JP6417950B2 - 繊維強化プラスチック成形体用基材、繊維強化プラスチック成形体及び繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法 - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]さらにシランカップリング剤を含有する[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[3]官能基を有する熱可塑性樹脂繊維は、ナイロン又は酸変性ポリプロピレンである[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[4]シランカップリング剤は、ガラス繊維と官能基を有する熱可塑性樹脂繊維とを含むシート基材に含浸させたものである[2]又は[3]に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[5]ガラス繊維は、扁平ガラス繊維である[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[6]オキサゾリン系架橋剤の含有量は、繊維強化プラスチック成形体用基材の全質量に対して0.1〜5質量%である[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[7]シランカップリング剤の含有量は、繊維強化プラスチック成形体用基材の全質量に対して0.1〜5質量%である[2]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[8]官能基を有する熱可塑性樹脂繊維は、酸変性ポリプロピレンであり、シランカップリング剤は、エポキシ系シランカップリング剤である[2]〜[7]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[9]官能基を有する熱可塑性樹脂繊維は、ナイロンであり、シランカップリング剤は、アミン系シランカップリング剤である[2]〜[7]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[10]ガラス繊維の含有量は、50〜85質量%である[1]〜[9]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
[11]ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維と、オキサゾリン系架橋剤とを含有する繊維強化プラスチック成形体用基材を、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体。
[12]繊維強化プラスチック成形体用基材は、さらにシランカップリング剤を含有する[11]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[13]ガラス繊維は、扁平ガラス繊維である[11]又は[12]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[14]ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維とを混合し、湿式抄紙法又は乾式抄紙法で抄紙し、シート基材を得る工程と、シート基材にオキサゾリン系架橋剤を含浸させる工程と、オキサゾリン系架橋剤が含浸したシート基材を80〜150℃で乾燥する工程を含む繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
[15]シート基材にシランカップリング剤を含浸させる工程をさらに含み、シランカップリング剤を含浸させる工程は、シート基材を得る工程の後であって、乾燥する工程の前に設けられる[14]に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
本発明は、ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維と、オキサゾリン系架橋剤とを含有する繊維強化プラスチック成形体用基材に関する。本発明では、ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維を含有する繊維強化プラスチック成形体用基材にさらに、オキサゾリン系架橋剤を含有させることによって、より強度が高められた繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材は、強化繊維としてガラス繊維を含む。本発明で用いるガラス繊維としては、Eガラス(Electrical glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)及び耐アルカリガラス等のガラスを溶融紡糸してフィラメント状の繊維にしたものを挙げることができる。
なお、本明細書において、重量平均繊維長は、100本の繊維について測定した繊維長の平均値である。
本発明では、上述したような扁平ガラス繊維を用いることにより、繊維強化プラスチック成形体の曲げ強度と曲げ弾性率をさらに高めることができる。
繊維強化プラスチック成形体用基材は、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維を含む。官能基を有する熱可塑性樹脂繊維は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成するため、マトリックス樹脂繊維と呼ぶこともある。このようなマトリックス樹脂繊維を用いた不織布状の繊維強化プラスチック成形体用基材は、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
本発明では、熱可塑性樹脂繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック成形体を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用基材を巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材において、ガラス繊維と熱可塑性樹脂繊維の質量比は10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜90:10であることがより好ましく、50:50〜85:15であることがさらに好ましい。ガラス繊維と熱可塑性樹脂繊維の質量比を上記範囲内とすることにより、軽量であり、かつ高強度の繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材は、オキサゾリン系架橋剤を含む。オキサゾリン系架橋剤は、繊維強化プラスチック成形体用基材中の繊維間の連結を強める働きをする。具体的には、オキサゾリン系架橋剤は、熱可塑性樹脂繊維間の結合を強めたり、熱可塑性樹脂繊維に結合したオキサゾリン系架橋剤がガラス繊維のシラノール基の一部と結合(吸着)することによって、繊維の連結を強めているものと考えられる。その結果、ガラス繊維と熱可塑性繊維が強固に連結することができ、繊維強化プラスチック成形体を成形した際には、その曲げ強度及び曲げ弾性率を十分に高めることができる。
オキサゾリン系架橋剤中のオキサゾリン基の数は、オキサゾリン基1モル当たりの重合体の質量を意味する「オキサゾリン価(g solid/eq.)」で表される。オキサゾリン価は、40〜1000g solid/eq.の範囲内が好ましい。
本明細書においては、抄紙後のシート基材にオキサゾリン系架橋剤を添加することを、オキサゾリン系架橋剤を後添するということもある。なお、オキサゾリン系架橋剤は、抄紙後に添加されればよく、抄紙後であって、乾燥工程前に添加されることが好ましい。オキサゾリン系架橋剤を後添することにより、繊維強化プラスチック成形体用基材中に含まれるオキサゾリン系架橋剤の含有量をコントロールすることが容易となる。また、繊維強化プラスチック成形体用基材の製造工程におけるオキサゾリン系架橋剤のロスを少なくすることができ、使用効率を高めることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材は、さらに、シランカップリング剤を含むことが好ましい。本発明では、オキサゾリン系架橋剤と、シランカップリング剤を併用することにより、繊維強化プラスチック成形体の曲げ強度と曲げ弾性率をさらに高めることができる。シランカップリング剤は、繊維強化プラスチック成形体用基材中において、ガラス繊維と熱可塑性繊維が強固に連結することを補助する働きをする。具体的には、シランカップリング剤は、繊維強化プラスチック成形体用基材中のガラス繊維に付着し、ガラス繊維と、熱可塑性樹脂と、オキサゾリン系架橋剤との結合を高めることができるものと考えられる。このように、本発明においては、繊維強化プラスチック成形体用基材を構成する各成分が相互作用し、その連結を強固にしている。このため、このような繊維強化プラスチック成形体用基材から成形される繊維強化プラスチック成形体は十分な曲げ強度と曲げ弾性率を有することとなる。
シランカップリング剤が予め付着していないガラス繊維は、保管条件(保管温度等)のコントロールが容易であり、保管や輸送のコストを抑えることができるというメリットがある。また、シランカップリング剤が付着していないガラス繊維を用いる場合、ガラス繊維と官能基を有する熱可塑性樹脂繊維を含むシート基材を作製する際の抄紙工程で、ガラス繊維からシランカップリング剤が脱落(スラリー中に溶出)することがない。このため、最終的に得られる繊維強化プラスチック成形体用基材に含まれるシランカップリング剤の量を制御することが容易となる。本発明では、シランカップリング剤を後添することによって、繊維強化プラスチック成形体用基材の製造工程におけるシランカップリング剤のロスを少なくすることができ、使用効率を高めることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材がオキサゾリン系架橋剤とシランカップリング剤の両方を含有する場合、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維が酸変性ポリプロピレンであり、シランカップリング剤がエポキシ系シランカップリング剤であることが好ましい。また、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維が酸変性ポリプロピレンである場合、ビニル系シランカップリング剤も好ましく用いられる。官能基を有する熱可塑性樹脂繊維がナイロンである場合は、シランカップリング剤は、アミン系シランカップリング剤を用いることが好ましい。また、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維がナイロンである場合は、エポキシ系シランカップリング剤も好ましく用いられる。このような組み合わせでオキサゾリン系架橋剤とシランカップリング剤を併用することにより、曲げ強度と曲げ弾性率に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材は、バインダー成分をさらに含むことが好ましい。バインダー成分は、繊維強化プラスチック層の全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化プラスチック成形体用基材を得ることができる。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
本発明では、熱可塑性樹脂繊維とガラス繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー成分として、バインダー繊維を含む場合は、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用基材中で、各種繊維を均一に混合することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材は、目的とする成形品の形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。繊維強化プラスチック成形体用基材は、1枚単独、或いは所望の厚さとなるように積層して熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱し、金型によって加熱加圧成形することができる。このように、一般的な繊維強化プラスチック成形体用基材の加熱加圧成形方法を用いて加工することにより、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体とすることができる。
曲げ強度の相乗平均値=√(MD方向の曲げ強度×CD方向の曲げ強度)
曲げ弾性率の相乗平均値=√(MD方向の曲げ弾性率×CD方向の曲げ弾性率)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法は、ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維とを混合し、湿式抄紙法又は乾式抄紙法で抄紙し、シート基材を得る工程と、シート基材にオキサゾリン系架橋剤を含浸させる工程と、オキサゾリン系架橋剤が含浸したシート基材を80〜160℃で乾燥する工程を含む。なお、乾燥する工程では、乾燥温度は、80〜150℃であることが好ましく、80〜140℃であることがより好ましい。さらに、本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法は、シート基材にシランカップリング剤を含浸させる工程をさらに含むことが好ましい。この場合、シランカップリング剤を含浸させる工程は、シート基材を得る工程の後であって、乾燥する工程の前に設けられることが好ましい。
なお、シート基材を得る工程では、ガラス繊維と、熱可塑性樹脂繊維に加えてバインダー成分を添加することとしてもよい。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法によって、繊維強化プラスチック成形体用基材を製造することにより、オキサゾリン系架橋剤やシランカップリング剤を抄紙工程の後に含浸させることができるため、オキサゾリン系架橋剤やシランカップリング剤の使用効率を高めることができる。また、繊維強化プラスチック成形体用基材中に含まれるオキサゾリン系架橋剤やシランカップリング剤の量をコントロールすることが容易となり、より高品質な繊維強化プラスチック成形体用基材を得ることができる。
上記のようにして得られた繊維強化プラスチック成形体は、曲げ強度や曲げ弾性率に優れる。繊維強化プラスチック成形体の用途としては、例えば、「パソコン、ディスプレイ等のOA機器の筐体及び部品、携帯電話、スマートフォンタブレットPC等の携帯情報端末の筐体及び部品、デジタルカメラ、オーディオ等の光学機器の筐体及び部品、エアコン、照明機器等の家電製品の筐体及び部品、それぞれの筐体及び部品に貼り付けるリブ等の補強材」などが挙げられる。また、自動車、二輪車用部品として、「バンパー、アンダーカバー、エンジンカバー、エアロパーツなど外装部品、及び外装部品の1以上の側面に貼り付けるリブ等の補強材」、「インストルメントパネル、シートフレーム、ドアトリムなどの内装部品、及び内装部品の1以上の側面に貼り付けるリブ等の補強材」などが挙げられる。航空機用部材として、「スポイラー、ランディングギアポット、リブ」などが挙げられる。更に「樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)からなる成形体の補強材、樹脂と強化繊維からなる成形体の補強材、植物由来のシート(クラフト紙、段ボール、感熱紙、段ボール耐水紙、耐油紙、絶縁紙、導電紙、剥離紙、防錆紙、含浸紙、グラシン紙、グラファン、セルロースナノファイバーシート、コルクボードなど)の補強材」などが挙げられる。
このように、本発明の成形体用シートは、加工適性に優れ軽量で強度が高いため、電気、電子機器用の筐体、自動車等の部材、補強材、その他多種多様な用途に好ましく用いられる。
以下のようにして、表1に示す割合で各繊維を含む繊維強化プラスチック成形体用基材(湿式不織布)を製造した。
なお、ガラス繊維としては、重量平均繊維長が18mm、直径が9μmのユージー基材社製のガラス繊維(丸断面繊維)を用いた。また、酸変性ポリプロピレン繊維(熱可塑性樹脂繊維)としては、重量平均繊維長が15mmであって、繊維断面の長径および短径がいずれも18μmのダイワボウポリテック社製の酸変性ポリプロピレン繊維(丸断面繊維)を用いた。
次いで、酸変性ポリプロピレン繊維と、バインダー成分としてポリビニルアルコール(PVA)繊維(クラレ社製、VPB105−2)と、PET/変性PET芯鞘バインダー(芯鞘PET)繊維(クラレ社製、N720)を表1の配合比(質量比)となるように投入した。このようにして得た原料液は回転数250rpmで攪拌を続けた。
その後、原料液に水を加え、固形分濃度(ガラス繊維、酸変性ポリプロピレン繊維、芯鞘PET繊維、ポリビニルアルコール繊維の合計濃度)が0.5質量%となるように調製した。
ガラス繊維の代わりに、扁平ガラス繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。扁平ガラス繊維としては、重量平均繊維長が13mm、繊維断面の長径が28μm、短径が7μm、比(長径/短径)が4の日東紡社製の扁平ガラス繊維を用いた。
実施例1で用いたオキサゾリン水溶液を、0.5質量%のオキサゾリン水溶液と
0.5質量%のエポキシ系シランカップリング剤水溶液(信越化学工業社製、KBM−403)の等重量混合液に変更した以外は、実施例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
実施例1で用いたオキサゾリン水溶液を、0.75質量%のオキサゾリン水溶液と0.75質量%のエポキシ系シランカップリング剤水溶液の等重量混合液に変更した以外は、実施例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
実施例1で用いたオキサゾリン水溶液を、1.5質量%のオキサゾリン水溶液と1.5質量%のエポキシ系シランカップリング剤水溶液の等重量混合液に変更した以外は、実施例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
扁平ガラス繊維の含有率を60質量%とし、1.5質量%のオキサゾリン水溶液と1.5質量%のエポキシ系シランカップリング剤水溶液の等重量混合液に変更した以外は、実施例3と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用基材を得た。このようにして得た繊維強化プラスチック成形体用基材を16枚積層し、250℃に予熱したホットプレス内に入れ、温度:250℃、圧力:20MPa、時間:60秒間の条件で、加熱加圧成形を行った。その後、50℃に冷却し、厚み1.1mmの繊維強化プラスチック成形体を得た。
酸変性ポリプロピレン繊維の代わりに、重量平均繊維長が15mm、繊維断面の長径および短径がいずれも19μmの東レ社製のナイロン繊維(丸断面繊維)を用いた以外は、実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用基材を得た。このようにして得た繊維強化プラスチック成形体用基材を16枚積層し、270℃に予熱したホットプレス内に入れ、温度:270℃、圧力:10MPa、時間:60秒間の条件で、加熱加圧成形を行った。その後、50℃に冷却し、厚み1.1mmの繊維強化プラスチック成形体を得た。
オキサゾリン水溶液に浸漬しなかった以外は、実施例1と同様にして、繊維強化プラスチック成形体を得た。
オキサゾリンの代わりに、カルボジイミド(日清紡社製、V−02−L02)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、繊維強化プラスチック成形体を得た。
オキサゾリンの代わりに、ブロックイソシアネート(第一工業製薬社製、BN−77)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、繊維強化プラスチック成形体を得た。
(曲げ強度)
実施例及び比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体について、JIS K 7074(炭素繊維プラスチック成形体の曲げ試験方法)に準じて、繊維の配向方向(マシンディレクション、以下「MD方向」という。)およびMD方向と直交する方向(クロスディレクション、以下「CD方向」という。)の曲げ強度を測定した。各方向の曲げ強度から曲げ強度の相乗平均値を算出し、表1の「曲げ強度」の欄に記載した。
曲げ強度(相乗平均値)=√(MD方向の曲げ強度×CD方向の曲げ強度)
実施例及び比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体について、JIS K 7074(炭素繊維プラスチック成形体の曲げ試験方法)に準じて、繊維の配向方向(マシンディレクション、以下「MD方向」という。)およびMD方向と直交する方向(クロスディレクション、以下「CD方向」という。)の曲げ弾性率を測定した。各方向の曲げ弾性率から曲げ弾性率の相乗平均値を算出し、表1の「曲げ弾性率」の欄に記載した。
曲げ弾性率(相乗平均値)=√(MD方向の曲げ弾性率×CD方向の曲げ弾性率)
Claims (11)
- ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維と、オキサゾリン系架橋剤と、シランカップリング剤とを含有する繊維強化プラスチック成形体用基材であって、
シランカップリング剤の含有量は、前記繊維強化プラスチック成形体用基材の全質量に対して0.1〜5質量%である繊維強化プラスチック成形体用基材。 - 前記官能基を有する熱可塑性樹脂繊維は、ナイロン又は酸変性ポリプロピレンである請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
- 前記シランカップリング剤は、前記ガラス繊維と前記官能基を有する熱可塑性樹脂繊維とを含むシート基材に含浸させたものである請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
- 前記ガラス繊維は、扁平ガラス繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
- 前記オキサゾリン系架橋剤の含有量は、前記繊維強化プラスチック成形体用基材の全質量に対して0.1〜5質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
- 前記官能基を有する熱可塑性樹脂繊維は、酸変性ポリプロピレンであり、前記シランカップリング剤は、エポキシ系シランカップリング剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
- 前記官能基を有する熱可塑性樹脂繊維は、ナイロンであり、前記シランカップリング剤は、アミン系シランカップリング剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
- 前記ガラス繊維の含有量は、50〜85質量%である請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
- ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維と、オキサゾリン系架橋剤と、シランカップリング剤とを含有する繊維強化プラスチック成形体用基材を、前記官能基を有する熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体。
- 前記ガラス繊維は、扁平ガラス繊維である請求項9に記載の繊維強化プラスチック成形体。
- ガラス繊維と、官能基を有する熱可塑性樹脂繊維とを混合し、湿式抄紙法又は乾式抄紙法で抄紙し、シート基材を得る工程と、
前記シート基材にオキサゾリン系架橋剤を含浸させる工程と、
前記シート基材にシランカップリング剤を含浸させる工程と、
前記オキサゾリン系架橋剤と前記シランカップリング剤が含浸したシート基材を80〜150℃で乾燥する工程を含む繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
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