JP4161893B2 - 発熱体 - Google Patents

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Description

本発明は、暖房、加熱、乾燥などの熱源として用いることのできる発熱体に関するものである。
従来、この種の発熱体としては、裏面に熱伝導板をラミネートした電気絶縁フィルム上に、印刷などの方法によって一対の櫛型形状の電極を形成し、さらに、その面に、発熱体材料となる抵抗体ペーストを塗布、硬化させて形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
図4は従来の発熱体を示すものである。図において、裏面に熱伝導板10をラミネートした電気絶縁フィルム11の上に、印刷などの方法によって一対の櫛型形状の電極12を形成し、さらに、その面に、発熱体材料となる抵抗体ペースト13を塗布、硬化させて形成されている。裏面にラミネートされる熱伝導板10は均熱作用があり、均一な温度分布と良好な熱伝達を可能にするものである。
特開昭53−143047号公報
しかしながら、前記従来の発熱体を用いて、例えば、3次元曲面の被加熱体に発熱体を装着する場合に、従来の発熱体は基板に伸縮性がないために曲がりはするものの、3次元レベルでの変形ができないために被加熱体との間に僅かであるが空隙が生じ、発熱体の熱が被加熱体に有効に伝わらないという欠点があった。また、発熱体をプレス加工などによって3次元変形させて沿わせようしても、その際の塑性変形と荷重に抵抗体材料が耐えられず、本来の発熱特性が得られなかった。また、伸縮性を要求される用途には、全く使用できなかった。3次元曲面への装着性あるいは伸縮性を可能にするためには、曲げ剛性及び伸び剛性が小さく、復元性が必要となる。このような発熱体を形成するためには、一般的に熱伝導板に類する材料は剛性が極めて大きいため使用できず、伸縮性を有する電気絶縁フィルム面に電極及び抵抗体材料を形成する必要がある。しかしながら、一般的に、伸縮性を有する電気絶縁フィルム面に電極及び抵抗体材料を形成した発熱体は、伸縮性に優れる反面、抵抗体材料の伸縮によって導電粒子の配列が変化する現象が生じるために、許容範囲を越える抵抗値変動が発生し、実用に至らなかった。
本発明は、伸縮性を有する電気絶縁フィルム面に電極及び抵抗体材料を形成しても、抵抗値変動が小さく、最悪でも抵抗体が破断することのない発熱体を提供することを目的とするものであり、3次元曲面の被加熱体に発熱体を装着する場合、繰返し伸縮性が要求される場合に極めて有用である。
前記従来の課題を解決するために、本発明の発熱体は、エラストマ性状を有する第1の樹脂層と第1の補強層を積層してなる基材と、前記基材の前記樹脂層の面に形成されてなる一対の電極と、前記一対の電極の面に形成される抵抗体と、前記基材と前記電極と前記抵抗体の表面全体を被覆するとともに前記第1の樹脂層に熱融着可能な第2の樹脂層と第2の補強層を積層してなる被覆材と、前記一対の電極の端部に形成された一対のリード端子よりなり、前記第1の補強層及び前記第2の補強層の少なくとも一方の存在により前記抵抗体の電圧印加方向への伸縮性を制限するようにしたものである。
本発明の発熱体は、エラストマ性状を有する第1の樹脂層と第1の補強層を積層してなる基材と、基材の樹脂層の面に形成されてなる一対の電極と、一対の電極の面に形成される抵抗体と、基材と電極と抵抗体の表面全体を被覆するとともに第1の樹脂層に熱融着可能な第2の樹脂層と第2の補強層を積層してなる被覆材と、一対の電極の端部に形成された一対のリード端子よりなり、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方の存在により抵抗体の電圧印加方向への伸縮性を制限してなるもので、特定方向への伸縮が制限されているものの、他の方向への伸縮は自在であるために、3次元曲面の被加熱体への装着が可能である。また、伸縮性が必要とされる方向に伸縮可能な方向を合わせることによって、伸縮性を発揮することができる。また、伸縮するのは発熱体の抵抗値に寄与しない方向であるために、伸縮性と抵抗値の安定性を両立できる。
第1の発明は、エラストマ性状を有する第1の樹脂層と第1の補強層を積層してなる基材と、基材の樹脂層の面に形成されてなる一対の電極と、一対の電極の面に形成される抵抗体と、基材と電極と抵抗体の表面全体を被覆するとともに第1の樹脂層に熱融着可能な第2の樹脂層と第2の補強層を積層してなる被覆材と、一対の電極の端部に形成された一対のリード端子よりなり、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方の存在により抵抗体の電圧印加方向への伸縮性を制限してなるものである。エラストマ性状を有する第1の樹脂層は引張応力に応じて伸びるとともに、その応力が解除された時、復元する作用を有する。電極及び抵抗体は第1の樹脂層の面に形成され、第1の樹脂層の伸縮に応じて変位する。第2の樹脂層は第1の樹脂層に熱融着可能で、第1の樹脂層とその面上に形成された電極及び抵抗体の全体の表面を被覆して、電気絶縁層及び保護層を形成する。第1の樹脂層及び第1の補強層からなる基材、あるいは、第2の樹脂層及び第2の補強層からなる被覆層の少なくとも一方は、第1の補強層あるいは第2の補強層による補強効果によって、一対の電極を経由して抵抗体に印加される電圧方向への伸縮性が制限されていて、その方向への引張応力による伸縮は小さく押えられる。伸縮が小さく押えられることによって、その方向への抵抗体の導電粒子相互の変位が小さくなり、抵抗値変動が小さく押えられる。伸縮が小さく押えられる方向は、電極経由で抵抗体に印加される電圧方向に一致するために、発熱体の抵抗値に対する寄与率は高く、発熱体の抵抗値変動も小さく押えられる。一方、一対の電極を経由して抵抗体に印加される電圧方向とは異なる方向への伸縮性は制限されないので、その方向への引張応力に応じた伸縮が可能となる。伸縮を生じる方向へは、抵抗体の導電粒子相互の変位が大きくなり、抵抗値変動は比較的に大きく生じる。伸縮が可能となる方向は、電極経由で抵抗体に印加される電圧方向とは異なるために、発熱体の抵抗値に対する寄与率は低く、発熱体の抵抗値変動は小さく押えられる。発熱体としては特定方向への伸縮が制限されているものの、他の方向への伸縮は自在であるために、3次元曲面の被加熱体への装着が可能であるばかりでなく、装着方向を考慮することにより、実用的に十分な伸縮性が得られる。これらの作用により、この発熱体は伸縮性でありながら抵抗値安定性を確保できる。
第2の発明は、第1の補強層及び第2の補強層の双方の存在により、抵抗体の電圧印加方向への伸縮性を制限されてなるものである。第1の樹脂層及び第1の補強層からなる基材と、第2の樹脂層及び第2の補強層からなる被覆層は、それぞれの補強層による補強効果によって、一対の電極を経由して抵抗体に印加される電圧方向への伸縮性を制限する作用が強化される。大きな引張応力に対する伸縮率が小さく押えられる結果、抵抗値安定性が改善される。発熱体としては特定方向への伸縮が制限されているものの、他の方向への伸縮は自在であるために、3次元曲面の被加熱体への装着が可能であるばかりでなく、装着方向を考慮することにより、実用的に十分な伸縮性が得られる。これらの作用により、この発熱体は伸縮性でありながら優れた抵抗値安定性を確保できる。
第3の発明は、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が特定方向に揃って配列された長繊維によって伸縮性を制限されてなるものである。特定方向に揃って配列された長繊維は、引張応力に対して繊維の絡まりでなく、繊維自体の強度で対応するために伸び剛性を大きくすることができる。したがって、引張応力に対して伸びを制限する作用を示す。このような長繊維を第1の補強層あるいは第2の補強層に構成することによって、引張応力に対して伸びを制限する作用をもたらすことができる。
第4の発明は、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が直交方向に交差した長繊維によって伸縮性を制限されてなるものである。特定方向に揃って配列された長繊維は、引張応力に対して繊維の絡まりでなく、繊維自体の強度で対応するために伸び剛性を大きくすることができる。したがって、引張応力に対して伸びを制限する作用を示す。このような長繊維を第1の補強層又は第2の補強層に直交方向に交差させて構成することによって、2つの軸方向に対する引張応力に対して伸びを制限する作用をもたらすことができる。この2つの軸方向の一方と、抵抗体に印加される電圧方向を一致させることによって、伸縮性でありながら抵抗値安定性を確保できる。また、長繊維を交差させることにより、繊維間の絡まりが強固になり、伸び剛性だけでなく破断強度を高める作用をもたらす。
第5の発明は、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が長繊維を特定方向に揃って配列することによって伸縮性を制限された層と、繊維交絡による不織布から形成されてなるものである。方向性なく繊維を交絡した層は、繊維に直接的に応力が加わらないために伸びを制限する作用は極めて弱く、また、繊維間の結合が弱く、嵩密度が低いために緩衝材的な物性を示すものである。一方、長繊維を特定方向に揃って配列することによって伸縮性を制限された層は、伸びを制限する作用は極めて強く、また、嵩密度が高いために緩衝材的な物性を示さない。エラストマ性状を示す素材は、ゴム弾性のみならず緩衝材的な物性を示すものが多いが、エラストマ性状を示す素材に緩衝材的な物性を示さない素材を複合すると、緩衝材的な物性が失われ、感覚的に、エラストマ性状とは異なる物性を示す場合がある。方向性なく繊維を交絡した不織布は、緩衝材的な物性を付与し、感覚的にもエラスマ性状を示すことができる。
第6の発明は、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が繊維交絡による不織布より形成されてなるものである。不織布は繊維の絡みが弱いために伸び剛性が小さく、第1の樹脂層あるいは第2の樹脂層のエラストマ性状を損なわないようにすることができる。そのために、第1の補強層あるいは第2の補強層の少なくとも一方が抵抗体の電圧印加方向への伸縮性を制限した場合、それ以外の方向へのエラストマ性状を確保することができるものである。
第7の発明は、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方がポリエステル系より形成されてなるものである。ポリエステル系の素材は熱収縮が小さく、強度が大きいために、エラストマ性状を有するとともに形状寸法的に不安定になりやすい第1の樹脂層あるいは第2の樹脂層の補強層として適性を示すものである。また、抵抗体を形成する工程での温度、張力、薬品に対する抵抗力が強く、さらに、高絶縁性や低吸湿性など発熱体にとって不可欠な物性を併せ持つ素材である。ポリエステル系の素材を用いることにより、伸縮性でありながら安定な抵抗特性を示すだけでなく、極めて高い信頼性の発熱体が得られる。
第8の発明は、長繊維の配列方向と抵抗体への電圧印加方向に所定の角度を設けて形成されてなるものである。長繊維の配列方向と抵抗体への電圧印加方向に所定の角度を設けることにより、電圧印加方向への伸縮性の制限を緩和することができるものである。抵抗体への電圧印加方向への伸縮性には許容範囲があるが、その範囲内で伸縮性を付与することができる。また、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が直交方向に交差した長繊維によって伸縮性を制限されてなる場合には、抵抗体への電圧印加方向と異なる方向への伸縮性を付与することができる。
第9の発明は、第1の樹脂層は第2の樹脂層の融点において溶融しない樹脂材料を含有してなるものである。第2の樹脂層はその融点以上に加熱して第1の樹脂層の面に熱融着されるが、その際、第2の樹脂層の融点において溶融しない樹脂材料を第1の樹脂層に含有することによって、精度の高い形状保持を可能にするものである。
第10の発明は、第1の樹脂層はエラストマを含有してなるものである。第1の樹脂層はエラストマを含有し、そのエラストマの存在によってエラストマ性状を付与することができるものである。請求項11に記載の発明は、第1の樹脂層は熱可塑エラストマを含有してなるものである。第1の樹脂層は熱可塑エラストマを含有し、その熱可塑エラストマの存在によってエラストマ性状を付与することができるものである。熱可塑エラストマは熱成形可能なエラストマであり、第1の樹脂層を形成する工程を極めて合理的なものとすることができるものである。
請求項12に記載の発明は、熱可塑エラストマはオレフィン系熱可塑エラストマであるものである。オレフィン系熱可塑エラストマはエチレン、プロピレン、エチレンプロピレンなどからなる熱可塑エラストマであり、オレフィン系熱可塑エラストマはエラストマ性状を有するとともに、抵抗体を形成する工程での温度や薬品に対する抵抗力が強く、さらに、低吸湿性など発熱体にとって不可欠な物性を併せ持つ素材である。オレフィン系熱可塑エラストマを用いることにより、伸縮性でありながら安定な抵抗特性を示すだけでなく、極めて高い信頼性の発熱体が得られる。
第13の発明は、オレフィン系熱可塑エラストマはエチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂との動的架橋による熱可塑エラストマを含有してなるものである。エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂との動的架橋によって、エラストマ性状を示すエチレンプロピレン樹脂部分と結晶性樹脂性状を示すプロピレン樹脂部分がブロック状に形成される。この動的架橋による熱可塑エラストマは特にエラストマ部分がブロック状に形成されるためにエラストマ性状に優れ、伸縮性に富んだ第1の樹脂層を形成できる。
第14の発明は、オレフィン系熱可塑エラストマは重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマを含有してなるものである。重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマはブロック状ではなく、均質なエラストマ樹脂であって、成形時の流動性あるいは延伸性に優れ、特に、薄肉の第1の樹脂層を形成することを可能にする。
第15の発明は、熱可塑エラストマは重合反応によるエチレンプロピレン系熱可塑エラストマを含有してなるものである。重合反応によるエチレンプロピレン系熱可塑エラストマは均質なエラストマ樹脂であって、成形時の流動性とエラストマ性状を両立するものであって、特に、薄肉で柔軟性のある第1の樹脂層を形成することを可能とする。
第16の発明は、第1の樹脂層はエラストマと溶融時高延伸性樹脂を含有してなるものである。エラストマは一般的に溶融時の延伸性が良好とは言えず、特に、エラストマ性状に優れた樹脂を薄肉のフィルムに加工することは容易ではない。一方、溶融時に延伸性の高い樹脂は溶融時の伸びが良好であり、薄肉に加工することが容易である。エラストマ性状に優れているが溶融時の延伸性の低い樹脂に、溶融時の延伸性の高い樹脂を含有させることにより、薄肉でエラストマ性状に富んだ第1の樹脂層を形成することを可能とする。
第17の発明は、エラストマ樹脂はオレフィン系熱可塑エラストマであり、溶融時高延伸性樹脂はスチレン系熱可塑エラストマであるものである。オレフィン系熱可塑エラストマはエラストマ性状に優れた樹脂であり、特に、良好なエラストマ性状を示す樹脂を選定した場合には薄肉加工が容易でない場合が多い。一方、スチレン系熱可塑エラストマはエラストマ性状に極めて優れ、溶融時の延伸性にも優れた樹脂が多い。しかしながら、スチレン系熱可塑エラストマは耐熱性及び耐溶剤性が不充分であり、単独で使用するのではなく、その溶融時の高延伸性を活用することができる。オレフィン系熱可塑エラストマは耐熱性及び耐溶剤性にも優れた樹脂であるために、エラストマ樹脂としてオレフィン系熱可塑エラストマ、溶融時高延伸性樹脂としてスチレン系熱可塑エラストマを選定し、両者をブレンド利用することによって薄肉でエラストマ性状に富んだ第1の樹脂層を形成することを可能とする。
第18の発明は、エラストマはエチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂との動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマであり、溶融時高延伸性樹脂は重合反応によるオレフィン系熱可塑エラストマであるものである。エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂との動的架橋によって、エラストマ性状を示すエチレンプロピレン樹脂部分と結晶性樹脂性状を示すプロピレン樹脂部分がブロック状に形成される。この動的架橋による熱可塑エラストマは特にエラストマ部分がブロック状に形成されるために特にエラストマ性状に優れている。一方、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマはブロック状ではなく、均質なエラストマであって、溶融時の延伸性に優れ、特に、薄肉加工に優れている。このエラストマ性状に優れた樹脂と溶融時の延伸性に優れた樹脂を併用することにより、エラストマ性状に優れるとともに薄肉の第1の樹脂層を形成することを可能にする。
第19の発明は、第1の樹脂層は電極あるいは抵抗体を形成する際の電極あるいは抵抗体に含有される溶剤によって膨潤作用を受けるが、第1の補強層が第1の樹脂層の膨潤による膨張を抑制してなるものである。第1の樹脂層は電極あるいは抵抗体を形成する際に、電極あるいは抵抗体のペースト中に含有される溶剤によって膨潤作用を受ける場合がある。膨潤作用は程度の差があっても、結局は第1の樹脂層が一時的に膨張する現象であり、この膨張を押えることができれば、乾燥以降の工程では何らの障害が残らない。第1の樹脂層が電極あるいは抵抗体に含有される溶剤によって膨潤し、膨張しようとするが、第1の補強層がこれを制限することにより、外見的には膨潤現象は解消される。電極あるいは抵抗体に含有される溶剤が乾燥工程以降では除去されるので、この膨潤作用は解消され、外見的には全く障害が残らないようになる。
第20の発明は、第1の樹脂層はウレタン系熱可塑エラストマを含有してなるものである。ウレタン系熱可塑エラストマは極めて伸縮性に優れ、薄肉加工も可能である。しかし、多くの溶剤によって膨潤する傾向があるために、基材として使用し、その面に印刷あるいは塗布する方式で電極あるいは抵抗体を形成できない場合が多い。ウレタン系熱可塑エラストマが電極あるいは抵抗体に含有される溶剤によって膨潤し、膨張しようとするが、第1の補強層がこれを制限することにより、外見的には膨潤現象は解消される。電極あるいは抵抗体に含有される溶剤が乾燥工程以降では除去されるので、この膨潤作用は解消され、外見的には全く障害が残らないようになる。
第21の発明は、第1の樹脂層はエステル系熱可塑エラストマを含有してなるものである。エステル系熱可塑エラストマは伸縮性に優れ、第1の補強層との接着性が良好である。しかし、多くの溶剤によって膨潤する傾向があるために、基材として使用し、その面に印刷あるいは塗布する方式で電極あるいは抵抗体を形成できない場合が多い。エステル系熱可塑エラストマが電極あるいは抵抗体に含有される溶剤によって膨潤し、膨張しようとするが、第1の補強層がこれを制限することにより、外見的には膨潤現象は解消される。電極あるいは抵抗体に含有される溶剤が乾燥工程以降では除去されるので、この膨潤作用は解消され、外見的には全く障害が残らないようになる。
第22の発明は、第1の樹脂層はオレフィン系エラストマと官能基導入オレフィン樹脂を含有してなるものである。オレフィン系エラストマは耐溶剤性に優れた樹脂であるために、基材として使用し、その面に印刷あるいは塗布する方式で電極あるいは抵抗体を形成することができる。しかしながら、オレフィン系エラストマは、エチレン、エチレンプロピレン、プロピレンなどから構成されるために官能基が少なく、電極あるいは抵抗体の密着性が得られない場合が多い。官能基を導入したオレフィン樹脂をこのようなオレフィン系エラストマに添加することによって、密着性を付与することができる。また、官能基導入によって、第1の樹脂層と第1の補強層の接着性が改善され、より有効な補強効果が得られる。
第23の発明は、第1の樹脂層は官能基を導入した熱可塑エラストマを使用するものである。熱可塑エラストマ樹脂は、補強層との接着性、あるいは塗膜の密着性が不充分なものが多いがが、熱可塑エラストマ樹脂に直接、官能基を導入することによって補強層との接着性、あるいは塗膜の密着性を改善することができる。
第24の発明は、第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が、第1の樹脂層又は第2の樹脂層の含浸によって補強され、伸縮性を制限されてなるものである。
第1の補強層あるいは第2の補強層は単独でも補強作用を有するものであるが、第1の樹脂層あるいは第2の樹脂層が含浸することによって補強作用が強化される。とくに、繊維を含み、繊維間の絡まりが弱い場合には、大きな補強作用が生じる。
第25の発明は、基材の伸縮性は第1の補強層の特定方向に揃って配列された長繊維によって制限され、被覆材は第2の樹脂層の含浸によって補強され、伸縮性を制限されてなるものである。第1の樹脂層と第1の補強層からなる基材は、第1の補強層の特定方向に揃って配列された長繊維によって制限されるために、第1の樹脂層が第2の補強層に含浸しなくても、充分な補強作用が得られる。このため、第1の樹脂層と第1の補強層は接している構成で良い。一方、第2の樹脂層と第2の補強層からなる被覆材は第2の補強層が第2の樹脂層によって含浸されないと充分な伸縮性の制限作用が生じないものであり、第2の樹脂層を第2の補強層に含浸させる過程を経て有効となる。
第26の発明は、第2の補強層はニット編み層を含んでなるものである。第2の樹脂層とニット編み層からなる被覆材は、ニット編み層単独では、引張応力に対する伸び剛性が極めて小さく、伸縮性の制限作用が生じないが、第2の樹脂層によって含浸されると、ニット編み層の絡み点が固定化され、充分な伸縮性の制限作用が生じる。第2の樹脂層によって含浸されされたニット編み層は、編み方向への破断強度が極めて大きく、伸縮性の制限作用が極めて効果的に働く。
第27の発明は、第2の補強層が繊維交絡による不織布層を含んでなるものである。第2の樹脂層と繊維交絡による不織布からなる被覆材は、不織布層単独では、引張応力に対する伸び剛性が極めて小さく、伸縮性の制限作用が生じないが、第2の樹脂層によって含浸されると、不織布層の交絡点が固定化され、充分な伸縮性の制限作用が生じる。第2の樹脂層によって含浸されされた不織布層は、特に、不織布層の加工方向への破断強度が大きく、伸縮性の制限作用が極めて効果的に働く。
第28の発明は、第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方が、第1の補強層あるいは第2の補強層に積層された繊維交絡による不織布の面に形成されてなるものである。補強層に積層された長繊維の面に樹脂層を形成すると、長繊維の配列状態によっては樹脂層の表面に長繊維の配列の痕跡が現れ、電極あるいは抵抗体に何らかの障害が生じる場合が想定される。補強層に積層された繊維交絡による不織布の面に形成樹脂層を形成すれば、方向性のない不織布が介在するために、樹脂層の表面には長繊維が特定方向に配列された痕跡が反映されないようにできる。樹脂層の表面が平滑になれば、電極あるいは抵抗体への障害を取り除くことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明における実施の形態1の発熱体を示す平面図である。
図1において、第1の補強層1は、ポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布とポリエチレンテレフタレートの長繊維を特定方向に配列させた不織布を積層したものである。この長繊維は引張強度が高く、配列された方向への伸縮性を制限することができる。第1の樹脂層2は、融点が160℃の熱可塑性ウレタンエラストマを溶融押出加工にて50μmの厚さに成形したものであり、極めて柔軟であり、あらゆる方向に自在に伸縮可能である。第1の補強層1と第1の樹脂層2は熱融着によって、第1の樹脂層2が第1の補強層1に接着しているが含浸はしていない状態となるように一体に積層し、一旦、基材3として形成して使用している。この基材3は積層されているが含浸構造ではないために、それぞれの層の物性を足し合わせたような特異な物性、すなわち、引張応力を加えるとエラストマ特有の伸縮性が得られるが、特定の方向ではほとんど伸縮性を示さないことが確認されている。一対の電極4は、基材3の第1の樹脂層2の面に導電性ペーストを印刷、乾燥することによって形成したものである。電極4は一対の電極4が対向する方向が第1の補強層1に存在する長繊維の配列方向と同一となるように形成されていて、一対の電極4が対向する方向の伸縮性が制限されるようになっている。導電性ペーストはエポキシ樹脂中に導電性付与材として銀粉末を分散したものを使用している。また、抵抗体5は正抵抗温度特性を有し、エチレン酢酸ビニル共重合体とカーボンブラックの混練物をペースト化したものを、電極4が形成された第1の樹脂層2の面に印刷、乾燥して形成したものである。給電線6は一対の電極4の給電部分に一対形成されている。第2の樹脂層7は、融点120℃の共重合ポリエステルを50μm厚みに成形したものであり、特に、柔軟性と伸縮性に優れたグレードを選定した。第2の補強層8は、ポリエチレンテレフタレート繊維を絡ませた不織布を用いている。第2の樹脂層7は第2の補強層8と熱融着によって積層され、被覆材9として、一旦、形成して使用した。被覆材9は抵抗体5が形成された基材3の面全体に熱融着によって積層され、基材3の面全体を密封する。第2の補強層7は、単体では、引張応力によって容易に伸びるが、復元はしない物性を示すが、第2の樹脂層7を含浸させることによって引張強度が増し、復元力も得られるようになる。特に、ポリエチレンテレフタレート繊維を交絡する工程において、その加工方向に繊維の絡まりあるいは繊維の配向性を高めることが可能であり、このような素材に第2の樹脂層7を含浸さると、その加工方向へはほとんど伸縮しないがその他の方向には伸縮する物性が得られる。これは、第2の樹脂層7が含浸することによって、繊維の絡まりあるいは繊維の配向性が強化されるために生じるものであって、大きな破断強度が得られるという特長がある。実施の形態1では、被覆材9がほとんど伸縮しない方向と一対の電極4が対向する方向が同一となるように作製した。したがって、実施の形態1の発熱体は、基材3及び被覆材9が共に同一方向への伸縮性を制限するような構成となっている。なお、第1の樹脂層2の融点は、第2の樹脂層7の融点よりも40K高くなるようなグレードを選定しているために、表面温度150℃ラミネートロールで被覆材9を溶融させ、抵抗体5を形成した基材3に熱融着させた結果、基材3側の熱変形は極めて小さく、実用上問題となるような寸法変化は発生しなかった。
次に、このようにして作製した発熱体の引張特性及び抵抗値の安定性についての評価を行なった。
図2は引張特性を示すグラフであり、抵抗体5に電圧が印加される方向の伸びが、制限されている。抵抗値の安定性については、半径120mmの球面体を用意し、その球面にクッシュン材を介して発熱体を押しつけることによって3次元変位を与え、この操作を繰り返した後の抵抗値を測定する方法で行なった。なお、実施の形態1では一対の電極4が対向する方向、すなわち抵抗体5に電圧が印加される方向と基材3及び被覆材9の伸縮性を制限する方向が一致させるようにして発熱体を作製しているが、特性を比較するために、その方向が直交するようにした発熱体を作製した。
図3はその試験結果となる信頼性特性を示すグラフであるが、実施の形態1は比較例に比べて明らかに抵抗値の安定性が高いことが確認された。これは以下に示すメカニズムによるものと考えられる。
実施の形態1の発熱体では、第1の補強層1あるいは第2の補強層8の存在による補強効果によって、抵抗体5の電圧印加方向への伸縮性が制限され、抵抗体5の導電粒子相互の変位が小さくなり、抵抗値変動が小さく押えられる。抵抗値変動が小さく押えられる方向は、発熱体の抵抗値を決定する方向、すなわち、電圧印加方向に一致するために発熱体の抵抗値変動も小さく押えられる。一方、比較例では、第1の補強層1あるいは第2の補強層8の存在にもかかわらず、抵抗体5の電圧印加方向への伸縮性が制限されないために、抵抗体5の導電粒子相互の変位が大きくなり、抵抗値変動が大きく生じる。抵抗値変動が大きく生じる方向は、発熱体の抵抗値を決定する方向、すなわち、電圧印加方向に一致するために発熱体の抵抗値変動も大きくなる。なお、抵抗体5の電圧印加方向とは異なる方向への伸縮性による抵抗値変動が生じても、発熱体の抵抗値を決定する方向、すなわち、電圧印加方向と異なるために発熱体の抵抗値には反映されない。
以上、実施の形態1に示したように、本発明に基づく発熱体は特定方向への伸縮が制限されているものの、他の方向への伸縮は自在であるために、3次元曲面の被加熱体への装着が可能である。また、伸縮性が必要とされる方向に伸縮可能な方向を合わせることによって、伸縮性を発揮することができる。また、伸縮するのは発熱体の抵抗値に寄与しない方向であるために、伸縮性と抵抗値の安定性を両立できる。
なお、実施の形態1では、第1の補強層1がポリエチレンテレフタレート繊維の交絡による不織布とポリエチレンテレフタレートの長繊維を特定方向に配列させた不織布を積層したものを使用しているが、ポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布は、繊維間の結合が弱く、嵩密度が低いために、伸びを制限する作用は極めて乏しいが、振動エネルギを吸収する物性すなわち緩衝材的な物性を示す。一方、長繊維を特定方向に揃って配列することによって伸縮性を制限された層は、伸びを制限する作用はあるが、緩衝材的な物性をほとんど示さない。熱可塑性ウレタンエラストマのようにエラストマ性状を示す素材は、ゴム弾性だけでなく緩衝材的な物性を保持するために、振動を与えても鈍い振動音しかしないが、このようなエラストマ性状を示す素材に、長繊維を特定方向に揃って配列した素材を複合すると、ゴム弾性を示すが振動エネルギは吸収せず、大きな振動音がする素材となる場合がある。このような物性は通常のエラストマ素材が示す性状とは異なるものであり、使用用途によっては好ましいものではない。第1の補強層1に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布は緩衝材的な物性を付与するものであり、この不織布の存在により、本来のエラスマが持つゴム弾性と緩衝材的な物性を合わせ持つ性状により近い発熱体を形成することができる。
なお、実施の形態1では、第1の補強層1がポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布とポリエチレンテレフタレートの長繊維を特定方向に配列させた不織布を積層したものを使用し、第2の補強層8はポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布を使用しているが、第1の補強層1と第2の補強層8はこの組み合わせに限定されるものではない。第1の補強層1は特定方向の伸縮性を制限する作用と緩衝材的な物性を合わせ持つものであるから、これを第2の補強層8に用いても実施の形態1と同等の作用効果を得ることができる。また、実施の形態1の第2の補強層8は、元来の緩衝材的な物性に加えて、樹脂層を含浸させることによって特定方向の伸縮性を制限する物性を合わせ持つことができるものであるから、第1の補強層1と第2の補強層8を共に繊維を交絡させた不織布としても、実施の形態1と同等の作用効果を得ることができる。長繊維を特定方向に配列させた構成を補強層に含む場合は、含浸しにくい高融点の樹脂層や流動性の低い樹脂層を使用しても、特定方向の伸縮性を制限する物性が得られるという特長があり、印刷後の乾燥工程のように耐熱性を必要とされる基材としての利用価値が高く、繊維を交絡させた不織布のみを補強層に含む場合は、ラミネート工程で樹脂層を含浸できるので被覆材としての利用価値が高い。
(実施の形態2)
実施の形態2は、構造は図1と同一であるが、第1の樹脂層2を形成する熱可塑性ウレタン系エラストマが、第1の補強層1を形成するポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布側の表層部に含浸するように高温で加圧して、基材3を積層するとともに、電極をより柔軟性に優れた共重合ポリエステル樹脂系の導電性ペーストを用いて形成するものである。実施の形態1において、電極4の柔軟性を改善するために、共重合ポリエステル樹脂中に導電性付与剤として銀粉末を分散し、溶剤を加えて粘度を調整された導電性ペーストを使用すると、電極を形成する導電性ペーストを印刷した直後に、膨潤によって第1の樹脂層2に細かい凹凸が発生し、抵抗体5の印刷は可能であるが、抵抗値のバラツキが大きくなるという不具合が生じる。第1の補強層1のない第1の樹脂層2の面にこの共重合ポリエステル樹脂系の導電性ペーストを印刷すれば、抵抗体の印刷など到底できないような極めて大きな凹凸が発生する。実施の形態2の構成では、共重合ポリエステル樹脂系の導電性ペーストを印刷した直後に膨潤現象は発生せず、乾燥後にも膨潤の痕跡がなかった。その後の抵抗ペーストの印刷及び乾燥にも支障はなく、抵抗値のバラツキが拡大することはなかった。このメカニズムは、第1の樹脂層2が膨潤による変位によって歪み、凹凸を生じようとするが、第1の補強層1が第1の樹脂層2の一部に含浸することによって変位を制限するために生じるものと考えられる。したがって、第1の樹脂層2が熱可塑性ウレタン系エラストマのように膨潤しやすい材料であっても、第1の補強材1を含浸させることによって基材として使用できるようになる。このメカニズムは電極4の導電性ペーストのみならず、抵抗体5の導電性ペーストにも適用することができるものであり、抵抗体5の改良にも適用可能である。なお、第1の樹脂層が膨潤を起こすような場合、その導電性ペーストとの密着性が良好な場合が多く、基材が伸縮を繰り返しても容易に剥離しない強固な電極及び抵抗体を形成できる。
以上、実施の形態2に示したように、本発明に基づく発熱体は、補強層が特定方向への伸縮が制限に加え、導電性ペーストによる基材の膨潤現象を制限する作用を合わせ持つものである。この構成の発熱体は特定方向への伸縮が制限されているものの、他の方向への伸縮は自在であるために、3次元曲面の被加熱体への装着が可能である。また、伸縮性が必要とされる方向に伸縮可能な方向を合わせることによって、伸縮性を発揮することができる。また、伸縮するのは発熱体の抵抗値に寄与しない方向であり、基材と電極あるいは抵抗体との密着性が極めて良好であるために、伸縮性と抵抗値の安定性を高い水準で両立できる。
なお、実施の形態2では、第1の樹脂層2を形成する熱可塑性ウレタン系エラストマが、第1の補強層1を形成するポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布側の表層部に含浸するように高温で加圧して、基材3を積層しているが、第1の補強層1を形成するポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布側ではなく、ポリエチレンテレフタレートの長繊維を特定方向に配列させた不織布側の表層部に含浸するように高温で加圧して、基材3を積層しても、同等の効果が得られる。しかしながら、この構成の場合、長繊維の配列状態によっては樹脂層2の表面に長繊維の配列の痕跡が現れ、電極あるいは抵抗体に何らかの障害が生じる場合が想定される。そのような場合、実施の形態2の構成であれば、繊維を交絡させた不織布が介在するために、樹脂層2の表面には長繊維が特定方向に配列された痕跡を反映されないようにすることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、構造は図1と同一であり、実施の形態1では、第1の補強層1としてポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布とポリエチレンテレフタレートの長繊維を特定方向に配列させた不織布とを積層したものを使用しているが、実施の形態3では、第1の補強層1としてポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布とポリエチレンテレフタレートの長繊維を直交させて配列させた不織布とを積層させて使用している。この長繊維は引張強度が高く、直交させて配列された2つの軸方向への伸縮性を制限することができる。この2つの軸方向の一方と、抵抗体に印加される電圧方向を一致させることによって、抵抗値を決定づける方向への伸縮を制限し、抵抗値の安定性を確保できるものである。また、この2つの軸方向以外は伸縮性があり、3次元曲面の被加熱体への装着が可能である。また、伸縮性が必要とされる方向に伸縮可能な方向を合わせることによって、伸縮性を発揮することができる。また、伸縮するのは発熱体の抵抗値に寄与しない方向であるために、伸縮性と抵抗値の安定性を両立できる。さらに、各直交方向で、長繊維の密度を調整することによって、伸縮性を程よく制限することができる。実施の形態3の好ましい形態の一つとして、抵抗体に電圧が印加される方向の長繊維の配列密度が高まるように構成することが望まれる。また、長繊維を交差させることにより、繊維間の絡まりが強固になり、特定方向の伸縮性を制限するだけでなく、破断強度を高めることもできる。
以上、実施の形態3に示した発熱体は2つの軸方向への伸縮が制限されているものの、他の方向への伸縮は自在であるために、3次元曲面の被加熱体への装着が可能である。また、伸縮性が必要とされる方向に伸縮可能な方向を合わせることによって、伸縮性を発揮することができる。また、伸縮するのは発熱体の抵抗値に寄与しない方向であるために、伸縮性と抵抗値の安定性を両立できる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、構造は図1と同一であり、実施の形態3では第1の補強層1としてポリエチレンテレフタレート繊維を交絡させた不織布とポリエチレンテレフタレートの長繊維を直交させて配列させた不織布とを積層したものを使用するものであるが、実施の形態4では、第1の補強層1に含まれる長繊維が直交して配列される2つの主軸と、抵抗体に印加される電圧方向が所定の角度が22.5度となるように配置した。この長繊維は引張強度が高く、直交させて配列された2つの軸方向への伸縮性を制限することができる。その主軸方向と、抵抗体に印加される電圧方向が22.5度の角度で交差することによって、抵抗体に印加される電圧方向の伸縮性を制約するとともに、その電圧方向に直交する方向の伸縮性を確保するようにしたものである。第1の補強層1に含まれる長繊維が直交して配列されることによって、基材3破断強度が強化されるために、抵抗体に印加される電圧方向の伸縮性を制約する作用は強まるが、それと直交する方向の伸縮性も制約を受け、全般的に伸縮性が不十分となる場合がある。長繊維が直交して配列される2つの軸の内の主軸方向と、抵抗体に印加される電圧方向を22.5度の角度で交差することによって、抵抗体に印加される電圧方向の伸縮性を浅い交差角度によって維持すると同時に、それと直交する方向の伸縮性を深い交差角度でもって確保することができる。以上、実施の形態3に示した発熱体は2つの軸方向への伸縮が制限されているものの、他の方向への伸縮は自在であるために、3次元曲面の被加熱体への装着が可能である。また、伸縮性が必要とされる方向に伸縮可能な方向を合わせることによって、伸縮性を発揮することができる。また、伸縮するのは発熱体の抵抗値に大きく寄与しない方向であるために、伸縮性と抵抗値の安定性を両立できる。
なお、実施の形態1〜4では第1の樹脂層2は熱可塑ウレタンエラストマであったが、第1の樹脂層2は熱可塑ウレタンエラストマに限定されるものではなく、エラストマ性状有する多くの樹脂から選定することができる。例えば、エラストマの中でも、加硫エラストマ、未加硫エラストマ、熱可塑エラストマなど様々な形態があり、エラストマ性状を示す樹脂としては、共重合や重合方法に工夫を加えて結晶性を押えた樹脂も選定できる。ウレタン系熱可塑エラストマはエラストマ性状に最も優れている樹脂の1つであるが、これに近い樹脂としては、エステル系熱可塑エラストマがあげられ、実施の形態1〜4をこの樹脂に置き替えても、ほぼ同等の作用及び効果が得られる。また、エステル系の中でも共重合によって融点を下げたり、結晶性を低下させた共重合ポリエステル樹脂はエラストマ性状を有する樹脂が多く、実施の形態1〜4をこの樹脂に置き替えることが可能である。
なお、実施の形態1〜4では第2の樹脂層7は共重合ポリエステルであったが、第2の樹脂層7は共重合ポリエステルに限定されるものではなく、エラストマ性状を阻害しない柔軟性樹脂あるいはエラストマ性状を有する樹脂から選定することができる。したがって、第2の樹脂層7と第1の樹脂層2が同一であっても良いし、同種の融点違い、あるいは、別種の熱可塑性樹脂など、様々な組合せが可能である。実施の形態1〜4で使用した共重合ポリエステルとほぼ同等の代替樹脂としては、融点120℃近辺の低結晶性オレフィン系樹脂、リニア低密度ポリエチレンなどが選定できる。第1の樹脂層2や第2の補強層8と接着性を考えれば、官能基導入樹脂、接着性樹脂が望ましいのは言うまでもない。
(実施の形態5)
実施の形態2は第1の樹脂層2は熱可塑ウレタンエラストマであるが、実施の形態5では第1の樹脂層2にエチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマ樹脂を用い、実施の形態1と同様にして発熱体を作製した。使用したオレフィン系熱可塑エラストマは熱可塑ウレタンエラストマに比較すると、エラストマ性状はやや劣るものの、耐溶剤性、耐熱性、吸水率等に優れている樹脂である。エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマはゴム弾性には優れるものの、薄肉加工にはやや適性がなく、第1の樹脂層2の厚みは120μmとなった。この厚みのため、作製した発熱体の剛性が強く、感覚的には柔軟性及び伸縮性にやや欠ける感触があったものの、3次元曲面の被加熱体への装着が可能であり、復元性のある伸縮性も得られ、抵抗値の安定性など、実施の形態1と特性上の大きな差異は見られなかった。特筆すべき点は、耐溶剤性であり、実施の形態1の熱可塑ウレタンエラストマを使用したときのような膨潤現象が発生しないために、平面精度が良く、歪感のない外観が得られ、実施の形態1よりも明らかに改善されていることが確認された。以上、実施の形態5示した発熱体は、特に、耐膨潤性に特長があり、その結果、平面精度が改善できるものである。しかも、3次元曲面の被加熱体への装着及び伸縮が可能であると同時に抵抗値の安定性を両立できるものである。
(実施の形態6)
実施の形態5では第1の樹脂層2は、エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマであるが、実施の形態6では第1の樹脂層2は、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマからなるオレフィン系熱可塑エラストマを用い、実施の形態5と同様にして発熱体を作製した。その結果、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマは薄肉加工に極めて優れた適性があり、第1の樹脂層2の厚みは50μm厚みが得られた。このため、実施の形態5に比べ、発熱体の剛性が適正化され、感覚的にも柔軟性及び伸縮性に優れた感触が得られた。また、外見的には、実施の形態5と同様に膨潤現象が発生せず、平面精度が良く、歪感のない外観が得られた。以上、実施の形態6に示した発熱体は、特に、適度な剛性と平面精度を合わせ持つ点に特長があり、しかも、3次元曲面の被加熱体への装着及び伸縮が可能であると同時に、抵抗値の安定性を両立できるものである。
(実施の形態7)
実施の形態6では第1の樹脂層2は、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマからなるオレフィン系熱可塑エラストマであるが、実施の形態7では第1の樹脂層2は、重合反応によるエチレンプロピレン系熱可塑エラストマからなるオレフィン系熱可塑エラストマを用い、実施の形態6と同様にして発熱体を作製した。その結果、重合反応によるエチレンプロピレン系熱可塑エラストマは、重合反応によるンプロピレン系熱可塑エラストマと同様に薄肉加工に極めて優れた適性があり、第1の樹脂層2の厚みは50μm厚みが得られた。特筆すべきは、極めて硬度が低い点であり、50μmの薄肉と低硬度によって極めて柔軟性に富んだ第1の樹脂層2が得られた。このため、作製した発熱体の剛性はさらに低下し、感覚的に極めて柔軟で伸縮性に富んだ感触が得られた。また、外見的には、実施の形態6と同様に膨潤現象が発生せず、平面精度が良く、歪感のない外観が得られた。以上、実施の形態7に示した発熱体は、特に、柔軟性と平面精度を合わせ持つ点に特長があり、しかも、3次元曲面の被加熱体への装着及び伸縮が可能であると同時に、抵抗値の安定性を両立できるものである。
(実施の形態8)
実施の形態8では第1の樹脂層2は、エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマと、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマによるオレフィン系熱可塑エラストマとのブレンド樹脂を用い、実施の形態5と同様にして発熱体を作製した。その結果、実施の形態5ではエチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマが優れたゴム弾性を示すものの、薄肉加工はできなかったが、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマによるオレフィン系熱可塑エラストマをブレンドすることにより、第1の樹脂層2の厚みは50μm厚みが得られた。この構成で特筆すべきは、優れたゴム弾性と薄肉加工が両立することにある。エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマでは、エチレンプロピレン樹脂部分が架橋され、3次元架橋による優れたゴム弾性を示すが、樹脂の流動性や延伸性の面では難があり、薄肉加工ができない。流動性を改善するためにはプロピレン樹脂部分を増量する必要があるが、プロピレン樹脂部分はゴム弾性を損ね、硬度が増すために増量にも限度がある。重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマは流動性とゴム弾性をバランス良く保有するオレフィン系熱可塑エラストマであり、単なるプロピレン樹脂部分を増量するのではなく、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマを増量することによって優れたゴム弾性と薄肉加工を両立できる。このため、作製した発熱体は低剛性でゴム弾性があり、感覚的には極めて柔軟で伸縮性に富んだ感触が得られた。また、外見的には、実施の形態5と同様に膨潤現象が発生せず、平面精度が良く、歪感のない外観が得られた。以上、実施の形態8に示したオレフィン系熱可塑エラストマ樹脂は熱可塑ウレタンエラストマに近い柔軟性及び伸縮性を示すものであり、この樹脂を用いた発熱体も、特に、柔軟性と伸縮性を合わせ持つ点に特長があり、しかも、3次元曲面の被加熱体への装着及び伸縮が可能であると同時に、抵抗値の安定性を両立できるものである。
なお、実施の形態8では第1の樹脂層2は、エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマに、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマによるオレフィン系熱可塑エラストマをブレンドして用いたが、これを、重合反応によるエチレンプロピレン系熱可塑エラストマのブレンドに置き替えても、薄肉加工は可能であり、より柔軟性に優れた発熱体を形成することができる。
(実施の形態9)
実施の形態9では第1の樹脂層2は、エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマと、スチレンブタジエン樹脂を水添することによって合成したスチレン系熱可塑エラストマとのブレンド樹脂を用い、実施の形態8と同様にして発熱体を作製した。その結果、実施の形態8と同様に第1の樹脂層2の厚みは50μm厚みが得られた。この構成で特筆すべきは、実施の形態8と同様に、優れたゴム弾性と薄肉加工が両立することにある。エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマでは、エチレンプロピレン樹脂部分が架橋され、3次元架橋による優れたゴム弾性を示すが、樹脂の流動性や延伸性の面では難があり、薄肉加工ができない。流動性を改善するためにはプロピレン樹脂部分を増量する必要があるが、プロピレン樹脂部分はゴム弾性を損ね、硬度が増すために増量にも限度がある。スチレンブタジエン樹脂を水添することによって合成したスチレン系熱可塑エラストマは流動性とゴム弾性をバランス良く保有する熱可塑エラストマ樹脂であり、単なるプロピレン樹脂部分を増量するのではなく、スチレン系熱可塑エラストマを増量することによって優れたゴム弾性と薄肉加工を両立できる。このため、作製した発熱体は低剛性でゴム弾性があり、感覚的には極めて柔軟で伸縮性に富んだ感触が得られた。また、外見的には、実施の形態5と同様に膨潤現象が発生せず、平面精度が良く、歪感のない外観が得られた。以上、実施の形態9に示したオレフィン系熱可塑エラストマとスチレン系熱可塑エラストマとのブレンド樹脂は熱可塑ウレタンエラストマに近い柔軟性及び伸縮性を示すものであり、この樹脂を用いた発熱体も、特に、柔軟性と伸縮性を合わせ持つ点に特長があり、しかも、3次元曲面の被加熱体への装着及び伸縮が可能であると同時に、抵抗値の安定性を両立できるものである。
なお、実施の形態8では、エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマと、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマによるオレフィン系熱可塑エラストマとのブレンド樹脂、実施の形態9では、エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマと、スチレン系熱可塑エラストマとのブレンド樹脂を示したが、ブレンドはこれらの樹脂に限定されるものでなく、エラストマ性状に優れたウレタン系、オレフィン系、エステル系等の各エラストマと、溶融時に優れた延伸性を示す樹脂を複合することによって、ゴム弾性と薄肉加工を両立することができる。溶融時高延伸性樹脂としては、溶融粘度の低い樹脂であれば複合的に高延伸性が得れられる可能性があり、多くの熱可塑性樹脂の中から選定することができる。
(実施の形態10)
実施の形態10では第1の樹脂層2は、エチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマと、重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマによるオレフィン系熱可塑エラストマと、官能基を導入したポリオレフィン樹脂のブレンド樹脂を用い、実施の形態8と同様にして発熱体を作製した。この構成で特筆すべきは、優れたゴム弾性と薄肉加工が両立するは当然であるが、電極4及び抵抗体5と第1の樹脂層2との接着性が大幅に改善されたことにある。実施の形態8で使用した第1の樹脂層2は全てオレフィン系樹脂で構成されているために導電性ペーストの種類によっては充分な接着性が得られない場合がある。特に、柔軟性及び伸縮性を要求される用途では、電極4及び抵抗体5へのストレスは極めて大きく、第1の樹脂層2の面から剥離して断線する可能性ある。実施の形態8の発熱体を30万回の屈曲試験で評価したところ、抵抗体5への電圧印加方向に平行な方向の電極54本中5本の確率で剥離による断線が見られたが、実施の形態10の発熱体では150万回の屈曲試験でも54本中の断線は皆無であった。このように実施の形態10に示した第1の樹脂層2はオレフィン系熱可塑エラストマを用いたにもかかわらず、熱可塑ウレタンエラストマに近い柔軟性及び伸縮性を示すものであり、さらに、導電性ペーストに含まれる溶剤によって膨潤することなく優れた接着性を発揮するもので、この第1の樹脂層2を用いた発熱体は、物性的には柔軟性と伸縮性合わせ持つ点に特長があり、3次元曲面の被加熱体への装着及び伸縮が可能であると同時に、抵抗値の安定性及び長期の信頼性を両立できるものである。
なお、実施の形態10では、第1の樹脂層2に、官能基を導入したポリオレフィン樹脂をブレンドした樹脂を用いたが、オレフィン系熱可塑エラストマに官能基を導入することも可能であり、この場合、官能基を導入したポリオレフィン樹脂をブレンドする必要はなくなる。また、官能基を導入したポリオレフィン樹脂にも様々な種類があり、酢酸ビニルやアクリレートとの共重合ポリオレフィンやイオン架橋型のアイオノマー、さらにマレイン酸などをグラフトあるいは共重合などによって導入したポリオレフィンなどから選定できる。また、ポリオレフィン系以外の熱可塑エラストマでも官能基を導入したものがあり、必要に応じてこのような樹脂の中から選定することも可能である。
以上のように、本発明にかかる発熱体は、伸縮性を有し、また3次元曲面への装着が可能であるため、伸縮性を必要とする場所や3次元曲面を有する場所に装着する発熱体や、身体が接する面、例えば座席の面に装着する発熱体に適用できる。
本発明の実施の形態1の発熱体の構造を示す平面図 本発明の実施の形態1の発熱体の引張特性を示すグラフ 本発明の実施の形態1の発熱体の信頼性特性を示すグラフ 従来の発熱体の構成を示す斜視図
符号の説明
1 第1の補強層
2 第1の樹脂層
3 基材
4 電極
5 抵抗体
6 給電線
7 第2の樹脂層
8 第2の補強層
9 被覆材

Claims (28)

  1. エラストマ性状を有する第1の樹脂層と第1の補強層を積層してなる基材と、前記基材の前記樹脂層の面に形成されてなる一対の電極と、前記一対の電極の面に形成される抵抗体と、前記基材と前記電極と前記抵抗体の表面全体を被覆するとともに前記第1の樹脂層に熱融着可能な第2の樹脂層と第2の補強層を積層してなる被覆材と、前記一対の電極の端部に形成された一対の給電線よりなり、前記第1の補強層及び前記第2の補強層の少なくとも一方の存在により、前記抵抗体の電圧印加方向への伸縮性を制限してなる発熱体。
  2. 第1の補強層及び第2の補強層の双方の存在により、抵抗体の電圧印加方向への伸縮性を制限されてなる請求項1に記載の発熱体。
  3. 第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が特定方向に揃って配列された長繊維によって伸縮性を制限されてなる請求項1または2に記載の発熱体。
  4. 第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が直交方向に交差した長繊維によって伸縮性を制限されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の発熱体。
  5. 第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が長繊維を特定方向に揃って配列することによって伸縮性を制限された層と、繊維交絡によって形成された不織布よりなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の発熱体。
  6. 第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が繊維交絡によって形成された不織布よりなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の発熱体。
  7. 第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方がポリエステル系である請求項1〜6のいずれか1項に記載の発熱体。
  8. 長繊維の配列方向と抵抗体への電圧印加方向に所定の角度を設けて形成されてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の発熱体。
  9. 第1の樹脂層は第2の樹脂層の融点において溶融しない樹脂材料を含有してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の発熱体。
  10. 第1の樹脂層はエラストマを含有してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の発熱体。
  11. 第1の樹脂層は熱可塑エラストマを含有してなる請求項10に記載の発熱体。
  12. 熱可塑エラストマはオレフィン系熱可塑エラストマである請求項11に記載の発熱体。
  13. オレフィン系熱可塑エラストマはエチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂との動的架橋による熱可塑エラストマを含有してなる請求項12に記載の発熱体。
  14. オレフィン系熱可塑エラストマは重合反応によるプロピレン系熱可塑エラストマを含有してなる請求項12に記載の発熱体。
  15. 熱可塑エラストマは重合反応によるエチレンプロピレン系熱可塑エラストマを含有してなる請求項12に記載の発熱体。
  16. 第1の樹脂層はエラストマと溶融時高延伸性樹脂を含有してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の発熱体。
  17. エラストマはオレフィン系熱可塑エラストマであり、溶融時高延伸性樹脂はスチレン系熱可塑エラストマである請求項16に記載の発熱体。
  18. エラストマはエチレンプロピレン樹脂とプロピレン樹脂との動的架橋によるオレフィン系熱可塑エラストマであり、溶融時高延伸性樹脂は重合反応によるオレフィン系熱可塑エラストマである請求項16に記載の発熱体。
  19. 第1の樹脂層は電極あるいは抵抗体を形成する際の前記抵抗体あるいは前記電極に含有される溶剤によって膨潤作用を受けるが、第1の補強層が前記第1の樹脂層の膨潤による膨張を抑制してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の発熱体。
  20. 第1の樹脂層はウレタン系熱可塑エラストマを含有してなる請求項19に記載の発熱体。
  21. 第1の樹脂層はエステル系熱可塑エラストマを含有してなる請求項19に記載の発熱体。
  22. 第1の樹脂層はオレフィン系エラストマと官能基導入オレフィン樹脂を含有してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の発熱体。
  23. 第1の樹脂層は官能基を導入した熱可塑エラストマである請求項1〜9のいずれか1項に記載の発熱体。
  24. 第1の補強層及び第2の補強層の少なくとも一方が、第1の樹脂層又は第2の樹脂層の含浸によって補強され、伸縮性を制限されてなる請求項1または2に記載の発熱体。
  25. 基材の伸縮性は第1の補強層の特定方向に揃って配列された長繊維によって制限され、被覆材は第2の樹脂層の含浸によって補強され、伸縮性を制限されてなる請求項1または2に記載の発熱体。
  26. 第2の補強層はニット編み層を含んでなる請求項25に記載の発熱体。
  27. 第2の補強層は繊維交絡によって形成された不織布層を含んでなる請求項25に記載の発熱体。
  28. 第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方が、第1の補強層あるいは第2の補強層に積層された繊維交絡による不織布の面に形成されてなる請求項5に記載の発熱体。
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