JP2006081779A - 食品抽出用合繊エアレイドシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊度が1.2〜4.5dtであって、芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点成分の融点が135〜170℃である熱接着性複合繊維からなる目付10〜50g/m2の繊維ウエブをエアレイド法により作製し、加熱によって繊維間を結合させて一体化させてなる、食品抽出用合繊エアレイドシート。
【選択図】なし
Description
あるいは、いわし節、かつお節などの魚節や、昆布類などのダシを収納したバッグを、ダシの素として容器に入れ、熱湯中で煮出す味付けスープとしても活用されている。これらのバッグを用いると、使用者は、直接粉末を扱う必要がないので、調理作業性を向上できる。
このように、本用途に求められる、製袋加工性、熱安定性、地合いの均一性、抽出性などの性能をすべて満足させるものでは無かった。
特に、抽出性と粉漏れ防止性の両立や、安定した不織布強度、シール強度を図って行くには、従来使用され、提案されている湿式不織布、カード法不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などではそれぞれ不十分な点があり必ずしも万全とは言えない。
ここで、熱接着性複合繊維としては、ポリエステル系であることが好ましい。
本発明においては、熱接着性複合繊維を使用するため、副原料、添加物、添加薬剤などは一切使用しないので、安全性が高い食品抽出用シートを得ることができる。
本発明の食品抽出用シートは、エアレイド不織布製造法によって繊維層を形成する。すなわち、多孔質ネットコンベアー上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、繊維長2〜10mm、繊度1.5〜4.5dtの熱接着性複合合成繊維を噴出し、ネットコンベアー下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベアー上に繊維層を形成するものである。その後、熱風処理および/または熱圧カレンダー処理して繊維間結合を形成して不織布として一体化させる。
繊維量、噴き出し条件、空気サクション条件、熱処理条件などを調節することにより所定の厚さに仕上げて、本発明に用いられる繊維層を得ることができる。
特に、ポリエステル系の場合はオレフィン系より水にやや馴染みやすいうえ、比重が1より大なので、水に沈降し易く、好適である。お茶バッグは、通常、水に沈み易い方が使い良い。ここで、上記低融点共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールなどとの変性共重合が挙げられる。
さらに、抄紙薬剤やケミカルバインダーを使用していないので、食品用として安全性が高いばかりか、製造時や廃棄時における環境汚染の恐れも無い。
繊維間結合を形成するための熱風処理としては、熱接着性複合繊維の低融点成分(芯鞘型複合繊維の鞘成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点側成分)の融点以上の温度が必要である。しかしながら、低融点成分の融点よりも30℃以上高い場合、あるいは高融点成分(芯鞘型複合繊維の芯成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の高融点成分)の融点以上の場合は、繊維の熱収縮が大きくなり易く、地合いの悪化を招くので好ましくない。従って、熱風処理温度は、通常、135〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
さらに、本発明では、熱圧処理することもできる。熱圧処理は、食品抽出シートとしての性能や、求められる厚さに応じて熱圧処理を行ない、通常、カレンダー処理が用いられる。熱風処理後にカレンダー処理しても良いし、熱風処理単独、あるいはカレンダー処理単独でも良い。両者の併用が最も強力アップが期待できるので好ましい。カレンダー処理に用いるローラーとしては、全体に均一な熱圧を加えるため、平滑表面の一対の金属ローラー、または金属ローラーと弾性ローラーの組合わせを用いることが好ましいが、多段ローラーであっても良い。また、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば、凸凹表面のエンボスローラーであっても良い。
原料繊維として、芯がポリエチレンテレフタレート(PET)で、鞘が融点150℃のイソフタル酸共重合ポリエステルからなる複合繊維(帝人ファイバー(株)製、繊度2.2dt、長さ5mm)を用い、送風ブロアで大量の空気流と混合しつつ送綿し、ネット下部からサクションで空気を排気しながらネット上に噴出しネット上にウエブ状に捕集した。次に、このエアレイド法によるウエブを152℃の熱オーブンで2分間加熱してから、温度147℃、線圧20kgf/cmの一対の金属ローラーでカレンダー仕上げした。得られたエアレイド不織布は、均整度が高く、地合い良好なシートであり、熱湯中で抽出してもヒートシール部の剥離がない、食品抽出用シートとして良好な実用性を有していた。
原料繊維として、芯がPETで、鞘が融点135℃の高密度ポリエチレンからなる複合繊維(帝人ファイバー(株)製、繊度2.2dt、長さ5mm)を用い、実施例1と同様に送風ブロアで大量の空気流と混合しつつ送綿し、ネット下部からサクションで空気を排気しながらネット上に噴出しネット上にウエブ状に捕集した。次に、このエアレイド法によるウエブを140℃の熱オーブンで2分間加熱してから、温度120℃、線圧15kgf/cmの一対の金属ローラーでカレンダー仕上げした。得られたエアレイド不織布は、均整度が高く、地合いも良く、食品抽出用として良好なシートであった。
原料繊維として、芯がPETで、鞘が融点110℃のイソフタル酸共重合ポリエステルからなる複合繊維(帝人ファイバー(株)製、繊度1.7dt、長さ3mm)を用い、実施例1と同様に送風ブロアで大量の空気流と混合しつつ送綿し、ネット下部からサクションで空気を排気しながらネット上に噴出しネット上にウエブ状に捕集した。次にこのエアレイド法によるウエブを144℃の熱オーブンで2分間加熱してから、温度105℃、線圧20kgf/cmの一対の金属ローラーでカレンダー仕上げした。得られたエアレイド不織布は、沸水中に3分浸漬することによってヒートシール部が剥離した。
原料繊維として、芯がポリプロピレン(PP)で、鞘が融点135℃の高密度ポリエチレンからなる複合繊維(チッソ(株)製、繊度3.3dt、長さ51mm)をカーディング機にて解繊、ウエブ化した。得られたカードウエブを搬送コンベアにて温度133℃、線圧40kgf/cmの一対の金属ローラーに送り込み、カレンダー仕上げした。得られた乾式不織布は、実施例と比較して地合いが悪く、粉末煎茶のお茶バッグとして使用した場合、粉漏れが多くて抽出液は濁り大で実用上問題のあるものであった。
これらの結果を表1に示す。
乾燥時引張強度:
測定方法は試料サイズが巾25mmチャック間100mmで引張速度300mm/分で測定した。なお、MDは長さ方向、CDは幅方向を示す。以下、同じ。
湿潤時引張強度:
25℃の水に3分間浸漬したあと、金網上で5分間放置した後に、乾燥時引張強力と同様にした。
ヒートシール強度:
MD方向に幅25mmの試料を切り出し、2枚を重ねてからCD方向にシール巾1.5mmでヒートシールした。ヒートシールは、石崎電機製作所製NL−301Jインパルスシーラーを使用し、目盛り4でシールした。その後、このシールされた試料の両端部をチャック間100mmとなるようチャックで把持し、引張速度100mm/分でヒートシール強度を測定した。なお、湿潤時は上記の湿潤時引張強度と同様にしてから測定した。
肉眼判定によった。斑の少ない状態を◎、斑が大きい状態を×とした。
通気度:
JIS L1096A法(フラジール法)によった。
濾水度:
JIS P3801(ヘルツベルヒ濾過速度試験法)によった。ただし、水量は500ccとした。
粉末煎茶10gを収納したタテ/ヨコ各5cmのバッグをヒートシール法で作製し、これを90℃の熱水250ccと共に容器中で、攪拌棒でゆるやかに攪拌し続けながら2分間抽出させた。その後、バッグを取り出した後の抽出液の濃度、粉漏れの有無を観察した。濃度は、粉末煎茶10gを直接熱水中に入れて抽出させた場合と比較し、ほぼ同等な濃さが得られた場合を◎、やや薄い場合を○、明らかに薄い場合を×とした。
熱湯によるシール部の安定性:
沸水中に3分浸漬してから、シール部が剥離しないか観察した。
◎;湯中で攪拌しても剥離せず、取出してから指でシール部を引張っても剥離しない。
○;取出してから指で引張ると一部剥離するが、湯中攪拌では剥離せず、実用上問題はない。
△;取出してから引張ると容易に剥離し、湯中で攪拌した場合に一部剥離が観察される。
×;湯中攪拌でシール部が剥離して粉末煎茶が湯中に流出し、抽出シートとして不適である。
Claims (2)
- 繊度が1.2〜4.5dtであって、芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点成分の融点が135〜170℃である熱接着性複合繊維からなる目付10〜50g/m2の繊維ウエブをエアレイド法により作製し、加熱によって繊維間を結合させて一体化させてなる、食品抽出用合繊エアレイドシート。
- 熱接着性複合合成繊維がポリエステル系である請求項1記載の食品抽出用合繊エアレイドシート。
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JP2004270778A JP2006081779A (ja) | 2004-09-17 | 2004-09-17 | 食品抽出用合繊エアレイドシート |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008054840A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Asahi Kasei Fibers Corp | 食品用フィルター材及びそれを用いた食品封入袋体の製法 |
WO2009063861A1 (ja) | 2007-11-14 | 2009-05-22 | Nitto Denko Corporation | フィルタ濾材とその製造方法ならびにフィルタユニット |
JP2017186069A (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 旭化成株式会社 | 食品用フィルター |
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2004
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