JP3913854B2 - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、強化繊維間を熱可塑性樹脂で接合した繊維複合シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法としては、強化繊維からなるマット状物に振動を与えながら熱可塑性樹脂の粉体を振り掛けまぶしながら加熱溶融させ強化繊維間を接合していた。
【0003】
また、繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造法としては、強化繊維からなるマット状物の両表面に熱可塑性樹脂からなるフィルムを重ね合わせ、上下一対のベルトにて挟み込み、移送しつつ、熱可塑性樹脂フィルムが溶融する温度に加熱すると共に、加圧し、溶融した熱可塑性樹脂を補強繊維からなるマット状物の繊維の間隙に侵入させることにより、強化繊維と熱可塑性樹脂とを一体化させる製造方法(特開昭64−77664号)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者では、振動を与えていたとしても強化繊維に粉体が当たり、均一な分散が難しく場所による熱可塑性樹脂の過不足が出来、均質な繊維強化熱可塑性樹脂シートが出来なかった。
【0005】
また、後者では、強化繊維の間隙に溶融した熱可塑性樹脂を十分に浸透させるため熱可塑性樹脂の溶融状態での樹脂粘度を低くする必要があり、低くすると、溶融した樹脂がその表面張力により滴状に凝集してしまうため、樹脂の分布が不均一になったり、全く樹脂の存在しない部分が生じるといった問題があった。
【0006】
そこで、この発明は、このような問題に鑑みて、熱可塑性樹脂が強化繊維に均質に行き渡り、均質で高強度の繊維複合シートを得ることが出来る繊維複合シートの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【問題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、熱可塑性樹脂繊維と、モノフィラメント径が1〜50μmの強化繊維とを互いに絡めた不織布状態のマット状物とし、該マット状物に振動を与えながら該マット状物を前記熱可塑性樹脂繊維の溶融温度以上に加熱し、前記熱可塑性樹脂繊維を一旦粒子状に溶融して強化繊維中に分散させ、溶融状態にある粒子状熱可塑性樹脂を前記強化繊維の互いに絡み合った接点に移行させた後、加圧、冷却し、シートとすることを特徴とする繊維複合シートの製造方法としている。
【0008】
【作用】
請求項1の発明は、熱可塑性樹脂と、モノフィラメント径が1〜50μmの強化繊維とを互いに絡めた不織布状態のマット状物とし、該マット状物に振動を与えながらこれを加熱し、繊維状であった熱可塑性樹脂を一旦粒子状にし、離れていた強化繊維間を結合させ、あるいは既に出来ている接点に移動させ、粒状となった熱可塑性樹脂をほぼ均一に分散させ、この状態でマット状物を加圧しながら冷却して凝固させることにより、強化繊維を熱可塑性樹脂で強固に接合した繊維複合シートを得ることが出来る。
【0009】
【実施例】
以下、この実施に用いた装置の図面を参考に、この発明を説明する。
【0010】
図1において、1は繰り出し機であり、不織布混合物試料a〜fを巻き付けており、繰り出し機1に対向した位置には加工後の繊維複合シートを巻き取る巻き取り機2が設けられている。この繰り出し機1と巻き取り機2との間には、振動装置3,加熱炉4,温調炉6,及び冷却ロール10が順次配置されている。
【0011】
振動装置3は、溶融した熱可塑性樹脂の移動を促進させ且つ熱可塑性樹脂の偏在をなくし均一にする。加熱炉4内には、多数の赤外線ヒーター5が対向して設けられており、熱可塑性樹脂を溶融する。温調炉6には、プレスロール7,電熱ヒーター8,ブロアー9が設けられ、温風を送り込み、炉内を熱可塑性樹脂の凝固前の軟粘度状態に保持する温度にし、プレスロール7で加圧し、シートを目的の厚さに設定する。冷却ロール10は、中に温水を通すなどしてシートを適当な温度に調整する。
【0012】
熱可塑性樹脂繊維
成形に用いられる熱可塑性樹脂は、繊維状に加工でき、その樹脂の溶融する温度に加熱した際には、表面張力により粒子状に凝集するものであれば、特には限定されない。例として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやオキシベンゾイル構造等を持つポリエステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂もしくはそれらの共重合体や他の樹脂との混合物等が挙げられる。
【0013】
強化繊維
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等の有機繊維、金属繊維等、通常樹脂の強化に用いられるものであれば特に限定されないが、熱可塑性樹脂の加工温度にて、繊維として形状が保持できないものは不適である。
【0014】
強化繊維のモノフィラメント径は、1〜50μm、好ましくは2〜30μmである。その理由は、モノフィラメント径が1μm未満だと繊維が折れやすく、取り扱いが困難であり、また、モノフィラメント径が50μmを超えると強化繊維間に樹脂を含浸させることが困難であり、繊維強化シートとしての性能を充分に発揮させることができないからである。
【0015】
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合物の製造方法
不織布状混合物の製造方法は限定されない。
【0016】
例として、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とをエアにて混合積層し、互いに絡めた不織布状態のマット状物とし、必要とあればニードルパンチングにて一体化させる方法などが挙げられる。
【0017】
不織布状混合物の加熱方法
不織布状混合物の溶融温度以上への加熱方法は、材料、温度、速度などから適宜最適な方法が選択される。熱風、遠赤外線、誘電加熱等、特に限定されないが、ここでは赤外線ヒーター5が用いられている。
【0018】
不織布状混合物の溶融温度以上での加熱時間は、熱可塑性樹脂繊維が滴状に変形するのに充分な時間であればよい。材料により必要時間は変化するが、ポリプロピレン樹脂で、230℃で12秒以上、ポリエチレンテレフタレート樹脂で、250℃で10秒以上である。
【0019】
不織布状混合物への振動付与方法
不織布状混合物に振動を与えながら加熱し、熱可塑性樹脂繊維の切断、滴状化、強化繊維の交わる点への局在化を促進することにより、より効率的に成形後のシートの強度を発現させることができる。
【0020】
振動条件としては、振幅は数十μmから数mmの範囲であり、この範囲を下回ると繊維同士の接点への粒子状となった樹脂の移行が効率的に行われずに、またこの範囲を超えると交点に移行した樹脂をその位置に保持できなくなる。振動数についても同様な理由で、数百Hz〜数MHzの範囲が好適である。
【0021】
不織布状混合物の温調方法
熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱炉4で加熱された不織布状混合物を、熱可塑性樹脂の溶融温度以下、軟化温度以上への冷却温調方法は、特に限定されないが、空冷法が簡便である。ここでは、温調炉6でブロアー9からの空気を電熱ヒーター8で暖めた温風で行っている。
【0022】
不織布状混合物の加圧冷却方法
不織布状混合物の冷却固化方法としては、適切な温度に温調された冷却ロール10にて、加圧冷却して所定厚さに凝固させる方法が通常用いられるが、特に限定されない。
【0023】
【発明の実施の形態】
不織布状混合物試料の種類
本発明の実施に使用される不織布状混合物試料を以下のように制作する。ここで強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との比率は、体積換算で全不織布状混合物試料a〜fにおいてほぼ同一になるように設定する。
【0024】
<不織布状混合物試料a>
繊維径約10μm、平均長さ50mmの炭素繊維(CF)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリエステル(PET)繊維(溶融温度225℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
CF:PET=約50:50(wt%)
繊維目付量 約450g/m2
<不織布状混合物試料b>
繊維径約18μm、平均長さ50mmのガラス繊維(GF)(Eガラス)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリエステル(PET)繊維(溶融温度225℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
GF:PET=約59:41(wt%)
繊維目付量 約550g/m2
<不織布状混合物試料c>
繊維径約10μm、平均長さ50mmの炭素繊維(CF)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリアミド(ナイロン(Nyl)66)繊維(溶融温度265℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
CF:PET=約55:45(wt%)
繊維目付量 約410g/m2
<不織布状混合物試料d>
繊維径約18μm、平均長さ50mmのガラス繊維(Eガラス)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリアミド(ナイロン66)繊維(溶融温度265℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
GF:Nyl=約64:36(wt%)
繊維目付量 約500g/m2
<不織布状混合物試料e>
繊維径約10μm、平均長さ50mmの炭素繊維(CF)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリプロピレン(PP)繊維(溶融温度110℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
CF:PP=約61:39(wt%)
繊維目付量 約370g/m2
<不織布状混合物試料f>
繊維径約18μm、平均長さ50mmのガラス繊維(Eガラス)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリプロピレン繊維(溶融温度110℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
GF:PP=約69:31(wt%)
繊維目付量 約470g/m2
[実施例1]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合物試料aを図1に示す設備を用いてシート化を行った。
【0025】
振動装置3で繰り出し機1から加熱炉4の出口までの振動付与ゾーンにおいて、不織布状混合物試料aを振幅100μm、振動数50KHzにて振動を与えつつ、加熱炉4の加熱溶融ゾーンに導入通過させた。
【0026】
加熱溶融ゾーン:赤外線ヒーター5の遠赤外線により炉内雰囲気温度を約285℃に加熱保持。不織布状混合物試料aは280℃以上に昇温されて約15秒かけて加熱溶融ゾーンを通過。
【0027】
シート化ゾーン:ブロアー9及び電熱ヒーター8により温風で温調炉6内を雰囲気温度を約180℃に保持し、ロール間のクリアランス約0.4mmのプレスロール7(ロール表面温度約180℃)により加圧し、シートに成形。
【0028】
冷却固化ゾーン:表面温度約25℃に温度調節された冷却ロール10(線圧約20kgf/cm)により冷却し、熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0029】
[実施例2]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料bを用いた他は実施例1と同様である。
【0030】
[実施例3]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料cを図1に示す設備を用いてシート化を行った。下記条件以外は実施例1と同様である。
【0031】
加熱溶融ゾーン:遠赤外線により炉内温度を約290℃に保持。不織布状混合物試料cは285℃以上に昇温されて約15秒かけて加熱溶融ゾーンを通過。
【0032】
シート化ゾーン:ブロアー9及び電熱ヒーター8により炉内雰囲気温度を約190℃に保持し、ロール間クリアランス約0.4mmのプレスロール7(ロール表面温度約190℃)により加圧しシートに成形。
【0033】
冷却固化ゾーン:表面温度約25℃に温度調節された冷却ロール10(線圧約20kgf/cm)により冷却し、熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0034】
[実施例4]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料dを用いた他は、実施例3と同様である。
【0035】
[実施例5]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料eを図1に示す設備を用いてシート化を行った。下記条件以外は実施例1と同様である。
【0036】
加熱溶融ゾーン:遠赤外線により炉内温度を約220℃に保持。不織布状混合物試料eは210℃以上に昇温されて約15秒かけて加熱溶融ゾーンを通過。
【0037】
シート化ゾーン:ブロアー9及び電熱ヒーター8により炉内雰囲気温度を約100℃に保持し、ロール間クリアランス約0.4mmのプレスロール7(ロール表面温度約100℃)により加圧しシートに成形。
【0038】
冷却固化ゾーン:表面温度約25℃に温度調節された冷却ロール10(線圧約20kgf/cm)により冷却し、熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0039】
[実施例6]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料fを用いた他は実施例5と同様である。
【0040】
[比較実施例1]
振動を付与しなかったこと以外は実施例1と同様である。
【0041】
[比較実施例2]
振動を付与しなかったこと以外は実施例2と同様である。
【0042】
[比較実施例3]
振動を付与しなかったこと以外は実施例3と同様である。
【0043】
[比較実施例4]
振動を付与しなかったこと以外は実施例4と同様である。
【0044】
[比較実施例5]
振動を付与しなかったこと以外は実施例3と同様である。
【0045】
[比較実施例6]
振動を付与しなかったこと以外は実施例4と同様である。
【0046】
実施例1〜6、比較実施例1〜6で得られたシートの厚み及び引張弾性率を評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
【効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明は、熱可塑性樹脂が粉体でなく繊維とし不織布状態のマット状物としているため、強化繊維に均質に行き渡り、均質で高強度の繊維複合シートを得ることが出来る繊維複合シートの製造方法を提供することが出来る。
【0049】
また、繊維を一旦粒子状に溶融させ、粒子状の熱可塑性樹脂を強化繊維の接点に移行させて強化繊維の接点を接合するため、より一層確実に接合できる。
【0050】
さらに、繊維が折れにくく、取り扱いやすく、しかも樹脂の含浸も良いので樹脂の含浸状態が良く、一層高強度なシートが得られる。
【0051】
また、振動を加えることにより、粒子状の熱可塑性樹脂を強化繊維の接点に移行することを促進させ、接合するため、より一層確実に且つ強固に接合できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の繊維複合シートの製造方法を実施する装置の概略説明図である。
【符号の説明】
3 振動装置
4 加熱炉
5 赤外線ヒーター
6 温調炉
7 プレスロール
10 冷却ロール
【産業上の利用分野】
この発明は、強化繊維間を熱可塑性樹脂で接合した繊維複合シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法としては、強化繊維からなるマット状物に振動を与えながら熱可塑性樹脂の粉体を振り掛けまぶしながら加熱溶融させ強化繊維間を接合していた。
【0003】
また、繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造法としては、強化繊維からなるマット状物の両表面に熱可塑性樹脂からなるフィルムを重ね合わせ、上下一対のベルトにて挟み込み、移送しつつ、熱可塑性樹脂フィルムが溶融する温度に加熱すると共に、加圧し、溶融した熱可塑性樹脂を補強繊維からなるマット状物の繊維の間隙に侵入させることにより、強化繊維と熱可塑性樹脂とを一体化させる製造方法(特開昭64−77664号)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者では、振動を与えていたとしても強化繊維に粉体が当たり、均一な分散が難しく場所による熱可塑性樹脂の過不足が出来、均質な繊維強化熱可塑性樹脂シートが出来なかった。
【0005】
また、後者では、強化繊維の間隙に溶融した熱可塑性樹脂を十分に浸透させるため熱可塑性樹脂の溶融状態での樹脂粘度を低くする必要があり、低くすると、溶融した樹脂がその表面張力により滴状に凝集してしまうため、樹脂の分布が不均一になったり、全く樹脂の存在しない部分が生じるといった問題があった。
【0006】
そこで、この発明は、このような問題に鑑みて、熱可塑性樹脂が強化繊維に均質に行き渡り、均質で高強度の繊維複合シートを得ることが出来る繊維複合シートの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【問題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、熱可塑性樹脂繊維と、モノフィラメント径が1〜50μmの強化繊維とを互いに絡めた不織布状態のマット状物とし、該マット状物に振動を与えながら該マット状物を前記熱可塑性樹脂繊維の溶融温度以上に加熱し、前記熱可塑性樹脂繊維を一旦粒子状に溶融して強化繊維中に分散させ、溶融状態にある粒子状熱可塑性樹脂を前記強化繊維の互いに絡み合った接点に移行させた後、加圧、冷却し、シートとすることを特徴とする繊維複合シートの製造方法としている。
【0008】
【作用】
請求項1の発明は、熱可塑性樹脂と、モノフィラメント径が1〜50μmの強化繊維とを互いに絡めた不織布状態のマット状物とし、該マット状物に振動を与えながらこれを加熱し、繊維状であった熱可塑性樹脂を一旦粒子状にし、離れていた強化繊維間を結合させ、あるいは既に出来ている接点に移動させ、粒状となった熱可塑性樹脂をほぼ均一に分散させ、この状態でマット状物を加圧しながら冷却して凝固させることにより、強化繊維を熱可塑性樹脂で強固に接合した繊維複合シートを得ることが出来る。
【0009】
【実施例】
以下、この実施に用いた装置の図面を参考に、この発明を説明する。
【0010】
図1において、1は繰り出し機であり、不織布混合物試料a〜fを巻き付けており、繰り出し機1に対向した位置には加工後の繊維複合シートを巻き取る巻き取り機2が設けられている。この繰り出し機1と巻き取り機2との間には、振動装置3,加熱炉4,温調炉6,及び冷却ロール10が順次配置されている。
【0011】
振動装置3は、溶融した熱可塑性樹脂の移動を促進させ且つ熱可塑性樹脂の偏在をなくし均一にする。加熱炉4内には、多数の赤外線ヒーター5が対向して設けられており、熱可塑性樹脂を溶融する。温調炉6には、プレスロール7,電熱ヒーター8,ブロアー9が設けられ、温風を送り込み、炉内を熱可塑性樹脂の凝固前の軟粘度状態に保持する温度にし、プレスロール7で加圧し、シートを目的の厚さに設定する。冷却ロール10は、中に温水を通すなどしてシートを適当な温度に調整する。
【0012】
熱可塑性樹脂繊維
成形に用いられる熱可塑性樹脂は、繊維状に加工でき、その樹脂の溶融する温度に加熱した際には、表面張力により粒子状に凝集するものであれば、特には限定されない。例として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやオキシベンゾイル構造等を持つポリエステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂もしくはそれらの共重合体や他の樹脂との混合物等が挙げられる。
【0013】
強化繊維
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等の有機繊維、金属繊維等、通常樹脂の強化に用いられるものであれば特に限定されないが、熱可塑性樹脂の加工温度にて、繊維として形状が保持できないものは不適である。
【0014】
強化繊維のモノフィラメント径は、1〜50μm、好ましくは2〜30μmである。その理由は、モノフィラメント径が1μm未満だと繊維が折れやすく、取り扱いが困難であり、また、モノフィラメント径が50μmを超えると強化繊維間に樹脂を含浸させることが困難であり、繊維強化シートとしての性能を充分に発揮させることができないからである。
【0015】
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合物の製造方法
不織布状混合物の製造方法は限定されない。
【0016】
例として、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とをエアにて混合積層し、互いに絡めた不織布状態のマット状物とし、必要とあればニードルパンチングにて一体化させる方法などが挙げられる。
【0017】
不織布状混合物の加熱方法
不織布状混合物の溶融温度以上への加熱方法は、材料、温度、速度などから適宜最適な方法が選択される。熱風、遠赤外線、誘電加熱等、特に限定されないが、ここでは赤外線ヒーター5が用いられている。
【0018】
不織布状混合物の溶融温度以上での加熱時間は、熱可塑性樹脂繊維が滴状に変形するのに充分な時間であればよい。材料により必要時間は変化するが、ポリプロピレン樹脂で、230℃で12秒以上、ポリエチレンテレフタレート樹脂で、250℃で10秒以上である。
【0019】
不織布状混合物への振動付与方法
不織布状混合物に振動を与えながら加熱し、熱可塑性樹脂繊維の切断、滴状化、強化繊維の交わる点への局在化を促進することにより、より効率的に成形後のシートの強度を発現させることができる。
【0020】
振動条件としては、振幅は数十μmから数mmの範囲であり、この範囲を下回ると繊維同士の接点への粒子状となった樹脂の移行が効率的に行われずに、またこの範囲を超えると交点に移行した樹脂をその位置に保持できなくなる。振動数についても同様な理由で、数百Hz〜数MHzの範囲が好適である。
【0021】
不織布状混合物の温調方法
熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱炉4で加熱された不織布状混合物を、熱可塑性樹脂の溶融温度以下、軟化温度以上への冷却温調方法は、特に限定されないが、空冷法が簡便である。ここでは、温調炉6でブロアー9からの空気を電熱ヒーター8で暖めた温風で行っている。
【0022】
不織布状混合物の加圧冷却方法
不織布状混合物の冷却固化方法としては、適切な温度に温調された冷却ロール10にて、加圧冷却して所定厚さに凝固させる方法が通常用いられるが、特に限定されない。
【0023】
【発明の実施の形態】
不織布状混合物試料の種類
本発明の実施に使用される不織布状混合物試料を以下のように制作する。ここで強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との比率は、体積換算で全不織布状混合物試料a〜fにおいてほぼ同一になるように設定する。
【0024】
<不織布状混合物試料a>
繊維径約10μm、平均長さ50mmの炭素繊維(CF)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリエステル(PET)繊維(溶融温度225℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
CF:PET=約50:50(wt%)
繊維目付量 約450g/m2
<不織布状混合物試料b>
繊維径約18μm、平均長さ50mmのガラス繊維(GF)(Eガラス)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリエステル(PET)繊維(溶融温度225℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
GF:PET=約59:41(wt%)
繊維目付量 約550g/m2
<不織布状混合物試料c>
繊維径約10μm、平均長さ50mmの炭素繊維(CF)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリアミド(ナイロン(Nyl)66)繊維(溶融温度265℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
CF:PET=約55:45(wt%)
繊維目付量 約410g/m2
<不織布状混合物試料d>
繊維径約18μm、平均長さ50mmのガラス繊維(Eガラス)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリアミド(ナイロン66)繊維(溶融温度265℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
GF:Nyl=約64:36(wt%)
繊維目付量 約500g/m2
<不織布状混合物試料e>
繊維径約10μm、平均長さ50mmの炭素繊維(CF)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリプロピレン(PP)繊維(溶融温度110℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
CF:PP=約61:39(wt%)
繊維目付量 約370g/m2
<不織布状混合物試料f>
繊維径約18μm、平均長さ50mmのガラス繊維(Eガラス)と繊維径約20μm、平均長さ約50mmのポリプロピレン繊維(溶融温度110℃)の不織布状混合物
厚み約12mm
GF:PP=約69:31(wt%)
繊維目付量 約470g/m2
[実施例1]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合物試料aを図1に示す設備を用いてシート化を行った。
【0025】
振動装置3で繰り出し機1から加熱炉4の出口までの振動付与ゾーンにおいて、不織布状混合物試料aを振幅100μm、振動数50KHzにて振動を与えつつ、加熱炉4の加熱溶融ゾーンに導入通過させた。
【0026】
加熱溶融ゾーン:赤外線ヒーター5の遠赤外線により炉内雰囲気温度を約285℃に加熱保持。不織布状混合物試料aは280℃以上に昇温されて約15秒かけて加熱溶融ゾーンを通過。
【0027】
シート化ゾーン:ブロアー9及び電熱ヒーター8により温風で温調炉6内を雰囲気温度を約180℃に保持し、ロール間のクリアランス約0.4mmのプレスロール7(ロール表面温度約180℃)により加圧し、シートに成形。
【0028】
冷却固化ゾーン:表面温度約25℃に温度調節された冷却ロール10(線圧約20kgf/cm)により冷却し、熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0029】
[実施例2]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料bを用いた他は実施例1と同様である。
【0030】
[実施例3]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料cを図1に示す設備を用いてシート化を行った。下記条件以外は実施例1と同様である。
【0031】
加熱溶融ゾーン:遠赤外線により炉内温度を約290℃に保持。不織布状混合物試料cは285℃以上に昇温されて約15秒かけて加熱溶融ゾーンを通過。
【0032】
シート化ゾーン:ブロアー9及び電熱ヒーター8により炉内雰囲気温度を約190℃に保持し、ロール間クリアランス約0.4mmのプレスロール7(ロール表面温度約190℃)により加圧しシートに成形。
【0033】
冷却固化ゾーン:表面温度約25℃に温度調節された冷却ロール10(線圧約20kgf/cm)により冷却し、熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0034】
[実施例4]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料dを用いた他は、実施例3と同様である。
【0035】
[実施例5]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料eを図1に示す設備を用いてシート化を行った。下記条件以外は実施例1と同様である。
【0036】
加熱溶融ゾーン:遠赤外線により炉内温度を約220℃に保持。不織布状混合物試料eは210℃以上に昇温されて約15秒かけて加熱溶融ゾーンを通過。
【0037】
シート化ゾーン:ブロアー9及び電熱ヒーター8により炉内雰囲気温度を約100℃に保持し、ロール間クリアランス約0.4mmのプレスロール7(ロール表面温度約100℃)により加圧しシートに成形。
【0038】
冷却固化ゾーン:表面温度約25℃に温度調節された冷却ロール10(線圧約20kgf/cm)により冷却し、熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0039】
[実施例6]
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との不織布状混合試料fを用いた他は実施例5と同様である。
【0040】
[比較実施例1]
振動を付与しなかったこと以外は実施例1と同様である。
【0041】
[比較実施例2]
振動を付与しなかったこと以外は実施例2と同様である。
【0042】
[比較実施例3]
振動を付与しなかったこと以外は実施例3と同様である。
【0043】
[比較実施例4]
振動を付与しなかったこと以外は実施例4と同様である。
【0044】
[比較実施例5]
振動を付与しなかったこと以外は実施例3と同様である。
【0045】
[比較実施例6]
振動を付与しなかったこと以外は実施例4と同様である。
【0046】
実施例1〜6、比較実施例1〜6で得られたシートの厚み及び引張弾性率を評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
【効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明は、熱可塑性樹脂が粉体でなく繊維とし不織布状態のマット状物としているため、強化繊維に均質に行き渡り、均質で高強度の繊維複合シートを得ることが出来る繊維複合シートの製造方法を提供することが出来る。
【0049】
また、繊維を一旦粒子状に溶融させ、粒子状の熱可塑性樹脂を強化繊維の接点に移行させて強化繊維の接点を接合するため、より一層確実に接合できる。
【0050】
さらに、繊維が折れにくく、取り扱いやすく、しかも樹脂の含浸も良いので樹脂の含浸状態が良く、一層高強度なシートが得られる。
【0051】
また、振動を加えることにより、粒子状の熱可塑性樹脂を強化繊維の接点に移行することを促進させ、接合するため、より一層確実に且つ強固に接合できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の繊維複合シートの製造方法を実施する装置の概略説明図である。
【符号の説明】
3 振動装置
4 加熱炉
5 赤外線ヒーター
6 温調炉
7 プレスロール
10 冷却ロール
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂繊維と、モノフィラメント径が1〜50μmの強化繊維とを互いに絡めた不織布状態のマット状物とし、該マット状物に振動を与えながら該マット状物を前記熱可塑性樹脂繊維の溶融温度以上に加熱し、前記熱可塑性樹脂繊維を一旦粒子状に溶融して強化繊維中に分散させ、溶融状態にある粒子状熱可塑性樹脂を前記強化繊維の互いに絡み合った接点に移行させた後、加圧、冷却し、シートとすることを特徴とする繊維複合シートの製造方法。
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