JP2015044914A - 繊維強化プラスチック成形体用シート及び繊維強化プラスチック成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
このような問題に対しては、熱硬化性樹脂に替えて熱可塑性樹脂を用いて繊維強化プラスチック成形体用シートを形成することが考えられる。熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いた繊維強化プラスチック成形体用シートは、保存管理が容易であり、長期保管ができるという利点を有するからである。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[3]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であり、かつ前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は前記強化繊維の繊維径の5倍以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[4]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維又はポリカーボネート繊維から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[5]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維がポリエーテルイミド(PEI)繊維であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[6]JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[7]前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維及び前記強化繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[8]前記カップリング剤が、シラン系カップリング剤であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[9]前記シラン系カップリング剤が、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基、メルカプト基、ポリスルフィド基及びイソシアネート基から選ばれる基を官能基として含有するものであることを特徴とする[8]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[10]前記バインダー成分は、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[11]前記バインダー成分は前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[12]前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする[1]〜[11]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[13]前記バインダー成分として、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする[1]〜[12]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[14]前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする[13]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[15]前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多いことを特徴とする[1]〜[14]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[16]前記バインダー成分に含まれる共重合体は、前記強化繊維と前記マトリックス樹脂繊維を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在していることを特徴とする[12]〜[15]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[17]強化繊維と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分と、カップリング剤とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法において、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[18]前記不織布シートを形成する工程は、前記バインダー成分を含む溶液又は前記バインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする[17]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[19][1]〜[16]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形することにより形成されている、繊維強化プラスチック成形体。
[20][1]〜[16]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、150〜600℃の温度で加熱加圧成形することにより形成されている、繊維強化プラスチック成形体。
本発明は、強化繊維と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂繊維の混合物を含み、さらにバインダー成分と、カップリング剤とを含有する繊維強化プラスチック成形体用シートに関する。ここでは、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上である。
このように、本発明では、限界酸素指数が24以上の熱可塑性スーパーエンプラ繊維を用い、強化繊維とバインダー成分とカップリング剤とを組み合わせて繊維強化プラスチック成形体用シートを形成することにより、優れた強度及び難燃性を有する繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートを成形することにより得られる繊維強化プラスチック成形体の強度及び難燃性は、従来の熱可塑性樹脂を用いた場合よりも優れている。
強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を使用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
また、強化繊維として、アラミド繊維等の高耐熱性・高強度の有機繊維を使用した場合は、高度な平滑性の要求される精密な研磨用の機器に適する繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。アラミド等の有機繊維を強化繊維として含有する繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される繊維強化プラスチック成形体は、一般的に強化繊維として無機繊維を使用した繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される成形体よりも耐摩耗性に優れる。また擦過等によって繊維強化プラスチック体の一部が削り取られたとしても、その削り粕が無機繊維よりも柔らかいので、被研磨物を傷つけるおそれが少ない。
マトリックス樹脂繊維は、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含む。熱可塑性スーパーエンプラ繊維は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成する。このようなマトリックス樹脂繊維を用いた不織布状の繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
尚、通常熱可塑性スーパーエンプラ繊維には分類されないが、ポリカーボネート(PC)も難燃性に優れているため、本発明には含むものとする。本発明の熱可塑性スーパーエンプラ繊維は、2種類以上用いることもできる。また、本発明の効果を損ねない範囲で、また、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エポキシ樹脂等の熱可塑性スーパーエンプラ繊維以外も添加することができる。
また、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のASTM E−662に記載の方法で測定した20分燃焼時の発煙量は30ds前後であることが好ましく、非常に発煙量が少ない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
本発明では、熱可塑性スーパーエンプラ繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック成形体を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
カップリング剤は、強化繊維とマトリックス樹脂繊維間で強固な結合を形成することができる。このようなカップリング剤を用いることにより、優れた強度を有する繊維強化プラスチック成形体を形成し得る繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。また、カップリング剤を用いることにより、強化繊維が繊維強化プラスチック成形体用シートから脱落することを抑制することもできる。
また、分子内にアミノ基を有するシラン系カップリング剤の具体的な例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などを挙げることができる。
繊維強化プラスチック成形体用シートには、さらにバインダー成分が含まれる。含有されるバインダーとしては、一般的に不織布製造に使用されるフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは熱水溶融するPVA樹脂等が使用できる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、上記芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
共重合体は繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜4質量%となるように含有され、バインダー繊維は繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して1.5〜6質量%となるように含有されることが好ましい。
共重合体とバインダー繊維の含有率を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートの表面強度及び層間強度を高めることができる。なお、上記の範囲においては、共重合体を成分とするバインダー(液状バインダー)の配合量は、ポリエステル樹脂又は変性ポリエステル樹脂よりも少ないほうが、臭気の関係から好ましい結果が得られる。ポリエステル系バインダーはマトリックス樹脂と相溶するため、比較的添加量が多くとも臭気を発生しにくく、また、液状バインダーは繊維交点に集中して偏在しやすいため、かかる結果が得られているものと推定している。
ここで、繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域は、繊維強化プラスチック成形体用シートシートを厚さ方向(Z軸方向)に略3分割した際に、外側に位置する2つの領域である。なお、中間領域はこれらの2つの領域に挟まれた間の領域をいう。表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分より多いことが好ましく、表層領域に含有されているバインダー成分は、中間領域に含有されているバインダー成分の1.1〜1.5倍であることがより好ましい。
このような方法を採用する場合、湿式不織布法でウエットウエブを形成後、バインダーの水溶液、若しくはエマルジョンをウエブにディッピング若しくはスプレー等の方法で付与し、乾燥する方法が好ましい。この場合、ウエブ水分はバインダーの水溶液、若しくはエマルジョンのバインダー液濃度や、湿式不織布製造工程におけるウエットサクション、ドライサクションによる水分の吸引力の調整で行うことが可能である。
一方、あまりに強度縦横比が強いと横強度が弱くなり、ハンドリング性に劣る。この点を考慮すると、好ましい強度縦横比は15以下、より好ましくは10以下である。
本発明では、熱可塑性スーパーエンプラ繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートは、目的とする成形品の形状や成形法に合わせて任意の形状に加工して成形体とすることができる。繊維強化プラスチック成形体用シートは、1枚単独、或いは所望の厚さとなるように積層して熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱し、金型によって加熱加圧成形することができる。このように、一般的なスタンパブルシートの加熱加圧成形方法を用いて加工することにより、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体とすることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程は、強化繊維と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分と、カップリング剤とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む。なお、この製造工程に用いる熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上である。また、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であり、熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は強化繊維の繊維径の5倍以下であることが好ましい。
繊維径7μm、繊維長13mmのPAN系炭素繊維と、表1に示した繊維径のPPS樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)を、質量比がポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維40に対しポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂繊維60となるように計量し、水中に投入した。投入した水の量は、PAN系炭素繊維とPPS樹脂繊維の合計質量に対し200倍となるようにした(すなわち繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を繊維(PAN系炭素繊維とPPS繊維の合計)100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
実施例2においては実施例1よりも加熱加圧時間を短縮し、密度を低くすることによって透気度を表1の通り調整した。
また、実施例3においては、バインダー添加量を12質量%とした以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。
なお、粒状PVAの繊維強化プラスチック成形体用シートに対する配合率は、表1に示す通りとなるよう、粒状PVAスラリー濃度の添加量を適宜調整した。
PPS樹脂繊維を、表1に示した繊維径であるPPS繊維(KBセーレン社製、ガラス転移温度92℃、繊維長13mm、限界酸素指数41)に変更した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
実施例1における繊維径7μm、繊維長13mmであるPAN系炭素繊維を、繊維径が9μmであり、繊維長が18mmのガラス繊維に変更し、実施例1におけるPPS樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度92℃、限界酸素指数41)を、表2に示したポリエーテルイミド(PEI)樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社、ガラス転移温度220℃、繊維長13mm、限界酸素指数47)に変更した以外は実施例1と同様にして、目付けが250g/m2である不織布を得た。得られたシートを、280℃の熱プレスによって加熱加圧することで、表2の通り透気度を適宜調整し、実施例5、6の繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。尚、実施例6は、実施例5よりも2820℃熱プレスによる加熱加圧時間を短縮し、密度を低くすることによって透気度を表2の通り調整した。
また、粒状PVA(ユニチカ社製、商品名「OV−N」)を、PET/coPET変性芯鞘バインダー繊維(ユニチカ社製、商品名「メルティ4080」)に変更した以外は、実施例5と同様にして実施例7の繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
実施例1におけるPPS樹脂繊維を、繊維径16μmのPPS樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度92℃、繊維長13mm、限界酸素指数41)に代えるとともに、粒状PVAに代えて、ウエットウエブ形成後に表3のバインダー液及びシランカップリング剤をスプレー法によって表3に示されている量で添加し、加熱乾燥させた以外は、実施例1と同様にして実施例8〜13の繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。尚、220℃熱プレスの条件は表3に記載の透気度が得られるよう適宜調整した。
実施例8〜13におけるPPS樹脂繊維を、繊維径15μmのPEI樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、ガラス転移温度220℃、繊維長13mm、限界酸素指数47)に代える以外は、実施例8〜13のそれぞれに対応する実施例14〜19の繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
実施例14における繊維径15μmのPEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数47)の代わりにポリカーボネート繊維(繊維長15mm、繊維径30μm、限界酸素指数25)を用いた以外は、実施例14と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。
ポリカーボネート繊維(繊維長15mm、繊維径30μm、限界酸素指数25)及び繊維径15μmのPEI繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数47)を50/50の質量比で混合して使用した以外は、実施例14と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)を、エポキシシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−303」)に代えた以外は、実施例14と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)を、スチリルシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−403」)に代えた以外は、実施例14と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)を、メタクリロキシシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−503」)に代えた以外は、実施例14と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)を、アクリロキシシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−5103」)に代えた以外は、実施例14と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)の添加量を2.0%とした以外は、実施例14と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)の添加量を8.0%とした以外は、実施例14と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
実施例1において、PPS樹脂繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長13mm、限界酸素指数41)の代わりにポリアミド6樹脂(東レ社製、商品名「アミランCM1021」、融点210℃、限界酸素指数20、繊維径20μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを製造した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)を添加しなかった以外は、実施例5と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
アミノシランタイプのカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM−603」)を添加しなかった以外は、実施例8と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。
(外観)
得られた繊維強化プラスチック成形体の外観を下記の基準で評価を行った。
◎:ボイド等がなく良好
○:わずかにボイドが確認できる
△:ボイドの発生があるが実用上差し支えのない
×:ボイドに起因して明らかに外観が悪く、製品として使用できない
曲げ強度については、得られた繊維強化プラスチック体について、JIS K7074に準拠した方法で測定した。
また、限界酸素指数(LOI値)については、JIS K7201法に基づいて、難燃性試験を行い算出した。
Claims (20)
- 強化繊維と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分と、カップリング剤とを含有し、
前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シート。 - 前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は40μm以下であり、かつ前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の繊維径は前記強化繊維の繊維径の5倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維はポリエーテルイミド繊維又はポリカーボネート繊維から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維がポリエーテルイミド(PEI)繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2に規定される透気度が250秒以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維及び前記強化繊維は、チョップドストランドであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記カップリング剤が、シラン系カップリング剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記シラン系カップリング剤が、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基、メルカプト基、ポリスルフィド基及びイソシアネート基から選ばれる基を官能基として含有するものであることを特徴とする請求項8に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維と加熱溶融状態で相溶することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は、メチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位及びエチル(メタ)アクリレート含有モノマー由来の繰り返し単位のうち少なくとも一方を含む共重合体を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー成分は、前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度よりも低い融点を有するバインダー繊維を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記バインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする請求項13に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 前記繊維強化プラスチック成形体用シートは表層領域と前記表層領域に挟まれた中間領域を有し、
前記表層領域に含有されているバインダー成分は、前記中間領域に含有されているバインダー成分より多いことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。 - 前記バインダー成分に含まれる共重合体は、前記強化繊維と前記マトリックス樹脂繊維を構成する繊維同士の交点に水掻き膜状に局在していることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
- 強化繊維と、熱可塑性スーパーエンプラ繊維を含むマトリックス樹脂繊維と、バインダー成分と、カップリング剤とを混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを形成する工程を含む繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法において、
前記熱可塑性スーパーエンプラ繊維の限界酸素指数は24以上であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。 - 前記不織布シートを形成する工程は、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを前記不織布シートに内添、塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を含むことを特徴とする請求項17に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、熱可塑性スーパーエンプラ繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形することにより形成されていることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、150〜600℃の温度で加熱加圧成形することにより形成されていることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
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