JP2008041353A - 高分子発熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】快適性の優れた高分子発熱体を提供することを目的とするもので、特に人体と接触する場合の接触面側の保温性を保ち、発汗時のひんやり感を軽減する。
【解決手段】ベース側樹脂フィルム2とカバー側樹脂フィルム3に狭持してなる一対の電極4と、該一対の電極間に形成された抵抗体5とを備えた高分子発熱体において、前記ベース側樹脂フィルム2及び/または前記カバー側樹脂フィルム3の外表部を、吸水性ポリエステル繊維6により被覆してなることを特徴とする高分子発熱体1。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子抵抗体のジュール熱を利用した高分子発熱体に関し、更に詳しくは、肌に直接接触するような使い方の場合でも高い快適性を得ることのできる高分子発熱体に関するものである。
従来から面状発熱体の発熱部として、カーボンブラックや金属粉末、グラファイトなどの導電性物質を樹脂に分散して得られたものが知られている。なかでも導電性物質と樹脂の組合せにより、自己温度制御機能を示すPTC発熱体(正の抵抗温度特性を意味する英語Positive Temperature Coefficientの略を意味する)を用いた場合には、温度制御回路が不要となり、部品点数を少なくできるなど、メリットのあるデバイスとして知られている。
これらの構成は、図5に示すように、セラミックや絶縁処理された金属板など、筺体構造としての機能を有するベース材42上に、導電性インキ組成物を印刷、あるいは塗布して得られる電極44と、これにより給電される位置に抵抗体インク組成物を印刷、あるいは塗布して得られる抵抗体45を設け、さらに電極44及び抵抗体45を被覆するカバー材43から発熱体41を形成する。図5(a)は発熱体の平面図、図5(b)は図5(a)のx−y位置断面図である。電極44及び抵抗体45は、ベース材42やカバー材43により外界から隔離されるため、長期信頼性を付与されることとなる。
従来から、印刷により高分子抵抗体を形成してこれを発熱体として用いた例としては、露・霜除去用として自動車のドアミラーや洗面台のミラー、床暖房器具等がある(例えば特許文献1参照)。
さらにこれら発熱体を高分子フィルムや繊維状の柔軟性材料を用いて構成することにより柔軟性機能を付与させたものもあった(例えば特許文献2、3参照)。
特開2002−371699号公報 特開2003−109804号公報 特開2005−174629号公報
従来の発熱体では柔軟性を発現させるための構成材料として、発熱体を保護、被覆する役目と風合いなどを考慮して一般的な織布や不織布などが多用されていた。例えば座席ヒーターなどに用いられる場合は、織布や不織布で被覆された発熱体はさらにクッション材などを介し、人体と接触する場合が多かった。しかしながら人体に直接接触する部位への応用も今後、益々増大することから、更なる快適性、肌触り性にも考慮した材質を選択する必要がある。
特に発熱体を接触させた部位では、これら発熱体により人体が温められることによって、発汗が生じ、吸水性の充分でない材質の場合は、かえって保温性能を低下させるなどの問題があった。
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、快適性の優れた高分子発熱体を提供することを目的とするもので、特に人体と接触する場合の接触面側の保温性を保ち、発汗時のひんやり感の軽減を、組成や構成を検討することにより有効となる
ことを見出したものである。
前記従来の課題を解決するための本発明の高分子発熱体は、ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムに狭持してなる一対の電極と、該一対の電極間に形成された抵抗体とを備えた高分子発熱体において、前記ベース側樹脂フィルム及び/または前記カバー側樹脂フィルムの外表部を、吸水性ポリエステル繊維により被覆してなるものである。
上記構成は、繊維自身の構造に工夫を加えることや、表面加工処理を施すことにより吸水性を示す繊維が容易に得られることを利用して、快適性を有する高分子発熱体を低コストで提供できることが特徴である。
本発明においては特に限定はしていないが、人体と直接接触する様な用途に用いられる発熱体に特に有効となるものである。
吸水性ポリエステル繊維としては、既に多くの樹脂、繊維メーカから提供されているものを用いることができる。例えばユニチカファイバー社製の「スイコム」は、ポリエステル系の繊維からなり、糸と糸のすき間を小さくして毛細管現象で水分を多く吸い上げ生地の外側に拡散させる仕組みを有するものであり、吸い込んだ汗などの水分が逆戻りしないように撥水層が形成されてなるものである。またヨネックス社製の「ナノスピードドライ」技術により得られるポリエステル性の繊維は、吸水層、ポンプアップ層、拡散層の三層構造を有し、吸水層で吸収された汗や水分などがポンプアップ層により毛細管現象で急速に吸い上げられ、更に拡散層で外部に拡散される仕組みを有する。東レ社製の「サラカラ」は、肌に触れる側が反対側に比べ繊維密度が高い、といった多層構造を有するポリエステル繊維からなり、水分や汗を素早く吸い上げ拡散できる。また表面には細かな凹凸が付いているためべたつくことがなく、また凹部には空気が滞留し保温性を高めることになる。帝人ファイバー社製のポリエーテルエステル系からなる「MRTファイバー」は、吸水すると生地が一定方向に伸長するため、生地の形態が変化し、肌に直接触れる表面部分のべとつき感と冷え感が解消される仕組みを有している。
発熱体の構成材料であるベース側樹脂フィルムやカバー側の樹脂フィルムにそれら吸水性ポリエステル繊維を接合する方法としては、フィルムをTダイ法などにより押出し成形した際にこれらポリエステル繊維に熱融着させる方法や、すでに完成させたフィルムとポリエステル繊維とを別途接着する方法などを挙げることができる。
電極及び抵抗体は、フィルム上に印刷などによって直接成形しても良い。柔軟性を示すフィルムとしては、フィルムの樹脂組成物中にエラストマー成分を含む場合が好ましい。具体的にはオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーに分類される樹脂組成物や熱可塑性ポリエステルの共重合体成分などを挙げることができる。これらエラストマー成分や共重合体成分をブレンドすることにより、絶縁性などの機能は損なわれることなく、適度な柔軟性を保持させることができる。また本発明においては、フィルムを一層ではなく、複数層の重ねあわせにより得ることも可能である。
本発明の高分子発熱体は、樹脂、繊維ベースで作成した発熱体に対して、従来の柔軟性や風合いを損なうことなく、さらに快適性の高いデバイスを提供することが可能となるため、従来の構成や組成では限定されていた用途を一気に拡大でき、また量産性に優れた商品を安価に提供できることとなる。
第1の発明は、ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムに狭持してなる一対の電極と、該一対の電極間に形成された抵抗体とを備えた高分子発熱体において、前記ベース側樹脂フィルム及び/または前記カバー側樹脂フィルムの外表部を、吸水性ポリエステル繊維に被覆してなり、快適性に優れた発熱体を提供できる。
第2の発明は、吸水性ポリエステル繊維が、多層構造を有するものであり、水分や汗などを効率良く吸収した後拡散させることができるため、吸水機能性に優れた発熱体を得ることができる。
第3の発明は、特に第1及び第2のいずれか1つの発熱体において、吸水性ポリエステル繊維の外表面が、撥水層を有するため、一度吸い上げられた水分の逆戻りを防ぐことが可能となり、発熱体の表面はさらっとした感触感を保つことができる。
第4の発明は、特に第1〜第3のいずれか1つの発明の発熱体において、吸水性ポリエステル繊維の外表面側が内側に比べて高い繊維密度となっており、汗や水分を素早く吸収すると直ちに内側に移動、拡散することができるため、べたつき感のない発熱体を提供できる。
第5の発明は、特に第1の発明の発熱体において、吸水性ポリエステル繊維が、吸水により繊維が伸長し、乾燥すると収縮する伸縮作用を有することにより、水分に反応した際には乾燥時に比べ凹凸が発現されることになり、べとつき感を低減することができ、さらにはその凹凸によって空間ができるため保温性を保持することができる。
第6の発明は、特に第5の発明の発熱体において、吸水性ポリエステル繊維が、ポリエーテルエステル系ポリマーであることにより生地の形状変化を調整できる自己調整機能を発現でき、快適性に優れた発熱体を提供することができる。
第7の発明は、特に第1〜第6のいずれか1つの発明の発熱体において、ベース側樹脂フィルム及び/またはカバー側樹脂フィルムと、吸水性ポリエステル繊維が両面テープにより接着してなり、容易な工法により発熱体を製造することができる。
第8の発明は、特に第1〜第7のいずれか1つの発明の発熱体において、両面テープが不織布を含み、この不織布の部分で吸収した水分を徐々に発散させることができ、快適性と耐久性に優れた発熱体を得ることができる。
第9の発明は、特に第1〜第8のいずれか1つの発明の発熱体において、吸水性ポリエステル繊維により被覆された高分子発熱体が、該発熱体を貫通する複数の開口部を備えるものであり、開口部の端面部分から吸収した水分を徐々に発散させることができるとともに、発熱体に加えられる様々な応力をこの開口部で逃がすことができ、人体に装着させた場合にもつっぱり感なく接触させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図1(a)は平面図、図1(b)は(a)のx−y断面図である。図1において、発熱体1の構成は以下の通りである。
ベース側樹脂フィルム2は、シート押出成形装置を用いて、吸水性ポリエステル繊維6
上に熱融着により作成したもので、オレフィン系の熱可塑性樹脂(PPと優れた相溶性を示すPPの軟質化材を含む樹脂)と、耐熱性を発現させるための熱可塑性樹脂(エチレン及びプロピレンを直接反応させて得られた重合型TPO)と、電極や抵抗体との接触特性が良好となるオレフィン系の接着性樹脂(無水マレイン酸成分を含むエチレン成分を含む樹脂)の混練物からなり、合計3種の樹脂ブレンドからなるフィルムで、貼り合わせ後のフィルムの厚みとしては50−60ミクロンのものを得た。
吸水性ポリエステル繊維6は、ユニチカファイバー社製の吸汗速乾機能を有するポリエステル繊維(スイコム)を用いた。本吸水性ポリエステル繊維6は、ポリエステル系の繊維からなり、糸と糸のすき間を小さくして毛細管現象で水分を多く吸い上げ生地の外側に拡散させる仕組みを有するものであり、吸い込んだ汗などの水分が逆戻りしないように撥水層が形成されている。撥水層のない部分から汗を吸い、層中に拡散させる。撥水層のある部分には一度吸収された水分は浸透しないのでさらっとした感触を保つことができる。
この一体化された吸水性ポリエステル繊維6に熱融着されたベース側樹脂フィルム2上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の電極4と、電極4により給電される位置にPTC抵抗体インクの印刷・乾燥により抵抗体5を作製した。抵抗体は、発熱温度が約40℃程度に成るように作製されており、エチレン酢酸ビニル共重合体を2種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化することにより得た。
カバー側樹脂フィルム3は、ベース側樹脂フィルム2と同様の樹脂組成物であり、上述した方法により剥離紙の上にフィルムを作成した。この剥離紙を剥がした上で、上述した電極4及びPTC抵抗体5に貼り合わせ、発熱体1を作成した。
ベース側樹脂フィルム2の外側に貼りあわせた吸水性ポリエステル繊維6のあるほうの側を肌に直接接触するように配したところ、長時間発熱体を装着しても、ドライ感、快適感は維持されることがわかった。
(実施の形態2)
図2は、本実施の形態における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図2(a)は平面図、図2(b)は(a)のx−y断面図である。図2において、発熱体11の構成は以下の通りである。
ベース側樹脂フィルム2は、シート押出成形装置を用いて、吸水性ポリエステル繊維16上に熱融着により作成したもので、オレフィン系の熱可塑性樹脂(PPと優れた相溶性を示すPPの軟質化材を含む樹脂)と、耐熱性を発現させるための熱可塑性樹脂(エチレン及びプロピレンを直接反応させて得られた重合型TPO)と、電極や抵抗体との接触特性が良好となるオレフィン系の接着性樹脂(無水マレイン酸成分を含むエチレン成分を含む樹脂)の混練物からなり、合計3種の樹脂ブレンドからなるフィルムで、貼り合わせ後のフィルムの厚みとしては50−60ミクロンのものを得た。
吸水性ポリエステル繊維16は、ヨネックス社製の「ナノスピードドライ」技術により得られるポリエステル性の繊維を用いた。本ポリエステル性繊維は、吸水層、ポンプアップ層、拡散層の三層構造を有し、それぞれの層で含むことのできる水分量を段階的に変えることにより汗や水分を効率よく吸い上げて拡散することができる。具体的には吸水層で吸収された汗や水分などがポンプアップ層により毛細管現象で急速に吸い上げられ、更に拡散層で外部に拡散される仕組みを有する。
この一体化された吸水性ポリエステル繊維16に熱融着されたベース側樹脂フィルム2
上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の電極4と、電極4により給電される位置にPTC抵抗体インクの印刷・乾燥により抵抗体5を作製した。抵抗体は、発熱温度が約40℃程度に成るように作製されており、エチレン酢酸ビニル共重合体を2種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化することにより得た。
カバー側樹脂フィルム3は、ベース側樹脂フィルム2と同様の樹脂組成物であり、上述した方法により吸水性ポリエステル繊維16の上にフィルムを作成した。これを述した電極4及びPTC抵抗体5に貼り合わせ、発熱体11を作成した。
本発熱体11の両面は、どちらも吸水性ポリエステル繊維16で被覆されており、長時間発熱体を装着しても、ドライ感、快適感は維持されることがわかった。
(実施の形態3)
図3は、本実施の形態における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図3(a)は平面図、図3(b)は(a)のx−y断面図である。図3において、発熱体21の構成は以下の通りである。
ベース側樹脂フィルム2は、インフレーション法を用いて作成したもので、オレフィン系の熱可塑性樹脂(PPと優れた相溶性を示すPPの軟質化材を含む樹脂)と、耐熱性を発現させるための熱可塑性樹脂(エチレン及びプロピレンを直接反応させて得られた重合型TPO)と、電極や抵抗体との接触特性が良好となるオレフィン系の接着性樹脂(無水マレイン酸成分を含むエチレン成分を含む樹脂)の混練物からなり、合計3種の樹脂ブレンドからなるフィルムで、貼り合わせ後のフィルムの厚みとしては60−70ミクロンのものを得た。
このベース側樹脂フィルム2上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の電極4と、電極4により給電される位置にPTC抵抗体インクの印刷・乾燥により抵抗体5を作製した。抵抗体は、発熱温度が約40℃程度に成るように作製されており、エチレン酢酸ビニル共重合体を2種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化することにより得た。
カバー側樹脂フィルム3は、ベース側樹脂フィルム2と同様の樹脂組成物であり、上述した方法によりフィルムを得、これを述した電極4及びPTC抵抗体5に貼り合わせた。
さらにベース側樹脂フィルム2とカバー側樹脂フィルム3の外側を、吸水性ポリエステル繊維26として、東レ社製のポリエステル繊維「サラカラ」を用いて被覆した。本ポリエステル性繊維は、肌に触れる側が反対側に比べ繊維密度が高い、といった多層構造を有するため、水分や汗を素早く吸い上げ拡散できる。また表面には細かな凹凸が付いているためべたつくことがなく、また凹部には空気が滞留し保温性を高めることができる。なお、ベース側樹脂フィルム2及びカバー側樹脂フィルム3と吸水性ポリエステル繊維26は、両面テープ27を用いることにより貼りあわせ、発熱体21を得た。なお両面テープ27として、アクリル系粘着剤と不織布の層構造からなるNo.501F(日東電工社製)を用いた。
本発熱体21の両面は、どちらも吸水性ポリエステル繊維26で被覆されており、長時間発熱体を装着しても、ドライ感、快適感は維持され、また保温性も良好であることがわかった。
(実施の形態4)
図4は、本実施の形態における高分子発熱体の概略切り欠き構成図を示すものであり、図4(a)は平面図、図4(b)は(a)のx−y断面図である。図4において、発熱体31の構成は以下の通りである。
ベース側樹脂フィルム2は、インフレーション法を用いて作成したもので、オレフィン系の熱可塑性樹脂(PPと優れた相溶性を示すPPの軟質化材を含む樹脂)と、耐熱性を発現させるための熱可塑性樹脂(エチレン及びプロピレンを直接反応させて得られた重合型TPO)と、電極や抵抗体との接触特性が良好となるオレフィン系の接着性樹脂(無水マレイン酸成分を含むエチレン成分を含む樹脂)の混練物からなり、合計3種の樹脂ブレンドからなるフィルムで、貼り合わせ後のフィルムの厚みとしては60−70ミクロンのものを得た。
このベース側樹脂フィルム2上に銀ペーストの印刷・乾燥により一対の電極4と、電極4により給電される位置にPTC抵抗体インクの印刷・乾燥により抵抗体5を作製した。抵抗体は、発熱温度が約40℃程度に成るように作製されており、エチレン酢酸ビニル共重合体を2種類組み合わせ、カーボンブラックを混練・架橋したものにアクリロニトリルブチルゴムをバインダーとして溶剤でインク化することにより得た。
カバー側樹脂フィルム3は、ベース側樹脂フィルム2と同様の樹脂組成物であり、上述した方法によりフィルムを得、これを述した電極4及びPTC抵抗体5に貼り合わせた。
さらにベース側樹脂フィルム2とカバー側樹脂フィルム3の外側を、吸水性ポリエステル繊維36として、帝人ファイバー社製のポリエステル繊維「MRTファイバー」を用いて被覆した。本ポリエステル性繊維は、吸水すると生地が一定方向に伸長するため、生地の形態が変化し、肌に直接触れる表面部分のべとつき感と冷え感が解消される仕組みを有している。本ポリエステル性繊維はポリエーテルエステル系ポリマーからなり、水分環境により生地の形態と通気度を調節できる自己調節機能を有するものである。
なお、ベース側樹脂フィルム2及びカバー側樹脂フィルム3と吸水性ポリエステル繊維36は、両面テープ37を用いることにより貼りあわせ、発熱体31を得た。なお両面テープ37として、アクリル系粘着剤とポリエステルフィルム基材の層構造からなるNo.5601(日東電工社製)を用いた。
さらに本発熱体31においては、図4(a),(b)にも図示する様に、上下のポリエステル繊維層を貫通する開口部38としてスリットを設けることにより、更に柔軟性を発揮させる工夫を施した。結果、本発熱体31は、吸水性ポリエステル繊維36で被覆されており、長時間発熱体を装着しても、ドライ感、快適感は維持され、また保温性も良好であり、かつ適度な柔軟性を示すことがわかった。
以上のように、本発明にかかる発熱体は、快適性と柔軟性を併せ持つ発熱体を提供できるので、座席ヒーター以外にも、直接人体に接触させて用いるようなサポータ様のヒーター等への応用展開が可能となる。
(a)本実施の形態1における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)同発熱体の断面図 (a)本実施の形態2における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)同発熱体の断面図 (a)本実施の形態3における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)同発熱体の断面図 (a)本実施の形態4における発熱体の構成を示す切り欠き平面図(b)同発熱体の断面図 (a)従来の発熱体を示す平面図(b)同発熱体の断面図
符号の説明
1,11,21,31,41 発熱体
2 ベース側樹脂フィルム
3 カバー側樹脂フィルム
4 電極
5 抵抗体
6,16,26,36 吸水性ポリエステル繊維
27,37 両面テープ
38 開口部
42 ベース材
43 カバー材
44 電極
45 抵抗体

Claims (9)

  1. ベース側樹脂フィルムとカバー側樹脂フィルムに狭持してなる一対の電極と、該一対の電極間に形成された抵抗体とを備えた高分子発熱体において、前記ベース側樹脂フィルム及び/または前記カバー側樹脂フィルムの外表部を、吸水性ポリエステル繊維により被覆することを特徴とする高分子発熱体。
  2. 前記吸水性ポリエステル繊維が、多層構造を有する請求項1記載の高分子発熱体。
  3. 前記吸水性ポリエステル繊維の外表面が、撥水層を有する請求項1または2に記載の高分子発熱体。
  4. 前記吸水性ポリエステル繊維において、外表面側が内側に比べて高い繊維密度である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  5. 前記吸水性ポリエステル繊維が、吸水により繊維が伸長し、乾燥すると収縮する伸縮作用を有する請求項1記載の高分子発熱体。
  6. 前記吸水性ポリエステル繊維が、ポリエーテルエステル系ポリマーである請求項5記載の高分子発熱体。
  7. 前記ベース側樹脂フィルム及び/または前記カバー側樹脂フィルムと、前記吸水性ポリエステル繊維が両面テープにより接着してなる請求項1〜6項のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  8. 前記両面テープが不織布を含む請求項1〜7項のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
  9. 前記吸水性ポリエステル繊維により被覆された高分子発熱体が、該発熱体を貫通する複数の開口部を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
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