JP6225558B2 - 繊維強化プラスチック成形体用シート及び繊維強化プラスチック成形体 - Google Patents

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本発明は、繊維強化プラスチック成形体用シート及び繊維強化プラスチック成形体に関する。具体的に、本発明は、強化繊維、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維、及びバインダー成分を含む繊維強化プラスチック成形体用シートと、該繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体に関するものである。
炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維を含む不織布を加熱加圧処理し、成形した繊維強化樹脂成形体は、既にスポーツ、レジャー用品、航空機用材料など様々な分野で用いられている。これらの繊維強化樹脂成形体においてマトリックスとなる樹脂には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、またはフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられることが多い。しかし、熱硬化性樹脂を用いた場合、熱硬化性樹脂と強化繊維を混合した不織布は冷蔵保管しなければならず、長期保管ができないという難点がある。
このため、近年は、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用い、強化繊維を含有した繊維強化不織布の開発が進められている。このような熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いた繊維強化不織布は、保存管理が容易であり、長期保管ができるという利点を有する。また、熱可塑性樹脂を含む不織布は、熱硬化性樹脂を含む不織布と比較して成形加工が容易であり、加熱加圧処理を行うことにより成形加工品を成形することができるという利点を有している。
従来、熱可塑性樹脂は、耐薬品性・強度等、熱硬化性樹脂よりも劣るものが主流であった。しかし、近年は、耐熱性、耐薬品性などに優れた熱可塑性樹脂が盛んに開発されるようになり、これまで熱可塑性樹脂について常識とされてきた上記のような欠点が目覚ましく改善されてきている。このような熱可塑性樹脂は、いわゆる「エンプラ(エンジニアリングプラスチック)」と呼ばれる樹脂であり、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)等が挙げられる(例えば、非特許文献1)。
上記「エンプラ」と称される熱可塑性樹脂は、強度が優れるだけでなく、難燃性が非常に高いことが特徴のひとつである。このようなエンプラを使用した繊維強化プラスチック成形体の検討は、これまでにも様々に試行されている。
強化繊維と熱可塑性繊維を含む不織布は、不織布製造工程の終了後、適切な大きさに裁断し、プレス工程を行うまでの間の工程強度を得るため、バインダーが必須成分となる。このバインダー成分は、通常の不織布製造工程における乾燥工程の温度である110℃〜200℃程度で強度を発現するものであり、PVA、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル等が主流である。しかし、このようなバインダーは、上記のようなエンプラ(エンジニアリングプラスチック)よりも難燃性に劣り、燃焼時の発煙ガス分も多いため、多量に添加するとエンジニアリングプラスチックの特性を損ねてしまう。
一方で、添加量が不十分である場合、強度が弱く上記の裁断工程やプレス工程において不織布が破断して生産効率を悪化させたり、表面繊維が工程中に脱落し、飛散するなどして作業環境を著しく悪化させるなどの不具合を発生させてしまう。
表面繊維が工程中に脱落し、飛散するなどの不具合を緩和する手段の一つとしては、不織布が含有する繊維の繊維長を長くし、繊維1本あたりの他繊維との交点数や繊維同士の絡み合いを増加させる、という手段が考えられる。強化繊維と熱可塑性繊維を含有する繊維強化プラスチック成形体用シートに関する繊維長についての技術としては、例えば、特許文献1に、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む不織布において、繊維長が長い強化繊維を使用する方法が開示されている。ここでは、強化繊維の繊維長を熱可塑性樹脂の繊維長よりも長くすることにより、加熱加圧されることにより成形される繊維強化プラスチック成形体の強度を高めることが提案されている。
特表2006−524755号公報
「平成19年度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業分野への適用に関する調査報告書」、財団法人 次世代金属・複合材料研究開発協会、社団法人 日本機械工業連合会、平成20年3月発行
上述したように、特許文献1に開示された発明によれば、強化繊維の繊維長を長くすることにより、表面繊維が工程中に脱落し、飛散するなどの不具合も解消されるようにも思われる。
しかしながら、特許文献1に記載されたような不織布を用いて繊維強化プラスチック成形体を成形した場合、繊維の分散が難しくなり、不織布の均一性が低下するという不具合が生じることが本発明者らの検討により明らかとなった。例えば、未分散の繊維が残ったり、また不織布製造工程において一旦分散した繊維同士が再凝集したり、絡み合って結束を生じたりして、不具合を発生させることがある。このように、繊維結束等が発生した繊維強化プラスチック成形体では、表面の意匠性が損なわれるため問題となる。
すなわち、特許文献1に記載のような、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む不織布を用いた場合、表面の意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することが困難であるという問題があった。
意匠性を高めるためには、不織布に含まれる繊維を短くすることが考えられるが、強化繊維の繊維長を短くすると不織布の製造工程において、繊維が飛散する等の悪影響を与えることがあるため、問題となっていた。
すなわち、従来技術においては、ハンドリング性が優れており、かつ意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成できるという両者を兼ね備えた繊維強化プラスチック成形体用シート(不織布)が得られておらず、さらなる改良が求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、表面の意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形し得る繊維強化プラスチック成形体用シートを提供することを目的として検討を進めた。さらに、本発明者らは、ハンドリング性に優れ、飛散繊維等で作業環境を過度に汚染することのない繊維強化プラスチック成形体用シート(不織布)を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートにおいて、熱可塑性繊維の繊維長を強化繊維の繊維長以上とすることにより、繊維強化プラスチック成形体の意匠性を高め得ることを見出した。さらに、本発明者らは、上記のような構成を有する繊維強化プラスチック成形体用シートを用いて繊維強化プラスチック成形体を成形した場合、ハンドリング性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、前記強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長以下であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シート。
[2]前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[3]前記熱可塑性繊維の限界酸素指数が24以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[4]前記強化繊維の繊維長が、前記マトリックス樹脂繊維の繊維長の85%以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[5]前記強化繊維の繊維長が3mm以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[6]前記強化繊維の繊維長が6mm以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[7]前記繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[8]前記熱可塑性繊維はポリカーボネート繊維を含むことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[9]前記熱可塑性繊維はポリエーテルイミド繊維を含むことを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[10]前記熱可塑性繊維及び前記強化繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[11]バインダー成分を含有し、前記バインダー成分は、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[12]前記バインダー成分は前記熱可塑性繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする[1]〜[11]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[13]前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする[1]〜[12]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[14]前記バインダー成分は、さらに前記熱可塑性繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする[1]〜[13]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[15]前記共重合体は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜4質量%となるように含有され、前記バインダー繊維は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して1.5〜6質量%となるように含有されることを特徴とする[14]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[16]前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする[14]又は[15]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[17]前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多いことを特徴とする[1]〜[16]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[18]前記バインダー成分に含まれる共重合体は、前記強化繊維と前記マトリックス樹脂繊維を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在していることを特徴とする[13]〜[17]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[19][1]〜[18]のいずれか1項に記載されている繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成されている繊維強化プラスチック成形体。
[20]強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法において、前記強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長以下であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[21]前記不織布シートを形成する工程は、前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする[20]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
本発明によれば、強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、ハンドリング性の良い繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。また、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートを用いれば、表面性が良く、意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(繊維強化プラスチック成形体用シート)
本発明は、強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートに関する。ここでは、強化繊維の繊維長は、熱可塑性繊維の繊維長以下である。このように、本発明では、繊維強化プラスチック成形体用シートにおいて、熱可塑性繊維の繊維長を強化繊維の繊維長以上とすることにより、ハンドリング性が改良された繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。ここで、ハンドリング性に優れるとは、繊維強化プラスチック成形体用シートを用いて繊維強化プラスチック成形体を形成する際に、繊維の脱落や飛散が抑制された状態をいう。さらに、このような繊維強化プラスチック成形体用シートを用いることにより、表面に繊維束等がなく、意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。
強化繊維やマトリックス樹脂繊維はロービングやストランドと呼ばれる繊維束をロータリーカッターやギロチンカッターで所定の寸法にカットしたものであり、寸法精度はきわめて高く、概ね設定繊維長に対し±10%以下のバラツキ範囲となるのが一般的である。本発明における繊維長とは、このようにカットした際の設定長さをいう。そして、本発明は強化繊維の繊維長が熱可塑性繊維の繊維長以下であることを大きな特徴とする。
繊維長は、いずれの繊維も『JIS R 3420「ガラス繊維一般試験方法」7.8 チョップドストランドの長さ』に準じた方法で測定することにより確認することができる。この方法は、試料10g以上を採り、その中から20本のストランドを取り出してシャーレ上に並べ、万能投影機で10倍(長さ)に拡大し、0.5mmまで測定できるスケールで測定する方法である。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおいて、強化繊維と熱可塑性繊維の質量比は1:0.2〜1:10であることが好ましく、1:0.5〜1:5であることがより好ましく、1:0.7〜1:3であることがさらに好ましい。強化繊維と熱可塑性繊維の質量比を上記範囲内とすることにより、軽量であり、かつ高強度の繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度は、250秒以下であることが好ましく、230秒以下であることがより好ましく、200秒以下であることがさらに好ましい。この数値は、数字が小さいほど空気が通りやすい(通気性が良い)ことを表す。本発明では、繊維強化プラスチック成形体用シートの透気度を上記範囲内とすることにより、加熱加圧工程における成形速度を高めることができ、生産効率を高めることができる。
(強化繊維)
強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を使用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
強化繊維として、例えば、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を使用した場合、繊維強化プラスチック成形体用シートに含まれる熱可塑性繊維の溶融温度で加熱加圧処理することにより繊維強化プラスチック成形体を形成することが可能となる。
また、強化繊維として、アラミド繊維等の高耐熱性・高強度の有機繊維を使用した場合は、高度な平滑性の要求される精密な研磨用の機器に適する繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。アラミド等の有機繊維を強化繊維として含有する繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される繊維強化プラスチック成形体は、一般的に強化繊維として無機繊維を使用した繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される成形体よりも耐摩耗性に優れる。また擦過等によって繊維強化プラスチック成形体の一部が削り取られたとしても、その削り粕が無機繊維よりも柔らかいので、被研磨物を傷つけるおそれが少ない。
強化繊維の繊維長は、3mm以上であることが好ましく、6mm以上であることがより好ましく、8mm以上であることがさらに好ましい。また、強化繊維の繊維長は、50mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましく、13mm以下であることがさらに好ましい。
強化繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、強化繊維の分散性を良好にすることができる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック体は概ね良好な強度と外観を有する。さらに、強化繊維の繊維長をより好ましい範囲とすることにより、繊維の分散性を特に良化することができ、強度と外観が特に優れ、更に表面の光沢感も高まるため意匠性も優れる繊維強化プラスチック体が得られる。
また、本発明の強化繊維の繊維長はマトリックス樹脂繊維の繊維長以下であり、強化繊維の繊維長は、マトリックス樹脂繊維の繊維長の85%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、75%以下であることがさらに好ましい。なお、ここでは、強化繊維の繊維長が熱可塑性繊維の繊維長に対して、上記範囲であることが好ましい。このように、強化繊維の繊維長を上記範囲とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートのハンドリング性を高めることができ、かつ意匠性が高められた繊維強化プラスチック成形体を成形することが可能となる。
なお、強化繊維の繊維径は、特に限定されないが、一般的には炭素繊維、ガラス繊維共に繊維径が5〜25μm程度の繊維が好適に使用される。
<マトリックス樹脂繊維>
マトリックス樹脂繊維は、熱可塑性繊維を含む。熱可塑性繊維は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成する。このようなマトリックス樹脂繊維を用いた不織布状の繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
熱可塑性繊維としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)等を例示することができる。中でも、繊維分散性が良好であり、かつ高強度の繊維強化プラスチック成形体を得るために、ポリカーボネートやポリエーテルイミドを用いることが好ましい。
熱可塑性繊維は、繊維状態において限界酸素指数が24以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。熱可塑性繊維の限界酸素指数を上記範囲とすることにより、難燃性に優れた繊維強化プラスチック成形体用シート及び繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。なお、本発明において、「限界酸素指数」とは、燃焼を続けるのに必要な酸素濃度を表し、JIS K7201に記載された方法で測定した数値をいう。すなわち、限界酸素指数が20以下は、通常の空気中で燃焼することを示す数値である。
また、熱可塑性繊維のASTM E−662に記載の方法で測定した20分燃焼時の発煙量は30ds前後であることが好ましく、非常に発煙量が少ない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
熱可塑性繊維のガラス転移温度は、140℃以上であるものが好ましい。熱可塑性繊維には、繊維強化プラスチック成形体を形成する際に300℃から400℃というような温度条件下で十分に流動的であることが求められる。なお、PPS樹脂繊維のようにガラス転移温度が140℃未満のスーパーエンプラ繊維であっても、樹脂の荷重たわみ温度が190℃以上となるスーパーエンプラを繊維化したものであれば使用可能である。このような熱可塑性繊維は、加熱・加圧により溶融して限界酸素指数が30以上という非常に高い難燃性を有する樹脂ブロックを形成する。
熱可塑性繊維の繊維長は、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、14mm以上であることがさらに好ましい。また、熱可塑性繊維の繊維長は、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく、20mm以下であることがさらに好ましい。なお、本発明では、熱可塑性繊維の繊維長は強化繊維の繊維長以上であることが特徴である。このため、熱可塑性繊維の繊維長は上記範囲内であって、強化繊維の繊維長以上の繊維長を有している。このように、本発明では、熱可塑性繊維の繊維長を長くすることによって、繊維強化プラスチック成形体の意匠性を高めることができる。これは、強化繊維と異なり、熱可塑性繊維は、成形後は溶融するため、繊維長が長くても、成形体に対する意匠性に影響を与えないためであると考えられる。なお、熱可塑性繊維の繊維長を長くすることによって、成形前は、繊維長が短い強化繊維が脱落したり飛散したりすることを抑制することができる。
本発明で用いられる繊維強化プラスチック成形体用シートでは、熱可塑性繊維が繊維形態をしていることによりシート中に空隙が存在している。
本発明では、熱可塑性繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック成形体を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
<バインダー成分>
本発明において、繊維強化プラスチック成形体用シートに含有されるバインダーとしては、一般的に不織布製造に使用されるアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、PVA樹脂等が使用できる。
バインダー成分は、加熱加圧成形後にマトリックスとなる熱可塑性繊維が加熱加圧成形で溶融する際に、その樹脂と相溶する樹脂成分であることが特に好ましい。このような樹脂成分をバインダーとした場合、加熱加圧成形後、マトリックス樹脂とバインダー樹脂の間に界面が存在せず一体化するため高強度となる。さらにバインダー成分に起因するマトリックス樹脂のガラス転移温度の低下が少ないという特徴を持つ。
本発明では、バインダー成分は、繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。さらに、意匠性に優れる繊維強化プラスチック成形体を成形することが可能となる。
バインダー成分は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート及びエチルアクリレートの少なくとも1種のモノマーを含有するモノマー混合物を重合させることによって得られる共重合体を含むことが好ましい。すなわち、バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位、エチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも1つを含む共重合体を含有する。中でも、バインダー成分は、メチルメタクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチルメタクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも1つを含む共重合体を含有することが好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
バインダー成分は、上記の共重合体に加えて、さらに熱可塑性繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することが好ましい。バインダー繊維は、熱可塑性繊維等と混合して水中に分散し、湿式抄紙法で抄造した場合、粒状バインダーのように抄紙ワイヤーの目から抜けて歩留が低下したり、ワイヤー側に偏在したりすることがないため好ましく用いられる。また、このようなバインダー繊維を使用することにより、層間強度を向上させることができる。
バインダー繊維としては、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。変性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂を変性することで融点を低下させたものであれば特に限定されないが、変性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。変性ポリエチレンテレフタレートとしては、共重合ポリエチレンテレフタレート(CoPET)が好ましく、例えば、ウレタン変性共重合ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリエステル樹脂はポリエーテルイミド繊維と加熱溶融時に相溶するため、冷却後も熱や樹脂の機能を損ないにくいため、好ましく用いられる。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、上記芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
共重合体は繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜4質量%となるように含有され、バインダー繊維は繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して1.5〜6質量%となるように含有されることが好ましい。
共重合体とバインダー繊維の含有率を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートの表面強度及び層間強度を高めることができる。なお、上記の範囲においては、共重合体を成分とするバインダー(液状バインダー)の配合量は、ポリエステル樹脂又は変性ポリエステル樹脂よりも少ないほうが、臭気の関係から好ましい結果が得られる。ポリエステル系バインダーはマトリックス樹脂と相溶するため、比較的添加量が多くとも臭気を発生しにくく、また、液状バインダーは繊維交点に集中して偏在しやすいため、かかる結果が得られているものと推定している。
バインダー成分として好ましい組合せとしては、アクリル系のエマルジョンと低融点熱可塑性樹脂繊維としてのチョップ状のPET繊維の組合せである。具体的には、繊維強化プラスチック成形体用シートに対してアクリル系バインダー0.3〜4質量%に対し、PET繊維1.5〜6質量%である。好ましくはアクリル系バインダー1〜3質量%に対し、PET繊維2〜6質量%、更に好ましくはアクリル系バインダー1.5〜2.5質量%に対し、PET繊維3〜5質量%である。
繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と表層領域に挟まれた中間領域を有するシート形状である場合、表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分より多いことが好ましい。特にバインダー成分のうち、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位、エチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも1つを含む共重合体が表層領域に多く含有されていることが好ましい。
ここで、繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域は、不織布シートを厚さ方向(Z軸方向)に略3分割した際に、外側に位置する2つの領域である。なお、中間領域はこれらの2つの領域に挟まれた間の領域をいう。表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分より多いことが好ましく、表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分の1.1〜1.5倍であることがより好ましい。
このように、バインダー成分を表層領域に集中させることで、高温の金型やプレス板により加熱加圧成形される際に、バインダー成分が効果的に加熱されるため、バインダー成分が速やかに熱分解・揮発する。これにより熱成形品に残留するバインダー成分がごく僅かな量に抑えられることとなる。このため、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートでは、熱可塑性繊維の機能を十分に発揮することができる。
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、及びメチルアクリレートの少なくとも1種のモノマーを含有するモノマー混合物を重合させることによって得られる共重合体を成分とする液状バインダーは繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域に集中して存在することが好ましい。また、これらの液状バインダーは、両表層領域の繊維成分同士の交点に水掻き膜状に局在することが好ましい。すなわち、共重合体は、強化繊維とマトリックス樹脂繊維を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在することが好ましい。このように局在することにより、バインダー成分が少量であっても使用工程においても両表層領域の繊維の脱落を少なくすることができる。また、変色が少なく好適であり、繊維強化プラスチック成形体用シートの抄造直後に平板にカットして積層し、プレスするような工程に好適に使用できる。
なお、バインダー成分のうち、共重合体を含む成分は、表層領域に集中させることが好ましいが、バインダー繊維は、繊維強化プラスチック成形体用シートの中間領域に含有させることもできる。これにより、繊維強化プラスチック成形体用シートの層間強度が高まり、加熱成形加工時のハンドリング性が更に改善される。
バインダー繊維は、強化繊維やマトリックス樹脂繊維等と共に空気中に分散させてネットに捕捉してウエブを形成する方法(乾式不織布法)で繊維強化プラスチック成形体用シートに含有させることができる。また、バインダー繊維は、溶媒中に分散させ、その後溶媒を除去してウエブを形成する方法(湿式不織布法)等の方法で繊維強化プラスチック成形体用シートに含有させることもできる。
尚、一般に湿式不織布法で得られるシートは繊維がMD方向に配向する傾向がある。本願発明の繊維強化プラスチック成形体用シートも湿式不織布法で製造する場合は繊維がMD方向に配向する傾向となる。この場合、強度縦横比が強くなると、強化繊維の配向もMD方向が強くなるため、得られる繊維強化プラスチック体も、MD方向の強度が強く、相対的にCD方向は弱くなる傾向となる。
このように、強化繊維プラスチックの特に強度が優れる方向を、不織布シートの強度縦横比で調整することもできる。
繊維強化プラスチック成形体用シートの表層にバインダーを相対的に多く存在させる方法としては、下記方法が挙げられる。例えば、バインダー成分を溶媒に溶解した液状物、若しくはバインダー成分の乳化物(エマルジョン)を不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥するという製造方法が挙げられる。中でも、湿式不織布法又は乾式不織布法によってウエブを形成した後、バインダー成分を溶媒に溶解した液状物、若しくはバインダー成分の乳化物(エマルジョン)を、ディッピング、若しくはスプレー法等で付与し、加熱乾燥するという製造方法が好ましく用いられる。この方法によれば、加熱乾燥する際に、ウエブ内部の溶媒が両面の表層に移動し、蒸発するため、この溶媒の移動に伴ってバインダーも表層に相対的に多く集中する。
上記のように、繊維強化プラスチック成形体用シートの表層にバインダー成分を偏在させるためには、バインダー成分の溶液、若しくはエマルジョン等、液状のバインダー成分を使用し、加熱乾燥させる製造方法を採用することができる。この場合、溶媒の移動が多いほうがバインダー成分の偏在が強まるため好ましい。
このような方法を採用する場合、湿式不織布法でウエットウエブを形成後、バインダーの水溶液、若しくはエマルジョンをウエブにディッピング若しくはスプレー等の方法で付与し、乾燥する方法が好ましい。この場合、ウエブ水分はバインダーの水溶液、若しくはエマルジョンのバインダー液濃度や、湿式不織布製造工程におけるウエットサクション、ドライサクションによる水分の吸引力の調整で行うことが可能である。
バインダー成分を偏在させるために好ましいウエブ内の水分量は50%以上であるが、ある程度以上に水分が多いと乾燥負荷が大きくなり、製造コストがかさむため、両者を勘案して適宜ウエブ内水分量を調整することが好ましい。
上記の対策で不十分な場合、バインダー成分の添加量を減少させる方法として、繊維強化プラスチック成形体用シートを湿式抄紙し、強度縦横比を大きくすることも好ましい。具体的には、ジェットワイヤー比の調整によってマシンの抄造方向(MD方向)とその直角方向(CD方向)の強度比(強度縦横比)を大きくすることができる。一般に、強度縦横比を大きくすると、繊維が一方向に並ぶ傾向となり、不織布の密度が高くなる傾向にある。その結果、繊維間の交点が増加するため、少量のバインダーでも十分な表面強度が得られる。このような効果が明確に得られるのは、通常、強度縦横比が1.5以上、より明確に得られるのは3.0以上、更に明確に得られるのは5.0以上である。
一方、あまりに強度縦横比が強いと横強度が弱くなり、ハンドリング性に劣る。この点を考慮すると、好ましい強度縦横比は15以下、より好ましくは10以下である。
(繊維形状)
本発明では、熱可塑性繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。
上記のような場合、繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱可塑性繊維、強化繊維、バインダー繊維のチョップドストランドを、空気中に分散させてネットに捕捉してウエブを形成する方法(乾式不織布法)で製造される。また、熱可塑性繊維、強化繊維、バインダー繊維のチョップドストランドを溶媒中に分散させ、その後溶媒を除去してウエブを形成する方法(湿式不織布法)等の方法で製造されてもよい。
(繊維強化プラスチック成形体)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートは、目的とする成形品の形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。繊維強化プラスチック成形体用シートは、1枚単独、或いは所望の厚さとなるように積層して熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱し、金型によって加熱加圧成形することができる。このように、一般的な繊維強化プラスチック成形体用シートの加熱加圧成形方法を用いて加工することにより、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体とすることができる。
繊維強化プラスチック成形体用シートから繊維強化プラスチック成形体を成形する際には、繊維強化プラスチック成形体用シートを、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することが好ましい。具体的には、繊維強化プラスチック成形体用シートを150〜600℃の温度で加熱加圧成形することが好ましい。なお、加熱温度は、熱可塑性樹脂繊維が流動する温度であって強化繊維は溶融しない温度帯であることが好ましい。
本発明で得られるプラスチック成形品は、力学的強度に優れ、かつ工業的に有用な生産性を兼ね備えているため、種々の用途に展開することができる。
(繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程は、強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む。なお、この製造工程に用いる強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長よりも短く、強化繊維の繊維長は、マトリックス樹脂繊維の繊維長の85%以下であることが好ましい。また、強化繊維の繊維長は6mm以上であることが好ましい。
本発明では、不織布シートを形成する工程では、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことが好ましい。すなわち、繊維強化プラスチック成形体用シートを形成する工程は、乾式不織布法又は湿式不織布法のいずれかの方法で不織布シートを形成する工程と、バインダー成分を含む溶液等を不織布シートに内添、塗布又は含浸させる工程を含むことが好ましい。さらに、内添、塗布又は含浸後には、加熱乾燥させる工程を含む。このような工程を設けることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートの表面繊維の飛散、毛羽立ちや脱落を抑制することができ、ハンドリング性に優れた繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
なお、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを不織布シートに内添、塗布又は含浸させた後は、その不織布シートを急速に加熱することが好ましい。このような加熱工程を設けることにより、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域に移行させることができる。さらに、バインダー成分を水掻き膜状に局在させることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
表1に示した繊維長で、繊維径7μmのPAN系炭素繊維と、表1に示した繊維長で、繊維径30μmのポリカーボネート樹脂繊維(ダイワボウポリテックス社製、限界酸素指数25)を、質量比がPAN系炭素繊維40に対しポリカーボネート樹脂繊維60となるように計量し、水中に投入した。更に、投入した水の量は、PAN系炭素繊維とPEI樹脂繊維の合計質量に対し200倍とした(すなわち、繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を繊維(PAN系炭素繊維とポリカーボネート繊維の合計)100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
この繊維スラリーから湿式抄紙法でウエットウエブを形成し、濃度5%のエマルジョン液バインダー(メチルメタクリレート共重合体、日本触媒製 EMN−188E)をスプレー法によって付与した後、バインダーの固形分添加量が表1に示すとおりとなるように、ウエブ水分をサクションによって適宜脱水し、180℃で加熱乾燥することにより目付けが300g/m2である繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。なお、繊維強化プラスチック成形体用シートの幅は2.3mであった。
(実施例2〜34及び比較例1〜11)
以下、実施例2〜34、比較例1〜11は表1〜8の強化繊維、マトリックス樹脂繊維の繊維長、配合比率およびバインダー成分の樹脂、バインダー量にしたがって、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。
(評価)
(ハンドリング性)
実施例及び比較例で得られた各繊維強化プラスチック成形体用シートを、6枚積層し、260℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、180℃に冷却して繊維強化プラスチック成形体を得た。
この加熱加圧操作の際の繊維強化プラスチック成形体用シートの表面繊維の脱落・飛散及び取り扱いやすさ(ハンドリング性)を、以下のとおり評価した。
A:手荒く扱ってもシートの破れ・繊維の脱落等が発生せず、非常に良好であるもの。
B:通常の使用において全く問題が発生しないもの。
C:実用上やや問題を生じるが、製造は可能であるもの。
D:表面繊維の脱落が非常に多く、量産では明らかに問題を発生するもの。
E:表面繊維の脱落が非常に多く、またシートが破れやすくハンドリング性に劣るため、量産時の製造効率が著しく低下するもの。
(断裁時の繊維飛散)
実施例及び比較例で得られた各繊維強化プラスチック成形体用シートを、(1)2ドラム式ワインダーに適した紙管に巻きつけるため、ワインダーで巻き直しを行った。(2)(1)で得られた巻取りを、幅1100mmとなるように2ドラム式ワインダーで断裁し、長さ500mの巻取りを得た。(3)(1)で得た巻取りを、更に幅500mmとなるように2ドラム式ワインダーで断裁し、300mの巻取りを得た。そして、(2)及び(3)の作業中における繊維強化プラスチック成形体用シートの表面繊維の脱落・飛散を、以下のとおり評価した。
A:手荒く扱ってもシートの破れ・繊維の脱落等が発生せず、非常に良好であるもの。
B:通常の使用において全く問題が発生しないもの。
C:実用上やや問題を生じるが、製造は可能であるもの。
D:表面繊維の脱落が非常に多く、量産では明らかに問題を発生するもの。
E:表面繊維の脱落が非常に多く、またシートが破れやすくハンドリング性に劣るため、量産時の製造効率が著しく低下するもの。
(断裁時の層間剥離)
また、上記(1)及び(2)の工程を経た後の繊維強化プラスチック成形体用シートについて、以下のとおり評価した。
A:層間剥離が発生しなかったもの。
B:若干層間強度が弱くなったが、実用上差し支えがなくハンドリングできるもの。
C:層間剥離が一部に発生するが、実用上差し支えなくハンドリングできるもの。
D:層間剥離が紙面の半分以上の面積に発生するが、ハンドリングは可能であるもの。
E:層間剥離が全面に発生し、ハンドリングが難しく生産性に影響を及ぼすもの。
(繊維のヨレ)
また、得られた繊維強化プラスチック体に見られる繊維のヨレの状況について、以下の通り評価した。尚、「ヨレ・結束」とは、繊維が水中で攪拌されている間に繊維同士が絡まり、ヨレてひも状になったものをいう。このひも状のヨレが長く・大きくなるとヨレの太さも太くなるため、加熱可加圧成形工程で溶融したマトリックス樹脂が十分含浸されない部分が発生し、外観上好ましくないばかりか強度も低下する。
A:ヨレはほとんどない。
B:強化繊維の長さの2倍以下のヨレが僅かにある。
C:強化繊維の長さの2倍以下のヨレが多数ある。
D:強化繊維の繊維長の2倍以上3倍以下の長さのヨレが多数あるが、表面繊維は全て樹脂で覆われている。
E:強化繊維の繊維長の3倍以上の長さのヨレが多数あり、表面繊維の一部に樹脂で覆われていない繊維がある。
(繊維強化プラスチック成形体の表面性)
更に、繊維強化プラスチック成形体の表面性について、以下の基準で評価を行った。尚、ここでいう未分散繊維とは、水中に繊維を投入し、攪拌した際、分散・モノフィラメント化せずに、複数の繊維がくっついた状態のままであるものである。本発明では、D評価以上のものを実用上問題のないレベルとした。
A:未分散繊維が全くなく、表面光沢感が非常に高い。
B:未分散繊維が1個〜2個/20cm角と少なく、表面光沢感が非常に高い。
C:未分散繊維が3〜5個/20cm角と少なく、表面光沢感が高い。
D:未分散繊維が6個〜9個/20cm角と比較的少なく、表面光沢感が高い。
E:未分散繊維が13個〜17個/20cm角と多く、未分散繊維の一部は光沢感がない。
F:未分散繊維が18個以上/20cm角であり、未分散繊維の大多数は光沢感がない。
(強度)
強度については、得られた繊維強化プラスチック成形体について、JIS K7074に準拠した方法で曲げ強度を測定した。
(限界酸素指数)
限界酸素指数(LOI値)については、JIS K 7201法に基づいて試験を行い算出した。
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以上の結果より、実施例で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートはハンドリング性に優れており、かつ、実施例で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートから成形された繊維強化プラスチック成形体の表面性は良好であり、意匠性に優れていることがわかる。一方、比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートは、ハンドリング性と意匠性の両方を兼ね備えていないことがわかる。
なお、比較例7〜9においてマトリックス樹脂繊維の長さを強化繊維より短くしたところ、製造工程において繊維の飛散・層間剥離等の問題が発生し工業的に効率よく量産することが困難であった。更に、強化繊維の繊維長を3mm以下とした場合、マトリックス樹脂繊維の長さを強化繊維の長さより短くした比較例においては、ウエットウエブの強度が不足するため、不織布製造工程においてウエットパートからドライヤーパートへ移行する部分のオープンドロー部で破断が生じ、実施例と同一の条件では繊維強化プラスチック成形体用シートを製造することが困難であった。
また、実施例19〜34においては、バインダーの付着量・付着状況を好ましい範囲とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートを繰り返しワインダーによる巻き直し・断裁加工を行った場合であっても表面繊維の脱落や層間剥離が発生せず、且つ加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック成形体の限界酸素指数・曲げ強度を損ねずに光沢感が高く、強度と意匠性に優れる繊維強化プラスチック成形体を得られることがわかる。
本発明によれば、強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、ハンドリング性の良い繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。また、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートを用いれば、表面性が良く、意匠性に優れ、強度も十分な繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。このため、本発明はプラスチック成形加工分野等において有効利用でき、産業上の利用可能性が高い。

Claims (19)

  1. 強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、
    前記強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長以下であり、
    前記熱可塑性繊維の限界酸素指数は24以上であり、
    前記バインダー成分は、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂及びPVA樹脂から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、
    前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多い
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シート。
  2. 前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  3. 前記強化繊維の繊維長が、前記マトリックス樹脂繊維の繊維長の85%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  4. 前記強化繊維の繊維長が3mm以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  5. 前記強化繊維の繊維長が6mm以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  6. 前記繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  7. 前記熱可塑性繊維はポリカーボネート繊維を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  8. 前記熱可塑性繊維はポリエーテルイミド繊維を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  9. 前記熱可塑性繊維及び前記強化繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  10. 前記バインダー成分は、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  11. 前記バインダー成分は前記熱可塑性繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  12. 前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  13. 前記バインダー成分は、さらに前記熱可塑性繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  14. 前記共重合体は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜4質量%となるように含有され、前記バインダー繊維は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して1.5〜6質量%となるように含有されることを特徴とする請求項13に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  15. 前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  16. 前記バインダー成分に含まれる共重合体は、前記強化繊維と前記マトリックス樹脂繊維を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在していることを特徴とする請求項1215のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載されている繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成されている繊維強化プラスチック成形体。
  18. 強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法において、
    前記強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長以下であり、
    前記熱可塑性繊維の限界酸素指数は24以上であり、
    前記バインダー成分は、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂及びPVA樹脂から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、
    前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多い
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
  19. 前記不織布シートを形成する工程は、前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
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