JP2015044318A - 熱可塑性プリプレグ及び熱可塑性プリプレグの製造方法 - Google Patents

熱可塑性プリプレグ及び熱可塑性プリプレグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高強度で難燃性の高い繊維強化プラスチック成形体を成形し得る熱可塑性プリプレグであって、プラスチック成形体への加工適性が高い熱可塑性プリプレグを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理することにより形成される熱可塑性プリプレグであって、不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含み、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であり、熱可塑性プリプレグの密度は、0.15g/cm3以上であることを特徴とする熱可塑性プリプレグに関する。【選択図】なし

Description

本発明は熱可塑性プリプレグ及び熱可塑性プリプレグの製造方法に関する。具体的に、本発明は、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理することにより形成される熱可塑性プリプレグに関するものである。
炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維を含む不織布を加熱加圧処理し、成形した繊維強化樹脂成形体は、既にスポーツ、レジャー用品、航空機用材料など様々な分野で用いられている。これらの繊維強化樹脂成形体においてマトリックスとなる樹脂には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、またはフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられることが多い。しかし、熱硬化性樹脂を用いた場合、熱硬化性樹脂と強化繊維を混合した不織布やプリプレグは冷蔵保管しなければならず、長期保管ができないという難点がある。なお、プリプレグとは、熱硬化性樹脂等を含む繊維強化樹脂成形体の成形前の部材(前駆体)を称したものである。
このため、近年は、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用い、強化繊維を含有した繊維強化不織布やプリプレグの開発が進められている。例えば、特許文献1には、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む不織布が開示されており、特許文献2には、強化繊維束の上に熱可塑性樹脂からなる層が積層されたプリプレグが開示されている。このような熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いた繊維強化不織布やプリプレグは、保存管理が容易であり、長期保管ができるという利点を有する。また、熱可塑性樹脂を含む不織布やプリプレグは、熱硬化性樹脂を含む不織布やプリプレグと比較して成形加工が容易であり、加熱加圧処理を行うことにより成形加工品を成形することができるという利点を有している。
特表2006−524755号公報 国際公開2003/091015号パンフレット
特許文献2に記載されているような熱可塑性プリプレグは、加熱加圧加工を施すことにより、プラスチック成形体に加工される。しかしながら、従来の熱可塑性プリプレグを用いて成形したプラスチック成形体は、その強度が十分ではないという問題があった。また、従来の熱可塑性プリプレグを用いて成形したプラスチック成形体は、難燃性が十分に高くないため、その取り扱いに注意が必要とされる場合があった。
かかる問題を解決するためには、プリプレグではなくマトリックス樹脂たる高耐熱性熱可塑性繊維と、強化繊維たる無機繊維を混合した不織布によって構成されるFRP成形用不織布を用いることも考えられる(特許文献1)。
しかし、近年のプラスチック成形体の製造方法においては、加工速度を更に向上させるため、フリー状態で赤外線ヒーター等によって急速に約300℃〜400℃という高温に加熱し、コールドプレスですばやくプレスする、いわゆるスタンピング成形が採用されつつある。このようなスタンピング成形に、特許文献1に開示されているFRP成形用不織布を用いた場合、フリー状態で高温に加熱したときに、熱可塑性繊維が激しく収縮し、シート形状を保たなくなるという問題があった。すなわち、特許文献1に記載された不織布では、このような高速加工ができないという問題点を有し、プラスチック成形体への加工適性が低いという問題があった。
これは、一般に熱可塑性繊維は、繊維の製造工程において延伸しながら紡糸されるため、軟化温度より高い温度にさらされた場合繊維自体が熱収縮するためと考えられる。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、高強度で難燃性の高いプラスチック成形体を成形し得る熱可塑性プリプレグであって、プラスチック成形体への加工適性が高い熱可塑性プリプレグを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理することにより形成されるプリプレグにおいて、不織布シートの構成を特定し、かつこのシートを拘束しながら加熱することで繊維自体の残留応力を緩和しつつプリプレグの密度を特定の範囲とすることにより、フリー状態で急速に加熱した場合でもシートの収縮・変形が少なく加工適性に優れる熱可塑性プリプレグを得ることができることを見出した。さらに、本発明者らは、このような熱可塑性プリプレグを成形することにより、高強度で難燃性が高い繊維強化プラスチック成形体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理することにより形成される熱可塑性プリプレグであって、前記不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含み、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であり、前記熱可塑性プリプレグの密度は、0.15g/cm3以上であることを特徴とする熱可塑性プリプレグ。
[2]前記強化繊維シートは、無機繊維を含み、前記不織布シートに含まれる熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であり、かつ前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は前記無機繊維の繊維径の5倍以下であることを特徴とする[1]に記載の熱可塑性プリプレグ。
[3]前記繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の熱可塑性プリプレグ。
[4]前記熱可塑性プリプレグは、前記強化繊維シートの両面に前記不織布シートを貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理することにより形成されたものであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
[5]前記バインダー成分は前記熱可塑性プリプレグの全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されていることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
[6]前記バインダー成分は前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
[7]前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
[8]前記バインダー成分は、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする[7]に記載の熱可塑性プリプレグ。
[9]前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする[8]に記載の熱可塑性プリプレグ。
[10]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維及び前記バインダー繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする[8]又は[9]に記載の熱可塑性プリプレグ。
[11]前記不織布シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多いことを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
[12]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維又はポリカーボネート繊維から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
[13]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維であることを特徴とする[1]〜[12]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
[14][1]〜[13]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグを、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体。
[15][1]〜[13]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグを、150〜600℃の温度で加熱加圧成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体。
[16][14]又は[15]に記載の加熱加圧成形する工程が、スタンピング成形であることを特徴とする、繊維強化プラスチック成形体。
[17]強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理する工程を含む熱可塑性プリプレグの製造方法において、前記不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含み、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であり、前記熱可塑性プリプレグの密度は0.15g/cm3以上であることを特徴とする熱可塑性プリプレグの製造方法。
[18]前記加熱加圧処理する工程の前に、さらに不織布シートを形成する工程を含み、前記不織布シートを形成する工程は、乾式不織布法又は湿式不織布法のいずれかの方法で不織布シートを形成する工程と、前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする[17]に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法。
[19]前記加熱加圧処理する工程では、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧処理されることを特徴とする[17]又は[18]に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法。
[20]前記加熱加圧処理する工程では、前記繊維強化プラスチック成形体用シートを150〜600℃で加熱加圧することを特徴とする[17]〜[19]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法。
[21] [17] 〜[20]のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法を用いて熱可塑性プリプレグを製造した後、該熱可塑性プリプレグを150〜600℃で加熱加圧成形することを特徴とする繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
本発明によれば、高強度であって、かつ難燃性が高い繊維強化プラスチック成形体を成形し得る熱可塑性プリプレグを得ることができる。さらに本発明によれば、加工適性に優れた熱可塑性プリプレグを得ることができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(熱可塑性プリプレグ)
本発明は、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することにより形成されるプリプレグに関する。ここで、不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含み、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上である。また、本発明の熱可塑性プリプレグの密度は、0.15g/cm3以上である。また、密度の上限は特に定められないが、熱可塑性スーパーエンプラ樹脂やバインダー等が強化繊維に溶融含浸され、空隙がなくなった状態が密度の上限となる。この場合、密度は不織布が含有する熱可塑性スーパーエンプラ繊維の密度と、強化繊維成分の密度と、バインダー成分等の密度の重量平均値になる。本発明では、熱可塑性プリプレグを上記のような構成とすることにより、加工適性に優れたプリプレグを得ることができる。さらに、本発明のプリプレグを用いて成形した繊維強化プラスチック成形体は、高強度であり、難燃性が高いため、保管や取り扱いが容易になるという利点を有している。
本発明の熱可塑性プリプレグの密度は、加熱工程後において0.15g/cm3以上であればよく、0.2g/cm3以上であることが好ましく、0.3g/cm3以上であることがより好ましい。熱可塑性プリプレグの密度を上記範囲内とすることにより、加工適性に優れた熱可塑性プリプレグを得ることができる。本発明の熱可塑性プリプレグを用いた場合、プラスチック成形体の生産効率を高めることができる。
本発明の熱可塑性プリプレグは、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理して形成した熱可塑性プリプレグである。強化繊維シートと不織布シートは1枚ずつ貼合され加熱加圧処理されてもよいし、所望の厚さとなるように積層して加熱加圧処理されてもよい。
加熱加圧工程は、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度まで加熱しつつ加圧を行う工程である。加熱加圧工程では、熱プレス処理を施すことが好ましい。
加熱加圧工程では、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートの表面温度がTg〜Tg+100℃となるように加熱することが好ましい。ここで、Tgは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度を表す。なお、加熱温度は、熱可塑性スーパーエンプラ繊維が流動する温度であって強化繊維は溶融しない温度帯であることが好ましい。
(繊維強化プラスチック成形体用シート)
繊維強化プラスチック成形体用シートは、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合したものである。強化繊維シートと不織布シートは1枚ずつ貼合してもよいが、所望の厚さとなるように複数枚を貼合してもよい。強化繊維シートと不織布シートを各々複数枚ずつ貼合する方法としては、強化繊維シートと不織布シートを交互に重ね合わせ、加熱加圧ロール等によって、不織布シート中の熱可塑性樹脂繊維が僅かに溶融する温度・圧力で圧着する方法が挙げられる。なお、貼合方法は、この方法に限定されるものではない。
強化繊維シートとの不織布シートを貼合して複層の繊維強化プラスチック成形体用シートとする場合、積層の順序や枚数は、特に限定されるものではないが、強化繊維シートの両面に不織布シートが貼合されていることが好ましい。強化繊維シートは繊維同士の接着力がないが、不織布シートは貼合時の加熱処理条件下におけるスーパーエンプラ繊維や含有されるバインダー成分の部分溶融によって強化繊維シートに対する接着性を発揮する。このため、強化繊維シートの表裏両面に不織布シートを配することによって両表面に繊維のほつれ等が発生しない、ハンドリング性が良好な繊維強化プラスチック成形体用シート形成することができる。
強化繊維シートを複数枚重ね合わせ、その上下面に不織布シートを配することもできるが、強化繊維シートの層は薄いほうが加熱加圧処理の際に熱可塑性樹脂を短時間で強化繊維シート内に溶融浸透させることができる。このため、強化繊維シートを複数枚積層する場合は、不織布シートと交互に積層することが好ましい。
強化繊維シートと不織布シートの積層枚数は特に限定されないが、あまりに積層枚数が多いと繊維強化プラスチック成形体用シートが厚くなりすぎてハンドリング性が悪化するため、目付けが2000g/m2を超えない範囲で重ね枚数を調整することが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおいて、強化繊維シートと不織布シートの質量比は1:0.2〜1:10であることが好ましく、1:0.5〜1:5であることがより好ましく、1:0.7〜1:0.3であることがさらに好ましい。強化繊維シートと不織布シートの質量比を上記範囲内とすることにより、軽量であり、かつ高強度の繊維強化プラスチック成形体を形成し得る熱可塑性プリプレグを得ることができる。
繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度は、250秒以下であることが好ましく、230秒以下であることがより好ましく、200秒以下であることがさらに好ましい。この数値は、数字が小さいほど空気が通りやすい(通気性が良い)ことを表す。
本発明で用いる熱可塑性プリプレグは、不織布シートと強化繊維シートを貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧工程で熱プレスすることにより成形することができる。本発明では、繊維強化プラスチック成形体用シートの透気度を上記範囲内とすることにより、加熱加圧工程における処理速度を高めることができ、熱可塑性プリプレグの生産効率を高めることができる。
上記の方法で繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する場合、強化繊維シートと不織布シートを熱プレスによって接着することができる。この場合には、不織布シートに含まれる熱可塑性スーパーエンプラ繊維よりも融点の低い熱可塑性樹脂繊維をバインダーとして使用することが好ましい。バインダー成分を含む場合、熱プレス時に、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の一部を軟化・溶融させて接着する必要がないため、通気性に優れた繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
(強化繊維シート)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートに使用される強化繊維シートとしては、一般的な繊維強化プラスチックに使用される連続繊維を一方向に引き揃えたシート、或いはクロス状に織った織布を使用することができる。強化繊維シートの繊維の配向方向に沿って、繊維の強度は強くなる傾向があるため、強化繊維の配向方向を調節することによって、熱可塑性プリプレグの強度を調節することができる。なお、クロス状の繊維を織った強化繊維シートでは、クロス模様の縦横方向に強度を高めることができる。
熱可塑性プリプレグを構成する強化繊維シートは、無機繊維を含む。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維や炭素繊維等を挙げることができる。なお、これらの無機繊維は、1種を使用してもよく、複数種を使用してもよい。さらに、本発明では、強化繊維シートは、このような無機繊維の他に、アラミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
強化繊維シートに使用する強化繊維として、炭素繊維等の無機繊維を使用した場合、不織布シートに含まれる熱可塑性スーパーエンプラ繊維の溶融温度で加熱加圧処理することにより曲げ強度・引張強度・弾性率が高い繊維強化プラスチック成形体を成形し得る熱可塑性プリプレグを得ることができる。
強化繊維シートに使用する強化繊維として、アラミド繊維等の高耐熱性・高強度の有機繊維を使用した場合は、高度な平滑性の要求される精密な研磨用の機器に適する繊維強化プラスチック成形体を成形し得る熱可塑性プリプレグを得ることができる。アラミド等の有機繊維を強化繊維として含有する繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される熱可塑性プリプレグは、一般的に強化繊維として無機繊維を使用した熱可塑性プリプレグから形成される繊維強化プラスチック成形体よりも耐摩耗性に優れる。また擦過等によって繊維強化プラスチック成形体の一部が削り取られたとしても、その削り粕が無機繊維よりも柔らかいので、被研磨物を傷つける恐れが少ない。
強化繊維の繊維長は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましく、3mm以上であることがさらに好ましい。また、強化繊維の繊維長は、40mm以下であることが好ましく、35mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらに好ましい。
強化繊維の繊維径としては、特に限定されるものではないが、3〜18μmが好ましい。強化繊維の繊維径を上記範囲内とすることにより、製造工程或いは使用中に人体に取り込まれることを防ぐことができ、かつ均一に混合することが可能となる。
(不織布シート)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートに使用される不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含有する不織布よりなる。熱可塑性スーパーエンプラ繊維は熱成形により溶融してマトリックス樹脂となる。
<熱可塑性スーパーエンプラ繊維>
熱可塑性スーパーエンプラ繊維は、スーパーエンプラ(スーパーエンジニアリングプラスチック)と称される熱可塑性樹脂の繊維であり、耐熱性で難燃性の熱可塑性樹脂を繊維化したものである。熱可塑性スーパーエンプラ繊維としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)等を例示することができる。ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂は耐薬品性が高く、耐熱性が高いため、耐薬品性と高温時の強度に優れる繊維強化プラスチックを得ることができる。ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂を用いた場合は、他のスーパーエンプラよりも耐薬品性と高温時の強度に特に優れる繊維強化プラスチックを得ることができる。また、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂は炭素繊維やガラス繊維との密着性が優れ、また限界酸素指数が樹脂ブロックの状態で47と非常に高いため、強度と難燃性に優れる繊維強化プラスチックを得ることができる。
本発明では、熱可塑性スーパーエンプラ繊維として、ポリエーテルイミド(PEI)繊維又はポリカーボネート(PC)繊維から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。中でも、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂を繊維化したポリエーテルイミド(PEI)繊維を用いることが特に好ましい。ポリエーテルイミド(PEI)樹脂は、溶融し成形加工された状態での限界酸素指数が40以上、またASTM E−662に記載の方法で測定した20分燃焼時の発煙量が30ds前後と、非常に発煙量が少ないため好ましく用いられる。
尚、通常熱可塑性スーパーエンプラ繊維には分類されないが、ポリカーボネート(PC)も難燃性に優れているため、本発明には含むものとする。本発明の熱可塑性スーパーエンプラ繊維は、2種類以上用いることもできる。また、本発明の効果を損ねない範囲で、また、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エポキシ樹脂等の熱可塑性スーパーエンプラ繊維以外も添加することができる。
熱可塑性スーパーエンプラ繊維は、繊維状態において限界酸素指数が24以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数を上記範囲とすることにより、難燃性に優れた不織布シートを得ることができる。なお、本発明において、「限界酸素指数」とは、燃焼を続けるのに必要な酸素濃度を表し、JIS K7201に記載された方法で測定した数値をいう。すなわち、限界酸素指数が20以下は、通常の空気中で燃焼することを示す数値である。尚、上記ポリカーボネートの限界酸素指数は24〜26である。
熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度は、140℃以上であるものが好ましい。熱可塑性スーパーエンプラ繊維には、熱可塑性プリプレグを形成する際に300℃から400℃というような温度条件下で十分に流動性であることが求められる。一方で、繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程で強化繊維シートと不織布シートを貼合する際には、加熱処理条件下で部分的に溶融するが十分に繊維状態は維持されることが求められる。このような条件に合致するために、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度は、140℃以上であるものが好ましい。なお、PPS樹脂繊維のようにガラス転移温度が140℃未満のスーパーエンプラ繊維であっても、樹脂の荷重たわみ温度が190℃以上となるスーパーエンプラを繊維化したものであれば使用可能である。このような熱可塑性スーパーエンプラ繊維は、加熱・加圧により溶融して限界酸素指数が30以上という非常に高い難燃性を有する樹脂ブロックを形成する。
不織布シートに含まれる熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であることが好ましい。さらに、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は上述した無機繊維の繊維径の5倍以下であることが好ましく、4倍以下であることがより好ましく、3倍以下であることがさらに好ましい。熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径を上記範囲内とすることにより、熱可塑性プリプレグの密度を所望の範囲とすることができる。さらに、熱可塑性プリプレグを用いて成形する繊維強化プラスチック成形体の強度をより高めることができる。
熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であることが好ましく、35μm以下であることがより好ましく、32μm以下であることがさらに好ましい。中でも、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は、1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維長は、1mm以上であることが好ましく、 2mm以上であることがより好ましく、3mm以上であることがさらに好ましい。また、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維長は、40mm以下であることが好ましく、35mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらに好ましい。熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、繊維の分散性を良好にすることができ、また、繊維強化プラスチック成形体用シート等の破断等を防ぐことができる。なお、繊維径及び繊維長は単一であってもよく、また異なる繊維径、繊維長のものをブレンドして使用してもよい。
本発明で用いられる繊維強化プラスチック成形体用シートでは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維が繊維形態をしていることによりシート中に空隙が存在している。
本発明では、熱可塑性スーパーエンプラ繊維が加熱加圧処理前には、繊維形態を維持しているため、熱可塑性プリプレグを形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
また、本発明で用いられる繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱可塑性プリプレグに加工する際の加熱加圧処理時間が短時間ですみ、熱可塑性プリプレグの生産性に優れている。繊維強化プラスチック成形体用シートを短時間で加熱加圧処理するためには、使用される熱可塑性スーパーエンプラ繊維が高温下で速やかに溶融することが必要であり、そのためには、スーパーエンプラ繊維の繊維径が細いほうが好ましい。繊維径が細いほど繊維同士の接触点数が増加するため、繊維同士の接触面積が増加し、熱伝導が良好となること、及び繊維の熱容量が小さくなるため、溶融させるために必要な熱量が少なくなるためである。
<バインダー成分>
本発明において、不織布シートに使用するバインダーとしては、一般的に不織布製造に使用されるフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは熱水溶融するPVA樹脂等が使用できる。
バインダー成分は、加熱加圧処理後にマトリックスとなる熱可塑性スーパーエンプラ繊維が加熱加圧処理で溶融する際に、その樹脂と相溶する樹脂成分であることが特に好ましい。このような樹脂成分をバインダーとした場合、加熱加圧処理後、マトリックス樹脂とバインダー樹脂の間に界面が存在せず一体化するため高強度となる。さらにバインダー成分に起因するマトリックス樹脂のガラス転移温度の低下が少ないという特徴を持つ。
本発明では、バインダー成分は、熱可塑性プリプレグの全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.4〜9.5質量%であることがより好ましく、0.5〜8質量%であることがさらに好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。また、バインダー成分の含有率を上記範囲とすることにより、難燃性・低発煙性を損なうこともない。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
バインダー成分は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート及びエチルアクリレートの少なくとも1種のモノマーを含有するモノマー混合物を重合させることによって得られる共重合体を含むことが好ましい。すなわち、バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位、エチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも1つを含む共重合体を含有する。中でも、バインダー成分は、メチルメタクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチルメタクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも1つを含む共重合体を含有することが好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
更に、本発明で好ましいバインダー成分として、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維が挙げられる。バインダー繊維は、PEI繊維等と混合して水中に分散し、湿式抄紙法で抄造した場合、粒状バインダーのように抄紙ワイヤーの目から抜けて歩留が低下したり、ワイヤー側に偏在したりすることがないため好ましく用いられる。また、このようなバインダー繊維を使用することにより、層間強度を向上させることができる。
バインダー繊維としては、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。変性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂を変性することで融点を低下させたものであれば特に限定されないが、変性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。変性ポリエチレンテレフタレートとしては、共重合ポリエチレンテレフタレート(CoPET)が好ましく、例えば、ウレタン変性共重合ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリエステル樹脂はポリエーテルイミド繊維と加熱溶融時に相溶するため、冷却後もポリエーテルイミド樹脂の難燃性・低発煙性といった優れた点を損ないにくいため、好ましく用いられる。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、上記芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
上記のメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート及びエチルアクリレートの少なくとも1種のモノマーを含有するモノマー混合物を重合させることによって得られる共重合体や、ポリエステル樹脂繊維等のバインダー繊維は、単独で使用することもできるが、本発明の効果を更に向上させるために併用することもできる。
共重合体は熱可塑性プリプレグの全質量に対して0.1〜4質量%となるように含有され、バインダー繊維は熱可塑性プリプレグの全質量に対して1.5〜6質量%となるように含有されることが好ましい。共重合体とバインダー繊維の含有率を上記範囲内とすることにより、熱可塑性プリプレグの表面強度及び層間強度を高めることができる。なお、上記の範囲においては、共重合体を成分とするバインダー(液状バインダー)の配合量は、ポリエステル樹脂又は変性ポリエステル樹脂よりも少ないほうが、臭気の関係から好ましい結果が得られる。ポリエステル系バインダーはマトリックス樹脂と相溶するため、比較的添加量が多くとも臭気を発生しにくく、また、液状バインダーは繊維交点に集中して偏在しやすいため、かかる結果が得られているものと推定している。
バインダー成分として好ましい組合せとしては、アクリル系のエマルジョンと低融点熱可塑性樹脂繊維としてのチョップ状のPET繊維の組合せである。具体的には、熱可塑性プリプレグの全質量に対してアクリル系バインダー0.3〜4質量%に対し、PET繊維1.5〜6質量%である。好ましくはアクリル系バインダー1〜3質量%に対し、PET繊維2〜6質量%、更に好ましくはアクリル系バインダー1.5〜2.5質量%に対し、PET繊維3〜5質量%である。
不織布シートは表層領域と表層領域に挟まれた中間領域を有することとした場合、表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分より多いことが好ましい。特にバインダー成分のうち、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位、エチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも1つを含む共重合体が表層領域に多く含有されていることが好ましい。
ここで、不織布シートの表層領域は、不織布シートを厚さ方向(Z軸方向)に略3分割した際に、外側に位置する2つの領域である。なお、中間領域はこれらの2つの領域に挟まれた間の領域をいう。表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分より多いことが好ましく、表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分の1.1〜1.5倍であることがより好ましい。
このように、バインダー成分を表層領域に集中させることで、高温の金型やプレス板により加熱加圧処理される際に、バインダー成分が効果的に加熱されるため、バインダー成分が速やかに熱分解・揮発する。これにより熱成形品に残留するバインダー成分がごく僅かな量に抑えられることとなる。このため、本発明の熱可塑性プリプレグは、高い難燃性を有しており、発煙性が抑えられている。
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、及びメチルアクリレートの少なくとも1種のモノマーを含有するモノマー混合物を重合させることによって得られる共重合体を成分とする液状バインダーは不織布シートの表層領域に集中して存在することが好ましい。また、これらの液状バインダーは、両表層領域の繊維成分同士の交点に水掻き膜状に局在することが好ましい。このように局在することにより、バインダー成分が少量であっても使用工程においても両表層領域の繊維の脱落を少なくすることができる。また、変色が少なく好適であり、不織布シートの抄造直後に平板にカットして積層し、プレスするような工程に好適に使用できる。
なお、バインダー成分のうち、共重合体を含む成分は、表層領域に集中させることが好ましいが、バインダー繊維は、繊維強化プラスチック成形体用シートの中間領域に含有させることもできる。これにより、繊維強化プラスチック成形体用シートの層間強度が高まり、加熱成形加工時のハンドリング性が更に改善される。
バインダー繊維は、PEI繊維等と共に空気中に分散させてネットに捕捉してウエブを形成する方法(乾式不織布法)で、不織布シートに含有させることができる。また、バインダー繊維は、溶媒中に分散させ、その後溶媒を除去してウエブを形成する方法(湿式不織布法)等の方法で不織布シートに含有させることもできる。
不織布シートの表層にバインダーを相対的に多く存在させる方法としては、下記方法が挙げられる。例えば、バインダー成分を溶媒に溶解した液状物、若しくはバインダー成分の乳化物(エマルジョン)を不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥するという製造方法が挙げられる。中でも、湿式不織布法又は乾式不織布法によってウエブを形成した後、バインダー成分を溶媒に溶解した液状物、若しくはバインダー成分の乳化物(エマルジョン)を、ディッピング、若しくはスプレー法等で付与し、加熱乾燥するという製造方法が好ましく用いられる。この方法によれば、加熱乾燥する際に、ウエブ内部の溶媒が両面の表層に移動し、蒸発するため、この溶媒の移動に伴ってバインダーも表層に相対的に多く集中する。
上記のように、不織布シートの表層にバインダー成分を偏在させるためには、バインダー成分の溶液、若しくはエマルジョン等、液状のバインダー成分を使用し、加熱乾燥させる製造方法を採用することができる。この場合、溶媒の移動が多いほうがバインダー成分の偏在が強まるため好ましい。
このような方法を採用する場合、湿式不織布法でウエットウエブを形成後、バインダーの水溶液、若しくはエマルジョンをウエブにディッピング若しくはスプレー等の方法で付与し、乾燥する方法が好ましい。この場合、ウエブ水分はバインダーの水溶液、若しくはエマルジョンのバインダー液濃度や、湿式不織布製造工程におけるウエットサクション、ドライサクションによる水分の吸引力の調整で行うことが可能である。
バインダー成分を偏在させるために好ましいウエブ内の水分量は50%以上であるが、ある程度以上に水分が多いと乾燥負荷が大きくなり、製造コストがかさむため、両者を勘案して適宜ウエブ内水分量を調整することが好ましい。
上記の対策で不十分な場合、バインダー成分の添加量を減少させる方法として、不織布シートを湿式抄紙し、強度縦横比を大きくすることも好ましい。具体的には、ジェットワイヤー比の調整によってマシンの抄造方向(MD方向)とその直角方向(CD方向)の強度比(強度縦横比)を大きくすることができる。一般に、強度縦横比を大きくすると、繊維が一方向に並ぶ傾向となり、不織布の密度が高くなる傾向にある。その結果、繊維間の交点が増加するため、少量のバインダーでも十分な表面強度が得られる。このような効果が明確に得られるのは、通常、強度縦横比が1.5以上、より明確に得られるのは3.0以上、更に明確に得られるのは5.0以上である。
(繊維形状)
本発明では、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。このように、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー繊維のチョップドストランドを含有する不織布シートとする場合、不織布シート中で熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー繊維のチョップドストランドが均一に混合している状態であることが望ましい。
上記のような場合、不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維及びバインダー繊維のチョップドストランドを、空気中に分散させてネットに捕捉してウエブを形成する方法(乾式不織布法)で製造される。また、熱可塑性スーパーエンプラ繊維及びバインダー繊維のチョップドストランドを溶媒中に分散させ、その後溶媒を除去してウエブを形成する方法(湿式不織布法)等の方法で製造されてもよい。
(熱可塑性プリプレグの製造方法)
本発明の熱可塑性プリプレグの製造工程は、強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理し熱可塑性プリプレグを形成する工程を含む。なお、不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含み、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は25以上である。さらに、熱可塑性プリプレグの密度は、0.15g/cm3以上である。
熱可塑性プリプレグを形成する工程における加熱加圧工程は、好ましくは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度まで加熱しつつ加圧を行う工程である。具体的には、繊維強化プラスチック成形体用シートを150〜600℃、好ましくは200〜500℃で加熱し、加圧することが好ましい。なお、加熱温度は、熱可塑性樹脂繊維が流動する温度であって強化繊維は溶融しない温度帯であることが好ましい。
本発明では、繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理する工程の前に、さらに不織布シートを形成する工程を含むことが好ましい。不織布シートを形成する工程は、乾式不織布法又は湿式不織布法のいずれかの方法で不織布シートを形成する工程と、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを不織布シートに内添、塗布又は含浸させる工程を含む。さらに、内添、塗布又は含浸後には、加熱乾燥させる工程を含む。このような工程を設けることにより、不織布シートの表面繊維の飛散、毛羽立ちや脱落を抑制することができ、ハンドリング性に優れた成形加工シートを得ることができる。
なお、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを不織布シートに内添、塗布又は含浸させた後は、その不織布シートを急速に加熱することが好ましい。このような加熱工程を設けることにより、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域に移行させることができる。
(熱可塑性プリプレグの使用方法)
本発明の熱可塑性プリプレグは、目的とする成形品の形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。例えば、熱可塑性プリプレグを熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱し、金型によって加熱加圧成形する等、一般的なスタンパブルシートの加熱加圧成形方法を用いて加工することにより、強度・難燃性に優れたプラスチック成形体とすることができる。
本発明では、熱可塑性プリプレグから繊維強化プラスチック成形体を作製する際には、熱可塑性プリプレグを、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することが好ましい。例えば、熱プレスによる成形加工の条件としては、使用される熱可塑性樹脂によって異なるが、保持温度として150〜600℃、好ましくは200〜500℃、さらに好ましくは250〜450℃、圧力としては5〜20MPaが好ましい。また、上記所望の保持温度に到達するまでの昇温速度は3〜20℃/分が好ましく、また、所望の熱プレス温度での保持時間は1〜30分、その後、成形体を取り出す温度(200℃以下)までは圧力を維持しながら、3〜20℃/分の冷却速度とするのが好ましい。また、生産効率はやや落ちるものの、熱プレスの保持温度からスーパーエンプラ繊維のガラス転移温度までは空冷でゆっくりと0.1〜3℃/分で冷却することも、強度向上の観点からは好ましい。また、急速加熱、急速冷却(ヒートアンドクール)成形を用いて熱プレス成形することも可能であり、その場合の昇温、冷却速度はそれぞれ30〜500℃/分である。更に、赤外線ヒーターによる場合は、温度として150〜600℃、好ましくは200〜500℃で1〜30分間加熱し、その後30〜150MPaの圧力で成形することができる。
本発明で得られるプラスチック成形品は、力学的強度に優れ、かつ工業的に有用な生産性を兼ね備えているため、種々の用途に展開することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
表1に示した繊維径のPPS繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)を、水中に投入した。投入した水の量は、PPS繊維に対し200倍となるとした(繊維スラリー濃度として0.5%)。このスラリーに、分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)をPPS繊維100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを調製した。
次に、粒状ポリビニルアルコール(PVA)(ユニチカ社製、商品名「OV−N」)を、濃度が10%となるように水に添加し、攪拌してバインダースラリーを調製した。
この粒状PVAのスラリーを上記繊維スラリーに投入して湿式抄紙法でウエットウエブを形成し、180℃で加熱乾燥することにより表1に示すバインダー量で目付けが120g/m2である不織布を作製した。
この不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配して、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。得られたシートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2で測定された透気度は193秒であった。更に280℃の熱プレスにて加熱加圧処理することで、目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例2)
実施例1と同様に作製した目付けが120g/m2の不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表1に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて、実施例1における熱プレス時間より短い時間で加熱加圧処理した以外は、実施例1と同様にして、目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして調製したPPS繊維スラリーに、実施例1と同様のバインダーを使用して調製したバインダースラリーを投入して湿式抄紙法でウエットウエブを形成し、180℃で加熱乾燥することにより、目付けが123g/m2である不織布を作製した。
この不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表1に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて、加熱加圧処理することで目付け446g/m2の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例4)
実施例1と同様に作製した目付けが120g/m2の不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表1に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて、実施例1における熱プレス時間より長時間加熱処理することで、目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを作製した。
(実施例5)
PPS繊維を、表1に示した繊維径のPPS繊維(KBセーレン社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)に変更した以外は、実施例1と同様にして、目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを作製した。
(実施例6)
表1に示した繊維径のPPS繊維(Fiber Innovation Technology社製、限界酸素指数41)を、表2に示した繊維径のポリエーテルイミド(PEI)繊維(Fiber Innovation Technology社、ガラス転移温度220℃、繊維長13mm、限界酸素指数47)に変更した以外は、実施例1と同様にして目付けが120g/m2である不織布を作製した。
この不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表2に記載の透気度となる維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて加熱加圧処理することで、目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを作製した。
(実施例7)
実施例6と同様に作製した目付けが120g/m2の不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表2に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて、実施例6における熱プレス時間より短い時間で加熱加圧処理することで、目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例8)
実施例6において、粒状PVA(ユニチカ社製、商品名「OV−N」)を、PET/coPET変性芯鞘バインダー繊維(ユニチカ社製、商品名「メルティ4080」)に変更して不織布を形成し、使用した以外は、実施例6と同様にして実施例8の熱可塑性プリプレグを作製した。
(実施例9)
実施例6と同様にして調製したPEI繊維スラリーに、実施例6と同様のバインダーを使用して調製したバインダースラリーを投入して湿式抄紙法でウエットウエブを形成し、180℃で加熱乾燥することにより、表2に示すバインダー添加量で、目付けが123g/m2である不織布を作製した。
この不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表2に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて、加熱加圧処理することで目付け446g/m2の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例10〜15)
実施例1における繊維径27μmのPPS繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)を、繊維径16μmのPPS繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)に代えた以外は、実施例1と同様にしてPPS繊維のウエットウエブを形成し、そのウエットウエブの片面に表3に示す種類のバインダー含有液を、表3に示す全バインダー添加量となるようにスプレー法で添加し、加熱乾燥させて形成した目付け120g/m2のPPS繊維不織布を不織布として使用し、該不織布を目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下に、バインダー供給面を外側としてそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表3に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて加熱加圧処理することで、表3に実施例10〜実施例15として記載されている目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例16〜21)
実施例1における繊維径27μmのPPS繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)を繊維径15μmのPEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数47)に代えた以外は、実施例1と同様にしてPEI繊維のウエットウエブを形成し、そのウエットウエブの片面に表4に示す種類のバインダー含有液を、表4に示す全バインダー添加量となるようにスプレー法で添加し、加熱乾燥させて形成した
目付け120g/m2のPEI繊維不織布を不織布として使用し、該不織布を目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下に、前記バインダー供給面を外側としてそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表4に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて加熱加圧処理することで、表4に実施例16〜実施例21として記載されている目付け440g/m2の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例22)
実施例16における繊維径15μmのPEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数47)の代わりにポリカーボネート繊維(繊維長15mm、繊維径30μm、限界酸素指数25)を用いた以外は、実施例16と同様にして熱可塑性プリプレグを得た。尚、プリプレグを製造する際の加熱温度は220℃とした。
(実施例23)
ポリカーボネート繊維(繊維長15mm、繊維径30μm、限界酸素指数25)及び繊維径15μmのPEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数47)を50/50の質量比で混合して使用した以外は、実施例16と同様にして熱可塑性プリプレグを得た。尚、プリプレグを製造する際の加熱温度は280℃とした。
尚、上記のバインダー液において、PVA水溶液は、クラレ社製商品名「PVA117」を熱水に溶解したPVA水溶液を使用した。また、スチレン−アクリルエマルジョンは、DIC社製商品名「GM−1000」を使用し、ウレタンエマルジョンはDIC社製商品名「AP−X101」を使用した。
(実施例24〜27)
繊維径が9mmであり、繊維長が18mmのガラス繊維と、表5に示したポリエーテルイミド(PEI)繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度220℃、繊維長13mm、限界酸素指数47)を、質量比がガラス繊維25に対して繊維径26μmのポリエーテルイミド(PEI)繊維75となるように計量し、水中に投入した。投入した水の量は、ガラス繊維とPEI繊維の合計質量に対し200倍となる量とした(繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を、ガラス繊維とPEI繊維の合計100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
粒状ポリビニルアルコール(PVA)(ユニチカ社製、商品名「OV−N」)を、濃度が10%となるように水に添加し、攪拌してバインダースラリーを調製した。この粒状PVAのスラリーを前記繊維スラリーに投入して湿式抄紙法でウエットウエブを形成し、180℃で加熱乾燥することにより目付けが140g/m2である不織布を得た。
この不織布を、目付けが200g/m2である炭素繊維クロス(NEWS−COMPANY社製 炭素繊維クロス(3K 平織り コーティング無し))の上下にそれぞれ1枚ずつ配し、220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し表5に記載の透気度となる繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱プレスにて、加熱加圧処理することで目付けが480g/m2となる、実施例24の熱可塑性プリプレグを得た。
上記実施例24における280℃の熱プレスによる加熱加圧処理の時間を、実施例24の場合よりも短縮して行って熱可塑性プリプレグの密度を低くすることにより、実施例25の熱可塑性プリプレグを得た。
また、実施例24における不織布に使用している粒状ポリビニルアルコール(PVA)(ユニチカ社製、商品名「OV−N」)を、PET/coPET変性芯鞘バインダー繊維(ユニチカ社製、商品名「メルティ4080」)に変更した以外は、実施例22と同様にして実施例26の熱可塑性プリプレグを得た。
また、実施例24におけるガラス繊維を、繊維径が6μmであり、繊維長が18mmのガラス繊維に変更して、実施例24と同様にして実施例27の熱可塑性プリプレグを得た。
(実施例28)
実施例16において使用したものと同一配合の、幅280mmのPEI繊維シートの巻取りを2本準備し、また幅250mmの炭素繊維クロスの巻取りを1本準備し、上からPEI繊維シート、炭素繊維クロス、PEI繊維シートの順に重ねて220℃の熱カレンダーにて加熱貼合処理し繊維強化プラスチック成形体用シートを得た後、280℃の熱カレンダーにて加熱加圧処理し、得られた熱可塑性プリプレグを3インチ紙管に巻き取った。
(実施例29〜33)
実施例28の熱可塑性プリプレグにおいて、PEI繊維不織布に、鞘部に変性PET(融点110℃)、芯部にPET繊維を使用した芯鞘バインダー繊維(クラレ社製 N-720)を表6に記載の添加量となるよう添加し、そのウエットウエブの片面にスチレン・アクリル樹脂エマルジョン液を、表6に示す添加量となるようにスプレー法で添加し、加熱乾燥させて形成した目付け120g/m2のPEI繊維不織布を不織布として使用した以外は実施例28と同様に実施例29〜33の熱可塑性プリプレグを各々製造した。
(実施例34)
実施例29における熱可塑性プリプレグにおいて、PET-変性PET芯鞘バインダー繊維を、クラレ社製商品名「N-710(鞘部融点 130℃)」に変更した以外は実施例31と同様に熱可塑性プリプレグを得た。
(比較例1)
280℃の熱プレスによる加熱加圧処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして熱可塑性プリプレグを作成した。
(比較例2)
実施例1において、PPS樹脂繊維の代わりにポリアミド6樹脂(東レ社製、商品名「アミランCM1021」、融点210℃、限界酸素指数20、繊維径20μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性プリプレグを得た。
(スタンピング成形)
以上の各実施例及び比較例の方法で得られた各熱可塑性プリプレグを、6枚積層し、IRヒーターで400℃で60秒加熱した後、コールドプレスで20MPaで60秒間プレスし、繊維強化プラスチック成形体を得た。尚、実施例22においてはIRヒーターの温度を300℃、実施例23においてはIRヒーターの温度を350℃とした。
(評価)
(強度評価)
強度については、得られた繊維強化プラスチック成形体について、JIS K7074に準拠した方法で炭素繊維クロスの繊維方向と、繊維と45度の角度をなす方向で曲げ強度を測定した。
(プラスチック成形体の外観評価)
得られた繊維強化プラスチック成形体の外観を目視により以下のように評価して「プラスチック成形体の積層板外観」として示した。なお、この外観評価が良好なものは、熱可塑性プリプレグのハンドリング性(加工適正)が良好であることを表す。
◎:ボイド等がなく良好
○:わずかにボイドが確認できるだけである
△:ボイドの発生があるが実用上差し支えがない
×:ボイドに起因して明らかに外観が悪く、製品として使用できない
(難燃性)
限界酸素指数(LOI値)については、JIS K7201法に基づいて、難燃性試験を行い算出した。
また、実施例28〜34の熱可塑性プリプレグにつき、熱可塑性プリプレグの巻取り時の脱落・飛散及び取り扱いやすさ(ハンドリング性)を、下記の基準で評価を行った。
A:非常に良好なもの。
B:良好であり実用上問題なく取り扱えるもの。
C:実用上やや問題を生じるが、製造は可能であるもの。
D:表面繊維の脱落が非常に多く量産では明らかに問題を発生するもの。
E:シートが破れやすくハンドリング性に劣るもの。
得られた結果を表6に示す。
Figure 2015044318
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表1〜6に示されるように、実施例1〜34の各熱可塑性プリプレグを加熱加圧成形して得られる繊維強化プラスチック成形体は、特定の限界酸素指数を有するスーパーエンプラと称される熱可塑性樹脂の繊維と炭素繊維やガラス繊維からなる強化繊維とを有し、かつ一定以上の密度を有する熱可塑性プリプレグを加熱加圧成形して製造されていることにより、高強度で外観も良好である繊維強化プラスチック体となっている。
なお、スーパーエンプラ繊維としてポリカーボネートを用いている実施例22や実施例23では難燃性が低下する傾向にはあるものの実用上は問題ないレベルである。
一方、不織布製造後に加熱加圧を行わず、密度の低い比較例1においては、スタンピング成形における赤外ヒーター加熱工程においてシートが激しく収縮し、成形加工が不能であった。また、比較例2は、限界酸素指数が低く、難燃性が不足している。
本発明の熱可塑性プリプレグを用いることにより、高強度かつ難燃性の高い、繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。さらに本発明によれば、加工適性に優れた熱可塑性プリプレグを得ることができ、プラスチック成形加工分野等において産業上の利用可能性が高い。

Claims (21)

  1. 強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理することにより形成される熱可塑性プリプレグであって、
    前記不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含み、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であり、
    前記熱可塑性プリプレグの密度は、0.15g/cm3以上であることを特徴とする熱可塑性プリプレグ。
  2. 前記強化繊維シートは、無機繊維を含み、
    前記不織布シートに含まれる熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であり、かつ前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は前記無機繊維の繊維径の5倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性プリプレグ。
  3. 前記繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性プリプレグ。
  4. 前記熱可塑性プリプレグは、前記強化繊維シートの両面に前記不織布シートを貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
  5. 前記バインダー成分は前記熱可塑性プリプレグの全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
  6. 前記バインダー成分は前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
  7. 前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
  8. 前記バインダー成分は、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性プリプレグ。
  9. 前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする請求項8に記載の熱可塑性プリプレグ。
  10. 前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維及び前記バインダー繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする請求項8又は9に記載の熱可塑性プリプレグ。
  11. 前記不織布シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、
    前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多いことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
  12. 前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維又はポリカーボネート繊維から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
  13. 前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグを、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度まで加熱加圧成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグを、150〜600℃の温度で加熱加圧成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体。
  16. 請求項14又は15に記載の加熱加圧成形する工程が、スタンピング成形であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
  17. 強化繊維シートと不織布シートを少なくとも1枚ずつ貼合した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧処理する工程を含む熱可塑性プリプレグの製造方法において、
    前記不織布シートは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維とバインダー成分を含み、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であり、
    前記熱可塑性プリプレグの密度は0.15g/cm3以上であることを特徴とする熱可塑性プリプレグの製造方法。
  18. 前記加熱加圧処理する工程の前に、さらに不織布シートを形成する工程を含み、
    前記不織布シートを形成する工程は、乾式不織布法又は湿式不織布法のいずれかの方法で不織布シートを形成する工程と、
    前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする請求項17に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法。
  19. 前記加熱加圧処理する工程では、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧処理されることを特徴とする請求項17又は18に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法。
  20. 前記加熱加圧処理する工程では、前記繊維強化プラスチック成形体用シートを150〜600℃で加熱加圧することを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法。
  21. 請求項17〜20のいずれか1項に記載の熱可塑性プリプレグの製造方法を用いて熱可塑性プリプレグを製造した後、該熱可塑性プリプレグを150〜600℃で加熱加圧成形することを特徴とする繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
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