JP6977942B2 - Cfrtp積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂)を用いたCFRTP積層体の技術に関する。
近年、炭素繊維で強化した熱可塑性樹脂であるCFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics)が、注目されている。
その理由は、CFRTPは、炭素繊維で強化した熱硬化性CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)と比較して、靭性、成形性、リサイクル性、及び補修性などの点で優れているからである。
このようなCFRTPは、例えば航空分野及び自動車分野等の他、種々の産業への利用が期待されている。
しかし、CFRTPの成形用の基材(プリプレグ)は、マトリクス樹脂の炭素繊維束への含浸性の低さに起因する多数の空隙(ボイド)が存在し、この空隙によって機械的特性(強度、弾性率等)、気密性、遮光性に問題がある。
その一方で、CFRTPは一般の熱可塑性樹脂と比較して弾性率が大きいため、制振材料としても期待されているが、CFRTPのマトリクス樹脂への制振用フィラーの混合は樹脂の流動性を低下させるため好ましくないという問題がある。
特開2019−172798号公報
本発明は、このような従来の技術の課題を考慮してなされたもので、その目的とするところは、機械的特性、気密性、遮光性に優れたCFRTP積層体の技術を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、CFRTPの優れた力学特性を損なうことなく卓越した制振性を与えることができるCFRTP積層体の技術を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明は、熱可塑性樹脂をマトリックスとするCFRTPからなる本体樹脂基材と、前記本体樹脂基材に融着している融着樹脂層とを備え、前記融着樹脂層が、融着している前記本体樹脂基材の熱可塑性樹脂の融点以下の熱可塑性樹脂を有し、前記本体樹脂基材に形成されている空隙の開口部が前記融着樹脂層の熱可塑性樹脂によって塞がれているCFRTP積層体である。
本発明では、前記本体樹脂基材を複数有し、対となる当該本体樹脂基材の間に前記融着樹脂層が配置されている場合にも効果的である。
本発明では、前記対となる本体樹脂基材を複数有する場合にも効果的である。
本発明では、前記本体樹脂基材の熱可塑性樹脂が、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルファイド、熱可塑性ポリウレタン、ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂からなる場合にも効果的である。
本発明では、前記融着樹脂層の熱可塑性樹脂が、ポリ乳酸、ポリウレタン、アクリル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−メタアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン−ビニルポリジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン及び塩素化ポリブチレンからなる群から選択される少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂からなる場合にも効果的である。
本発明では、前記融着樹脂層が、マトリックスとなる熱可塑性樹脂中に、針状の二酸化チタン粒子と、セルロースからなる圧電性繊維とが混合された複合材料からなる場合にも効果的である。
一方、本発明は、CFRTPからなる本体樹脂基材と、融点が前記本体樹脂基材以下の熱可塑性樹脂を有する融着樹脂基材を用意し、前記本体樹脂基材と前記融着樹脂基材とを重ね、前記融着樹脂基材の熱可塑性樹脂の融点以上の温度で熱プレスすることにより、前記本体樹脂基材に前記融着樹脂基材を融着させる工程を有するCFRTP積層体の製造方法である。
本発明にあっては、融着樹脂層が本体樹脂基材に融着しており、本体樹脂基材に形成されている空隙の開口部が融着樹脂層の熱可塑性樹脂によって塞がれていることから、気密性、遮光性を向上させることができる一方で、本発明のCFRTP積層体はCFRTP基材と遜色のない力学特性を有している。
また、融着樹脂層の熱可塑性樹脂は、その融点が本体樹脂基材の熱可塑性樹脂の融点以下であることから、低温でCFRTP積層体を製造することができる。
本発明において、融着樹脂層が、マトリックスとなる熱可塑性樹脂中に、針状の二酸化チタン粒子と、セルロースからなる圧電性繊維とが混合された複合材料からなるように構成すれば、制振性を有するCFRTP積層体を提供することができる。
特に、制振性を有する融着樹脂基材をCFRTP基材に積層させた本発明のCFRTP積層体の力学特性(引張強度、引張弾性率)は、CFRTP基材の力学特性と同じ桁数(オーダー)の値を示し、これを大きく損なわないことが本発明者によって確認されており、とりわけ本発明のCFRTP積層体の引張強度、引張弾性率は、融着樹脂基材と比較してそれぞれほぼ一桁及び二桁以上程度の値になることが本発明者によって確認されている。
したがって、制振性を有する融着樹脂基材をCFRTP基材に積層させた本発明によれば、CFRTP基材の優れた力学特性を損なうことなく卓越した制振性を与えることができる。
本発明のCFRTP積層体の基本となる実施の形態の概略構成を示す断面図 (a)〜(c):本発明に係るCFRTP積層体の製造方法の一例を示す断面工程図 本発明に係るCFRTP積層体の他の実施の形態の概略構成を示す断面図 本発明に係るCFRTP積層体の他の実施の形態の概略構成を示す断面図 本発明に用いる制振性の融着樹脂基材の他の実施の形態を示す断面模式図 本発明に用いる制振性の融着樹脂基材に振動が加わった場合の電荷の発生状態を示す断面模式図 (a)〜(c):同融着樹脂基材の制振原理を示す模式図 本発明の実施例1〜4及び比較例1の周波数と損失係数との関係を示すグラフ 本発明の実施例5〜8及び比較例2の周波数と損失係数との関係を示すグラフ 本発明の実施例2〜4の応力とひずみとの関係を示すグラフ 本発明の実施例6〜8の応力とひずみとの関係を示すグラフ
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明のCFRTP積層体1は、例えば図1〜図4に示すように、本体樹脂基材2と、この本体樹脂基材2に融着している融着樹脂層3とを有している。
図1は、本発明のCFRTP積層体の基本となる実施の形態の概略構成を示す断面図である。
本体樹脂基材2は、熱可塑性樹脂をマトリックスとするCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂)からなるもので、マトリックス樹脂4中に複数の炭素繊維5が設けられている。
本体樹脂基材2としては、例えば、シート状、フィルム状、ブロック状など種々の形状のものを用いることができる。
本実施の形態のCFRTP積層体1は、シート状の本体樹脂基材2の一方の面に融着樹脂層3が融着しているものである。
一方、炭素繊維5としては、特に限定されず、種々のものを用いることができる。
本体樹脂基材2のマトリックス樹脂4は、例えば融点が220℃以上280℃以下の熱可塑性樹脂からなる。
このような熱可塑性樹脂としては、ナイロン6(融点:225℃)、ナイロン66(融点:268℃)、ポリフェニレンスルファイド(PPS 融点:280℃)、熱可塑性ポリウレタン(TPU 融点:220℃)、ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂があげられる。
ここで、本体樹脂基材2には、例えば隣接する炭素繊維5の間に空隙(ボイド)6が点在して形成されているが、本実施の形態では、後述するように各空隙6の一方の開口部が融着樹脂層3の隆起部(融着樹脂層3が隆起して空隙6内に入り込んだ部分)3bによって塞がれている。
一方、融着樹脂層3は、その融点が、融着している本体樹脂基材2の融点以下の熱可塑性樹脂からなるものである。この融着樹脂層3は、後述するように、種々のフィラーを含有させることもできる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリウレタン、アクリル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−メタアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン−ビニルポリジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリブチレン等があげられる。
これらのうちでも、極性樹脂との相溶性が高いことを考慮すると、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(混練物)を用いることが好ましい。
融着樹脂層3の厚さは、特に限定されることはないが、本体樹脂基材2に全面的に融着して空隙6の開口部を確実に塞ぐ観点からは、0.1〜1mmの厚さとなるようにすることが好ましい。
なお、融着樹脂層3に後述する制振用の材料が混合される場合は、融着樹脂層3の厚さが厚い方が制振能力が向上することを本発明者が確認している。
図2(a)〜(c)は、本発明に係るCFRTP積層体の製造方法の一例を示す断面工程図である。
図2(a)に示すように、本例では、まず、本体樹脂基材2と融着樹脂基材3aを用意する。
本例の融着樹脂基材3aは、上記CFRTP積層体1の融着樹脂層3を構成するものである。
ここで、本体樹脂基材2には、上述したように例えば隣接する炭素繊維5の間に空隙(ボイド)6が点在して形成されている。
そして、図2(b)に示すように、一つの本体樹脂基材2と、一つの融着樹脂基材3aとを重ねて熱プレスを行う。
熱プレスの条件は、温度は融着樹脂基材3aの熱可塑性樹脂の融点以上の温度で、圧力は10〜100N/mm2、時間は10〜300秒で行うことが好ましい。
そして、この熱プレス工程により、融着樹脂基材3aの熱可塑性樹脂が溶融し、図2(c)に示すように、本体樹脂基材2の一方側の面に融着樹脂基材3aが密着した状態で融着する。
なお、融着樹脂基材3aを複数用いた場合には、融着樹脂基材3a同士が融着し、一体的な融着樹脂層3が形成される。
熱プレス工程においては、融着樹脂基材3aの溶融した熱可塑性樹脂が本体樹脂基材2の空隙6内に入り込み、その後の冷却工程によって硬化することにより、いわゆるアンカー効果によって融着樹脂基材3aが本体樹脂基材2に強固に接着される。
また、融着樹脂基材3aの熱可塑性樹脂が本体樹脂基材2の空隙6内に入り込むことによって形成された隆起部3bによって、各空隙6の一方の(融着樹脂基材3a側の)開口部が塞がれる。
以上の工程により、本体樹脂基材2と、本体樹脂基材2に融着している融着樹脂層3とを有するCFRTP積層体1が得られる。
図3は、本発明に係るCFRTP積層体の他の実施の形態の概略構成を示す断面図である。以下、上記実施の形態と対応する部分には同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図3に示すように、本実施の形態のCFRTP積層体1Aは、対となる二つの本体樹脂基材2A、2Bを有し、これら本体樹脂基材2A、2Bの間に一つの融着樹脂層3が配置されているものである。
本実施の形態では、融着樹脂層3の両側の面が、それぞれ本体樹脂基材2A、2Bの一方の面に融着している。
そして、本実施の形態では、本体樹脂基材2A、2Bの空隙6の両方の開口部が、融着樹脂層3の隆起部3bによってそれぞれ塞がれている。
本実施の形態のCFRTP積層体1Aは、一対の本体樹脂基材2A、2Bの間に一つの融着樹脂基材3a(図2(a)参照)を挟んで重ね、熱プレスを行うことによって得られる。
図4は、本発明に係るCFRTP積層体の他の実施の形態の概略構成を示す断面図である。以下、上記実施の形態と対応する部分には同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、本実施の形態のCFRTP積層体1Bは、三つの本体樹脂基材2C、2D、2Eを有し、対となる本体樹脂基材2C、2Dの間に融着樹脂層3Aが配置されるとともに、本体樹脂基材2D、2Eの間に融着樹脂層3Bが配置されている。
そして、本体樹脂基材2Cの空隙6の一方の開口部が、融着樹脂層3Aの隆起部3bによってそれぞれ塞がれるとともに、本体樹脂基材2Dの空隙6の両方の開口部が、融着樹脂層3Aの隆起部3bと融着樹脂層3Bの隆起部3bによってそれぞれ塞がれ、さらに、本体樹脂基材2Eの空隙6の一方の開口部が、融着樹脂層3Bの隆起部3bによってそれぞれ塞がれている。
本実施の形態のCFRTP積層体1Bは、それぞれ対となる本体樹脂基材2C、2Dと2D、2Eの間にそれぞれ一つ以上の融着樹脂基材3a(図2(a)参照)を挟んで重ね、熱プレスを行うことによって得られる。
図5は、本発明に用いる融着樹脂基材の他の実施の形態を示す断面模式図である。
本実施の形態の融着樹脂基材10は、マトリックスとなる熱可塑性樹脂12中に、針状の二酸化チタン粒子13と、セルロースからなる圧電性繊維14とが混合されているものであり、好ましくは、さらに、無機材料からなる扁平状のフィラー15と、導電性微粒子16とが混合されているものである。
そして、この融着樹脂基材10は、後述するように制振性を有するものである。
以下、各構成材料について詳細に説明する。
<マトリックスとなる熱可塑性樹脂12>
本実施の形態におけるマトリックスとなる熱可塑性樹脂12は、上述した融着樹脂層3用の熱可塑性樹脂を用いることができる。
<針状の二酸化チタン粒子13>
本実施の形態に用いる針状の二酸化チタン粒子(以下、適宜「二酸化チタン粒子」という。)13としては、結晶形態がルチル型のものを好適に用いることができる。
本明細書において、「針状」とは、長軸の長さが、短軸の径より大きい形状を意味するものとし、紡錘状、棒状と同じ意味である。
ここで、二酸化チタン粒子13としては、アスペクト比、すなわち、長軸の長さと短軸の径の比を、10〜30とすることが好ましい。
二酸化チタン粒子13のアスペクト比は、発生する電気エネルギーを大きくする観点及び低周波領域においてより効果的な制振作用を発揮させる観点からは、できるだけ大きい(細長い)ことが好ましい。
ただし、アスペクト比が30を超えるものを製造することは実際上困難である。
他方、二酸化チタン粒子13のアスペクト比が10未満の場合には、十分な電気エネルギーを発生させることができない。
この二酸化チタン粒子13は、詳細は明らかではないが、例えば、粒子製造時の圧力や、高分子材料中に混合(混練)する際の圧力に起因する応力によって、分子配列が一方向に向くいわゆるモノドメイン構造となっていると考えられる。
そして、このような二酸化チタン粒子13は、圧電効果を発現し、しかも発生した電気エネルギーが粒子の長手方向に沿って流れやすい分子の配列構造となっていると考えられる。
本発明においては、上述した二酸化チタン粒子13の二酸化チタンを核体としてその表面に導電体層を設けることもできる。
二酸化チタン粒子13の二酸化チタンの表面に導電体層を設けることにより、二酸化チタン粒子13の表面に流れる電流の大きさを大きくすることができるので、より少ない量の二酸化チタン粒子13によって効果的な制振を行うことができる。
本発明の場合、導電体層の材料としては特に限定されることはないが、製造のしやすさ及びより少ない量で導電性を向上させる観点からは、アンチモン(Sb)をドープした二酸化スズ(SnO2)を好適に用いることができる。
この場合、導電体層の厚さは、プリントによる場合には、1〜20μmに設定することが好ましい。
他方、導電体層の厚さは、蒸着による場合には、0.1〜100μmまで設定することができる。
一方、本発明の二酸化チタン粒子13の抵抗率(導電体層を形成したものも含む)は、2〜80Ω・cmのものが好ましく、より好ましくは10〜60Ω・cmである。
融着樹脂基材10における二酸化チタン粒子13の配合量は、特に限定されることはないが、3重量%〜7重量%に設定することが好ましい。
二酸化チタン粒子13の配合量が3重量%未満であると、十分な制振効果を奏することができず、他方、7重量%を超えると、成形後に脆くなるため好ましくない。
<セルロースからなる圧電性繊維14>
本実施の形態に用いる圧電性繊維14はセルロースからなるものである。
この圧電性繊維14は、アスペクト比の大きいもの(セルロースファイバー)の他、アスペクト比の小さい粉末状のセルロース(セルロースパウダー)を用いることもできる。
木材であるセルロースは、圧電性を有することが知られており、本発明に用いるセルロースファイバー(パウダー)も、圧電性を有している。
圧電性繊維14のアスペクト比、すなわち、長軸の長さと短軸の径の比については、電気双極子に基づき発生する電気エネルギーを大きくする観点からは、できるだけ大きい(細長い)ファイバー状のものを用いることが好ましい。
ただし、アスペクト比が10を超えるものを製造することは実際上困難であることを考慮すると、圧電性繊維14としては、アスペクト比が2〜10のものを用いることが好ましい。
融着樹脂基材10におけるセルロースからなる圧電性繊維14の配合量は、特に限定されることはないが、4重量%〜10重量%に設定することが好ましく、より好ましくは8重量%〜10重量%である。
セルロースからなる圧電性繊維14の配合量が4重量%未満であると、十分な制振効果を奏することができず、他方、10重量%を超えると、均一に分散させることが困難であるため好ましくない。
本発明では、無機材料からなる扁平状のフィラー15と、導電性微粒子16は、必要に応じて配合させることができるものである。
<無機材料からなる扁平状のフィラー15>
本発明に用いる無機材料からなる扁平状のフィラー15は、制振能力をより向上させるとともに、複合材料全体として所望の機械的特性(弾性率等)を得るためのものである。
このような扁平状のフィラー15としては、例えば層状のマイカ(雲母)からなるものを好適に用いることができる。
無機材料からなるフィラー15の配合量は、特に限定されることはないが、上述した目的を考慮すると、10重量%〜30重量%に設定することが好ましい。
<導電性微粒子16>
本発明に用いる導電性微粒子16は、複合材料全体としての導伝率を向上・調整するためのものである。
このような導電性微粒子16としては、例えばカーボンブラックからなるものを好適に用いることができる。
なお、導電性微粒子16としては、予め熱可塑性樹脂12に添加されているものを使用することができる。
融着樹脂基材10における導電性微粒子16の配合量は、特に限定されることはないが、上述した目的を考慮すると、5重量%〜20重量%に設定することが好ましい。
本発明に用いる融着樹脂基材10を得るには通常の方法を用いればよい。
すなわち、マトリックス用の熱可塑性樹脂12に、上述した二酸化チタン粒子13、セルロースからなる圧電性繊維14、必要に応じて無機材料からなる扁平状のフィラー15、導電性微粒子16を所定量加えて所定温度で混練し、例えば熱ロールプレス成形後、所定の大きさに切断すればよい。
図6は、本発明に用いる制振性の融着樹脂基材に振動が加わった場合の電荷の発生状態を示す断面模式図であり、図7(a)〜(c)は、同融着樹脂基材の制振原理を示す模式図である。
本発明に用いる融着樹脂基材10に周期的な振動が加わると、その振動エネルギーにより、熱可塑性樹脂12中の無機材料からなる扁平状のフィラー15において層間のずれが生じ、この機械的作用により熱が発生して振動を吸収する。
さらに、本発明においては、図6に示すように、熱可塑性樹脂12中の圧電性繊維14に、その圧電効果によって、両端部間に周期的に電位差が生ずる(電気双極子14a、14b)。
この場合、圧電性繊維14のアスペクト比が大きくなるに従い、圧電性繊維14に発生する電気双極子14a、14bが増加するようになる。
そして、多数の圧電性繊維14に発生した電気双極子14a、14bに起因する交流電流が複合材料(コンパウンド)内の導電路を介して流れ、この交流電流による電気エネルギーがジュール熱として消費され、融着樹脂基材10における振動エネルギーが減衰する。
一方、二酸化チタン粒子13にも、その圧電効果によって、両端部間に周期的に電位差が生ずる(電気双極子13a、13b)。
加えて、本発明においては、図7(a)に示すように、二酸化チタン粒子13の近傍に、上記圧電性繊維14において発生した電気双極子14a、14bが存在することになるため、図7(b)に示すように、二酸化チタン粒子13が、電気双極子14a、14bによって生じた電界F内に配置される。
これにより、図7(c)に示すように、二酸化チタン粒子13と熱可塑性樹脂12との界面に、界面分極に起因する電気双極子13c、13dが発生する。
そして、二酸化チタン粒子13に発生した電気双極子13a及び13dと電気双極子13b及び13cによって、二酸化チタン粒子13の表面に電気的回路が形成され、二酸化チタン粒子13の表面に交流電流が流れる。
その結果、この二酸化チタン粒子13の表面の交流電流による電気エネルギーがジュール熱として消費され、融着樹脂基材10における振動エネルギーが減衰する。
一般に、圧電効果を有する粒子を混合した圧電複合材料の抵抗をR、圧電粒子の容量をC、減衰させたい振動の振動数をωとすると、インピーダンスの整合条件として、R=1/ωCの条件が成立するときに、最も迅速に振動が減衰することが知られている。
したがって、本発明において、融着樹脂基材10の固有振動数に対応する適切な導電率を設定することによって所望の制振効果を得ることができる。
本発明に用いる融着樹脂基材10にあっては、加振時に、二酸化チタン粒子13において、その圧電効果による電気双極子13a、13bが発生し、さらに圧電性繊維14において発生した電気双極子14a、14bに起因する電気双極子13c、13dが発生することから、導電性の二酸化チタン粒子13の表面にこれら双方の電気双極子13a〜13dに起因して大きな電流が流れ、この電気エネルギーがジュール熱として多量に消費されて振動が吸収される。
このように、本発明の融着樹脂基材10によれば、セルロースからなる圧電性繊維14及び二酸化チタン粒子13の電気双極子13a〜13dの相乗効果による振動エネルギーの減衰によって、より効果的な制振作用を発揮させることができる。
しかも、針状になることで界面分極による電気双極子は低周波(500Hz未満)で生ずることから(例えば、特開平10−312191号公報参照)、本発明によれば、低周波で振動する機器等に対しても最適の条件で制振を行うことができる。
さらに、無機材料からなる扁平状のフィラー15を混合することによって、この無機材料からなる扁平状のフィラー15の機械的作用による振動エネルギーの減衰と、上記圧電性繊維14及び二酸化チタン粒子13の電気双極子13a〜13dの相乗効果による振動エネルギーの減衰とによって、より効果的な制振作用を発揮させることができ、また、導電性微粒子16を混合することにより、複合材料全体としての導伝率を向上・調整することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
以下の各材料を用い、実施例1のCFRTP積層体の試料を作成した。
[本体樹脂基材]
本体樹脂基材の試料として、マトリックスの熱可塑性樹脂が熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなり、厚さ0.25mmの平板状のCFRTP基材(融点220℃ BOND LAMINATES社製 TEPEX dynalite208)を用いた。
このCFRTP基材を大きさ10mm×200mmに切断して本体樹脂基材の試料を得た。
[融着樹脂基材]
熱可塑性樹脂であるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体の混練物(軟化点160〜230℃ クラレ社製)をマトリックスとする融着樹脂基材を作成した。
このマトリックスには、カーボンブラックからなる導電性粒子が添加されている。
針状の二酸化チタン粒子として、導電体層を有する針状の二酸化チタン微細粒子(石原産業社製 FT−4000、長軸長さ:10μm、短軸径:0.5μm、アスペクト比:20)を用いた。
セルロースからなる圧電性繊維として、アスペクト比が2〜10のセルロースファイバー(日本製紙社製)を用いた。
扁平状のフィラーとして、層状のマイカ(商品名BHTマイカ 200C 西日本貿易社製)を用いた。
この層状のマイカは、制振付与用の有機複合材料に加工助剤とともに一定の配合比で含まれている。
熱可塑性樹脂35重量%(うち導電性微粒子2重量%)に、制振付与用の有機複合材料35重量%と、層状のマイカ13重量%と、針状の二酸化チタン微細粒子5重量%と、セルロースファイバー8重量%と、添加剤4重量%とを加えて温度160℃で混練し、熱ロールプレス成形後、厚さ0.1mmでテストピースに合わせた大きさに切断して融着樹脂基材を得た。
そして、この融着樹脂基材を大きさ10mm×200mmに切断して融着樹脂基材の試料を得た。
[CFRTP積層体の作成]
対となる二つの本体樹脂基材の試料の間に一つの融着樹脂基材の試料を挟んで重ね、温度240℃、圧力20N/mm2、時間60秒で熱プレスを行い、厚さ0.75mmのCFRTP積層体の試料を得た(図3参照)。
<実施例2>
対となる二つの本体樹脂基材の試料の間に厚さ0.3mmの融着樹脂基材の試料を挟んで重ねて熱プレスを行った以外は実施例1と同一の条件でCFRTP積層体の試料を作成した。
なお、この実施例2のCFRTP積層体の試料の厚さは0.95mmであった。
<実施例3>
三つの本体樹脂基材の試料を用い、対となる二つの本体樹脂基材の試料の間にそれぞれ厚さ0.1mmの融着樹脂基材の試料を挟んで重ねて熱プレスを行った以外は実施例1と同一の条件でCFRTP積層体の試料を作成した(図4参照)。
なお、この実施例3のCFRTP積層体の試料の厚さは1.13mmであった。
<実施例4>
三つの本体樹脂基材の試料を用い、対となる二つの本体樹脂基材の試料の間にそれぞれ厚さ0.3mmの融着樹脂基材の試料を挟んで重ねて熱プレスを行った以外は実施例3と同一の条件でCFRTP積層体の試料を作成した。
なお、この実施例4のCFRTP積層体の試料の厚さは1.61mmであった。
<比較例1>
実施例1〜4で使用したTPU系CFRTP基材の試料を二つ重ね、温度240℃、圧力20N/mm2、時間60秒で熱プレスを行い、CFRTP積層体の試料を得た。
なお、この比較例1のCFRTP積層体の試料の厚さは0.50mmであった。
<実施例5>
本体樹脂基材の試料として、マトリックスの熱可塑性樹脂がナイロン66からなり、厚さ0.25mmの平板状のCFRTP基材(BOND LAMINATES社製 TEPEX dynalite201)を用いた。
そして、対となる二つの本体樹脂基材の試料の間に実施例1で使用した厚さ0.1mmの融着樹脂基材の試料を挟んで重ね、温度240℃、圧力20N/mm2、時間60秒で熱プレスを行い、厚さ0.72mmのCFRTP積層体の試料を得た(図3参照)。
<実施例6>
対となる二つの本体樹脂基材の試料の間に厚さ0.3mmの融着樹脂基材の試料を挟んで重ねて熱プレスを行った以外は実施例5と同一の条件でCFRTP積層体の試料を作成した。
なお、この実施例6のCFRTP積層体の試料の厚さは0.89mmであった。
<実施例7>
三つの本体樹脂基材の試料を用い、対となる二つの本体樹脂基材の試料の間にそれぞれ厚さ0.1mmの本体樹脂基材の試料を挟んで重ねて熱プレスを行った以外は実施例5と同一の条件でCFRTP積層体の試料を作成した(図4参照)。
なお、この実施例3のCFRTP積層体の試料の厚さは1.02mmであった。
<実施例8>
三つの本体樹脂基材の試料を用い、対となる二つの本体樹脂基材の試料の間にそれぞれ厚さ0.3mmの融着樹脂基材の試料を挟んで重ねて熱プレスを行った以外は実施例7と同一の条件でCFRTP積層体の試料を作成した。
なお、この実施例8のCFRTP積層体の試料の厚さは1.40mmであった。
<比較例2>
実施例5〜8で使用したナイロン66系CFRTP基材を二つ重ね、温度240℃、圧力20N/mm2、時間60秒で熱プレスを行い、CFRTP積層体の試料を得た。
なお、この比較例2のCFRTP積層体の試料の厚さは0.59mmであった。
<評価>
(1)実施例1〜8及び比較例1〜2の試料について、それぞれの表面を目視で観察して空隙の有無を確認した。
(2)実施例1〜8及び比較例1〜2の試料について、中央加振法(10×200×0.8mm 12.35g鋼板)によって損失係数(η)の周波数依存性を測定した。
測定系としては、発振器はType 2825、増幅器はType 2718、加振器はType 4809、加速度センサはType 8001で構成されるシステムを用い(いずれもB&K社製)、各機器の制御はパーソナルコンピュータを用いた。
この場合、共振周波数は、第1次〜第6次まで測定した。この損失係数(η)の測定結果を図8及び図9に示す。
<評価結果>
(1)実施例1〜8の試料は、その表面に空隙が殆ど見られなかったのに対し、比較例1〜2の試料は、その表面にかなりの空隙が見られた。
(2)CFRTPのマトリックスにTPUを用いた実施例1〜4のCFRTP積層体は、約70Hz〜約6000Hzの広い周波数領域において、比較例1のCFRTP積層体に比べて高い損失係数が得られた(図8参照)。
特に実施例3のCFRTP積層体(TPU/P1/TPU/P1/TPU)では、約80Hzの周波数で2倍近くの損失係数が得られた(P1は厚さ0.1mmの融着樹脂基材の意味、以下同)。
また、厚さ0.3mmの融着樹脂基材を用いた実施例2のCFRTP積層体(TPU/P3/TPU)では、約1200Hzの周波数で約4倍、約6000Hzの周波数で約6倍の損失係数が得られた(P3は厚さ0.3mmの融着樹脂基材の意味、以下同)。
さらに、実施例4のCFRTP積層体(TPU/P3/TPU/P3/TPU)では、約4000Hzの周波数で約5.5倍の損失係数が得られた。
一方、CFRTPのマトリックスにナイロン66を用いた実施例5〜実施例8のCFRTP積層体は、約70Hz〜約6000Hzの広い周波数領域において、比較例2のCFRTP積層体に比べて高い損失係数が得られた(図9参照)。
特に実施例5のCFRTP積層体(Nylon66/P1/Nylon66)では、約70Hzの周波数で3倍近くの損失係数が得られた。
また、厚さ0.3mmの融着樹脂基材を用いた実施例6のCFRTP積層体(Nylon66/P3/Nylon66)では、約500Hzの周波数で約6倍、約1200Hzの周波数で8倍近く、約6000Hzの周波数で5倍以上の損失係数が得られた。
さらに、実施例8のCFRTP積層体(Nylon66/P3/Nylon66/P3/Nylon66)では、約4000Hzの周波数で3倍以上の損失係数が得られた。
(3)応力−ひずみ曲線
実施例2〜4及び実施例6〜8で得られた試料について、引張試験装置(島津製作所製 万能材料試験機 島津オートグラフ DCS−5000)を用い、応力とひずみの関係を測定した。
この場合、試験片としては、ASTM D3039に基づき、幅0.5インチのものを用い、標点間距離は10インチとした(1インチ=2.54cm)。
測定結果を図10、図11に示す。
図10のグラフから実施例2〜4のCFRTP積層体の引張強度を求めると、実施例2(TPU/P3/TPU)が265Gpa、実施例3(TPU/P1/TPU/P1/TPU)が275Gpa、実施例4(TPU/P3/TPU/P3/TPU)が208Gpaであった。
また、図10のグラフから実施例2〜4のCFRTP積層体の引張弾性率を求めると、実施例2(TPU/P3/TPU)が14.5Gpa、実施例3(TPU/P1/TPU/P1/TPU)が23.5Gpa、実施例4(TPU/P3/TPU/P3/TPU)が14.5Gpaであった。
一方、図11のグラフから実施例6〜8のCFRTP積層体の引張強度を求めると、実施例6(Nylon66/P3/Nylon66)が209Gpa、実施例7(Nylon66/P1/Nylon66/P1/Nylon66)が326Gpa、実施例8(Nylon66/P3/Nylon66/P3/Nylon66)が245Gpaであった。
また、図11のグラフから実施例6〜8のCFRTP積層体の引張弾性率を求めると、実施例6(Nylon66/P3/Nylon66)が18.4Gpa、実施例7(Nylon66/P1/Nylon66/P1/Nylon66)が23.3Gpa、実施例8(Nylon66/P3/Nylon66/P3/Nylon66)が17.4Gpaであった。
ところで、BOND LAMINATES社の公表された資料によると、実施例2〜4に用いた、マトリックス樹脂がTPUからなるCFRTP基材の力学特性については、引張強度が710MPaで、引張弾性率が48GPaとなっている。
また、同資料によると、実施例6〜8に用いた、マトリックス樹脂がナイロン66からなるCFRTP基材の力学特性については、引張強度が785MPaで、引張弾性率が53GPaとなっている。
一方、実施例2〜4及び実施例6〜8に用いた融着樹脂基材は、本発明者が発明したもので(特許第6180148号参照)、その力学特性については、引張強度が約70MPaで、引張弾性率が約0.2GPaであるという結果を得ている。
これらのデータから、実施例2〜4及び実施例6〜8のCFRTP積層体の力学特性について見てみると、実施例2〜4及び実施例6〜8のCFRTP積層体の引張強度及び引張弾性率は、CFRTP基材には及ばないものの、CFRTP基材と同じ桁数(オーダー)の値となっている。
一方、実施例2〜4及び実施例6〜8のCFRTP積層体の引張強度及び引張弾性率は、融着樹脂基材の引張強度及び引張弾性率よりはるかに大きく、具体的には、引張強度が一桁以上大きく、引張弾性率が二桁以上大きい。
これらの結果からすると、実施例2〜4及び実施例6〜8のCFRTP積層体の力学特性については、CFRTP基材の力学特性が相当程度関与していると推察される。
その一方、上述したように、融着樹脂基材を積層させた実施例1〜8のCFRTP積層体の損失係数は、引張弾性率が2倍以上のCFRTP基材のみを積層させた比較例1、2に比べ、約2倍近くから約8倍近くという高い損失係数が得られている(段落[0129]〜[0149]参照)。
以上の結果から、本発明においては、制振性を有する融着樹脂基材をCFRTP基材に積層させることによって、CFRTP基材の優れた力学特性を損なうことなく卓越した制振性を与えることができることが明らかになった。
以上より、本発明の効果を実証することができた。
1…CFRTP積層体、2…本体樹脂基材、3…融着樹脂層、3a…融着樹脂基材、3b…隆起部、4…マトリックス樹脂、5…炭素繊維、6…空隙、12…マトリックスとなる熱可塑性樹脂、13…針状の二酸化チタン粒子、14…セルロースからなる圧電性繊維、15…無機材料からなる扁平状のフィラー、16…導電性微粒子

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂をマトリックスとする連続繊維のCFRTPからなる本体樹脂基材と、
    前記本体樹脂基材に融着している融着樹脂層(発泡体層を除く)とを備え、
    前記融着樹脂層が、マトリックスとなる前記熱可塑性樹脂中に、針状の二酸化チタン粒子と、セルロースからなる圧電性繊維とが混合された複合材料からなり、
    前記融着樹脂層の厚さが、0.1mm以上、0.3mm以下であり、
    前記融着樹脂層が、融着している前記本体樹脂基材の熱可塑性樹脂の融点以下の熱可塑性樹脂を有し、
    前記本体樹脂基材に形成されている空隙の開口部が前記融着樹脂層の熱可塑性樹脂によって塞がれているCFRTP積層体。
  2. 前記本体樹脂基材を複数有し、対となる当該本体樹脂基材の間に前記融着樹脂層が配置されている請求項1記載のCFRTP積層体。
  3. 前記対となる本体樹脂基材を複数有する請求項2記載のCFRTP積層体。
  4. 前記本体樹脂基材の熱可塑性樹脂が、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルファイド、熱可塑性ポリウレタン、ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂からなる請求項1乃至3のいずれか1項記載のCFRTP積層体。
  5. 前記融着樹脂層の熱可塑性樹脂が、ポリ乳酸、ポリウレタン、アクリル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−メタアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン−ビニルポリジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン及び塩素化ポリブチレンからなる群から選択される少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂からなる請求項1乃至4のいずれか1項記載のCFRTP積層体。
  6. 連続繊維のCFRTPからなる本体樹脂基材と、融点が前記本体樹脂基材以下の熱可塑性樹脂を有し、厚さが、0.1mm以上、0.3mm以下であり、マトリックスとなる前記熱可塑性樹脂中に、針状の二酸化チタン粒子およびセルロースからなる圧電性繊維が混合された複合材料からなる融着樹脂基材(発泡体層を除く)を用意し、
    前記本体樹脂基材と前記融着樹脂基材とを重ね、前記融着樹脂基材の熱可塑性樹脂の融点以上の温度で熱プレスすることにより、前記本体樹脂基材に前記融着樹脂基材を融着させる工程を有するCFRTP積層体の製造方法。
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