JP2010244971A - 面状発熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、柔軟性と高信頼性を有する面状発熱体を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも難燃性基材3と、前記難燃性基材3上に支持され、0.005から0.2Ω・cmの範囲の室温での比抵抗と10から400マイクロメートルの厚みを有する難燃性PTC抵抗体4と、前記難燃性PTC抵抗体4に給電し、10から200ミリメートルの範囲内の間隔を有する一対の難燃性電極5と、前記難燃性基材3、難燃性PTC抵抗体4、難燃性電極5を被覆する難燃性被覆材6とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、任意の面形状を持つ器具に装着可能な柔軟性とPTC特性とを有する面状発熱体に関する。
従来、この種の面状発熱体には、ベースポリマーと、カーボンブラック、金属粉末、グラファイトなどの導電性物質を溶媒に分散して抵抗体インクとして、これを基材に印刷・乾燥して通電により発熱する抵抗体組成物を用いている。
特に、ベースポリマーとして結晶性樹脂を用いてPTC特性を持たせたものが多い。
すなわち、図9,10に示すように、ポリエステルフィルムなどの電気絶縁性の基材50上に、銀ペーストなどの導電性ペーストを印刷・乾燥して得た一対の櫛形状電極51、52と、これにより給電される位置に高分子抵抗体インクを印刷・乾燥して得た高分子抵抗体53とを設け、さらに、基材50と同様の材質の被覆材54で前記櫛形状電極51、52および高分子抵抗体53を被覆して保護する構成としていた。
前記基材50及び被覆材54としてポリエステルフィルムを用いる場合には、被覆材54に、例えば変性ポリエチレン系の熱融着性樹脂55を予め接着しておき、熱を与えながら加圧する(熱時加圧)ことにより、基材50と被覆材54とをこの熱融着性樹脂55を介して接合するようにしている。
これにより、櫛形状電極51、52及び高分子抵抗体53は外界から隔離され、長期信頼性を付与されるのである。
PTC特性とは、温度上昇によって抵抗値が上昇し、ある温度に達すると抵抗値が急激に増加する抵抗温度特性(Positive Temperature Coefficient)を有するものであり、すなわち、このPTC特性を有する高分子抵抗体53によれば、自己温度調節機能をもたせることができるものである。
他にも、抵抗体組成物をインクとしてではなく、結晶性樹脂をベースポリマーとして、これにカーボンブラックやグラファイトなどの導電性物質を混練して作製された混練物を電極ケーブルとともに押し出し成型して構成したものも見受けられ、凍結防止用ヒータとして用いられている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開昭56−13689号公報 特開平6−96843号公報 特開平8−120182号公報
しかしながら、前記従来の構成では、用いられる抵抗体組成物の比抵抗は通常10000Ω・cm以上であり、そのため櫛形電極のように非常に近接して給電する構成となっていた。
通常、櫛形電極は銀ペーストに印刷・乾燥により形成されるので高価なものとなっていた。
また、ポリエステルフィルムなどの剛直な電気絶縁性の基材50に印刷した櫛形状電極51、52及び高分子抵抗体53を同じく電気絶縁性の被覆材54で保護する多層構造で、基材50や被覆材54の材質やその厚さによっては、柔軟性に欠け、この面状発熱体をカーシートヒータ(自動車の座席暖房用ヒータ)に用いられた場合の着座感や、ハンドルヒータに用いられた場合の手触り感が損なわれるといった問題があった。
さらに、抵抗体組成物をインクとして作製したものは、塗布量調整により10マイクロメートル程度の薄膜状に発熱部を形成できるので、抵抗体組成物そのものの柔軟性を発揮することは容易である。
しかしながら、インク状の抵抗体組成物を塗布する面としては、平滑で含浸することがなく、かつ腰のあるポリエステルフィルムなどの電気絶縁性基材を用いる必要があり、このことが柔軟性を損ねる結果となっていた。
また、発熱体として、高価な導電性ペーストを櫛型電極として多量に用いる必要があるとともに、複雑な多層構成となるので、コストが高いという欠点を有していた。
一方、押し出し成型に用いる抵抗体組成物では、インクに供するものに比べてミリメートル単位の厚肉となり、柔軟性に欠けるとともに、電極ケーブル間が近接した構成となり面状発熱体と言えるものでななかった。
Tダイ押し出し加工やカレンダー加工などの薄肉成型法もあるが、これらの加工法に適した抵抗体組成物の提案はされていない。
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、薄肉成型可能な低比抵抗を有する抵抗体組成物を提供して、柔軟性と器具に装着した際の面状発熱体の使用感と信頼性を向上させるとともに低コスト化を図った面状発熱体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の面状発熱体は、少なくとも難燃性基材と、前記難燃性基材上に支持され、0.005から0.2Ω・cmの範囲の室温での比抵抗と10から400マイクロメートルの厚みを有する難燃性PTC抵抗体と、前記難燃性PTC抵抗体に給電し、10から200ミリメートルの範囲内の間隔を有する一対の難燃性電極と、前記難燃性基材、難燃性PTC抵抗体、難燃性電極を被覆する難燃性被覆材とからなる。
本発明によれば、難燃性と低い比抵抗を有し、車などの低電圧で使用できる使い勝手のよい発熱体を提供できるものである。
本発明の実施の形態1を示す面状発熱体の平面図 図1のX−Y断面図 要部拡大断面図 同実施の形態1における面状発熱体を取りつけた自動車の座席を示す側面図 同自動車の座席の正面図 抵抗体組成物の膜厚と比抵抗の関係を示すグラフ 本発明の実施の形態2における面状発熱体を示す平面図 図7のX−Y断面図 従来の面状発熱体を示す平面図 図9のX−Y断面図
第1の発明は、少なくとも難燃性基材と、前記難燃性基材上に支持され、0.005から0.2Ω・cmの範囲の室温での比抵抗と10から400マイクロメートルの厚みを有する難燃性PTC抵抗体と、前記難燃性PTC抵抗体に給電し、10から200ミリメートルの範囲内の間隔を有する一対の難燃性電極と、前記難燃性基材、難燃性PTC抵抗体、難燃性電極を被覆する難燃性被覆材とからなる。
したがって、難燃性と低い比抵抗を有し、車などの低電圧で使用できる面状発熱体を提供できる。
第2の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性基材として、難燃剤が含浸乾燥、もしくは分子中に組み込まれたポリエステル繊維からなる不織布を用いた。
この構成により、難燃性と柔軟性を兼ね備えた基材とすることができる。
第3の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性PTC抵抗体として、少なくとも結晶性樹脂と導電体と難燃剤とカップリング剤と化学架橋剤とから構成した。
この構成により、難燃性と、カップリング剤による結晶性樹脂と導電体間の結合強化、化学架橋剤による結晶性樹脂の耐熱性向上により抵抗値安定性に優れたPTC抵抗体を提供できる。
第4の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性電極として、難燃性被膜抵抗体で被覆された金属撚り腺を用いた。
この構成により、金属撚り腺と難燃性PTC抵抗体とを難燃性被膜抵抗体を介して電気的接続を図るとともに、金属撚り腺の断線時の発火を難燃性被膜抵抗体で阻止することができる。
第5の発明は、特に、前記第4の発明において、難燃性被膜抵抗体として、少なくとも結晶性樹脂と導電性ウィスカを含む導電体と難燃剤とカップリング剤とからなる。
この構成により、難燃性被膜抵抗体中の導電性ウィスカが電極断線時の電流集中を阻止して、安全性の高い面状発熱体を提供できる。
第6の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性熱融着性被覆材が、難燃性熱融着材と難燃性フィルムとからなる。
この構成により、難燃性と熱有着性に優れた被覆材を提供できる。
第7の発明は、特に、前記第6の発明において、難燃性熱融着剤が、分子量が10,000から30,000の範囲の有機溶剤難溶性の結晶性ポリエステル樹脂と難燃剤とからなる。
この構成により、溶融粘度が低く、難燃性PTC抵抗体の熱膨張を阻害することなく、難燃性PTC抵抗体の高いPTC特性を発現できる。
第8の発明は、特に、前記第6の発明において、難燃性フィルムが、難燃性ポリエステル樹脂、または液晶ポリマーからなる。
この構成により、柔軟性を有する難燃性フィルムを提供できる。
第9の発明は、特に、前記第〜8のいずれか一つの面状発熱体を自動車用座席に搭載したものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜3において、面状発熱体1は、幅方向中央に打ち抜き部2を有する難燃性基材3の上の左右に配置した難燃性PTC抵抗体4と、前記難燃性基材3および難燃性PTC抵抗体4の間に位置し、左右各一対の難燃性電極5と、前記難燃性PTC抵抗体4を覆う難燃性被覆材6と、この難燃性被覆材6の上面に重ね合わせた液晶ポリマーフィルム7とを具備するものである。
前記難燃性基材3は、例えば、難燃剤が含浸乾燥されてなる難燃性ポリエステル繊維をニードルパンチで作成したものであり、また、難燃性電極5は、銅銀合金からなる集合金属撚り線8を難燃性被覆抵抗体9で被覆したものであって、前記難燃性基材3に糸で部分的に縫い付けて配置してある。
そして、左右一対の難燃性電極5が配置された難燃性基材3上にカレンダー加工によりフィルム状の難燃性PTC抵抗体4を作製すると同時に、熱融着させて貼り合わせている。一方、難燃性被覆材6は、厚さ30マイクロメートルのポリエステルタイプの液晶ポリマーフィルムに、窒素・リン系の粉末状難燃剤が混練された結晶性ポリエステル樹脂をTダイ押し出し法により55マイクロメートルの厚みのフィルムとして貼り合わせて形成したもので、難燃性の結晶性ポリエステル樹脂をホットメルト材として、この難燃性PTC抵抗体4上に難燃性被覆材6を熱ラミネートし、さらに、中央部を打ち抜いて面状発熱体1としている。
なお、一対の電難燃性電極5に電源を供給するためのリード線は省略している。
また、中央部の打ち抜き部2はこの場所に限定するものではなく、例えば、自動車用座席装置の表皮材の形態によりこれ以外の場所にも設けることができる。
この場合、難燃性電極5の配線パターンを変更する必要があるが、これにも対応できることは言うまでもない。
難燃性PTC抵抗体4は、結晶性樹脂組成物をエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名「EV150」、融点61℃、三井デュポン・ポリケミカル(株)製)20部と、酸化ポリエチレンワックス(商品名「NPS−9125」、凝固点66℃、日本精鑞(株)製)20部と、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体(商品名「アクリフトWH206」、融点86℃、住友化学(株)製)30部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名「ゼラス5053」、融点170℃、三菱化学(株)製)30部で構成し、この結晶性樹脂組成物26重量%と、3種類の導電体として、カーボンブラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒子径21nm、デグサ社製)と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒子径79nm、三菱化学(株)製)と、グラファイト(商品名「UP−10
」、鱗状黒鉛、日本黒鉛(株)製)とを組み合わせて、54重量%と、液状難燃剤(商品名「レオフォスRDP」、リン酸エステル系液状難燃剤、味の素(株)製)13重量%と、加工助剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にアクリル変性を施した添加剤(商品名「メタブレンA3000」、三菱レイヨン(株)製)2.5重量%、チタニウム系カップリング剤(商品名「プレンアクトKR−44」、味の素ファインテクノ(株)製)3重量%と、化学架橋剤1重量%とを混練して作製した。
また、液晶ポリマーフィルム7は、樹脂として、エチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名「EV150」、融点61℃、三井デュポン・ポリケミカル(株)製)15重量%と、無水マレイン酸変性ポリエチレン(商品名「ボンダインLX−4110」、融点107℃、アルケマ社製)15重量%と、導電体として、カーボンブラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒子径21nm、デグサ社製)11重量%と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒子径79nm、三菱化学(株)製)22重量%と、繊維状導電体として、針状導電性酸化チタンウィスカ(商品名「FTX−14−6」、石原産業(株)製)22重量%と、液状難燃剤(商品名「レオフォスRDP」、リン酸エステル系液状難燃剤、味の素(株)製)11.5重量%と、加工助剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にアクリル変性を施した添加剤(商品名「メタブレンA3000」、三菱レイヨン(株)製)2.5重量%、安定化剤としてチタニウム系カップリング剤(商品名「プレンアクトKR−44」、味の素ファインテクノ(株)製)1重量%とを混練して作製した。
難燃性被覆材6は、結晶性ポリエステル樹脂(商品名「バイロンGM−920」、融点107℃、東洋紡績(株)製)75重量部と、窒素・リン系難燃剤(商品名「アデカスタブFP−2000」、白色粉末、旭電化工業(株)製)25重量部とを混練して作製した。
図4,5に示したように、この面状発熱体1は自動車用座席装置10の暖房用熱源として搭載されるもので、具体的には、その座部11および背もたれ部12に取り付けられる。
座部11および背もたれ部12の吊り込み部(図示せず)に対応するために中央部や周縁部に吊り込むための耳部(電気絶縁性基材の延長部)が設けられるが、ここでは省略している。
また、このような面状発熱体1を装着した座部11は、一般的に腰掛けた人体による荷重がかかった時に変形し、荷重がかからなくなると復元するウレタンパットなどの座席基材13と、ファブリックや皮革などの座席表皮14を備えている。
したがって、座部11の座席基材13上に難燃性基材3側を配置して取り付けられる薄い面状発熱体1も前記した座部11の変形に対応して相似の変形をしなければならない。
そのために、種々の発熱パターンの設計、そのための難燃性電極5の配置形状を変更する必要があることは言うまでもないが、ここでは省略している。
なお、背もたれ部12への面状発熱体1の配置も座部11と同様であるので説明を省略している。
難燃性電極5は、相対向するように幅の広い一対(電気的に正側と負側)の主電極5a,5bを面状発熱体1の長手方向の外側部沿って配設され、これに重なるように配設した難燃性PTC抵抗体4に主電極5a,5bより給電することで、難燃性PTC抵抗体4に
電流が流れ、発熱する。
上記実施の形態において、得られた面状発熱体1の面積抵抗は54Ω□(20℃、難燃性PTC抵抗体4の膜厚100マイクロメートル)、自動車用座席装置10の座部11に用いる熱源としては9Ω(20℃)であった。
300mm×350mm四角の面積に難燃性電極5の間隔100mmで2列の配置構成としている(難燃性電極3間隔100mmで長さ600mmに相当)。この場合の比抵抗は、約0.055Ω・cmであった。
難燃性電極5の間隔を指定した場合の難燃性PTC抵抗体4の膜厚と比抵抗との関係を図6のグラフに示した。
カレンダー加工での膜厚は最低でも75マイクロメートル、ロールコーター加工では10マイクロメートルと見ている。また、比抵抗としては、本実施の形態の難燃性PTC抵抗体で用いたカーボンブラック・グラファイト系では0.03Ω・cmが下限と見ている。
したがって、0.005Ω・cmの比抵抗の実現には金属粉の添加が不可欠となるが、金属粉では高充填しないと導通を確保できない。
カレンダー加工に用いる樹脂コンパウンドには適用できないと考える。ロールコーター加工に用いる抵抗体インクでは十分適用が可能である。
加工法に応じた難燃性PTC抵抗体4の抵抗設定および実用的な最大膜厚(約400マイクロメートル)の関係から比抵抗および膜厚の関係をそれぞれ0.005〜0.2Ω・cm、10〜400マイクロメートルとした。
今回、得られた難燃性PTC抵抗体4はPTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上昇し、所定の温度になるように自己温度調節機能を有するようになり、温度コントロールが不要で安全性の高い面状発熱体1としての機能を有するようになる。
また、自動車用座席装置に組み込まれる熱源としては着座感や難燃性を満足することができる。
着座感は、紙のような音鳴り感がなく、座席表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5%の伸びに対して70N以下の荷重であることで満足できる。
また、PTC特性を有する面状発熱体として速熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒーターを発熱体とするものに比べて発揮することができる。
チュービングヒーターを発熱体とするものは、温度制御器を必要としてON−OFF制御で通電を制御して発熱温度を制御している。
ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇するため、座席表皮材とはある程度の距離をおいて配置する必要があるのに対して、本実施の形態の面状発熱体では、発熱温度が40℃〜50℃の範囲に自己制御されるので、座席表皮材近傍に近接して配置することができる。発熱温度が低く、座席近傍であることより、速熱性と外部への放熱ロスを低減できることによる省エネ性を実現できる。
また、難燃性基材3に難燃性不織布を用いて、また、難燃性PTC抵抗体4に難燃剤を配合することで難燃性を実現できる。
難燃性は、面状発熱体1単品での自動車用内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃性はもとより自己消火するものや、標線間の燃焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満足する必要があり、少なくとも難燃剤の充填量が10重量%以上あれば適合できることを確認した。
本実施の形態の難燃性PTC抵抗体4(難燃剤添加濃度13重量%)を用いた面状発熱体1の難燃性評価結果は不燃性であった(着火して1.5インチにある標線までに達することなく消火)。
本実施の形態で得た面状発熱体1を、80℃炉中放置試験、150℃炉中放置試験、−20℃と50℃のヒートサイクル試験を実施した。
その結果、それぞれ、500時間、200時間、200回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以内であった。
この要因としては、安定化剤として用いているチタニウム系カップリング剤の導電体表面への結合による導電体の安定化効果と、加工助剤による溶融張力の向上効果に起因していると考えられた。
また、優れたPTC特性を発揮するために、酸化ポリエチレンワックスなどの低融点の高結晶性樹脂の適用や複数の導電体を組み合わせることを本発明では適用している。
そのメカニズムの詳細は現時点では不明であるが以下のように推察している。
先ず、PTC特性を有する抵抗体組成物とするためには、用いる結晶性樹脂は、その融点が発熱飽和温度以上の近傍にあって、結晶化度の高いものを選択する必要がある。
ポリエチレン共重合体では融点が低下するほど結晶化度が低下して急峻なPTC特性を実現できないことを見出し、低融点でありながら高い結晶化度を有するものとしてパラフィンワックスを、かつ他の樹脂との親和性を向上させるために一部が酸化された酸化ポリエチレンワックスを用いたことによる添加効果と、導電粒子サイズや形状の異なる導電体の組み合わせがマッチングしたものと考えている。
導電体としては、できるだけ少ない添加量で所定の抵抗値を達成することが求められるが、そうした導電体は一般的には導電性カーボンブラックと呼ばれるもので、1次粒子径が約20nm以下でストラクチャー(葡萄の房のように1次粒子の集合体のことをいう。吸油量で相関付けられている。)の発達した構造のものであるが、そうした導電性カーボンブラックでは一方で、PTC特性を発現しにくいという欠点を有していた。
これは、導電性カーボンブラックではストラクチャーが発達して、結晶性樹脂の温度による比容積の変化(これがPTC特性発現の主因と言われている)によってもストラクチャーの導電パスが切断されにくいことによるといわれている。
一方で、1次粒子径の大きいカーボンブラックは優れたPTC特性を有することを発明者らは知見として得ていた。
また、グラファイトのような導電体は、カーボンブラックに比べるとさらに粒子径が大
きく、かつ鱗片のような層状構造を有する。これらの複数の導電体を組み合わせることで、厚みが約300マイクロメートル以下で、面積抵抗が100Ω□以下、比抵抗が0.2Ω・cm以下の抵抗を有するとともに、PTC特性のひとつの指標となる20℃の抵抗値の対する50℃の抵抗値の比が1.5以上、20℃の抵抗値の対する80℃の抵抗値の比が5以上の抵抗体組成物とすることができた。
こうした低抵抗でありながら優れたPTC特性を発揮できたメカニズムの詳細は不明であるが、結晶性樹脂と複数の導電体を組み合わせたことによる新規な導電パスの形成と、難燃剤を液状としたことで、液体の大きな熱膨張係数を利用することができたことによると考えている。
なお、上記実施の形態では、安定化剤として、チタニウム系カップリング剤を用いたが、これに限定するものではない。反応性樹脂として、エポキシ基変性ポリエチレンや、エポキシ基、オキサゾリン基、無水マレイン酸基など反応性を有する樹脂やエラストマー、ホットメルト材で良いことは言うまでもない。
また、難燃性電極5として難燃性被覆抵抗体付き電極線を用いたが、電極線をそのまま用いても良い。また、モンタン酸部分けん化エステルなどのワックス、さらには他のワックス等の可塑剤や分散剤を必要に応じて用いても良いことは言うまでもない。
また、導電体の形状としては特に言及しなかったが、球状、不定形以外に、ウィスカーや繊維形状のものと組み合わせても良い。
(実施の形態2)
図7,8は実施の形態2を示すもので、図1,2と相違する点は、難燃性基材3上に、先ず、カレンダー加工により難燃性PTC抵抗体4をフィルム状に貼り合わせた後に難燃性電極5を縫製により設けた点にある。
そして、難燃性被覆材6を熱ラミネート時の熱時加圧処理により、難燃性電極5と難燃性PTC抵抗体4との電気的接続と、難燃性PTC抵抗体4への難燃性被覆材7の貼りあわせを同時に確保している。
なお、図1,2と同作用を行う構成には同一符号を付し、具体的説明は実施の形態1のものを援用する。
この構成においても、実施の形態1と同様、自動車用座席装置としての面状発熱体1を提供できる。
また、実施の形態1では難燃性電極5の位置が難燃性基材3と難燃性PTC抵抗体4との間であるのに対して、本実施の形態2では難燃性PTC抵抗体4上であるので、難燃性電極5の位置の確認が容易であるため、柔軟性を増したり取り付けるための抜き工程を確実に行うことができる。
また、後工程での難燃性電極5の配置の自由度があるため、難燃性PTC抵抗体4を難燃性基材3への貼り合わせ工程を共通化して、種々発熱パターンの面状発熱体1の設計を行うことができる利点を有する。
なお、難燃性電極5の取り付けを縫製に限定するものではない。また、難燃性被覆抵抗体9は発熱機能を有する難燃性PTC抵抗体4よりも薄膜で形成されるため、その比抵抗も発熱機能する難燃性PTC抵抗体4よりも電圧集中かつ異常発熱しない程度で、高くて
も良いことは言うまでもない。
さらに、前記実施の形態の面状発熱体は、全て難燃性を有する構成部材で構成したが、必ずしもこれに限定するものではない。面状発熱体を別の難燃性部材、例えば金属板などに貼り合わせて、あるいは挟み込んで用いる場合には、別の難燃性部材の難燃性の効果が大きく、面状発熱体を難燃性にする必要が無いこともありうる。
以上のように、本発明にかかる面状発熱体は、柔軟性に富み、信頼性が高く、暖房用発熱体として自動車の座席、ハンドル、その他の部位の暖房に供することができる。
1 面状発熱体
3 難燃性基材
4 難燃性PTC抵抗体
5 難燃性電極
6 難燃性被覆材

Claims (9)

  1. 少なくとも難燃性基材と、前記難燃性基材上に支持され、0.005から0.2Ω・cmの範囲の室温での比抵抗と10から400マイクロメートルの厚みを有する難燃性PTC抵抗体と、前記難燃性PTC抵抗体に給電し、10から200ミリメートルの範囲内の間隔を有する一対の難燃性電極と、前記難燃性基材、難燃性PTC抵抗体、難燃性電極を被覆する難燃性被覆材とからなる面状発熱体。
  2. 難燃性基材として、難燃剤が含浸乾燥、もしくは分子中に組み込まれたポリエステル繊維からなる不織布を用いた請求項1記載の面状発熱体。
  3. 難燃性PTC抵抗体として、少なくとも結晶性樹脂と導電体と難燃剤とカップリング剤と化学架橋剤とからなる請求項1記載の面状発熱体。
  4. 難燃性電極として、難燃性被膜抵抗体で被覆された金属撚り腺を用いてなる請求項1記載の面状発熱体。
  5. 難燃性被膜抵抗体として、少なくとも結晶性樹脂と導電性ウィスカを含む導電体と難燃剤とカップリング剤とからなる請求項4記載の面状発熱体。
  6. 難燃性被覆材が、難燃性熱融着材と難燃性フィルムとからなる請求項1記載の面状発熱体。
  7. 難燃性熱融着剤が、分子量が10,000から30,000の範囲の有機溶剤難溶性の結晶性ポリエステル樹脂と難燃剤とからなる請求項6記載の面状発熱体。
  8. 難燃性フィルムが、難燃性ポリエステル樹脂、または液晶ポリマーからなる請求項6記載の面状発熱体。
  9. 請求項1〜8いずれか1項記載の面状発熱体を搭載した自動車用座席装置。
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