JP2006172971A - 高分子発熱体及びその製造方法 - Google Patents

高分子発熱体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐久性、安全性の高い高分子発熱体及び前記発熱体の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】ベース側樹脂フィルム2とカバー側樹脂フィルム5に狭持してなる一対の電極3と、前記一対の電極間に形成された高分子抵抗体4とを備え、前記ベース側樹脂フィルム及び前記カバー側樹脂フィルムの少なくとも一つが、同一樹脂成分からなる多層構造体である高分子発熱体。
【選択図】図3

Description

本発明は、高分子抵抗体のジュール熱を利用した高分子発熱体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、耐久性、安全性の高い高分子発熱体及びその製造方法に関するものである。
従来から、PTC特性を利用したヒータユニットが数多く使用されている。PTC特性とは、温度上昇によって抵抗値が上昇し、ある温度に達すると抵抗値が急激に増加する抵抗温度特性(正の抵抗温度特性を意味する英語Positive Temperature Coefficientの略を意味する)による、自己温度調節機能を示し、特に結晶性高分子中に導電性材料を分散させた高分子抵抗体が広く知られている。その原理は、結晶性高分子が結晶質から非結晶質へ転換する際の急激な体積膨張のために、その中に分散している導電性材料の平均粒子間隔が急激に増大することにより、電流経路が断たれる確率が増大し、その結果、抵抗値も増大するものである。以上のような原理に基づいたヒータユニットは、それ自身で自己温度制御機能を保持するため、その他に安全機能を設ける必要性がなく、また部品点数を少なくできる点でメリットのあるデバイスとして知られている。
これらの構成は、図5に示すように、セラミックや絶縁処理された金属板など、筺体構造としての機能を有するベース材27上に、導電性インキ組成物を印刷、あるいは塗布して得られる電極3と、これにより給電される位置に抵抗体インク組成物を印刷、あるいは塗布して得られる抵抗体4を設け、さらに電極3及び抵抗体4を被覆するカバー材28からなり、発熱体26を形成する。またベース材27及び、カバー材28としてポリエステル繊維などの柔軟性基材を用いる場合には、ベース材27及びカバー材28の内側に、あらかじめポリエチレン系などの熱融着性樹脂29を接着しておき、加熱加圧することにより、ベース材27とカバー材28とを熱融着性樹脂29を介して接合することができ、本発熱体を容易に構成することができる。図5(a)は発熱体の平面図、図5(b)は図5(a)のx−y位置断面図である。櫛形電極3及び抵抗体4は、ベース材27やカバー材28、または熱融着性樹脂29により外界から隔離されるため、長期信頼性を付与されることとなる。
従来から、印刷により高分子抵抗体を形成してこれを発熱体として用いた例としては、露・霜除去用として自動車のドアミラー、洗面台のミラー等がある。使用形態は折り曲げなどの機械的ストレスが加わるものではなく、ミラー背面などに貼り付けて固定して用いられていた。
特開2002−371699号公報
しかし、前記従来の発熱体では、基材、及び被覆材としてポリエステルフィルムを用いているため、折り曲げると破損に至るため、そうした用途には適用できない。さらに、こうした柔軟性の欠如と併せて、伸縮性の欠如から、これら柔軟性と伸縮性が要求される発熱体として、例えば、座席ヒータのような人の着座感を損なわないことにも注意が必要な製品への応用はできなかった。
本発明はさらにこれら柔軟性基材を用いた際にも有効となる、耐久性、安全性の高い高分子発熱体及び前記発熱体の製造方法を提供することを目的とするもので、電極並びに抵抗体を保護する役目を有する樹脂フィルムの構成、製造方法を検討することにより更に有効となることを見出したものである。
前記従来の課題を解決するための本発明の高分子発熱体は、ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムに狭持してなる一対の電極と、前記一対の電極間に形成された高分子抵抗体とを備え、前記ベース側樹脂フィルムと前記カバー側樹脂フィルムのうち少なくとも一つが同一樹脂成分からなる多層構造体からなるものである。
本発明においては特に限定はしていないが、柔軟性基材を用いた高分子発熱体に有効となるものである。柔軟性の定義としては、折り曲げなどの適度な機械的ストレスを受け形状変更が生じても、特性に影響を受けず、また耐久性の能力を保持する状態を意味するもので、形状を変更できないもの、形状変化により性能低下するもの以外を、柔軟性の対象とする。
単一層からなる樹脂フィルムを作成する方法としては、Tダイを用いる方法を始めとして、インフレーションによる方法やその他、ロールを用いた方法などが挙げられるが、薄膜を均一に作成する場合には、樹脂の流動性を充分考慮した際にもピンホールなどの欠陥を生じることがある。これを防ぐためにフィルムを厚くするなどといった方法もあるが、その場合には高分子発熱体自身の柔軟性が損なわれるなど、充分な機能を発現させることができない。一方、一度別々に成形された樹脂薄膜を再度貼り合わせる事により得られるような多層構造体からフィルムを成形した場合には、ピンホールは皆無となるため、このような手法を簡易に達成できれば有効な手段として利用できる。
上記以外の本発明における多層構造体を得る方法としては、1つのダイから2箇所以上から均質な溶融物を押出されるまでに層状に組合せて多層フィルムとして押出す方法と、別々のダイから押出されたフィルムをダイ外で接合して多層フィルムとする方法、の大きく分けて2つが挙げられ、そのどちらの方法を用いても構わない。層数としては、ある特定の樹脂成分で作成したフィルムの外側を、更に同一の樹脂組成物でサンドウィッチしたような3層構造を有するものでも構わないし、また2枚を貼り合せた2層構造からなるものでも構わない。当然ながら4層以上の多層構造を有していても構わない。また同一成分の樹脂より作成されるフィルムであるため、加熱処理などにより当初明らかであった層構造が変形し、同一体となり層状構造の判別が不可となる場合が想定されるが、加工時において層構造を有するものであれば本発明の範囲内のものであると考える。
本発明におけるフィルムの定義としては、JIS K6745の解説に区分されるものと同様に、0.2mm未満のものを示しており、さらに好ましくは0.1mm以下の場合を示している。
具体的に使用される装置としては、一般的なインフレーションフィルム押出成形装置の他に、多層シート押出成形装置や多層インフレーションフィルム成形装置、多層フラットフィルム成形装置などが挙げられる。このうちインフレーションフィルム押出成形装置を用いた場合には、加工途中で風船状に膨らんだ中空のフィルムを巻取り時に再度融着させることにより、同一樹脂成分での多層フィルムを容易に得ることができ、本手法を用いることにより汎用性のある装置による加工を行うことができ、これも本発明の一つである。
高分子発熱体としては、樹脂フィルムのみに挟み込まれた構成であっても良いし、またそれら樹脂フィルムと、織布あるいは不織布などで代表される柔軟性を有する保護部材の両方を有していても良い。高分子発熱体としては、発熱体を構成する最低機能である電極と高分子抵抗体を被覆する樹脂フィルムを有しておればよい。
また保護部材、樹脂フィルムは、難燃性能を有していても構わない。難燃性の定義としては、その規格によりHBグレードやV0グレードなどが種々存在するが、難燃処方されていないものに比べ燃焼性が改善された程度のものでも構わない。本発明に示す発熱体がそのまま最終製品として扱われる場合もあるが、発熱体は製品中に組み込まれて使用される場合が多い。そのため発熱体のカバーとしてクッション材やウレタンマットなど、樹脂基材などが使用される場合、それら最終製品として要求される難燃性が満たされるような設計となっておれば、発熱体自身が単独で難燃基準を満たさなくても構わない。それぞれの製品が要求される規格値を満たす難燃性を発熱体自身で示し、加工性、コスト条件などの諸条件をクリアするのであればより好ましいのは当然である。
これら構成によって、樹脂や不織布といった高分子を主体とする材料を用いて、難燃性能を有する構成を提供できるため、最終形態として難燃化仕様が要求される柔軟性製品などへの展開を図ることが容易となる。
本発明の高分子発熱体及びその製造方法は、樹脂、繊維ベースで作成した発熱体に対して、耐久性、安全性の高いデバイスを提供することが可能となるため、従来は限定されていた用途を一気に拡大でき、また量産性に優れた商品を安価に提供できることとなる。
第1の発明は、ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムに狭持してなる一対の電極と、前記一対の電極間に形成された高分子抵抗体とを備え、前記ベース側樹脂フィルム及び前記カバー側樹脂フィルムの少なくとも一つが、同一樹脂成分からなる多層構造体からなり、高耐久性の高分子型の発熱体を提供できる。
第2の発明は、多層構造体が、同一樹脂成分からなるフィルム2枚の貼り合わせによりなり、ピンホールのない信頼性の良好な発熱体を提供できる。
第3の発明は、ベース側樹脂フィルム及びカバー側樹脂フィルムの少なくとも一方の外表面を保護部材で被覆し、柔軟性に優れた基材を提供できる。
第4の発明は、保護部材が難燃性を有する、織布あるいは不織布であり、難燃効果の高い柔軟性被覆材を提供できる。
第5の発明は、ベース側樹脂フィルム及びカバー側樹脂フィルムの少なくとも一つが、難燃剤成分を含む熱可塑性樹脂からなり、難燃効果の高い保持体を提供できる。
第6の発明は、難燃剤成分が、リン系難燃剤、窒素系難燃剤のいずれか、またはこれらを組み合わせてなり、良好な難燃性能を発現できる。
第7の発明は、ベース側樹脂フィルム及びカバー側樹脂フィルムの少なくとも一方のフィルムを、インフレーションフィルム押出成形装置を用い、中空チューブを作成した後、巻き取り装置により貼り合わせ、同一樹脂成分からなる多層構造体を得る製造方法であり、柔軟性を損なうことなく、量産性、耐久性に優れた高分子発熱体が得られる。
第8の発明は、ベース側樹脂フィルム及びカバー側樹脂フィルムの少なくとも一方のフィルムを、多層シート押出成形装置、多層インフレーションフィルム成形装置、多層フラットフィルム成形装置のいずれかを用いて、同一樹脂成分を用いて多層構造体を得る製造方法であり、量産性に優れた高分子発熱体を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本第1の発明における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図1(a)は平面図、図1(b)は(a)のx−y位置断面図である。図1において、発熱体1の構成は以下の通りである。2は、ベース側樹脂フィルムとして、オレフィン系の熱可塑性樹脂70部とオレフィン系の接着性樹脂30部からなる。図1には示していないが、その後の加工工程での扱い上、離型紙で平面性を保持した。
同一樹脂成分からなるベース側樹脂フィルムの多層構造体を作製した、多層シート押出成形装置の概略図を図2に示した。図2において、多層シート押出成形装置6の構成は以下の通りである。7,8,9はそれぞれ第1、第2、第3の押出機であり、それぞれにホッパーを有し、ホッパーに投入された樹脂が混練されながら押し出され、ダイ10を通り、フィルム11が成形され、巻取り機12で巻き取られる。今回用いた樹脂はオレフィン系の熱可塑性樹脂70部とオレフィン系の接着性樹脂30部からなるものであり、第1、第2、第3の押出機に同じ組成比になるように投入し、3層からなるフィルムを得た。今回貼り合わせ後のフィルムの厚みとしては50−60ミクロンのものを得ることができた。
このベース側樹脂フィルム2として成形された多層フィルム上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の櫛形の電極3と、電極3により給電される位置に高分子抵抗体インクの印刷・乾燥により高分子抵抗体4を作製した。高分子抵抗体はPTC特性を有し、発熱温度が45℃程度に成るように作製されている。高分子抵抗体インクは、エチレン酢酸ビニル共重合体を数種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化して作製した。
カバー側樹脂フィルム5は、ベース側樹脂フィルム2と同様の樹脂組成物であり、上述した多層シート押出成形法により得られた同一樹脂組成により得た2層からなる多層フィルムである。これを上述した電極3及び高分子抵抗体4に貼り合わせ、発熱体1を作成した。
このようにして得た高分子発熱体においては、カバー側樹脂フィルム及びベース側樹脂フィルムにピンホールなどの欠陥は見られず、耐久性が高く、また安全性を充分に満足させるものであることがわかった。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、図2に示す多層シート押出成形装置6のうち、第1押出機7と第2押出機8の2台の混練機を用いることにより、実施の形態1と同様にして2層からなる多層フィルムを得、高分子発熱体を作成した。用いた樹脂成分は実施の形態1と同様である。
このようにして得た高分子発熱体においては、カバー側樹脂フィルム及びベース側樹脂フィルムにピンホールなどの欠陥は見られず、耐久性が高く、また安全性を充分に満足させるものであることがわかった。
(実施の形態3)
本第2の発明における高分子発熱体を得るために、実施の形態1で用いたのと同じ樹脂成分を有するフィルムを、図3に示すインフレーションフィルム押出成形装置を用いて作成した。図3におけるインフレーションフィルム押出成形装置13の構成は以下の通りである。15は押出機であり、ホッパー14で投入された樹脂が混練されながら押し出され、インフレーションダイ16を通り、上向きに引き上げられながら風船状に膨らんだインフレーションフィルム17が成形される。これらのフィルムは安定板18、ピンチロール19を通過し、巻取り機20で巻き取られる。通常のインフレーションフィルム17は、巻取り機20で巻き取られる前に、スリッターなどにより2枚のシートとしてカットされ、その後巻き取られるが、今回の手法では、一度風船状に膨らんだフィルムを、ピンチロール部19で再度貼り合わせることにより、同一樹脂からなる2層フィルムとして得たものを、ベース側樹脂フィルムとした。このように一度別々のフィルムとして作製されたものを再度貼り合わせる事により、ピンホールなどの欠陥のないフィルムを容易に得ることができる。今回貼り合わせ後のフィルムの厚みとしては50−60ミクロンのものを得ることができた。
このベース側樹脂フィルムとして成形された多層フィルム上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の櫛形の電極と、電極により給電される位置に高分子抵抗体インクの印刷・乾燥により高分子抵抗体を作製した。高分子抵抗体はPTC特性を有し、発熱温度が45℃程度に成るように作製されている。高分子抵抗体インクは、エチレン酢酸ビニル共重合体を数種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化して作製した。
カバー側樹脂フィルムは、ベース側樹脂フィルムと同様の樹脂組成物であり、上述したインフレーション法により得られた同一樹脂組成により得た2層からなる多層フィルムである。これを上述した電極3及び高分子抵抗体4に貼り合わせ、発熱体1を作成した。
このようにして得た高分子発熱体においては、カバー側樹脂フィルム及びベース側樹脂フィルムにピンホールなどの欠陥は見られず、耐久性が高く、また安全性を充分に満足させるものであることがわかった。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3と同様のインフレーションフィルム押出成形装置を用いて発熱体を作成した。本実施の形態では、実施の形態1,2,3で用いたオレフィン系の熱可塑性樹脂70部とオレフィン系の接着性樹脂30部に対して、難燃剤を20重量部含む樹脂組成物をホッパーに投入し、インフレーションフィルム押出成形装置を用いることによりフィルムを得た。用いた難燃剤は、リン含有率約20重量部、窒素含有率約19重量部の難燃剤である。このとき用いる押出機15の混練能力に応じて、予め難燃剤が混練されたペレットを別の装置で作成しておいても構わない。押出機15が二軸スクリューを有する場合には、一般に樹脂と難燃剤を混合したものをそのままホッパーに投入できるので、そのような装置を利用できれば手間を省くことができるので、より有効な手段と考えられる。
この構成により、自動車用難燃規格(FMVSS302)の評価を行ったところ、柔軟性保持体に難燃剤を全く使用していない場合に比較して、燃焼速度を半分まで抑えられることを確認した。また発熱体の柔軟性は難燃性を付与した場合であっても損なわれることなく、柔軟性と難燃性を満足するものであった。また当然ながら、ピンホールレスの良好なフィルムを作成することができた。
(実施の形態5)
図4は、本第3の発明における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図4(a)は平面図、図4(b)は(a)のx−y位置断面図である。
図4において、発熱体21の構成は以下の通りである。本発明におけるベース保持体並びにカバー保持体は、それぞれ電極あるいは高分子抵抗体を被覆する樹脂フィルムと、樹脂フィルムを被覆する保護部材を用いた場合であり、本実施の形態としては、樹脂フィルムと保護部材の両方を難燃化処理した場合について具体的に示す。
ベース側の保護部材22は、難燃剤を共重合したポリエステル繊維(東洋紡績(株)製)から形成したスパンレース(目付40g/m)と、伸びを規制する方向(電極の主電極の長手方向)に配置したポリエステルのストレート繊維(新日石プラスト(株)、目付20g/m)とをサーマルボンドにより作製したスパンボンド(目付60g/m)である。
ベース側の樹脂フィルム23は、オレフィン系の熱可塑性樹脂70部とオレフィン系の接着性樹脂30部からなる樹脂組成物からなり、実施の形態4と同様の難燃剤を20重量部、難燃性助剤としてテフロン(登録商標)微粉末を0.3重量部からなり、図3で示すインフレーションフィルム押出成形装置を用いて、50〜60ミクロンの厚みを得た。このベース側の樹脂フィルム23は、ベース側の保護部材22に貼り合わされ一体化されたベース保持体が形成される。このベース側の保護部材22及びベース側の樹脂フィルム23上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の櫛形の電極3と、電極3により給電される位置に高分子抵抗体インクの印刷・乾燥により高分子抵抗体4を作製した。高分子抵抗体は、PTC特性を有し、発熱温度が45℃程度に成るように作製されている。高分子抵抗体インクは、エチレン酢酸ビニル共重合体を数種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化して作製した。
カバー側の樹脂フィルム24は、ベース側の樹脂フィルム23と同様に作成した2層構造を有するフィルムであり、カバー側の保護部材25に貼り合わされる。カバー側の保護部材25は、液状の難燃剤を含浸・乾燥してなる難燃剤含浸ポリエステルからなるニードルパンチ(目付150g/m)とした。カバー側の樹脂フィルム24とカバー側の保護部材25とを予めラミネーターにより貼り合わせたものを用いて、電極3及び高分子抵抗体4を密閉して発熱体21を作製した。
この構成により、自動車用難燃規格(FMVSS302)の評価を行ったところ、不燃性を確認した(水平に配置、端面より着火、標線38mmまで達することなく燃焼停止)。また発熱体21の柔軟性は損なわれることなく、柔軟性と難燃性を満足するものであった。
また本実施の形態では、樹脂フィルムの難燃化比率を上下とも同一の難燃剤含有量、同一難燃剤としたが、量、難燃剤種は同一にする必要はなく、どの様な比率であっても良い。それら難燃化の比率は、発熱体を加工する際の量産加工性や量産時のコストによって決まることが多い。また本実施の形態では上下の樹脂フィルムに難燃処理をした場合について記述したが、最終製品に準じた形態でどちらか一方の樹脂フィルムのみ、難燃剤を有する場合であっても構わない。
以上のように、本発明にかかる発熱体は、柔軟性と難燃性を併せ持つ安全性の高い発熱体を提供できるので、シートヒータやハンドルヒータ等への応用展開が可能となる。
(a)は本発明の実施の形態1における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)は同発熱体(a)のx−y断面図 本発明の実施の形態1における多層フィルムを作成するための多層シート押出成形装置の概略図 本発明の実施の形態3における多層フィルムを作成するためのインフレーションフィルム押出成形装置の概略図 (a)は本発明の実施の形態5における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)は同発熱体(a)におけるx−y断面図 (a)は従来の発熱体を示す平面図(b)は同発熱体(a)のx−y断面図
符号の説明
1,21,26 発熱体
2 ベース側樹脂フィルム
3 電極
4 高分子抵抗体
5 カバー側樹脂フィルム
6 多層シート押出成形装置
7 第1押出機
8 第2押出機
9 第3押出機
10 ダイ
11 フィルム
12 巻取り機
13 インフレーションフィルム押出成形装置
14 ホッパー
15 押出機
16 インフレーションダイ
17 インフレーションフィルム
18 安定板
19 ピンチロール
20 巻取り機
22 ベース側の保護部材
23 ベース側の樹脂フィルム
24 カバー側の樹脂フィルム
25 カバー側の保護部材
27 ベース材
28 カバー材
29 熱融着性樹脂

Claims (8)

  1. ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムに狭持された一対の電極と、前記一対の電極間に形成された抵抗体とを備え、前記ベース側樹脂フィルムと前記カバー側樹脂フィルムのうち少なくとも一つが、同一樹脂成分からなる多層構造体である高分子発熱体。
  2. 多層構造体が、同一樹脂成分からなるフィルム2枚の貼り合わせによりなる請求項1記載の高分子発熱体。
  3. ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムのうち少なくとも一方の外表面を保護部材で被覆した請求項1記載の高分子発熱体。
  4. 保護部材が難燃性を有する、織布あるいは不織布である請求項3記載の高分子発熱体。
  5. ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムのうち少なくとも一つが、難燃剤成分を含む熱可塑性樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  6. 難燃剤成分が、リン系難燃剤、窒素系難燃剤のいずれか、またはこれらを組み合わせてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  7. ベース側樹脂フィルム及びカバー側樹脂フィルムの少なくとも一方のフィルムを、インフレーションフィルム押出成形装置を用い、中空チューブを作成した後、巻き取り装置により貼り合わせ、同一樹脂成分からなる多層構造体を得る高分子発熱体の製造方法。
  8. ベース側樹脂フィルム及びカバー側樹脂フィルムの少なくとも一方のフィルムを、多層シート押出成形装置、多層インフレーションフィルム成形装置、多層フラットフィルム成形装置のいずれかを用いて、複数のホッパーに同一樹脂を投入することにより、同一樹脂組成からなる多層構造体を得る高分子発熱体の製造方法。
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