JP2005052987A - 繊維補強熱可塑性樹脂複合材料およびその製造方法、ならびにそれを用いた成形体 - Google Patents

繊維補強熱可塑性樹脂複合材料およびその製造方法、ならびにそれを用いた成形体 Download PDF

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光一 塚本
Kazuhiko Kosuge
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Abstract

【課題】軽量、かつ高強度、高弾性率で、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性にも優れ、含浸性がよくボイドが少なく、成形性やリサイクル性に優れた繊維補強熱可塑性樹脂複合材料およびその製造方法、ならびに該複合材料を用いた成形体を提供する。
【解決手段】有機繊維を強化材とし、熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料であって、前記有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とを構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束あるいはこれらの組合せ及びこれらと熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物あるいは不織布との積層体のうちから選ばれる少なくとも一種を加熱下で加圧成形することにより製造したことを特徴とする複合材料。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機繊維を強化材とし、熱可塑性樹脂をマトリックスとする、繊維補強熱可塑性樹脂複合材料およびその製造方法、ならびに該複合材料を用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化材とマトリックス樹脂からなるプラスチック系複合材料は、金属系複合材料やセラミックス系複合材料に比べ、軽量で、多種多様な材料で、進展も目覚しい材料である。成形体等として機械、精密機械、電気・電子機器、建築資材、車両用部品・部材、OA機器、AV機器、日用雑貨、スポーツ用品、医療器具、航空機、宇宙用機器部品・部材などとして利用されている。
【0003】
プラスチック系複合材料の強化繊維としては、高強度、高弾性率で耐熱性に優れる点より、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維や、アラミド繊維などの有機繊維が主に使用されている。有機繊維は比重も小さく軽量であり、パラ系アラミド繊維は合成繊維の中では高強度と高弾性という機械的特性のほかに、耐熱性、寸法安定性、耐化学薬品性などの特性も有しているため、プラスチック系複合材料の強化材として利用されている。
【0004】
一方、マトリックス樹脂は、高強度、高弾性率、破断時の伸びなどの特性が優れていること、力学的、環境的な耐久性にも優れていること、強化材との親和性がよく、成形性が優れていることなどが求められる。マトリックス樹脂には、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂など熱硬化性樹脂が広く使用されており、成形性や強化繊維との接着性がよく、機械的特性や耐熱性、耐薬品性などが優れている。しかしながら、熱硬化性樹脂で特に問題なのは、樹脂の硬化寿命のため、使用し作業できる時間に制限があり、硬化反応を伴うため、成形時間が長く、熱可塑性樹脂とは異なり再び溶融化して加工することができないという点である。従って、熱硬化性樹脂に比べて成形性も良好で耐衝撃性にも優れた熱可塑性樹脂を利用し、疲労性や耐熱性、耐薬品性などにも優れ、使用済み後に再溶融化可能な、熱可塑性樹脂をマトリックスとする高性能の複合材料が実用化されてきている。
【0005】
熱可塑性樹脂複合材料の製造は、熱硬化性樹脂と異なり、硬化反応を伴うことなく加熱し溶融した後、加圧、圧縮して賦形、冷却というステップで完了する。しかし、以下のような方法も提案されている。すなわち、強化繊維に樹脂を含浸させるか、あるいは樹脂粉体を付着させるなどの方法によりプリプレグをつくり、プリプレグを金型などを利用して加熱してマトリックス樹脂を軟化あるいは溶融し、同時に加圧圧縮して所定の形状に賦形し冷却固化させる。
【0006】
具体的な方法としては、(1)樹脂を加熱溶融し繊維に含浸させる方法(溶融含浸法)、(2)樹脂をパウダー化し流動床法や懸濁法によって繊維に塗布・融着させる方法(パウダー法)、(3)樹脂を溶液化し、繊維に含浸後溶媒を除去する方法(溶液含浸法)などがあり、また、成形法としては、(a)金型を使用して賦形、冷却固化する方法(金型プレス法)、(b)熱可塑性樹脂シートの真空成形を応用した方法(真空成形)、(c)材料をオートクレーブ内で加熱、加圧、賦形、冷却する方法(オートクレーブ成形)、(d)含浸し乾燥した補強材やプリプレグシートを加熱して溶融させながらマンドレルに巻き付け、融着させ冷却する方法(プリプレグシートワインディング法)などの諸法がある。
【0007】
例えば、特開昭60−34690号公報には、ガラス繊維又は炭素繊維からなる繊維ストランドに、粉末状あるいは水性スラリー状のポリアリーレンサルファイドを付着あるいは含浸させて引抜成形品を製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。同様に、特開平3−46010号公報には、ポリアリーレンサルファイドの連続単繊維とエポキシサイジングで被覆された炭素繊維の連続単繊維からなる混成ヤーンをつくり、これを製織してプリプレグを製造し、それをポリアリーレンサルファイドの融点以上の温度で圧力0.35MPa〜1.4MPaの範囲で加圧することにより、炭素繊維含有量約60%の複合物シートを製造する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
また、特開平6−256534号公報には、強化繊維とポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと記す)からなる複合材料を得るにあたり、以下に示す方法でPPSを溶融状態で強化繊維に含浸せしめた後、成形の冷却過程で急冷して非晶性PPSをマトリックスとする複合材料を形成し、次いで、該複合材料をPPSの結晶化温度以上で熱処理することで、耐熱性、強度、耐摩耗性の全てが優れた複合材料を製造する方法が開示されている(特許文献3参照)。すなわち、複数枚のガラス繊維平織りクロスを異方向に積層し、さらにPPSフィルムを積層した材料を熱プレス成形機で加熱加圧することにより、繊維補強樹脂シートを成形している。
【0009】
しかしながら、上記の技術は、PPS樹脂をガラス繊維又は炭素繊維などの無機繊維に含浸させた複合材料に関するもので、アラミド繊維などの有機繊維に適用した場合は、繊維と熱可塑性樹脂との密着性の良否により、接着性が低下したり、十分な耐久性が得られないためクラックが発生しやすくなる問題がある。また、繊維と熱可塑性樹脂との親和性の問題で、接着力が弱いことがある。繊維への樹脂の含浸が不十分な場合には、未含浸部分がボイドとなる。
【0010】
さらに、特開平7−300072号公報(特許第3401318号公報)には、糸状のガラス繊維を格子状にした網目シートにナイロン系樹脂を噴霧等して、該樹脂を網目シートへ含浸した複合材料を作製し、これを円筒状に丸めることで製造される軽量かつ柔軟性を有する踏切遮断装置の遮断かん基体が開示されている(特許文献4参照)。しかしながら、該方法をアラミド繊維などの有機繊維に適用する場合は、有機繊維と樹脂との密着性を改良し含浸性を高める工夫が必要となる。以上の事情より、熱可塑性樹脂との密着性が比較的劣る有機繊維強化材を熱可塑性マトリックス樹脂で複合化した複合材料の製造に関して、種々の提案がなされている。
【0011】
例えば、特開昭62−135565号公報には、アラミド繊維とポリエーテルエーテルケトン樹脂との複合材料が開示されている(特許文献5参照)。ボビンに巻いたアラミド繊維を連続的にポリエーテルスルホン樹脂の溶剤溶液中を通過させ、乾燥後、繊維束をマンドレルから切り離して一方向に引きそろえたシートとし、これをポリエーテルエーテルケトンフィルムと交互に積層して積層物をホットプレスすることにより、繊維強化複合材料を製造している。しかし、該方法では、アラミド繊維を予め前処理する工程、マンドレルに巻き付ける工程などを経るため、従来の熱硬化性樹脂複合材料の製造に類似した多数工程が必要となる。
【0012】
また、特開平7−238174号公報には、アラミド繊維を熱可塑性樹脂中に埋め込んだ繊維強化複合材料が開示されている(特許文献6参照)。パラアラミドフィラメント及びビス(パラ−アミノ−シクロヘキシル)メタンをベースとする熱可塑性非晶質ポリアミドコポリマーからなる一方向引き揃えトウ材料を積層したものを熱プレスする際に、該積層品の間にアラミド繊維スパンレース不織布などの多孔質材料を挿入することで、圧縮による一方向強化繊維の移動及び繊維ずれを少なくして繊維整列度を高め、複合材料の横方向及び縦方向の強度及び弾性率を改良している。しかしながら、この方法によれば横方向の機械的特性がある程度改良されるものの、未だ満足できる複合材料は得られていない。
【0013】
このように、有機繊維と熱可塑性樹脂マトリックスからなる複合材料に関する提案は種々なされているが、繊維と樹脂との親和性あるいは接着性が良好で、含浸性が良く、ボイドを抑制することができるとともに、耐衝撃性や耐熱性、耐摩耗性、樹脂リサイクル性が良好で、しかも成形加工性に優れた熱可塑性樹脂の複合材料は得られていないのが実情である。
【0014】
【特許文献1】
特開昭60−34690号公報
【特許文献2】
特開平3−46010号公報
【特許文献3】
特開平6−256534号公報
【特許文献4】
特開平7−300072号公報
【特許文献5】
特開昭62−135565号公報
【特許文献6】
特開平7−238174号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量、かつ高強度、高弾性率で、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性にも優れ、含浸性がよくボイドが少なく、成形性やリサイクル性に優れた繊維補強熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法、ならびに該複合材料を用いた成形体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、高強度で耐熱性、耐摩耗性に優れた有機繊維と熱可塑性樹脂とが加熱圧縮によって一体化されている複合材料が、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れ、しかもボイドが抑制されていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、有機繊維を強化材とし、熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料であって、前記有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とを構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束あるいはこれらの組合せてなる複合材料、及びこれらと熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物あるいは不織布との積層体のうちから選ばれる少なくとも一種を加熱下で加圧圧縮成形することにより製造したことを特徴とする複合材料を提供するものである。
【0018】
前記の複合材料においては、有機繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維及びヘテロ環芳香族繊維から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、全芳香族ポリアミド繊維が、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維及びコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。前記の全芳香族ポリアミド繊維は、フィルムフォーマ、シランカップリング剤及び界面活性剤が繊維表面及び繊維内部に付与されているものであっても良い。
【0019】
また、本発明の複合材料においては、熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及び液晶ポリマー樹脂から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記の複合材料がペレットの形態を有していることを特徴とする複合材料を提供するものである。
【0021】
さらに、本発明は、前記の複合材料を加熱、加圧して成形してなることを特徴とする成形体を提供するものである。
【0022】
本発明の成形体は、補強用、摩擦・摺動用、自動車、船舶等産業用の機械要素、電気・電子機器、AV機器、OA機器、建築用の部品・部材、建材や建具等、パッキン類又はシール類に好適に用いられる。
【0023】
またさらに、本発明は、有機繊維を強化材とし、熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料の製造方法であって、前記有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とを構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束あるいはこれらの組合せ及びこれらと熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物あるいは不織布との積層体のうちから選ばれる少なくとも一種を、加熱下で加圧成形することを特徴とする複合材料の製造方法を提供するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の複合材料は、有機繊維を強化材とし、熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料であって、前記有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とを構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束あるいはこれらの組合せ及びこれらと熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物あるいは不織布との積層体のうちから選ばれる少なくとも一種が、加熱下で加圧圧縮成形することによって一体化されているものであればよく、製法は特に限定されない。
【0025】
本発明で用いられる強化材となる有機繊維は、目的に応じて所望の強度、弾性率等を発現しうるものであれば良く、その種類や特性値は特に限定されない。有機繊維は、単独で使用しても良いし、二種類以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
【0026】
強化繊維として用いる観点からは、引張強度が7.5cN/dtex以上、好ましくは15cN/dtex以上の有機繊維を少なくとも一部に含むことが好ましい。この引張強度が15cN/dtex以上である繊維は、好ましくは有機繊維全体の50質量%以上、更に好ましくは100質量%であることが望ましい。有機繊維の引張強度が15cN/dtex以上あれば、50質量%使用で7.5cN/dtex以上となる。有機繊維の引張強度は、15〜48cN/dtexの範囲内であることが特に好ましい。なお、「引張強度」は、JIS L l013(1999)化学繊維フィラメント糸試験方法8.5.1に従って測定することにより求められる。
【0027】
有機繊維は、前記の強度を有し、かつ引張弾性率が440〜3,000cN/dtexであることがより好ましい。引張弾性率が440cN/dtex以上であれば、例えばタイヤの補強材等として適用した際に、十分なベルト材としての特性を付与することができる。前記の引張弾性率は440〜2,500cN/dtexの範囲内であることが特に好ましい。
【0028】
有機繊維の繊度は特に限定されないが、通常、50〜10,000dtexのものを用いる。好ましくは200〜6,500dtex、より好ましくは750〜3,500dtexである。有機繊維の繊度が小さくなる程、細い組紐、薄い織物となり、有機繊維の繊度が大きくなる程、太い組紐、厚い織物となる。
【0029】
本発明で用いられる有機繊維の具体例としては、例えば、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)等のヘテロ環芳香族繊維、高密度ポリエチレン繊維、アラミド繊維(全芳香族ポリアミド繊維)等が挙げられる。これらの有機繊維は、最終製品の用途、要求性能、繊維の製造コスト又は製品の加工コスト等に応じて、適宜選択される。有機繊維の中でも、アラミド繊維(全芳香族ポリアミド繊維)、芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環芳香族繊維が好ましく、耐熱性、耐摩耗性に優れる点で、アラミド繊維が特に好ましい。
【0030】
ここで、上記全芳香族ポリアミド繊維は、通常置換されていてもよい二価の芳香族基を少なくとも一個有する繊維であって、アミド結合を少なくとも一個有する繊維であれば特に限定はなく、全芳香族ポリアミド繊維と称される公知のものであってよい。上記において、「置換されていてもよい二価の芳香族基」とは、同一又は異なる1以上の置換基を有していてもよい二価の芳香族基を意味する(以下同様である)。
【0031】
全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)には、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維とがあり、いずれも本発明において好ましく用いられるが、加熱収縮が少なく、高耐熱性、高強度であるパラ系アラミド繊維が特に好ましい。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(米国デュポン株式会社、東レ・デュポン株式会社製、商品名「KEVLAR」(登録商標))、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ株式会社製、商品名「テクノーラ」(登録商標))等の市販品を用いることができる。メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフェニレンテレフタルアミド繊推(米国デュポン株式会社製、商品名「NOMEX」(登録商標))等の市販品を用いることができる。なお、上記したアラミド繊維は、公知の方法又はそれに準ずる方法で製造したものを用いても良い。
【0032】
前記のアラミド繊維は、その繊維表面および繊維内部にフィルムフォーマ、シランカップリング剤および界面活性剤が付与されているものを用いることもできる。該アラミド繊維を用いることにより、密着性の向上とともに接着性が改善され、ボイドが抑制されて複合材料の強度や耐久性、耐衝撃性等が向上する。前記の表面処理剤のアラミド繊維に対する固形分付着量は、0.01〜20質量%の範囲であることが望ましい。
【0033】
ここで、前記のフィルムフォーマとしては、複合材料用繊維表面処理剤として用いられているウレタン系、エポキシ系などの高機能付与型のフィルムフォーマやスターチ系、ポリビニルアルコール系、アクリル系のフィルムフォーマなどの水に分散するエマルジョン型オリゴマー等が挙げられる。
【0034】
シランカップリング剤としては、従来用いられているアミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、グリシジルプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランを始めとする下記一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
【0035】
−Si−(OR (1)
式(1)のRは樹脂に反応あるいは強い相互作用をする有機基であり、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である。
【0036】
前記の界面活性剤としては、上記のシランカップリング剤およびフィルムフォーマを積極的に結晶性繊維構造内に浸透させるものが用いられる。特に、カチオン系界面活性剤が望ましく、例えばジメチルアミノプロピルアルキドアミドジエチル硫酸塩等が挙げられる。
【0037】
また、上記した全芳香族ポリエステル繊維は、通常置換されていてもよい二価の芳香族基を少なくとも一個有する繊維であって、エステル結合を少なくとも一個有する繊維であればどのようなものでもよく、本発明において特に限定されない。全芳香族ポリエステル繊維は、全芳香族ポリエステル繊維と称される公知の繊維であってよく、例えば、パラヒドロキシ安息香酸の自己縮合ポリマー、テレフタル酸とハイドロキノンからなるポリエステル、又は、パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなるポリエステル繊維等が挙げられる。このような全芳香族ポリエステル繊維を、公知の方法又はそれに準ずる方法で製造したものを用いても良い。全芳香族ポリエステル繊維としては、例えば商品名「ベクトラン」(クラレ株式会社製)等の市販品を用いることができる。
【0038】
また、上記したヘテロ環芳香族繊維は、通常置換されていてもよい二価の芳香族複素環基を少なくとも一個有する繊維であればどのようなものでもよく、本発明において特に限定されない。上記において、「置換されていてもよい二価の芳香族複素環基」とは、同一又は異なる1以上の置換基を有していてもよい二価の芳香族複素環基を意味する。かかる「二価の芳香族複素環基」としては、例えば環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子、窒素原子及び弗素原子等から選ばれる同一又は異なるヘテロ原子1ないし4種を少なくとも1個有する芳香族複素環基等が挙げられる。ヘテロ環芳香族繊維は、ヘテロ環芳香族繊維と称される公知の繊維であってよく、例えば、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)又はポリベンズイミダゾール繊維等が挙げられる。このようなヘテロ環芳香族繊維を、公知の方法又はそれに準ずる方法で製造したものを用いても良い。ヘテロ環芳香族繊維としては、例えば市販のPBO繊維(商品名「ザイロン」、東洋紡績株式会社製)等を用いることができる。
【0039】
本発明で用いられるマトリックスとなる熱可塑性樹脂は、加熱によって硬化しない樹脂であればどのようなものでもよく、本発明において特に限定されない。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフイン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂等のポリアミド(PA)樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリスルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、フッ素(F)樹脂;液晶ポリエステル樹脂等の液晶ポリマー樹脂;ポリスチレン系、ポリオレフイン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系又はフッ素系等の熱可塑性エラストマー;又はこれらの共重合体樹脂や変性樹脂等が挙げられる。
【0040】
中でも、ポリエステル系(PET、PBT、PCT)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリスルホン(PS)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、フッ素(F)樹脂、液晶ポリマー樹脂が好ましい。
【0041】
本発明においては、上記熱可塑性樹脂は、エンジニアプラスチックとして広く利用されているものが特に好ましく、ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂が好適である。安価でリサイクル性が良好なポリプロピレン樹脂やポリエステル(PET)樹脂も好適に用いられる。
【0042】
本発明で使用される熱可塑性樹脂繊維は、マトリックスとなる上記熱可塑性樹脂から製造されるものであれば限定はなく、例えば湿式紡糸、乾式紡糸又は溶融紡糸等の公知の方法に従って製造したものを使用することができる。該熱可塑性樹脂繊維は、単独で使用しても良いし、二種類以上を適宜組み合わせて使用しても良い。繊度は特に限定されないが、通常、50〜10,000dtexのものを用いる。好ましくは200〜6,500dtex、より好ましくは750〜3,500dtexである。また、原糸、原綿およびこれらの繊維製品からの再生品や、加工工程で発生する屑を利用した再生品も使用することもできる。
【0043】
また、熱可塑性樹脂フィルムは、上記の熱可塑性樹脂から製造されるものであれば限定はなく、樹脂量をコントロールするため、各種の厚みのフィルムが用意できるものが良い。また、延伸されたフィルム、一軸配向フィルム又は二軸配向フィルム、未延伸フィルム、未配向フィルムのいずれであっても良い。
【0044】
熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、特に限定されず、有機繊維や熱可塑性樹脂の種類、設計する材料の要求特性に応じて適宜決定する。通常、30μm〜500μmのものが好適に用いられる。
【0045】
本発明の複合材料は、上記の強化有機繊維と熱可塑性マトリックス樹脂とからなり、複合材料に占める有機繊維の割合は、最終製品の要求性能、材料の製造コスト等に応じて異なる。複合材料全体に対する有機繊維の含有量は、重量分率にして5〜80%の範囲が適当であり、好ましくは5〜70%である。
【0046】
次に本発明の複合材料の製造方法について説明する。
【0047】
本発明の複合材料は、上記の強化有機繊維と熱可塑性マトリックス樹脂とからなり、上記の強化有機繊維と熱可塑性樹脂繊維を構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束又はこれらを組合せた材料を、加熱圧縮して一体化させることにより製造されうる。組紐、織物、編物、不織布、繊維束及びこれらを組合せた材料は、従来公知の方法で製造したものを適宜用いることができる。また、これらの材料のいずれか一種又は二種以上と、上記の熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物又は不織布との積層体を形成し、これを加熱圧縮して一体化させることによっても製造されうる。
【0048】
複合材料を製造する場合は、当該複合材料が製造可能であれば製造条件等は特に限定されないが、有機繊維と熱可塑性樹脂繊維を構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束又はこれらを組合せた材料を、加熱下に加圧成形して一体化させるのが良い。例えば、(A)有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなる組紐、織物、編物、不織布、繊維束又はこれらを組合せた材料を加熱下に加圧成形する方法、(B)前記の有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなる組紐等と、熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物又は不織布との積層体を、加熱下に加圧成形する方法等を挙げることができる。この場合、熱可塑性樹脂フィルム、織物や編物、不織布を構成する樹脂は、マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂繊維を構成する樹脂と同種でも異種でも良いが、同種の樹脂が好適である。
【0049】
加熱圧縮における加熱方法としては、例えばヒーター等の公知の方法等を適宜用いることができる。加熱温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度以上とすることが好ましい。熱可塑性樹脂の溶融温度以上で一定時間加熱することによって、補強材の繊維間に熱可塑性樹脂が溶融してゆき、これを圧縮することによって補強用繊維が押し込まれてと熱可塑性樹脂が良く含浸された、未含浸領域の殆んどない複合材料が形成され易くなる。加熱温度は、約80℃〜350℃の範囲内がより好ましい。加熱温度が低すぎる場合は、熱可塑性樹脂繊維等の溶融粘度が高いため含浸不足となり、一方、加熱温度が高すぎる場合は、樹脂が流れ出してガスが発生するおそれがある。上記(A)法により複合材料を製造する場合は、プリプレグなどの前加工材料の成形に適した温度範囲内であることが特に好ましい。上記(B)法により複合体を製造する場合は、プレス成形による平板材料の成形が可能な温度範囲内であることが特に好ましい。
【0050】
また、加圧方法としては、例えば、蒸気圧、空圧又は油圧等の公知の方法等を適宜用いることができる。加圧圧力は、約0.1〜200MPaの範囲内であることが好ましく、0.5〜100MPaの範囲内であることがより好ましい。加熱圧縮時の圧力が低すぎる場合は含浸性が悪く、未含浸部分が多くなる。一方、加熱圧縮時の圧力が高すぎる場合は、含浸する樹脂が流れ出して複合材料の品質に悪影響を及ぼす。上記(A)法による場合は0.5〜100MPaの範囲内、上記(B)法による場合は5〜100MPaの範囲内、であることが特に好ましい。
【0051】
また、本発明においては、加熱圧縮時間は特に限定されず、数分から数時間の範囲で成形可能であるが、成形サイクルは出来るだけ短い方が生産性も良好となるため好ましい。
【0052】
上記した方法等により製造された本発明の複合材料は、固体、半固体又は粘性体等であってよく、その形態は特に限定されないが、通常は固体ないし半固体である。固体の形態としては、繊維束状、紐状又はシート状であることがより好ましい。
【0053】
かくして得られた本発明の複合材料は、熱可塑性樹脂材料を高強度かつ高弾性率にするものである。その特性は使用する有機繊維やマトリックスの熱可塑性樹脂の種類とこれらの使用割合や、成形体の形状等によって異なる。出来る限りボイドの少ない(未含浸領域が3%以下である)、含浸率90%以上で複合材料となるものが好ましい。
【0054】
また、フィルム状ないしシート状の複合材料の場合は、適当な厚みの水準が準備されていた方が、成形体を作製するのに良い。
【0055】
以下、(A)方法についてさらに詳細に説明する。本方法では、有機繊維と熱可塑性樹脂とから構成される組紐等を、並行に配列した後、加熱圧縮することにより、本発明の複合材料を製造する。「組紐」は、有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とから構成される組紐であれば良く、例えば、有機繊維を芯糸とし熱可塑性繊維を組糸とするもの、又は有機繊維と熱可塑性樹脂繊維を適当な割合で引き揃えた、あるいは交互に構成してブレイドした組紐などが用いられる。組紐での好ましい製造方法としては、例えば高強度有機繊維を芯糸として、その芯糸の周りを複数本の熱可塑性樹脂繊維でブレイドする方法等が挙げられる。ブレイドする密度、繊維含有率によって、例えば4本組物、8本組物、12本組物又は16本組物等が挙げられる。ブレイドする場合、公知の組紐機を用いることが好ましく、例えば4本組物は、4本の糸条を準備し、右側又は左側の糸を交互に真中に配置させて組み上げられる。
【0056】
有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維をブレイドする組紐構造は、図1に示すように、有機繊維1が芯糸として一方向に挿入されており、その外側に熱可塑性樹脂繊維2が組糸として組まれた構造である。
【0057】
上記「加熱圧縮する工程」における加熱及び加圧については、上述した方法、条件等を用いて行えば良い。例えば、図8に断面図を示すように、金型12内に複数の芯糸を有する組紐11を並行に配置し積層したものを、加熱して溶融後、冷却過程で順次加圧する方法によって含浸させ、未含浸領域を排除する。加熱圧縮工程後は型から取出して冷却することにより、熱可塑性樹脂を完全に固化させることができる。冷却方法は特に限定されず、例えば水、氷、氷水、ドライアイス、液体窒素等媒体を用いる方法又は通常の放冷等の公知の手段であって良い。冷却は必要に応じて行う。乾燥方法も特に限定されず、例えばオーブン乾燥機等の公知の手段で行うことができる。本発明においては、冷却時でも一定時間加圧することがより好ましい。加圧する圧力条件は約50MPa以下とし、プレス成形では接触圧程度の約0.1〜10MPaの範囲内であることがより好ましい。
【0058】
以下、(B)方法についてさらに詳細に説明する。当該方法では、有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とから構成される組紐等と、熱可塑性樹脂フィルム等との積層体を加熱圧縮することにより、本発明の複合材料を製造する。
【0059】
上記「加熱圧縮する工程」は、前記(A)方法と同様にして、上記した条件にて実施することができる。例えば、図9に断面図を示すように、金型12内に有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなる繊維束4を並行に配置し、その上に熱可塑性樹脂フィルム3を重ね、(A)法で述べたのと同様に成形する方法が挙げられる。多層積層体としてもよく、積層数は限定されない。設計する複合材料の要求性能に応じた樹脂含浸率によって選択する。本方法における冷却は、上記(A)方法に準ずる方法でも良いが、室温(−5℃〜40℃)での放冷であることが好ましい。
【0060】
本発明では、本発明の目的を損なわない限り、熱可塑性樹脂には種々の添加剤や改質剤等が配合されていても良い。前記添加剤としては、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル又はワックス等の有機滑剤などが挙げられる。また、界面活性剤を含有していても良い。また、本発明の目的を損なわない限り、有機繊維と熱可塑性樹脂との接着性を高めるために相溶化剤を配合しても良い。また、複合材料に上記と同様にして所望により種々の充填剤を配合し、望ましい特性を付与することもできる。
【0061】
本発明における成形体は、少なくとも本発明の複合材料を含む成形材料を、公知の方法で成形したものであれば特に限定されない。例えば、複合材料を切断等の公知の方法を用いて所望の形状に成形した成形体や、複合材料の切断等によって得たマスターペレットに、熱可塑性樹脂繊維と同じペレットを混練した成形材料を、押出し成形や射出成形等の公知の方法及び装置を用いて成形した成形体等が挙げられる。
【0062】
前記の複合材料を切断する場合は、例えばペレットでは、所望の大きさになるように、ペレタイザーやカッター等を備えた切断機や粉砕機などを用いて切断粉砕することが好ましい。
【0063】
本発明の複合材料は、公知の方法等を適用して加工することにより、種々の成形体とすることができる。本発明の複合材料による成形体は、補強材料として、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性が求められる用途の全てに用いることができる。例えば、機械要素部品でプレート、軸受、ギヤー、カム、パイプ、棒材など、ブッシュ、座金、ガイド、プーリー、フェーシング、インシュレーター、ロッド、ベアリング保持器等、電気・電子部品でコネクタ、プラグ、アーム、ソケット、キャップ、ロータ、モータ部品等、AV・OA機器部品でスピーカコーン、筐体、軸受、ロッド、ガイド、ギヤー等、建築用の部品・部材、建具や建材用のストッパー、ガイド、戸車、アングル等、その他にヘルメット、プラモデル部品、タイヤ用の中子材料、釣具用リール部品、シール類、パッキン類、グランドパッキン等を挙げることができる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
高強度有機繊維として、アラミド繊維(KEVLAR29(登録商標)、1670dtex、東レ・デュポン株式会社製)を用いた。また、熱可塑性樹脂繊維として、ポリアミド66樹脂繊維束(470dtex、東レ株式会社製)を用いた。アラミド繊維束を芯材として、その外側にポリアミド66樹脂繊維束を16打の管状の組紐機でもってブレイドし、芯糸がアラミド繊維からなり組糸がポリアミド66樹脂繊維からなる直径約1mmの組紐を得た。なお、この組紐のアラミド繊維とポリアミド66樹脂繊維の割合(体積比)は、42:58である。
【0066】
得られた繊維束状の材料を金枠に一方向に巻きつけ、金型を用いてプレス成形機により加熱圧縮させることによって複合材料平板を得た。加熱圧縮条件は、圧力4MPa、温度290℃及び加熱圧縮時間はそれぞれ5、10、20、40分とした。加熱圧縮後、上記で得られた一方向性複合材料平板を、それぞれ金型にある程度の圧力を与えながら氷水で冷却し固定した。
【0067】
加熱圧縮時間による樹脂含浸率(補強有機繊維の糸束の中での熱可塑性繊維を含む含浸領域の割合)の結果を図2に示す。時間が長くなるにつれて、アラミド繊維への樹脂含浸率が向上し、本製造条件ではほぼ20分で良好な含浸性を得た。ちなみに樹脂含浸率は、加熱圧縮時間5分で61%、10分で69%、20分で89%、40分で94%であった。
【0068】
(引張特性)
試験片は、繊維軸方向が試験片長手方向になるように、幅20mm、長さ180mm、厚さ1.1〜1.3mmのものを作製した。インストロン社製万能試験機を用い、変位速度1mm/min、標点間距離80mm、室温下で引張弾性率と引張強度を求めた。結果を図3に示す。
【0069】
引張特性に供した材料は、平板の繊維体積含浸率(Vf)が下表(表1)の通りで、ほぼ5分で通常の所要の複合材料のレベルになり、時間が長くなるにつれて樹脂が流失傾向となった。図3に示す通り、約10分の加熱圧縮条件で強度、弾性率ともに最も高くなった。10分以上の加熱加圧により樹脂の流動と共に繊維の流動が生じ、物性が低下したと見られる。
【0070】
【表1】
時間(分) 5 10 20 40
Vf(%) 61 70 69 69
【0071】
(曲げ特性)
3点曲げ試験片は、繊維軸方向(0°方向)及び繊維軸方向に対して垂直な方向(90°方向)が試験片長手方向になるように作製した。インストロン社製万能試験機を用いて、試験速度3mm/minで、0°方向試験はスパン間距離を35mmに、90°方向試験はスパン間距離を35mmにして曲げ試験を行った。曲げ試験片は、以下の大きさのものを用いた。結果を図4〜6に示す。
0°曲げ試験片;幅20mm、長さ50mm、厚さ2.1〜2.3mm
90°曲げ試験片;幅20mm、長さ50mm、厚さ2.1〜2.3mm
【0072】
0°方向曲げ試験では、図4に示されるように、樹脂含浸率が高くなるほど曲げ強度、曲げ弾性率が上昇した。
【0073】
曲げ特性は、90°方向は10分、15分、20分、40分の4水準で実施した。加熱圧縮時間による樹脂含浸率(補強有機繊維の糸束の中での熱可塑性繊維を含む含浸領域の割合)の結果を図7に示す。ちなみに樹脂含浸率は、加熱圧縮時間10分で57%、15分で89%、20分で92%、40分で95%であった。そのときの繊維体積含浸率(Vf)は下表(表2)の通りであった。
【0074】
【表2】
時間(分) 10 15 20 40
Vf(%) 54 59 66 72
【0075】
90°方向曲げ試験では、図5及び図6に示されるように、樹脂含浸率90%以上(すなわち、未含浸部分10%以下)の場合に曲げ強度はほぼ同等となり、曲げ弾性率は樹脂含浸率の向上とともに大きくなった。
【0076】
以上のように、有機繊維と熱可塑性樹脂とが均一になるに従い、ボイド領域が抑制され、高弾性率かつ高強度となっていく複合材料が得られることが確認できた。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、軽量で、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れるとともに、繊維と熱可塑性樹脂の含浸性が良好で、ボイドが抑制された複合材料を得ることができる。また、当該複合材料は、成形時に溶剤を使用しないため作業環境特性に優れ、熱可塑性であるため成形性が良好で、加熱し溶融することにより再利用することができるのでリサイクル性に優れている。従って、該複合材料を用いることにより、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐久性に優れた成形体を容易に得ることができ、しかも容易にリサイクル使用できる環境にも優しい成形体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】組紐構造を示す概略図である。
【図2】本発明の複合材料における樹脂含浸率と成形時間の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の複合材料における引張弾性率及び引張強度と樹脂含浸率の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の複合材料における0°曲げ試験による曲げ弾性率及び曲げ強度と、樹脂含浸率の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の複合材料における90°曲げ試験による曲げ弾性率と、樹脂含浸率の関係を示すグラフである。
【図6】本発明の複合材料における90°曲げ試験による曲げ強度と、樹脂含浸率の関係を示すグラフである。
【図7】本発明の複合材料における樹脂含浸率と成形時間の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の複合材料を製造する一実施形態を示す図である。
【図9】本発明の複合材料を製造する一実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 有機繊維
2 熱可塑性樹脂繊維
3 熱可塑性樹脂フィルム
4 有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなる繊維束
11 補強繊維を芯糸とする組紐
12 金型

Claims (9)

  1. 有機繊維を強化材とし、熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料であって、前記有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とを構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束あるいはこれらの組合せ及びこれらと熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物あるいは不織布との積層体のうちから選ばれる少なくとも一種を加熱下で加圧成形することにより製造したことを特徴とする複合材料。
  2. 有機繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維及びヘテロ環芳香族繊維から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の複合材料。
  3. 全芳香族ポリアミド繊維が、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維及びコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維から選ばれる少なくとも一種である請求項2に記載の複合材料。
  4. 全芳香族ポリアミド繊維が、フィルムフォーマ、シランカップリング剤及び界面活性剤が繊維表面及び繊維内部に付与されている請求項2又は3に記載の複合材料。
  5. 熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及び液晶ポリマー樹脂から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料。
  6. ペレットの形態を有している請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合材料を成形してなることを特徴とする成形体。
  8. 補強用、摩擦・摺動用、自動車、船舶等産業用の機械要素、電気・電子機器、AV機器、OA機器、建築用の部品・部材、建材、建具、パッキン類又はシール類であることを特徴とする請求項7に記載の成形体。
  9. 有機繊維を強化材とし、熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料の製造方法であって、前記有機繊維と熱可塑性樹脂繊維とを構成材料とする組紐、織物、編物、不織布、繊維束あるいはこれらの組合せ及びこれらと熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂繊維の織物、編物あるいは不織布との積層体のうちから選ばれる少なくとも一種を、加熱下で加圧成形することを特徴とする複合材料の製造方法。
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