JP2005259564A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2005259564A5
JP2005259564A5 JP2004070410A JP2004070410A JP2005259564A5 JP 2005259564 A5 JP2005259564 A5 JP 2005259564A5 JP 2004070410 A JP2004070410 A JP 2004070410A JP 2004070410 A JP2004070410 A JP 2004070410A JP 2005259564 A5 JP2005259564 A5 JP 2005259564A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
polymer
flame retardant
holder
flame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004070410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005259564A (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP2004070410A priority Critical patent/JP2005259564A/ja
Priority claimed from JP2004070410A external-priority patent/JP2005259564A/ja
Priority to AT05721044T priority patent/ATE480126T1/de
Priority to DE602005023276T priority patent/DE602005023276D1/de
Priority to EP05721044A priority patent/EP1722599B1/en
Priority to PCT/JP2005/004857 priority patent/WO2005089022A1/ja
Priority to US10/592,568 priority patent/US7675004B2/en
Priority to CA2559707A priority patent/CA2559707C/en
Priority to CNB2005800079633A priority patent/CN100536624C/zh
Publication of JP2005259564A publication Critical patent/JP2005259564A/ja
Publication of JP2005259564A5 publication Critical patent/JP2005259564A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Description

高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
本発明は、高分子抵抗体のジュール熱を利用した高分子発熱体及び該発熱体の製造方法に関し、更に詳しくは柔軟性を有し、かつ自己消火性や不燃性など難燃性機能を有する安全性の高い高分子発熱体及び該発熱体の製造方法に関するものである。
従来から、PTC特性を利用したヒータユニットが数多く使用されている。PTC特性とは、温度上昇によって抵抗値が上昇し、ある温度に達すると抵抗値が急激に増加する抵抗温度特性(正の抵抗温度特性を意味する英語Positive Temperature Coefficientの略を意味する)による、自己温度調節機能を示し、特に結晶性高分子中に導電性材料を分散させた高分子抵抗体が広く知られている。その原理は、結晶性高分子が結晶質から非結晶質へ転換する際の急激な体積膨張のために、その中に分散している導電性材料の平均粒子間隔が急激に増大することにより、電流経路が断たれる確率が増大し、その結果、抵抗値も増大するものである。以上のような原理に基づいたヒータユニットは、それ自身で自己温度制御機能を保持するため、その他に安全機能を設ける必要性がなく、また部品点数を少なくできる点でメリットのあるデバイスとして知られている。
これらの構成は、図3に示すように、セラミックや絶縁処理された金属板など、筐体構造としての機能を有するベース材12上に、導電性インキ組成物を印刷、あるいは塗布して得られる電極3と、これにより給電される位置に抵抗体インク組成物を印刷、あるいは塗布して得られる抵抗体4を設け、さらに電極3及び抵抗体4を被覆するカバー材13からなり、発熱体11を形成する。またベース材12及び、カバー材13としてポリエステル繊維などの柔軟性基材を用いる場合には、ベース材12及びカバー材13の内側に、あらかじめポリエチレン系などの熱融着性樹脂14を接着しておき、加熱加圧することにより、ベース材12とカバー材13とを熱融着性樹脂14を介して接合することができ、本発熱体を容易に構成することができる。図3(a)は発熱体の平面図、図3(b)は図3(a)のx−y位置断面図である。櫛形電極3及び抵抗体4は、ベース材12やカバー材13、または熱融着性樹脂14により外界から隔離されるため、長期信頼性を付与されることとなる。
従来から、印刷により高分子抵抗体を形成してこれを発熱体として用いた例としては、露・霜除去用として自動車のドアミラー、洗面台のミラー等がある。使用形態は折り曲げなどの機械的ストレスが加わるものではなく、ミラー背面に貼り付けて固定して用いられていた。また、安全対策として、温度ヒューズやサーモスタット等を面状発熱体の発熱温度を代表する部位に装着していた。そしてこれらの発熱体では、基材及び被覆材としてポリエステルフィルムを用いているため、折り曲げると破損に至るため、そうした用途には適用できない。さらにこうした柔軟性の欠如と併せて、伸縮性の欠如から、これら柔軟性と伸縮性が要求される発熱体として、例えば、座席ヒータのような人の着座感を損なわないことにも注意が必要な製品への応用はできなかった。その解決策として、例えば、柔軟性PTC発熱体として考案されたものがあり、下記特許文献が挙げられる。
特開2003−217904号公報
しかしながら、上記従来の柔軟性基材を用いた高分子発熱体は、通常、高分子樹脂や繊維などの燃えやすい材質で構成されており、家庭用電気器具や自動車用途への暖房用デバイスとしては、耐燃焼性の観点で不充分なものであった。
本発明はさらにこれら柔軟性に加え、難燃性(自己消火性もしくは不燃性)を付与した高分子発熱体及び該発熱体の製造方法を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するための本発明の高分子発熱体は、柔軟性を有する、ベース保持体及びカバー保持体と、前記ベース保持体及び前記カバー保持体とに狭持された一対の電極と、該一対の電極間に形成された高分子抵抗体とを備え、前記ベース保持体、前記カバー保持体及び前記高分子抵抗体の少なくとも一つが難燃性を有するものである。
本発明における柔軟性の定義としては、折り曲げなどの適度な機械的ストレスを受け形状変更が生じても、特性に影響を受けず、また耐久性の能力を保持する状態を意味するもので、形状を変更できないもの、形状変化により性能低下するもの以外を、柔軟性の対象とする。
また難燃性の定義としては、その規格によりHBグレードやV0グレードなどが種々存在するが、難燃処方されていないものに比べ燃焼性が改善された程度のものでも構わない。本発明に示す発熱体がそのまま最終製品として扱われる場合もあるが、発熱体は製品中に組み込まれて使用される場合が多い。そのため発熱体のカバーとしてクッション材やその他樹脂基材などが使用される場合、それら最終製品として要求される難燃性が満たされるような設計となっておれば、発熱体自身が単独で難燃基準を満たさなくても構わない。それぞれの製品が要求される規格値を満たす難燃性を発熱体自身で示し、加工性、コスト条件などの諸条件をクリアするのであればより好ましいのは当然である。
保持体としては、樹脂フィルムのみに挟み込まれた発熱体であっても良いし、またそれら樹脂フィルムと、織布あるいは不織布などで代表される柔軟性を有する保護部材の両方を有していても良い。保持体としては、発熱体を構成する最低機能である電極と高分子抵抗体を被覆する樹脂フィルムを有しておればよい。
これら構成によって、樹脂や不織布といった高分子を主体とする材料を用いて柔軟性を発現させながら、難燃性能を有する構成を提供できるため、最終形態として難燃化仕様が要求される製品などへの展開を図ることが容易となる。
より具体的には柔軟性保持体に難燃性を付与する場合と、高分子抵抗体に難燃性を付与する場合の2通りの手法が存在し、さらに好ましくはそれら両方法を採用しても構わない。これにより、さらに難燃効果を実現でき、より安全性の高い発熱体を提供することができる。
本発明の高分子発熱体は、柔軟性と難燃性を両立させることが可能となるため、従来は限定されていた用途を一気に拡大でき、量産性、安全性、耐久性に優れた商品を安価に提供できることとなる。
第1の発明は、柔軟性を有する、ベース保持体及びカバー保持体と、前記ベース保持体及び前記カバー保持体とに狭持された一対の電極と、該一対の電極間に形成されたPTC特性を有する高分子抵抗体とを備え、前記ベース保持体、前記カバー保持体及び前記高分子抵抗体の少なくとも一つが難燃性を有しており、柔軟性と難燃性を有する高分子型の発熱体を提供できる。
第2の発明は、ベース保持体及びカバー保持体の少なくとも一方が、樹脂フィルムからなり、難燃性を有する発熱体を提供できる。
第3の発明は、ベース保持体及びカバー保持体の少なくとも一方が、ベース保持体及びカバー保持体の少なくとも一方を、樹脂フィルムとし、該樹脂フィルムの外表面を保護部材で被覆されたものからなり、柔軟性、耐熱性、電極や高分子抵抗体との密着性、難燃性に優れた発熱体を提供できる。
第4の発明は、保護部材が、難燃性を有する、織布あるいは不織布からなり、柔軟性、および難燃性に優れた基材を提供できる。
第5の発明は、ベース保持体とカバー保持体の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂からなり、難燃効果の高い柔軟性被覆材を提供できる。
第6の発明は、難燃性が、リン系難燃剤、窒素系難燃剤のいずれか、またはこれらを組み合わせてなり、難燃効果の高い保持体を提供できる。
第7の発明は、PTC特性を有する高分子抵抗体に、結晶性重合体、導電性微粉末及び難燃剤が含まれており、抵抗体自身も難燃性能を保持する。
第8の発明は、難燃剤には、膨張性黒鉛を含み、導電性微粉末との加工時の難燃剤添加樹脂の流動性を改善できる。
第9の発明は、ベース保持体及びカバー保持体の少なくとも一方が、樹脂フィルムと保護部材からなる場合の貼り合わせを、Tダイ押出し、接着芯、または接着剤のいずれかを用いるか、またはこれらを組み合わせてなり、柔軟性を損なうことなく難燃性を示す高分子発熱体が得られる。
第10の発明は、電極およびPTC特性を有する高分子抵抗体に、Tダイ押し出しにより樹脂フィルムを貼り合わせた後、接着芯、接着剤のいずれかにより前記樹脂フィルムに保護部材を貼り合わせてなり、柔軟性および量産性に優れた難燃性を有する高分子発熱体を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本第1及び第2の発明における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図1(a)は平面図、図1(b)は(a)のx−y線断面図である。
図1において、発熱体1の構成は以下の通りである。2は、柔軟性を有するベース保持体として、難燃性を有する樹脂フィルムを用いた場合であり、オレフィン系の熱可塑性樹脂70部とオレフィン系の接着性樹脂30部からなる樹脂組成物で、リン酸アンモニウム系の難燃剤を10重量パーセント、難燃性助剤としてテフロン(登録商標)微粉末を0.3重量パーセントからなり、Tダイ押し出しにより50〜60ミクロンの厚みを得た。図には示していないが、その後の加工工程での扱い上、離型紙を保護部材とし平面性を保持した。この難燃性を有するベース保持体2上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の櫛形の電極3と、電極3により給電される位置に高分子抵抗体インクの印刷・乾燥により高分子抵抗体4を作製した。高分子抵抗体はPTC特性を有し、発熱温度が45℃程度に成るように作製されている。高分子抵抗体インクは、エチレン酢酸ビニル共重合体を数種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化して作製した。
カバー保持体5は、ベース保持体2とほぼ同様の樹脂組成物であり、さらに、上述したものと同様、リン酸アンモニウム系の難燃剤を10重量パーセントと、難燃助剤としてテフロン(登録商標)微粉末を0.3重量パーセントからなり、Tダイ押し出しにより得られ、50〜60ミクロンの厚みを有しており、上述した電極3及び高分子抵抗体4に貼り合わせ、発熱体1を作成した。
この構成により、自動車用難燃規格(FMVSS302)の評価を行ったところ、柔軟性保持体2及び5に難燃剤を全く使用していない場合に比較して、燃焼速度を半分まで抑えられることを確認した。またカーシートのクッション材に貼り合わせ難燃性評価を行ったところ、難燃化の規格条件をクリアできた。また発熱体1の柔軟性は難燃性を付与した場合であっても損なわれることなく、柔軟性と難燃性を満足するものであった。
難燃性能としては、難燃剤の添加濃度は高いほど高い難燃性を付与できる。しかしながら難燃剤を多く添加すると被覆材の柔軟性が損なわれたり、また加工コストがかさむことが考えられる。
難燃剤に要求される最大の特性は、難燃特性はもとより、高分子抵抗体の電気特性(抵抗値、PTC特性を有する場合には抵抗温度特性)に影響を与えないことである。難燃剤種としては、リン系、リン+窒素系、窒素系などの有機系難燃剤やホウ素化合物、酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの無機系の難燃剤を利用することができる。中でも難燃剤として、リン系難燃剤、窒素系難燃剤のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いたものが有効であった。ハロゲン系難燃剤は、電極として用いている銀との反応性が悪く、また環境問題の点で取り扱わなかった。特に、リン系難燃剤として、リン酸アンモニウム、窒素系難燃剤としてトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを組み合わせて用いたものは難燃効果も高く有効であった。
また、リン酸アンモニウム構造を有する難燃剤は250℃程度の高温まで熱分解しにくいものもあり、加工性の点で有利であると考えられる。その他難燃剤以外の添加剤としては、PTC特性や柔軟性、難燃性を阻害しない範囲で適宜用いることができ、例えば流動性付与剤、難燃助剤、発泡防止剤、酸化防止剤、分散剤などを挙げることができる。流動性付与剤としては、フッ素系化合物、シリコーンの改質剤のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いることができる。フッ素系化合物はリンの難燃助剤としてその機能を発現する場合もあり併用して用いられる場合がある。
その他の難燃助剤としては酸化アンチモンなどが挙げられる。発泡防止剤として、生石灰、シリカゲル、ゼオライトの粉末のいずれか、またはこれらを組み合わせて用いることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系やアミン系、イオウ系などのいずれか、またはこれらを組み合わせて用いることができる。また分散剤としては、ステアリン酸の金属塩などを用いることができる。
また、柔軟性被覆材として使用される難燃性樹脂フィルムの作成方法としては、Tダイ以外に、インフレーション法やプレス法、延伸法などにより得ることができる。
(実施の形態2)
図2は、本第3の発明における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図2(a)は平面図、図3(b)は(a)のx−y線断面図である。
図2において、発熱体6の構成は以下の通りである。本発明におけるベース保持体並びにカバー保持体は、それぞれ電極あるいは高分子抵抗体を被覆する樹脂フィルムと、樹脂フィルムの外表面を被覆する保護部材を用いた場合であり、本実施の形態としては、保護部材のみを難燃化処理した場合について具体的に示す。
ベース側の保護部材7は、難燃剤を共重合したポリエステル繊維(東洋紡績(株)製)から形成したスパンレース(目付40g/m)と、伸びを規制する方向(電極の主電極の長手方向)に配置したポリエステルのストレート繊維(新日石プラスト(株)、目付20g/m)とをサーマルボンドにより作製したスパンボンド(目付60g/m)である。ベース側の樹脂フィルム8は、オレフィン系の熱可塑性樹脂70部とオレフィン系の接着性樹脂30部からなる樹脂組成物からなり、Tダイ押し出しにより50〜60ミクロンの厚みを有し、ベース側の保護部材7に貼り合わされ一体化されたベース保持体が形成される。
このベース側の保護部材7とベース側の樹脂フィルム8からなるベース保持体上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の櫛形の電極3と、電極3により給電される位置に高分子抵抗体インクの印刷・乾燥により高分子抵抗体4を作製した。高分子抵抗体は、PTC特性を有し、発熱温度が45℃程度に成るように作製されている。高分子抵抗体インクは、エチレン酢酸ビニル共重合体を数種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化して作製した。
カバー側の樹脂フィルム9は、ベース側の樹脂フィルム7とほぼ同様の樹脂組成物であり、Tダイ押し出しにより50〜60ミクロンの厚みを有し、カバー側の保護部材10に貼り合わされる。カバー側の保護部材10は、液状の難燃剤を含浸・乾燥してなる難燃剤含浸ポリエステルからなるニードルパンチ(目付150g/m)とした。カバー側の樹脂フィルム9とカバー側の保護部材10とを予めラミネーターにより貼り合わせたものを用いてカバー保持体を構成し、電極3及び高分子抵抗体4を密閉して発熱体6を作製した。
この構成により、自動車用難燃規格(FMVSS302)の評価を行ったところ、不燃性を確認した(水平に配置、端面より着火、標線38mmまで達することなく燃焼停止)。また発熱体6の柔軟性は損なわれることなく、柔軟性と難燃性を満足するものであった。
難燃性を付与した柔軟性基材としては、上述したように分子内に難燃剤を共重合したものや、難燃剤を含浸させたもの、またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。分子内に難燃剤を共重合したものは限られた種類の難燃剤しか用いることができないが、液状の難燃剤は種々市販されており、タイプの異なる難燃剤を組み合わせて効果的な難燃性を持たせることができる。
また、本実施の形態では基材のみを難燃化処理した場合を示したが、樹脂フィルムを難燃した場合であっても良いことは言うまでもない。また条件や基材、被覆材の難燃化比率によっては、上下とも同一の難燃剤含有量にする必要はなく、どの様な比率の組合せであっても良い。それら難燃化の比率は、発熱体を加工する際の量産加工性や量産時のコストによって決まることが多い。また本実施の形態では上下に柔軟性基材を有した場合について記述したが、最終製品に準じた形態でどちらか一方にのみ基材を有する場合であっても構わない。
また、樹脂フィルムと保護部材との貼り合わせを、Tダイ押し出し、接着芯、または接着剤のいずれか、またはこれらを組み合わせて強度を調整することにより、柔軟性を付与できる。通常、Tダイ押し出しによるフィルムと、不織布や織布との貼りあわせは、一段で加工ができるために低コストで魅力があるが、そのままではフィルム樹脂が高温で流動性の高い状態で不織布に接触するためにフィルム樹脂が不織布内に含浸する。不織布として用いているポリエステル繊維どうしが滑ることで柔軟性を発揮しているが、フィルム樹脂含浸によりこの滑りを抑制することで柔軟性が損なわれる。それをTダイ押し出しによる樹脂含浸量の調節により、柔軟性を発現できることを見出した。熱融着性樹脂によりネット状に構成された接着芯では不織布とフィルムとの接合が部分的となるので柔軟性を維持できる。接着剤を用いれば、スプレーコート等によって塗布量が少なく、柔軟な接着剤、例えばスチレン系エラストマー等を用いることができるため、柔軟性に優れた発熱体を提供できる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、本第1及び第7の発明における高分子抵抗体が難燃かされた場合についての構成を示す。構成例としては図1と同様である。
本実施の形態における発熱体1の構成は以下の通りである。2は、ベース保持体として、オレフィン系の熱可塑性樹脂70部とオレフィン系の接着性樹脂30部からなる樹脂組成物で、Tダイ押し出しにより50〜60ミクロンの厚みを有する。この時その後の加工工程での扱い上、離型紙などで平面性を保持した状態で用いることもできる。このベース保持体2上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の櫛形の電極3と、電極3により給電される位置に高分子抵抗体インクの印刷・乾燥により高分子抵抗体4を作製した。高分子抵抗体はPTC特性を有し、発熱温度が45℃程度に成るように作製されている。高分子抵抗体インクは、エチレン酢酸ビニル共重合体を数種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムと、難燃剤として膨張性黒鉛を有する膨張材とを加え、バインダーとして溶剤でインク化した後作製した。
また、カバー保持体5は、ベース保持体2とほぼ同様の樹脂組成物であり、Tダイ押し出しにより得られ、50〜60ミクロンの厚みを有し、上述した電極3及び高分子抵抗体4に貼り合わせ、発熱体1を作成した。
この構成により、自動車用難燃規格(FMVSS302)の評価を行ったところ、高分子抵抗体に難燃剤を全く使用していない場合に比較して、燃焼速度を半分まで抑えられることを確認した。またカーシートのクッション材に貼り合わせ難燃性評価を行ったところ、難燃化の規格条件をクリアできた。また発熱体1の柔軟性は損なわれることなく、柔軟性と難燃性を満足するものであった。
本実施の形態においては、高分子抵抗体のみに難燃性を付与させる場合について紹介したが、実施の形態1及び2で記述した構成との組合せ、つまりベース保持体やカバー保持体、高分子抵抗体の全てに難燃機能を付与させても、さらに難燃性能が向上するため都合よい。
以上のように、本発明にかかる発熱体は、柔軟性と難燃性を併せ持つ安全性の高い発熱体を提供できるので、カーシートヒータやハンドルヒータ等への応用展開が可能となる。
(a)本発明の実施の形態1における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)同発熱体の断面図 (a)本発明の実施の形態2における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)同発熱体の断面図 (a)従来の発熱体を示す平面図(b)同発熱体の断面図
符号の説明
1、6、11 発熱体
2 ベース保持体
3 電極
4 高分子抵抗体
5 カバー保持体
7 ベース側の保護部材
8 ベース側の樹脂フィルム
9 カバー側の樹脂フィルム
10 カバー側の保護部材
12 ベース材
13 カバー材
14 熱融着性樹脂

Claims (10)

  1. 柔軟性を有する、ベース保持体及びカバー保持体と、前記ベース保持体及び前記カバー保持体とに狭持された一対の電極と、該一対の電極間に形成されたPTC特性を有する高分子抵抗体とを備え、前記ベース保持体、前記カバー保持体及び前記高分子抵抗体の少なくとも一つが難燃性を有する高分子発熱体。
  2. ベース保持体及びカバー保持体の少なくとも一方が、樹脂フィルムである請求項1記載の高分子発熱体。
  3. ベース保持体及びカバー保持体の少なくとも一方を、樹脂フィルムとし、該樹脂フィルムの外表面を保護部材で被覆した請求項1記載の高分子発熱体。
  4. 保護部材は難燃性を有する、織布あるいは不織布である請求項3記載の高分子発熱体。
  5. ベース保持体とカバー保持体の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  6. 難燃性が、リン系難燃剤、窒素系難燃剤のいずれかまたはこれらを組み合わせて発現される請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  7. PTC特性を有する高分子抵抗体には、結晶性重合体、導電性微粉末及び難燃剤が含まれている請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  8. 難燃剤には、膨張性黒鉛が含まれている請求項7記載の高分子発熱体。
  9. ベース保持体及びカバー保持体の少なくとも一方が、樹脂フィルムと保護部材からなる場合の貼り合わせを、Tダイ押出し、接着芯、または接着剤のいずれかを用いるか、またはこれらを組み合わせて用いてなる請求項3記載の高分子発熱体の製造方法。
  10. 電極及びPTC特性を有する高分子抵抗体に、Tダイ押し出しにより樹脂フィルムを貼り合わせた後、接着芯、接着剤のいずれかにより、前記樹脂フィルムに保護部材を貼り合わせてなる請求項3または9に記載の高分子発熱体の製造方法。
JP2004070410A 2004-03-12 2004-03-12 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法 Pending JP2005259564A (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070410A JP2005259564A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
CNB2005800079633A CN100536624C (zh) 2004-03-12 2005-03-11 发热体及其制造方法
PCT/JP2005/004857 WO2005089022A1 (ja) 2004-03-12 2005-03-11 発熱体とその製造方法
DE602005023276T DE602005023276D1 (de) 2004-03-12 2005-03-11 Heizelement und herstellungsverfahren dafür
EP05721044A EP1722599B1 (en) 2004-03-12 2005-03-11 Heating element and production method therefor
AT05721044T ATE480126T1 (de) 2004-03-12 2005-03-11 Heizelement und herstellungsverfahren dafür
US10/592,568 US7675004B2 (en) 2004-03-12 2005-03-11 Heating element and production method thereof
CA2559707A CA2559707C (en) 2004-03-12 2005-03-11 Heating element and production method therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070410A JP2005259564A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005259564A JP2005259564A (ja) 2005-09-22
JP2005259564A5 true JP2005259564A5 (ja) 2007-04-12

Family

ID=35085070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004070410A Pending JP2005259564A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2005259564A (ja)
CN (1) CN100536624C (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090051196A1 (en) * 2006-03-29 2009-02-26 Matsushita Electric Industrial., Ltd. Sheet heating element and seat making use of the same
WO2007120004A1 (en) * 2006-04-17 2007-10-25 Solco Biomedical Co., Ltd. Method for bending the self-regulating cable and heating mat for protecting over-heating
JP4967641B2 (ja) * 2006-12-18 2012-07-04 パナソニック株式会社 高分子発熱体
JP2008293670A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Panasonic Corp 抵抗体組成物およびこれを用いた面状発熱体
JP2008293671A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Panasonic Corp 抵抗体組成物およびこれを用いた面状発熱体
JP4877066B2 (ja) * 2007-05-22 2012-02-15 パナソニック株式会社 抵抗体組成物およびこれを用いた面状発熱体
JP5125581B2 (ja) * 2008-02-18 2013-01-23 パナソニック株式会社 面状発熱体
JP2010129425A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Panasonic Corp 抵抗体組成物およびこれを用いた発熱体
JP2010244971A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Panasonic Corp 面状発熱体
JP5126156B2 (ja) * 2009-04-23 2013-01-23 パナソニック株式会社 面状発熱体
KR101265895B1 (ko) 2009-10-21 2013-05-20 (주)엘지하우시스 발열 필름 및 그를 포함하는 발열 제품
US8263202B2 (en) * 2010-03-19 2012-09-11 Glenn Danny E Film based heating device and methods relating thereto
CN105072710B (zh) * 2015-08-24 2017-03-22 江苏源之翼电气有限公司 叠装大功率ptc加热器
EP3511158A4 (en) * 2016-09-12 2020-04-08 Sekisui Chemical Co., Ltd. RESIN LAMINATE
US11723573B2 (en) * 2017-01-25 2023-08-15 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Stretchable raised electrode and method of manufacturing thereof
KR20200038270A (ko) * 2017-08-04 2020-04-10 닛토덴코 가부시키가이샤 히터
JP7162461B2 (ja) * 2017-08-04 2022-10-28 日東電工株式会社 ヒータ用部材、ヒータ用テープ、及びヒータ用部材付成形体
KR101813685B1 (ko) * 2017-09-05 2017-12-29 주식회사 명신메디칼 면상발열체의 제조방법
CN110139408B (zh) * 2019-05-30 2021-10-08 上海交通大学 一种板式电加热器

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60194895U (ja) * 1984-06-06 1985-12-25 弘進ゴム株式会社 可撓性面状発熱体
JPH0746629B2 (ja) * 1986-12-09 1995-05-17 松下電器産業株式会社 正抵抗温度係数発熱体
JPH01213979A (ja) * 1988-02-20 1989-08-28 Nok Corp 面状発熱体
JPH01213978A (ja) * 1988-02-21 1989-08-28 Nok Corp 面状発熱体
JPH11345703A (ja) * 1998-06-03 1999-12-14 Denki Kagaku Kogyo Kk Ptc素子
WO2000043225A2 (en) * 1999-01-25 2000-07-27 CHIOVATERO, Antoinette Self regulating seat heater
JP4863036B2 (ja) * 2001-07-06 2012-01-25 大日本印刷株式会社 発熱方法
CN100536040C (zh) * 2002-06-19 2009-09-02 松下电器产业株式会社 柔性ptc发热体及其制造方法
JP2005228546A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 発熱体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005259564A5 (ja)
JP2005259564A (ja) 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
CA2675484C (en) Ptc resistor
CA2559707C (en) Heating element and production method therefor
KR101809928B1 (ko) 코드 형상 히터와 면 형상 히터
ES2340077T3 (es) Sistema de calefaccion de superficie.
US20090051196A1 (en) Sheet heating element and seat making use of the same
KR101771769B1 (ko) 전기 절연성 수지 조성물, 및 적층 시트
JP2005228546A (ja) 発熱体
JP4877066B2 (ja) 抵抗体組成物およびこれを用いた面状発熱体
CN116529930A (zh) 有机硅层叠体
JP2008300050A (ja) 高分子発熱体
KR101926907B1 (ko) 열계면 소재 및 그 제작방법
JP2005276649A (ja) 高分子発熱体及び該発熱体の製造方法
JP2006278202A (ja) 高分子発熱体及びその製造方法
CN101578912B (zh) Ptc电阻器
RU2401518C1 (ru) Резистор с положительным температурным коэффициентом
JP4639653B2 (ja) 柔軟性発熱体
JP2011003330A (ja) 面状発熱体およびそれを用いた座席
JP2009140735A (ja) 高分子発熱体
JP2006216476A (ja) 高分子発熱体
JP2006344872A (ja) 高分子発熱体
JP2006344872A5 (ja)
JP2008041356A (ja) 発熱体
JP2006172971A (ja) 高分子発熱体及びその製造方法