JP2002159532A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP2002159532A
JP2002159532A JP2000360537A JP2000360537A JP2002159532A JP 2002159532 A JP2002159532 A JP 2002159532A JP 2000360537 A JP2000360537 A JP 2000360537A JP 2000360537 A JP2000360537 A JP 2000360537A JP 2002159532 A JP2002159532 A JP 2002159532A
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porous sheet
polymer
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Souichi Obata
創一 小畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 身体に接触、および、屈曲する部分における
フィット性、柔軟性、伸縮性、通気性に優れた部材を備
えた吸収性物品を提供する。 【解決手段】 液体透過性の表面材、吸収体、液体不透
過性の外側カバーおよび固定部材を備えている吸収性物
品において、外側カバーおよび/または固定部材の少な
くとも一部が、下記の(1)〜(4)を満たす多孔質シ
ートで構成されていることを特徴とする吸収性物品。 (1)熱可塑性ポリマーからなる多孔質シートであっ
て、(2)ポリマー充填率が30〜90%であり、
(3)シートの任意の断面に断面積が0.001mm2
以下であるポリマー断面が2〜100個/mm存在して
おり、(4)該シートの少なくとも一表面に、下記
(a)および/または(b)のネットワーク構造が存在
している多孔質シート。 (a)線状体から形成されており、該線状体同士の交点
が、それぞれの線状体を構成するポリマーが溶け合って
一体となっているネットワーク構造 (b)線状隆起部により形成されるネットワーク構造

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質シートから
なり、身体に接触および屈曲する部分におけるフィット
性、柔軟性、通気性、耐摩耗性に優れ、さらに必要に応
じて伸縮性をも併せもつ部材を備えた吸収性物品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から身体へのフィット性向上、ある
いは漏れ防止のために、伸縮性素材を用いた吸収性物品
は種々提案されている。例えば、実公平4−22733
号公報には使い捨てオムツの固定用サイドテープとして
ポリウレタン弾性繊維不織布を用いた伸縮テープが開示
されている。また、特許第2731204号明細書にお
いては、オムツのウエスト部あるいは脚周りの部分に弾
性繊維ウェブをギャザリング可能な素材と複合してギャ
ザーを形成させた部材を使用し、身体にフィットさせる
技術が提案されている。しかしながら、ポリウレタン弾
性繊維不織布等の熱可塑性エラストマーを使用した不織
布からなる吸収性物品は、着用中に不織布からの毛羽の
発生が問題とされていた。
【0003】一方、多孔性フィルムも公知である。多孔
性フィルムを用いることで、従来の不織布に見られる毛
羽の発生の問題は解消されるが、通常、フィルムは触感
が悪く、質感に劣るという欠点を有していた。また、た
とえ通気性があるとはいえ、透湿性のレベルであり、実
使用上の通気性は低いため、オムツ等吸収性物品への使
用は着用時の蒸れの原因となりうるものであった。以上
のように、不織布および多孔質フィルムともに所望の性
能を満足するものが得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するものであり、フィット性、柔軟性、通気性、
耐摩耗性に優れ、さらに必要に応じて伸縮性をも併せも
つ多孔質シートからなる吸収性物品を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、液体
透過性の表面材、吸収体、液体不透過性の外側カバーお
よび固定部材を備えている吸収性物品において、外側カ
バーおよび/または固定部材の少なくとも一部が、下記
の(1)〜(4)を満たす多孔質シートで構成されてい
ることを特徴とする吸収性物品である。 (1)熱可塑性ポリマーからなる多孔質シートであっ
て、(2)ポリマー充填率が30〜90%であり、
(3)シートの任意の断面に断面積が0.001mm2
以下であるポリマー断面が2〜100個/mm存在して
おり、(4)該シートの少なくとも一表面に、下記
(a)および/または(b)のネットワーク構造が存在
している多孔質シート。 (a)線状体から形成されており、該線状体同士の交点
が、それぞれの線状体を構成するポリマーが溶け合って
一体となっているネットワーク構造 (b)線状隆起部により形成されるネットワーク構造
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品を構成する多
孔質シートを図面を用いて説明する。図1は本発明を構
成する多孔質シートの断面の一例を示す拡大模式図であ
り、シート断面(1)において、ポリマーが存在してい
ない空間(空隙部)とポリマーが比較的大きな面積で存
在する部分(2)、ポリマーが小さな面積で存在する部
分(3)が観察される点に特徴を有する。
【0007】該多孔質シートのポリマー充填率は、30
〜90%であり、好ましくは30〜85%であり、特に
好ましくは40〜80%である。ポリマー充填率が30
%未満の場合は、シートに占める空隙部の比率が多す
ぎ、また、そのような低い充填率のシートは、断面を観
察したときにポリマーが小さな面積で存在する部分
(3)の個数が多くなる傾向となり、シートの耐摩耗性
が低下し、所望の通気度を得ることができない。一方、
90%を超えるとフィルム様になりすぎるため、通気性
が低くなり、吸収性物品の外側カバーに使用した場合に
着用者が蒸れを感じてしまう。
【0008】本発明における充填率は以下の方法で測定
する。積層体の断面を電子顕微鏡写真で撮影し、東洋紡
績(株)製イメージアナライザーにより分析し、多孔質
シート部分の断面のポリマーが占める面積の総和およ
び、シート断面積を計算する。シート断面積は以下の方
法で測定する。積層体の任意の断面を倍率500倍で電
子顕微鏡写真に撮る。断面積を求めるには多孔質シート
部分の表面および裏面の線を決める必要があるが、該シ
ートは表面の凹凸が大きいので、表裏面に沿った2本の
直線で表裏面を決めることができない。そのため上記の
電子顕微鏡写真の幅方向に18cmとり、断面の表面
側、裏面側それぞれの凹凸の最外面を2cmの線分で結
んだ線を多孔質シート部分の両表面線とし、それらによ
って区画される断面積を測定しシート断面積とした。
【0009】充填率は以下の式により算出する。 充填率(%)={(ポリマー断面積総和)/(シート断
面積)}×100
【0010】また、該多孔質シートにおいては、図1に
示すようなシートの任意の断面から見て、シート面方向
における単位長さ(1mm)の範囲内に、断面積が0.
001mm2以下に相当する独立したポリマー断面部が
2〜100個存在することが重要であり、特に、3〜7
5個存在することが好ましい。ここでいう特定断面積を
もつポリマー断面部とは、例えば、図1のシート断面に
おいてポリマーが小さな面積で存在する部分(3)の断
面部に該当するものである。シート断面範囲内に0.0
01mm2以下のポリマー断面(3)が100個を超え
て存在するとシートの強度が低下する傾向にあり、ま
た、摩擦に対して毛羽が発生しやすい。一方、該ポリマ
ー断面が2個未満のシートは、厚みが低下し、触感が悪
くなる。なお、該ポリマー断面部とは、下限値として
0.00001mm2の面積を有するものをいう。
【0011】図2は、本発明を構成する多孔質シートの
一例の表面拡大模式図である。シート表面には線状体が
不規則に配列してネットワーク構造(a)が形成されて
おり、各々の線状体が交叉する点においては、それぞれ
のポリマーが溶融によってほぼ完全に溶け合って一体化
した状態となっている。また、図3は本発明を構成する
多孔質シートの表面の他の一例の表面拡大模式図であ
る。図3は図2よりも進んだ溶融状態となっているもの
であり、線状隆起部によりネットワーク構造(b)が形
成されている。本発明に使用される多孔質シートにおい
ては上記(a)および/または(b)のようなネットワ
ーク構造が、シート表面に存在することによって、摩擦
時のケバの発生が無いか極めて少なく、しかも外観が布
のようなソフトタッチの風合いを発現しているのであ
る。一方、従来の不織布は、繊維が互いに接合した点で
接着または融着して集積されており、繊維の断面形状が
変形されることはあるが、不織布の表面および内部も繊
維が集積配置された構造である。
【0012】本発明に使用される多孔質シートの目付は
特に限定されないが、実用性を考えると10〜200g
/m2が好ましく、さらに好ましくは30〜150g/
2である。また、シートの厚みに関しては実用性を考
慮すれば、0.03〜0.5mmが好ましく、さらに好
ましくは0.05〜0.4mmである。
【0013】該多孔質シートに使用される熱可塑性ポリ
マーは特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフ
タレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン12などのポリアミド、エチレン
−ビニルアルコール系共重合体等の熱可塑性ポリマー、
またはエチレン−C3〜C20のα−オレフィン系共重合
体等のポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系
エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリエス
テル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱
可塑性エラストマー、さらに、ポリプロピレン、ポリエ
チレン等ポリオレフィン系樹脂などを使用することが可
能であるが、中でも熱可塑性エラストマーが好ましく使
用される。また、本発明の効果を損わない程度であれ
ば、熱可塑性ポリマーに滑剤等の添加剤を添加しても構
わない。
【0014】多孔質シートの原料として熱可塑性エラス
トマーを使用した場合、不織布にあるような通気性、柔
軟性を有し、かつ従来のエラストマーフィルムのように
締め付け感が高く、伸長回復性に優れる性質を有する。
【0015】本発明に使用の多孔質シートの製法は上記
のようなシート構造を形成することができれば格別限定
されないが、例えば、図4および図5に見られるような
工程を経て製造することができる。図中(4)は一列に
並んだオリフィスを有する溶融吐出装置であり、該装置
(4)から溶融したポリマーを押し出し、同時にノズル
出口に形成されているスリットから高温、高圧のエアー
を吹き出し、吐出ポリマーから微細な線状物を形成さ
せ、該微細線状物を図4に示すようなコンベアネット
(5)、あるいは図5に示すようなロール(8)等の捕
集装置上に捕集、積層させ得られた多孔質シート(6)
を巻取り機(7)により巻き取ることにより製造するこ
とができる。
【0016】本発明ではシート断面におけるポリマーの
充填率、特定微小断面部の存在割合、およびシート表面
の特定ネットワーク構造を形成させるために、ノズルか
ら捕集装置までの距離(捕集距離)を極端に短くした点
に特徴を有するものであり、溶融吐出装置(4)出口と
捕集面の距離を8cm以内、好ましくは5cm以内、特
に好ましくは4.5cm以内にするのがよい。捕集距離
が短すぎるとノズル表面にポリマーが付着したり、シー
トの形成が困難となるので、好ましくは1cm以上の捕
集距離を保つことが好ましい。一方、捕集距離が8cm
を超えると、得られるシートは不織布になってしまい、
本発明に使用可能な多孔質シートは製造できない。
【0017】捕集装置としては図4に示すようなコンベ
アネット(5)を使用することができるが、多孔質シー
トを形成した後、巻き取りのために剥離することが困難
である場合には、ネット表面にオイル塗布、テフロン
(登録商標)処理、剥離剤塗布、水散布など離型性向上
のための処理を施すことが好ましい。さらに捕集装置と
して、例えば図5に示すような直径5〜100cmの金
属製の捕集ロール(8)を用い、支持ロール(9)で支
持しながら巻き取ってもよい。このロールもネットの場
合と同様に、離型性を向上するためにロール自身を水冷
可能にし、表面をテフロン加工等の処理を施しても構わ
ない。また、場合により、例えばフィルム化を促進させ
るために、ロールを加温しても構わない。ロールを使用
する場合、その表面は鏡面であってもよく、意匠性を付
与するために、ロールやネット等捕集装置の表面に模様
が施されていても良い。また、捕集装置の上に他の素
材、例えば不織布、ニット等編物を導入し、その上に直
接多孔質シートを形成させ複合してもよい。
【0018】また、溶融吐出装置におけるノズル部の温
度は、使用するポリマーの種類や目的とするシートの構
造に応じて適宜変更することができるが、本発明に適し
た多孔質シートを製造するにはノズルから吐出する時点
での溶融粘度を好ましくは5〜50Pa・s、特に5〜
30Pa・sになるようにノズル温度を設定することが
好ましい。また、スリットから吐出する高圧エアーは温
度がノズル温度とほぼ同温度とすることが好ましく、さ
らにスリット単位長さ(1cm)当たりのエア量は0.
01〜0.2Nm3/分とすることが品質の高いシート
を安定して製造する点から好ましい。さらに、捕集面の
温度はノズル温度より、100〜200℃程度低くして
おくことが好ましい。
【0019】このようにして得られる多孔質シートは、
単独で吸収性物品の外側シートまたは固定部材に用いる
ことができるが、必要に応じて他の素材と複合して用い
てもよい。複合する素材としては、孔空きフィルム、織
物、編物等繊維シートに限定されないが、通気性の点か
ら繊維シートが好ましい。さらに柔軟性、伸縮性を考慮
すると、少なくとも一方向に伸長可能な繊維ウェブが好
ましく用いられる。繊維シートは湿式、乾式、スパンボ
ンド法、メルトブローン法等さまざまな方法により得る
ことができるが、特にカードウエブを水流絡合し、伸度
100%以上のものが、不織布として触感がやわらかく
肌触りが良いので好ましい。
【0020】また、繊維ウェブを構成する繊維について
はポリプロピレン、ポリエチレン、綿、麻、レーヨン、
パルプ、ポリエステル、ナイロン等特に制限されない
が、多孔質シートとの接着性、加工性の点から、熱可塑
性ポリマーからなる繊維が好ましい。なお、これらの繊
維は、単独繊維、複合繊維いずれを用いてもよい。複合
繊維を用いる場合、その複合形態については、芯鞘、海
島繊維等特に制限されないが、低融点成分を含む繊維が
繊維ウェブ中に含まれることが好ましい。
【0021】多孔質シートと他の素材との複合方法につ
いては、加熱加圧接着、超音波接着、接着剤による接着
等特に限定されない。多孔質シートと他の素材の間の剥
離強力は2N/5cm以上であることが好ましく、さら
に好ましくは4N/5cm以上である。剥離強力が2N
/5cm未満であると、着用時、あるいは他者が着用さ
せる際、繰返し伸長回復する時に部材間で層間剥離が生
じる場合がある。
【0022】該多孔質シートを本発明の吸収性物品の外
側カバーに用いる場合、その通気度は、1cc/cm2
/s以上であることが好ましい。通気度が1cc/cm
2/s未満の場合は、本発明の吸収性物品としたときに
着用者が蒸れを感じる場合があり、好ましくない。
【0023】本発明においては、上述の多孔質シートを
吸収性物品の外側カバーおよび/または固定部材の少な
くとも一部に使用されていることが重要であり、それに
より吸収性物品着用時に良好な締め付け効果が得られ、
かつ通気性に優れた吸収性物品を得ることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
なお、本実施例中の各物性値は、以下の方法により測定
したものである。 (1)「通気度の測定」 JIS L 1096に準じ、フラジール型通気度測定
試験機により測定した。 (2)「回復応力の測定」 JIS L 1096に準じ、100%伸長後直ちに回
復させたときの50%回復時の応力を読み取った。 (3)「破断強力・伸度の測定」 JIS L 1096に準じ、引張試験機(オートグラ
フ、島津製作所製)を用いて測定した。 (4)「層間剥離強力の測定」 JIS L 1086に準じ、切り取った5cm巾のサ
ンプルの両面にクラフトテープを貼り付け、多孔質シー
トと他素材との界面の剥離強力を引張試験機を用いて3
00mm/分の引っ張り速度で測定した。
【0025】実施例1 熱可塑性ポリウレタン(商品名「クラミロンU」:
(株)クラレ社製)を原料とし、一列に配列した直径
0.3mmのオリフィスの両側に加熱気体の噴射用スリ
ットを有する溶融吐出装置を用い溶融温度240℃、単
孔当たり0.5g/分の割合でポリマーを吐出し、同温
度に加熱した空気をスリットから噴射して細化した。細
化した微細線状体を溶融吐出装置下方3.5cmに設置
した直径16cmのスチール製ロール上で捕集し目付6
2.9g/m2、厚み 0.135mmの多孔質シート
を得た。この多孔質シートのポリマー充填率は70.1
%、0.001mm2以下のポリマー断面部の個数は3
5個/mmであった。また、走査電子顕微鏡により、シ
ート表面を観察したところ、線状体から形成され、該線
状体同士の交点が、それぞれの線状体を構成するポリマ
ーが溶け合って一体となっているネットワーク構造と線
状隆起部から形成されるネットワーク構造とが半々くら
いの割合で認められた。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 実施例で得られた多孔質シートの表裏に、一方向伸長可
能な水流絡合不織布26g/m2を接着面積20%で熱
エンボスにより複合した。このときの多孔質シート状物
と水流絡合不織布間の剥離強力は5.2N/5cmであ
った。(表1)
【0028】実施例3 捕集位置を7.5cmにしたこと以外は実施例1の方法
に従って、目付62.0g/m2、厚み 0.137m
mの多孔質シートを製造した。ポリマー充填率は47.
1%、0.001mm2以下のポリマー断面個数は58
個/mmであった。また、走査電子顕微鏡によりシート
表面を観察したところ、線状体から形成され、該線状体
同士の交点が、それぞれの線状体を構成するポリマーが
溶け合って一体となっているネットワーク構造が認めら
れ、さらに部分的には線状隆起部から形成されるネット
ワーク構造も観察された。得られた多孔質シートを用い
て実施例2と同様に複合体を形成した。(表1)
【0029】比較例1 実施例1の多孔質シートを使用し、水流絡合不織布間の
剥離強力を1.5N/5cmにしたこと以外は実施例2
と同様に複合体を形成した。(表1)
【0030】比較例2 捕集距離を15cmにしたこと以外は実施例1と同様に
して目付 58.8g/m2、厚み0.156mmの多孔
質シートを製造し、複合体を形成した。多孔質シート状
物のポリマー充填率は23.9%、0.001mm2
下のポリマー断面個数は110個/mmであった。走査
電子顕微鏡により、シート表面を観察したところ、繊維
から形成され、該繊維同士は融着一体化することなく交
点で接着している典型的な不織布の構造が認められた。
(表1)
【0031】比較例3 実施例1で使用したポリウレタンを使用し、厚み25μ
mのフィルムを成形した以外は実施例1と同様にして複
合体を形成した。(表1)
【0032】上記実施例および比較例で作成した多孔質
シートおよび複合体をオムツの外側カバーとサイド伸縮
固定テープとして使用した使い捨てオムツを実際に12
時間着用し、蒸れ、ズレ、フィット性等の着用試験を実
施した。また着用時にテープ素材を繰り返し伸縮させ、
着用後における層間剥離試験も実施した。結果を表2に
示す。
【0033】
【表2】
【0034】使い捨てオムツの外側カバーおよびサイド
伸縮固定テープとして使用した場合、実施例1、2、3
ともに蒸れ、ズレ、層間の剥離も生じず、着用時のフィ
ット性も優れていた。比較例1の複合体を使用した場
合、着用させるときに、何度も伸長回復させると固定テ
ープに層間剥離を生じた。比較例2の複合体を使用した
場合、着用して、少し動くと締め付ける力が弱く、フィ
ット性に劣り、ズレが生じた。比較例3の複合体を使用
した場合、通気性がほとんどなく、蒸れが生じた。
【0035】
【発明の効果】本発明により、身体に接触、および、屈
曲する部分におけるフィット性、柔軟性、伸縮性、通気
性に優れた吸収性物品を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を構成する多孔質シートの断面模式
図。
【図2】 本発明を構成する多孔質シートの一例の表面
拡大模式図。
【図3】 本発明を構成する多孔質シートの他の一例の
表面拡大模式図。
【図4】 本発明を構成する多孔質シートの製造方法の
一例の工程概略図。
【図5】 本発明を構成する多孔質シートの他の一例の
工程概略図。
【符号の説明】 1:多孔質シート断面 2:ポリマーが比較的大きな面積で存在する部分 3:ポリマーが小さな面積で存在する部分 4:溶融吐出装置 5:コンベアネット 6:多孔質シート 7:巻取り機 8:ロール 9:支持ロール
フロントページの続き Fターム(参考) 3B029 BC03 BC06 BF05 4C098 AA09 CC01 DD01 DD03 DD05 DD10 DD13 DD24 DD25 DD26 DD28 4F100 AK01B AK01C AK51B AL09B AL09C BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D BA13 DG06D DG15D DJ01B DJ01C GB72 JB16B JB16C JD02B JD05A JD05B JK06B JK06C JK08D JK13 YY00B YY00C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体透過性の表面材、吸収体、液体不透
    過性の外側カバーおよび固定部材を備えている吸収性物
    品において、外側カバーおよび/または固定部材の少な
    くとも一部が、下記の(1)〜(4)を満たす多孔質シ
    ートで構成されていることを特徴とする吸収性物品。 (1)熱可塑性ポリマーからなる多孔質シートであっ
    て、(2)ポリマー充填率が30〜90%であり、
    (3)シートの任意の断面に断面積が0.001mm2
    以下であるポリマー断面が2〜100個/mm存在して
    おり、(4)該シートの少なくとも一表面に、下記
    (a)および/または(b)のネットワーク構造が存在
    している多孔質シート。 (a)線状体から形成されており、該線状体同士の交点
    が、それぞれの線状体を構成するポリマーが溶け合って
    一体となっているネットワーク構造 (b)線状隆起部により形成されるネットワーク構造
  2. 【請求項2】 多孔質シートと他の素材とが複合されて
    なる請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリマーが熱可塑性エラストマ
    ーである請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 【請求項4】 外側カバーの通気度が1cc/cm2
    s以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収
    性物品。
  5. 【請求項5】 多孔質シートと他の素材との剥離強力が
    2N/5cm以上である請求項2〜4のいずれか1項に
    記載の吸収性物品。
  6. 【請求項6】 他の素材が少なくとも一方向に伸長可能
    な繊維ウェブである請求項2〜5のいずれか1項に記載
    の吸収性物品。
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