JPH03234851A - 強化用短繊維シート - Google Patents

強化用短繊維シート

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JPH03234851A
JPH03234851A JP2028226A JP2822690A JPH03234851A JP H03234851 A JPH03234851 A JP H03234851A JP 2028226 A JP2028226 A JP 2028226A JP 2822690 A JP2822690 A JP 2822690A JP H03234851 A JPH03234851 A JP H03234851A
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JP
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fibers
fiber
reinforcing
sheet
web
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JP2028226A
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Keiichi Haraguchi
慶一 原口
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は強化短繊維シートに関する。さらに詳しくは、
繊維強化材料として好適な交絡混合状態を有し、成形品
加工性に優れた強化短繊維シートに関する。
〔従来の技術〕
近年、強化用繊維を各種マトリックス樹脂により結合し
てなる繊維強化材料は、その優れた特性、例えば、高強
度、高剛性、低比重、高耐疲労性などを有していること
から、幅広い用途が期待され工業的に重要な材料として
注目されている。
一般に、これら強化用繊維をマトリックス樹脂で結合し
た繊維強化材料を得る場合、樹脂が繊維中に均一に分散
し易く、柔軟で賦形性に優れていることなどのために、
硬化以前の状態で流動性に優れた熱硬化性樹脂が、一般
に使用されている。
しかしながら、これら熱硬化性樹脂の硬化反応には、−
船釣に長時間(通常−時間以上)の高温加圧条件が必要
であり、生産性に問題があり、繊維強化材料の一般的な
普及に制限があった。
そこで、熱硬化性樹脂のかわりに、熱可塑性重合体を用
いる試みがなされている(例えば、特開昭58−296
51号公報)。
しかしながら、これら繊維強化材料用に使用されている
熱可塑性重合体は、室温において剛性が高く、そのため
に、単純に重合体溶液を繊維に含浸機脱溶媒したり、シ
ート状フィルムを熱溶融さ(1) (2) せで繊維中に圧入分散させる方法で得られたプリプレグ
は、室温の状態で剛性があり、無理に曲げたりすると繊
維が切断したりして、賦形性に乏しく、その使用に制限
があった。
そこで、賦形性に優れた熱可塑性重合体をマトリックス
とした強化用繊維束およびプリプレグの開発が近年盛ん
に行われている。例えば、熱可塑性重合体を繊維状にし
て、強化用繊維と混ぜることが特開昭60−56545
号公報、特開昭60−209033号公報、および特公
昭62−1969号公報に開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭60−56545号公報において、熱可塑性重合
体繊維(以下、rTPl維」と略す。)と強化用長繊維
は単に繊維束同士を合糸しただけであり、均一に混繊し
ていない。この混合物は、強化用長繊維の単繊維切れ等
が少なく、後工程において取扱いに優れてはいるが、熱
溶融成形時に重合体が均一に強化用長繊維に含浸し難い
という欠点がある。
特開昭60−209033号公報においては、溶融熱可
塑性重合体の含浸を容易にするために単繊維同士レベル
で混ぜようと試みている。しかるに、長繊維束(連続フ
ィラメント束)同士を単繊維レベルで長手方向に均一に
混た製品は、ヤーンの状態であり、実用される成形品と
するためには、これをシート状にして、それから所望の
繊維方向角度および大きさに切り離し、これらを複数枚
積層して、溶融冷却固化する工程が必要である。積層作
業が行えるようハンドリングを可能にするために織物状
または編物状にする手法が採られる。しかしながら、織
物化工程で、多数本の糸を狭い空間に並べて、機械的に
何回も往復運動を経るために毛羽が発生しやすいこと、
また、たとえ織物状にしても、強化用長繊維束を織物状
に保持している力は、−束の強化用長繊維束と直角に交
わる強化用長繊維束との摩擦力であり、切断後の端面は
、この摩擦力が働かず、糸こぼれを必ず起こすこと、糸
こぼれを起こした強化用長繊維束は、一般に強度を(3
) (4) 上げるために無撚で使用されるので、−本としてまとま
る力が働かず、わずかな力で単繊維に分離、浮遊して人
体に刺さり易いことなど工程上問題点が多かった。
更に、強化用長繊維束は、衣料用繊維に比べて一般的に
太い束として生産され、しかもコンポジットにしたとき
強度および剛性が要求されるので、無撚で且つ織り密度
を15本/ 0m以下、好ましくは8本/ am以下に
して、糸の屈曲を少なくするようにして織られている。
そのために、円形に近い単純な多角形に切り込む時はシ
ートとして比較的容易に扱えるが、オツ型に切り込むよ
うな複雑な形になると、バラバラになりシートとしての
取扱いが非常に困難になる。
さらに、強化用短繊維と熱可塑性重合体短繊維を混合し
てウェブ状にした製品も提案されている(特公昭62−
1969号公報)。これは、測知繊維が混合されてはい
るが、交絡一体となっていないことから、特に乾燥する
と強化用繊維が非常に分離し易く、取扱中に作業者に付
着して刺さり易く、また、たとえ熱融着または接着剤で
の接着を試みても、柔軟性のコントロールが困難で、接
着しすぎると柔軟性がなくなるという欠点があった。加
えて、このウェブ製品は、乾燥後の嵩密度が非常に低く
、プレス金型に挿入する際ストロークを長くとらないと
つくれないとか、オートクレーブ成形をする際バギング
フィルムがシワになり成形品表面に残るといった欠点も
あり、−船釣に普及されるには至っていない。
このように、強化用短繊維とTP織繊維混合シートに関
し、側繊維が良く混合され、一体化された材料はこれま
で見出がされておらず、この開発が強く望まれていた。
本発明の目的は、以上のような状況から、強化用短繊維
と熱可塑性重合体繊維がよく混じり合い、一体的に交絡
してシート状になっており、成形品加工性に優れた繊維
強化材料用強化短繊維シートを提供するにある。
(5) (6) 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、強化用短繊維からなるウェブと単繊維状の熱
可塑性重合体繊維が交絡一体化していることを特徴とす
る強化短繊維シートである。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明においては、強化用繊維が短繊維の形態で用いら
れる。一般に、強化用繊維は連続繊維として束の状態で
生産される。この東をカットしたり、引きち切ったりし
て短繊維に加工される。本発明は、この様な短繊維をシ
ート状に加工されて使用される強化用短繊維ウェブにつ
いて適用するものである。
本発明において、「ウェブ」とは、形状保持力があって
も無くても、平面状になっているものをいい、「シート
」とは、形状保持力のある平面状のものをいう。ここで
「平面状」とは幅と厚みの比が2以上、好ましくは5以
上のものを指す。好ましくは、強化用短繊維を一方向に
引き揃えたウェブ(以下、rUDウェブ」と略する)は
、強化用繊維同士の交差が少なく、交差空間を埋める量
が少ないので、強化繊維の含有量を高くでき成形品に必
要な方向の強度および剛性を効果的に与えるので好まし
く用いられる。引き揃えの程度としては、全強化短繊維
の80%以上が、設定された方向の±20度の範囲内に
繊維軸方向が配列されているものが好ましい。強化短繊
維の規則的な配列の程度は、交絡一体化されたシートを
そのまま、あるいは熱可塑性樹脂繊維を加熱溶融して繊
維強化材料としたのち、表1面写真を撮影して拡大し、
各強化短繊維の交差角度を測定することにより知ること
ができる。
本発明でいう強化用短繊維とは、繊維強化材料に用いら
れる繊維の短繊維をいうが、用いられる繊維としては、
例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケ
イ素繊維、ボロン繊維、金属繊維、ポリベンゾチアゾー
ル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、アルミナ繊維な
どの繊維が挙げられる。
これらの繊維をカッター、ひきちぎり、レーザーなどに
よる焼き切り等の手段で、3mm以上、(7) (8) 600mm以下、好ましくは10岨以上、200mm以
下に切断したものをいう。短すぎると強化効果が少なく
なるし、長すぎると、ウェブの形成が困難になる。本発
明では、使用する熱可塑性重合体繊維を加熱溶融させる
工程においても実質的に溶融せず、冷却同化後も強化機
能を示す繊維であれば熱可塑性重合体繊維を強化用短繊
維として用いることもできる。例えば、液晶性熱可塑性
重合体繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリビニル
アルコール繊維等を挙げることができる。更に、レーヨ
ン繊維などのセルロース系繊維も用いられ得る。更に、
本発明の強化用短繊維シートの中に気相法炭素短繊維、
チタン酸カリウム短繊維等のウィスカーを0.1各歯%
以上、20容量%以下含有、配列させ強化効果を高めた
ものも好ましく用いることができる。
上記繊維の中でも弾性率3000kg/mm2以上の繊
維が好ましく用いられ、弾性率が5000 kg/ m
m2以上で、かつ、引張強度が100kg/+nm2以
上を示すものが特に好ましい。
強化用短繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラ
ス繊維が軽くて高強度であるという点から好ましい。
これらの強化用短繊維が加熱溶融時の含浸を容易にする
ため、柔軟性を失わないよう単繊維表面に単繊維同士が
融着しないよう熱可塑性重合体でコーティングされてい
ることは特に好ましい。
本発明でいう熱可塑性重合体繊維(TP織繊維とは、熱
可塑性重合体を、熱、溶媒等で溶かし、紡糸、フラッシ
ング、吹き飛ばし等、公知の手段で繊維状になったもの
を指す。繊維の鴫形態はリボン状であってもよい。熱可
塑性重合体とは、重合体の分解温度以下の温度で流動す
るものであり、例えば、ポリオレフィン類、熱可塑性ポ
リエステル類、熱可塑性ポリアミド類、アクリル樹脂類
、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンエーテノペポリスチレン類、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンォン
、熱可塑性ポリアミく9) (10) トイミド、フッ素樹脂類などのポリマー類またはこれら
のコポリマー類を挙げることができる。これらは繊維中
でアロイになっていても良いし、また、物性を損なわな
い限り2種以上の繊維が使用されても良い。
この強化用短繊維シート中のTP織繊維量は、シート形
態を保持する能力からみて、強化短繊維シートに基づき
、0.1容量%以上必要であり、好ましくは1容量%以
上である。特に、ボイド率を5%以下にするためには少
なくとも20容量%以上が好ましく、特にボイド率を1
%以下にするために30容量%以上がより好ましい。高
強度で高弾性な繊維強化材料として用いられるためには
、TP織繊維量は95容量%以下(強化用繊維は5容量
%以上)であり、70容量%以下(強化用繊維は30容
量%以上)が好ましく、55容量%以下(強化用繊維は
45容量%以上)はとくに好ましい。
しかしながら、着色、粘着性および酸化防止の向上、表
面のみに樹脂をリッチにさせて平滑性を上げる、含浸を
容易にする等の目的のために、TPフィルム、熱硬化性
樹脂、既に強化用繊維の表面にコートされた樹脂等のマ
トリックスとして作用する物質を併用する場合にはこの
限りではない。
本発明の強化用短繊維シートにおいては、剛性、流動性
、着色、酸化防止、潤滑性、層間接着強度、その他の性
能を上げるために、無機、有機フィシ、ウィスカー、顔
料、可塑剤等を必要に応じて1種以上を含有させても良
い。含有させる手法としては、強化用短繊維のウェブに
混入する方法およびこれらの添加剤を含有せるTP織繊
維用いる方法が採られる。
特に強化用繊維と直角方向の強度および弾性率を強化す
るために、気相法炭素短繊維、チタン酸カリウムウィス
カー、炭化珪素ウィスカー等のウィスカーを含有させた
ものは好ましい。
本発明でいう「単繊維状」とは、繊維が織られたり編ま
れてウェブ状になっているものでなく、例えば、短繊維
をランダムまたは一方向もしくは多方向に配置して、繊
維に自由度がある状態でつ(11) (12) ニブ状にしたもの、および長繊維をスワール状に配置し
て自由度をあたえてウェブ状にしたものを指す。本発明
により熱可塑性重合体繊維を単繊維状で混合することに
より、該繊維の自由度が高く混合が容易なこと、織物お
よび編み物に比べはるかに多数の地点で交絡され、シー
トを細断してもバラバラにならず、形態保持性能が著し
く高く、作業性に優れた強化用短繊維シートが得られる
TP織繊維断面径は、強化用繊維の断面径と比べて、極
端に太くなく、柔軟性があり自由に屈曲できる太さであ
れば良いが、好ましくは、強化用繊維の断面径の10倍
以下であり、さらに好ましくは5倍以下である。混合性
と、形態保持性を調整するために太さの異なる2種以上
のTP織繊維使っても良い。
本発明でいう「自由度」とは、TP長繊維が機械的作用
を受けた時、繊維が切断しないで強化用短繊維の中に、
潜り込めるゆとりをいう。更に自由度を具体的に説明す
ると、シート状になっているある一本の連続単繊維のあ
る−点くA点とする)に着目する。そのA点から半径5
cmの円内から外に出るこの連続単繊維をさがし出す。
半径5cmの円と交わる2つの点をB点とする。そして
一つのB点から他のB点に至るまでの連続単繊維を直線
状に伸ばしたときの長さを測定し、その長さを10cm
で除したときの値を自由度と定義する。混合のし易さか
ら、自由度は好ましくは1.5以上であり、更に好まし
くは3.0以上である。
本発明でいう熱可塑性重合体短繊維とは、長さが100
cm以下でL/D (繊維の長さを、繊維の径で除した
値)が1000万以下の繊維をいう。好ましくは、10
 cm以下で、L/Dが100万以下である。
特に、30+n+n以下の長さの繊維は自由度がより高
く、混合交絡しやすいのでより好ましい。もちろん、上
記、以上の長さの繊維でも形状的(例えばクリンプをつ
けるとか、スワール状に堆積させることによる。)に自
由度を与えることにより、好適に用いることができる。
また、繊維長の下限は、L/Dとして、5以上、好まし
くは、50以上、さらに好ましくは交絡して形態保持し
やすいことがら(13) (14) 100以上である。さらに、絶対的長さとしては、強化
用短繊維の径の10倍以上、好ましくは、形態保持しや
すいことから50倍以上である。
本発明でいう、交絡とは、TP織繊維強化用短繊維が立
体的に混合した状態である。好ましくは、強化用短繊維
ウェブの中にTP織繊維一本一本の単繊維の大部分が侵
入する形で交絡していることである。
本発明でいう、一体化していることとは、TP織繊維単
繊維同士および、TP織繊維単繊維が強化用短繊維に絡
んで、自重で脱離しないような状態である。このために
はTP織繊維少なくとも、強化用短繊維と異なる方向に
配置されていることが好ましい。また、強化用短繊維は
、ウェブ内では一方向に揃っていることが物性的に好ま
しく、また、強化用短繊維が切断されたり強化用短繊維
同士が絡んでいることは好ましくない。強化用短繊維同
士が絡んでいないことはTP織繊維みを溶媒等で抽出除
去後、残る強化用短繊維が一体化されていないことから
確S忍できる。
さらに具体的に説明すると、シート全体を取り扱うに際
し、シートを直径Locmと11cmの同心円でくりぬ
いてドーナツ状にしたとき、−カ所を指二本で持ち上げ
たとき、ドーナツ形状を保持できていることを一体化と
いう。
この一体化がなされていると、細かくて複雑な形状に切
断しても、バラバラにならず、積層作業、金型などへの
セット作業などが容易にできる。
さらに、予想外の効果として、TP織繊維強化用短繊維
方向に整列しておらず、溶融冷却固化させた時に、TP
高分子が、三次元的にランダムになっているためか、強
化用繊維方向に対し、直角方向の強度の高いものが得ら
れる。特に、熱可塑性ポリエステル類の中の、全芳香族
系ポリエステル樹脂のように、溶融状態で液晶性を示し
、冷却固化時に液晶の配向方向によって著しい異方性を
示す液晶性熱可塑性重合体繊維を用いると上記の現象は
顕著である。
さらに、別の予想外の効果として、剛直な強化用短繊維
を密に揃えることによって、嵩密度が上(15) (16) す、引き抜きダイスへの挿入が簡単になるとか、プレス
金型への充填が容易になるとか、オートクレーブ成形時
における加工前後の体積変化が小さくなることから、バ
ギングフィルムの縮みによるシワが少なくなるという効
果がある。本発明の強化用短繊維シートの嵩密度は、好
ましくは0.1g/cI11以上、特に好ましくは0.
2 g /cr1以上である。
本発明の強化短繊維シートを得る方法は、格別限定され
るものではないが、−船釣に下記の方法が採られる。ウ
ェブを得る方法としては、例えば、5〜30mm長の強
化用短繊維を液体に分散させ、傾斜式抄造法により、繊
維の配列が起きやすいように高速で濾過しつつウェブ化
する方法、紡績において用いられるターボステープラ−
によって得られたスライバーを引き揃えてウェブ化、あ
るいは、解繊してウェブ化する方法、カードにかけて方
向を揃えてウェブ化する方法、強化用長繊維をコーミン
グローラ−などで引きち切りながら短繊維化して、スラ
イバーを気流、液流により吹き飛ばして堆積させウェブ
化する方法、吹き飛ばして堆積させる際に液膜に衝突さ
せて短繊維の方向を揃えながら堆積させたり、短繊維分
散液をスリットを通過させることにより方向を揃えて堆
積させる方法等がある。
熱可塑性重合体を繊維化する方法として、湿式紡糸、乾
式紡糸、溶融紡糸のいずれもが、各々の樹脂に応じて選
ばれる。さらにこれらを単繊維状にして、ウェブ状の強
化用短繊維と交絡させて一体化するには、例えば、熱可
塑性樹脂短繊維を抄造して得られるウェブ、あるいは、
カード法、メルトブロー法等によって得られる熱可塑性
樹脂短繊維の不織布状ウェブ、あるいは、スパンボンド
法によって得られるスワール状ウェブを上述の強化用短
繊維ウェブ上に積層し、ついで、ニードルパンチング、
流体噴流などの機械的作用力により交絡させ、一体化す
れば良い。
強化用短繊維ウェブと熱可塑性樹脂繊維ウェブの積層は
、各々1層ずつであったり、交互に2層以上積み重ねる
ことができる。
流体噴流を作用させて絡ませる方法は、強化用(17) (18) 短繊維が切れにくいこと、剛直な強化用短繊維同士が混
合せず、得られた混合シートの嵩密度が高いので好まし
い。
ここで、流体噴流は、高圧にした流体を礼状もしくはス
リット状のノズルを介して大気圧下に放出することによ
り得られる。具体的には、3kg/cut〜400kg
/cI11の圧力が好適に適用される。ノズルとしては
孔径が0.05〜2mmのものが好適に使用される。し
かし、ノズルの位置とか放出方向により上記の数値は、
変動するので特に限定されるものではない。さらに、使
用される流体としては、流動性のあるものであればなん
でも使用できるが、具体的には液体、気体、液体混合気
体、固体混合液体、固体混合気体などがある。好ましく
は、繊維に大きな機械的混合作用を与える必要があるた
めに、密度の高い物を使用する。具体的には、0.1g
/an(以上の密度のものが好ましい。人手しやすく、
安全であるとの理由で、−船釣には水が用いられる。さ
らに、この流体噴流で処理しているときは、運動エネル
ギーを失った流体を真空吸引等の手段で速やかに取り去
ることが好ましい。
上記の強化用短繊維シートに、熱可塑性重合体エマルジ
ョンを含浸後、最低造膜温度以下で乾燥させたり、重合
体粒子を吹き付けて含有させたりすることにより、強化
用短繊維シートの柔軟性をうしなわずに混合性を向上さ
せることができる。
また更に、機械的作用で混合させた後、TP織繊維熱変
形を起こす温度以上で、かつ融着しない温度以下の条件
で加熱し、TP織繊維変形させたり、強化用短繊維が破
断しない程度に押圧して、嵩密度を上げたりして、一体
化したシートを得ても良い。
更に、本発明の強化用短繊維シートは、一方向に引き揃
えられた強化用長繊維ウェブと、熱可塑性樹脂繊維を上
述の方法等で交絡一体化した後、得られたシートを強化
用長繊維の引き揃え方向に牽引して、伸度の低い強化用
長繊維をランダムに切断する方法などによっても得られ
る。
本発明は、結果的に強化用短繊維のウェブと単繊維状の
熱可塑性重合体繊維が交絡一体化してお(19) (20) れば、上記の方法に限るものではない。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例I PAN系炭素炭素繊維化用長繊維束(新旭化成カーボン
ファイバー株式会社製、ハイカーボロン6Kf糸、単繊
維数6000本、3600デニール、引張強度: 40
0kg/ mm2、引張弾性率+ 23ton / m
m2、直径;7側)を多数本集めて、小野打製住所製り
型ギロチン式カッターにて15 ++++nの長さに切
断して、炭素短繊維を得た。
この短繊維を濃度が1.5%になるようにして、水に投
入分散し、ポリアクリルアマイドを加え100Cpの粘
度を有するスラリー液とし、次いで幅が50cm、 8
0メツシユの金網を有する傾斜型抄造機で抄造し、目付
23g/m’の炭素短繊維抄造ウェブを得た。この際炭
素短繊維の配列を高めるために抄造速度は7m/分に設
定した。この抄造ウェブを湿ったまま抄造方向を合わせ
て10枚重ねて240g/m’、400mm幅X100
0mm長の積層ウェブとした。
この抄造ウェブの中の短繊維の方向を写真撮影し観察し
てみると、抄造引取り方向を0度として、50本の短繊
維の繊維軸方向の角度を測定した結果、82%の短繊維
が±20度の範囲に入ることが判った。
次に、ナイロン66重合体く旭化成工業株式会社製、レ
オナ重合体)を溶融紡糸した770デニール/770フ
イラメントのマルチフィラメントから上述の炭素繊維と
同様にして繊維長3mmの短繊維を得、ついで同様にし
て抄造し、目付64g/m′の抄造ウェブを得た。この
際、スラリー液中のナイロン66繊維短繊維の濃度は2
.4%であり、かつ抄造速度を2.0m/分とした結果
、短繊維の方向はほぼランダムであることが判った。
このナイロン66短繊維の抄造ウェブの上に上記炭素短
繊維積層ウェブを置いた。ついで、さらに、ナイロン6
6抄造ウェブを同じ様にしてこのウェブの上にのせサン
ドイッチ状にした積層ウェブを得た。
(21) (22) この積層ウェブは乾燥させ手で掴むとバラバラになり手
に強化繊維が付着して刺さるなど非常に扱い難いウェブ
であった。
上記積層ウェブを200メツシユの金網に乗せたまま、
1 mm間隔て等間隔に直線状に配置したオリフィス径
0.2 mmのノズル500コを用い、ノズルとシート
間の距離を30+++mにしてウェブ全面に隈なく10
kg/cfflの圧力の水をウェブ面の上から垂直にあ
てる処理を表裏−回ずつ行った。さらに、40kg10
ffIの圧力で表裏3回ずつ当てて処理して強化短繊維
シートを得た。このシートにおいては、TP織繊維強化
短繊維束に埋め込まれ、TP繊維同士および強化短繊維
に絡まって一体となった構造になっていた。乾燥後にシ
ートの端部を人差し指と親指でつまんで持ち上げても、
40cmX 100皿のシートがバラバラにならず且つ
柔軟性に富んでいた。
このシートから外径11cm、内径10cm、幅5[+
1111のドーナツを切出したが、1カ所を指でつまん
で持ち上げて取り扱ってもバラバラにならず、しかも、
端部から糸が解けることもなく、従って、上記シートは
、−枚の紙のように扱える作業性に優れたものであった
次に、上記シートを10cm角に切出し平な面に置き、
厚み3mmの鉄板を上に載せて厚みを測定し、シートの
重量を測定することにより嵩密度を測定した結果は0.
28g/cfflであった。
上記シートから、濃硫酸でナイロン重合体だけを静かに
溶解させて抽出し、炭素繊維だけのシートにして、直角
方向の強度を測定しようとしたが、テープに切出して持
ち上げようとしただけでバラバラになり、強化用短繊維
同士は交絡していなかった。
得られた強化用短繊維シートから10 cm角のシート
を切出して、0度方向に一層、90度方向に二層、さら
に、0度方向に一層重ね、積層体を直径7cmの半円筒
に巻付け、テフロンフィルムで覆った後、周囲をテフロ
ンゴムでシールし、フィルム内ヲ真空にして、オートク
レーブにセットして300℃×20kg/cnlX30
分の処理をして、冷却固化後取り出し、フィルムを取っ
たところ半円筒の成形体を得(23) く24) た。成形体の一部を切出して、密度を測定したところ、
理論比重と同じであり、ボイド率は0.1%以下であっ
た。さらに、断面を200倍の光学顕微鏡で観察したと
ころボイドは認められなかった。
比較例1 実施例1で用いたナイロン66の3+nmカット短繊維
と、同じようにしてカットした8mmカット炭素繊維を
重量比で炭素繊維が7、ナイロン66繊維が3の割合で
液中混合して、同じ様にして抄造シートを得た。このシ
ートを乾燥させて、実施例1と同様にして嵩密度を測定
したところ0.03.7 g / cIlと非常に嵩高
であった。このシートを乾燥させてから手でつかむと、
すぐにバラバラになり、また手に強化繊維が付着して刺
さり、非常に扱い難いシートであることが判った。
実施例2 実施例1で用いたナイロン66繊維の代わりに、ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂、(インペリアル・ケミカル
・インダストリー社製、商品名ピクトレックス)を用い
て、780デニール/390フイラメントの連続繊維を
作り、同様にして5+n+nと10m+nの短繊維を得
、同様に抄造してポリエーテルエーテルケトン短繊維の
ウェブを得た。
実施例1で得られた炭素繊維の4層積層シートと、上述
のポリエーテルエーテルケトン短繊維シートを実施例1
と同じ方法、条件で交絡一体化処理を行い、強化用短繊
維シートを得た。得られたシートの嵩密度は0.30g
/c[[Iであり、柔軟で賦形性に優れたものであった
。このシートを10枚重ね(炭素繊維の配列方向が同一
となる様に重ねた)、金型に入れて、420℃×10分
X 100 kg/ c++tの条件で成形し、ポリエ
ーテルエーテルケトン短繊維を溶融させて厚み3+n+
nの板状成形品を得た。得られた成形品の炭素繊維の配
列方向の曲げ強度は138kg/mm”であった。
実施例3 ポリエステル長繊維からなる40 g / m’のフリ
ース(スパンボンド方式の不織布製造工程で得られるエ
ンボス加工前のフリース)をネットコンベア上に堆積さ
せた。
(25) (26) ついで、特開平1−132863号公報の第1図に示さ
れるコーミング装置を5台並べて設置し、各々にケブラ
ーステーブルファイバー(デュポン社製アラミド繊維、
カット長51. +nm )のスライバーを供給し、入
口側のコーミングロールを3000rpm 、 出口側
のそれを800rpmとし、上記エステルフリースを堆
積したネットコンベアーに移動させつつ、コンベアの進
行方向にはン゛直交した方向に上記のステーブルファイ
バーを飛走させ、エステルフリース上に40’9/m’
の目付となるように堆積させた。
この際得られた複合ウェブ中のアラミドステーブルファ
イバーは、飛走力向に対して±20°の角度の範囲内に
80%の繊維の繊維長方向が含まれるものであった。
得られた複合ウェブを4層重ねて実施例1と同じ方法条
件で高圧水流をあてて交絡処理を行い一体化された強化
用短繊維シートを得た。
得られたシートは極めて柔軟であり、賦形性に優れるこ
とが言忍められた。
実施例4 実施例1の炭素繊維の代わりに、ガラス繊維(日本電気
ガラス製)を用いて第1表に示す繊維長のガラス短繊維
抄造ウェブとして積層し、目付240g/m’の積層シ
ートとした。
一方、ポリフェニレンスルフィド(PPS) mm(帝
人■製)を実施例1のナイロン66繊維の代わりに用い
て、繊維長gmmのPPS短繊維ランダム配向シート 
(目付64g/m’)を得た。
ついで、ガラス短繊維の積層シートの表裏にPPS短繊
維シートを実施例1の方法により積層して高圧水流処理
を行って交絡一体化された強化用短繊維シートを得た。
得られたシートは柔軟性に富み、また切断しても切断面
からの短繊維の脱落がなく、形態安定性がよく、作業性
に優れていた。
これらのシートをそれぞれ4層積層したのち、150m
mx150mmの金型を用い、370℃×20分X10
0kg/ c++lの加熱加圧により板状成形品を作成
し、曲げ特性を測定した結果を第1表に示す。
(27) (28) 第1表 *1 写真による繊維間角度測定により±20°の範囲
内に入る繊維の比率。
実施例5 特開昭63−191836号公報の実施例1の方法に従
って炭素繊維のスライバーを得た。得られたスライバー
の平均繊維長は82mm (最短16.5n+m、最長
124.6mm)であった。
このスライバー(長さ1000+nn+) 75本を2
00mm巾に引き揃えて積み重ねてシート状とし、つい
でこのシートを表裏に実施例4で得られたPPS短繊維
シートではさみ、実施例1の高圧水流の方法、条件で交
絡させて強化用短繊維シートを得た。このシートの嵩密
度は0.26g/cn(であり、柔軟性に優れていた。
このシートを4層重ねて、370℃×20分x100k
g/ cnfでプレス成形して得られた板の曲げ強度は
114kg/ mm2(炭素繊維の配列方向)であった
〔発明の効果〕
本発明の強化用短繊維シートは、従来の強化用繊維シー
トに比べ、成形品加工に際し、作業性に優れ、しかも同
じ成形条件で、より高強度な板が得られ、より広い用途
に用いることのできる点で優れている。
(29) (30)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.強化用短繊維からなるウェブと単繊維状の熱可塑性
    重合体繊維が交絡一体化していることを特徴とする強化
    短繊維シート。
  2. 2.強化用短繊維からなるウェブが、強化用短繊維を一
    方向に揃えてなるウェブであることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の強化短繊維シート。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007269308A (ja) * 2006-03-07 2007-10-18 Toray Ind Inc 航空機用内装材
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JP2015044318A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 王子ホールディングス株式会社 熱可塑性プリプレグ及び熱可塑性プリプレグの製造方法
JP2016079553A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 王子ホールディングス株式会社 不織布、不織布の製造方法および繊維強化プラスチック成形体
JP2016132842A (ja) * 2015-01-20 2016-07-25 王子ホールディングス株式会社 不織布、不織布の製造方法および繊維強化プラスチック成形体

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