JP2002360625A - 皮膚貼付用粘着テープ及びその製造方法 - Google Patents
皮膚貼付用粘着テープ及びその製造方法Info
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Abstract
で切断後の外観が良好な皮膚貼付用粘着テープ及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 支持体の片面に粘着剤層が設けられた皮
膚貼付用粘着テープにおいて、支持体がポリオレフィン
不織布であり、該ポリオレフィン不織布には、貫通また
は非貫通の多数の微小孔が形成されており、かつ、各微
小孔の周辺部の不織布繊維が溶融してフィルム状となっ
ている皮膚貼付用粘着テープ、並びにその製造方法。
Description
ープ及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、手切れ
性、伸縮性、透湿性に優れており、手で切断後の外観が
良好な皮膚貼付用粘着テープ及びその製造方法に関す
る。本発明の皮膚貼付用粘着テープは、医療現場や家庭
などでの救急治療の際に、例えば、脱脂綿、ガーゼ、包
帯、カテーテル、チューブ、シップ剤などを人体に固定
するのに好適である。
一般に、支持体の片面に粘着剤層が形成された構造を有
している。支持体としては、例えば、塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのフィルム類;和紙など
の紙類;ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル
などの繊維からなる不織布;などが用いられている。
を利用した固定機能に加えて、貼付した皮膚面の動きに
追随できる伸縮性、発汗により貼付部位に汗が溜まるの
を防ぐための透湿性を有することが求められている。さ
らに、皮膚貼付用粘着テープは、通常、所望の長さに切
断して使用されるが、使い易さの観点から、手を用いて
簡単に切断できること、すなわち、手切れ性のあること
が要求されている。
用粘着テープは、一般に、伸縮性を有しているものの、
手切れ性及び透湿性に劣っている。支持体として紙類を
用いた皮膚貼付用粘着テープは、一般に、手切れ性及び
透湿性を有しているものの、伸縮性に欠けている。
着テープは、一般に、透湿性に優れており、伸縮性も有
しているが、手切れ性が悪い。しかも、この皮膚貼付用
粘着テープは、手で切断すると、切断面に繊維の毛羽立
ちが発生し、皮膚面に貼付した状態での外観がよくない
という問題がある。
付与するために、様々な方法が提案されている。例え
ば、実公昭52−8775号公報には、合成樹脂、紙、
不織布などの基材に、長手方向の長さより幅方向の長さ
の方が長い形状を有し、かつ、引裂かれ方向にある端部
が常に鋭角である方向性を有する孔を設けてなる医療用
粘着テープが提案されている。
に薬剤を含有するポリマー層が形成された貼付剤に、該
支持体を貫通する長手方向及び幅方向に鋭角な切れ目を
持つ微小孔を規則的に設けた貼付剤が提案されている。
より具体的には、ポリエチレンシートなどのシート状支
持体に、前記のごとき形状を有する多数の微小孔を形成
して、手切れ性と通気性を付与している。
張性かつ寸法安定性のプラスチックフィルム基材に、微
細な貫通孔または非貫通状の凹部を形成し、そして、該
フィルムの片面に粘着剤層を設けた易裂性粘着テープが
提案されている。
来法は、不織布を支持体とする皮膚貼付用粘着テープに
適用した場合、充分に改善された手切れ性を得ることが
困難であることが判明した。しかも、貫通孔を設けて
も、手で切断後に、切断面に毛羽立ちが発生する。
布を支持体とする皮膚貼付用粘着テープであって、手切
れ性、伸縮性、透湿性に優れており、手で切断後の外観
が良好な皮膚貼付用粘着テープ及びその製造方法を提供
することにある。
鋭意研究した結果、ポリオレフィン不織布を支持体とす
る皮膚貼付用粘着テープに、ポリオレフィンの融点付近
の温度に調整した穿孔手段を圧着させる方法が有効であ
ることを見出した。より具体的には、ポリオレフィン不
織布を支持体とする皮膚貼付用粘着テープに、多数の突
起を備えた穿孔手段を、該突起の温度を〔ポリオレフィ
ンの融点−10℃〕〜〔ポリオレフィンの融点+50
℃〕の温度に加熱しながら圧着して、多数の微小孔を形
成するとともに、各微小孔の周辺部の不織布繊維を溶融
させてフィルム状にする方法が有効であることが見出さ
れた。
により形成された各微小孔の周辺部の不織布繊維が溶融
してフィルム状となっていることによって、手切れ性が
向上しており、その上、切断面の毛羽立ちの発生が抑制
され、伸縮性(柔軟性)も改善されている。
していても、貫通していなくてもよい。また、各微小孔
の孔形状を、引裂かれる方向にある両端部が鋭角または
鈍角などの角のある孔形状として、引裂きに方向性を付
与することにより、手切れ性をさらに向上させることが
できる。
性に優れており、手で切断後の外観が良好な皮膚貼付用
粘着テープが低コストで提供される。本発明は、これら
の知見に基づいて完成するに至ったものである。
ば、支持体の片面に粘着剤層が設けられた皮膚貼付用粘
着テープにおいて、(1)支持体がポリオレフィン不織
布であり、(2)該ポリオレフィン不織布には、貫通ま
たは非貫通の多数の微小孔が形成されており、かつ、
(3)各微小孔の周辺部の不織布繊維が溶融してフィル
ム状となっていることを特徴とする皮膚貼付用粘着テー
プが提供される。
着剤層が設けられた皮膚貼付用粘着テープの製造方法に
おいて、(I)支持体としてポリオレフィン不織布を使
用し、その片面に粘着剤層を形成した後、(II)粘着
剤層とは反対側のポリオレフィン不織布面側に、多数の
突起を備えた穿孔手段を、突起の温度を〔ポリオレフィ
ンの融点−10℃〕〜〔ポリオレフィンの融点+50
℃〕の温度に加熱しながら圧着して、ポリオレフィン不
織布に貫通または非貫通の多数の微小孔を形成するとと
もに、各微小孔の周辺部の不織布繊維を溶融させてフィ
ルム状にすることを特徴とする皮膚貼付用粘着テープの
製造方法が提供される。
する。ポリオレフィン不織布を用いることにより、伸縮
性、透湿性などが良好な皮膚貼付用粘着テープを得るこ
とができる。それに加えて、後述の熱穿孔法によって、
ポリオレフィン不織布に微小孔を形成すると、各微小孔
の周辺部の不織布繊維を溶融させてフィルム状にするこ
とができる。
フィン繊維を用いて製造された不織布であれば特に限定
されない。ポリオレフィン不織布の製造方法は、特に限
定されず、湿式法、乾式法、その他の方法を採用するこ
とができる。乾式法には、繊維ウェブを接着剤で結合す
るケミカルボンド法、自己接着または接着繊維で結合す
るサーマルボンド法などがある。その他の製造方法とし
ては、スパンボンド法やメルトブローン法、ニードルパ
ンチ法などがある。
ンボンド法が好ましい。スパンボンド法では、一般に、
シャワーのノズルに似た細い穴を多数有する紡糸口金か
ら多数のフィラメントを押し出し、それを走行するベル
ト上に集めてウェブとする。高温状態のフィラメント
は、フィラメント同士が互いに熱融着して、不織布を形
成する。ポリオレフィンフィラメントは、通常、連続フ
ィラメントである。
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、これらの混合物などが
挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンまたはポ
リプロピレンを含有するブレンド物が好ましい。
は20〜150g/m2、より好ましくは25〜100
g/m2である。ポリオレフィン不織布の坪量が上記範
囲内にあることによって、皮膚貼付用粘着テープに求め
られる強度、通気性、風合い、伸縮性などを高度にバラ
ンスさせることができ、コスト面でも有利である。
面に粘着剤層を設けた粘着テープの支持体面側に、多数
の突起を備えた穿孔手段を、突起の温度をポリオレフィ
ンの融点前後の温度に加熱しながら圧着して、支持体を
貫通するか、あるいは非貫通の多数の微小孔を形成す
る。この方法を熱穿孔法と呼ぶ。この熱穿孔法によっ
て、各微小孔の周辺部の不織布繊維(典型的には、フィ
ラメント)が溶融してフィルム状になる。
ィン不織布を貫通する微小孔を形成してもよい。また、
熱穿孔法により、支持体と粘着層を含む粘着テープ全体
を貫通する微小孔を形成してもよい。しかし、手切れ性
の観点からは、微小孔の周辺部の不織布繊維が溶融して
フィルム状になっていることが重要であって、微小孔が
ポリオレフィン不織布を貫通していることは、必ずしも
必要ではない。穿孔条件によっては、微小孔の周辺部だ
けではなく、底部においても不織布繊維が溶融してフィ
ルム化していることがある。微小孔の底部にフィルムが
形成されると、微小孔は、貫通孔ではなく、非貫通の凹
部を形成することになるが、この場合でも、手切れ性が
顕著に改善される。
突起を設けた穿孔ロールを用いることが、連続生産を行
う上で好ましい。穿孔ロールの内部には、ヒータまたは
熱媒(オイル)を内蔵させて、突起及び穿孔ロール表面
の温度を制御する。この他、多数の突起を設けたエンド
レスベルトを用いてもよい。エンドレスベルトの材質が
鉄やニッケル、これらの合金、フェライト系ステンレス
などの場合には、電磁誘導加熱方式により温度制御を行
ってもよい。
する皮膚貼付用粘着テープに対して連続的に行うことが
好ましい。微小孔の形成方法としては、粘着テープ原反
(ウエブ)の繰り出し部と巻き取り部の途中に、穿孔ロ
ールと加圧ロールとを対向して配置し、両ロールの接触
面間に粘着テープ原反を通して、連続的に熱穿孔する方
法が好ましい。加圧ロールとしては、表面が平滑なステ
ンレスロール、芯金上にシリコーンゴムを被覆した表面
が平滑なゴムロールなどが挙げられる。粘着テープ原反
の支持体面側が穿孔ロールの突起と接触するように、粘
着テープ原反を穿孔ロールと加圧ロールとの間に導く。
穿孔ロールにより圧着されるように実施する。粘着テー
プ原反は、ポリオレフィン不織布からなる支持体の片面
に粘着剤層を形成し、好ましくは、支持体の粘着剤層と
は反対面側に、側鎖が長鎖アルキル基系ポリビニル化合
物等の剥離剤を塗布したものである。粘着テープ原反の
剥離剤加工面側から熱穿孔を行う。ただし、剥離剤加工
は、場合によっては必要とされないことがある。
い。熱穿孔は、剥離紙を除去してから行うことができる
が、剥離紙が付着したままで行ってもよい。粘着剤層の
表面に剥離紙が存在すると、熱穿孔時、剥離紙がクッシ
ョン材として作用する。剥離紙がクッション材として作
用すると、加圧ロールの表面が傷つきにくくなり、ま
た、熱穿孔時に、微小孔の周辺部のみならず、底部にも
不織布繊維の溶融によるフィルムが形成されて、非貫通
の凹部が形成され易くなる。
起の形状は、特に限定されないが、支持体に形成される
各微小孔が、引裂かれる方向にある両端部が鋭角または
鈍角である孔形状(角のある孔形状)を有するに至るよ
うな突起形状とすることが望ましい。引裂かれる方向
は、粘着テープまたは支持体の幅方向であることが好ま
しい。
は、穿孔のために先端部が尖っている。図1に上面図を
示すように、好ましい突起の形状は、例えば、底面が菱
形の四角錘(a)、底面が六角形の六角錘(b)などの四角形
以上の多角錘;底面が楕円形の円錐(c);などが挙げら
れる。これらの突起の底面の形状は、両端部を鋭角また
は鈍角の角のある形状とすることが、引裂きに方向性を
付与する上で好ましい。図2に、底面が菱形の四角錘で
ある突起の斜視図を示す。
及び4に上面図を示すように、各横列(幅方向の列)間
の間隔xを等間隔とすることが好ましい。また、各縦列
(流れ方向または回転方向)間の間隔yは、等間隔とす
ることができるが、各縦列は、粘着テープの流れ方向に
対して連続的に左右にずれていてもよい。すなわち、各
縦列は、必ずしも直線状に配置されていなくてもよい。
は0.3〜2mm、より好ましくは0.5〜1mmで、
高さが好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは
0.3〜1mm程度である。突起が四角錘の場合、四角
形の底面の各対角線長さは、好ましくは0.3〜2m
m、より好ましくは0.5〜1mmから選択され、高さ
は、好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは
0.3〜1mmから選択される。
突起間の間隔(ピッチy)及び各横列間の間隔(ピッチ
x)は、いずれも、好ましくは0.3〜10mm、より
好ましくは0.5〜8mm程度である。横列における各
突起は、図4に示すように、それぞれの基端部同士が接
触した状態であってもよい。熱穿孔時には、各突起の先
端部から中ほどまでがポリオレフィン不織布と接触し、
基部までは接触しないことがあるため、基端部同士が接
触した形状の突起を有する穿孔手段を用いても、ポリオ
レフィン不織布に独立した微小孔を形成することができ
る。
ていてもよいが、通常は、各突起の基端部間の間隔
(z)が0.1mm以上、好ましくは0.1〜5mm、
より好ましくは0.2〜2mm程度の間隔となるように
調整する。各突起の形状及び間隔は、熱穿孔によって、
支持体上に各微小孔がそれぞれ独立して形成されるよう
に調整することが好ましい。
ポリオレフィンの融点前後の温度に加熱しながら粘着テ
ープ原反に圧着する。穿孔ロールの場合、突起の温度を
ポリオレフィンの融点前後の温度に加熱するには、通
常、穿孔ロールの表面温度をポリオレフィンの融点前後
の温度にまで加熱する。
織布繊維(典型的には、フィラメント)を、その表面部
を中心に溶融させて、繊維同士が融着したフィルム状に
変化させる。そのためには、突起及び穿孔ロールなどの
穿孔手段表面の温度を、不織布繊維を構成するポリオレ
フィンの融点(Tm)前後の高温に設定する。
〔Tm+50℃〕であり、好ましくは〔Tm−5℃〕〜
〔Tm+40℃〕、より好ましくはTm〜〔Tm+30
℃〕である。熱穿孔時の突起温度が低すぎると、ポリオ
レフィン不織布に圧着しても、微小孔の周辺部の不織布
繊維を溶融してフィルム状にすることができなくなる。
突起温度が高すぎると、不織布繊維のフィルム化が進み
すぎて、ポリオレフィン不織布に固有の透湿性が低下し
たり、不織布繊維や粘着剤の劣化または分解が生じるお
それがある。
い温度であっても、融点付近の温度であれば、穿孔手段
をポリオレフィン不織布に圧着させることによって、不
織布繊維を軟化溶融させて、フィルム状にすることがで
きる。ただし、多くの場合、突起の温度をポリオレフィ
ンの融点よりも高温に設定することにより、良好な結果
を安定的に得ることができる。この点で、穿孔手段の突
起の温度を好ましくは〔Tm+1℃〕〜〔Tm+50
℃〕、より好ましくは〔Tm+3℃〜Tm+40℃〕の
範囲に調整することが望ましい。ポリオレフィン不織布
がポリプロピレン繊維からなる場合、ポリプロピレンの
融点が約165℃であることから、突起の温度を165
〜195℃程度に設定することが特に好ましい。
着力(例えば、ロール間の圧力)などは、突起の形状、
突起の温度、ポリオレフィンの融点、不織布の厚みなど
を考慮に入れて、支持体のポリオレフィン不織布に微小
孔が形成され、かつ、微小孔の周辺部がフィルム化する
ような条件を選択する。
加圧ロールとの間を通過させて圧着させる場合には、例
えば、穿孔ロールまたは加圧ロールに取り付けられたエ
アシリンダーの調節により、両ロールの接触圧(線圧)
を、好ましくは0.01〜20kg/cm、より好まし
くは0.05〜10kg/cm程度になるように調整す
ることが望ましい。線圧は、付属の圧力ゲージにより読
み取った圧力とエアシリンダー径とロール面長とから算
出することができる。
との間を通過させる速度(ウエブ速度)は、通常、0.
1〜50m/分、好ましくは0.5〜30m/分、より
好ましくは1〜20m/分である。突起の加熱温度が低
い場合には、ウエブ速度を遅くし、突起の加熱温度が高
い場合には、ウエブ速度を速くすることにより、微小孔
の周辺部のフィルム化の程度を調整することができる。
ゴム系、シリコン系等の一般的な粘着剤を用いることが
できるが、これらの中でも、透湿性に優れたアクリル系
粘着剤が好ましい。
ば、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル70〜95重量%、(メタ)
アクリル酸アルコキシポリアルキレングリコールエステ
ル4〜29重量%、水酸基やカルボキシ基などの官能基
含有モノマー1〜10重量%、及びその他の共重合可能
なビニルモノマー0〜25重量%を共重合した共重合体
が挙げられる。
ノマーをトルエン等の有機溶剤中に溶解し、窒素置換
後、昇温下攪拌し、過酸化物等の反応開始剤を使用して
重合させた後、そのままあるいは有機溶剤にて希釈した
ものを用いることができる。
凝集力が乏しく、剥離時に皮膚表面に粘着剤が残留する
ことがあるので、多官能性化合物からなる架橋剤等を粘
着剤液に添加すること等により架橋を施すことが好まし
い。また、アクリル系粘着剤は、透湿性や通気性を付与
するために、粘着剤層形成工程において、粘着剤中に微
細な気泡を含有させてもよい。
の剥離性物質を紙基材に塗布した剥離紙上に、粘着剤液
を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成後、ポリオレフィン
不織布の表面に貼り合わせて粘着剤層を転写し、剥離紙
を除去しながら、粘着加工面が背面の剥離処理面上に重
なるように巻き取り粘着テープ原反を得る。剥離紙を除
去することなく、巻き取って、粘着テープ原反としても
よい。ポリオレフィン不織布には、一般に、予めその片
面に剥離剤処理を施しておく。粘着剤層は、処理をして
いない不織布表面に転写する。
0〜100μm、好ましくは30〜70μmである。粘
着テープは、穿孔を施した粘着テープ原反をレザー刃等
により原反幅方向に10〜50mm程度の細幅となるよ
うに裁断後、適当な長さに巻き取ることにより得る。
微小孔の周辺部の不織布繊維が溶融してフィルム状とな
っている。例えば、スパンボンド法によるポリプロピレ
ン不織布は、ポリプロピレンフィラメントが互いに熱融
着して結合した構造を有しているが、各フィラメント
は、その形状を保持しており、各フィラメント表面で部
分的に熱融着しているだけである。
を含む穿孔手段表面の温度をポリオレフィンの融点前後
の温度にして圧着すると、微小孔の周辺部のフィラメン
トが溶融し、元のフィラメント形状を失ってフィルム状
になる。ただし、完全なフィルムになっている必要はな
く、溶融したフィラメント同士が密に融着して面状に広
がり、もはや元の独立したフィラメント形状を保持して
いない状態であればよい。
フィルム状となっている部分の大きさは、微小孔の周縁
から、好ましくは0.01〜2mm、より好ましくは
0.03〜1mm、特に好ましくは0.05〜0.8m
m程度の幅であることが望ましい。
する貫通孔であってもよいが、非貫通の凹部であっても
よい。熱穿孔時に、ポリオレフィン不織布に突起が接触
して微小孔が形成されるが、その際に、微小孔の周辺部
だけではなく底部の不織布繊維も溶融してフィルム化す
ることがある。その結果、微小孔の底部にフィルムが形
成され、非貫通の凹部の孔形状となることがある。
の形状は、引裂かれる方向にある両端部が鋭角または鈍
角などの角のある孔形状を有していることが好ましい。
粘着テープを手で引裂いて所望の長さに切断するには、
引裂かれる方向は、粘着テープの幅方向に一致させるこ
とが好ましい。このような両端部が鋭角または鈍角であ
る孔形状は、前述の図1に示されるような突起を備えた
穿孔手段を用いることにより形成することができる。た
だし、熱穿孔によって不織布に微小孔を形成しているた
め、各微小孔の孔形状は、必ずしも突起の形状とは完全
に一致していないことがある。しかし、その場合でも、
図1に示されるような形状の突起を用いることによっ
て、手切れ性が向上し、かつ、引裂きの方向性を付与す
ることができる。
繊維が絡み合っているため、引裂きの方向性がなく、手
切れ性が不充分となる。これに対して、本発明の皮膚貼
付用粘着テープは、ポリオレフィン不織布の微小孔の周
辺部がフィルム状になっていることにより、穿孔パター
ン(例えば、菱形の孔形状)の方向性に沿った開裂の連
続性が付与され、手切れ性が顕著に改善される。
融してフィルム状となっていることにより、引裂き断面
に毛羽立ちが生じにくい。さらに、微小孔の周辺部がフ
ィルム状となっていることにより、粘着テープ自体の伸
縮性(柔軟性)が顕著に改善される。
を有していることが望ましい。(A)10%引張応力が
2〜20N/25mm、(B)透湿度が300g/m2
・24h以上、及び(C)対ベークライト粘着力が5.
0N/25mm以下。
と、ロールに巻回した粘着テープの展開時(解き解し
時)や皮膚面からの粘着テープの剥離時に、容易に伸び
すぎて取り扱い性が低下する。10%引張応力が大きす
ぎると、伸縮性(柔軟性)に乏しく、貼付時に皮膚の動
きに追従しないため、突っ張り感を惹起してしまう。粘
着テープの10%引張応力は、4〜15N/25mm程
度がより好ましい。
に汗が溜まり、むれによるかゆみや剥がれの原因とな
る。透湿度の上限は、通常20,000g/m2・24
h程度、多くの場合15,000g/m2・24h程度
である。
離時の痛みを引き起こす。対ベークライト粘着力の下限
は、通常0.5N/25mmであり、多くの場合0.8
N/25mm程度である。
についてより具体的に説明する。
たポリプロピレン不織布〔出光石油化学(株)製ストラ
テックRN2040;坪量=40g/m2〕の片面を剥
離剤(ポリビニルアルコールにオクタデシルイソシアネ
ートを付加した剥離剤)により処理した。一方、粘着剤
の基剤としてアクリル酸イソノニル/アクリル酸メトキ
シノナエチレングリコール/メタクリル酸ノナエチレン
グリコール(83/16/1重量%)を共重合して得た
アクリル共重合体を使用し、該共重合体の固形分100
重量部に対して、コロネートL(日本ポリウレタン製)
0.6部を添加して、粘着剤溶液〔溶剤=トルエン/酢
酸エチル(7/3重量部)、濃度30重量%〕を調製し
た。
乾燥後厚みが38μmになるように粘着剤溶液を塗布
し、120℃で3分間乾燥した。次に、粘着剤層上に、
ポリプロピレン不織布を剥離処理面の反対面側で貼り合
わせ、粘着剤層をポリプロピレン不織布に転写しつつロ
ールに巻き取った。
がら、形状が四角錐の突起を多数設けた穿孔ロールとス
テンレスロールとの間を通過させて熱穿孔することによ
り、原反表面に菱形状の多数の微小孔を設け、再度巻き
取った。これを25mm幅に裁断し皮膚貼付用粘着テー
プを得た。
四角錘であって、その底面のロール幅方向0.6mm、
回転方向0.8mmで、突起の高さは0.5mmであっ
た。また、突起のピッチは、ロール幅方向0.8mm、
回転方向1.1mmであった。穿孔ロールの表面温度を
175℃とし、ウエブ速度を8m/分として、熱穿孔を
行った。
5℃としたこと以外は、実施例1と同一の方法で皮膚貼
付用粘着テープを得た。
粘着テープを掴み、捻るようにして引裂きを試み、手切
れ性を評価した。容易に引裂けた場合を「良」とし、引
裂きが困難な場合を「不良」と評価した。
毛羽立ちの状態を評価した。
温度23±2℃、相対湿度50±5%雰囲気下、伸長速
度300mm/分で試料を10%伸長した時の応力(試
料幅25mm、つかみ間隔100mm)を測定した。数
値が小さいほど伸縮性(柔軟性)が高い。
相対湿度90%で測定した。すなわち、試料の片面側を
温度40℃、相対湿度90%に調節し、他面側には約1
6gの吸湿剤(塩化カルシウム)を置いて、試料を通過
した水分を吸収させ、吸湿剤の重量変化量を1m2、2
4時間当りに換算して透湿度とした。
て、幅25mmの粘着テープのベークライトパネルに対
する粘着力を測定した。測定雰囲気は、温度23±2
℃、相対湿度50±5%とした。
プは、手切れ性が良好であるが、比較例の粘着テープは
良くなかった。また、実施例1の粘着テープは、切断面
に毛羽立ちが殆んどなく、10%引張応力が小さく伸縮
性に富んでいる。これに対して、比較例1の粘着テープ
は、切断面に毛羽立ちがあり、また、10%引張応力が
大きく、伸縮性(柔軟性)が改善されていない。実施例
1の粘着テープは、透湿性や粘着力は損われていない。
鏡写真を図5に示す(倍率=100倍)。また、比較例
1で得られた粘着テープの電子顕微鏡写真を図6に示
す。これらの電子顕微鏡写真から明らかなように、実施
例1の粘着テープは、不織布に多数の微細孔が形成さ
れ、かつ、その周辺部がフィラメントの熱融着によりフ
ィルム状になっていることが分かる。これに対して、比
較例1の粘着テープは、不織布に微小孔があいている
が、微小孔の周辺部のフィラメントは、その形状が保持
されており、僅かに微小孔内の周囲にだけごく部分的な
融着のあることが分かる。
は、様々な方向で繊維が絡み合っていて引裂き時の方向
性がないため手切れ性が不足している。これに対して、
微小孔の周辺部が熱融着してフィルム状になると、穿孔
パターンの方向性に沿った開裂の連続性が維持され、充
分な手切れ性が付与される。
湿性に優れており、手で切断後の外観が良好な皮膚貼付
用粘着テープ及びその製造方法が提供される。
ぞれ四角錘(a)、六角錘(b)、及び円錐(c)である。
上面図である。
示す上面図である。
を示す顕微鏡写真である。
を示す顕微鏡写真である。
Claims (5)
- 【請求項1】 支持体の片面に粘着剤層が設けられた皮
膚貼付用粘着テープにおいて、(1)支持体がポリオレ
フィン不織布であり、(2)該ポリオレフィン不織布に
は、貫通または非貫通の多数の微小孔が形成されてお
り、かつ、(3)各微小孔の周辺部の不織布繊維が溶融
してフィルム状となっていることを特徴とする皮膚貼付
用粘着テープ。 - 【請求項2】 ポリオレフィン不織布が、坪量20〜1
50g/m2を有している請求項1記載の皮膚貼付用粘着
テープ。 - 【請求項3】 ポリオレフィン不織布が、ポリオレフィ
ンフィラメントからスパンボンド法により製造されたも
のである請求項1または2記載の皮膚貼付用粘着テー
プ。 - 【請求項4】 (A)10%引張応力が2〜20N/2
5mm、(B)透湿度が300g/m2・24h以上、
及び(C)対ベークライト粘着力が5.0N/25mm
以下の特性を有している請求項1乃至3のいずれか1項
に記載の皮膚貼付用粘着テープ。 - 【請求項5】 支持体の片面に粘着剤層が設けられた皮
膚貼付用粘着テープの製造方法において、(I)支持体
としてポリオレフィン不織布を使用し、その片面に粘着
剤層を形成した後、(II)粘着剤層とは反対側のポリ
オレフィン不織布面側に、多数の突起を備えた穿孔手段
を、突起の温度を〔ポリオレフィンの融点−10℃〕〜
〔ポリオレフィンの融点+50℃〕の温度に加熱しなが
ら圧着して、ポリオレフィン不織布に貫通または非貫通
の多数の微小孔を形成するとともに、各微小孔の周辺部
の不織布繊維を溶融させてフィルム状にすることを特徴
とする皮膚貼付用粘着テープの製造方法。
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