JP3085811B2 - 低通気性織物及びその製造方法 - Google Patents

低通気性織物及びその製造方法

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JP3085811B2
JP3085811B2 JP05016913A JP1691393A JP3085811B2 JP 3085811 B2 JP3085811 B2 JP 3085811B2 JP 05016913 A JP05016913 A JP 05016913A JP 1691393 A JP1691393 A JP 1691393A JP 3085811 B2 JP3085811 B2 JP 3085811B2
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浩 柴岡
隆夫 河瀬
章一郎 野口
豊宏 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維マルチフィラメ
ント糸を用いた低通気性織物に関し、特に自動車のエア
バッグに用いて好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】空気や水の透過性が極めて低い素材は、
これらを封入する用途、例えばマットレスや保温性素
材、ライフボート、エアバッグ、ライフジャケット等多
数のものが考えられる。このなかで、エアバッグは、自
動車が衝突事故を起こした際、内部に高圧ガスが瞬時に
注入されて膨張し乗客の安全を保つもので、その素材と
して用いるものは単に低通気性であるだけでなく、衝突
のショックに耐えうるだけの強度、通常時の収納性、軽
量性等が要求される。
【0003】従来、エアバッグの素材としては、高分子
フィルムや合成ゴムをコーティングした布帛等が用いら
れていた。ただ、フィルムを用いると微細な破損箇所が
発生しただけでエアバッグ全体が破裂してしまうため安
全性に問題がある。また、合成ゴムをコーティングした
布帛はどうしても重量が増加し、更に厚いためコンパク
トに収納することが困難であり、高価でもある。
【0004】このため、コーティング加工を施さずに低
通気性の布帛を得ることが検討され、例えば特開平3−
137245号公報には、経糸と緯糸とを対称の組織と
したノンコーティング織物が開示されている。また、特
開平4−2835号公報には、高強力フィラメント糸を
用いたバスケット織物等の両面にカレンダー加工を施し
た低通気性織物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
如き従来技術をもってしても、なお柔軟性に富んだ低通
気性布帛は得られなかった。すなはち、特開平3−13
7245号公報に記載されたごとく織物組織だけで低通
気性を得ることには限界がある。
【0006】さらに、特開平4−2835号公報では、
低通気性を得るために両面にカレンダー加工を施すこと
が必要であるが、このように布帛の両面が過度のカレン
ダー加工により硬化すると、布帛を収納しようとして折
り曲げた際、外周と内周の両方に応力が働き収納性を妨
げてしまう。
【0007】本発明はかかる問題点を解決するものであ
って、収納性に優れた低通気性織物を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊度250〜
450デニールで6.5g/d以上の強力を有する無撚
又は80T/M以下の撚数の合成繊維マルチフィラメン
ト糸からなりカレンダー加工の施された高密度織物であ
って、厚みが0.25mm以下、織物断面において隣合
うマルチフィラメント同志が重なった領域の幅(Wo)
とマルチフィラメントの幅(Wf)との比であるオーバ
ラップ率(Wo/Wf)が0.04以上、剛軟度が経緯
共75mm以下、差圧0.5インチ時の通気度が0.2
cm3 /cm2 /sec以下である低通気性織物であっ
て、かかる織物は、繊度250〜450デニールで6.
5g/d以上の強力を有する合成繊維マルチフィラメン
ト糸を、無撚又は80T/M以下の撚数で経糸に用いて
織物を製織した後、これを3〜15%収縮せしめカバー
ファクター(CF)を2300以上となし、次いで片面
のみにカレンダー加工を施すこと、或いは繊度250〜
450デニールで6.5g/d以上の強力を有する合成
繊維マルチフィラメント糸を、無撚又は60T/M以下
の撚数で経糸に用いて織物を製織した後、これを3〜1
5%収縮せしめカバーファクター(CF)を2300以
上となし、次いで両面にカレンダー加工を施すことによ
って製造される。
【0009】更に、繊度250〜450デニールで6.
5g/d以上の強力を有する合成繊維マルチフィラメン
ト糸にサイジングを施し、無撚又は80T/M以下の撚
数で経糸に用いて織物を製織した後、これを3〜15%
収縮せしめカバーファクター(CF)を2300以上と
なし、次いで前記サイジング糊剤が残留したままの状態
で少なくとも片面にカレンダー加工を施すことによって
も前記織物を得ることができる。 CF=経糸の繊度0.5 (D)*経糸本数(本/インチ)
+緯糸の繊度0.5 (D)*緯糸本数(本/インチ)
【0010】本発明で用いる合成繊維フィラメント糸と
しては、以下に述べる物性を満足すれば特に限定され
ず、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリブチレンテ
レフタレート等が挙げられるが、特にポリエステルが好
ましい。かかる合成繊維フィラメント糸の繊度は250
〜450デニールであることが必要である。すなはち、
通常の合成繊維では、250デニールより細くなるとエ
アバッグ等で要求される強度を保つことが困難となり、
450デニールを超えると風合いが硬化し収納性に劣
り、重量も増加する。また、該合成繊維フィラメント糸
はマルチフィラメントからなることが必要であって、マ
ルチフィラメントの単糸繊度としては、1〜5デニール
が好ましい。
【0011】更に、該合成繊維フィラメント糸の強力は
6.5g/d以上であることが必要であり、このような
合成繊維フィラメント糸は、公知の如く高粘度原料をも
ちいたり、延伸を多段で行ったりする方法等により得ら
れる。
【0012】本織物はかかる合成繊維マルチフィラメン
ト糸を用いて高密度に製織されたものであり、高密度に
仕上げることが可能であれば組織は限定されないが、一
般的には平織、バスケット組織等が好ましい。本織物の
密度は、以下に述べる通気度を発現すれば特に限定され
ないが、通常、経糸の繊度0.5 (D)*経糸本数(本/
インチ)+緯糸の繊度0.5 (D)*緯糸本数(本/イン
チ)で示されるカバファクター(CF)で2300以上
必要となるであろう。
【0013】更に、本織物は比較的薄地のものである。
すなはち、JIS L−1096によって測定される厚
みが0.25mm以下であり、このような薄地織物であ
るがため容易に折り畳み可能である。また、通常の合成
繊維マルチフィラメント糸を用いた場合このような薄地
織物の目付は280g/m2 以下となるであろう。
【0014】本織物にとって重要な点は、隣合う合成繊
維マルチフィラメント糸の位置関係である。以下図面に
基づいて本織物を説明する。第1図は本織物の横断面図
であり、1は緯糸の合成繊維マルチフィラメント糸、2
a、2bは経糸の合成繊維マルチフィラメント糸、21
は経糸の合成繊維マルチフィラメント糸の単糸フィラメ
ントを示す。
【0015】同図において、隣合う合成繊維マルチフィ
ラメント糸2a、2bは、緯糸1を介してその端部が重
なり合っている。ここで、その領域の幅をWo、合成繊
維マルチフィラメント糸2aの幅をWfとすると、Wo
/Wfによって両合成繊維マルチフィラメント糸2a、
2bのオーバラップ率が求められる。
【0016】本織物はかかるオーバラップ率を経緯両断
面において数カ所測定したとき、0.04好ましくは
0.1以上であることが必要である。オーバラップ率が
大きくなると、経糸のマルチフィラメントと緯糸のマル
チフィラメントの交叉点の隙間が生じ難くなり、通気性
の低下に寄与する。
【0017】更に、本織物はカレンダー加工が施されて
いるものであり、カレンダー加工により表層の単糸フィ
ラメント糸は潰れ、平坦化している。しかしながら平坦
化した単糸フィラメント糸は硬化して収納性を阻害する
ので、比較的高い経糸撚糸条件下すなはち高CF布帛で
はカレンダー加工を片面にのみ留めておくと良い。
【0018】通気性を高める要因としては、前記のオー
バラップ率や、カレンダー加工の他に、織物表面の状態
が挙げられる。即ち、織物表面に凸凹が多い場合、経緯
糸間に空隙が生じる可能性も高くなるからである。表面
の滑らかさとしては、KES風合い測定法に規定する表
面粗さで6μm以下とすることが好ましい。本織物の通
気度は、カトウテック通気度測定器で、差圧0.5イン
チ時、0.2cm3 /cm2 /sec以下であることが
必要である。すなはち、本織物をエアバッグとして用い
るため、60lの袋体となして実装テストを行なうと、
実インフレターが作動し60/1000秒以内に1.2
kg/cm2 Gの内圧以上となる。
【0019】また、本織物の柔らかさは、JIS L1
096法(カンチレバー法)の剛軟度70mm以下、K
ES風合い測定法による曲げ剛性0.3gfcm・cm
/cm以下であることが好ましい。更に、本織物の引張
強力(JIS L1096)は290kg/5cm以
上、引裂強力(JIS L1096A法)は14kg以
上であることが好ましい。
【0020】以下、本織物の製造方法について詳説す
る。先ず、前述の合成繊維マルチフィラメント糸を無
撚、又は後述のカレンダー処理を片面に行う場合は80
T/M以下、両面に行う場合は60T/M以下の撚数で
経糸に用いて織物を製織する。通常製織に当たっては、
追撚を施しマルチフィラメントの収束性を上げるが、本
発明では、無撚又は甘撚りで合成繊維マルチフィラメン
ト糸を用いてマルチフィラメントの拡散性を阻害しない
ようにする。これにより、製品上ではマルチフィラメン
トが広がって前記オーバラップ率を向上せしめ、通気性
の低下をもたらす。一方、合成繊維マルチフィラメント
糸を無撚又は60乃至80T/M以下の撚数で用いると
製織時には収束性が劣るため、ワキシング或いはサイジ
ング等を行うと良い。
【0021】この場合、特にサイジング糊剤として、耐
熱性が高く、乾燥時の風合いが比較柔らかなものを用
い、更に製織後の精錬処理等を省略することによって該
サイジング糊剤を織物に残留せしめたまま、後述するカ
レンダー処理をおこなってサイジング糊剤を織物中に展
延後硬化せしめると、極めて通気性の低い織物を得るこ
とができる。かかるサイジング糊剤としては、アクリル
系糊剤、ポリエステル系糊剤、これらとシリコンオイル
との混合物のエマルジョン等を挙げることができ、該サ
イジング糊剤を経糸に固形分で2〜10重量%程度付与
して乾燥すると良い。
【0022】前記合成繊維マルチフィラメント糸は、勿
論これのみによって本織物を製織してもよいが、20重
量%程度であれば、追撚が施されたり、比較的強力が低
かったりする他の糸条を混用しても良い。
【0023】製織時には、経糸と緯糸の打ち込み密度を
できるだけ高めて製織限界付近で織り上げることが好ま
しく、例えば450デニールのもので52本/インチ程
度の生機密度とすることが好ましい。更に、経糸と緯糸
の打ち込み密度はできるだけ揃えることが好ましい。
【0024】本発明では、前記生機を精錬、リラックス
処理等で経緯方向にそれぞれ3〜10%収縮せしめ、最
終的にカバファクター(CF)2300以上の織物とな
す。前記の如き生機を収縮せしめることにより、収束性
の低い合成繊維マルチフィラメント糸は拡散して経緯糸
間の隙間を埋め、前記オーバラップ率の向上に寄与す
る。したがって、収縮処理は各単糸フィラメントが自由
な挙動を示すようテンションコントロール下で行うこと
が好ましい。
【0025】本発明では、このような織物にカレンダー
加工を施すが、本発明にいう片面カレンダー処理とは、
熱ローラによるプレス面が織物の片面に固定されている
ことを、両面カレンダー処理とは、同様の処理が布帛の
両面に施されることである。
【0026】カレンダー加工の条件は、使用する合成繊
維マルチフィラメント糸の種類に応じて選択すればよい
が、通常のポリエステル繊維を用いた場合、表面温度1
40〜190℃の加熱ローラを用いて50〜100トン
程度の加圧下で行うものが挙げられる。
【0027】又、前記した、精錬工程を省略してカレン
ダー加工により残留するサイジング糊剤を展延する方法
では、カレンダー加工を比較的低温低圧で行うことが好
ましく、例えば、表面温度140〜200℃の加熱ロー
ラを用いて50〜100トン程度の加圧下で行うことが
挙げられる。
【0028】尚、本発明では、染色、柔軟、防水、防
炎、抗菌等の各種后加工を施しても良いことは勿論であ
る。但し、前記した如く柔軟性を損なうような厚地のコ
ーティング加工は、本織物の本来の目的を阻害するため
採用すべきではない。
【0029】
【実施例】
実施例1 440d/96fのポリエチレンテレフタレートからな
るマルチフィラメント糸(強力8.5g/d、エンタン
グル数11個/m)を無撚のまま経緯糸に用いて、経5
2本/インチ、緯52本/インチの打ち込み密度で平織
物を製織した。
【0030】この生機を精錬、リラックス処理で10%
収縮せしめてカバーファクター(CF)2412の織物
となし、次いでカレンダー機(由利ロール製ペーパロー
ル)を用いて185℃、80トン・160cm巾の加圧
下でその片面のみを押圧加工した。
【0031】結果を表1に、表面の電子顕微鏡写真(3
0倍)を図2に、経糸断面の電子顕微鏡写真(100
倍)を図3に夫々示す。同表より明らかな如く、本織物
は通気性が極めて低く、しかも曲げ剛性、剛軟度が低く
柔軟であった。
【0032】
【表1】
【0033】さらに、本織物を用いて直径0.5mの袋
体を製作し、ガスを充填したところ内圧は1.2kg/
cm2 以上となった。また該袋体は厚さ30mmの空間
に問題なく収納でき、自動車のエアバックとして用いる
ことが充分に可能であった。
【0034】実施例2 経糸の追撚数を80T/M、打ち込み密度を経52本/
インチ、緯52本/インチとした他は実施例1と同様に
して平織物を得た。
【0035】この生機を精錬、リラックス処理で6%収
縮せしめてカバーファクター(CF)2328の織物と
なし、次いで実施例1と同様にカレンダー加工を施し
た。結果を表1に示す。
【0036】実施例3 経糸として380d/192fのものを用い、打ち込み
密度を経62本/インチ、緯62本/インチとした他は
実施例1と同様にして平織物を得た。
【0037】この生機を精錬、リラックス処理で6%収
縮せしめてカバーファクター(CF)2417の織物と
なし、次いで実施例1と同様にカレンダー加工を施し
た。結果を表1に示す。
【0038】実施例4 経糸の追撚数を50T/M、打ち込み密度を経52本/
インチ、緯52本/インチとした他は実施例1と同様に
して平織物を得た。
【0039】この生機を精錬、リラックス処理で経8
%、緯4%収縮せしめてカバーファクター(CF)23
22の織物となし、次いでカレンダー機(由利ロール製
ペーパーロール)を用いて185℃、80トン、160
cm巾の加圧下でその両面を押圧加工した。結果を表1
に示す。
【0040】比較例1 打ち込み密度を経52本/インチ、緯52本/インチと
した他は実施例2と同様にして平織物を得た。
【0041】この生機を精錬、リラックス処理で5%収
縮せしめてカバーファクター(CF)2307の織物と
なし、次いでカレンダー機(由利ロール製ペーパロー
ル)を用いて185℃、80トン・160cm巾の加圧
下でその両面を押圧加工した。
【0042】結果を表1に示す。同表より明らかな如
く、本織物は、剛軟度、曲げ剛性が高くゴワゴワした風
合いであった。さらに、本織物を用いて直径0.5mの
袋体を製作し、厚さ30mmの空間に収納しようとした
ところ、折り畳みに時間がかかり、圧力を掛けなければ
収納不可能であった。
【0043】比較例2 打ち込み密度を経50本/インチ、緯50本/インチ、
経糸の追撚数を120T/Mとした他は実施例2と同様
にして平織物を得た。
【0044】この生機を精錬、リラックス処理で4%収
縮せしめてカバーファクター(CF)2265の織物と
なし、次いで実施例1と同様にその片面のみを押圧加工
した。
【0045】結果を表1に表面の電子顕微鏡写真(30
倍)を図4に、経糸断面の電子顕微鏡写真(100倍)
を図5に夫々示す。同表より明らかな如く、本織物は、
通気性に劣り、本織物を用いて直径0.5mの袋体を製
作し、ガスを充填したが内圧は0.8kg/cm2 まで
しか上がらなかった。
【0046】実施例5 440d/96fのポリエチレンテレフタレートからな
るマルチフィラメント糸(強力8.5g/d、エンタン
グル数11個/m)を無撚のまま整経しつつ以下の組成
からなる糊剤を固形分で10重量%付与してビームに巻
き取った。
【0047】 糊剤組成 アクリル酸エステル系エマルジョン 互応化学製J−6 55部 シリコーンオイルエマルジョン 互応化学製サイテックス53 45部
【0048】次いで、緯糸にも前記マルチフィラメント
糸を無撚のまま用いて、経52本/インチ、緯52本/
インチの打ち込み密度で平織物を製織した。この生機を
リラックス処理で10%収縮せしめてカバーファクター
(CF)2412の織物となし、精錬を行うことなく、
糊剤が経糸に残留したままの状態でカレンダー機(由利
ロール製ペーパロール)を用いて180℃、80トン・
160cm巾の加圧下でその両面を押圧加工した。
【0049】結果を表1に示す。同表より明らかな如
く、本織物は通気性が極めて低く、しかも剛軟度が低く
柔軟であった。さらに、本織物を用いて直径0.5mの
袋体を製作し、ガスを充填したところ内圧は1.2kg
/cm2 以上となった。また該袋体は厚さ30mmの空
間に問題なく収納でき、自動車のエアバックとして用い
ることが充分に可能であった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、自動車のエアバッグ素材等と
して充分な低通気性を有したものであって、しかも折り
畳み性、軽量性に優れているため、狭小な空間に収納可
能である。
【0051】また本発明方法は、かかる低通気性織物
を、従来の製造装置を用いて効果的に製造可能であって
極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本織物の横断面図である。
【図2】本織物の表面の電子顕微鏡写真であって、繊維
の形状を示すものである。
【図3】本織物の経糸断面の電子顕微鏡写真であって、
繊維の形状を示すものである。
【図4】比較例の織物表面の電子顕微鏡写真であって、
繊維の形状を示すものである。
【図5】比較例の織物の経糸断面の電子顕微鏡写真であ
って、繊維の形状を示すものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−2835(JP,A) 特開 平4−143141(JP,A) 特開 平4−201646(JP,A) 特開 平4−262938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/00 - 15/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度250〜450デニールで6.5g
    /d以上の強力を有する無撚又は80T/M以下の撚数
    合成繊維マルチフィラメント糸からなりカレンダー加
    工の施された高密度織物であって、厚みが0.25mm
    以下、織物断面において隣合うマルチフィラメント同志
    が重なった領域の幅(Wo)とマルチフィラメントの幅
    (Wf)との比であるオーバラップ率(Wo/Wf)が
    0.04以上、剛軟度が経緯共75mm以下、差圧0.
    5インチ時の通気度が0.2cm3 /cm2 /sec以
    下である低通気性織物。
  2. 【請求項2】 繊度250〜450デニールで6.5g
    /d以上の強力を有する合成繊維マルチフィラメント糸
    を、無撚又は80T/M以下の撚数で経糸に用いて織物
    を製織した後、これを3〜15%収縮せしめカバーファ
    クター(CF)を2300以上となし、次いで片面のみ
    にカレンダー加工を施すことを特徴とする低通気性織物
    の製造方法。 CF=経糸の繊度0.5 (D)*経糸本数(本/インチ)
    +緯糸の繊度0.5 (D)*緯糸本数(本/インチ)
  3. 【請求項3】 繊度250〜450デニールで6.5g
    /d以上の強力を有する合成繊維マルチフィラメント糸
    を、無撚又は60T/M以下の撚数で経糸に用いて織物
    を製織した後、これを3〜15%収縮せしめカバーファ
    クター(CF)を2300以上となし、次いで両面にカ
    レンダー加工を施すことを特徴とする低通気性織物の製
    造方法。 CF=経糸の繊度0.5 (D)*経糸本数(本/インチ)
    +緯糸の繊度0.5 (D)*緯糸本数(本/インチ)
  4. 【請求項4】 繊度250〜450デニールで6.5g
    /d以上の強力を有する合成繊維マルチフィラメント糸
    にサイジングを施し、無撚又は80T/M以下の撚数で
    経糸に用いて織物を製織した後、これを3〜15%収縮
    せしめカバーファクター(CF)を2300以上とな
    し、次いで前記サイジング糊剤が残留したままの状態で
    少なくとも片面にカレンダー加工を施すことを特徴とす
    る低通気性織物の製造方法。 CF=経糸の繊度0.5 (D)*経糸本数(本/インチ)
    +緯糸の繊度0.5 (D)*緯糸本数(本/インチ)
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