JP2010257682A - 面状発熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低抵抗でかつ高いPTC特性を有るとともに、高信頼性を有する面状発熱体を提供数する。
【解決手段】難燃性基材2上に貼り合わされた第1難燃性ホットメルトフィルム3と、前記第1難燃性ホットメルトフィルム3状に貼り合わされたフィルム状の難燃性PTC抵抗体4と、前記難燃性PTC抵抗体4に給電する一対の難燃性電極5と、前記難燃性PTC抵抗体4と一対の難燃性電極5を被覆する第2難燃性ホットメルトフィルム7と、前記第2難燃性ホットメルトフィルム7が貼り合わされた難燃性被覆材6とからなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄肉、低抵抗で、かつ優れたPTC特性を有する面状発熱体に関する。
従来、この種の面状発熱体には、ベースポリマーと、カーボンブラック、金属粉末、グラファイトなどの導電性物質を溶媒に分散して抵抗体インクとして、これを基材に印刷・乾燥して通電により発熱する抵抗体組成物を用いている。
特に、ベースポリマーとして結晶性樹脂を用いてPTC特性を持たせたものが多い。
具体的には図4,5に示したように、面状発熱体は、ポリエステルフィルムなどの電気絶縁性の基材50上に、銀ペースト等の導電性ペーストを印刷・乾燥して得られる一対の櫛形状電極51、52と、これにより給電される位置に高分子抵抗体インクを印刷・乾燥して得られる高分子抵抗体53を設け、さらに基材50と同様の材質の被覆材54でこれら櫛形状電極51、52及び高分子抵抗体53を被覆して保護する構成としていた。
基材50及び被覆材54としてポリエステルフィルムを用いる場合には、被覆材54に、例えば変性ポリエチレン系の熱融着性樹脂55を予め接着しておき、熱を与えながら加圧する(熱時加圧)ことにより、基材50と被覆材54とを熱融着性樹脂55を介して接合するようにしていた。
これにより、櫛形状電極51、52及び高分子抵抗体53は外界から隔離され、長期信頼性を付与されるのである(例えば、特許文献1,2参照)。
PTC特性とは、温度上昇によって抵抗値が上昇し、ある温度に達すると抵抗値が急激に増加する抵抗温度特性(Positive Temperture Coefficient)を意味しており、このPTC特性を有する高分子抵抗体53により自己温度調節機能を有する面状発熱体を提供できるものである。
また、抵抗体組成物をインクとしてではなく、結晶性樹脂をベースポリマーとして、これにカーボンブラックやグラファイトなどの導電性物質を混練して作製された混練物を電極ケーブルとともに押し出し成型して形成したものもあり、凍結防止用ヒータとして用いられている。
図6はその具体的構成を示し、電極ケーブル56を平行に押し出し機のダイスより引き出しながら、同時にその周囲に抵抗体混練物57を押し出し被覆して、続いてこの周囲に絶縁被覆材58を被覆して構成されていた(例えば、特許文献3参照)。
特開昭56−13689号公報 特開平6−96843号公報 特開平8−120182号公報
しかしながら、前記従来の構成では、用いられる抵抗体組成物の比抵抗は通常1000
0Ω・cm以上であり、そのため、例えば、自動車用としてDC駆動の発熱体に用いる場合には、数ミリメートル間隔とする櫛形電極のように非常に近接して給電する構成となっていた。
通常、櫛形電極は銀ペーストに印刷・乾燥により形成されるので高価なものとなっていた。
一方、押し出し成型による発熱体では、インクに供するものに比べてミリメートル単位の厚肉となるとともに、電極ケーブル間が近接した構成となり面状発熱体と言えるものではなかった。
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、薄肉でかつ低比抵抗を有するPTC特性を有し、かつ信頼性の高い面状発熱体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の面状発熱体は、難燃性基材上に貼り合わされた第1難燃性ホットメルトフィルムと、この第1難燃性ホットメルトフィルム上に貼り合わされたフィルム状の難燃性PTC抵抗体と、前記難燃性PTC抵抗体間に給電する一対の難燃性電極と、前記難燃性PTC抵抗体と一対の難燃性電極を被覆する第2難燃性ホットメルトフィルムと、前記第2難燃性ホットメルトフィルムが貼り合わされた難燃性被覆材とからなるものである。
本発明によれば、低抵抗で高いPTC特性を発現できるとともに、信頼性の高い面状発熱体を提供できるものである。
本発明の実施の形態1における面状発熱体を示す平面図 図1のX−Y断面図 難燃性電極の拡大断面図 従来の面状発熱体を示す平面図 図4のX−Y断面図 従来の他の発熱体を示す断面図
第1の発明は、難燃性基材上に貼り合わされた第1難燃性ホットメルトフィルムと、前記第1難燃性ホットメルトフィルム上に貼り合わされたフィルム状の難燃性PTC抵抗体と、前記難燃性PTC抵抗体に給電する一対の難燃性電極と、これら難燃性PTC抵抗体、難燃性電極を被覆する第2難燃性ホットメルトフィルムと、前記第2難燃性ホットメルトフィルムが貼り合わされた難燃性被覆材とからなる。
この構成により、フィルム状の難燃性PTC抵抗体の両面は第1,第2難燃性ホットメルトフィルムにより被覆された構成となり、低抵抗で高いPTC特性を発現できるとともに、信頼性の高い面状発熱体を提供できる。
第2の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性PTC抵抗体が、少なくとも変性ポリエチレン樹脂と酸化ポリエチレンワックスと導電体と液状難燃剤とカップリング剤とからなるものである。
この構成により、室温から約100℃の間の飽和発熱温度を有し、難燃性と信頼性の高
いPTC抵抗体組成部を提供できる。
第3の発明は、特に、前記第1または第2の発明において、難燃性PTC抵抗体をカレンダー加工によりフィルム化して用いた。
この構成により、400マイクロメートル以下、好ましくは75から200マイクロメートルの厚みの薄肉・フィルム状の難燃性PTC抵抗体とすることができる。
第4の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性電極として、難燃性被膜抵抗体で被覆された金属撚り腺を用いた。
この構成により、金属撚り線と難燃性PTC抵抗体との電気的接続を、難燃性被覆抵抗体を介してより確実で、かつ金属撚り線断線時のスパークによる火災・発煙等のファイアーハザード(以下、FHと略する。)を抑制することができる。
第5の発明は、特に、前記第4の発明において、難燃性被膜抵抗体として、少なくとも変性ポリエチレン樹脂と、導電性ウィスカを含む導電体と、難燃剤と、カップリング剤とからなる。
この構成より、金属、および難燃性PTC抵抗体との密着性の両方を確保することができる。また、導電性ウィスカによりFH効果を高めることができる。
第6の発明は、特に、前記第1の発明において、第1,第2難燃性ホットメルトフィルムが、少なくとも分子量が10,000から30,000の範囲の有機溶剤難溶性の結晶性ポリエステル樹脂と難燃剤とからなり、第1難燃性ホットメルトフィルムの融点が第2難燃性ホットメルトフィルムの融点よりも高いものとして用いた。
この構成より、難燃性PTC抵抗体と一体となって、低い抵抗値で高いPTC特性を発揮できるとともに、高い信頼性(特に、耐熱性)を有する面状発熱体を提供できる。
第7の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性基材および難燃性被覆材として、難燃性不織布、または難燃性ポリエステル系フィルムを用いうことで、難燃性を付与、向上させることができる。
第8の発明は、特に、前記第1の発明において、難燃性基材上に貼り合わされた第1難燃性ホットメルトフィルム面にカレンダー加工により難燃性PTC抵抗体をフィルム状に貼り合わせ、この難燃性PTC抵抗体上に一定の間隔で難燃性電極を配置するとともに、難燃性被覆材に貼り合わされた第2難燃ホットメルトフィルムを対向させた状態で、これらすべてを熱融着したことで、量産性優れた面状発熱体を提供できる。
第9の発明は、前記第1〜8のいずれか一つの面状発熱体を自動車用座席装置に暖房用熱源として装着したものである。
第10の発明は、前記第1〜8のいずれか一つの面状発熱体を自動車用ハンドル装置に暖房用熱源として装着したものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜3において、例えば、難燃剤が含浸乾燥されてなる難燃性ポリエステル繊維で作製されたニードルパンチからなる難燃性基材2上にTダイ押し出し法により窒素・リン系の粉末状難燃剤(商品名「アデカスタブ FP−2100J」、白色粉末、旭電化工業(株)製)が25重量%混練された結晶性ポリエステル樹脂(商品名「バイロン GM925」、融点160℃、東洋紡績(株)製)を55マイクロメートル厚みの第1難燃性ホットメルトフィルム3を貼り合わせ、この第1難燃性ホットメルトフィルム3上に難燃性PTC抵抗体4をカレンダー法により100マイクロメートル厚みのフィルム状に形成し、このフィルム状の難燃性PTC抵抗体4上に、100mmの間隔で一対の難燃性電極5を配置して、難燃性被覆材6として25マイクロメートル厚みの難燃性ポリエステルフィルムを用いて、これに貼り合わされた厚み55マイクロメートルの第2難燃性ホットメルトフィルム7面を、難燃性PTC抵抗体4に対向させた状態で、これらすべてを熱融着して面状発熱体1を作製した。
難燃性PTC抵抗体4は、結晶性樹脂組成物として、変性ポリエチレン樹脂にして、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(商品名「ロトリル 29MA03」、融点61℃、アトフィナ(株)製)35部と、酸化ポリエチレンワックス(商品名「NPS−9125」、凝固点66℃、日本精鑞(株)製)35部と、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体(商品名「アクリフト WH206」、融点86℃、住友化学(株)製)30部で構成し、この結晶性樹脂組成物26重量%と、3種類の導電体として、カーボンブラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒子径21nm、デグサ社製)と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒子径79nm、三菱化学(株)製)と、グラファイト(商品名「CGB−15」、球状黒鉛、日本黒鉛(株)製)とを組み合わせて56重量%と、液状難燃剤(商品名「CR−733S」、リン酸エステル系液状難燃剤、大八化学(株)製)13重量%と、加工助剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にアクリル変性を施した添加剤(商品名「メタブレンA3000」、三菱レイヨン(株)製)2.5重量%、チタニウム系カップリング剤(商品名「プレンアクトKR−44」、味の素ファインテクノ(株)製)2.5重量%とを混練して作製した。
難燃性電極5は、銅銀合金線からなる集合金属撚り線8を難燃性被覆抵抗体9で被覆したものを一対として左右対称に配置している。
第2難燃性ホットメルトフィルム6は、Tダイ押し出し法により窒素・リン系の粉末状難燃剤(商品名「アデカスタブ FP−2100J」、白色粉末、旭電化工業(株)製)が25重量%混練された結晶性ポリエステル樹脂(商品名「バイロン GM920」、融点107℃、東洋紡績(株)製)を55マイクロメートルの厚みとして作製した。
構成部材を熱融着する方法としては、熱プレス法や熱ラミネート法いずれでも作製することができる。
また、難燃性被覆抵抗体9は、変性ポリエチレン樹脂として、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(商品名「ロトリル 29MA03」、融点61℃、アトフィナ(株)製)35部と、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体(商品名「アクリフト WH206」、融点86℃、住友化学(株)製)35部と、無水マレイン酸変性ポリエチレン(商品名「ロタダー LX−4110」、融点107℃、アルケマ社製)30部で樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物26重量%と、導電体として、カーボンブラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒子径21nm、デグサ社製)11重量%と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒子径79nm、三菱化学(株)製)22重量%と、導電性ウィスカ(商品名「FTX−14−6」、石原産業(株)製)26重量%と、液状難燃剤(商品名「CR−733S」、リン酸エステル系液状難燃剤、大八化学(株)製)11.5重量%と、加工助剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にアクリル変性を施した添加剤(商品名「メタブレンA3000」、三菱レイヨン(株)製)2.5重量%、
安定化剤としてチタニウム系カップリング剤(商品名「プレンアクトKR−44」、味の素ファインテクノ(株)製)1重量%とを混練して作製した。
なお、一対の難燃性電極5に電源を供給するためのリード線は省略している。また、種々の発熱パターンにより、難燃性電極3の配置形状を変更する必要があることは言うまでもないが、ここでは省略している。
上記実施の形態において、得られた面状発熱体1の面積抵抗は25Ω□(20℃、難燃性PTC抵抗体4の膜厚100マイクロメートル)であった。
300mm×350mm四角の面積に難燃性電極3間隔100mmで2列の配置構成とした場合(難燃性電極3間隔100mmで長さ600mmに相当)の比抵抗は、約0.25Ω・cmであった。
カレンダー加工での膜厚は最低でも75マイクロメートル、ロールコーター加工では10マイクロメートルと見ている。
また、比抵抗としては、本実施例の難燃性PTC抵抗体で用いたカーボンブラック・グラファイト系では0.03Ω・cmが下限と見ている。
したがって、0.1Ω・cm以下の比抵抗の実現には金属粉の添加が不可欠となるが、金属粉では高充填しないと導通を確保できない。カレンダー加工に用いる樹脂コンパウンドには適用できないと考える。ロールコーター加工に用いる抵抗体インクでは十分適用が可能である。
今回、得られた難燃性PTC抵抗体4はPTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上昇し、所定の温度になるように自己温度調節機能を有するようになり、温度コントロールが不要で安全性の高い面状発熱体1としての機能を有するようになる。そして、自動車用座席に組み込まれるカーシートヒータや自動車用の輻射ヒータとして用いることができる。
PTC特性を有する面状発熱体として速熱性と省エネ性を従来のチュービングヒーターを発熱体とするものに比べて発揮することができる。
チュービングヒーターを発熱体とするものは、温度制御器を必要として、ON−OFF制御で通電を制御して発熱温度を制御している。
ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇するため、座席表皮材とはある程度の距離をおいて配置する必要があるのに対して、本実施の形態の面状発熱体では、発熱温度が40℃〜60℃の範囲に自己制御されるので、座席表皮材近傍に近接して配置することができる。発熱温度が低く、身体との接触暖房として用いて、放熱ロスを低減できることによる省エネ性を実現できる。
また、全ての構成部材を難燃性とすることで、本実施の形態の面状発熱体に、自動車用内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃性はもとより自己消火するものや、標線間の燃焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満足する難燃性を付与できる。
本実施の形態の難燃性PTC抵抗体4(難燃剤添加濃度13重量%)を用いた面状発熱体の難燃性評価結果は不燃性であった(着火して1.5インチにある標線までに達するこ
となく消火)。
また、本実施の形態で得た面状発熱体1を、80℃耐熱性評価、150℃耐熱性評価、−20℃と50℃のヒートサイクル評価を実施した。
その結果、それぞれ、500時間、200時間、200回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以内であった。
さらに、150℃耐熱性評価での死に際が高抵抗化するという安全性を確保できた。耐熱性評価での安定性の要因としては、安定化剤として用いているチタニウム系カップリング剤の導電体表面への結合による導電体の安定化効果と、加工助剤による溶融張力の向上効果、さらに、第1,第2難燃性ホットメルトフィルムの難燃性PTC抵抗体中への浸透、一部相溶化が起因していると考えられた。
本実施の形態における難燃性ホットメルトフィルムの効果を以下のように考えている。すなわち、PTC特性は組成物として用いている変性ポリエチレン樹脂や酸化ポリエチレンワックスの融点に起因している。
今回のように、発熱温度が40から60℃の接触暖房に適した発熱体とする場合には、これら変性ポリエチレン樹脂や酸化ポリエチレンワックスの融点はその近傍に設定される。
しかしながら、そうすることで、耐熱性が欠如することとなる。通常、実用耐熱温度は、樹脂やワックスの融点よりも高い場合が多く、そのために、各種安定化剤が用いられることとなる。
例えば、有機化酸化物を化学架橋剤として用いて、樹脂やワックス分子間に化学結合を生じさせ、耐熱性を向上させることが一般的に行われる。
しかしながら、架橋レベルを高くすると、PTC特性を損なうことになる。本実施の形態のような低抵抗で高いPTC特性を発揮するためには、一般的な安定化方法では対応できない。
そこで、抵抗体の周囲に融点の高い、すなわち耐熱性の高い難燃性ホットメルトを配置させて、カレンダー加工により作製されたフィルム状の難燃性PTC抵抗体内部に浸透することで、一部相溶化して、導電体パスを強化することによる低抵抗化と、難燃性PTC抵抗体の内部に浸透することによる難燃性ホットメルトの熱的特性を加味することができることで優れたPTC特性を発現できると考えている。
融点の低いホットメルト材(難燃性第2ホットメルトフィルム)ほど浸透する程度が大きいと考えられるが、それだけでは耐熱性が欠如するので、融点の高い難燃性第1ホットメルトフィルム)を組み合わせているのである。
また、優れたPTC特性を発揮するために、酸化ポリエチレンワックス等の低融点の高結晶性樹脂の適用や複数の導電体を組み合わせることを本実施の形態では適用している。
そのメカニズムの詳細は現時点では不明であるが以下のように推察している。
先ず、PTC特性を有する抵抗体組成物とするためには、用いる結晶性樹脂は、その融点が発熱飽和温度以上の近傍にあって、結晶化度の高いものを選択する必要がある。ポリ
エチレン共重合体では融点が低下するほど結晶化度が低下して急峻なPTC特性を実現できない。
低融点でありながら高い結晶化度を有し、かつ他の樹脂との親和性を向上させるために一部が酸化された酸化パラフィンワックスを用いたことによる添加効果と、導電粒子サイズや形状の異なる導電体の組み合わせがマッチングしたものと考えている。
導電体としては、できるだけ少ない添加量で所定の抵抗値を達成することが求められるが、そうした導電体は一般的には導電性カーボンブラックと呼ばれるもので、1次粒子径が約20nm以下でストラクチャー(葡萄の房のように1次粒子の集合体のことをいう。吸油量で相関付けられている。)の発達した構造のものであるが、そうした導電性カーボンブラックでは一方で、PTC特性を発現しにくいという欠点を有していた。
これは、導電性カーボンブラックではストラクチャーが発達して、結晶性樹脂の温度による比容積の変化(これがPTC特性発現の主因と言われている)によってもストラクチャーの導電パスが切断されにくいことによるといわれている。
一方で、1次粒子径の大きいカーボンブラックは優れたPTC特性を有することを発明者らは知見として得ていた。また、グラファイトとして、前述したカーボンブラックよりもさらに粒子径が大きい、球状グラファイトを用いている。
これらの複数の導電体を組み合わせることで、厚みが約300マイクロメートル以下で、面積抵抗が100Ω□以下、比抵抗が1Ω・cm以下の抵抗を有するとともに、PTC特性のひとつの指標となる20℃の抵抗値の対する50℃の抵抗値の比が2.5以上、20℃の抵抗値の対する80℃の抵抗値の比が7以上の抵抗体組成物とすることができた。
こうした低抵抗でありながら優れたPTC特性を発揮できたメカニズムの詳細は不明であるが、結晶性樹脂と複数の導電体を組み合わせたことによる新規な導電パスの形成と、難燃性ホットメルトの存在が関係していると考えている。
なお、上記実施例では、安定化剤として、チタニウム系カップリング剤を用いたが、これに限定するものではない。有機過酸化物等の化学架橋剤を用いることができる。
また、モンタン酸部分けん化エステルなどのワックス、さらには他のワックス等の可塑剤や分散剤を必要に応じて用いても良いことは言うまでもない。
ホットメルト材の材質としては、ポリエステル系を用いたが、これに限定するものではない。
ウレタン系(ウレタン系熱可塑性エラストマー)やナイロン系(ポリアミド系熱可塑性エラストマー)等、を用いても良い。
また、導電体の形状としては特に言及しなかったが、球状、不定形以外に、ウィスカーや繊維形状のものと組み合わせても良い。
さらに、本実施の形態の面状発熱体は、全て難燃性を有する構成部材で構成したが、必ずしもこれに限定するものではない。面状発熱体を別の難燃性部材、例えば金属板などに貼り合わせて、あるいは挟み込んで用いる場合には、別の難燃性部材の難燃性の効果が大きく、面状発熱体を難燃性にする必要が無いこともあり得る。
以上のように、本発明にかかる面状発熱体は、低抵抗で高いPTC特性を有するとともに、信頼性が高く、暖房用発熱体として自動車の座席、ハンドル、その他の部位の暖房に供することができる。
1 面状発熱体
2 難燃性基材
3 第1難燃性ホットメルトフィルム
4 難燃性PTC抵抗体
5 難燃性電極
6 難燃性被覆材
7 第2難燃性ホットメルトフィルム
8 集合金属撚り線
9 難燃性被覆抵抗体

Claims (10)

  1. 難燃性基材上に貼り合わされた第1難燃性ホットメルトフィルムと、前記第1難燃性ホットメルトフィルム上に貼り合わされたフィルム状の難燃性PTC抵抗体と、前記難燃性PTC抵抗体に給電する一対の難燃性電極と、これら難燃性PTC抵抗体、難燃性電極を被覆する第2難燃性ホットメルトフィルムと、前記第2難燃性ホットメルトフィルムが貼り合わされた難燃性被覆材とからなる面状発熱体。
  2. 難燃性PTC抵抗体が、少なくとも変性ポリエチレン樹脂と酸化ポリエチレンワックスと導電体と液状難燃剤とカップリング剤とからなる請求項1記載の面状発熱体。
  3. 難燃性PTC抵抗体をカレンダー加工によりフィルム化して用いてなる請求項1または2記載の面状発熱体。
  4. 難燃性電極として、難燃性被膜抵抗体で被覆された金属撚り腺を用いてなる請求項1記載の面状発熱体。
  5. 難燃性被膜抵抗体として、少なくとも変性ポリエチレン樹脂と、導電性ウィスカを含む導電体と、難燃剤と、カップリング剤とからなる請求項4記載の面状発熱体。
  6. 第1,第2難燃性ホットメルトフィルムが、少なくとも分子量が10,000から30,000の範囲の有機溶剤難溶性の結晶性ポリエステル樹脂と難燃剤とからなり、第1難燃性ホットメルトフィルムの融点が第2難燃性ホットメルトフィルムの融点よりも高いものとして用いてなる請求項1記載の面状発熱体。
  7. 難燃性基材および難燃性被覆材として、難燃性不織布、または難燃性ポリエステル系フィルムを用いてなる請求項1記載の面状発熱体。
  8. 難燃性基材上に貼り合わされた第1難燃性ホットメルトフィルム面にカレンダー加工により難燃性PTC抵抗体をフィルム状に貼り合わせ、この難燃性PTC抵抗体上に一定の間隔で難燃性電極を配置するとともに、難燃性被覆材に貼り合わされた第2難燃ホットメルトフィルムを対向させた状態で、これらすべてを熱融着した請求項1記載の面状発熱体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の面状発熱体を暖房用熱源として装着した自動車用座席装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項記載の面状発熱体を暖房用熱源として装着した自動車用ハンドル装置。
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