JP5273674B2 - 粘着テープ用支持体 - Google Patents
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Description
また、特許文献2(特開2007−75502号公報)には、表面層、中間層、裏面層のそれぞれ1層以上の積層不織布からなる医療用粘着テープ基材が提案されている。ここで、表面層は線径30μm以下の熱可塑性合成繊維、中間層は10μm以下のメルトブロー繊維、裏面層は線径10〜30μmの熱可塑性合成繊維からなり、この積層不織布には、MB−SBの積層体を含んでいる。この粘着テープ基材は、通気性があり、裏抜けがなく、粘着剤との一体性に優れかつ柔軟であるが、製造工程が数回にもなり、煩雑である、という問題を有している。
ここで、上記繊維構造体は、好ましくは、目付が10〜80g/m2であり、密度が0.20〜0.45である。
また、(A)合成繊維は、好ましくは、熱融着繊維と単一構造のホモタイプの繊維比率は100〜80/0〜20重量%であり、かつ熱融着繊維が芯・鞘タイプあるいはサイドバイサイドの構造を有する。
さらに、上記繊維構造体は、好ましくはその平均伸度がタテ、ヨコともに25%以内であり、かつタテ強度/ヨコ強度の比が0.85〜1.15である。
本発明の粘着テープ用支持体は、(A)パルプ繊維と(B)熱接着性合成繊維を主とする合成繊維からなるエアレイド法で製造された繊維構造体からなり、(A)パルプ繊維と(B)合成繊維との混合比率が(A)パルプ繊維/(B)合成繊維=3〜30/97〜70重量%であり、合成繊維の繊度が0.5〜5デシテックスである。
ここで、上記繊維構造体を構成する(A)パルプ繊維は、剥離時の帯電防止や粘着剤との親和性を向上させるために、繊維構造体に配合するものである。(A)パルプ繊維としては、長さが0.2mm〜5mmの粉砕パルプが好ましい。パルプは、静電気の発生を防止するための素材であり、性能、価格の観点から最も好ましい。なお、パルプ以外に、コットン、麻などの天然繊維、レーヨンなどの化繊を50重量%未満含有していてもよい。50重量%以上では、繊維構造体の強力が不足になり、実用的でない。
また、(B)合成繊維を構成する熱接着性合成繊維としては、低融点成分を鞘成分とし、高融点成分を芯成分とする芯鞘型、一方が低融点、他方が高融点成分であるサイドバイサイド型の熱接着性複合繊維が好適である。これらの複合繊維の両方の成分の組み合わせとしては、PET/PE、PET/低融点共重合PP、PET/低融点共重合ポリエステルなどが挙げられる。ここで、上記低融点共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールなどとの変性共重合が挙げられる。
なお、熱接着性合成繊維などの(B)合成繊維は、手切れ性の発現の面から、繊維長が1〜15mmであることが好ましく、さらに好ましくは2〜6mmである。繊維長が1mm未満の場合は、強度アップ、耐水性アップの効果が十分で無く、一方、15mmを超えると、繊維どうしが絡まり易くなり、シートの均一性に欠ける場合があり、手切れ性も悪くなる。
他の合成繊維の単糸繊度や繊維長も、上記の熱接着性合成繊維と同様である。
本発明の粘着テープ用支持体は、(A)パルプ繊維と(B)熱接着性合成繊維を主とする合成繊維からなるエアレイド法で製造された繊維構造体からなり、(A)パルプ繊維と(B)合成繊維との混合比率が(A)パルプ繊維/(B)合成繊維=3〜30/97〜70重量%、好ましくは、5〜25/95〜75重量%である。上記繊維構造体中に(A)パルプ繊維を配合することにより、粘着テープの剥離時の帯電を防止することができ、粘着テープを構成する粘着剤との親和性も向上させることができる。したがって、(A)パルプ繊維の割合が3重量%未満では、粘着テープの剥離帯電が発生し、切断したテープの取り扱いが困難となる。一方、30重量%を越えると、テープ切断時にパルプ繊維に起因するリントの発生があり、また、粘着テープ用基材の強度が低下し、さらにテープ表面の毛羽たちが抑えられない。
本発明の粘着テープ用基材を構成する繊維構造体は、エアレイド法で繊維層を形成する。すなわち、多孔質ネットコンベアー上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、(A)パルプ繊維と(B)接着成分の融点が110〜160℃の熱接着性合成繊維を主とする合成繊維の混合物を空気流と共に噴出し、ネットコンベアー下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベアー上に繊維層を形成するものである。その後、この繊維層に熱風処理、および熱圧カレンダー処理を加えてエアレイド層の繊維間結合、および基材との熱接着を形成して不織布シートとして一体化させる。
繊維量、噴き出し条件、空気サクション条件、熱処理条件などを調節することにより必要な特性をコントロールすることができる。
本発明に用いられる繊維構造体は、繊維間結合を形成するために熱風処理される。熱風処理としては、熱接着性合成繊維の低融点成分の融点以上の温度が必要である。しかしながら、低融点成分の融点よりも30℃以上高い場合、あるいは高融点成分(芯鞘型複合繊維の芯成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の高融点成分)の融点以上の場合は、繊維の熱収縮が大きくなり易く、地合いの悪化を招いたり、はなはだしい場合は繊維の劣化を生じるので好ましくない。
熱風処理温度は、通常、110〜190℃、好ましくは120〜175℃である。
熱風処理したのち、熱圧カレンダー処理を加えるのが好適である。カレンダー処理に用いるローラーとしては、全体に均一な熱圧を加えるため、平滑表面の一対の金属ローラー、または金属ローラーと弾性ローラーの組み合わせを用いることが好ましいが、多段ローラーであっても良い。また、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば、凸凹表面のエンボスローラーであっても良い。
本発明の粘着テープ用基材を作製するエアレイド法は、カード法などの既存の乾式不織布製造法に較べて、長さの短い繊維が使用できるので、空気流によって容易に単繊維に解繊され易く、極めて地合いの良好な、つまり均一性の良好な不織布が得られるという大きな特徴を有する。
本製造法によれば、タテ/ヨコの強力比率がほぼ1/1に近いというメリットも有する。
この密度は、繊維構造体を構成する(B)合成繊維の単糸繊度や、製造する際の熱風処理や熱圧処理により、容易に調整することができる。例えば、熱カレンダーのローラー圧力を15kgf/cm以上とすればよい。
繊維構造体の平均伸度が25%を超えると、手切れ性が悪く、また粘着テープの生産時に製品長さの変動が大きくなる可能性が発現する。この平均伸度は、カレンダーローラーの温度と圧力により調整することができる。
また、本発明の繊維構造体は、上記のように、エアレイド法により製造されるため、タテ強度/ヨコ強度の強力比率がほぼ1/1に近く、上記のように、0.85〜1,15の範囲内となる。
本発明に用いられる繊維構造体は、タテ強度/ヨコ強度の強力比率がほぼ1/1ので、製造時、繊維構造体の方向性を考慮せずに製造しても、ほぼ同様の製品特性が発現し、製造工程中でのロス発生の低減に寄与するというメリットがある。
なお、粘着剤層は、粘着剤を溶液塗布して形成してもよいし、エマルジョン塗布しても、ホットメルト塗布してもよい。
融着繊維(熱接着性合成繊維)として、芯がポリエチレンテレルタレート(PET)、鞘が融点115℃のイソフタル酸共重合ポリエステルからなる芯−鞘型熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)、テイジンG2,繊度2.2dt、長さ5mm)80重量%に、粉砕パルプ(ウェハウザー社製、NF405)20重量%の混合物を送風ブロアで大量の空気流と混合しつつ送綿し、多孔質ネットコンベアー上に位置する噴き出し部から、空気流と共に噴出し、ネットコンベアーとの下面に配置した空気サクション部で吸引しながら、目付42g/m2のウエブとして捕集した。
次に、このウエブを145℃の熱風オーブンで2分間加熱してから、一対の金属ローラーでカレンダー仕上げした。カレンダー温度は、両ローラーとも145℃とし、線圧は30N/cmとした。得られた繊維構造体の引張り強度、伸度、リント脱落、静電気量、手切れ性を評価した。結果を表1に示す。
熱融着繊維とパルプの配合量を表1のように変える例と同様にして繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
パルプ30重量%の代わりに、パルプ20重量%、乾式レーヨン(レンチング社製、テンセル、単糸繊度2.2dtex、繊維長5mm)10重量%を用いる以外は、実施例2と同様にして、繊維構造体(粘着テープ用基材)を得た。結果を表1に示す。
熱融着繊維80重量%の代わりに、熱融着繊維70重量%、ポリエチレンテレフタレート短繊維(帝人ファイバー社製、RT04、単糸繊度2.2dtex、繊維長5mm)10重量%を用いる以外は、実施例1と同様にして、繊維構造体(粘着テープ用基材)を得た。結果を表1に示す。
熱融着繊維とパルプの割合を表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
熱融着繊維とパルプの割合を表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
パルプを用いず、熱融着繊維のみを用いて、実施例1と同様にして繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
密度
JIS L 1913〈一般短繊維不織布試験方法〉の「厚さ」と「単位面積当たりの質量」の値から計算により求めた。
引張強度
測定方法は、試料サイズが巾25mmチャック間100mmで引張速度300mm/分で測定した。なお、MDは長さ方向、CDは幅方向を示す。
伸度
上記、引張強力の測定時、試料が破断したときの伸び率を伸度とした。
10cm角の試験片を引き裂くときに発生する、リント(繊維状脱落物)の数を、良が1、悪いが5の5段階で判定する。
良 1<2<3<4<5 悪い
静電気量
10cm角の2枚の試験片を互いに強く、5回こすり合わせたときに発生する静電気量を試験品の表面(10cm上)にて帯電量を測定する。
測定器:シムコ社製、静電気測定器 FMX-003
手切れ性の良否は、引裂強力と解離距離で判定を行った。
すなわち、JIS L 1913(一般短繊維不織布試験方法)の引裂強力の測定方法(ベンジュラム法)に準じた。JIS L 1913では、試験片の両つかみの中央で直角に2cmの切れ目を入れるが、本試験では、切れ目を入れずに、実施した。これは、実使用時のテープ切断を想定し、考案したものである。
解離距離:試験前に、試験片の中央に引いた標線(端部の辺に平行に、中央に引く)と試験後の試料で、試料の切断した部分で標線から最も離れている箇所の長さを解離距離とした。タテ方向とヨコ方向にそれぞれ4回の操作を行い、その平均値を算出した。
Claims (4)
- (A)パルプ繊維と(B)熱接着性合成繊維を主とする合成繊維からなるエアレイド法で製造された繊維構造体からなり、(A)パルプ繊維と(B)合成繊維との混合比率が(A)パルプ繊維/(B)合成繊維=3〜30/97〜70重量%であり、合成繊維の繊度が0.5〜5デシテックスであることを特徴とする粘着テープ用支持体。
- 繊維構造体の目付が10〜80g/m2であり、密度が0.20〜0.45である請求項1記載の粘着テープ用支持体。
- 合成繊維中の熱融着繊維と単一構造のホモタイプの繊維比率が100〜80/0〜20重量%であり、かつ熱融着繊維が芯・鞘タイプあるいはサイドバイサイドの構造を有する請求項1または2記載の粘着テープ用支持体。
- 繊維構造体の平均伸度がタテ、ヨコともに25%以内であり、かつタテ強度/ヨコ強度の比が0.85〜1.15である請求項1〜3いずれかに記載された粘着テープ用支持体。
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