を介して一体化することができる。
繊維強化複合材料と他の部材との一体化成形品は、使用用途は特に制限されないが、とりわけ力学的特性が必要とされる電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材の用途に好適に用いられる。
以下、実施例に基づき、本発明の繊維強化複合材料について更に具体的に説明する。下記の実施例および比較例中に示される配合割合(%)は、別途特定している場合を除き、全て重量%に基づく値である。次にまず、本発明で行った評価方法について説明する。
(1)融点Tmの評価
融点Tmは、示差走査熱量計(DSC)により評価を行った。容量50μlの密閉型サンプル容器に1〜5mgの試料を詰め、昇温速度10℃/分で30℃の温度から350℃の温度まで昇温し、融点Tmを評価した。評価装置には、PerkinElmer社製Pyris1DSCを使用した。混合物などで融点が複数観測される場合は、最も高い融点Tmをその混合物の融点Tmとして採用した。
(2)溶融粘度ηの評価
動的粘弾性測定装置を使用し、直径20mmのパラレルプレートを用い、平行平板間の距離1.0mm、測定周波数0.5Hz、発生トルク0.005Jの条件下で、所定の温度においてポリエステル樹脂成分3gを用いて粘弾性測定を行い、複素粘性率ηを読み取った。動的粘弾性測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置ARESを用いた。
(3)ガラス転移温度Tgの評価
ISO11357−2記載の方法に基づき、Pyris 1 DSC(パーキンエルマー・インスツルメント社製示差走査熱量計)を用いてガラス転移温度Tgを測定した。昇温速度は10℃/分とし、DSC曲線が階段状変化を示す部分について中間点をガラス転移温度とした。混合物などでTgが複数観測される場合は、最も低いガラス転移温度Tgをその混合物のガラス転移温度Tgとして採用した。
(4)最大含浸厚みhの評価
繊維強化複合材料を切り出し、断面を光学顕微鏡で画像撮影し、画像から最大含浸厚みhを計測して求めた。
(5)接着層厚みtの評価
繊維強化複合材料を切り出し、断面を光学顕微鏡で画像撮影し、画像から接着層厚みtを計測して求めた。
(6)最小埋没深さdの評価
繊維強化複合材料を切り出し、断面を光学顕微鏡で画像撮影し、画像から最小埋没深さdを計測して求めた。
(7)数平均分子量の評価
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる公知の技術を用いて評価した。
(8)引張破断強度と引張破断伸度の評価
ISO527記載の方法に基づき評価した。
(9)接着強度の評価
ISO4587記載の方法に基づき評価した。
繊維強化複合材料同士の接着強度の評価を、25℃と100℃の温度において行った。試験n数は8とした。図3に評価に用いた試験片を示す。図3において、他の部材9と繊維強化複合材料10を、接着面幅W×接着面長さLで示される接着面11で接着し、接着強度を測定評価する。図3において、接着面11は接着面幅W25mm×接着面長さL12.5mmである。このとき他の部材9の厚みは2mmとした。
(10)繊維強化複合材料の難燃性評価
UL−94規格に基づき、垂直燃焼試験により難燃性を評価した。成形した繊維強化複合材料から、幅12.7±0.1mm、長さ127±1mmの試験片を5本切り出した。切り出し方向は成形した繊維強化複合材料の表面層の繊維配向方向を長手方向とした。バーナーの、黄色のチップのない青色炎の高さを19.5mm(3/4inch)に調節し、垂直に保持した試験片下端の中央部を炎に10秒間さらした後、炎から離し消炎までの時間を記録した。消炎後は、1回目と同様に2回目の炎を10秒間当て、再び炎から離し燃焼時間を計測し、燃焼の状況から難燃性の格付けを次のように行った。
・V−0:5本の試験片に2回ずつ接炎した計10回の接炎後の消炎までの時間の合計が50秒以内であり、それぞれの接炎後の消炎までの時間が10秒以内であり、かつ有炎滴下物(ドリップ)がない。
・V−1:上記V−0には及ばないものの、5本の試験片に2回ずつ接炎した計10回の接炎後の消炎までの時間の合計が250秒以内であり、それぞれの接炎後の消炎までの時間が30秒以内であり、かつ有炎滴下物(ドリップ)がない。
・V−2:5本の試験片に2回ずつ接炎した計10回の接炎後の消炎までの時間の合計が250秒以内であり、それぞれの接炎後の消炎までの時間が30秒以内であるが、有炎滴下物(ドリップ)がある。
・OUT:5本の試験片に2回ずつ接炎した計10回の接炎後の消炎までの時間の合計が250秒を超えるか、いずれかの接炎後の消炎までの時間が30秒を超えるか、または試験片保持部まで燃焼する。すなわち、難燃性の序列は、V−0>V−1>V−2>OUTの順で、V−0が最も優れている。
(11)官能基当量の評価
実施例にて用いたポリエステル樹脂は、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂であり、樹脂1gをDMF30mlに溶かし、フェノールフタレインを指示薬として水酸化カリウムで滴定して、樹脂1分子当たりのカルボキシル基の数を定量し、樹脂の数平均分子量をカルボキシル基数で割ってカルボキシル当量を求めた。
(実施例1)
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東レデュポン(株)製“ハイトレル”(登録商標)2551、融点164℃)50重量%と共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)R248、融点113℃)50重量%を、JSW製TEX−30α型二軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度200℃、回転数150rpm)を用いて、これらを十分混練した状態でガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、ポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物を温度200℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
東レ(株)製“トレカ”(登録商標)使いの一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12(特性は、下記のとおりである。)を、所定の大きさ(100×100mm)にカットし、一辺に沿った方向を0°方向として繊維方向が上から0°、90°、0°となるように3枚の一方向炭素繊維プリプレグを積層した。最後に積層した一方向炭素繊維プリプレグの上から、上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムをプリプレグ積層体と同様の大きさにカットしたものを1枚重ねて積層した。次に、プレス金型にそのプリプレグ積層体をセットし、1MPaの圧力をかけながら160℃の温度で30分間加熱硬化させて、プレス成形して繊維強化複合材料を得た。
<一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12の特性>
・炭素繊維:東レ(株)製“トレカ”(登録商標)T700S
(弾性率:230GPa、強度:4900MPa)
・炭素繊維目付:125(g/m
・樹脂:エポキシ樹脂
・繊維重量含有率(Wf):67%。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を、射出成形のインサート金型内にセットした。このとき、繊維強化複合材料のポリエステル樹脂フィルム面が接着面にくるように配置した。他の部材として、炭素繊維(東レ(株)製チョップド炭素繊維TS−12)/ポリカーボネート樹脂(日本GEP(株)製、レキサン141R)の炭素繊維含有量20重量%の射出成形用ペレットを射出成形して繊維強化複合材料と一体化させ、図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製“バイロン”(登録商標)GM400、融点143℃)50重量%と共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)R248、融点113℃)50重量%を、JSW製TEX−30α型二軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度200℃、回転数150rpm)を用いて、これらを十分混練した状態でガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、ポリエステル樹脂組成物を得た。そのポリエステル樹脂組成物を温度200℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を射出成形のインサート金型内にセットし、他の部材としてガラス繊維/ポリカーボネート樹脂ペレット(日本GEP(株)製“レキサン”(登録商標)3412R、ガラス繊維20重量%含有)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製“バイロン”(登録商標)GM400、融点143℃)50重量%と共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)R248、融点113℃)50重量%を、JSW製TEX−30α型二軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度200℃、回転数150rpm)を用いて、これらを十分混練した状態でガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、ポリエステル樹脂を得た。そのポリエステル樹脂を温度200℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を射出成形のインサート金型内にセットし、他の部材として、ポリカーボネート樹脂ペレット(日本GEP(株)製“レキサン”(登録商標)141R)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)K1294、融点155℃)20重量%と共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)R248、融点113℃)80重量%を、JSW製TEX−30α型二軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度200℃、回転数150rpm)を用いて、これらを十分混練した状態でガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、ポリエステル樹脂を得た。そのポリエステル樹脂を温度200℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を用いたこと以外は、実施例3と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製“バイロン”(登録商標)GM480、融点163℃)20重量%と共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)R248、融点113℃)80重量%を、JSW製TEX−30α型二軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度200℃、回転数150rpm)を用いて、これらを十分混練した状態でガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、ポリエステル樹脂を得た。そのポリエステル樹脂を温度200℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を用いたこと以外は、実施例3と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
(a)赤リン入りプリプレグの作成
下記に示す原料をニーダーで混合し、ポリビニルホルマールが均一に溶解したエポキシ樹脂組成物を得た。
・“エピコート”(登録商標)828(ジャパンエポキシレジン(株)製) 20重量部
・“エピコート”(登録商標)834(ジャパンエポキシレジン(株)製) 20重量部
・“エピコート”(登録商標)1001(ジャパンエポキシレジン(株)製)25重量部
・“エピコート”(登録商標)154(ジャパンエポキシレジン(株)製) 35重量部
・ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン(株)製)DICY7 4重量部
・赤燐“ノーバレッド”(登録商標)120(燐化学工業(株)製) 3重量部
・ポリビニルホルマール“ビニレック”(登録商標)K(チッソ(株)製) 5重量部。
調製した上記のエポキシ樹脂組成物を離型紙上に塗布して、エポキシ樹脂フィルムを作製した。エポキシ樹脂フィルムの単位面積あたりの樹脂量は25g/mとした。次に、単位面積あたりの繊維重量が100g/mとなるようにシート状に一方向に整列させた炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700SC−12K−50C(東レ株式会社製、引張強度4900MPa、引張弾性率230GPa)からなるシート状物に、先に作製したエポキシ樹脂フィルムを炭素繊維からなるシート状物の両面から重ね、加熱加圧してエポキシ樹脂組成物を炭素繊維のシート状物に含浸させ、一方向プリプレグを作製した。
(b)熱可塑性樹脂の調整
実施例1(a)と同様にしてポリエステル樹脂フィルムを得た。PPS樹脂繊維(繊維糸径20μm、限界酸素指数47、融点285℃、ステープル50mm)を交絡させて作製した布帛(単繊維が集合した単繊維集合形態の不織布)(20g/m)を上記で得られたポリエステル樹脂フィルムに、積層して160℃の温度で1分間、1MPaの圧力でプレスしてポリエステル樹脂とPPS不織布の複合フィルムとした。
(c)繊維強化複合材料の作成
上記(a)で得られた赤リン入りプリプレグを所定の大きさ(100mm×100mm)にカットし、一辺に沿った方向を0°方向として繊維方向が上から0°、90°、0°となるように3枚の一方向炭素繊維プリプレグを積層した。最後に積層した一方向炭素繊維プリプレグの上から、上記(a)で作製したポリエステル樹脂とPPS不織布の複合フィルムをプリプレグ積層体と同様の大きさにカットしたものを1枚重ねて積層した。次に、プレス金型にそのプリプレグ積層体をセットし、1MPaの圧力をかけながら160℃の温度で30分間加熱硬化させて、プレス成形して繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料のUL94試験に基づく難燃性はV−0であった。
(d)一体化成形品の作成
上記(c)で得られた繊維強化複合材料を射出成形のインサート金型内にセットし、他の部材として、ポリカーボネート樹脂ペレット(日本GEP(株)製“レキサン”(登録商標)141R)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
(a)熱可塑性樹脂の調整
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東レデュポン(株)製“ハイトレル”(登録商標)2551、融点164℃)10重量%と共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)R248、融点113℃)90重量%を、JSW製TEX−30α型二軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度200℃、回転数150rpm)を用いて、これらを十分混練した状態でガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、ポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物を温度200℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
東レ(株)製“トレカ”(登録商標)使いの一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12を、所定の大きさ(100×100mm)にカットし、一辺に沿った方向を0°方向として繊維方向が上から0°、90°、0°となるように3枚の一方向炭素繊維プリプレグを積層した。最後に積層した一方向炭素繊維プリプレグの上から、上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムをプリプレグ積層体と同様の大きさにカットしたものを1枚重ねて積層し、その上にGEプラスチックス(株)製“XYLEX”(登録商標)フィルムD7010MC−112−.007(厚み175μm)をプリプレグ積層体と同様の大きさにカットしたものを1枚重ねて積層した。さらにプリプレグ積層体の反対側の面にも上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムをプリプレグ積層体と同様の大きさにカットしたものを1枚重ねて積層した。次に、プレス金型にそのプリプレグ積層体をセットし、1MPaの圧力をかけながら120℃の温度で60分間加熱硬化させて、プレス成形して繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を、射出成形のインサート金型内にセットした。このとき、繊維強化複合材料の意匠層付与側とは反対面のポリエステル樹脂フィルム面が接着面にくるように配置した。そのほかは実施例1と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製“バイロン”(登録商標)GM480、融点163℃)50重量%と共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製“バイロン”(登録商標)GM925、融点166℃)50重量%を、JSW製TEX−30α型二軸押し出し機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度200℃、回転数150rpm)を用いて、これらを十分混練した状態でガットを連続的に押し出し、これを冷却後、カッターで5mm長に切断して、ポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物を温度200℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を、射出成形のインサート金型内にセットした。このとき、繊維強化複合材料のポリエステル樹脂フィルム面が接着面にくるように配置した。他の部材として、炭素繊維(東レ(株)製チョップド炭素繊維TS−12)/ポリカーボネート樹脂(日本GEP(株)製、レキサン141R)の炭素繊維含有量20重量%の射出成形用ペレットを射出成形して繊維強化複合材料と一体化させ、図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
実施例1〜8の結果を、まとめて表1に示す。
Figure 2008050598
(比較例1)
(a)熱可塑性樹脂の調整
共重合ポリエステル樹脂(東レ(株)製“ケミット”(登録商標)R99、融点75℃)を、温度150℃、圧力50MPaでプレス成形し、ポリエステル樹脂フィルムを得た。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
上記(a)で作製したポリエステル樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を射出成形のインサート金型内にセットし、その後は実施例1と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
(a)熱可塑性樹脂の調整
実施例1と同様にしてポリエステル樹脂フィルムを調整した。得られたポリエステル樹脂フィルムの特性を表1に示す。
(b)繊維強化複合材料の作成
東レ(株)製“トレカ”(登録商標)使いの一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12を、所定の大きさ(100×100mm)にカットし、一辺に沿った方向を0°方向として繊維方向が上から0°、90°、0°となるように3枚のプリプレグを積層した。次に、プレス金型に該プリプレグ積層体をセットし、1MPaの圧力をかけながら160℃の温度で30分間加熱硬化させた後、その硬化板に上記(a)で作成したポリエステル樹脂フィルムを積層し、160℃の温度で1分間プレス成形して繊維強化複合材料を得た。
(c)一体化成形品の作成
上記(b)で得られた繊維強化複合材料を射出成形のインサート金型内にセットし、その後は、実施例1と同様にして図3に示すような接着評価試験片を得た。評価結果を表1に示す。
比較例1と比較例2の結果を、まとめて表2に示す。
Figure 2008050598
上記表1に示したとおり、実施例1〜8では室温(25℃)、高温(100℃)共に接着性に優れた繊維強化複合材料が得られたが、比較例1では高温接着性が悪く、また比較例2では最大含浸厚み(h)がないため、一体化成形品は容易に剥離した。また、実施例6では繊維強化複合材料は優れた難燃性を示した。さらに実施例7では、表面に意匠層が存在するために平滑で光沢のある外観良好な成形品となった。
本発明の繊維強化複合材料と他の部材との一体化成形品は、とりわけ力学的特性が必要とされる電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材の用途に好適に用いられる。本発明の繊維強化複合材料は、各種部材、特にポリカーボネート樹脂部材との接着性に優れたものである。
図1は、本発明の繊維強化複合材料の構造を例示説明するための模式断面図である。 図2は、本発明の繊維強化複合材料の他の好ましい形態構造を例示説明するための模式断面図である。 図3は、接着強度評価に用いた試験片を説明するための模式斜視図である。 図4は、意匠層を付与した繊維強化複合材料の構造を例示説明するための模式断面図である。
符号の説明
1:繊維強化複合材料
2:強化繊維
3:熱硬化性マトリックス樹脂
4:熱可塑性樹脂
5:最大含浸厚み(h)
6:接着層厚み(t)
7:繊維の集合体
8:最小埋没深さ(d)
9:他の部材
10:繊維強化複合材料
11:接着面
12:意匠層
L:接着面長さ
W:接着面幅

Claims (16)

  1. 連続した強化繊維群、熱硬化性マトリックス樹脂および熱可塑性樹脂を含み、少なくとも表面の一部に熱可塑性樹脂が層状に存在すると共に、該熱可塑性樹脂が強化繊維群に最大含浸厚みhが10μm以上で凹凸形状を形成して含浸されてなる繊維強化複合材料であって、該熱可塑性樹脂が1種または2種以上のポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂の融点Tmが120℃≦Tm≦180℃の範囲で、かつそのガラス転移温度Tgが0℃≦Tg≦110℃の範囲である繊維強化複合材料。
  2. 層状に存在する熱可塑性樹脂の接着層厚みtが10〜500μmの範囲である請求項1記載の繊維強化複合材料。
  3. ポリエステル樹脂の数平均分子量が10,000〜30,000の範囲である請求項1または2記載の繊維強化複合材料。
  4. ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート成分および/またはポリブチレンテレフタレート成分を10〜80重量%含有してなり、ジオール成分としてポリテトラメチレングリコール成分を含む共重合ポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  5. ポリエステル樹脂の温度(融点Tm+10)℃での直径20mmのパラレルプレートを用いた発生トルク0.005Jにおける溶融粘度η1が、500≦η1≦2,000Pa・sの範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  6. 熱可塑性樹脂の引張破断強度が25MPa以上および/または引張破断伸度が200%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  7. ポリエステル樹脂のうち少なくとも1種のポリエステル樹脂の片末端または両末端が、第1級アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、および酸無水物基からなる群から選ばれた1種または2種の官能基構造を有している請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  8. 官能基の含有量が1000〜100000当量である請求項7に記載の繊維強化複合材料。
  9. ISO4587に基づく接着強度が25℃で5MPa以上である請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  10. 強化繊維群を構成する繊維が炭素繊維である請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  11. 熱硬化性マトリックス樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化複合材料において、少なくとも片方の表面に意匠層が接合されている繊維強化複合材料。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化複合材料において、少なくとも片方の表面に前記層状に存在する熱可塑性樹脂を介してポリエステルまたはポリカーボネートを主成分として含む意匠層を接合し、繊維強化複合材料の反対側の表面にも前記層状に存在する熱可塑性樹脂が形成された繊維強化複合材料。
  14. 電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品または建材に用いられる請求項1〜13のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の繊維強化複合材料と他の部材とが、層状に存在する熱可塑性樹脂を介して接合されてなる一体化成形品。
  16. 他の部材がポリカーボネート樹脂からなる部材である請求項15記載の一体化成形品。
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