JP4848658B2 - エアバッグ用基布の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エアバッグ用基布とその製造方法に関し、特に、中空繊維からなるエアバッグ用基布とその製造方法に関するものである。
エアバッグ用基布においては従来から、軽量性、収納性、低通気性、柔軟性を高める手法として、織物に加熱及びプレス加工処理を施したカレンダー加工や中空糸の使用などが検討されてきた。
その中で、加圧・圧縮またはカレンダー加工を施したエアバッグに好適な織物およびその製造方法が知られている(例えば特許文献1、2および3参照)。
これらはいずれも公知繊維糸条を用いて製織し、該織物を一対のロール間に一定圧力、一定温度の元、一定速度で通過させ、片面あるいは両面を加圧圧縮して、織物を構成する繊維の充填効果を狙いとし、通気量5cc/cm/sec以下(特許文献1参照)や通気量0.5cm/sec/cm未満(特許文献3参照)などの低通気性を特徴としたものである。
かかる技術においては、経方向又は緯方向のカバーファクターのいずれかが800未満である場合や経・緯方向のカバーファクターの和が1800未満である場合においては、織物全体としての密度が低く、たとえ加熱及びプレス加工処理を施しても、その気密性が低いため通気量を5cc/cm/sec以下や0.5cm/sec/cm未満とすることは困難であった。言い換えれば通気量を5cc/cm/sec以下や0.5cm/sec/cm未満を満たし、収納性が良く柔らかい経・緯方向のカバーファクターの和が1800未満程度の通常密度の織物は得られなかったのである。
また、使用する繊維材料としてポリアミドやポリエステルのマルチフィラメント糸を開示しているが、低通気性を提供するための繊維断面形状についての特定の開示はない。
一方、中空断面を有するポリアミドまたはポリエステル繊維を素材とする織物からなるエアバッグまたはエアバッグ用ノンコート基布が知られている(例えば特許文献4参照)。これは中空繊維の使用による軽量性とエアバッグに求められる通気量が0.5cc/cm/sec以下などの低通気性とを備えたことを特徴とするものである。
かかる技術においては、中空であることによる低比重性を利用した織物密度設計または繊度設計で従来よりも低コストでありながら従来同等の低通気性を得るものである。したがって、単繊維間の空隙は中実糸を使用した従来からの織物と同等であるため、従来より優れる低通気性は得られなかったのである。
さらに特許文献5には、カレンダー加工法に関して中空繊維合成フィラメント糸が特に好適であるとの開示がされているが、透過性を高めるための特定の開示はない。
特開昭64−70247号公報 特開平1−122752号公報 特開平4−2835号公報 特開平7−54238号公報 特開平6−298029号公報
本発明は、上記従来技術ではなし得なかった軽量性、収納性、柔軟性と、通常密度クラスにおいても安定的な低通気性とを兼ね備えたエアバッグ用基布とその製造方法を提供するものである。
本発明は、かかる目的を達成するために鋭意研究を重ね、織物の軽量性、収納性、柔軟性を維持しつつ、通常密度クラスにおいてもエアバッグに必要な低通気性を安定的に実現することができる、中空繊維からなる織物に到達した。
即ち、本発明が製造しようとするエアバッグ用基布は、単繊維に中空部を有し、かつ単繊維間の空隙が実質的にない合成繊維マルチフィラメント糸から構成される織物であることを特徴とし、具体的にはカバーファクターが1400以上1777以下の範囲内にあり、該織物の通気度が0.5cc/cm/sec以下であるエアバッグ用基布であって、単繊維に中空部を有し、かつ前記通気度となるように単繊維間の空隙がなくなっている合成繊維マルチフィラメント糸から構成される織物であることを特徴とするエアバッグ用基布である。
ここで、合成繊維マルチフィラメント糸は、ポリアミドまたはポリエステルからなることが好ましく、ポリアミドからなる場合は繊維強度6cN/dtex以上であることが好ましい。
また、本発明のエアバッグ用基布は、経糸方向と緯糸方向のカバーファクターの和が1400以上1777以下の範囲内にあり、通気量が0.5cc/cm2/sec以下である。さらに、厚みが0.10mm以上0.24mm以下であることも好ましい。

本発明のエアバッグ用基布の製造方法は、上記エアバッグ用基布の製造方法であって、単繊維中空率が10%以上40%以下で、非円形の中空部を有する合成繊維マルチフィラメント糸を用いて製織後、加熱及びプレス加工処理を施して、前記通気度となるように該マルチフィラメント糸の単繊維間空隙がなくなるように、かつ、中空部が残るように押圧変形することを特徴とする。
上述したように、本発明の中空繊維からなる織物は、非円形の中空部を有する合成繊維マルチフィラメント糸を用い、加熱及びプレス加工処理を施して、糸条の単繊維間空隙が実質的になくなるよう押圧変形し、かつ中空部を残すことにより、従来技術ではなし得なかった柔軟性、軽量性、収納性と、通常密度クラスにおいても安定的な低通気性とを兼ね備えた織物を得ることが出来る。
本発明の構成要件を詳細に説明する。
本発明のエアバッグ用基布は、単繊維に中空部を有し、かつ織物の通気度が0.5cc/cm /sec以下となるように単繊維間の空隙がなくなっている合成繊維マルチフィラメント糸から構成される織物である。以下、かような通気度となるようになった単繊維間の空隙の状態を「単繊維間の空隙が実施的にない」という。
かかる織物は、単繊維中空率が10%以上40%以下で、非円形の中空部を有する合成繊維マルチフィラメント糸を用いて製織後、加熱及びプレス加工処理を施して、該マルチフィラメント糸の単繊維間空隙が実質的になくなるように、かつ、中空部が残るように押圧変形することによって製造することができる。
本発明のエアバッグ用基布を構成する合成繊維マルチフィラメント糸は、エアバッグ用として強力や熱特性に問題ない熱可塑性繊維で、好ましくはポリアミド繊維またはポリエステル繊維で、最も好ましくはポリアミド繊維のナイロン6、ナイロン66で代表されるナイロンが耐衝撃性の面から良いが、それらを主体とする共重合体や混合物であっても良い。
ポリアミド中空繊維およびポリエステル中空繊維は、それぞれスリット長さ/スリット幅の比が6〜20であるスリットの3つを三角形状に配列している吐出孔から溶融紡糸して得る。より高強力の繊維を得るために酸化チタンの濃度が0%の実質的に酸化チタンを含まない繊維が好ましいが、求める強力と艶消し効果とに応じ酸化チタンを含有させても構わない。
ここで中空繊維は、後述する織物への加熱及びプレス加工処理により糸条の単繊維間空隙が実質的になくなるよう押圧変形するために、潰れ難いことが必須であり、非円形の中空部を有するものを使用する。中空部が円形の場合にはプレス加工処理により潰れやすいため、この場合は単繊維間空隙が実質的になくならず好ましくない。中空部形状は全体として三角形であることが好ましい。最も好ましくは正三角形であるが、外側に膨らんだ曲面から形成される三角形状(おむすび型)であっても良い。あるいは、潰れ難さの観点から四角形や井型、田型の中空部であっても構わない。
特に中空部の三角形状としては、中空部の重心から中空部の外周までの最長距離(L1)と最短距離(L2)との比であるL1/L2で表せる変形度が、1.2〜1.6の範囲であるのがよい。変形度が1.2未満では製糸の時点で中空部の潰れが生じ易く、また逆に変形度が1.6を越えると、やはり中空部の潰れが生じ易く、本発明のエアバッグ用基布に到達するのは困難である。
中空繊維の繊維横断面における中空部の占める面積すなわち中空率は、10%以上40%以下の範囲であることを要する。中空率が10%未満では、後述する加熱及びプレス加工処理による糸条の単繊維間空隙が実質的になくなる押圧変形のための潰れしろが不十分である。中空率が40%を越えると高次加工工程において繊維横断面の潰れが発生し易くなるので、40%以下であることが重要であり、特に20〜30%の中空率が好ましい。
また、中空形状、中空率および高強力を保持するために、相対粘度が2.9以上のポリアミドポリマーで形成されていることが好ましく、さらに、3.0以上がより好ましい。相対粘度が2.9未満では、中空率10%以上の中空繊維にすることが難しい。さらに、軽量性を得るという点を総合的に考慮すると、好ましい中空率は、20%以上30%以下であり、この中空率を得るためには相対粘度3.1以上とすることが好ましい。
中空繊維の単繊維断面の外形は、後述する加熱及びプレス加工処理において単繊維間空隙を実質的になくすために、扁平率が1〜3であることが好ましい。ここで単繊維断面の扁平率とは、単繊維断面形状を楕円に近似した際、その長径(D1)と短径(D2)の比(扁平率=D1/D2)で表す。扁平率が3を超えると加熱及びプレス加工処理を施しても、中空繊維が扁平に押し潰されてしまい、単繊維間空隙をなくすことが難しい。扁平率は、より好ましくは1〜2であり、更に好ましくは1〜1.5である。
かかる中空繊維の断面の外形は、通常は円形または楕円形が好ましいが、扁平度が1〜3を満足するならば、必要に応じて楕円形以外の扁平断面形状、例えば、長方形、菱形および繭型や、それらを組み合わせた形状のものでもよい。
繊維の強度は、横方向からの圧力による繊維横断面の潰れを防止するためと、バッグでの破裂強度を高くするために、6cN/dtex以上の強度であることが好ましく、特に強度7cN/dtex以上が好ましい。強度が6cN/dtex未満では、エアバッグに必要な強さが不足してその耐久性が劣る。
このように製糸して得られた中空繊維を経糸及び/または緯糸に用い、織機で製織する。糸の形態や繊度、織物組織、巾、製織性、製織コストなどに応じてウォータージェットルームやエアージェットルーム、レピアルーム、グリッパールームを選定すれば良く、特に限定されない。
経糸に使用する場合は、一般的な合繊糸と同様の公知の工程を経て織機ビームを作成する。即ち、荒巻整経機で整経ビームを作成後、サイジングが必要な場合はサイザーを経由して糊付し、ビーマーにて所要糸本数の織機ビームを作成する。サイジングが不必要な場合は、整経ビームからビーマーにて直接織機ビームを作成しても構わない。また、ワーパーサイザーにて直接サイジングビームを作成後、織機ビームを作成することも可能である。このようにして得られた織機ビームを、リージング、ドローイングを行って織機に仕掛けることは公知の方法で構わない。緯糸に使用する場合は、直接織機に仕掛けて、製織すればよい。
織物組織は、エアバッグの特性から低通気性を高めるために浮き部分が短くなり拘束点の多い平組織が最も好ましいが、目的に応じ綾組織、朱子組織やそれらの変化組織、混合組織のいずれであっても構わない。また、引裂強度を高める必要がある場合には、格子柄を構成する組織が好ましく、さらにはリップストップ部を有するリップストップ組織が最も好ましい。
このように製織して得られた中空繊維からなる織物に、通常の精練加工を実施して、糸の油剤や製織糊材、機械油などの汚れを除去し製織時の張力歪みなどを除く。次いで、上記加工を行った織物に加熱およびプレス加工を施し、経糸及び緯糸を加熱収縮させ織物密度を込ませて織目間隔を小さくすると共に、経糸及び/または緯糸に用いた中空繊維の糸条の単繊維間空隙が実質的になくなるよう押圧変形し、かつ中空部を残すように加工する。単繊維間空隙が実質的になくなりかつ中空部が残っている状態の織物断面のSEM写真を図1に示す。なお、精練加工の後、生地のしわ伸ばしや寸法安定性向上のために必要に応じてテンターなどによる中間セットを施しても構わない。
糸条の単繊維間空隙が実質的になくなるよう押圧変形し、かつ中空部を残すようにするためには、上記に記した中空繊維の要件が必須である。すなわち、単繊維中空部が潰れ難いことが必須で、全体として三角形であることが好ましい。最も好ましくは正三角形であるが、外側に膨らんだ曲面から形成される三角形状(おむすび型)であっても良い。あるいは、潰れ難さの観点から四角形や井型、田型の中空部であっても構わない。このような要件を満たすことでロールによる加圧のトルクが、中空部内部へ働かずに、単繊維間空隙が細密充填となるよう外側へ働き、単繊維形状が歪んだ形状に変形し、単繊維間空隙が実質的になくなるのである。また、単繊維断面の外形を、上記に記した扁平率に調整することで、プレス加工による押圧変形時に扁平に押し潰されるだけでなく、隣り合う単繊維との空隙に押し込まれる形で変形し、単繊維間空隙を実質的になくすことができる。
加熱及びプレス加工は、通常のカレンダー加工機を用い、最近では熱カレンダー加工方式が一般的である。所望の値の通気量を有する織物は、繊維の熱収縮率、生機密度、加熱及びプレス加工での加熱温度、プレス圧力、加工速度等の加工条件とを適宜選択することで得られる。これらの条件は互いに関連し合うが、通常加熱温度100℃以上210℃以下(好ましくは150℃以上210℃以下)、プレス圧力49N/cm以上490N/cm以下、加工速度5m/分以上30m/分以下の範囲で繊維素材に応じ適宜設定すればよい。上記の範囲以外では通気量や柔軟性に不具合が生じ好ましくない。また、カレンダーは片面掛け、両面掛けのいずれでも良く特に限定されない。

生機の密度は、本発明の場合において、加熱及びプレス加工処理後の織物のカバーファクターが1400以上1777以下の範囲となるように繊維の熱収縮率を勘案した上で適宜調整すればよい。エアバッグにおいて、通常求められる通気量0.5cc/cm/sec以下を安定して得るには、経糸方向と緯糸方向のカバーファクターの和が1500以上1800以下の範囲とすることが好ましく、エストラマーなどでコーティング加工することなく用いられるノンコーティング布帛として求められる通気量0.1cc/cm/sec以下を得るには、経糸方向と緯糸方向のカバーファクターの和が1600以上1800以下の範囲とすることが好ましい。カバーファクターが上記の範囲未満では、通気量が多くなりエアバッグの展開速度に問題を生じるため好ましくない。一方、カバーファクターが上記の範囲を超える場合は、密度が高くなり、生地が厚く、風合いが硬くなるため、エアバッグの収納性等が低下するほか、コストも高くなり好ましくない。本発明の中空繊維からなる織物を使用しない場合は、上記に記すカバーファクターでは、コーティング加工や膜加工などの層を付与しない限りエアバッグに求められる通気量を達成できないのは明白である。ここで、

カバーファクター=(経糸繊度(dtex)1/2×経糸密度(本/2.54cm))+(緯糸繊度(dtex)1/2×緯糸密度(本/2.54cm))

ただし中空糸の場合は見かけ繊度(同一外径で中実繊維と仮定したときの繊度)を使用する。
本発明のエアバッグ用基布の特性としては、エアバッグとして必要な機械的特性およびバッグ収納性を満足するものであれば特に制約を受けないが、好ましくは生地の引張強度が400N/cm以上、さらに好ましくは500N/cm以上、引裂強力が100N以上、さらに好ましくは150N以上である条件を満足するものが好ましい。本発明のエアバッグ用基布は、生地の厚みに対し優れた効果を奏する。すなわち、非円形の中空部を有する合成繊維マルチフィラメント糸を用いて製織後、加熱及びプレス加工処理を施して、糸条の単繊維間空隙が実質的になくなるよう押圧変形させるため、従来エアバッグ用に使用されてきた織物の厚みよりも薄くすることが可能であり、エアバッグ用基布として要求されるコンパクト性、柔軟性と機械的強度との両立という点から0.24mm以下、さらに好ましくは0.20mm以下である。
上述した本発明の中空繊維からなる織物は、裁断、縫製してエアバッグに好適に用いることができる。織物を構成する経糸および緯糸の総繊度は100dtex〜1000dtexを用いることができる。特に200dtex〜500dtexのものが、薄地、軽量、柔軟、コンパクト、高強力を実現でき最も好ましい。
以下、本発明を実施例で説明する。
測定方法
(1)繊維強度
JIS L 1013に準じ、試長25cm、引張速度30m/分の条件で測定した。
(2)中空部の変形度
繊維の横断面写真から、中空部の重心から中空部の外周までの最長距離(L1)と最短距離(L2)とを求め、次式により算出する。
中空部の変形度=L1/L2 。
(3)中空率
繊維の横断面写真から、中空部の断面積と繊維外周内の断面積とを求め、次式により算出する。
中空率(%)=(中空部の断面積/繊維外周内の断面積)×100 。
(4)扁平率
繊維のヨコ断面写真から、その長径(D1)と短径(D2)を求め、次式により算出する。
扁平率=D1/D2 。
(5)生地の引張強度
JIS L 1096 8.12.1A法に準じて測定した。
(6)生地の引裂強力
JIS L 1096 8.15.2A−2法に準じて測定した。
(7)通気度
JIS L 1096 8.27通気性A法(フラジール形法)による。
(8)目付
JIS L 1096 8.4.1に準じて測定した。
(9)厚み
ピーコック厚さ測定器にて測定した。
(10)剛軟度
JIS L 1096 8.19.1A法(45°カンチレバー法)に準じて測定した。
(実施例1)
<製糸>エクストルーダ型紡糸機を用い、酸化チタンの含有量が0%(なし)のナイロン66ポリマを紡糸温度295℃、溶融粘度200Pa・secで、スリット長さ/スリット幅の比が11.3であるスリットの3つを三角形状に配列している吐出孔から溶融紡糸し、直接紡糸延伸プロセスで400dtex72フィラメント(見かけ繊度470dtex)の中空率24%、中空部変形度1.4、扁平率1.0の中空繊維を製造した。
<製織>上記の製糸で得られた400dtex72フィラメントのナイロン66中空繊維糸条を経糸及び緯糸に用いて、ウォータージェットルーム(津田駒製ZW408)により、織機回転数560rpm、平組織で、織上密度を経34本/2.54cm、緯34本/2.54cmとなるように製織した。かかる経糸は、平滑性、抱合力向上のための整経追油材(互応化学S−571)を2.0重量%付着させて製織した。
<加工>上記の製織で得られたナイロン66中空繊維からなる生機を、ナイロンでの常法にしたがって精練、中間セットした後、次に加熱ロール表面温度180℃、プレス圧力245N/cm、加工速度15m/分でカレンダー加工を実施した。得られた織物は、経密度36本/2.54cm、緯密度36本/2.54cm、経方向のカバーファクター780、緯方向のカバーファクター780、経・緯のカバーファクターの和が1560であった。織物の断面を観察したところ、単繊維には中空部が残り、かつ、単繊維間の空隙は単繊維の変形によりほぼない状態となっていた。
(実施例2,3)
実施例1と同様の糸を使用して、それぞれ織上密度を変えた生機を実施例1と同様に製織、加工し、表1のとおり実施例2、実施例3の織物を得た。織物の断面は実施例1の織物とほぼ同様であった。
(実施例4)
実施例1のナイロン66中空繊維を緯糸にのみ使用し、経糸は470dtex72フィラメントのナイロン66丸断面繊維糸条(中実糸、扁平率1.0)を用いて、常法により製織、精練、中間セットを行い、実施例と同一のカレンダー加工を施して、経密度36本/2.54cm、緯密度36本/2.54cm、経方向のカバーファクター780、緯方向のカバーファクター780、経・緯のカバーファクターの和が1560の織物を得た。織物断面は、緯糸の断面側は実施例1と同様に中空部が残り単繊維間の空隙はなくなっていたが、経糸の断面側は単繊維間の空隙が残った状態であった。
(実施例5)
エクストルーダ型紡糸機を用い、酸化チタンの含有量が0%(なし)のナイロン66ポリマを紡糸温度295℃、溶融粘度200Pa・secで、スリット長さ/スリット幅の比が11.3であるスリットの4つを菱形状に配列している吐出孔から溶融紡糸し、直接紡糸延伸プロセスで400dtex72フィラメント(見かけ繊度470dtex)の中空率24%、中空部変形度1.4、扁平率2.8の中空繊維を製造した。上記の製糸で得られた400dtex72フィラメントのナイロン66中空繊維糸条を経糸及び緯糸に用いて、実施例1と同様に製織、加工し、経密度36本/2.54cm、緯密度36本/2.54cm、経方向のカバーファクター780、緯方向のカバーファクター780、経・緯のカバーファクターの和が1560の織物を得た。織物の断面を観察したところ、単繊維には中空部が残り、かつ、単繊維間の空隙は単繊維の変形によりほぼない状態となっていた。
(比較例1)
経糸および緯糸に470dtex72フィラメントのナイロン66丸断面繊維糸条(中実糸、扁平率1.0)を用い、実施例1と同様の常法により製織、精練、中間セットを行い、実施例1と同一のカレンダー加工を施して、経密度36本/2.54cm、緯密度36本/2.54cm、経方向のカバーファクター780、緯方向のカバーファクター780、経・緯のカバーファクターの和が1560の織物を得た。織物断面は単繊維間の空隙が残った状態であった。
(比較例2)
経糸に470dtex72フィラメントのナイロン66丸断面繊維糸条(中実糸、扁平率1.0)、緯糸に中空部が円形の400dtex72フィラメントのナイロン66中空繊維糸条を用い、実施例1と同様の常法により製織、精練、中間セットを行い、実施例1と同一のカレンダー加工を施して、経密度32本/2.54cm、緯密度32本/2.54cm、経方向のカバーファクター694、緯方向のカバーファクター694、経・緯のカバーファクターの和が1388の織物を得た。織物断面は単繊維間の空隙が残った状態であった。
(評価結果)
各織物の評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の実施例による織物は、通常密度であるにもかかわらず優れた低通気性を奏し、柔軟性、軽量性、収納性も高いレベルであることが認められる。
本発明に係るエアバッグ用基布の一例の断面SEM写真である。

Claims (5)

  1. カバーファクターが1400以上1777以下の範囲内にあり、該織物の通気度が0.5cc/cm /sec以下であるエアバッグ用基布であって、単繊維に中空部を有し、かつ前記通気度となるように単繊維間の空隙がなくなっている合成繊維マルチフィラメント糸から構成される織物であることを特徴とするエアバッグ用基布の製造方法であって、単繊維中空率が10%以上40%以下で、非円形の中空部を有する合成繊維マルチフィラメント糸を用いて製織後、加熱及びプレス加工処理を施して、上記通気度となるように該マルチフィラメント糸の単繊維間空隙がなくなるように、かつ、中空部が残るように押圧変形することを特徴とする上記エアバッグ用基布の製造方法。
  2. 前記合成繊維マルチフィラメント糸がポリアミドからなるエアバッグ用基布の製造方法である請求項1記載のエアバッグ用基布の製造方法。
  3. 前記ポリアミドからなるマルチフィラメント糸が繊維強度6cN/dtex以上であるエアバッグ用基布の製造方法である請求項2記載のエアバッグ基布の製造方法。
  4. 前記合成繊維マルチフィラメント糸がポリエステルからなるエアバッグ用基布の製造方法である請求項1記載のエアバッグ用基布の製造方法。
  5. 厚みが0.10mm以上0.24mm以下であるエアバッグ用基布基布の製造方法である請求項1〜3いずれかに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
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