JP6225558B2 - 繊維強化プラスチック成形体用シート及び繊維強化プラスチック成形体 - Google Patents
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Description
上記「エンプラ」と称される熱可塑性樹脂は、強度が優れるだけでなく、難燃性が非常に高いことが特徴のひとつである。このようなエンプラを使用した繊維強化プラスチック成形体の検討は、これまでにも様々に試行されている。
一方で、添加量が不十分である場合、強度が弱く上記の裁断工程やプレス工程において不織布が破断して生産効率を悪化させたり、表面繊維が工程中に脱落し、飛散するなどして作業環境を著しく悪化させるなどの不具合を発生させてしまう。
すなわち、特許文献1に記載のような、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む不織布を用いた場合、表面の意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することが困難であるという問題があった。
すなわち、従来技術においては、ハンドリング性が優れており、かつ意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成できるという両者を兼ね備えた繊維強化プラスチック成形体用シート(不織布)が得られておらず、さらなる改良が求められていた。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[3]前記熱可塑性繊維の限界酸素指数が24以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[4]前記強化繊維の繊維長が、前記マトリックス樹脂繊維の繊維長の85%以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[5]前記強化繊維の繊維長が3mm以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[6]前記強化繊維の繊維長が6mm以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[7]前記繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[8]前記熱可塑性繊維はポリカーボネート繊維を含むことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[9]前記熱可塑性繊維はポリエーテルイミド繊維を含むことを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[10]前記熱可塑性繊維及び前記強化繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[11]バインダー成分を含有し、前記バインダー成分は、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[12]前記バインダー成分は前記熱可塑性繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする[1]〜[11]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[13]前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする[1]〜[12]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[14]前記バインダー成分は、さらに前記熱可塑性繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする[1]〜[13]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[15]前記共重合体は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜4質量%となるように含有され、前記バインダー繊維は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して1.5〜6質量%となるように含有されることを特徴とする[14]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[16]前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする[14]又は[15]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[17]前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多いことを特徴とする[1]〜[16]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[18]前記バインダー成分に含まれる共重合体は、前記強化繊維と前記マトリックス樹脂繊維を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在していることを特徴とする[13]〜[17]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[19][1]〜[18]のいずれか1項に記載されている繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成されている繊維強化プラスチック成形体。
[20]強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法において、前記強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長以下であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[21]前記不織布シートを形成する工程は、前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする[20]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
本発明は、強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートに関する。ここでは、強化繊維の繊維長は、熱可塑性繊維の繊維長以下である。このように、本発明では、繊維強化プラスチック成形体用シートにおいて、熱可塑性繊維の繊維長を強化繊維の繊維長以上とすることにより、ハンドリング性が改良された繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。ここで、ハンドリング性に優れるとは、繊維強化プラスチック成形体用シートを用いて繊維強化プラスチック成形体を形成する際に、繊維の脱落や飛散が抑制された状態をいう。さらに、このような繊維強化プラスチック成形体用シートを用いることにより、表面に繊維束等がなく、意匠性に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。
強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を使用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
また、強化繊維として、アラミド繊維等の高耐熱性・高強度の有機繊維を使用した場合は、高度な平滑性の要求される精密な研磨用の機器に適する繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。アラミド等の有機繊維を強化繊維として含有する繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される繊維強化プラスチック成形体は、一般的に強化繊維として無機繊維を使用した繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される成形体よりも耐摩耗性に優れる。また擦過等によって繊維強化プラスチック成形体の一部が削り取られたとしても、その削り粕が無機繊維よりも柔らかいので、被研磨物を傷つけるおそれが少ない。
強化繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、強化繊維の分散性を良好にすることができる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック体は概ね良好な強度と外観を有する。さらに、強化繊維の繊維長をより好ましい範囲とすることにより、繊維の分散性を特に良化することができ、強度と外観が特に優れ、更に表面の光沢感も高まるため意匠性も優れる繊維強化プラスチック体が得られる。
マトリックス樹脂繊維は、熱可塑性繊維を含む。熱可塑性繊維は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成する。このようなマトリックス樹脂繊維を用いた不織布状の繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
また、熱可塑性繊維のASTM E−662に記載の方法で測定した20分燃焼時の発煙量は30ds前後であることが好ましく、非常に発煙量が少ない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
本発明では、熱可塑性繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック成形体を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
本発明において、繊維強化プラスチック成形体用シートに含有されるバインダーとしては、一般的に不織布製造に使用されるアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、PVA樹脂等が使用できる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、上記芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
共重合体とバインダー繊維の含有率を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートの表面強度及び層間強度を高めることができる。なお、上記の範囲においては、共重合体を成分とするバインダー(液状バインダー)の配合量は、ポリエステル樹脂又は変性ポリエステル樹脂よりも少ないほうが、臭気の関係から好ましい結果が得られる。ポリエステル系バインダーはマトリックス樹脂と相溶するため、比較的添加量が多くとも臭気を発生しにくく、また、液状バインダーは繊維交点に集中して偏在しやすいため、かかる結果が得られているものと推定している。
ここで、繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域は、不織布シートを厚さ方向(Z軸方向)に略3分割した際に、外側に位置する2つの領域である。なお、中間領域はこれらの2つの領域に挟まれた間の領域をいう。表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分より多いことが好ましく、表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分の1.1〜1.5倍であることがより好ましい。
尚、一般に湿式不織布法で得られるシートは繊維がMD方向に配向する傾向がある。本願発明の繊維強化プラスチック成形体用シートも湿式不織布法で製造する場合は繊維がMD方向に配向する傾向となる。この場合、強度縦横比が強くなると、強化繊維の配向もMD方向が強くなるため、得られる繊維強化プラスチック体も、MD方向の強度が強く、相対的にCD方向は弱くなる傾向となる。
このように、強化繊維プラスチックの特に強度が優れる方向を、不織布シートの強度縦横比で調整することもできる。
このような方法を採用する場合、湿式不織布法でウエットウエブを形成後、バインダーの水溶液、若しくはエマルジョンをウエブにディッピング若しくはスプレー等の方法で付与し、乾燥する方法が好ましい。この場合、ウエブ水分はバインダーの水溶液、若しくはエマルジョンのバインダー液濃度や、湿式不織布製造工程におけるウエットサクション、ドライサクションによる水分の吸引力の調整で行うことが可能である。
一方、あまりに強度縦横比が強いと横強度が弱くなり、ハンドリング性に劣る。この点を考慮すると、好ましい強度縦横比は15以下、より好ましくは10以下である。
本発明では、熱可塑性繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートは、目的とする成形品の形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。繊維強化プラスチック成形体用シートは、1枚単独、或いは所望の厚さとなるように積層して熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱し、金型によって加熱加圧成形することができる。このように、一般的な繊維強化プラスチック成形体用シートの加熱加圧成形方法を用いて加工することにより、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体とすることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程は、強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む。なお、この製造工程に用いる強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長よりも短く、強化繊維の繊維長は、マトリックス樹脂繊維の繊維長の85%以下であることが好ましい。また、強化繊維の繊維長は6mm以上であることが好ましい。
表1に示した繊維長で、繊維径7μmのPAN系炭素繊維と、表1に示した繊維長で、繊維径30μmのポリカーボネート樹脂繊維(ダイワボウポリテックス社製、限界酸素指数25)を、質量比がPAN系炭素繊維40に対しポリカーボネート樹脂繊維60となるように計量し、水中に投入した。更に、投入した水の量は、PAN系炭素繊維とPEI樹脂繊維の合計質量に対し200倍とした(すなわち、繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を繊維(PAN系炭素繊維とポリカーボネート繊維の合計)100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
以下、実施例2〜34、比較例1〜11は表1〜8の強化繊維、マトリックス樹脂繊維の繊維長、配合比率およびバインダー成分の樹脂、バインダー量にしたがって、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。
(ハンドリング性)
実施例及び比較例で得られた各繊維強化プラスチック成形体用シートを、6枚積層し、260℃に予熱したホットプレスに挿入して60秒加熱加圧した後、180℃に冷却して繊維強化プラスチック成形体を得た。
この加熱加圧操作の際の繊維強化プラスチック成形体用シートの表面繊維の脱落・飛散及び取り扱いやすさ(ハンドリング性)を、以下のとおり評価した。
A:手荒く扱ってもシートの破れ・繊維の脱落等が発生せず、非常に良好であるもの。
B:通常の使用において全く問題が発生しないもの。
C:実用上やや問題を生じるが、製造は可能であるもの。
D:表面繊維の脱落が非常に多く、量産では明らかに問題を発生するもの。
E:表面繊維の脱落が非常に多く、またシートが破れやすくハンドリング性に劣るため、量産時の製造効率が著しく低下するもの。
実施例及び比較例で得られた各繊維強化プラスチック成形体用シートを、(1)2ドラム式ワインダーに適した紙管に巻きつけるため、ワインダーで巻き直しを行った。(2)(1)で得られた巻取りを、幅1100mmとなるように2ドラム式ワインダーで断裁し、長さ500mの巻取りを得た。(3)(1)で得た巻取りを、更に幅500mmとなるように2ドラム式ワインダーで断裁し、300mの巻取りを得た。そして、(2)及び(3)の作業中における繊維強化プラスチック成形体用シートの表面繊維の脱落・飛散を、以下のとおり評価した。
A:手荒く扱ってもシートの破れ・繊維の脱落等が発生せず、非常に良好であるもの。
B:通常の使用において全く問題が発生しないもの。
C:実用上やや問題を生じるが、製造は可能であるもの。
D:表面繊維の脱落が非常に多く、量産では明らかに問題を発生するもの。
E:表面繊維の脱落が非常に多く、またシートが破れやすくハンドリング性に劣るため、量産時の製造効率が著しく低下するもの。
また、上記(1)及び(2)の工程を経た後の繊維強化プラスチック成形体用シートについて、以下のとおり評価した。
A:層間剥離が発生しなかったもの。
B:若干層間強度が弱くなったが、実用上差し支えがなくハンドリングできるもの。
C:層間剥離が一部に発生するが、実用上差し支えなくハンドリングできるもの。
D:層間剥離が紙面の半分以上の面積に発生するが、ハンドリングは可能であるもの。
E:層間剥離が全面に発生し、ハンドリングが難しく生産性に影響を及ぼすもの。
また、得られた繊維強化プラスチック体に見られる繊維のヨレの状況について、以下の通り評価した。尚、「ヨレ・結束」とは、繊維が水中で攪拌されている間に繊維同士が絡まり、ヨレてひも状になったものをいう。このひも状のヨレが長く・大きくなるとヨレの太さも太くなるため、加熱可加圧成形工程で溶融したマトリックス樹脂が十分含浸されない部分が発生し、外観上好ましくないばかりか強度も低下する。
A:ヨレはほとんどない。
B:強化繊維の長さの2倍以下のヨレが僅かにある。
C:強化繊維の長さの2倍以下のヨレが多数ある。
D:強化繊維の繊維長の2倍以上3倍以下の長さのヨレが多数あるが、表面繊維は全て樹脂で覆われている。
E:強化繊維の繊維長の3倍以上の長さのヨレが多数あり、表面繊維の一部に樹脂で覆われていない繊維がある。
更に、繊維強化プラスチック成形体の表面性について、以下の基準で評価を行った。尚、ここでいう未分散繊維とは、水中に繊維を投入し、攪拌した際、分散・モノフィラメント化せずに、複数の繊維がくっついた状態のままであるものである。本発明では、D評価以上のものを実用上問題のないレベルとした。
A:未分散繊維が全くなく、表面光沢感が非常に高い。
B:未分散繊維が1個〜2個/20cm角と少なく、表面光沢感が非常に高い。
C:未分散繊維が3〜5個/20cm角と少なく、表面光沢感が高い。
D:未分散繊維が6個〜9個/20cm角と比較的少なく、表面光沢感が高い。
E:未分散繊維が13個〜17個/20cm角と多く、未分散繊維の一部は光沢感がない。
F:未分散繊維が18個以上/20cm角であり、未分散繊維の大多数は光沢感がない。
強度については、得られた繊維強化プラスチック成形体について、JIS K7074に準拠した方法で曲げ強度を測定した。
限界酸素指数(LOI値)については、JIS K 7201法に基づいて試験を行い算出した。
Claims (19)
- 強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、
前記強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長以下であり、
前記熱可塑性繊維の限界酸素指数は24以上であり、
前記バインダー成分は、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂及びPVA樹脂から選択される少なくとも1種を含有し、
前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、
前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多い
ことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シート。 - 前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記強化繊維の繊維長が、前記マトリックス樹脂繊維の繊維長の85%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記強化繊維の繊維長が3mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記強化繊維の繊維長が6mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記繊維強化プラスチック成形体用シートのJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記熱可塑性繊維はポリカーボネート繊維を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記熱可塑性繊維はポリエーテルイミド繊維を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記熱可塑性繊維及び前記強化繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は前記熱可塑性繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は、さらに前記熱可塑性繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記共重合体は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜4質量%となるように含有され、前記バインダー繊維は前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して1.5〜6質量%となるように含有されることを特徴とする請求項13に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分に含まれる共重合体は、前記強化繊維と前記マトリックス樹脂繊維を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在していることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載されている繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成されている繊維強化プラスチック成形体。
- 強化繊維と、熱可塑性繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法において、
前記強化繊維の繊維長は、前記熱可塑性繊維の繊維長以下であり、
前記熱可塑性繊維の限界酸素指数は24以上であり、
前記バインダー成分は、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂及びPVA樹脂から選択される少なくとも1種を含有し、
前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、
前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多い
ことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。 - 前記不織布シートを形成する工程は、前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
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