JP5125581B2 - 面状発熱体 - Google Patents

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Description

本発明は、任意の面形状を持つ器具に装着可能な柔軟性とPTC特性とを有する面状発熱体に関する。
従来、この種の面状発熱体には、ベースポリマーと、カーボンブラック、金属粉末、グラファイトなどの導電性物質を溶媒に分散して抵抗体インクとし、これを基材に印刷・乾燥して通電により発熱する抵抗体組成物を用いている。特に、ベースポリマーとして結晶性樹脂を用いてPTC特性を持たせたものが多い。
図6,7は従来のPTC特性を持たせた面状発熱体を示し、ポリエステルフィルムなどの電気絶縁性の基材50上に、銀ペースト等の導電性ペーストを印刷・乾燥して得られた一対の櫛形状電極51、52と、これにより給電される位置に高分子抵抗体インクを印刷・乾燥して得られた高分子抵抗体53とを設け、さらに前記基材50と同様の材質の被覆材54で櫛形状電極51、52及び高分子抵抗体53を被覆して保護する構成としていた。
基材50及び被覆材54としてポリエステルフィルムを用いる場合には、被覆材54に例えば変性ポリエチレン系の熱融着性樹脂55を予め接着しておき、熱を与えながら加圧する(熱時加圧)ことにより、基材50と被覆材54とが熱融着性樹脂55を介して接合される。
これにより、櫛形状電極51、52及び高分子抵抗体53は外界から隔離され、長期信頼性を付与されるのである。
前記した熱時加圧の手段としては、図8のように、2本の加熱ロール56、57からなるラミネーター58を用いるのが一般的である。
PTC特性とは、温度上昇によって抵抗値が上昇し、ある温度に達すると抵抗値が急激に増加する抵抗温度特性(Positive Temperature Coefficient)を意味しており、PTC特性を有する高分子抵抗体53は、自己温度調節機能を有する面状発熱体を提供できる。
また、抵抗体組成物をインクとしてではなく、結晶性樹脂をベースポリマーとして、これにカーボンブラックやグラファイトなどの導電性物質を混練して作製された混練物を電極ケーブルとともに押し出し成型して形成したものもあり、凍結防止用ヒータとして用いられている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開昭56−13689号公報 特開平6−96843号公報 特開平8−120182号公報
しかしながら、前記従来の構成では、用いられる抵抗体組成物の比抵抗が通常10000Ω・cm以上であり、そのため、櫛形電極のように非常に近接して給電する構成となっていた。
通常、櫛形電極は銀ペーストに印刷・乾燥により形成されるので高価なものとなっていた。
また、ポリエステルフィルムなどの剛直な電気絶縁性の基材50に印刷した櫛形状電極51、52及び高分子抵抗体53を同じく電気絶縁性の被覆材54で保護する多層構造であるところから、基材50や被覆材54の材質やその厚さによっては、柔軟性に欠け、この面状発熱体をカーシートヒータ(自動車の座席暖房用ヒータ)に用いられた場合の着座感や、ハンドルヒータに用いられた場合の手触り感が損なわれるといった問題があった。
さらに、抵抗体組成物をインクとして作製したものは、塗布量調整により10マイクロメートル程度の薄膜状に発熱部を形成できるので、抵抗体組成物そのものの柔軟性を発揮することは容易である。
しかしながら、インク状の抵抗体組成物を塗布する面としては、平滑で含浸することがなく、かつ腰のあるポリエステルフィルムなどの電気絶縁性基材を用いる必要があり、このことが柔軟性を損ねる結果となっていた。
また、発熱体として、高価な導電性ペーストを櫛型電極として多量に用いる必要があるとともに、複雑な多層構成となるので、コストが高いという欠点を有していた。
一方、押し出し成型に用いる抵抗体組成物では、インクに供するものに比べてミリメートル単位の厚肉となり、柔軟性に欠けるとともに、電極ケーブル間が近接した構成となり面状発熱体と言えるものでななかった。
Tダイ押し出し加工やカレンダー加工などの薄肉成型法もあるが、これらの加工法に適した抵抗体組成物の提案はされていない。
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、薄肉成型可能な低比抵抗を有する抵抗体組成物を提供して、柔軟性と器具に装着した際の面状発熱体の使用感と信頼性を向上させるとともに、低コスト化を図った面状発熱体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の面状発熱体は、少なくとも0.005から0.2Ω・cmの範囲の室温での比抵抗とPTC特性を有し、厚みが10から400マイクロメートルの抵抗体組成物と、前記抵抗体組成物を支持する基材と、前記抵抗体組成物に給電する一対の電極線、少なくとも前記抵抗体組成物及び電極線と接着してこれらを被覆する耐液性被覆材とからなり、電極線として、集合金属撚り線を用いるとともに、少なくとも樹脂と繊維状導電体と液状難燃剤と安定化剤を含有した被覆抵抗体組成物で被覆したことを特徴とする
第1の発明は、少なくとも0.005から0.2Ω・cmの範囲の室温での比抵抗とP
TC特性を有し、厚みが10から400マイクロメートルの抵抗体組成物と、前記抵抗体組成物を支持する基材と、前記抵抗体組成物に給電する一対の電極線、少なくとも前記抵抗体組成物及び電極線と接着してこれらを被覆する耐液性被覆材とからなり、電極線として、集合金属撚り線を用いるとともに、少なくとも樹脂と繊維状導電体と液状難燃剤と安定化剤を含有した被覆抵抗体組成物で被覆したことを特徴とする
この構成により、抵抗体組成物に給電する電極構成を櫛形電極構成とする必要性はなく、広い間隔で電極線を配置することが可能となり、電極としての電極線の使用量を低減するとともに抵抗体組成物をパターン化する必要がないため低コストの面状発熱体を提供できる。
また、集合金属撚り線と抵抗体組成物との電気的接続を被覆抵抗体組成物を介してより確実なものにできるとともに、集合金属撚り線の破断時に被覆抵抗体組成物に含有された繊維状導電体により電気的接続を維持してスパーク発生を抑制することができて信頼性の高い面状発熱体を提供できる。
また、耐液性被覆材を設けたことにより、各種溶液から抵抗体組成物を保護することができて、抵抗体組成物の抵抗値の安定化を図ることが出来る。
第2の発明は、特に、第1の発明において、抵抗体組成物として、少なくとも2種類以上の樹脂と導電体とを組み合わせて用いるとともに、液状難燃剤と安定化剤を含んでなることを特徴とする。
この構成により、PTC特性を発現する融点を有する樹脂に、この樹脂よりも高い融点を有する樹脂を組み合わせることで耐熱性を2種類以上の導電体を用いて、これらを組み合わせることで高いPTC特性を、液状難燃剤を含有することで難燃性を、安定化剤を含有することで抵抗値安定性を抵抗体組成物にそれぞれ付与できる。
第3の発明は、特に、第2の発明において、導電体として、少なくともカーボンブラックとグラファイトを組み合わせて用いた。
この構成により、カーボンブラックとグラファイトをそれぞれ単独で用いた場合に比べて、低い抵抗値と高いPTC特性を有する面状発熱体を提供できる。
第4の発明は、特に、第2の発明において、安定化剤として、少なくともチタニウム系カップリング剤を用いた。
この構成により、導電体表面にチタニウム系カップリング剤が作用して樹脂や液状難燃剤との親和性を向上させて分散の安定化を図り、抵抗値の安定化を実現できる。
の発明は、特に、第1の発明において、耐液性被覆材として、耐液性フィルムと、前記耐液性フィルムおよび抵抗体組成物と熱融着する難燃性ホットメルト材とで構成した。
この構成により、抵抗体組成物上に耐液性被覆材を熱融着して、各種溶液から抵抗体組成物を保護することができる。
の発明は、特に、第の発明において、耐液性フィルムとして3から10マイクロメートルの厚みのポリエステルフィルムを用いた。
この構成により、低コストで柔軟性を有する耐液性フィルムを提供できる。
の発明は、特に、第1の発明において、カレンダー加工またはロールコーター加工により抵抗体組成物を所定の厚みのフィルム状に形成するとともに同時に基材に熱融着した。
この構成により、単純パターンでかつ確実に抵抗体組成物をフィルム化することができ
て、柔軟性を有する面状発熱体を提供できる。
の発明は、第1の発明において、電極線を予め基材に配置してのちに抵抗体組成物および耐液性被覆材を貼り合わせた。
この構成により、抵抗体組成物のフィルム化の際に同時に電極線と抵抗体組成物との電気的接続を確保することができる。
の発明は、第1の発明において、基材に抵抗体組成物を貼り合わせたのちに電極線、耐液性被覆材を設けた。
この構成により、電極線の位置を確実に判別することが可能であり、電極線からリード線の取り出しをより確実におこなうことができる。
10の発明は、第1の発明において、必要に応じて電極線上に良熱伝導性材料を設けた。
この構成により、電極線と抵抗体組成物との電気的接続をより確実なものとすることができる。
11の発明は、第1の発明において、少なくとも面状発熱体の一部に打ち抜き部または切り欠き部を設けた。
この構成により、打ち抜き部は未発熱部とした任意な発熱パターンとすることができる。また、変形により応力のかかる箇所に対応して打ち抜き部または切り欠き部を設けて、座席用に用いる場合の吊り込み箇所に対応して、変形容易で抵抗値安定性の高い面状発熱体を提供できる。
12の発明は、第1の発明において、少なくとも一方向の5%伸び変形過重が70N以下であることを特徴とする。
この構成により、座席用のヒータなど身体と接触して用いる接触暖房として優れた着座感を実現できる。
13の発明は、第1の発明において、難燃規格FMVSS302を満足することを特徴とする。
この構成により、自動車内装材として面状発熱体を用いることができる。
14の発明は、第1の発明において、20℃に対する50℃の抵抗変化倍率が1.5から4、20℃に対する80℃の抵抗変化倍率が5から10の範囲内であることを特徴としている。
この構成により、自動車用座席装置のヒーターとして最適な面状発熱体を提供できる。
15の発明は、これら面状発熱体を自動車用座席装置の座部、背もたれ部の少なくとも一方に装着したものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、面状発熱体1の基材2は、例えば、ポリエステル繊維で作製されたニードルパンチタイプで、かつ難燃剤が含浸処理された難燃性不織布を用いており、この基材2に電極線3として、銅銀合金からなる集合金属撚り線4を被覆抵抗体組成物5で被覆したものを一対として左右対称に糸で部分的に縫い付けて配置している。
そして、この一対の電極線3が配置された基材2上に、カレンダー加工によりフィルム状の抵抗体組成物6を作製すると同時に、電極線3と基材2にフィルム状の抵抗体組成物6を熱融着させて貼り合わせている。
一方、耐液性被覆材7は、厚さ5マイクロメートルのポリエステルフィルム8に、窒素・リン系の粉末状難燃剤が混練されたオレフィン系難燃性ホットメルト材9をTダイ押し出し法により55マイクロメートルの厚みのフィルムとして形成したものである。
そして、難燃性ホットメルト材9を介して、抵抗体組成物6上に耐液性被覆材7を熱ラミネートし、さらに、中央部を打ち抜き部10を打ち抜いて面状発熱体1としている。
なお、一対の電極線3に電源を供給するためのリード線は省略している。また、中央部の打ち抜き部10はこの場所に限定するものではなく、座席の表皮材の形態によりこれ以外の場所にも設けることができる。この場合、電極線3の配線パターンを変更する必要があるが、これにも対応できることは言うまでもない。
抵抗体組成物6は、結晶性樹脂として、エチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名「EV150」、融点61℃、三井デュポン・ポリケミカル(株)製)20部と、酸化ポリエチレンワックス(商品名「NPS−9125」、凝固点66℃、日本精鑞(株)製)20部と、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体(商品名「アクリフト WH206」、融点86℃、住友化学(株)製))30部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名「ゼラス5053」、融点170℃、三菱化学(株)製)30部で構成した。
この樹脂組成物27重量%と、3種類の導電体として、カーボンブラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒子径21nm、デグサ社製)11重量%と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒子径79nm、三菱化学(株)製)22重量%と、グラファイト(商品名「UP−10」、鱗状黒鉛、日本黒鉛(株)製)22重量%と、液状難燃剤(商品名「レオフォスRDP」、リン酸エステル系液状難燃剤、味の素(株)製)13重量%と、シリコーン離型剤1.5重量%と、加工助剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にアクリル変性を施した添加剤(商品名「メタブレンA3000」、三菱レイヨン(株)製)2.5重量%、安定化剤としてチタニウム系カップリング剤(商品名「プレンアクトKR−44」、味の素ファインテクノ(株)製)1重量%とを混練して作製した。
また、被覆抵抗体組成物5は、樹脂として、エチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名「EV150」、融点61℃、三井デュポン・ポリケミカル(株)製)15重量%と、
無水マレイン酸変性ポリエチレン(商品名「ボンダインLX−4110」、融点107℃、アルケマ社製)15重量%と、導電体として、カーボンブラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒子径21nm、デグサ社製)11重量%と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒子径79nm、三菱化学(株)製)22重量%と、繊維状導電体として、針状導電性酸化チタンウィスカ(商品名「FTX−14−6」、石原産業(株)製)22重量%と、液状難燃剤(商品名「レオフォスRDP」、リン酸エステル系液状難燃剤、味の素(株)製)11.5重量%と、加工助剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)にアクリル変性を施した添加剤(商品名「メタブレンA3000」、三菱レイヨン(株)製)2.5重量%、安定化剤としてチタニウム系カップリング剤(商品名「プレンアクトKR−44」、味の素ファインテクノ(株)製)1重量%とを混練して作製した。
難燃性ホットメルト材9は、低密度ポリエチレン(商品名「エクセレンVL−200」、融点115℃、住友化学(株)製)45重量部と、スチレン系熱可塑性エラストマー(商品名「タフテックH−1062」、旭化成エンジニアリング(株)製)15重量部と、無水マレイン酸変性ポリエチレン(商品名「ボンダインLX−4110」、融点107℃、アルケマ社製)15重量%と、窒素・リン系難燃剤(商品名「アデカスタブFP−2000」、白色粉末、旭電化工業(株)製)25重量部とを混練して作製した。
この面状発熱体1は、例えば、図2、および図3に示す自動車の座席装置に暖房用として装着されるもので、具体的には、その座部11、背もたれ部12の少なくとも一方に取付けてある。
座部11、及び背もたれ部12の吊り込み部(図示せず)に対応するために、中央部や周縁部に吊り込むための耳部(電気絶縁性基材の延長部)が設けられるが、ここでは省略している。
また、このような面状発熱体1を装着した座部11及び背もたれ部12は、一般的に座席に腰掛けた人体による荷重がかかった時に変形し、荷重がかからなくなると復元するウレタンパット等の座席基材13とファブリックや皮革等の座席表皮14を備えており、従って、座部11及び背もたれ部12の座席基材13上に基材2側を座席表皮14に耐液性被覆材7側を配置して取付けられる薄い面状発熱体1も、前記した座部11及び背もたれ部12の変形に対応して相似の変形をしなければならない。
そのために、種々の発熱パターンの設計、そのための電極線3の配置形状を変更する必要があることは言うまでもないが、ここでは省略している。
なお、背もたれ部12への面状発熱体1の配置も座部1と同様であるので説明を省略している。
電極線3は、相対向するように幅の広い一対(電気的に正側と負側)の主電極3a、3bを面状発熱体1の長手方向の外側部に沿って配設され、これに重なるように配設した抵抗体組成物5に主電極3a、3bより給電することで、同抵抗体組成物5に電流が流れ、発熱する。
上記の構成において、得られた面状発熱体1の面積抵抗は54Ω□(20℃、抵抗体組成物6の膜厚100マイクロメートル)、自動車用座席装置の座部11に用いるクッションヒーターとしては9Ω(20℃)であった。
300mm×350mm四角の面積に電極線3間隔100mmで2列の配置構成としている(電極線3間隔100mmで長さ600mmに相当)。この場合の比抵抗は、約0.055Ω・cmであった。
電極線3間隔を指定した場合の抵抗体組成物6の膜厚と比抵抗との関係を図4のグラフに示した。
カレンダー加工での膜厚は最低でも75マイクロメートル、ロールコーター加工では10マイクロメートルと見ている。また、比抵抗としては、本実施の形態の抵抗体組成物6
で用いたカーボンブラック・グラファイト系では0.03Ω・cmが下限と見ている。
したがって、0.005Ω・cmの比抵抗の実現には金属粉の添加が不可欠となるが、金属粉では高充填しないと導通を確保できない。
カレンダー加工に用いる樹脂コンパウンドには適用できないと考える。ロールコーター加工に用いる抵抗体インクでは十分適用が可能である。加工法に応じた抵抗体組成物6の抵抗設定、および実用的な最大膜厚(約400マイクロメートル)の関係から比抵抗および膜厚の関係をそれぞれ0.005〜0.2Ω・cm、10〜400マイクロメートルとした。
今回、得られた抵抗体組成物6はPTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上昇し、所定の温度になるように自己温度調節機能を有するようになり、温度コントロールが不要で安全性の高い面状発熱体1としての機能を有するようになる。
また、自動車用座席装置に組み込まれるヒーターとしては着座感や難燃性を満足することができる。
着座感は、紙のような音鳴り感がなく、座席表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5%の伸びに対して70N以下の荷重であることで満足できる。
また、PTC特性を有する面状発熱体として速熱性と省エネ性を従来のチュービングヒーターを発熱体とするものに比べて発揮することができる。
チュービングヒーターを発熱体とするものは、温度制御器を必要として、ON−OFF制御で通電を制御して発熱温度を制御している。
ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇するため、座席表皮材とはある程度の距離をおいて配置する必要があるのに対して、本実施の形態の面状発熱体1では、発熱温度が40℃〜50℃の範囲に自己制御されるので、座席表皮材近傍に近接して配置することができる。発熱温度が低く、座席近傍であることより、速熱性と外部への放熱ロスを低減できることによる省エネ性を実現できる。
また、基材2に難燃性不織布を用いて、さらに、抵抗体組成物5に難燃剤を配合することで難燃性を実現できる。
難燃性は、面状発熱体1単品での自動車用内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃性はもとより自己消火するものや、標線間の燃焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満足する必要があり、少なくとも難燃剤の充填量が10重量%以上あれば適合できることを確認した。
本実施の形態の抵抗体組成物6(難燃剤添加濃度13重量%)を用いた面状発熱体1の難燃性評価結果は不燃性であった(着火して1.5インチにある標線までに達することなく消火)。
本実施の形態で得た面状発熱体1を、80℃炉中放置試験、150℃炉中放置試験、−20℃と50℃のヒートサイクル試験を実施した。
その結果、それぞれ、500時間、200時間、200回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以内であった。
この要因としては、安定化剤として用いているチタニウム系カップリング剤の導電体表面への結合による導電体の安定化効果と、加工助剤による溶融張力の向上効果に起因していると考えられる。
また、優れたPTC特性を発揮するために、酸化ポリエチレンワックス等の低融点の高結晶性樹脂の適用や複数の導電体を組み合わせることを本実施の形態では適用している。そのメカニズムの詳細は現時点では不明であるが以下のように推察している。
まず、PTC特性を有する抵抗体組成物1とするためには、用いる結晶性樹脂は、その融点が発熱飽和温度以上の近傍にあって、結晶化度の高いものを選択する必要がある。
ポリエチレン共重合体では融点が低下するほど結晶化度が低下して急峻なPTC特性を実現できないことを見出し、低融点でありながら高い結晶化度を有するものとしてパラフィンワックスを、かつ他の樹脂との親和性を向上させるために一部が酸化された酸化ポリエチレンワックスを用いたことによる添加効果と、導電粒子サイズや形状の異なる導電体の組み合わせがマッチングしたものと考えている。
導電体としては、できるだけ少ない添加量で所定の抵抗値を達成することが求められるが、そうした導電体は一般的には導電性カーボンブラックと呼ばれるもので、1次粒子径が約20nm以下でストラクチャー(葡萄の房のように1次粒子の集合体のことをいう吸油量で相関付けられている)の発達した構造のものであるが、そうした導電性カーボンブラックでは一方で、PTC特性を発現しにくいという欠点を有していた。
これは、導電性カーボンブラックではストラクチャーが発達して、結晶性樹脂の温度による比容積の変化(これがPTC特性発現の主因と言われている)によってもストラクチャーの導電パスが切断されにくいことによるといわれている。
一方で、1次粒子径の大きいカーボンブラックは優れたPTC特性を有することを発明者らは知見として得ていた。
また、グラファイトのような導電体は、カーボンブラックに比べるとさらに粒子径が大きく、かつ鱗片のような層状構造を有する。これらの複数の導電体を組み合わせることで、厚みが約300マイクロメートル以下で、面積抵抗が100Ω□以下、比抵抗が0.2Ω・cm以下の抵抗を有するとともに、PTC特性のひとつの指標となる20℃の抵抗値の対する50℃の抵抗値の比が1.5以上、20℃の抵抗値の対する80℃の抵抗値の比が5以上の抵抗体組成物とすることができた。
こうした低抵抗でありながら優れたPTC特性を発揮できたメカニズムの詳細は不明であるが、結晶性樹脂と複数の導電体を組み合わせたことによる新規な導電パスの形成と、難燃剤を液状としたことで、液体の大きな熱膨張係数を利用することができたことによると考えている。
なお、上記実施の形態では、安定化剤として、チタニウム系カップリング剤を用いたが、これに限定するものではない。反応性樹脂として、エポキシ基変性ポリエチレンや、エポキシ基、オキサゾリン基、無水マレイン酸基など反応性を有する樹脂やエラストマー、ホットメルト材で良いことは言うまでもない。
また、電極線として被覆電極線3を用いたが、電極線をそのまま用いても良い。また、モンタン酸部分けん化エステルなどのワックス、さらには他のワックス等の可塑剤や分散
剤を必要に応じて用いても良いことは言うまでもない。
また、導電体の形状としては特に言及しなかったが、球状、不定形以外に、ウィスカーや繊維形状のものと組み合わせても良い。
(実施の形態2)
図5は実施の形態2を示し、図1と同作用をする構成のものには同一符号を付し、具体的説明は実施の形態2のものを援用する。
図5において、図1と相違する点は、基材2上に先ず、カレンダー加工により抵抗体組成物6をフィルム状に貼り合わせた後に電極線3を縫製により設けた点にある。
そして、耐液性被覆材7を熱ラミネート時のの熱時加圧処理により、電極線3と抵抗体組成物6との電気的接続と、抵抗体組成物6への耐液性被覆材7の貼りあわせを同時に確保している。
この構成においても、実施の形態1と同様、自動車用座席装置のヒーターとしての面状発熱体1を提供できる。
また、実施の形態1では電極線3の位置が基材2と抵抗体組成物6との間であるのに対して、本実施の形態2では抵抗体組成物6上であるので、電極線3の位置の確認が容易であり、柔軟性を増したり取り付けるための抜き工程を確実に行うことができる。
また、後工程での電極線3の配置の自由度があるため、抵抗体組成物6を基材2への貼り合わせ工程を共通化して、種々発熱パターンの面状発熱体1の設計を行うことができる利点を有する。
なお、電極線3の取り付けを縫製に限定するものではない。また、被覆抵抗体組成物5は発熱機能を有する抵抗体組成物6よりも薄膜で形成されるため、その比抵抗も発熱機能する抵抗体組成物6よりも電圧集中かつ異常発熱しない程度で、高くても良いことは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる面状発熱体は、柔軟性に富み、信頼性が高く、暖房用発熱体として自動車の座席装置、ハンドル、その他の部位の暖房に供することができる。
(a)は本発明の実施の形態1における抵抗体組成物を用いた面状発熱体の平面図、(b)は(a)のX―Y断面図、(c)は電極線の拡大断面図 同実施の形態1における面状発熱体を取付けた自動車用座席装置の側面図 同自動車用座装置の正面図 抵抗体組成物の膜厚と比抵抗の関係を示すグラフ (a)は本発明の実施の形態2における抵抗体組成物を用いた面状発熱体の平面図、(b)は(a)のX―Y断面図 従来の面状発熱体を示す平面図 図6のX−Y断面図 同発熱体の被覆材の貼り合わせ時の概略構成図
符号の説明
1 面状発熱体
2 基材
3 電極線
3a、3b 主電極
4 集合金属撚り線
5 被覆抵抗体組成物
6 抵抗体組成物
7 耐液性被覆材
11 座部
12 背もたれ部

Claims (15)

  1. 室温で少なくとも0.005から0.2Ω・cmの範囲の比抵抗とPTC特性とを有し、
    厚みが10から400マイクロメートルの抵抗体組成物と、前記抵抗体組成物を支持する基材と、少なくとも前記抵抗体組成物、前記抵抗体組成物に給電する一対の電極線、及び電極線と接着してこれらを被覆する耐液性被覆材とからなり、
    電極線として、集合金属撚り線を用いるとともに、少なくとも樹脂と繊維状導電体と液状難燃剤と安定化剤を含有した被覆抵抗体組成物で被覆したことを特徴とする面状発熱体。
  2. 抵抗体組成物として、少なくとも2種類以上の樹脂と導電体とを組み合わせるとともに、液状難燃剤と安定化剤を含ませたことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  3. 導電体として、少なくともカーボンブラックとグラファイトを組み合わせたことを特徴とする請求項2記載の面状発熱体。
  4. 安定化剤として、少なくともチタニウム系カップリング剤を用いたことを特徴とする請求項2記載の面状発熱体。
  5. 耐液性被覆材として、耐液性フィルムと、この耐液性フィルムと熱融着する難燃性ホットメルト材とからなるものを用いたことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  6. 耐液性フィルムとして、厚みが3から10マイクロメートルのポリエステルフィルムを用いたことを特徴とする請求項記載の面状発熱体。
  7. カレンダー加工またはロールコーター加工により抵抗体組成物を所定の厚みのフィルム状に形成するとともに、同時に基材に熱融着したことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  8. 電極線を予め基材に配置した後、抵抗体組成物、耐液性被覆材を貼り合わせたことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  9. 基材に抵抗体組成物を貼り合わせた後、電極線、耐液性被覆材を設けたことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  10. 必要に応じて電極線上に良熱伝導性材料を設けたことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  11. 少なくとも抵抗体組成物の一部に打ち抜き部、または切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  12. 少なくとも一方向の5%伸び変形過重が70N以下に設定したことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  13. 難燃規格FMVSS302を満足することを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  14. 20℃に対する50℃の抵抗変化倍率が1.5から4、20℃に対する80℃の抵抗変化倍率が5から10の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  15. 請求項1から14いずれか1項記載の面状発熱体を座部、背もたれ部の少なくとも一方に装着した自動車用座席装置。
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