JP4848658B2 - エアバッグ用基布の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のエアバッグ用基布の製造方法は、上記エアバッグ用基布の製造方法であって、単繊維中空率が10%以上40%以下で、非円形の中空部を有する合成繊維マルチフィラメント糸を用いて製織後、加熱及びプレス加工処理を施して、前記通気度となるように該マルチフィラメント糸の単繊維間空隙がなくなるように、かつ、中空部が残るように押圧変形することを特徴とする。
生機の密度は、本発明の場合において、加熱及びプレス加工処理後の織物のカバーファクターが1400以上1777以下の範囲となるように繊維の熱収縮率を勘案した上で適宜調整すればよい。エアバッグにおいて、通常求められる通気量0.5cc/cm2/sec以下を安定して得るには、経糸方向と緯糸方向のカバーファクターの和が1500以上1800以下の範囲とすることが好ましく、エストラマーなどでコーティング加工することなく用いられるノンコーティング布帛として求められる通気量0.1cc/cm2/sec以下を得るには、経糸方向と緯糸方向のカバーファクターの和が1600以上1800以下の範囲とすることが好ましい。カバーファクターが上記の範囲未満では、通気量が多くなりエアバッグの展開速度に問題を生じるため好ましくない。一方、カバーファクターが上記の範囲を超える場合は、密度が高くなり、生地が厚く、風合いが硬くなるため、エアバッグの収納性等が低下するほか、コストも高くなり好ましくない。本発明の中空繊維からなる織物を使用しない場合は、上記に記すカバーファクターでは、コーティング加工や膜加工などの層を付与しない限りエアバッグに求められる通気量を達成できないのは明白である。ここで、
カバーファクター=(経糸繊度(dtex)1/2×経糸密度(本/2.54cm))+(緯糸繊度(dtex)1/2×緯糸密度(本/2.54cm))
ただし中空糸の場合は見かけ繊度(同一外径で中実繊維と仮定したときの繊度)を使用する。
(1)繊維強度
JIS L 1013に準じ、試長25cm、引張速度30m/分の条件で測定した。
繊維の横断面写真から、中空部の重心から中空部の外周までの最長距離(L1)と最短距離(L2)とを求め、次式により算出する。
中空部の変形度=L1/L2 。
繊維の横断面写真から、中空部の断面積と繊維外周内の断面積とを求め、次式により算出する。
中空率(%)=(中空部の断面積/繊維外周内の断面積)×100 。
繊維のヨコ断面写真から、その長径(D1)と短径(D2)を求め、次式により算出する。
扁平率=D1/D2 。
JIS L 1096 8.12.1A法に準じて測定した。
JIS L 1096 8.15.2A−2法に準じて測定した。
JIS L 1096 8.27通気性A法(フラジール形法)による。
JIS L 1096 8.4.1に準じて測定した。
ピーコック厚さ測定器にて測定した。
JIS L 1096 8.19.1A法(45°カンチレバー法)に準じて測定した。
<製糸>エクストルーダ型紡糸機を用い、酸化チタンの含有量が0%(なし)のナイロン66ポリマを紡糸温度295℃、溶融粘度200Pa・secで、スリット長さ/スリット幅の比が11.3であるスリットの3つを三角形状に配列している吐出孔から溶融紡糸し、直接紡糸延伸プロセスで400dtex72フィラメント(見かけ繊度470dtex)の中空率24%、中空部変形度1.4、扁平率1.0の中空繊維を製造した。
実施例1と同様の糸を使用して、それぞれ織上密度を変えた生機を実施例1と同様に製織、加工し、表1のとおり実施例2、実施例3の織物を得た。織物の断面は実施例1の織物とほぼ同様であった。
実施例1のナイロン66中空繊維を緯糸にのみ使用し、経糸は470dtex72フィラメントのナイロン66丸断面繊維糸条(中実糸、扁平率1.0)を用いて、常法により製織、精練、中間セットを行い、実施例と同一のカレンダー加工を施して、経密度36本/2.54cm、緯密度36本/2.54cm、経方向のカバーファクター780、緯方向のカバーファクター780、経・緯のカバーファクターの和が1560の織物を得た。織物断面は、緯糸の断面側は実施例1と同様に中空部が残り単繊維間の空隙はなくなっていたが、経糸の断面側は単繊維間の空隙が残った状態であった。
エクストルーダ型紡糸機を用い、酸化チタンの含有量が0%(なし)のナイロン66ポリマを紡糸温度295℃、溶融粘度200Pa・secで、スリット長さ/スリット幅の比が11.3であるスリットの4つを菱形状に配列している吐出孔から溶融紡糸し、直接紡糸延伸プロセスで400dtex72フィラメント(見かけ繊度470dtex)の中空率24%、中空部変形度1.4、扁平率2.8の中空繊維を製造した。上記の製糸で得られた400dtex72フィラメントのナイロン66中空繊維糸条を経糸及び緯糸に用いて、実施例1と同様に製織、加工し、経密度36本/2.54cm、緯密度36本/2.54cm、経方向のカバーファクター780、緯方向のカバーファクター780、経・緯のカバーファクターの和が1560の織物を得た。織物の断面を観察したところ、単繊維には中空部が残り、かつ、単繊維間の空隙は単繊維の変形によりほぼない状態となっていた。
経糸および緯糸に470dtex72フィラメントのナイロン66丸断面繊維糸条(中実糸、扁平率1.0)を用い、実施例1と同様の常法により製織、精練、中間セットを行い、実施例1と同一のカレンダー加工を施して、経密度36本/2.54cm、緯密度36本/2.54cm、経方向のカバーファクター780、緯方向のカバーファクター780、経・緯のカバーファクターの和が1560の織物を得た。織物断面は単繊維間の空隙が残った状態であった。
経糸に470dtex72フィラメントのナイロン66丸断面繊維糸条(中実糸、扁平率1.0)、緯糸に中空部が円形の400dtex72フィラメントのナイロン66中空繊維糸条を用い、実施例1と同様の常法により製織、精練、中間セットを行い、実施例1と同一のカレンダー加工を施して、経密度32本/2.54cm、緯密度32本/2.54cm、経方向のカバーファクター694、緯方向のカバーファクター694、経・緯のカバーファクターの和が1388の織物を得た。織物断面は単繊維間の空隙が残った状態であった。
各織物の評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の実施例による織物は、通常密度であるにもかかわらず優れた低通気性を奏し、柔軟性、軽量性、収納性も高いレベルであることが認められる。
Claims (5)
- カバーファクターが1400以上1777以下の範囲内にあり、該織物の通気度が0.5cc/cm 2 /sec以下であるエアバッグ用基布であって、単繊維に中空部を有し、かつ前記通気度となるように単繊維間の空隙がなくなっている合成繊維マルチフィラメント糸から構成される織物であることを特徴とするエアバッグ用基布の製造方法であって、単繊維中空率が10%以上40%以下で、非円形の中空部を有する合成繊維マルチフィラメント糸を用いて製織後、加熱及びプレス加工処理を施して、上記通気度となるように該マルチフィラメント糸の単繊維間空隙がなくなるように、かつ、中空部が残るように押圧変形することを特徴とする上記エアバッグ用基布の製造方法。
- 前記合成繊維マルチフィラメント糸がポリアミドからなるエアバッグ用基布の製造方法である請求項1記載のエアバッグ用基布の製造方法。
- 前記ポリアミドからなるマルチフィラメント糸が繊維強度6cN/dtex以上であるエアバッグ用基布の製造方法である請求項2記載のエアバッグ基布の製造方法。
- 前記合成繊維マルチフィラメント糸がポリエステルからなるエアバッグ用基布の製造方法である請求項1記載のエアバッグ用基布の製造方法。
- 厚みが0.10mm以上0.24mm以下であるエアバッグ用基布基布の製造方法である請求項1〜3いずれかに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
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