JP6256012B2 - 多層成形品 - Google Patents
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また、従来技術により得られた積層タイプの成形品であっても、その機械的強度は十分ではなく、さらなる改善が求められていた。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]前記第1の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも40質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であることを特徴とする[1]に記載の多層成形品。
[3]前記樹脂層の一方の面上であって、前記第1の繊維強化プラスチック層が積層された面とは反対側の面に積層される第2の繊維強化プラスチック層をさらに有し、前記第2の繊維強化プラスチック層は、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂成分と強化繊維とを含む第2の繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することで得られた層であり、前記第2の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の多層成形品。
[4]前記第2の繊維強化プラスチック層に含まれる熱可塑性樹脂繊維のうち少なくとも40質量%以上が、前記樹脂層のマトリックス樹脂成分と同一の樹脂成分であることを特徴とする[3]に記載の多層成形品。
[5]前記第1の繊維強化プラスチック層は、バインダー成分をさらに含み、前記バインダー成分は、前記第1の繊維強化プラスチック層の全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の多層成形品。
[6]前記第2の繊維強化プラスチック層は、バインダー成分をさらに含み、前記バインダー成分は、前記第2の繊維強化プラスチック層の全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする[3]〜[5]のいずれか1項に記載の多層成形品。
[7]前記熱可塑性樹脂はポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド及びそれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の多層成形品。
[8]前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の多層成形品。
[9](A)強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを混合し、乾式又は湿式抄紙法によって第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程と、(B)前記第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形し、第1の繊維強化プラスチック層を成形する工程と、(C)前記第1の繊維強化プラスチック層と樹脂層を熱プレス法によって貼合する工程を含み、前記第1の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であることを特徴とする多層成形品の製造方法。
[10](D)強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維を混合し、乾式又は湿式抄紙法によって第2の繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程と、(E)前記第2の繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形し、第2の繊維強化プラスチック層を成形する工程とをさらに含み、(F)前記第1の繊維強化プラスチック層と、前記樹脂層と、前記第2の繊維強化プラスチック層をこの順に積層して熱プレス法によって貼合する工程を含み、前記第2の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であることを特徴とする[9]に記載の多層成形品の製造方法。
[11][9]又は[10]に記載の製造方法によって製造される多層成形品。
本発明は、熱可塑性樹脂を含む樹脂層と樹脂層の一方の面上に積層される第1の繊維強化プラスチック層を有する多層成形品に関する。ここで、第1の繊維強化プラスチック層は、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂成分と強化繊維とを含む第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することで得られた層である。また、第1の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上は、樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分である。本発明では、このような層構成を有する多層成形品を得ることにより、樹脂層と第1の繊維強化プラスチック層の密着性を高めることができる。さらに、このような多層成形品は、軽量でありながらも、優れた機械的強度を有する。また、本発明では繊維強化プラスチック層を、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維を含む第1の繊維強化プラスチック成形体用シートから成形しているため、成形加工が容易であり、効率よく多層成形品を成形することができる。
第1の繊維強化プラスチック層の厚みは、0.05〜1.0mmであることが好ましく、0.075〜0.8mmであることがより好ましく、0.1〜0.6mmであることがさらに好ましい。
また、第2の繊維強化プラスチックの厚みは、0.05〜1.0mmであることが好ましく、0.075〜0.8mmであることがより好ましく、0.1〜0.6mmであることがさらに好ましい。樹脂層、第1の繊維強化プラスチック層及び第2の繊維強化プラスチック層の厚みを上記範囲内とすることにより、多層成形品を軽量化しつつも、より効果的に機械的強度を高めることができる。
第1の繊維強化プラスチック層は、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂成分と強化繊維とを含む第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することで得られる。第1の繊維強化プラスチック成形体用シートにおける強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の質量比は、1:0.2〜1:10であることが好ましく、1:0.5〜1:5であることがより好ましく、1:0.7〜1:3であることがさらに好ましい。また、第2の繊維強化プラスチック層は、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂成分と強化繊維とを含む第2の繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することで得られる。第2の繊維強化プラスチック成形体用シートにおける強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の質量比も上記範囲であることが好ましい。
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の質量比を上記範囲内とすることにより、軽量であり、かつ高強度の繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
第1の繊維強化プラスチック成形体用シート及び第2の繊維強化プラスチック成形体用シートに強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を使用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
また、強化繊維として、アラミド繊維等の高耐熱性・高強度の有機繊維を使用した場合は、高度な平滑性の要求される精密な研磨用の機器に適する繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。アラミド等の有機繊維を強化繊維として含有する繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される繊維強化プラスチック層は、一般的に強化繊維として無機繊維を使用した繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される層よりも耐摩耗性に優れる。また擦過等によって繊維強化プラスチック層の一部が削り取られたとしても、その削り粕が無機繊維よりも柔らかいので、被研磨物を傷つけるおそれが少ない。
マトリックス樹脂成分は、熱可塑性樹脂繊維を含む。本明細書中、「熱可塑性樹脂繊維」とは、熱可塑性樹脂のうち繊維状のもののことを言う。マトリックス樹脂成分は、さらに、熱可塑性樹脂繊維以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、粉末やペレット、フレーク状のもの、もしくは繊維状のものを用いることができる。この中でも、ウェブのハンドリング性や歩留まりを向上させる観点、ならびに、溶融した熱可塑性樹脂と強化繊維とを十分に絡ませ、強度と剛性を向上させる観点からは、繊維状のものが好ましい。熱可塑性樹脂繊維は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成する。このようなマトリックス樹脂繊維を用いた不織布状の繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
本発明では、熱可塑性樹脂繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック層を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。また、多層成形品を効率よく生産することができる。
第1の繊維強化プラスチック層及び第2の繊維強化プラスチック層は、バインダー成分をさらに含むことが好ましい。バインダー成分としては、バインダー繊維が好ましい。本明細書中、「バインダー繊維」とは、バインダー成分のうち繊維状のもののことを言う。マトリックス樹脂成分は、さらに、バインダー繊維以外のバインダー成分を含んでいてもよい。バインダー成分としては、粉末やペレット、フレーク状のものも用いることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、上記芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。また、多層成形品の生産効率を高めることができる。
樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む。樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては特に制限はない。樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂の例としては、繊維強化プラスチック層のマトリックス樹脂成分として用いられる熱可塑性樹脂繊維の熱可塑性樹脂の例と同じである。なお、樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、これらの熱可塑性樹脂を単独で用いてもよく、これらの共重合体を用いてもよい。中でも、入手容易性とコストの観点から、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド及びそれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、特に、耐衝撃性の点でポリカーボネートを用いることが好ましい。本発明の樹脂層は、通常のプラスチックの製造に使用される任意の成形法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、真空成形等によって成形される。また、熱可塑性樹脂を繊維化して乾式不織布法又は湿式不織布法でシート化後、熱プレス成形したものでもよい。
本発明の多層成形品の製造工程は、(A)強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを混合し、乾式又は湿式抄紙法によって第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程と、(B)第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形し、第1の繊維強化プラスチック層を成形する工程と、(C)第1の繊維強化プラスチック層と樹脂層を熱プレス法によって貼合する工程を含む。また、第1の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上は、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分である。なお、第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程では、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維に加えてバインダー成分を添加することとしてもよい。熱プレスの条件としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂が僅かに溶解または流動して接着できれば良い。例えばポリカーボネートを熱可塑性樹脂として含む場合は150〜200℃の範囲で軽く熱プレスするのが好ましい。
また、本発明の一実施形態では、例えば、金型に第1の繊維強化プラスチック層をセットし、そこに射出成形機で樹脂層を流し込んで貼合してもよい。また、第1の繊維強化プラスチックにダイコータで樹脂層を塗工して、貼合してもよい。更に、第1の繊維強化プラスチック成形体用シートと樹脂層の成形体用シートとを、多層抄きにして加熱加圧成形してもよい。
なお、本発明では、第1の繊維強化プラスチック層と、樹脂層と、第2の繊維強化プラスチック層をこの順に積層して熱プレス法によって一度に貼合しても良い。これにより、第1の繊維強化プラスチック層と、樹脂層と、第2の繊維強化プラスチック層を貼合したものの反りを抑えることができる。なお、金型に第1の繊維強化プラスチック層と第2の繊維強化プラスチック層をそれぞれセットし、そこに射出成形機で樹脂層を流し込んで貼合してもよい。また、第1の繊維強化プラスチックにダイコータで樹脂層を塗工した後に、第2の繊維強化プラスチックを貼合してもよい。更に、第1の繊維強化プラスチック成形体用シートと樹脂層の成形体用シートと第2の繊維強化プラスチック成形体用シートとを、多層抄きにして加熱加圧成形してもよい。
ポリカーボネート繊維(繊維径25μm、繊維長15mm)及び、ガラス繊維(繊維径9μm、繊維長18mm)を、質量比がガラス繊維100質量部に対して、ポリカーボネート繊維100質量部となるように計量し、水中に投入した。尚、投入した水の量は、上記繊維の合計質量に対し200倍となるようにした(すなわち繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を上記の繊維合計100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
実施例1のガラス繊維の代わりに、PAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を用いた以外は実施例1と同様にして多層成形品を得た。
ポリカーボネート繊維(繊維径25μm、繊維長15mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI繊維25質量部、ポリカーボネート繊維75質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例2と同様にして多層成形品を得た。
ポリカーボネート繊維(繊維径25μm、繊維長15mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、繊維径15μm)及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維50質量部、ポリカーボネート繊維50質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例2と同様にして多層成形品を得た。
ポリカーボネート繊維(繊維径25μm、繊維長15mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維80質量部、ポリカーボネート繊維20質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例2と同様にして多層成形品を得た。
実施例4の炭素繊維の代わりに、ガラス繊維(繊維径9μm、繊維長18mm)を用いた以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
ポリアミド(ナイロン6)繊維(東洋紡社製、繊維径16μm、繊維長12mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)、及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維50質量部、ポリアミド(ナイロン6)繊維50質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例4と同様にして厚さ0.3mmの第1の繊維強化プラスチック層と、第2の繊維強化プラスチック層を得た。
更に、樹脂層として、ポリカーボネート樹脂板の代わりに厚さ0.4mmのポリアミド(ナイロン6)樹脂板を用いた以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
ポリプロピレン繊維(繊維径15μm、繊維長15mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)、及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維50質量部、ポリプロピレン繊維50質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例4と同様にして厚さ0.3mmの第1の繊維強化プラスチック層と、第2の繊維強化プラスチック層を得た。
更に、樹脂層として、ポリカーボネート板の代わりに厚さ0.4mmのポリプロピレン板を用いた以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
ポリカーボネート繊維(繊維径25μm、繊維長15mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)、及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維50質量部、ポリカーボネート繊維50質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例4と同様にして厚さ0.3mmの第1の繊維強化プラスチック層と、第2の繊維強化プラスチック層を得た。
更に、樹脂層として、ポリカーボネート板の代わりに厚さ0.4mmのPEI板を用いた以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
実施例4の繊維強化プラスチック層の製造において、繊維強化プラスチック成形体用シートを、2枚積層し、280℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、230℃に冷却して、厚さ0.15mmの第1の繊維強化プラスチック層を得た。以上の操作を更に1回実施して第2の繊維強化プラスチック層を得た。更に、得られた第1の繊維強化プラスチック層と第2の繊維強化プラスチック層を厚さ0.7mmのポリカーボネート板の両面に1枚ずつ積層し、165℃の熱プレスで貼り合わせして多層成形品を得た。
実施例4の繊維強化プラスチック層の製造において、繊維強化プラスチック成形体用シート1枚を、280℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、230℃に冷却して、厚さ0.075mmの第1の繊維強化プラスチック層を得た。以上の操作を更に1回実施して第2の繊維強化プラスチック層を得た。更に、得られた第1の繊維強化プラスチック層と第2の繊維強化プラスチック層を厚さ0.85mmのポリカーボネート板の両面に1枚ずつ積層し、165℃の熱プレスで貼り合わせして多層成形品を得た。
第1の繊維強化プラスチック層として、実施例4で作製した繊維強化プラスチック層、第2の繊維強化プラスチック層として、実施例6で作製した繊維強化プラスチック層を用いた以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
第1の繊維強化プラスチック層として、実施例4で作製した繊維強化プラスチック層、第2の繊維強化プラスチック層として、実施例2で作製した繊維強化プラスチック層を用いた以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
実施例4で芯鞘バインダースラリーを添加しなかった以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
実施例10において、樹脂層として厚さ0.85mmのポリカーボネート板を用い、かつ、第2の繊維強化プラスチック層を積層しなかった以外は、実施例10と同様にして多層(2層)成形品を得た。
PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維100質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例14と同様にして多層成形品を得た。
ポリカーボネート繊維(繊維径25μm、繊維長15mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)及びPAN系炭素繊維(繊維径7μm、繊維長13mm)を、質量比がPAN系炭素繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維90質量部、ポリカーボネート繊維10質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た。
ポリカーボネート繊維(繊維径25μm、繊維長15mm)、PEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維径15μm、繊維長13mm)及びガラス繊維(繊維径9μm、繊維長18mm)を、質量比がガラス繊維100質量部に対して、PEI樹脂繊維90質量部、ポリカーボネート繊維10質量部となるように計量し、水中に投入した以外は実施例4と同様にして多層成形品を得た、
(成形品密着性)
成形後の多層成形品について、23℃相対湿度50%の雰囲気下で24時間放置した後、剥離状況を目視で以下のとおり評価した。
A:剥離が全く見られない。
B:剥離が僅かに観察されるが実用上問題ない。
C:大部分が剥離しており、実用上問題である。
D:完全に剥離しており、実用上使用できない。
得られた多層成形品の強度は、JIS K 7074に規定される曲げ試験方法で測定し、以下のようにA〜Dに分類して評価した。
A:実施例1の値の120%以上のもの
B:実施例1の値の120〜80%のもの
C:実施例1の値の50〜80%のもの
D:実施例1の値の50%以下であり実用上使用できない。
なお、実施例1で得られた多層成形品の曲げ強度は、150MPaであった。
一方、比較例1では、曲げ強度が大きく劣っており、層間の密着性も劣っている。また、比較例2及び3で、繊維強化プラスチック層に含まれる樹脂成分のうち、樹脂層と同一の樹脂成分の割合が低く、曲げ強度が大きく劣っており、層間の密着性も低下していることがわかる。
12 第1の繊維強化プラスチック層
14 第2の繊維強化プラスチック層
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂を含む樹脂層と、
前記樹脂層の一方の面上に積層される第1の繊維強化プラスチック層を有する多層成形品であって、
前記第1の繊維強化プラスチック層は、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂成分と強化繊維とを含む第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することで得られた層であり、
前記第1の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であり、
前記第1の繊維強化プラスチック層の厚みが、前記樹脂層の厚みよりも薄いことを特徴とする多層成形品。 - 前記第1の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも40質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であることを特徴とする請求項1に記載の多層成形品。
- 前記樹脂層の一方の面上であって、前記第1の繊維強化プラスチック層が積層された面とは反対側の面に積層される第2の繊維強化プラスチック層をさらに有し、
前記第2の繊維強化プラスチック層は、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂成分と強化繊維とを含む第2の繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することで得られた層であり、
前記第2の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層成形品。 - 前記第2の繊維強化プラスチック層に含まれる熱可塑性樹脂繊維のうち少なくとも40質量%以上が、前記樹脂層のマトリックス樹脂成分と同一の樹脂成分であることを特徴とする請求項3に記載の多層成形品。
- 前記熱可塑性樹脂はポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド及びそれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層成形品。
- 前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層成形品。
- (A)強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを混合し、乾式又は湿式抄紙法によって第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程と、
(B)前記第1の繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形し、第1の繊維強化プラスチック層を成形する工程と、
(C)前記第1の繊維強化プラスチック層と樹脂層を熱プレス法によって貼合する工程を含み、
前記第1の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であり、
前記第1の繊維強化プラスチック層の厚みが、前記樹脂層の厚みよりも薄いことを特徴とする多層成形品の製造方法。 - (D)強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維を混合し、乾式又は湿式抄紙法によって第2の繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程と、
(E)前記第2の繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形し、第2の繊維強化プラスチック層を成形する工程とをさらに含み、
(F)前記第1の繊維強化プラスチック層と、前記樹脂層と、前記第2の繊維強化プラスチック層をこの順に積層して熱プレス法によって貼合する工程を含み、
前記第2の繊維強化プラスチック層に含まれるマトリックス樹脂成分のうち少なくとも15質量%以上が、前記樹脂層の熱可塑性樹脂と同一の樹脂成分であることを特徴とする請求項7に記載の多層成形品の製造方法。 - 請求項7又は8に記載の製造方法によって製造される多層成形品。
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