JPH11335955A - 不織布 - Google Patents

不織布

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JPH11335955A
JPH11335955A JP10158525A JP15852598A JPH11335955A JP H11335955 A JPH11335955 A JP H11335955A JP 10158525 A JP10158525 A JP 10158525A JP 15852598 A JP15852598 A JP 15852598A JP H11335955 A JPH11335955 A JP H11335955A
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JP
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binder resin
fiber
resin
fibers
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JP10158525A
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Yoshikazu Yakake
善和 矢掛
Yasuyoshi Horiguchi
泰義 堀口
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、バインダー樹脂で繊維を結合した不
織布でありながら、伸縮性、通気性、成型性および液体
保持性などに優れた不織布を提供せんとするものであ
る。 【解決手段】本発明の不織布は、熱可塑性合成繊維不織
布の構成繊維相互間が、バインダー樹脂および該バイン
ダー樹脂のフィブリルで結合されており、かつ、該バイ
ンダー樹脂のフィブリルは、該不織布内部の間隙におい
てスポンジ状構造を形成していることを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度、伸縮性、通
気性、成型性、液体保持性などに優れ、特にパイル把持
性、成型性の高いタフテッドカーペット一次基布、捕集
効率に優れ圧力損失の少ないフィルター、土木資材、湿
布材、拭き取り布として利用するのに適した不織布に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、不織布には、主に短繊維をニ
ードルパンチやウォータージェットパンチ処理にて繊維
絡合によって得られる不織布、さらにはエマルジョンな
どの樹脂接着剤によって繊維間を接着固定して得られる
不織布、スパンボンド法によって、ウエブを形成し、繊
維相互間を熱融着や機械的絡合、または樹脂接着剤によ
り固定して得られる長繊維不織布、メルトブロー法によ
る不織布などがあり、各不織布に適した数多くの用途が
あり、その商品も存在する。
【0003】かかる不織布において、既にバインダー樹
脂を用いることによって繊維相互間を接着固定した不織
布は、短繊維不織布、長繊維不織布を問わず公知であ
る。また、その製造方法として、エマルジョンやラテッ
クス系の樹脂接着剤中に、不織布を含浸させてマングル
ロールなどにより、ニップして、樹脂の付着量を調整し
た後、乾燥、固化させる方法や、樹脂接着剤をスプレー
にて噴霧して付着させる方法、グラビアロール、ロール
コーター、ドクターナイフなどを用いて接着剤を付着さ
せる方法などが一般的よく知られている。
【0004】一例として、エマルジョン系バインダー樹
脂を含浸法にて付着させて得られた従来不織布の断面の
繊維の形状を示す顕微鏡拡大写真を図2に示した。この
図2において、1はバインダー樹脂、2は不織布を構成
する繊維をそれぞれ表す。一般的に、エマルジョン系樹
脂は、不織布を構成する繊維の交点部分に集中して付着
するため、図2に示すように繊維交差部分に水掻き状に
付着したり、付着量が多くなる場合は、不織布相互間に
存在する間隙を閉塞した、連続膜の状態で付着するもの
である。
【0005】このように不織布の構成繊維をバインダー
樹脂にて固定、結合する最も大きな目的は強度の向上に
あり、従来の技術によって得られる不織布はその要求を
充分満足するものである。しかしながら、バインダー樹
脂で繊維を固定することにより、伸縮性や柔軟性が損な
われる問題や、バインダー樹脂が繊維相互間の間隙を閉
塞することによって、通気性や液体保持性などが低下す
る問題があった。
【0006】特にタフテッドカーペット一次基布に用い
た場合は、繊維交点部分が強固に接着されているため、
繊維の融通性がなく、タフティング時、タフトニードル
の基布への貫通抵抗が大きく、騒音やタフティング機械
への負荷の増大による故障といった問題がある。また、
繊維の融通性が少ないために、タフティング後のパイル
の把持性が小さく、染色製造工程時でのパイル抜けやカ
ーペット製品になっ後のパイル抜糸耐久性に劣るものと
なったり、車輌用途に用いるカーペットでは伸縮性、成
型性が求められるが、繊維の融通性がなく、成型時に目
地空き、破れといった問題を発生しやすい。
【0007】また、フィルター基材に適用した場合は、
バインダー樹脂が不織布相互間の間隙を閉塞して付着す
る傾向が強いために、バインダー樹脂で繊維を固定した
不織布は、一般的に通気量が小さく、また圧力損失が大
きい、フィルター寿命が短いといった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点に鑑み、バインダー樹脂で繊維を結合した
不織布でありながら、伸縮性、通気性、成型性および液
体保持性などに優れた不織布を提供せんとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の不織布は、熱可塑性合成繊維不
織布の構成繊維相互間が、バインダー樹脂および該バイ
ンダー樹脂のフィブリルで結合されており、かつ、該バ
インダー樹脂のフィブリルは、該不織布内部の間隙にお
いてスポンジ状構造を形成していることを特徴とするも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまりバイ
ンダー樹脂で繊維を結合した不織布でありながら、伸縮
性、通気性、成型性および液体保持性などの特性に優れ
た不織布を提供することができないか、鋭意検討した結
果、該バインダー樹脂をフィブリルという特定な形状に
して、繊維相互間の結合に供するとともに不織布内部の
間隙に存在せしめたところ、かかる課題を一挙に解決す
ることを究明したものである。すなわち、本発明は、不
織布の構成繊維相互間が、バインダー樹脂および該バイ
ンダー樹脂のフィブリルで結合されていて、しかも、該
フィブリルが、該不織布内部の間隙内でスポンジ状構造
を形成しているという特殊な不織布構造を有するところ
に特徴を有するものである。
【0011】本発明の不織布について、以下に図面を参
照しながら詳細に説明する。すなわち、図1は、本発明
の不織布の一例の断面の繊維の形状を示す顕微鏡拡大写
真である。図2は、前記したように従来技術不織布の断
面の繊維の形状を示す顕微鏡拡大写真である。該図1、
2の、1は樹脂接着剤、2は不織布を構成する繊維、3
は不織布内部に形成された間隙をそれぞれ表す。図1と
図2の繊維の形状から明らかなように、本発明の不織布
である図2のバインダー樹脂は、不織布内部に形成され
た間隙3において、該バインダー樹脂のフィブリルによ
ってスポンジ状構造が形成されていることがわかる。も
ちろん、かかるフィブリルも、構成繊維相互間を結合し
ているものであることがわかる。また、かかるフィブリ
ルの存在によって、該不織布内部の多数の間隙は、スポ
ンジのごとく見事に、その形態を安定に保持されている
のである。
【0012】このような不織布は、高い強力を有しなが
ら、かつ、繊維についても融通性があるために、不織布
の伸縮性、柔軟性といった特長を損なうことがない。ま
た、不織布内部には、多数の間隙が存在し、スポンジ状
構造を有するために、不織布の通気性、液体保持性とい
った特長についても損なわれることがないのである。
【0013】一方、図2のような従来不織布は、バイン
ダー樹脂によって繊維をガツチリ固定しているものであ
り、高い強力は有するが、バインダー樹脂が繊維交点部
に集中して付着して繊維を固定しており、繊維の融通性
がなく、伸縮性や柔軟性といった不織布が本来有する特
長が損なわれるものとなってしまうのである。このよう
な不織布では、該バインダー樹脂は、せいぜい繊維交点
部を中心に水掻き状に広がった連続膜を形成しており、
結局繊維相互間の間隙を閉塞したものとなり、それだけ
通気性や液体保持性も著しく低下するものとなる。
【0014】本発明の不織布の構成繊維は、短繊維、長
繊維いずれでもよいが、強度など物理的特性上、より好
ましくは長繊維がよい。さらにスパンボンド法によって
得られる長繊維不織布が製造コスト面から特に好まし
い。
【0015】また、繊維素材は、熱可塑性合成樹脂から
成る繊維であればいかなる繊維でもよいが、より好まし
くはポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン
繊維、ポリエチレン繊維などが好ましく、特に好ましく
は、強度、耐熱性、耐候性といった物理的特性や製造の
際の紡糸操業性の観点から、ポリエステル繊維、とりわ
けポリエチレンテレフタレート繊維が好ましく使用され
る。
【0016】また、かかる繊維素材としては、2成分の
ポリマーからなる複合繊維も好ましく使用され、その場
合、各ポリマーの融点差が少なくとも20℃以上である
ポリマーで構成されたものが好ましく使用される。たと
えばポリエステルの場合は、好ましくは、ポリエチレン
テレフタレートと共重合ポリエステル、たとえばアジピ
ン酸共重合ポリエステルやイソフタル酸共重合ポリエス
テルなどを組み合わせたものが好ましく使用される。
【0017】かかる複合繊維の2成分ポリマーの組合せ
形態としては、それぞれ単独の繊維から成る混合繊維、
高融点ポリマーを芯成分、低融点ポリマーを鞘成分とし
た芯鞘型複合繊維、高融点ポリマーと低融点ポリマーが
お互い並列したバイメタル型複合繊維などを好ましく用
いることができる。このように、融点の異なる2成分ポ
リマーを用いることによって、低融点ポリマーの熱融着
作用による繊維相互間の固定する、たとえば熱エンボス
ロールによる圧着、サクションドラムを用いて熱風をエ
アースルーさせる処理により、強度的に優れた不織布を
得ることができるものである。
【0018】また、不織布の嵩高性を向上させるため
に、また不織布内部の繊維相互間の間隙体積を向上させ
るために、繊維の形態を捲縮繊維、特にスパイラル構造
を有する捲縮繊維で、該不織布を構成することも好まし
い。このような捲縮繊維は、収縮性能の異なる2成分の
ポリマーを用いてバイメタル型複合繊維とするか、芯鞘
型複合繊維の場合では、芯成分を偏芯させることによっ
て、またポリマーを紡糸する過程において、一方向のみ
から冷却させることによって形成することができる。
【0019】さらには、不織布をニードルパンチ処理や
ウォータージェットパンチ処理することによって、より
嵩高で、柔軟性、伸縮性に優れた不織布にすることがで
きる。かかるニードルパンチ処理やウォータージェット
パンチ処理の後、上記のように繊維を熱融着作用によっ
て固定することも可能である。
【0020】その他、単繊維として、円形、楕円形、三
角形、四角形、中空構造などいかなる横断面形状を有す
る繊維も使用することができる。
【0021】本発明の不織布に用いるバインダー樹脂
は、とくに規定しないが、エマルジョン系もしくはラテ
ックス系で、処理液を構成することができる樹脂であれ
ば、いかなる樹脂をも使用することができる。
【0022】かかるバインダー樹脂としては、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢
酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウ
レタン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、メタクリル酸エステル−ブタジエンゴ
ム、さらにはポリエステル系エラストマーなどのエラス
トマー系樹脂などを用いることができる。より好ましく
は、不織布の伸縮性の観点から、ゴム系またはエラスト
マー系のゴム弾性を有する樹脂を用いるのが好ましい。
また、かかる樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上
を共重合や混合させて用いてもよい。
【0023】本発明のバインダー樹脂は、それ自体によ
って繊維同士を接合する機能を有するものであるが、不
織布内部の間隙においては、該バインダー樹脂のフィブ
リルによってスポンジ状構造を形成しているところに特
徴を有するものである。
【0024】かかるフィブリルを形成する方法として
は、たとえば、該バインダー樹脂のエマルジョン中に不
織布を含浸させた後、厚み方向に圧力を加えながら加熱
し、該バインダー樹脂がゲル状もしくは半乾燥状態にな
った状態、つまり手で触ったとき粘着性をもち、ある程
度粘弾性をもった状態になったところで、圧力を解除、
もしくは強制的に厚みを回復させる作用を与えることに
よって、該ゲル状態にあったバインダー樹脂を曳糸する
か、別の方法として、該バインダー樹脂のエマルジョン
中に不織布を含浸させた後、そのまま加圧することなく
加熱し、該バインダー樹脂がゲル状状態になったところ
で、該不織布の表裏面を厚さ方向に引っ張ってバインダ
ー樹脂を曳糸することにより、不織布内部の間隙部分
に、該バインダー樹脂のフィブリルを形成し、しかも、
該間隙部分全体に存在していた該バインダー樹脂を曳糸
することとなり、該間隙部分全体にフィブリルを形成
し、あたかもスポンジ状の構造を呈するものとなるので
ある。
【0025】かかるバインダー樹脂の付着量は、該不織
布に対して好ましくは3〜30重量%、さらに好ましく
は5〜20重量%がよい。かかる付着量が、3重量%未
満の場合は、バインダー樹脂が少なく強度など物理特性
を満足することが困難であり、特に短繊維を用いた場合
においては、繊維の脱落といった問題が発生しやすい。
一方、付着量が30重量%を越える場合は、バインダー
樹脂の付着量が多すぎるために、不織布の柔軟性が損な
われる傾向となったり、通気量が低下する傾向となる。
【0026】本発明の不織布は、特定の用途に用いた場
合、従来にない高い性能を発揮するものである。本発明
の不織布をタフテッドカーペット一次基布に用いた場
合、繊維相互間がバインダー樹脂のフィブリルで結合さ
れているために、繊維の融通性が高く、パイル糸をタフ
トニードルを用いてタフティングする際の基布への貫通
抵抗が小さく、加工時の騒音が低減するばかりか、タフ
ティングマシンへの負荷が少なく故障しにくいといった
利点がある。また、バインダー樹脂をゴム系やエラスト
マー系などの弾性樹脂を用いると、フィブリルであるこ
とにより、伸縮性を有し、タフティング後のパイル糸を
不織布を構成する繊維が包み込むように把持し、パイル
把持力が向上し、カーペット製造工程上のパイル抜けト
ラブル頻度を低減し、またカーペット製品においてもパ
イル抜糸耐久性が向上する。さらに、基布(不織布)の
内部に多数の間隙を有するために塩化ビニルペーストな
ど樹脂を用いてバッキング(裏打ち)する際、バッキン
グ樹脂の基布への浸透が円滑に行われるために、基布と
バッキング層の剥離がなく、またアンカー効果によって
パイル糸の抜糸耐久性にも優れたものとなる。
【0027】また、本発明の不織布をフィルター基材や
拭き取り布として用いた場合は、バインダー樹脂で繊維
が結合されているために、強度や耐久性に優れ、かつ不
織布内部に多数の間隙内が、該フィブリルによってスポ
ンジ状に結合されているので、通気量の低下や圧力損失
が少ないといった特長を発揮するものである。さらに、
不織布内部の構造が、不織布構成繊維の相互間が、該バ
インダー樹脂のフィブリルでスポンジ状または蜘蛛の巣
状に結合されているので、小さなダストを捕集でき、ま
た、内部の間隙に大量のダストを捕捉できるために、高
性能かつ高寿命という非常に優れたフィルター、拭き取
り布を提供することができるものである。
【0028】さらに、車輌資材として用いると不織布が
伸縮性に優れるために、成型が行いやすいといった特長
を、土木資材として用いても地盤凹凸への適応性や不織
布内部の間隙によって透水性に優れるといった特長を、
湿布材についても強度および伸縮性に優れるといった特
長を発揮するものである。
【0029】本発明の不織布は、単独で用いても、以上
のような優れた機能を発揮するものであるが、さらに不
織布内部に存在する多数の間隙に、機能性薬剤、たとえ
ば無機物粒子、紫外線吸収剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃
剤、導電剤、制電剤、消臭剤、高吸水性ポリマーなどの
保水剤、吸油剤などを充填することにより、格段に優れ
た機能性効果および機能持続性を有するものを提供する
ことができる。
【0030】
【実施例】以下実施例に基づき説明するが、本発明が以
下の実施態様のみに限定されるものではない。尚、実施
例における各特性の評価方法は、以下の通りである。 (1)不織布の引張強さ、伸び率および通気性 JIS L 1906の4.3引張強さ及び伸び率、
4.8通気性(1)フラジール形法に準じて測定した。
尚、不織布の長手方向をタテ、幅方向をヨコと記載し
た。 (2)カーペットのパイル引抜き強さ JIS L 1023のパイル引抜き強さのループパイ
ルの場合に準じて測定した。 (3)カーペットの成型性 カーペットの成型性は、四角錐状の凸部と凹部となる金
型を用い150℃の条件下で圧力をかけて成型し、成型
屈曲部のパイルの目地空きの程度によって下記のように
評価した。
【0031】 カーペットの伸びが均一で目地空きのないもの:○ カーペットの一部に目地空きが認められるもの:× (4)不織布(フィルター基材)のプリーツ加工性 フィルタープリーツ加工機を用い、プリーツ形態保持性
について評価した。通常、不織布の剛性が比較的高い場
合についてプリーツ加工性は良好な結果となる。評価基
準は下記の通りである。
【0032】 プリーツの山、谷部のエッジがシャープな状態で形態が
保持される:○ プリーツの山、谷部のエッジがシャープでなく形態が保
持されない:× 実施例1 高融点ポリマー成分として融点260℃のポリエチレン
テレフタレートを芯成分に、低融点ポリマー成分として
融点220℃のイソフタル酸共重合ポリエステルを鞘成
分として、芯:鞘比率が70:30である繊度8デニー
ルの芯鞘複合のエンドレスフィラメント(長繊維)をス
パンボンド法によって目付90g/m2 のウエブを形成
し、熱エンボスロールを用いて熱圧着後、樹脂接着剤と
して発泡処理したアクリル酸エステル樹脂のエマルジョ
ンを熱圧着後不織布の表面に付与し、裏面より吸引装置
を用いて、気泡エマルジョンが不織布の内部浸透するよ
うに処理した。その後直ちに150℃の乾燥機でエマル
ジョンの乾燥、固化を行い不織布を得た。その際の不織
布への樹脂接着剤の付着量は7.6%であった。さら
に、不織布へはジメチルシロキサン平滑剤をスプレーに
て付着量1%となるように付与した。 実施例2 実施例と同様の方法にて、樹脂接着剤の付着量が15.
6%の不織布を得た。 比較例1〜2 樹脂接着剤には実施例1同様の樹脂エマルジョンを用い
て、一般的な含浸法によって樹脂接着剤を付着させたこ
と以外は、実施例1と同様の方法によって付着量が8.
1%及び16.1%の不織布を得た。 実施例3 単糸繊度3デニールのポリエチレンテレフタレート繊維
をスパンボンド法によって目付100g/m2 のウエブを
形成し、針密度70回/cm2 の条件にてニードルパンチ
処理を行った後、樹脂接着としてスチレン−ブタジエン
ゴムのラテックスを用い、ラテックス中にニードルパン
チ処理後の不織布を含浸し、不織布の厚み方向にニップ
しながら150℃乾燥機を用いて乾燥を開始し、ラテッ
クスがゲル状態となった時点でニップを開放して厚みを
回復させた後、完全にラテックスの乾燥、固化を行い不
織布を得た。その際の、樹脂接着剤の付着量は、17.
1%であった。さらに、不織布へはジメチルシロキサン
平滑剤をスプレーにて付着量1%となるように付与し
た。 実施例4 イソフタル酸共重合ポリエステルとポリエチレンテレフ
タレートのバイメタル複合繊維を用い、ニードルパンチ
処理前に加熱処理によって繊維の捲縮を発現させたこと
以外は、実施例3と同様の方法によって不織布を得た。
その際の樹脂接着剤の付着量は16.6%であった。 比較例3 樹脂接着剤には実施例3同様の樹脂ラテックスを用い
て、一般的な含浸法によって乾燥の際にニップせずに樹
脂接着剤を付着させたこと以外は、実施例3と同様の方
法によって付着量が17.5%の不織布を得た。
【0033】不織布の断面を走査型電子顕微鏡によって
形態を確認し、実施例1〜4については、樹脂接着剤が
ひも状形態を有し、不織布内部に多数の間隙を有するス
ポンジ状形態であることを確認した。しかしながら比較
例1〜3については、樹脂接着剤が繊維交点部に集中
し、水掻き形状を有していた。特に比較例2について
は、不織布内部の間隙の多くが樹脂接着剤によって閉塞
状態であった。
【0034】さらに、実施例1〜4及び比較例1〜3に
て得られた不織布に、3000デニール、170フィラ
メントのナイロン製パイル糸を用い、1/10ゲージ、
ステッチ12本/インチ、パイル高さ3.5mm、パイル
目付650g/m2 の条件でループ状にタフティングし
パイル布帛を作成した。実施例1〜2、比較例1〜2の
不織布を用いたものに関しては、パイルのバックステッ
チ側から塩化ビニルペーストを用いてバッキング処理し
カーペットを作成し、パイル引抜き強さを測定した。
【0035】実施例3〜4及び比較例3については、上
記パイル布帛の裏に目付約100g/m2 の短繊維フェ
ルトをスプレー糊にて裏張りし、成型性の評価を実施し
た。
【0036】それぞれの性能について、表1及び表2に
示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】 実施例5 実施例1において、単糸繊度を5デニール、ウエブの目
付を75g/m2 とし、ジメチルシリコーン平滑剤を付
着しないこと以外は同様の方法によってフィルター基材
としての不織布を得た。その際の樹脂接着剤の付着量
は、6.1%であった。
【0039】また、得られた不織布の断面を走査型電子
顕微鏡によって形態を確認し、樹脂接着剤がひも状形態
を有し、不織布内部に多数の間隙を有するスポンジ状形
態であることを確認した。 比較例4 実施例5において、樹脂接着剤を用いないこと以外は実
施例5と同様の方法により不織布を得た。 比較例5 実施例5において、樹脂接着剤の付与方法が一般的な含
浸法によって樹脂接着剤を付着させたこと以外は実施例
5と同様の方法によって不織布を得た。その際の樹脂接
着剤の付着量は6.4%であった。得られた不織布の断
面を走査型電子顕微鏡によって形態を確認した結果、樹
脂接着剤が繊維交点部に集中し、水掻き形状であった。
【0040】実施例5および比較例4〜5については、
フィルター基材として通気性及びプリーツ加工性の評価
を実施した。それぞれの性能について表3に示した。
【0041】
【表3】 以上、実施例1〜4の不織布は、比較例1〜3と比較し
て、不織布の強度について遜色がなく、特に伸びが大き
く柔軟性、伸縮性に優れたものであった。また、実施例
1〜4の不織布をタフテッドカーペット一次基布に用い
た場合、実施例1〜2は、比較例1〜2と比較してパイ
ル引抜き強さに優れるものであった。この効果は、樹脂
接着剤がひも状形態を有して不織布を構成する繊維相互
間を結合することによるパイル把持性の向上と不織布内
部の多数の間隙部へのバッキング樹脂の浸透、充填によ
るパイル糸のアンカー固定効果によるものである。
【0042】また、実施例3〜4は、比較例3と比較し
て、カーペットの成型に優れたものであった。
【0043】さらに、フィルター基材として用いた実施
例5は、比較例4と比較してプリーツ性に優れ、比較例
5と比較して通気性に優れるものであった。
【0044】
【発明の効果】本発明の不織布は、強度に優れ、かつ柔
軟性、伸縮性、成型性、通気性に優れる効果を有するも
のであり、特にタフテッドカーペット一次基布、フィル
ター基布、車輌資材、土木資材、湿布材、拭き取り布と
して利用するのに適するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不織布の断面の繊維の形状を示す顕微
鏡拡大写真である。
【図2】従来不織布の断面の繊維の形状を示す顕微鏡拡
大写真である。
【符号の説明】
1:樹脂接着剤 2:不織布を構成する繊維 3:不織布内部に形成された間隙

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性合成繊維不織布の構成繊維相互間
    が、バインダー樹脂および該バインダー樹脂のフィブリ
    ルで結合されており、かつ、該バインダー樹脂のフィブ
    リルは、該不織布内部の間隙においてスポンジ状構造を
    形成していることを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】該不織布が、スパンボンド法による長繊維
    不織布である請求項1に記載の不織布。
  3. 【請求項3】該合成繊維が、ポリエステル繊維である請
    求項1または2に記載の不織布。
  4. 【請求項4】該合成繊維が、2成分のポリマーからな
    り、各ポリマーの融点差が少なくとも20℃以上である
    請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
  5. 【請求項5】該合成繊維が、芯鞘型複合繊維またはバイ
    メタル型複合繊維である請求項4に記載の不織布。
  6. 【請求項6】該合成繊維が、捲縮繊維を含むものである
    請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
  7. 【請求項7】該不織布が、ニードルパンチ不織布もしく
    はウォータージェットパンチ不織布である請求項1〜6
    のいずれかに記載の不織布。
  8. 【請求項8】該バインダー樹脂が、エラスマー系樹脂で
    ある請求項1〜7のいずれかに記載の不織布。
  9. 【請求項9】該フィブリルが、バインダー樹脂のエマル
    ジョンを乾燥固化して得られたものである請求項1〜8
    のいずれかに記載の不織布。
  10. 【請求項10】該バインダー樹脂が、繊維重量に対し
    て、3〜30重量%付着しているものである請求項1〜
    9のいずれかに記載の不織布。
  11. 【請求項11】該不織布が、タフテッドカーペット一次
    基布、カーぺット二次基布、車輌資材、フィルター基
    材、ルーフィング用基材、土木資材、壁紙、湿布材また
    は拭き取り布のいずれかの用途に用いられるものである
    請求項1〜10のいずれかに記載の不織布。
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