JP4521718B2 - 食品抽出用複合エアレイドシート - Google Patents

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Description

本発明は、緑茶・紅茶・麦茶・コーヒー・ジュースなどのような飲料、ダシ・煮汁などのような味付けスープなどにおいて、不織布のような多孔性シートの、袋状で用いられる食品抽出用シートに関する。
従来から、茶葉を収容するバッグを、紙、不織布などで形成し、これをカップに入れてから熱湯を注入することにより、バッグ本体内の茶葉成分を抽出する、いわゆるお茶バッグ、ティーバッグ、コーヒーバッグなどが使用されている。これらのバッグを用いると、使用者は、直接粉末を扱う必要がないので、調理作業性を向上できる。
これらのバッグのシート材料としては、既にいくつかの提案がある。例えば、メルトブロー不織布のような極細繊維からなる不織布を複合して微細な茶葉粒子の粉漏れを少なくした抽出フィルター材料(特許文献1:特開平6−65851号公報)、特定の成分の芯鞘型複合繊維を含有する、抄紙時に浮き種が無く、ヒートシール性のある湿式不織布(特許文献2:特開平9−268434号公報)、ヒートシール層と非ヒートシール層を複合した、ヒートシール性に優れるカード不織布、またはスパンボンド不織布(特許文献3:特開2001−315239号公報)、芯鞘の熱バインダー繊維を20重量%以上含有し、特定のろ過速度、ろ過面積を有する不織布(特許文献4:特開平9−271617号公報)などが挙げられる。
しかしながら、特許文献1の方法では、極細繊維不織布によって粉漏れは防げるものの、目詰まりしやすいので抽出に時間がかかるばかりか、液濃度も薄い傾向がある。また、特許文献2は、あくまでも湿式で抄紙する湿式不織布に関する提案であって、基本的に湿式不織布はタテ方向に強くヨコ方向に弱いという欠点を有する。特許文献3の不織布は、ヒートシール性に配慮した構造となっているものの、不織布の製法がカード法やスパンボンド法であって、地合いや均一性に優れる提案内容ではないため、不均一性に起因して、粉漏れのリスクや、ヒートシール部の強度安定性が少ないなどの課題が残されている。また、これらの不織布は、基本的にタテ方向に強くヨコ方向に弱いという欠点も有する。特許文献4の不織布も、やはり不織布の製法がニードルパンチング、サーマルボンディングなどのいわゆる既存の製法なので、上記した課題を有している。
このように、本用途に求められる、製袋加工性、熱安定性、地合いの均一性、抽出性などの性能をすべて満足させるものでは無かった。
特開平06−65851号公報 特開平09−268434号公報 特開2001−315239号公報 特開平09−271617号公報
また、従来から知られているエアレイド不織布は、パルプ繊維層をベースとしてポリアクリル酸エステル系やポリ酢酸ビニル系などのケミカルバインダー樹脂を表層にスプレーしたり塗布したり,、全体に含浸したりして繊維間結合を形成しているが、この方法では微量の残存モノマーや架橋剤としてのホルマリン発生の懸念があり、食品用に好ましくない。
このように、本発明が意図する食品抽出用シートには、抽出するべき成分の速やかな抽出性や微細な粉末の漏れ防止などの実用性能、ヒートシールや超音波シール、溶断などの製袋加工性、熱湯でも剥がれないシール性能、方向性が少ないバランスの取れた強度などが求められる。
特に、抽出性と粉漏れ防止性の両立や、安定した不織布強度、シール強度を図って行くには、従来使用され、提案されている湿式不織布、カード法不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などでは、それぞれ不十分な点があり必ずしも万全とは言えない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製袋加工性、ヒートシール性、抽出性、粉漏れ防止性に優れた食品抽出用複合エアレイドシートを提供することにある。
本発明は、パルプと繊度0.9〜4dtの熱接着性複合繊維とが、97/3〜70/30重量%の比率で混合された成分からなり、目付10〜20g/m である湿式不織布の片面に、接着成分の融点が110〜160℃の熱接着性複合繊維を80%以上含有する、目付4〜30g/mの繊維ウエブをエアレイド法により形成し、熱風処理の後、さらにエアレイド層に接する面より湿式不織布層に接する面を高温にした一対のローラー間で熱圧処理を施すことにより積層一体化してなる食品抽出用合繊エアレイド複合シートである。
本発明においては、繊維分散の均一性、地合いの良さ、タテ/ヨコの強度バランスなどの点で優れるエアレイド法を基本とする。さらに詳しくは、主としてパルプを構成成分とする低目付で高通気性の湿式不織布を基材とし、これの片面に熱接着性複合繊維層をエアレイド法で形成し、熱処理して一体化する。エアレイド法で形成された熱接着性複合繊維層はタテ・ヨコのバランスの取れた、耐水性のある強度を発揮し、さらに均一性に優れたヒートシール層としての面となる。パルプを主成分とする湿式不織布面は、食品抽出に必要な親水性を担い、かつ、非ヒートシール性なのでヒートシール製袋機のシールバーへの非粘着性の特徴を有する。従って、シール温度をアップして速度アップを図ることも可能になるうえ、万が一工程トラブルが発生し停台してもシールバーに粘着・融着する恐れも少ないというメリットを発揮する。さらに、繊維の種類、融点、繊度および不織布目付などを適性化することによって、食品抽出用シートとして好適な、ヒートシールによって製袋する加工適性に優れた、表裏融点差を有する複合エアレイドシートを提供することができる。
エアレイド繊維層形成に使用する基材層:
本発明のシートは、パルプと、繊度0.9〜4dtの熱接着性複合繊維とが、97/3〜70/30重量%の比率で混合された成分からなり、目付10〜20g/mで、通気度が1.5秒以下の湿式不織布を基材として、この片面にエアレイド不織布製造法によって繊維層を形成する。
この基材は、木材パルプに少量の熱接着性複合繊維を混入することにより、不織布強度、エアレイド繊維層との熱接着・一体化、耐水性などが向上する効果の点で、好ましい。混合比率は97/3〜70/30重量%であり、好ましくは95/5〜80/20である。
熱接着性複合繊維の率が多いほど上記効果が大になるが、30重量%を超えるとヒートシールバー、熱板への熱接着性が発生してきて、本来の非ヒートシール面としての役割が果たせなくなる。逆に、3重量%未満の場合は上記効果が期待できない。
熱接着性複合繊維としては、低融点成分を鞘成分とし、高融点成分を芯成分とする芯鞘型、一方が低融点、他方が高融点成分であるサイドバイサイド型が好適である。これらの複合繊維の両方の成分の組み合わせとしては、PET/PE、PET/低融点共重合PP、PET/低融点共重合ポリエステルなどが挙げられる。PP/PEなどのように、両成分がオレフィン系の場合は、比重が軽いので抄紙の水に浮き易く、地合いの不均一、繊維塊状欠点など発生しやすいので好ましくない。ポリエステル系の場合は、オレフィン系より水にやや馴染みやすいうえ、比重が1より大なので、水に沈降し易く、好適である。お茶バッグは、通常、水に沈み易い方が使い良い。ここで、上記低融点共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールなどとの変性共重合が挙げられる。
低融点成分である熱接着成分の融点は、110〜160℃である必要がある。好ましくは120〜155℃である。110℃未満の場合、熱湯中でシール部が剥離するリスクを生じ易く、麦茶やダシ汁などの場合は特に沸騰水に数分〜数十分浸漬されていても剥がれないことが求められるので、融点は重要である。さらに、結晶性の高いポリマーの場合は、融点未満の温度では結合が緩みにくい特徴があるのでより好適である。一方、160℃を超えると、湿式不織布製造工程における熱処理温度を高くする必要が生じ、生産性が落ち、実用的でないばかりか、後述するエアレイド繊維層との熱圧一体化における接着効果も期待できなくなる。
熱接着性複合繊維の繊度は、0.9〜4dt、好ましくは1.1〜3dtである。0.9dt未満の場合は、細い繊維どうしが絡まり易くなり、パルパーなどにおけるパルプ繊維との混合も難しくなって、地合いの不均一性や塊状欠点発生のリスクが大になる。一方、4dtを超えた太い繊維の場合は、同一混合率でも繊維本数がダウンする結果となるので、強度付与、ヒートシール性付与などの効果が薄れる。
なお、熱接着性複合繊維は、繊維長が2〜10mmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜6mmである。繊維長が2mm未満の場合は、強度アップ、耐水性アップの効果が十分で無く、一方、10mmを超えると、繊維どうしが絡まり易くなり、抄紙性に欠ける。
基材としての湿式不織布の目付は、10〜20g/m、好ましくは12〜18g/mである。10g/m未満の場合は、湿式不織布としての生産性がはなはだしくダウンして工業生産にそぐわず、高コストとなって本用途の市場性に合わない。一方、20g/mを超えると、エアレイド法の基材として必要な通気度1.5秒以下の要件を確保できなくなる傾向が生じるばかりか、本発明の趣旨である食品抽出性能もダウンしてしまう。
さらに、通気度は1.5秒以下が必要である。エアレイド法は、通気性材料の上部から繊維と空気の混合体を噴出させ、下部からサクションで空気を引きつつ、通気性材料上に繊維層を形成する方法なので、基材となる湿式不織布の通気度は重要な要件となるばかりか、食品抽出シートとしての抽出性能にも影響する。1.5秒を超えた通気性の悪い場合は、エアレイド繊維層が不均一になり易く、且つ生産性も悪化する。しかも抽出シートとして目詰りし易い傾向となり、抽出スピードがダウンするばかりか、抽出濃度も薄くなり易い。通気度は、好ましくは0.5〜1.5秒である。
エアレイド不織布製造法による繊維層の形成と積層一体化:
次に、上記基材である湿式不織布の上にエアレイド法で繊維層を形成する。すなわち、多孔質ネットコンベアー上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、接着成分の融点が110〜160℃の熱接着性複合繊維を空気流と共に噴出し、ネットコンベアー下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベアー上に繊維層を形成するものである。このとき、ネットコンベア上に上記基材である湿式不織布をあらかじめ敷いて置くことにより、一挙に積層体が得られる。その後、積層体に熱風処理、および熱圧カレンダー処理を加えてエアレイド層の繊維間結合、および基材との熱接着を形成して不織布シートとして一体化させる。
繊維量、噴き出し条件、空気サクション条件、熱処理条件などを調節することにより必要な特性をコントロールすることができる。
熱接着性複合繊維としては、低融点成分を鞘成分とし、高融点成分を芯成分とする芯鞘型、一方が低融点、他方が高融点成分であるサイドバイサイド型が好適である。低融点成分が熱接着の役割を担い、高融点部が強度を担う。低融点成分である熱接着成分の融点は110〜160℃である必要がある。好ましくは120〜155℃である。110℃未満の場合、熱湯中でシール部が剥離するリスクを生じ易く、麦茶やダシ汁などの場合は特に沸騰水に数分〜数十分浸漬されていても剥がれないことが求められるので、融点は重要である。さらに、結晶性の高いポリマーの場合は、融点未満の温度では結合が緩みにくい特徴があるのでより好適である。一方、160℃を超えると、製袋加工のヒートシールもしくは超音波シール工程において高温、低速が必要となり、生産性が落ち実用的でない。
これらの熱接着性複合繊維の成分の組み合わせとしては、PP/低融点共重合PP、PET/PE、PET/低融点共重合PP、PET/低融点共重合PET(低融点共重合ポリエステル)などが挙げられる。特に、ポリエステル系の場合はオレフィン系より水にやや馴染みやすいうえ、比重が1より大なので、水に沈降し易く、好適である。お茶バッグは、通常、水に沈み易い方が使い良い。ここで、上記低融点共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸(金属塩)などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールなどとの変性共重合が挙げられる。
熱接着性複合繊維は、繊維長が2〜10mmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜6mmである。繊維長が2mm未満であると、粉末状に近づくため多孔質ネットコンベアーから抜け落ちる割合が高くなり歩留まりが悪くコストアップするばかりか、加工も難しい。一方、繊維長が10mmを超えると、繊維の紡出量が減るため生産性が悪化するばかりか、繊維の分散も悪化し、抽出性や粉漏れ防止の性能にも影響が出易い。
また、熱接着性複合繊維の繊度は、好ましくは1.5〜4.5dtであり、さらに好ましくは1.7〜3.3dtである。1.5dt未満の細繊度の場合は、エアレイド法において未解繊、未分散の繊維が多くなって不織布地合いが悪くなる傾向があるばかりか、繊維間距離が接近して繊維どうしで形成される微少な穴からの抽出性がダウンしてくる、つまり目詰りが起きやすくなる。一方、繊度が4.5dtを超えると、地合い悪化の問題も無く、抽出スピードもアップするものの、逆に微少な茶葉粉末、食品粉末が漏れ易くなり、本用途に適さなくなる。
なお、熱接着性複合繊維は捲縮していても、していなくてもよく、またストランドチョップであってもよい。捲縮している場合、ジグザグ型の二次元捲縮繊維およびスパイラル型やオーム型などの三次元(立体)捲縮繊維の何れも使用できる。
また、これらの熱接着性複合繊維以外の繊維、例えばPP繊維、PET繊維、PBT繊維、ナイロン6繊維、ナイロン6,6繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、合成パルプ(例えば、三井化学(株)製SWPのような、PEやPPを素材とするフィブリル状繊維)、木材パルプ、麻、レーヨン、ビスコース繊維などを本発明の趣旨、効果を阻害しない範囲で混合しておいても良い。この場合、他の繊維の比率は20重量%未満に留めるのが好ましい。20重量%以上では、不織布強力やヒートシール性に影響が出るばかりか、熱接着性のない繊維は実使用中に脱落し易くなる。
エアレイド法で形成する繊維層は、目付4〜30g/m、好ましくは5〜25g/mである。4g/m未満の場合、不織布強力、ヒートシール強力が低くなり、実用に適さない。一方、30g/mを超えると、厚過ぎて抽出性能が悪化する。
本発明のヒートシール性繊維層を作製するエアレイド法は、カード法などの既存の乾式不織布製造法に較べて、長さの短い繊維が使用できるので、空気流によって容易に単繊維に解繊され易く、極めて地合いの良好な、つまり均一性の良好な不織布が得られるという大きな特徴を有する。食品抽出の用途において、粉漏れが少なく、かつ抽出性が良いという性能に、均一性は重要な要件であり、既存のカード法不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布では得られ難い。また、本製造法によれば、タテ/ヨコの強力比率がほぼ1/1に近いというメリットも有する。
熱風処理:
繊維間結合を形成するための熱風処理としては、熱接着性複合繊維の低融点成分の融点以上の温度が必要である。しかしながら、低融点成分の融点よりも30℃以上高い場合、あるいは高融点成分(芯鞘型複合繊維の芯成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の高融点成分)の融点以上の場合は、繊維の熱収縮が大きくなり易く、地合いの悪化を招いたり、はなはだしい場合は繊維の劣化を生じるので好ましくない。
熱風処理温度は、通常、110〜190℃、好ましくは120〜175℃である。
熱圧処理:
熱風処理したのち、熱圧カレンダー処理を加えるのが好適である。カレンダー処理に用いるローラーとしては、全体に均一な熱圧を加えるため、平滑表面の一対の金属ローラー、または金属ローラーと弾性ローラーの組み合わせを用いることが好ましいが、多段ローラーであっても良い。また、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば、凸凹表面のエンボスローラーであっても良い。
カレンダー処理により熱接着する際の温度は、非ヒートシール層の面に接するローラーと、ヒートシール層の面に接するローラーとの表面温度を変える必要がある。
非ヒートシール層の面の高温ローラーは、湿式不織布に混ぜた熱接着性複合繊維の低融点成分の融点プラス10℃〜50℃が好適である。融点プラス10℃未満の場合は、表裏の層間の熱接着・一体化が不十分となり易く、一方、融点プラス50℃を超えると、ローラーへの粘着のリスクが生じ、生産性に欠ける。
ヒートシール層の面に接するローラーは、エアレイド繊維層に用いる熱接着性複合繊維どうしは既に熱風処理によってあらかじめ結合されているので、比較的低温でも良く、繊維種類や、融点や、全体の目付などにより適宜選択されるが、低融点成分の融点〜融点マイナス50℃までの範囲で任意に設定できる。融点に近い高温の場合には不織布強力や層間強力がさらにアップする傾向があり、好ましい。一方、融点マイナス50℃に近い場合には、強力アップの効果が少なくなるが、厚さ調整の役割は果たせる。融点を超えると、ローラー表面への粘着が発生しやすくなるので好ましくない。融点マイナス50℃未満の場合は、ローラー圧力をアップしても不織布強力が低く、実用に耐えられない。好ましくは70〜160℃である。
また、カレンダー処理の線圧は、幅方向で均一な接圧になるよう設定すれば、任意の圧力を選択することができる。高圧の場合は不織布強力・層間強力がアップし、厚さがダウンする。低圧の場合は勿論これに反する影響が出る。極力高圧のほうが不織布強力の点で好ましい。通常、10〜100kgf/cmが好ましい。
なお、得られる本発明の食品抽出用シートの厚さは、通常、0.04〜0.8mmであり、好ましくは0.05〜0.5mmである。0.04mm未満では高密度となり、抽出性能が不十分となり易く、0.8mmを超えると嵩高過ぎて層間剥離のリスクが生じる。
また、得られる本発明の食品抽出用シート全体の目付は、通常、14〜50g/m、好ましくは15〜40g/mである。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
芯がPET、鞘が融点135℃の高密度PEからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、繊度2.2dt、長さ5mm)を送風ブロアで大量の空気流と混合しつつ送綿し、多孔質ネットコンベアー上に位置する噴き出し部から、空気流と共に噴出した。このとき、原料繊維として芯がPET,鞘が融点115℃のイソフタル酸共重合ポリエステルからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)、繊度2.2dt、長さ5mm)8重量%、木材パルプ(アラマバパイン)92重量%からなる目付13g/mの湿式不織布をあらかじめネット上に載せて置き、湿式不織布とネットコンベアーとの下面に配置した空気サクション部で吸引しながら、目付7g/mの低融点複合繊維層として捕集した。
次に、この湿式不織布と低融点複合繊維層との積層ウエブを145℃の熱風オーブンで2分間加熱してから、一対の金属ローラーでカレンダー仕上げした。カレンダー温度は、低融点複合繊維層側を115℃、湿式不織布側を155℃とし、線圧は35kgf/cmとした。得られた層状複合エアレイド不織布は均整度が高く地合い良好な、表裏融点差のあるシートであり、ヒートシール製袋加工機のシールバーへの粘着トラブルが無く、お茶の抽出性能が良好で、熱湯でもヒートシール部の剥離がない、食品抽出用シートとして優れて良好な実用性能を有していた。
<比較例1>
原料繊維として、芯がPPで、鞘が融点135℃の高密度ポリエチレンからなる複合繊維(繊度3.3dt、長さ51mm)をカーディング機にて解繊、ウエブ化した。得られたカードウエブを搬送コンベアにて温度133℃、線圧40kgf/cmの一対の金属ローラーに送り込み、カレンダー仕上げした。得られた乾式不織布は製袋加工機のヒートシールバー面に経時粘着傾向があり、特に停台した場合はシール部に固着する場合があった。また、実施例1と比較して地合いが悪く、粉末煎茶のお茶バッグとして使用した場合、粉漏れが多くて抽出液は濁り大で実用上問題のあるものであった。
これらの結果を表1に示す。















Figure 0004521718
なお、各測定方法は次の方法で行った。
乾燥時引張強度:
測定方法は、試料サイズが巾25mmチャック間100mmで引張速度300mm/分で測定した。なお、MDは長さ方向、CDは幅方向を示す。以下、同じ。
湿潤時引張強度:
25℃の水に3分間浸漬したあと、金網上で5分間放置した後に、乾燥時引張強力と同様にした。
ヒートシール強度:
MD方向に幅25mmの試料を切り出し、2枚を重ねてからCD方向にシール巾1.5mmでヒートシールした。ヒートシールは、石崎電機製作所製NL-301Jインパルスシーラーを使用し、目盛6でシールした。その後、このシールされた試料の両端部をチャック間100mmとなるようチャックで把持し、引張速度100mm/分でヒートシール強度を測定した。なお、湿潤時は上記の湿潤時引張強度と同様にしてから測定した。
地合:
肉眼判定によった。斑の少ない状態を◎、斑が大きい状態を×とした。
通気度:
JIS L1096A法(フラジール法)によった。
濾水度:
JIS P3801(ヘルツベルヒ濾過速度試験法)によった。ただし、水量は500ccとした。
お茶の抽出性:
粉末煎茶10gを収納したタテ/ヨコ各5cmのバッグをヒートシール法で作製し、これを90℃の熱水250ccと共に容器中で、攪拌棒でゆるやかに攪拌し続けながら2分間抽出させた。その後、バッグを取り出した後の抽出液の濃度、粉漏れの有無を観察した。
濃度は、粉末煎茶10gを直接熱水中に入れて抽出させた場合と比較し、ほぼ同等な濃さが得られた場合を◎、やや薄い場合を○、明らかに薄い場合を×とした。
熱湯によるシール部の安定性:
沸水中に3分浸漬してから、シール部が剥離しないか観察した。
◎;湯中で攪拌しても剥離せず、取出してから指でシール部を引張っても剥離しない。
○;取出してから指で引張ると一部剥離するが、湯中攪拌では剥離せず、実用上問題はない。
△;取出してから引張ると容易に剥離し、湯中で攪拌した場合に一部剥離が観察される。
×;湯中攪拌でシール部が剥離して粉末煎茶が湯中に流出し、抽出シートとして不適である。
本発明の食品抽出用複合エアレイドシートは、食品抽出性、ヒートシールによって製袋する加工適性に優れ、表裏融点差を有しておりヒートシール適性に優れ、お茶バック、ティーバック、コーヒーフィルター、だしパックなどの用途に好ましく用いることができる。

Claims (1)

  1. パルプと繊度0.9〜4dtの熱接着性複合繊維とが、97/3〜70/30重量%の比率で混合された成分からなり、目付10〜20g/m である湿式不織布の片面に、接着成分の融点が110〜160℃の熱接着性複合繊維を80%以上含有する、目付4〜30g/mの繊維ウエブをエアレイド法により形成し、熱風処理の後、さらにエアレイド層に接する面より湿式不織布層に接する面を高温にした一対のローラー間で熱圧処理を施すことにより積層一体化してなる食品抽出用合繊エアレイド複合シート。
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