JP6842340B2 - スパンボンド不織布および衛生材料 - Google Patents

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Description

本発明は、スパンボンド不織布および衛生材料に関する。
近年、子供用及び大人用おむつに共通して「下着のようなおむつ」の需要が高まっており、特に大人用では、おむつを着用することの抵抗感からこの需要が顕在化している。現在流通しているおむつを下着のようにするにはおむつの薄型化が必須である。さらに、従来の繊維径での薄型化では、地合(通気)が悪化する。また、地合改善のため繊維径を細くすると強度が落ちるというトレードオフの関係がある。
そこで、従来の不織布に対して特許文献1には低結晶性ポリプロピレン及び高結晶性ポリプロピレンを含有する結晶性樹脂組成物かつ、かつ示差走査型熱量計(DSC)で測定した上記結晶性樹脂組成物の結晶化温度(Tc)が20〜100℃である不織布が開示されているが、不織布強度性能が不十分なため、強度改善の必要がある。
また特許文献2には構成繊維の均斉度,機械的性能,寸法安定性が優れる不織布が開示されている。しかしながら、繊維径が2.0デニールより太く、薄型化に伴って低目付では地合ムラが生じ、耐水性が不足するため、充分な薄型化に至っていない。
特開2013―237964号公報 特開平6―264347号公報
前述した特許文献1や2のような先行技術に開示の技術は、衛生材料の薄型化に応えるため、不織布を低目付化すると、耐水性・引張強度のいずれかまたは双方が不十分となる、と言う問題点を有していた。
本発明の課題は、耐水性・引張強度に優れたスパンボンド不織布、およびスパンボンド不織布を用いた衛生材料を提供することにある。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
[1]
下記要件(I)(II)(III)を各々満たすプロピレン単独重合体、またはプロピレンランダム共重合体を含むスパンボンド不織布。
(I)結晶化温度が100℃以上128℃以下である
(II)分子量分布Mw/Mnが3以上10以下である
(III)MFR(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が40g/10分〜100g/10分の範囲にある
[2]
目付が20g/m以下である[1]に記載のスパンボンド不織布。
[3]
炭素数15以上22以下の脂肪酸アミドを、
前記プロピレン単独重合体またはプロピレンランダム共重合体に対して0.05質量%以上5.0質量%以下含む、[1]または[2]に記載のスパンボンド不織布。
[4]
[1]〜[3]のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布を含む衛生材料。
本発明によれば、耐水性および引張強度が良好なスパンボンド不織布およびスパンボンド不織布を用いた衛生材料が提供される。
さらに本発明のスパンボンド不織布は伸長性、柔軟性に優れ、低温でのヒートシール性、延伸加工適性にも優れる。
本発明のスパンボンド不織布を製造する装置構成を示す
本発明のスパンボンド不織布は、
下記要件(I)(II)(III)を各々満たすプロピレン単独重合体または、プロピレンランダム共重合体を含むスパンボンド不織布に関する。
(I)結晶化温度が100℃以上128℃以下である
(II)分子量分布Mw/Mnが3以上10以下である
(III)
MFR(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が、40g/10分〜100g/10分の範囲にある
<結晶化温度>
本発明のプロピレン単独重合体またはプロピレンランダム共重合体(以下、プロピレン系重合体ともいう)は、結晶化温度(以下Tcともいう)が100℃以上128℃以下の範囲にある。
Tcの上限は120℃以下、さらには118℃以下、より好ましくは115℃、であることが好ましい。
Tcの上限が前記範囲であると、強度に優れるスパンボンド不織布が得られるため好ましい。
この理由として、発明者らは以下のように推測している。
原料結晶化温度(Tc)は、歪速度に影響し、ノズルから押し出された溶融樹脂がから固化するまでの距離に大きく寄与する。
延伸による繊維の配向(結晶化度)は固化までの距離(時間)に影響を受けるため、Tcが上記範囲よりも高いと配向が不十分となり、繊維が柔らかく、分散工程での分散効果を小さくすることになる。
このため、繊維同士のからみが少なくなり不織布の地合ムラ(薄い部分)が発生し、不織布自体のCD(横)強度が低下すると考えられる。
Tcの下限は100℃以上、さらには105℃以上、より好ましくは110℃以上であることが好ましい。Tcの下限が前記範囲であると、スパンボンド不織布の紡糸性が向上するため好ましい。
Tcは、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、Diamond DSC)を用い、試料5mgを窒素雰囲気下、230℃で10分間保持した後、10℃/分で30℃まで降温させることにより得られた発熱挙動のピークトップとして求めることができる。
<分子量分布>
本発明のプロピレン系重合体は、
分子量分布Mw/Mnが3以上10以下の範囲にある。分子量分布下限は3以上、さらには4以上であることが好ましい。
分子量分布が3以上であると、耐水性に優れるスパンボンド不織布が得られるため好ましい。
分子量分布上限は10以下、さらには8以下、より好ましくは6以下であることが好ましい。
分子量分布が10以下であると、引張強度に優れるスパンボンド不織布が得られるため好ましい。
分子量分布は、GPCを用いて求めることができる。
[GPC測定装置]
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
[測定条件]
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
<MFR>
本発明のプロピレン系重合体は、
MFR(メルトフローレート)が40g/10分〜100g/10分の範囲にある。MFRは(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)に準じて測定される。
MFRが40g/10分以上であると、引張強度に優れるスパンボンド不織布が得られるため好ましい。
MFR下限は、45以上、さらには50以上であることが好ましい。
MFRが100g/10分以下であると、柔軟性と強度に優れるスパンボンド不織布が得られるため好ましい。MFR上限は、85以下、さらには70以下であることが好ましい。
<スパンボンド不織布>
本発明のスパンボンド不織布は、上述したプロピレン系重合体を用い、スパンボンド法により製造することができる
スパンボンド法としては常法を用いることができ、
スパンボンド法不織布成形機を用いてプロピレン系重合体を溶融紡糸し、フィラメントを大気に開放してさせたのちに吸引させることで延伸させた後、捕集面上に堆積させて得ることができる。エンボスロールで加熱加圧処理を行ってもよい。
<目付>
本発明のスパンボンド不織布の目付は特に制限されないが、通常、目付が20g/m以下であることが好ましく、17g/m以下であることがより好ましく、15g/m以下であることがさらに好ましい。
本発明のスパンボンド不織布を後述する衛生材料等に適用する場合、スパンボンド不織布の目付は、20〜5g/mの範囲にあることが好ましく、17〜8g/mの範囲にあることがさらに好ましい。
スパンボンド不織布を構成する繊維は、通常、繊維径が50μm以下であることが好ましく、40μm以下でありることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、最も好ましくは20μm以下である。繊維径は小さいほど不織布の柔軟性に優れるが、ハンドリング性、製造適性および得られた不織布の毛羽立ち発生抑制の観点からは、繊維径は10μm以上であることが好ましい。
(ヒートシール性)
本発明のスパンボンド不織布のヒートシール性は、2枚の不織布を重ね合わせ、ヒートシール試験機でヒートシールした場合、180℃以下の温度にてヒートシールし得ることが好ましく、160℃以下の温度でヒートシールし得ることがより好ましい。
また、上記条件にてヒートシールした場合の焼け、即ち加熱による変色が抑制されることが好ましい。
ヒートシールを行なった2枚のスパンボンド不織布の引張剥離強度は、スパンボンド不織布の使用目的により適宜定められるが、一般的には、0.05N/20mm以上であることが好ましく、0.1N/20mm以上であることがより好ましい。
(最大強度および最大伸度)
本発明のスパンボンド不織布の好ましい物性の一つとして、最大伸度及び最大荷重が挙げられる。本発明のスパンボンド不織布は、少なくとも一方向の最大伸度が70%以上であることが好ましく、100%以上であることがより好ましく、140%以上であることがさらに好ましい。また、弾性回復が殆どない性質を有するスパンボンド不織布が好ましい。
スパンボンド不織布の最大伸度及び最大強度は、実施例にて詳述するように、JIS L 1906(6.12.1 A法)に準拠して測定することができる。
<添加剤>
本発明のスパンボンド不織布を構成するプロピレン系重合体は、用途に応じて公知の添加剤を含むことができる。
任意成分として、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、脂肪酸アミド等の種々公知の添加剤を含んでもよい。
炭素数15以上22以下の脂肪酸アミドを、プロピレン単独重合体またはプロピレンランダム共重合体に対して0.05質量%以上5.0質量%以下含むことが好ましい。
不織布に占めるプロピレン系重合体の割合は90質量部以上、好ましくは95質量部以上、さらには98質量部以上が好ましい。
〔不織布積層体〕
本発明のスパンボンド不織布は、単独で用いてもよい。また、目的に応じて本発明のスパンボンド不織布と他の層とを積層した不織布積層体とすることができる。不織布積層体は、スパンボンド不織布以外の他の層を1または2以上有していてもよい。
他の層として具体的には、編布、織布、本発明のスパンボンド不織布以外の不織布、フィルム等が挙げられる。本発明のスパンボンド不織布に他の層をさらに積層する(貼り合せる)方法は特に制限されず、熱エンボス加工、超音波融着等の熱融着法、ニードルパンチ、ウォータージェット等の機械的交絡法、ホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤等の接着剤を用いる方法、押出しラミネート等の種々の方法を採り得る。
本発明のスパンボンド不織布と積層して不織布積層体を形成しうる他の不織布としては、本発明のスパンボンド不織布以外のスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、フラッシュ紡糸不織布、開繊不織布等の、種々公知の不織布が挙げられる。これらの不織布は伸縮性不織布であっても、非伸縮性不織布であってもよい。ここで非伸縮性不織布とは、MD(不織布の流れ方向、縦方向)またはCD(不織布の流れ方向に直角の方向、横方向)に伸長後、戻り応力を発生させないものをいう。
本発明のスパンボンド不織布と積層して不織布積層体を形成しうるフィルムとしては、不織布積層体が通気性を必要とする場合には、通気性フィルム、透湿性フィルムが好ましい。通気性フィルムとしては、透湿性を有するポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーからなるフィルム、無機微粒子または有機微粒子を含む熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して多孔化してなる多孔フィルム等の、種々の公知の通気性フィルムが挙げられる。多孔フィルムに用いる熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、これらの組み合わせ等のポリオレフィンが好ましい。
また、不織布積層体が通気性を必要としない場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン等から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。
不織布積層体の一部を熱融着する場合の熱融着方法としては、種々公知の法、例えば、超音波等の手段を用いる方法、あるいはエンボスロールを用いる熱エンボス加工またはホットエアースルーを用いることがプレボンディングとして例示できる。なかでも、熱エンボス加工が、延伸する際に、長繊維が効率よく延伸されるので好ましい。
熱エンボス加工により不織布積層体の一部を熱融着する場合は、通常、エンボス面積率が5%〜30%、好ましくは5%〜20%、非エンボス単位面積が0.5m以上、好ましくは4mm〜40mmの範囲である。
非エンボス単位面積とは、四方をエンボス部で囲まれた最小単位の非エンボス部において、エンボスに内接する四角形の最大面積である。また刻印形状は、円、楕円、長円、正方、菱、長方、四角やそれら形状を基本とする連続した形が例示される。
得られた不織布積層体を延伸することによって、伸縮性を有する伸縮性不織布積層体とすることができる。
延伸加工の方法は特に制限されず、従来公知の方法を適用できる。延伸加工の方法は、部分的に延伸する方法であってもよく、全体的に延伸する方法であってもよい。また、一軸延伸する方法であっても、二軸延伸する方法であってもよい。機械の流れ方向(MD)に延伸する方法としては、たとえば、2つ以上のニップロールに部分的に融着した混合繊維を通過させる方法が挙げられる。このとき、ニップロールの回転速度を、機械の流れ方向の順に速くすることによって部分的に融着した不織布積層体を延伸できる。また、ギア延伸装置を用いてギア延伸加工することもできる。
延伸倍率は、好ましくは50%以上、より好ましくは100%以上、更に好ましくは200%以上であり、且つ、好ましくは1000%以下、より好ましくは400%以下である。
一軸延伸の場合には機械の流れ方向(MD)の延伸倍率、またはこれに垂直な方向(CD)のいずれかが上記延伸倍率を満たすことが好ましい。二軸延伸の場合には機械の流れ方向(MD)とこれに垂直な方向(CD)のうち、少なくとも一方が上記延伸倍率を満たすことが好ましい。
このような延伸倍率で延伸加工することにより、スパンボンド不織布における弾性を有する長繊維は延伸され、延伸性を有しない長繊維は、塑性変形して、上記延伸倍率に応じて伸長される。また、積層される他の層においても、同様に弾性を有する層は弾性変形し、弾性を有しない層は塑性変形する。
不織布積層体を形成する際に、弾性を有する層と有しない層とを積層して、延伸した後、応力が解放されると、弾性を有する層(層を構成する長繊維)は弾性回復し、弾性を有しない長繊維は、弾性回復せずに褶曲し、不織布積層体に嵩高感を発現させることができる。塑性変形した長繊維は細くなるので柔軟性および触感が良くなるとともに、不織布積層体に伸び止り機能を付与することができる。
<衛生材料>
本発明の衛生材料は、本発明のスパンボンド不織布を含む。
本発明のスパンボンド不織布は、伸長性、ヒートシール性が良好であり、かつ、高い柔軟性を有するものである。そのため、本発明のスパンボンド不織布は、衛生材料に好適に用いられる。
衛生材料としては、紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品、包帯、医療用ガーゼ、タオル等の医療用衛生材用、衛生マスク等が挙げられる。本発明のスパンボンド不織布が含まれうる衛生材料はこれらに制限されず、伸長性、柔軟性を求められる各種の衛生材料用途のいずれにも好適に使用しうる。
衛生材料は、本発明のスパンボンド不織布を、本発明のスパンボンド不織布とその他の層とを含む不織布積層体として含んでいてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)目付〔g/m
スパンボンド不織布から300mm(MD)×250mm(CD)の試験片を10点採取した。なお、採取場所は任意の10箇所とした。次いで、採取した各試験片を上皿電子天秤(研精工業社製)を用いて、それぞれ質量(g)を測定し、各試験片の質量の平均値を求めた。求めた平均値から1m当たりの質量(g)に換算し、小数点第2位を四捨五入して、不織布の目付〔g/m〕とした。
(2)最大強度
JIS L 1906(6.12.1 A法)に準拠して、JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で流れ方向(MD)に150mm、横方向(CD)に25mmの不織布試験片を5枚採取し、チャック間100mm、引張速度100mm/分の条件で引張り試験機(インストロン ジャパン カンパニイリミテッド製 インストロン5564型)を用いて引張試験を行い、5枚の試験片について引張荷重を測定し、それらの最大値における強度を最大強度とした。
(3)耐水圧(mm Aqua)
JIS L1092A法に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で水処理用濾過材となる不織布積層体から採取した15×15cmの試験片10枚を採取し耐水圧試験機を用いて、水が漏れるときの圧力を測定しその平均値を求めた。
(4)結晶化温度(Tc:℃)
Tcは、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、Diamond DSC)を用い、試料5mgを窒素雰囲気下、230℃で10分間保持した後、10℃/分で30℃まで降温させることにより得られた発熱挙動のピークトップとして求めた。
[実施例1]
<開放式スパンボンド法不織布の製造>
MFR(ASTM D1238に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgで測定)60g/10分、Tc 113℃、分子量分布(Mw/Mn)4.6のプロピレン単独重合体99.85質量%と、エルカ酸アミド0.15質量%の混合物を、150mmφの押出機を用い溶融し、樹脂温度とダイ温度がともに243℃の条件で、紡糸口金を有する図1に示す開放式スパンボンド法不織布成形機を用いて溶融紡糸し、フィラメント群を大気に開放してさせたのちに吸引圧力5.6KPaのエアーサッカーに吸引させることで延伸させた後、捕集面上に堆積させ、エンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率(熱圧着率)10.0%、エンボス温度168℃)して総目付量が15.0g/m2である開放式スパンボンド法不織布を作製した。
<不織布 横(CD)強度>
6.2 N/25mmであり、薄型不織布の強度として優れていた。
<不織布 耐水圧>
82 mm Aquaであり、地合として優れていた。
[比較例2]
<開放式スパンボンド法不織布の製造>
MFR(ASTM D1238に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgで測定)60g/10分、Tc 113℃、分子量分布(Mw/Mn)2.72のプロピレン単独重合体99.85質量%と、エルカ酸アミド0.15質量%の混合物を、150mmφの押出機を用い溶融し、樹脂温度とダイ温度がともに243℃の条件で、紡糸口金を有する図1に示す開放式スパンボンド法不織布成形機を用いて溶融紡糸し、フィラメント群を大気に開放してさせたのちに吸引圧力5.6KPaのエアーサッカーに吸引させることで延伸させた後、捕集面上に堆積させ、エンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率(熱圧着率)10.0%、エンボス温度168℃)して総目付量が15.0g/m2である開放式スパンボンド法不織布を作製した。
<不織布 横(CD)強度>
4.0 N/25mmであり、薄型不織布の強度として劣っていた。
<不織布 耐水圧>
55 mm Aquaであり、地合として劣っていた。
[比較例3]
<開放式スパンボンド法不織布の製造>
MFR(ASTM D1238に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgで測定)35g/10分、Tc 112℃、分子量分布(Mw/Mn)4.69のプロピレン単独重合体99.85質量%と、エルカ酸アミド0.15質量%の混合物を、150mmφの押出機を用い溶融し、樹脂温度とダイ温度がともに243℃の条件で、紡糸口金を有する図1に示す開放式スパンボンド法不織布成形機を用いて溶融紡糸し、フィラメント群を大気に開放してさせたのちに吸引圧力5.6KPaのエアーサッカーに吸引させることで延伸させた後、捕集面上に堆積させ、エンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率(熱圧着率)10.0%、エンボス温度168℃)して総目付量が15.0g/m2である開放式スパンボンド法不織布を作製した。
<不織布 横(CD)強度>
5.6 N/25mmであり、薄型不織布の強度として実施例に至らない。
<不織布 耐水圧>
70 mm Aquaであり、実施例ほどには至らない。
1・・・押出機
2・・・紡糸口金
3・・・長繊維
4・・・冷却
・・・捕捉装置
7・・・吸引装置
8・・・スパンボンド不織布

Claims (5)

  1. 下記要件(I)(II)(III)を各々満たすプロピレン単独重合体と、炭素数15以上22以下の脂肪酸アミドと、を含むスパンボンド不織布であって、
    前記スパンボンド不織布に占める前記プロピレン単独重合体の割合が90質量%以上であるスパンボンド不織布
    (I)結晶化温度が100℃以上115℃以下である
    (II)分子量分布Mw/Mnが3以上10以下である
    (III)MFR(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が40g/10分〜100g/10分の範囲にある
  2. 目付が20g/m以下である請求項1に記載のスパンボンド不織布。
  3. 前記炭素数15以上22以下の脂肪酸アミドを、前記プロピレン単独重合体対して0.05質量%以上5.0質量%以下含む、請求項1または請求項2に記載のスパンボンド不織布。
  4. 前記分子量分布Mw/Mnが4以上である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布を含む衛生材料。
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