JP2005228546A - 発熱体 - Google Patents

発熱体 Download PDF

Info

Publication number
JP2005228546A
JP2005228546A JP2004034667A JP2004034667A JP2005228546A JP 2005228546 A JP2005228546 A JP 2005228546A JP 2004034667 A JP2004034667 A JP 2004034667A JP 2004034667 A JP2004034667 A JP 2004034667A JP 2005228546 A JP2005228546 A JP 2005228546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame retardant
heating element
nonwoven fabric
element according
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004034667A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahito Ishii
隆仁 石井
Keizo Nakajima
啓造 中島
Masayuki Terakado
誠之 寺門
Takehiko Shigeoka
武彦 重岡
Kazuyuki Obara
和幸 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004034667A priority Critical patent/JP2005228546A/ja
Publication of JP2005228546A publication Critical patent/JP2005228546A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】柔軟性と難燃性を有する発熱体を実現すること。
【解決手段】柔軟性を有する難燃性ベース不織布2と、該難燃性ベース不織布2に貼り合わされた柔軟性を有する難燃性ベースフィルム5と、該難燃性ベースフィルム5上に印刷により形成された電極6と、該電極6により給電される高分子抵抗体7と、さらに前記電極6、高分子抵抗体7及び難燃性ベースフィルム5と接合する柔軟性を有する難燃性カバーフィルム8と、この難燃性カバーフィルム8と貼り合わされる柔軟性を有する難燃性カバー不織布9とから構成されている。これによって、柔軟性と難燃性を有する発熱体を実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は発熱体に関し、更に詳しくは、柔軟性と難燃性を有し、高分子抵抗体のジュール熱によって発熱する安全性の高い発熱体に関する。
従来、この種の発熱体は、図2に示したように、ポリエステルシートなどの電気絶縁性の基材50上に、導電性ペーストを印刷・乾燥して得られる一対の櫛形電極51・52と、これにより給電される位置に高分子抵抗体インクを印刷・乾燥して得られる高分子抵抗体53を設け、さらに基材50と同様の材質の被覆材54で櫛形電極51・52及び高分子抵抗体53を被覆して保護する構成としたものである。
基材50及び被覆材54としてポリエステルフィルムを用いる場合には被覆材54に例えばポリエチレン系の熱融着性樹脂55をあらかじめ接着しておき、熱時加圧することにより、基材50と被覆材54とを熱融着性樹脂55を介して接合してなる。
図2(a)は発熱体の平面図、図2(b)は図2(a)のx−y線断面側面図である。図において、櫛形電極51・52及び高分子抵抗体53は外界から隔離され、長期信頼性を付与される。熱時加圧手段としては、2本の熱ロールを備えたラミネーター58が用いられる。
従来から、印刷により高分子抵抗体を形成してこれを発熱体として用いた例としては、露・霜除去用として自動車のドアミラー、洗面台のミラー等がある。使用形態は折り曲げなどの機械的ストレスが加わるものではなく、ミラー背面に貼り付けて固定して用いられていた。また、安全対策として、温度ヒューズやサーモスタット等を面状発熱体の発熱温度を代表する部位に装着していた。なお、実用上は給電のために端子が必要であるが、図示していない。
この高分子抵抗体53を形成する高分子抵抗体インクとしては、ベースポリマーと、カーボンブラック、金属粉末、グラファイトなどの導電性物質を溶媒に分散してなり、特に、ベースポリマーとしてエチレン酢酸ビニル共重合体や低密度ポリエチレン等の結晶性樹脂を用いてPTC特性を持たせたものが多い(例えば、特許文献1・2・3参照)。
また、PTC特性を有するものであれば、上述した発熱体以外に過電流保護素子としても利用されている。PTC特性とは、温度上昇によって抵抗値が上昇し、ある温度に達すると抵抗値が急激に増加する抵抗温度特性(抵抗が正の温度係数を有する意味の英語 Positive Temperature Coefficient の頭文字を取っている)を意味しており、PTC特性を有する高分子抵抗体53は、自己温度調節機能を有する発熱体として提供できる。
特開昭56−13689号公報 特開平6−96843号公報 特開平8−120182号公報
しかしながら、前記従来の発熱体では、基材、及び被覆材としてポリエステルフィルムを用い、折り曲げると音鳴りや破損に至るため、そうした用途には適用できない。さらに、こうした柔軟性の欠如と併せて、伸縮性の欠如から、これら柔軟性と伸縮性が要求される発熱体として、例えば、カーシートヒータのような人の着座感を損なわないことや安全性に細心の注意が払われる製品への応用はできなかった。PTC特性を有する高分子抵抗体を用いているものの着火などの異常時には通常良く燃えるものであるので、これに対処する必要があるが、着座部位に配置された高分子抵抗体に温度ヒューズやサーモスタット等の安全装置を付けることはできない。その解決策として、発熱体に難燃性(自己消火性もしくは不燃性)を付与することが考えられるが、上述した応用ができないことで発熱体の難燃性付与は取り組まれていなかった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、柔軟性と伸縮性と難燃性を有する高分子抵抗体を用いた面状の発熱体を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の発熱体は、柔軟性を有する難燃性ベース不織布と、前記難燃性ベース不織布に貼り合わされた柔軟性を有する難燃性ベースフィルムと、前記難燃性ベースフィルム上に形成された電極と、前記電極により給電される高分子抵抗体と、前記電極、高分子抵抗体及び前記難燃性ベースフィルムと接合する柔軟性を有する難燃性カバーフィルムと、前記難燃性カバーフィルムと貼り合わされる柔軟性を有する難燃性カバー不織布とを備えたものである。
本発明によれば、柔軟性と伸縮性と難燃性を有する高分子抵抗体を用いた面状の発熱体の実現を可能にし、これによって、例えば、上記のような厳しい特性が強く要求されるカーシートヒータやハンドルヒータなどに応用できるという効果を奏する。
第1の発明は、柔軟性を有する難燃性ベース不織布と、前記難燃性ベース不織布に貼り合わされた柔軟性を有する難燃性ベースフィルムと、前記難燃性ベースフィルム上に印刷により形成された電極と、前記電極により給電される高分子抵抗体と、前記電極、高分子抵抗体及び前記難燃性ベースフィルムと接合する柔軟性を有する難燃性カバーフィルムと、前記難燃性カバーフィルムと貼り合わされる柔軟性を有する難燃性カバー不織布とからなり、柔軟性と難燃性を有する発熱体を提供できる。
第2の発明は、難燃性ベース不織布または難燃性カバー不織布として、分子内に難燃剤を共重合したものや、難燃剤を含浸させたもののいずれか、またはこれらを組み合わせて用いてなり、難燃性の高い不織布を提供できる。
第3の発明は、難燃性ベースフィルムは、熱可塑性エラストマーと接着性樹脂と難燃剤と添加剤とからなり、柔軟・伸縮性、耐熱性、電極や高分子抵抗体との密着性、および難燃性に優れたベースフィルムを提供できる。
第4の発明は、難燃性カバーフィルムは、オレフィン系樹脂と接着性樹脂と難燃剤と添加剤とからなり、柔軟・伸縮性、電極や高分子抵抗体との密着性、および難燃性に優れたカバーフィルムを提供できる。
第5の発明は、難燃剤として、りん系難燃剤、窒素系難燃剤のいずれか、またはこれらを組み合わせてもちいてなり、難燃効果の高い難燃剤を提供できる。
第6の発明は、りん系難燃剤として、ポリ燐酸アンモニウム、窒素系難燃剤としてトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを用いてなり、難燃効果の高い難燃剤を提供できる。
第7の発明は、添加剤は、少なくとも流動性付与剤、発泡防止剤とからなり、難燃剤添加による流動性低下を防止して加工性を維持するとともに、加工時に発生する樹脂および難燃剤の水分や分解生成ガスを捕捉してフィルム化を円滑に行うことができる。
第8の発明は、流動性付与剤は、フッ素系樹脂、シリコーンの改質剤のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いてなり、加工時の難燃剤添加樹脂の流動性を改善できる。
第9の発明は、発泡防止剤として、生石灰、シリカゲル、ゼオライトの粉末のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いてなり、加工時に発生する樹脂および難燃剤の水分や分解生成ガスを捕捉してフィルム化を円滑に行うことができる。
第10の発明は、難燃性ベースフィルムと難燃性ベース不織布の貼り合わせ、または難燃性カバーフィルムと難燃性カバー不織布の貼り合わせを、Tダイ押し出し、接着芯、または接着剤のいずれか、またはこれらを組み合わせてなり、不織布とフィルムの張り合わせによる固くなる現象を防止することができる。
第11の発明は、難燃性ベースフィルムと前記難燃性ベースフィルム上に形成された電極および高分子抵抗体にTダイ押し出しにより難燃性カバーフィルムを貼り合わせてのち、前記難燃性カバーフィルムに接着芯、接着剤のいずれかにより難燃性カバー不織布を貼り合わせてなり、柔軟性および量産性に優れた発熱体を提供できる。
第12の発明は、難燃性ベース不織布、難燃性カバー不織布の少なくとも一方を100g以上200gまでの目付としてなり、着座感に優れた発熱体を提供できる。
第13の発明は、難燃性ベース不織布、難燃性カバー不織布の少なくとも一方の素材を伸縮性素材としてなり、さらなる柔軟性と伸縮性を付与することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図1(a)は平面図、図1(b)は(a)のx−y線における断面側面図である。
図1において、発熱体1の構成は以下の通りである。2は、柔軟性を有する難燃性ベース不織布であり、難燃剤を共重合したポリエステル繊維(商品名ハイム:東洋紡績(株)製)から形成したスパンレース3(目付40g/m)と伸びを規制する方向(電極の主電極の長手方向)に配置したポリエステルのストレート繊維4(商品名ミライフ:新日石プラスト(株)、目付20g/m)とを通常に比べて微小径のサーマルボンドにより作製したスパンボンド(目付60g/m)である。5は、柔軟性を有する難燃性ベースフィルムであり、2種類のオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO:重合反応型とコンパウンド型の等量ブレンド)70部とマレイン酸等の接着性官能基を有するオレフィン系の接着性樹脂30部からなる樹脂組成物で、りん系と窒素系とを組み合わせてなる難燃剤を5重量パーセント、さらに流動性付与剤としてテフロン(R)微粉末を0.3重量パーセント、発泡防止剤としてシリカゲル微粉末を1.5重量パーセントからなり、Tダイ押し出しにより50〜60ミクロンの厚みで難燃性ベース不織布2のスパンレース3面に貼り合わされる。この難燃性ベースフィルム5上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の櫛形の電極6と、電極6により給電される位置に高分子抵抗体インクの印刷・乾燥により高分子抵抗体7を作製した。高分子抵抗体は、PTC特性を有し、カーシート用として発熱温度が45℃程度に成るように作製されている。高分子抵抗体インクは、エチレン酢酸ビニル共重合体を数種類組み合わせてこれにカーボンブラックを混練・架橋したものをアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化して作製した。
8は、難燃性カバーフィルムであり、リニアー型低密度ポリエチレン(LLDPE)50部とコンパウンド型TPO 20部とオレフィン系の接着性樹脂30部とからなる樹脂組成物で、さらに、上述したものと同様の難燃剤を10重量パーセントと、さらに流動性付与剤としてテフロン(R)微粉末を0.3重量パーセント、発泡防止剤としてシリカゲル微粉末を1.5重量パーセントからなり、Tダイ押し出しにより50〜60ミクロンの厚みで難燃性カバー不織布9に貼り合わされる。難燃性カバー不織布9は、液状の難燃剤を含浸・乾燥してなる難燃剤含浸ポリエステルからなるニードルパンチ(目付150g/m)とした。難燃性カバーフィルム8と難燃性カバー不織布9とを予め貼り合わせたものを用いて、難燃性カバーフィルム8と難燃性ベースフィルム5とをラミネーターにより熱融着して電極6及び高分子抵抗体7を難燃性ベースフィルム5と難燃性カバーフィルム8間に密閉して発熱体1を作製した。
この構成により、自動車用難燃規格(FMVSS302)の評価により、不燃性を確認した(水平に配置、端面より着火、標線38mmまで達することなく燃焼停止)。実際にカーシートに装着した着座感では、現行の不織布・線状タイプのシートヒータと同等の評価を得た。シートヒータとしての着座感には、柔軟性、伸縮性、クッション性が関係しているが、全てを満足するものであった。以下、各構成要素について述べる。
難燃性ベース不織布2または難燃性カバー不織布9としては、上述したように分子内に難燃剤を共重合したものや、難燃剤を含浸させたもののいずれか、またはこれらを組み合わせて用いる。このことにより、分子内に難燃剤を共重合したものは限られた種類の難燃剤しか用いることができないが、液状の難燃剤は種々市販されており、タイプの異なる難燃剤を組み合わせて効果的な難燃性を持たせることができる。
難燃性ベースフィルム5は、熱可塑性エラストマーと接着性樹脂と難燃剤と添加剤とからなる。熱可塑性エラストマーは柔軟性と伸縮性と耐熱性、接着性樹脂は電極6と高分子抵抗体7との密着性を付与するために用いられている。熱可塑性エラストマーによる耐熱性は、電極6や高分子抵抗体7の印刷後の乾燥温度に耐えうることを意味する。本実施の形態においては、150℃30分程度の雰囲気に耐えるものでなければならなかった。そのために、170℃程度の融点を有するオレフィン系の熱可塑性エラストマーを用いている。難燃剤は難燃性を付与するために用いられる。
難燃剤として、難燃剤の添加濃度は高いほど高い難燃性を付与できる。難燃剤を20重量パーセント添加して、難燃性カバーフィルム8も同様の難燃剤添加濃度とした組合せにおいて、ベース不織布やカバー不織布に難燃性を持たせなくても通常のポリエステル不織布を用いて自己消火性、さらに難燃剤濃度を30重量パーセントにした場合には、同条件で不燃性とすることができる。しかしながら、難燃剤を樹脂ベースに添加すると、樹脂ベースの溶融粘度が上昇するとともに樹脂ベースの粘りが低下して、薄肉のフィルム化が困難となる。15重量パーセントの難燃剤の添加でMFRが3.5から0.5に低下した(210℃/5kg)。これを改良するために、添加剤としてテフロン(R)の微粉末等の流動性付与剤が必要となる。0.3重量パーセントの添加で難燃剤無添加レベルのMFRに改善することができた。
さらに、フィルム化にはTダイ押し出しやインフレーション成型に拘わらず、樹脂ベースの流動性を高めるために、高い成型温度(通常、220℃以上、最高250℃以上)が要求される。こうした高い成型温度では、樹脂ベースに吸着された水分や、樹脂ベースそのものや難燃剤自身の熱分解による若干のガス発生がともなう。これらのガスを吸着除去するために添加剤として例えば、シリカゲル微粉末等の発泡防止剤を1〜2重量パーセント添加する。これにより、樹脂ベースの発泡を抑制して所定厚みのフィルム化が可能となった。
難燃性カバーフィルム8は、オレフィン系樹脂と接着性樹脂と難燃剤と添加剤とからなる。難燃性ベースフィルム5ほどの耐熱性は不要で、電極6や高分子抵抗体7を熱融着により量産的に被覆することが要求されている。そのために、融点が110℃程度のオレフィン系樹脂をベースとして柔軟性と加工性を、接着性樹脂は、電極6や高分子抵抗体7との密着性を付与する目的で用いられている。伸縮性を付与するために、少量のオレフィン系熱可塑性エラストマーを添加しても良い。難燃剤、添加剤については、難燃性ベースフィルム5の項で述べたので、省略する。
次に、難燃剤について述べる。難燃剤に要求される最大の特性は、難燃性はもとより、高分子抵抗体の電気特性(抵抗値、PTC特性を有する場合には抵抗温度特性)に影響を与えないことである。種々検討の結果、難燃剤として、りん系難燃剤、窒素系難燃剤のいずれか、またはこれらを組み合わせてもちいたものが有効であった。ハロゲン系難燃剤は、電極6(材質:銀)との反応性や環境問題の点で取り扱わなかった。とくに、りん系難燃剤として、ポリ燐酸アンモニウム、窒素系難燃剤としてトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを組み合わせて用いたものは難燃効果も高く有効であった。
添加剤は、少なくとも流動性付与剤、発泡防止剤とからなることは上述した。流動性付与剤としては、フッ素系樹脂、シリコーンの改質剤のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いることができる。発泡防止剤として、生石灰、シリカゲル、ゼオライトの粉末のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いることができる。
また、難燃性ベースフィルム5と難燃性ベース不織布2の貼り合わせ、または難燃性カバーフィルム8と難燃性カバー不織布9の貼り合わせを、Tダイ押し出し、接着芯、または接着剤のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いて、柔軟性を付与できる。通常、Tダイ押し出しによるフィルムと不織布との貼りあわせは、一段で加工ができるために低コストで魅力があるが、そのままではフィルム樹脂が高温で流動性の高い状態で不織布に接触するためにフィルム樹脂が不織布内に含浸する。不織布として用いているポリエステル繊維どうしが滑ることで柔軟性を発揮しているが、フィルム樹脂含浸によりこの滑りを抑制することで柔軟性が損なわれる。
よって、難燃性ベース側と難燃性カバー側のどちらかであればまだしも、両側でこれを組み合わせると得られる発熱体は柔軟性に欠け、ごわごわしたものとなる。Tダイ押し出しによる樹脂含浸量の調節は可能であるので極力含浸量を少なくすることで柔軟性を維持できる。熱融着性樹脂によりネット状に構成された接着芯では不織布とフィルムとの接合が部分的となるので柔軟性を維持できる。接着剤を用いれば、スプレーコート等によって塗布量が少なく、柔軟な接着剤、例えばスチレン系エラストマー等を用いることができるため、柔軟性に優れた発熱体を提供できる。
難燃性ベースフィルム5とこの上に形成された電極および高分子抵抗体にTダイ押し出しにより難燃性カバーフィルム8を貼り合わせてのち、これに接着芯、接着剤のいずれかにより難燃性カバー不織布9を貼り合わせることで、難燃性カバーフィルム8を個別に取り扱う必要性がないため加工上有効である。
また、難燃性ベース不織布2、難燃性カバー不織布9の少なくとも一方を100g以上200gまでの目付としたもの、クッション性がありシートヒータとしての着座感発揮のために有効である。特に150gの目付のニードルパンチは汎用性があり低コストのため最良である。
難燃性ベース不織布、難燃性カバー不織布の少なくとも一方の素材を伸縮性素材、具体的には、ウレタン系、オレフィン系、スチレン系、ポリエステル系の熱可塑性エラストマーやウレタン発泡体とすることで、柔軟性と伸縮性とクッション性をさらに向上させて、極めて着座感の優れた発熱体を提供できる。
以上のように、本発明にかかる発熱体は、柔軟性と難燃性を併せ持つ安全性の高い発熱体を提供できるので、自動車のカーシートヒータやハンドルヒータ等の用途にも適用できる。
(a)本発明の実施の形態における発熱体の構成を示す一部切り欠き断面平面図(b)x−y線における断面側面図 (a)従来の発熱体の構成を示す断面平面図(b)x−y線における断面側面図
符号の説明
1 発熱体
2 難燃性ベース不織布
5 難燃性ベースフィルム
6 電極
7 高分子抵抗体
8 難燃性カバーフィルム
9 難燃性カバー不織布

Claims (13)

  1. 柔軟性を有する難燃性ベース不織布と、柔軟性を有し前記難燃性ベース不織布に貼り合わされた難燃性ベースフィルムと、前記難燃性ベースフィルム上に形成された電極と、前記電極を介して給電される高分子抵抗体と、柔軟性を有し前記電極、前記高分子抵抗体及び前記難燃性ベースフィルムと接合する難燃性カバーフィルムと、柔軟性を有し前記難燃性カバーフィルムと貼り合わされる難燃性カバー不織布とを備えた発熱体。
  2. 難燃性ベース不織布または難燃性カバー不織布として、分子内に難燃剤を共重合したもの又は難燃剤を含浸させたもののいずれか、又はこれらを組み合わせて用いてなる請求項1記載の発熱体。
  3. 難燃性ベースフィルムは、熱可塑性エラストマー、接着性樹脂、難燃剤及び添加剤とからなる請求項1又は2記載の発熱体。
  4. 難燃性カバーフィルムは、オレフィン系樹脂、接着性樹脂、難燃剤及び添加剤とからなる請求項1、2又は3記載の発熱体。
  5. 難燃剤として、リン系難燃剤若しくは窒素系難燃剤のいずれか、又はこれらを組み合わせてもちいてなる請求項2、3又は4記載の発熱体。
  6. リン系難燃剤としてはポリ燐酸アンモニウム、窒素系難燃剤としてはトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを用いてなる請求項5記載の発熱体。
  7. 添加剤は、少なくとも流動性付与剤、発泡防止剤とからなる請求項3又は4記載の発熱体。
  8. 流動性付与剤は、フッ素系樹脂若しくはシリコーンの改質剤のいずれか、又はこれらを組み合わせて用いてなる請求項7記載の発熱体。
  9. 発泡防止剤は、生石灰、シリカゲル若しくはゼオライトの粉末のいずれか、又はこれらを組み合わせて用いてなる請求項7記載の発熱体。
  10. 難燃性ベースフィルムと難燃性ベース不織布の貼り合わせ若しくは難燃性カバーフィルムと難燃性カバー不織布の貼り合わせを、Tダイ押し出し、接着芯若しくは接着剤のいずれか、又はこれらを組み合わせて用いてなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の発熱体。
  11. 難燃性ベースフィルムと前記難燃性ベースフィルム上に形成された電極および高分子抵抗体にTダイ押し出しにより難燃性カバーフィルムを貼り合わせた後、前記難燃性カバーフィルムに接着芯又は接着剤のいずれかにより難燃性カバー不織布を貼り合わせてなる請求項1〜10のいずれか1項に記載の発熱体。
  12. 難燃性ベース不織布、難燃性カバー不織布の少なくとも一方を100g〜200gまでの目付としてなる請求項1、2、10又は11のいずれか1項に記載の発熱体。
  13. 難燃性ベース不織布、難燃性カバー不織布の少なくとも一方の素材を伸縮性素材としてなる請求項1、2、10、11又は12のいずれか1項に記載の発熱体。
JP2004034667A 2004-02-12 2004-02-12 発熱体 Pending JP2005228546A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004034667A JP2005228546A (ja) 2004-02-12 2004-02-12 発熱体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004034667A JP2005228546A (ja) 2004-02-12 2004-02-12 発熱体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005228546A true JP2005228546A (ja) 2005-08-25

Family

ID=35003085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004034667A Pending JP2005228546A (ja) 2004-02-12 2004-02-12 発熱体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005228546A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005259564A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
JP2005276649A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
JP2006004646A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 柔軟性発熱体
JP2007227281A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 柔軟性ptc発熱体
JP2008041298A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 柔軟性ptc発熱体
JP2008041353A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子発熱体
JP2010513084A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 コロン グロテック,インコーポレイテッド 発熱ファブリックおよびその製造方法
JP2010257682A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Panasonic Corp 面状発熱体
WO2011001953A1 (ja) * 2009-07-03 2011-01-06 株式会社クラベ コード状ヒータと面状ヒータ
JP2014049445A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Wet Automotive Syst Ag 電気ヒータ装置
CN108274468A (zh) * 2018-03-20 2018-07-13 西安理工大学 一种基于介电弹性体的无线操控机器人及控制方法
CN109203509A (zh) * 2018-08-14 2019-01-15 盐城市轩源加热设备科技有限公司 一种硅橡胶加热板成型机及成型工艺
JP2019156278A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 株式会社イノアックコーポレーション 車両内装部材

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5835289U (ja) * 1981-09-01 1983-03-08 松下電器産業株式会社 車輌用シ−トヒ−タ
JPS60194895U (ja) * 1984-06-06 1985-12-25 弘進ゴム株式会社 可撓性面状発熱体
JPS62144931A (ja) * 1985-12-20 1987-06-29 Tokuyama Soda Co Ltd 複合シ−トの製造方法
JPS6361055A (ja) * 1986-08-25 1988-03-17 ヘキスト・アクチエンゲゼルシヤフト 難燃性ポリマ−組成物
JPH01213979A (ja) * 1988-02-20 1989-08-28 Nok Corp 面状発熱体
JPH04325512A (ja) * 1991-04-25 1992-11-13 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリウレタン組成物またはポリウレタン−ウレア組成物及びこれらを用いてなる被覆ロール
JPH05101872A (ja) * 1991-10-09 1993-04-23 Nok Corp 面状発熱体
JPH08229336A (ja) * 1995-03-02 1996-09-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd 光反応性有害物質除去材およびその製造方法
JPH10270154A (ja) * 1997-03-27 1998-10-09 Teijin Ltd 面状発熱体
JP2002172745A (ja) * 2000-12-07 2002-06-18 Mitsubishi Chem Mkv Co 難燃性ポリオレフィン系樹脂製積層シート
JP2002194289A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Nippon Paint Co Ltd 粉体塗料組成物および粉体塗装金属材料
JP2002371250A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Hagihara Industries Inc 粘着テープ用基布
WO2004001775A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 柔軟性ptc発熱体とその製造方法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5835289U (ja) * 1981-09-01 1983-03-08 松下電器産業株式会社 車輌用シ−トヒ−タ
JPS60194895U (ja) * 1984-06-06 1985-12-25 弘進ゴム株式会社 可撓性面状発熱体
JPS62144931A (ja) * 1985-12-20 1987-06-29 Tokuyama Soda Co Ltd 複合シ−トの製造方法
JPS6361055A (ja) * 1986-08-25 1988-03-17 ヘキスト・アクチエンゲゼルシヤフト 難燃性ポリマ−組成物
JPH01213979A (ja) * 1988-02-20 1989-08-28 Nok Corp 面状発熱体
JPH04325512A (ja) * 1991-04-25 1992-11-13 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリウレタン組成物またはポリウレタン−ウレア組成物及びこれらを用いてなる被覆ロール
JPH05101872A (ja) * 1991-10-09 1993-04-23 Nok Corp 面状発熱体
JPH08229336A (ja) * 1995-03-02 1996-09-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd 光反応性有害物質除去材およびその製造方法
JPH10270154A (ja) * 1997-03-27 1998-10-09 Teijin Ltd 面状発熱体
JP2002172745A (ja) * 2000-12-07 2002-06-18 Mitsubishi Chem Mkv Co 難燃性ポリオレフィン系樹脂製積層シート
JP2002194289A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Nippon Paint Co Ltd 粉体塗料組成物および粉体塗装金属材料
JP2002371250A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Hagihara Industries Inc 粘着テープ用基布
WO2004001775A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 柔軟性ptc発熱体とその製造方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005259564A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
JP2005276649A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
JP4639653B2 (ja) * 2004-06-15 2011-02-23 パナソニック株式会社 柔軟性発熱体
JP2006004646A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 柔軟性発熱体
JP2007227281A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 柔軟性ptc発熱体
JP2008041298A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 柔軟性ptc発熱体
JP2008041353A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子発熱体
JP2010513084A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 コロン グロテック,インコーポレイテッド 発熱ファブリックおよびその製造方法
JP2010257682A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Panasonic Corp 面状発熱体
JPWO2011001953A1 (ja) * 2009-07-03 2012-12-13 株式会社クラベ コード状ヒータと面状ヒータ
WO2011001953A1 (ja) * 2009-07-03 2011-01-06 株式会社クラベ コード状ヒータと面状ヒータ
JP5916385B2 (ja) * 2009-07-03 2016-05-11 株式会社クラベ コード状ヒータと面状ヒータ
JP2014049445A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Wet Automotive Syst Ag 電気ヒータ装置
KR101548589B1 (ko) * 2012-08-29 2015-08-31 젠썸 게엠베하 전기 히팅 장치
JP2019156278A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 株式会社イノアックコーポレーション 車両内装部材
JP7255971B2 (ja) 2018-03-15 2023-04-11 株式会社イノアックコーポレーション 車両内装部材
CN108274468A (zh) * 2018-03-20 2018-07-13 西安理工大学 一种基于介电弹性体的无线操控机器人及控制方法
CN108274468B (zh) * 2018-03-20 2020-10-27 西安理工大学 一种基于介电弹性体的无线操控机器人及控制方法
CN109203509A (zh) * 2018-08-14 2019-01-15 盐城市轩源加热设备科技有限公司 一种硅橡胶加热板成型机及成型工艺
CN109203509B (zh) * 2018-08-14 2019-09-17 盐城市轩源加热设备科技有限公司 一种硅橡胶加热板成型机及成型工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1722599B1 (en) Heating element and production method therefor
EP2127473B1 (en) Sheet heating element
CN100536624C (zh) 发热体及其制造方法
JP2005259564A5 (ja)
JP2005228546A (ja) 発熱体
WO2007110976A1 (ja) 面状発熱体とそれを用いた座席
JP2008300050A (ja) 高分子発熱体
CN101578912B (zh) Ptc电阻器
JP2005276649A (ja) 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
JP2006278202A (ja) 高分子発熱体及びその製造方法
RU2403686C1 (ru) Листовой нагревательный элемент
JP4639653B2 (ja) 柔軟性発熱体
JP2011003330A (ja) 面状発熱体およびそれを用いた座席
JP4967278B2 (ja) 高分子抵抗体インク
JP2010257683A (ja) 面状発熱体およびその製造方法
JP2006004646A5 (ja)
JP5126156B2 (ja) 面状発熱体
JP2008041356A (ja) 発熱体
JP2006344872A (ja) 高分子発熱体
JP2006041067A (ja) 高分子発熱体及びその製造方法
JP2006344872A5 (ja)
JP2006216476A (ja) 高分子発熱体
JP2006172971A (ja) 高分子発熱体及びその製造方法
JP2010244971A (ja) 面状発熱体
JP2009140735A (ja) 高分子発熱体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070119

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070214

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100423

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101026