JP5888495B2 - 柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途 - Google Patents

柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP5888495B2
JP5888495B2 JP2012002862A JP2012002862A JP5888495B2 JP 5888495 B2 JP5888495 B2 JP 5888495B2 JP 2012002862 A JP2012002862 A JP 2012002862A JP 2012002862 A JP2012002862 A JP 2012002862A JP 5888495 B2 JP5888495 B2 JP 5888495B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fiber
long
component
flexibility
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012002862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013142208A (ja
Inventor
坂本 浩之
浩之 坂本
吉田 英夫
英夫 吉田
直史 皆川
直史 皆川
博司 田邊
博司 田邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=48781531&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP5888495(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2012002862A priority Critical patent/JP5888495B2/ja
Priority to KR1020147018882A priority patent/KR101884500B1/ko
Priority to PCT/JP2013/050258 priority patent/WO2013105587A1/ja
Priority to CN201380005386.9A priority patent/CN104066880B/zh
Publication of JP2013142208A publication Critical patent/JP2013142208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5888495B2 publication Critical patent/JP5888495B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H3/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length
    • D04H3/08Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length characterised by the method of strengthening or consolidating
    • D04H3/16Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length characterised by the method of strengthening or consolidating with bonds between thermoplastic filaments produced in association with filament formation, e.g. immediately following extrusion
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H3/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length
    • D04H3/005Synthetic yarns or filaments
    • D04H3/009Condensation or reaction polymers
    • D04H3/011Polyesters
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H3/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length
    • D04H3/08Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length characterised by the method of strengthening or consolidating
    • D04H3/14Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length characterised by the method of strengthening or consolidating with bonds between thermoplastic yarns or filaments produced by welding
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F7/00Heating or cooling appliances for medical or therapeutic treatment of the human body
    • A61F7/02Compresses or poultices for effecting heating or cooling
    • A61F2007/0225Compresses or poultices for effecting heating or cooling connected to the body or a part thereof

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

本発明は、柔軟性、耐摩耗性に優れた、袋状して使用される基材として好適な長繊維不織布に関する。更に詳しくは、特に使い捨てカイロ用基布に好適な長繊維不織布に関する。
従来、布帛を袋状にしてその内部に粉末、粒状物をいれた包装材料としてフィルム、織編物、長繊維不織布などが用いられている。特に使い捨てカイロ用途では、一般的に空気に曝されることで発熱する組成物を袋内部に充填しており、製品寿命は包装材料の通気性の影響を強く受け、通気性を制御しやすい有孔フィルム、微多孔フィルムなどが用いられてきた。しかしこれらのフィルムは柔軟性に乏しく、使用感に問題があり、通気性制御と使用感を同時に満足するものは提案されていない。またフィルムは裂けやすいという問題も有していた。
使用感の問題を解消するために、例えば特許文献1、2では、使い捨てカイロ用包材として、フィルム特有の貼りついた触感、ゴワゴワする肌触り等を防ぎ、布的触感を持たせると共に、包材層の裂けにくさを付与する狙いとしてフイルムに不織布をラミネート加工したものが提案されている。しかしながら、従来の不織布を用いた場合は、包材の裂け難さと毛羽立ちの少なさを配慮すると、硬くなってゴワゴワ感が増し、逆に繊維触感を持たせ柔軟性を保持させると、毛羽立ちや形態保持性が悪くなる問題があった。
かかる問題を解消する方法として、例えば特許文献3では、エンボス加工により凹凸を付与した不織布とラミネートフィルムとの接合を調整して肌との接着面の柔軟性を改良する方法が提案されている。しかしながら、かかる方法においても、不織布の柔軟性を改良する検討がなされておらず、ラミネートにより不織布の非接合部をラミネートフィルムと主体的に接合させるので、不織布の柔らかさが拘束されて不織布の柔軟性を充分生かせない問題があった。
また、特許文献4では、不織布の厚みと見掛密度を限定して温熱機能を改良する方法が提案されている。しかしながら、かかる方法は、厚みで発熱体からの初期の熱移動を調整するのみであり、不織布の柔軟性やヒートシール性、形態保持性を向上させる検討がなされておらず、使い捨てカイロとして実用上の不具合が生じやすかった。
ラミネート性の改良方法として、例えば特許文献5では、不織布片面の繊維表面に低融点樹脂皮膜を塗布する方法が提案されている。この方法は、煩雑なコーティング工程を加える必要があり、コストアップが不可避である。また、不織布自身の柔軟性とヒートシール性及び耐熱性の問題点も解決されていなかった。
また、ラミネート性向上による形態保持性の改良方法として、例えば特許文献6〜8では、熱接着成分を繊維化してラミネートする方法が提案されている。これらの方法は、低融点成分を繊維化しているので、低温でのラミネートは可能だが、耐熱性に劣る問題があった。
同様に、特許文献9では、低融点繊維不織布と低融点フイルムを用いた低温シール性等に優れるラミネート不織布が提案されている。この方法では、低温シール性は良くなるが、不織布の耐熱性が不充分な問題が残る。
柔軟性を改良する方法として、例えば特許文献10、11では、不織布を構成する繊維に扁平断面繊維を用いる方法が提案されている。これらの方法では、柔軟性向上以外の利点として、扁平断面繊維を用いるので、不織布の平滑性が向上して印刷性が改良されることと、厚みが薄くなり伝熱性が良くなる効果が開示されている。確かに、扁平断面繊維を用いると、断面二次モーメントの低い方向では曲げ剛性が低下するが、断面二次モーメントの高い方向では剛性が著しく高くなり、全方向の柔軟性を付与することは困難である。更に、フラット化により厚みに由来する柔らかさは付与できなくなる。従って、ペーパーライクな接触感となり柔らかな風合いを付与できない問題があった。
不織布の柔軟性を向上させる方法として、例えば特許文献12では、伸縮性を持つポリトリメチレンテレフタレートを用いて、ソフトな風合いを付与する方法が提案され、特許文献13では、ポリブチレンテレフタレートに非晶性ポリエステルをブレンドして、素材のモジュラスを低減させ、柔らかさとヒートシール性を付与する方法が提案されている。これらの方法では、柔軟性は向上するが、繊維が柔らかなため、不織布強度が弱く破れやすい問題が残った。
上述のように、従来の使い捨てカイロ用包材の改良では、柔軟性、耐磨耗性、及び形態保持性、不織布のヒートシール性を全て満足したものが得られていないのが現状である。
実開昭51−23769号公報 実開昭55−59616号公報 特開平2−297362号公報 特開平3−1856号公報 特開平9−300547号公報 特開平8−131472号公報 特開平10−314208号公報 特開平10−328224号公報 特開平11−56894号公報 特開2004−24748号公報 特開2004−24749号公報 特開平11−89869号公報 特開2007−105163号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、柔軟性、耐磨耗性、及び形態保持性に優れた、使い捨てカイロ用基布に好適な長繊維不織布を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
1.溶融ポリマーをオリフィスから吐出し、高速の空気流で牽引することで細化、延伸し、ネット状コンベア上に繊維を分散させてシート化するスパンボンド法で製造され、一対の彫刻ロール/フラットロールにより加熱・圧着することで得られる熱圧着型スパンボンド不織布において、ポリエチレンテレフタレートを95%以上含有し、複屈折率が0.07〜0.12である長繊維からなる不織布であって、不織布のKES曲げ剛性が0.05〜0.30gf・cm/cmであり、不織布の耐磨耗等級が下式(1)〜(3)を満足する長繊維不織布。
E1≧3 ・・・ (1)
E2≧1 ・・・ (2)
E1−E2≧1 ・・・ (3)
E1:不織布のエンボス面の耐磨耗等級、E2:不織布の反エンボス面の耐磨耗等級
2.ポリエチレンテレフタレート(A成分)に対して、A成分とは非相溶であり、かつ120〜160℃のガラス転移点温度を有する熱可塑性ポリスチレン系共重合体(B成分)を0.05〜4.0重量%混合して得られるポリエステルからなる長繊維で構成された上記1に記載の長繊維不織布。
3.熱圧着部分の面積率が5〜30%である上記1または2に記載の長繊維不織布。
4.上記1〜3のいずれかに記載の不織布の反エンボス面をフィルムと接合したフィルム複合体。
5.上記4に記載のフィルム複合体を用いた包装材料
6.上記4に記載のフィルム複合体を用いた使い捨てカイロ。
本発明の長繊維不織布は、柔軟性、耐磨耗性、形態維持に充分な耐久性を維持できる力学特性を保持して、加熱時の変形が容易なためヒートシール性にも優れた不織布である。従って、本発明の長繊維不織布は、特に使い捨てカイロ用基布にフィルムラミネートを省略しても使用できるため、柔軟な風合いを損なわず、カイロが製造可能となり、性能、コストダウンにも寄与でき、極めて有用なカイロ基布用長繊維不織布である。
従来の不織布の熱圧着部分の断面写真である。 本願発明の不織布の熱圧着部分の断面写真である。
本発明の長繊維不織布は、熱圧着型スパンボンド不織布である。短繊維不織布では、繊維端が毛羽立ちの原因になるので好ましくない。長繊維不織布では、繊維が切断しない限り毛羽立ちが発生しないので、本発明では長繊維からなる不織布を使用する。長繊維不織布の製造方法も種々あるが、高速紡糸による力学特性の制御が容易なこと、高い生産性を有することからスパンボンド不織布を選択した。
本発明の長繊維不織布は、ポリエチレンテレフタレートを95重量%以上含有している。ポリエチレンテレフタレートは熱的・力学的に優れた汎用ポリマーであり、それを主原料として使用するために低価格の商品提供が可能となる。
本発明において、ポリエチレンテレフタレート(A成分)に対し、B成分を併用することも好ましい。B成分として、好ましい熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリスチレン系共重合体があげられる。B成分は、A成分と相溶性を有しないことにより、A成分中で島成分として独立に存在する特性を有し、また、海成分であるA成分のガラス転移点温度より高い特定のガラス転移点温度とすることにより、B成分が紡糸張力を受けてポリエステルの配向結晶化を抑制する効果を発揮する。B成分としては、例えば、122℃のガラス転移点温度を有するスチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体樹脂(市販品では、例えば、Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS hw55)や155℃のガラス転移点温度を有するスチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂(市販品では、例えば、SARTOMER製SMA1000)が少量の添加量で高い配向結晶化抑制効果を期待できるので特に好ましい。なお、B成分のガラス転移点温度が120℃未満では、配向結晶化抑制効果が少なくなるので、本発明実施形態では推奨できない。また、B成分を添加することで延伸糸でありながら配向度を抑制することができ、柔軟性と耐磨耗性のバランスを両立できる。
本発明のポリエステルでは、A成分に対するB成分の混合割合は0.05〜4.0重量%が好ましく、より好ましくは0.08〜3.0重量%であり、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%である。B成分の混合量が0.05重量%未満では、配向結晶化抑制効果が少なくなり、繊維の配向度と比重が高くなり、柔軟性とヒートシール性が低下するので好ましくない。混合量が4.0重量%を超えると、高速紡糸時は糸切れが顕著となり紡糸が不可となり、糸切れしない低速紡糸域では、繊維の配向度が非常に低いものしか得られず、弱い不織布しか得られないうえに、生産性も劣るので好ましくない。
本発明の不織布を構成する長繊維の複屈折率は、0.06〜0.12である。複屈折率が0.06未満では、力学特性が劣り、耐磨耗性や形態維持性能が劣るので好ましくない。0.12を越えると、剛直性が増加し、不織布としての風合いも損なわれるため好ましくない。本発明の複屈折率は、より好ましくは0.07〜0.10である。
本発明の長繊維不織布は、熱圧着型不織布である。ニードルパンチ交絡処理、水流交絡処理などの処理により、構成繊維が不織布の断面方向に絡み合いを生じる処理を行うと、長繊維を用いても繊維が切断され、毛羽立ちを生じやすくなるので好ましくない。また熱圧着型に比べて工数が増加し、エネルギー使用量や原料ロスが増加するために、環境的にも好ましくない。
ここで言う熱圧着型不織布とは、一対の彫刻ロール/フラットロールによる部分熱圧着型(エンボス加工)不織布のことである。全面熱圧着型(カレンダー加工)の場合、熱圧着が全面に及ぶと全面的にフィルム化し、柔軟性が低下するので好ましくない。
本発明では、部分的圧着型不織布で、柔軟性、耐磨耗性を満足するために、通常の熱圧着加工条件とは異なる条件で熱圧着加工する。一対の熱圧着ロールのうちの片方の彫刻されたロールを、凸形状文様に彫刻された熱圧着ロールとし、もう一方はフラットな表面を持つ熱圧着ロールとする。さらに、彫刻されたロール面の温度を、200℃〜260℃に設定し、フラットロール面の温度を、100℃〜180℃に設定する必要がある。
上記の温度範囲で、片面を高温に設定し、もう一方の面を低温に設定することで、風合いを柔らかいレベルに抑えつつ、耐摩耗性も一定のレベルを維持した不織布をはじめて得ることができる。
上記の熱圧着加工とすることにより、本発明の長繊維不織布は、熱圧着部分に特徴がある不織布となる。すなわち、図1に示すような、従来の熱圧着条件で加工した熱圧着部分に対し、本願発明の長繊維不織布の熱圧着部分は、図2に示すような構造となる。すなわち、エンボス面側は表面側の繊維が熱圧着加工時に熱溶融し、繊維が溶融一体化し、フィルム状になっているのに対し、反エンボス面(もう一方の面)側は表面側の繊維が熱圧着加工時に一部のみ熱溶融し、繊維の一部が溶融一体化した構造となっている。この結果、柔軟性、耐磨耗性共に満足する長繊維不織布が始めて得られたものである。
エンボス加工における好ましい圧着面積率は、5〜30%である。圧着面積が5%未満であると繊維同士を十分に固定できなくなり、引張り強さの低下、耐磨耗性の低下につながる。逆に圧着面積率が30%を超えると不織布の曲げに対する変形に繊維が追従できず硬い風合いとなるため好ましくない。
本発明の長繊維不織布のKES曲げ剛性は0.05〜0.30gf・cm/cmであることが好ましい。曲げ剛性が0.05gf・cm/cm未満の場合、基布として柔らかすぎて取り扱い性に劣るものとなる。また曲げ剛性が0.30gf・cm/cmを超えると柔軟性に劣り、風合いが悪い物となってしまうため好ましくない。KES曲げ剛性はより好ましくは0.05〜0.25gf・cm/cm、さらに好ましくは0.08〜0.20gf・cm/cmである。
本発明の長繊維不織布の耐摩耗性は下式(1)〜(3)を満足するものである。
E1≧3 ・・・ (1)
E2≧1 ・・・ (2)
E1−E2≧1 ・・・ (3)
E1:不織布のエンボス面の耐磨耗等級、E2:不織布の反エンボス面の耐磨耗等級
本発明の長繊維不織布は、エンボス面が耐磨耗等級3以上である。耐磨耗等級が3未満であると手などによる摩擦を与えられたときに毛羽立ちを生じ、見栄えばかりでなく不織布の強度低下の原因ともなってしまうためである。
また本発明の長繊維不織布は、反エンボス面(もう一方の面)が耐磨耗等級1以上である。耐磨耗等級が1未満の場合は、不織布製造時またはその後の製品製造時の工程通過性を著しく低下させるためである。
さらに本発明の長繊維不織布は、エンボス面の耐磨耗等級が反エンボス面(もう一方の面)の耐磨耗等級が1以上低い値となっている。反エンボス面は手などが触れることがなく、耐磨耗等級が求められないために、低い値でも問題ない。
また、本発明に不織布をフィルムと積層する場合、不織布の反エンボス面とフィルムをラミネートするものである。耐磨耗等級が低くても、フィルムにより磨耗に対して保護されるので低い値でも問題なくなるからである。フィルムとの積層は、半溶融状態のフィルムを直接不織布基材上に押出す押出しラミネート法や接着剤を使用するラミネート方法(接着剤の種類により「ウェットラミネート」(水系接着剤または水分散系接着剤を使用)、「ドライラミネート」(溶剤系接着剤または反応系接着剤)、「ホットメルトラミネート」(ホットメルト接着剤)に大別される))を用いることができるが、これに限定されるものではない。さらに本発明の不織布の反エンボス面とフィルムを接着させることで、従来の不織布を接着させたときより接着力が向上する結果が得られる。これは押出しラミネートではフィルム樹脂のアンカー効果が向上したため、接着剤法では接着剤の浸透性が向上したため、と考えられる。
本発明の不織布を構成する長繊維の繊度は、特に限定されないが、被覆性と柔軟性を維持できる0.5〜5dtexが好ましい。1〜4dtexがより好ましく、1.5〜3dtexがさらに好ましい。
本発明の不織布を構成する長繊維の断面形状は、特に限定されず、丸断面、異形断面、中空断面、中空異形断面を用いることができるが、柔軟性の点から丸断面が好ましい。
本発明の不織布の目付は、特に限定されないが、使い捨てカイロ用基布として用いる場合、柔軟性と被覆性の観点から15〜60g/mが好ましく、20〜50g/mがより好ましく、25〜40g/mがさらに好ましい。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で記載する特性の評価は以下の方法による。
(複屈折率)
不織布又はウェッブから取り出した単繊維をベレックコンペンセーターを装着した偏向顕微鏡によりレターデーションと繊維径により求めたn=5の平均値を繊維の複屈折率(Δn)とした。
(不織布の圧着面積率)
任意の20箇所で30mm角に裁断し、SEMにて50倍の写真を撮る。撮影写真をA3サイズに印刷して圧着単位面積を切り抜き、面積(S)を求める。次いで圧着単位面積内において圧着部のみを切り抜き圧着部面積(S)を求め、圧着面積率(P)を算出する。その圧着面積率P 20点の平均値を求めた。
P=S/S (n=20)
(不織布の曲げ剛性)
カトーテック株式会社製KES−FB2(KAWABATAS EVALUATION SYSTEM−2 PURE BENDING TESTER)を用い、試料は10cm角とし、1cm間隔のチャックに試料を把持して、曲率−2.5〜+2.5cm−1の範囲で、0.50cm−1の変形速度で純曲げ試験を行い、曲げ剛性(B)を求めた。
(不織布の耐磨耗性)
株式会社大栄科学精器製作所製「学振型染色物摩擦堅牢度試験機」を用いて、不織布を試料とし、摩擦布は金巾3号を使用して、荷重500gfを使用、摩擦回数100往復にて摩擦させ、不織布表面の毛羽立ち、磨耗状態を下記の基準で目視判定で評価した(n=5の平均値)。
0級:損傷大
1級:損傷中
2級:損傷小
3級:損傷なし、毛羽発生あり小
4級:損傷なし、毛羽発生微小
5級:損傷なし、毛羽なし
(ガラス転移点温度及び融点)
樹脂のサンプル5mgを採取し、示差走査型熱量計(TA instruments社製Q100)によって、窒素雰囲気下で20℃から10℃/分にて300℃まで昇温させたときの発熱ピーク位置の温度をガラス転移点温度、吸熱ピーク位置の温度を融点として評価した。
(不織布の目付)
JIS L1906(2000)に準じて測定した単位面積あたりの質量を目付(g/m)とした。
(繊度)
不織布を構成する繊維を任意5箇所よりサンプリングし、光学顕微鏡により個々の箇所より20本選択して単繊維径を評価する(計100本)。その繊維径の平均値を構成繊維の繊維径とする。また任意5箇所よりサンプリングした繊維の比重を密度勾配管で測定し、平均値を求めた。この繊維径と密度より、繊度を求めた。なお、異型断面により繊維径が求めにくい場合は、SEM写真にて繊維断面にて求める。
<実施例1>
スパンボンド紡糸設備を用い、固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート(以下PETという)をノズルオリフィスがL/D=3.0のノズルを用い、紡糸温度295℃、単孔吐出量0.7g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度5000m/分にて引取り、ネットコンベア上に堆積させ、繊度1.8dtexの長繊維ウェブを得た。次に圧着面積率22%のエンボスロールを使用し、エンボスロール表面温度を250℃、フラットロール表面温度を150℃、線圧30kN/mで圧着加工して、目付35g/mの長繊維不織布を得た。得られた不織布は柔軟性、耐摩耗性に優れた不織布であった。得られた不織布の詳細を表1に示す。
<実施例2>
ポリエチレンテレフタレートに、スチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合樹脂(Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS HW55(以下、「HW55」と言う))を0.4%添加したこと以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布は柔軟性、耐摩耗性に優れた不織布であった。得られた不織布の詳細を表1に示す。
<実施例3>
目付を40g/mになるようにコンベアネットの速度を調整した以外は、実施例2と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布は柔軟性、耐摩耗性に優れた不織布であった。得られた不織布の詳細を表1に示す。
<実施例4>
HW55の添加量を0.8%に変更した以外は実施例2と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布は柔軟性、耐摩耗性に優れた不織布であった。得られた不織布の詳細を表1に示す。
<実施例5>
エンボス圧着面積率を11%に変更した以外は実施例4と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布は柔軟性、耐摩耗性に優れた不織布であった。得られた不織布の詳細を表1に示す。
<比較例1>
エンボス加工時のエンボスロール表面温度、フラットロール表面温度をいずれも250℃に変更した以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布は耐磨耗性は良好であったが、KES曲げ剛性が高く、カイロ基布としては風合いの悪いものであった。
<比較例2>
エンボス加工時のエンボスロール表面温度、フラットロール表面温度をいずれも190℃に変更した以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布は柔軟性は良好であったが、耐摩耗性が低く、カイロとして使用上問題のあるものであった。
本発明の長繊維不織布は、柔軟性および耐摩耗性に優れ、袋状にして使用される基材として好適な長繊維不織布を提供することができる。更に詳しくは、特に使い捨てカイロ用基布に好適な長繊維不織布を提供することができる。

Claims (6)

  1. リエチレンテレフタレートを95%以上含有し、複屈折率が0.07〜0.12である長繊維からなる不織布であって、不織布のKES曲げ剛性が0.05〜0.30gf・cm/cmであり、不織布の耐磨耗等級が下式(1)〜(3)を満足する部分的熱圧着型スパンボンド不織布。
    E1≧3 ・・・ (1)
    E2≧1 ・・・ (2)
    E1−E2≧1 ・・・ (3)
    E1:不織布のエンボス面の耐磨耗等級、E2:不織布の反エンボス面の耐磨耗等級
  2. ポリエチレンテレフタレート(A成分)に対して、A成分とは非相溶であり、かつ120〜160℃のガラス転移点温度を有する熱可塑性ポリスチレン系共重合体(B成分)を0.05〜4.0重量%混合して得られるポリエステルからなる長繊維で構成された請求項1に記載の部分的熱圧着型スパンボンド不織布。
  3. 熱圧着部分の面積率が5〜30%である請求項1または2に記載の部分的熱圧着型スパンボンド不織布。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の部分的熱圧着型スパンボンド不織布の反エンボス面をフィルムと接合したフィルム複合体。
  5. 請求項4に記載のフィルム複合体を用いた包装材料。
  6. 請求項4に記載のフィルム複合体を用いた使い捨てカイロ。
JP2012002862A 2012-01-11 2012-01-11 柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途 Active JP5888495B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012002862A JP5888495B2 (ja) 2012-01-11 2012-01-11 柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途
KR1020147018882A KR101884500B1 (ko) 2012-01-11 2013-01-10 유연성 및 내마모성이 우수한 장섬유 부직포 및 그의 용도
PCT/JP2013/050258 WO2013105587A1 (ja) 2012-01-11 2013-01-10 柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途
CN201380005386.9A CN104066880B (zh) 2012-01-11 2013-01-10 柔软性和耐磨耗性优异的长纤维无纺布及其用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012002862A JP5888495B2 (ja) 2012-01-11 2012-01-11 柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013142208A JP2013142208A (ja) 2013-07-22
JP5888495B2 true JP5888495B2 (ja) 2016-03-22

Family

ID=48781531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012002862A Active JP5888495B2 (ja) 2012-01-11 2012-01-11 柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5888495B2 (ja)
KR (1) KR101884500B1 (ja)
CN (1) CN104066880B (ja)
WO (1) WO2013105587A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6472816B2 (ja) * 2014-12-01 2019-02-20 愛三工業株式会社 燃料用フィルタ
CN105420984B (zh) * 2016-01-12 2018-04-10 佛山市格菲林卫材科技有限公司 3d柔性压花无纺布的生产装置及生产工艺
EP3527706B1 (en) * 2016-10-14 2022-03-09 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Biodegradable nonwoven fabric
CN110998006B (zh) 2017-08-10 2022-12-09 株式会社可乐丽 熔喷无纺布、使用其的层叠体、熔喷无纺布的制造方法及熔喷装置
KR102454637B1 (ko) * 2017-10-17 2022-10-17 도레이 카부시키가이샤 스펀본드 부직포
JP2019154869A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
CN113474504B (zh) * 2019-02-18 2023-04-18 三井化学株式会社 纺粘无纺布的制造方法及纺粘无纺布
JP7397059B2 (ja) * 2019-03-01 2023-12-12 花王株式会社 温熱具
CN113544322B9 (zh) * 2019-03-07 2022-11-25 株式会社可乐丽 连续长纤维无纺布、层叠体、复合材料及其制造方法
WO2020213521A1 (ja) * 2019-04-16 2020-10-22 デンカ株式会社 結束テープ
TWI760850B (zh) * 2019-09-20 2022-04-11 日商旭化成股份有限公司 不織布

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3085811B2 (ja) * 1992-06-02 2000-09-11 鐘紡株式会社 低通気性織物及びその製造方法
JP4122182B2 (ja) * 2002-06-28 2008-07-23 旭化成せんい株式会社 印刷性に優れたカイロ包材用不織布および使い捨てカイロ
JP4223060B2 (ja) * 2007-02-21 2009-02-12 旭化成せんい株式会社 高伸度不織布及びそれを用いた表面材料
JP5095457B2 (ja) * 2008-03-21 2012-12-12 東洋紡株式会社 温熱具用不織布及びそれを用いた温熱具
JP5267935B2 (ja) * 2008-12-25 2013-08-21 東洋紡株式会社 使い捨てカイロ用基布として使用する長繊維不織布の製造方法
JP5799558B2 (ja) * 2010-04-09 2015-10-28 東洋紡株式会社 柔軟性、耐摩耗性、ヒートシール性に優れた長繊維不織布

Also Published As

Publication number Publication date
KR101884500B1 (ko) 2018-08-30
WO2013105587A1 (ja) 2013-07-18
JP2013142208A (ja) 2013-07-22
CN104066880A (zh) 2014-09-24
KR20140109419A (ko) 2014-09-15
CN104066880B (zh) 2016-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5888495B2 (ja) 柔軟性および耐摩耗性に優れた長繊維不織布およびその用途
JP6865063B2 (ja) バリア性に優れた嵩高性複合長繊維不織布
KR102309350B1 (ko) 화장료 함침 피부 피복 시트용 부직포 및 그 제조 방법
CN103046232B (zh) 伸缩性蓬松无纺布以及其制造方法
JP5442074B2 (ja) 複合ファブリック
KR101436282B1 (ko) 다층 섬유 구조물
JP5514536B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP5935327B2 (ja) カイロ用不織布
JP5799558B2 (ja) 柔軟性、耐摩耗性、ヒートシール性に優れた長繊維不織布
JP6976698B2 (ja) カイロ用長繊維不織布、及びこれを用いた使い捨てカイロ
TW201226199A (en) Laminated nonwoven fabric and manufactured article using the same
KR20220034111A (ko) 스펀본드 부직포 및 적층 부직포
WO2020075870A1 (ja) 不織布積層体、伸縮性不織布積層体、繊維製品、吸収性物品及び衛生マスク
JP5276305B2 (ja) 混繊長繊維不織布
JP5267935B2 (ja) 使い捨てカイロ用基布として使用する長繊維不織布の製造方法
JP6428998B2 (ja) 車両用シート裏面材
JP2011010820A (ja) 使い捨てカイロ
JP2001040564A (ja) 柔軟性不織布及びその不織布積層体
KR102402951B1 (ko) 위생재용 다층 스펀본드 부직포
JP4316108B2 (ja) 多孔質シート
JP5190441B2 (ja) 不織布
JP6842340B2 (ja) スパンボンド不織布および衛生材料
JPS62121045A (ja) 伸縮性衣料用素材及びその製造方法
JP2002159532A (ja) 吸収性物品
JP2013155476A (ja) 混繊長繊維不織布

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160202

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5888495

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350