JPH02251651A - Frp用繊維質シート状物及びその製造方法 - Google Patents

Frp用繊維質シート状物及びその製造方法

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JPH02251651A
JPH02251651A JP1068993A JP6899389A JPH02251651A JP H02251651 A JPH02251651 A JP H02251651A JP 1068993 A JP1068993 A JP 1068993A JP 6899389 A JP6899389 A JP 6899389A JP H02251651 A JPH02251651 A JP H02251651A
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JP
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mat
fiber bundles
fibers
water
frp
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JP1068993A
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English (en)
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Yutaka Kawaguchi
裕 川口
Keita Miyasato
桂太 宮里
Arata Kasai
新 河西
Shoichi Watanabe
正一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、繊維強化プラスチック(以下FRPという)
の補強材として使用する補強用繊維質シート状物及びそ
の製造方法に関し、更に詳しくは、シートモールデイン
グコンパウンド法、レジンインジェクション法等によっ
てFRP製品を製造する際に使用するFRP用繊維質シ
ート状物、スタンピング成形においてスタンパブルシー
トとして使用するFRP用繊維質シート状物及びこれら
の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、FRPを製造するには、補強用のm維質シート
状物にマトリックス樹脂を含浸させてシート状とした樹
脂含浸シートを用意し、この樹脂含浸シートを金型で加
圧、加熱するシートモールデイングコンパウンド法、或
いは、補強用の繊維質シート状物を金型内にセントし、
液状のマトリックス樹脂を注入するレジンインジェクシ
ョン法等が採られている。ここで使用する補強用の繊維
質シート状物としては、ガラス繊維束をマット状に成形
したものが広く使用されている。
この種のシート状物には、構成する繊維の形状及び結合
方法の違いにより、コンテイニアスストランドマント(
以下C3Mという)、チョツプドストランドマット(以
下CMという)、ニードリングマント(以下NMという
)等がある。
C3M及びCMは、繊維束を長いまま、或いは短く切断
し、コンベア上にマント状に集積し、繊維束自体の持つ
サイジング剤により、又は、粉末状接着剤若しくは水溶
性接着剤を添加することにより、繊維束同志を結合し、
ハンドリング可能なマットとしたものである。このC3
M及びCMは、クロスに比べて安いことから、大量に使
用されている。しかしながら、C3M及びCMは繊維束
で構成されており、且つ繊維束がマット内であまりばら
けておらず、繊維束として存在しているため2次のよう
な問題があった。すなわち。
これらのマットを使用してFRPを製造すると、繊維束
部分に含まれるマトリックス樹脂に比べて、繊維束の外
側にあるマトリックス樹脂がはるかに多いので。
不飽和ポリエステル樹脂の様に収縮率の大きい樹脂を用
いた場合には、FRPの表面に繊維束が浮き出し。
表面の平滑性を損なうという問題があった。
この問題を解決するため、偏平繊維束を用いる方法(特
開昭56−4759号公報参照)9表面の繊維束を集束
本数の少ない細いものにする方法2等が提案されている
が、まだ十分なものではない、また、不織布やサーフェ
シングマットを表面に貼って表面を平滑にすることも行
われているが、接着剤により樹脂の浸透が悪くなる。C
3Mの特徴であるプレスによる探しぼり成型ができない
等の不都合が生じる。
更に、C3M、CMに用いる繊維束には、集束のためサ
イジング剤が固形分で0.1〜1.5wt%、ta維束
同志の結合剤が2〜6wt%含まれるが、これらが、乾
燥。
成型による加熱等により熱変化し1斑点状の着色を生じ
るのみならず、電気的性能や耐候性、耐水性等に問題を
生じる場合もある。
NMは、上記の接着剤による欠点を解消するためにマン
ト中の接着剤含有量を少な(シ、その代りにマット中の
繊維束の結合をニードリングによって行ったものである
。しかしながら、NMにおいて繊維束同志を強固に結合
するためには、ニードリング個数がIn?当たり20万
〜50万個とすることが必要であり、このため、生産速
度が遅いのみならず、繊維がケバ立って綿状となり、樹
脂のしみ込みが悪化する。また、ニードリングによる結
合は樹脂による結合よりもゆるやかなため、マットが厚
くなり、樹脂の流動が不均一となり易く、成型品中に気
泡を含み易いという問題点がある。
このように、マットを構成する繊維束が開繊され。
偏平で結合剤が少ないマントは種々の利点があるためそ
の出現が望まれていたにもかかわらず、従来はこの二つ
の条件を同時に満たすものは、開発されていなかった。
また、FRP製造の他の方法として、C3Mに熱可塑性
樹脂を含浸して板状としたものを重ねたり、或いはC3
Mと熱可塑性樹脂シートとを交互に重ね、加熱した金型
に入れてプレス成型するスタンピング成型法が知られて
いる。しかしながら、このスタンピング成型法でも、C
3Mを使用しているため、上記したように成型して得た
FRP表面に繊維束が浮き出し1表面の平滑性が悪いと
いう問題があった。更に、C3Mに熱可塑性樹脂を含浸
して板状としたスタンパブルシートは、C3Mに比べて
硬く、取り扱い性が悪い7作業性が悪い等の欠点があっ
た。また、C3Mと熱可塑性樹脂シートとを交互に重ね
て成型する場合には、樹脂によっては樹脂がC3M内に
十分には含浸しない場合があり、十分な強度が得られな
いという問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はかかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもの
で、従来のC3M、CMがFRPにした時、製品表面に
繊維束が筋状に浮き出す、接着剤が製品表面に斑点状の
変色となって現れるという欠点を克服したFRPの補強
用繊維質シート状物を提供することを目的とする。
本発明は、また、取り扱いや作業性が容易で、且つ樹脂
の含浸が良好であり、スタンパブルシートとしてスタン
ピング成型に好適に使用できるFRP用繊維質シート状
物を提供することを目的とする。
更に9本発明は上記のシート状物の製造方法を提供する
ことも目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上記問題点を解決するため鋭意検討の結
果、無撚の無機繊維束から、或いは無撚の無機繊維束と
無撚の熱可塑性樹脂繊維束から接着剤を使用することな
(形成したマット状物に、ウォータージェットを加える
と、マント状物中の無撚の繊維束を開繊し。
且つ繊維同志を交絡させて、比較的均一に繊維が分布し
た繊維質シート状物を形成できること、及びこの繊維質
シート状物を用いてFRP製品を作ると9表面の平滑な
FRP製品を得ることができることを見出し。
本発明を完成させたものである。
すなわち1本願第一の発明は、無撚の無機繊維束で形成
したマント状物にウォータージェットニードリングを施
し、繊維束を開繊すると共に繊維を交絡させてなるFR
P用繊維質シート状物を要旨とする。
また9本願第二の発明は、無撚の無機繊維束と無撚の熱
可塑性樹脂繊維束で形成したマット状物にウォータージ
ェットニードリングを施し、繊維束を開繊すると共に繊
維を交絡させてなるFRP用繊維繊維−ト状物を要旨と
する。
更に本願第三の発明は、水中から水面上方に向かって傾
斜して走行する通水性のコンベアを有する水槽中に、無
撚の繊維束を連続したまま或いは切断しながら供給し、
前記コンベア上にマット状に集積し、該コンベア上に形
成したマント状物を水面上方に搬送した後ノズルから噴
射される液状流体をマント状物の上方からマント面に衝
突させることにより、繊維束を開繊すると共に繊維を交
絡させることを特徴とするFRP用繊維質シート状物の
製造方法を要旨とする。
以下2本発明を更に詳細に説明する。
本願第−及び第二の発明の繊維質シート状物に使用する
無機繊維束は、FRPの補強繊維として作用するもので
あり、具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維等
が挙げられる。繊維束を構成する各繊維の太さは3〜3
0μ程度が好ましい。集束本数は20〜4000本程度
のもの程度用できるが、好ましくは、20〜100本に
分割して集束されたものを使用すると繊維分布の均一性
が得やすく、成型品(FRP製品)の表面平滑性の改善
にも効果的である。なお1本願第一の発明の繊維質シー
ト状物を構成する繊維束は、無機繊維束のみに限定され
るものでなく、必要に応じ他の繊維束9例えば有機繊維
束を併用してもよい。
また1本願第二の発明の繊維質シート状物に使用する熱
可塑性樹脂繊維は、FRPのマトリックス樹脂を構成す
るものであり、具体的には、ポリオレフィン樹脂繊維、
ポリアミド樹脂繊維、ポリカーボネート樹脂繊維、ポリ
エーテルイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等の熱可塑性
樹脂繊維から目的に応じて選ばれる。これらの繊維の太
さは、20〜30μが好ましい、集束本数は特に限定さ
れるものではないが、20〜4000木程度が好ましく
、特に20〜100本が好ましい。
この繊維質シート状物は3通常スタンパブルシートとし
て使用されるものであり、このため、内部に混入する無
機質繊維束と熱可塑性樹脂繊維束との混合割合は最終製
品であるFRPに要求される性能に応じて決定されるが
2通常、補強用の無機質繊維の量が、5〜80重景%、
好ましくは10〜60重量%に選定される。
上記繊維質シート状物に使用する無機質繊維束、熱可塑
性樹脂繊維束はいずれも、連続したものであっても、或
いは適当な長さで切断した繊維であってもよい。
これらの繊維束は無撚の状態でマット状物を形成するが
8本発明において「無撚」とは、完全な無撚の状態に限
定するものではなく、多少の撚り(例えば、繊維束のケ
ーキから繊維束を中心方向に繰り出す際に繊維束に与え
られる撚り程度)がかかっていても、ウォータージェッ
トニードリングによって繊維が開繊される程度であれば
、「無撚」の範囲内に含むものである。
無撚の繊維束で形成するマット状物とは3通常は従来の
C3MやCMを作る場合のように、繊維束をランダムに
コンベア上に集積して形成したマット状のものを示すが
、これ以外にも、多数の繊維束をシート状に引き揃えた
もの、これを更に積層したもの(方向は任意)、前記の
ランダムに集積したマット状のものと多数の繊維束を引
き揃えたものとを積層したもの等を含むものである。
マット状物に施すウォータージェットニードリングにつ
いては後述する。本発明の繊維質シート状物は。
ウォータージェットニードリングによって繊維を交絡さ
せ、繊維を相互に結合して保形性を与え、容易に取り扱
うことの可能なシート状物としたものであるが。
繊維間の結合をより強くするために、接着剤を併用して
もよい。但し、従来のC3M、CMに比べて使用接着剤
量は少量でよい、また、繊維を一層交絡させるため及び
樹脂の含浸性を向上させるために、金属針によるニード
リングを施すことも可能である。但し、従来のNMに比
べてニードリング密度ははるかに少量でよい。
次に9本発明による上記の繊維質シート状物の製造方法
を図面の実施例を参照して説明する。
第1図において、1.2は繊維束ケーキであり、この繊
維束ケーキから引き出しローラ3によって繊維束4が引
き出され1wI振りしながら連続したまま水槽5に供給
される。ここで、繊維束ケーキ1.2は繊維質シート状
物を構成する繊維束を供給するものであり。
通常2本願第一の発明になる繊維質シート状物を製造す
る場合には、無機繊維束ケーキのみが使用されるが。
本願第二の発明になる繊維質シート状物を製造する場合
には、無機繊維束ケーキと熱可塑性樹脂繊維束ケーキが
使用される。
なお、繊維束の供給は、必ずしもケーキを使用する必要
はなく1例えばガラス繊維紡糸装置で形成したガラス繊
維束を直ちに水槽5に供給する方法を取ってもよい、ま
た、引き出しローラ3のところに切断装置を設け、繊維
束を適当な長さに切断した後、水槽5に供給する構成と
してもよい、引き出しローラ3に代えて。
エアサッカー、ホイールブリング等が使用されてもよい
。いずれにしても、ta維束4が水槽5に供給され。
水槽5中を移動する有孔コンベア、ネットコンベア等の
通水性のコンベア6上にマント状に堆積される。
コンベア6は無端状のもので、駆動ローラ7及び多数の
ガイドローラ8で案内され1図示したように、その一部
が水槽5内に浸漬するように配置されている。
水槽5内に位置するコンベア6の一部即ち水中走行部6
aは、水中から水面上方に向かって傾斜して走行するよ
うに配置されており、この水中走行部6aの水平に対す
る傾斜角θは1通常5〜30度、好ましくは。
10〜20度である。前記した繊維束4は、コンベア6
の水中走行部6aの上方に供給され、水中に沈降した後
コンベア6上に堆積して、均一な厚さのマット状物を形
成する。ここで、繊維束の落下位置が水深の深い部分で
あると、水流により繊維が移動し、繊維束の分布が均一
でなくなる場合があるので、繊維束の落下位置は水深の
浅い部分とすることが望ましい、コンベア6上に形成さ
れるマット状物の重量としては、20〜1000g/r
rf程度が好ましい。
水槽5に供給された繊維束4は、水に接触し且つ沈降す
る間に開繊が起こり、偏平に広がる。特に、繊維束とし
てガラス繊維束を用いかつ紡糸、集束後直ちに水中に落
とす場合や、少量の水溶性集束剤を付与された繊維束を
用いる場合には、水中での繊維の開繊が大きく、従って
、水槽を使用せずコンベア上に直接繊維束を供給してマ
ント状物を形成する場合に比べて、繊維が均一に広がっ
たマット状物が形成される。
水槽5内でコンベア6上に沈降し、マント状物を形成し
た繊維束は、コンベア6の走行によって水中から外に出
て、その後自然脱水により、マット状物9を形成する。
このマント状物9において、繊維束は脱水時の水流と保
有する水の表面張力により、コンベア6上に密着した状
態となっている。
次に、このマット状物9はコンベア6の走行によって、
高圧水噴射ノズル群10の下を通過する。高圧水噴射ノ
ズル群10は液状流体2例えば水を高速で噴射し、マッ
ト状物9の上方からマット上面にウォータージェット流
11を衝突させる。これにより、マット状物、9を構成
した繊維束がウォータージェットにより開繊されて広が
り1個々の繊維も一部はウォータージェットの下向きの
流れ及び衝突してからの上向き及び水平方向の流れに乗
って他の場所の繊維の間に流れ込み、水の流出後はその
位置に留まって交絡を作る。この繊維の上下、左右方向
の交絡によって、ハンドリングに耐える強度及び保形性
を持った繊維質シート状物12が形成される。この工程
をウォーターシェアドニードリングという。ここで、ウ
ォータージェットニードリングを受けるマント状物9は
、前記したように水を含んでおり9その表面張力等によ
ってコンベア6上に密着した状態となっているので、ウ
ォータージェットが各繊維束に効率良く当たり、繊維の
開繊及び交絡を効率よ(行うことができ、また、繊維が
ウォータージェットによって吹き飛ばされるということ
もない。従ってウォータージェットニードリングを極め
て効率良く行うことができる。もし、水槽を使用せずコ
ンベア上に直接繊維束を供給して形成したマント状物に
ウォータージェットを与えた場合には、そのマット状物
がふわふわした嵩高な状態となっているので、ウォータ
ージェットの効果が少なく、また、ウォータージェット
で繊維が吹き飛んでしまう場合があるが2本発明の方法
ではこのような問題が生じない。
ウォータージェットニードリングに使用する高圧水噴射
ノズル群10としては9例えば、特公昭61−2309
00号公報等に開示された公知の装置を使用することが
できる。ウォータージェットニードリングに使用する液
状流体は水のみでも良いし、シラン系カップリング剤な
どの繊維表面処理剤、或いは用途によっては公知の接着
剤を含ませることももできる。高圧水の噴射圧は、ノズ
ルの吐出口径、吐出口からマント状物までの距離、及び
ノズルとマット状物の相対的移動速度等の機械的条件と
、マット状物を構成する繊維の種類、形状(集束本数、
長さ)、及び製品としての性能等によって定められるが
3通常ノズルロ径は0.1〜Q、5m、水圧は5〜40
0kg/cslが使用される。ノズル群の位置は固定し
ておいてもよいが、ウォータージェットの強く当たる部
分を中心に開繊が進み、溝状の凹みとなり易いため1通
常は、ノズル群全体が同一平面内で円を描くように、7
00rpm以下の速度で回転運動させ、高圧水がマット
状物全体にまんべんな(当たるようにされる。なお、ノ
ズル群を固定して使用する場合はノズルからの水流の幅
を広げることができる拡散タイプのノズルを用いること
が望ましい。
ウォータージェットニードリングによって形成されたシ
ート状物12は、その後、サクションボックス13上を
通過して水分が吸引脱水され、乾燥機14によって乾燥
され1巻取機15に巻取られ製品とされる。
なお、ウォータージェットニードリングによって供給さ
れた水分は、大部分が直ちにシート状物12から流下し
て分離されているので、サクシランボックス13を省略
してもよい。また、必要に応じ、乾燥機14の下流に通
常のニードリング装置を設け、シート状物12に対して
ニードリングを行ってもよい、ただし、その場合には、
ニードリングによるケバ立ちを防止するため1通常のニ
ードリングによって形成したNMに比べて、ニードリン
グ個数を少なく5例えば、4万〜10万個/イ程度とす
ることが好ましい。
〔作用〕
本願第一の発明になるFRP用繊維繊維−ト状物は無撚
の無機繊維束で形成したマット状物にウォータージェッ
トニードリングを施し、繊維束を開繊すると共に繊維を
交絡させたものである。一般に無機繊維束は。
それ自体のケバ立ち9作業時のバラケ防止等のために油
剤、集束剤が付与されており、これを用いてマットを作
れば、当然繊維束はバラケないので、その外観は太い繊
維が集合した目の荒い組成となる。これに対し。
本発明ではウォータージェットニードリングを施すこと
により、繊維束が開繊され偏平となっており、目の細か
い組成となる。また、繊維が交絡することによりハンド
リングに必要な強度を与えるので、接着剤を省略若しく
は少量とすることができる。更に、ウォータージェット
は1通常のニードリングに用いる金属性の針のように硬
いものではないので、繊維をムリに急角度に曲げること
がなく、繊維の傷みを最少比におさえて繊維間の交絡を
作ることができ、また、ニードリングは金属針で上下に
繊維を絡ませるが、ウォータージェットニードリングは
上下、左右に繊維を交絡させるので、保形性が良い、こ
のため、ウォータージェットニードリングによって作っ
た本発明の繊維質シート状物は、繊維束が偏平になった
目が細かい構造をしており、かつ繊維のケバ立ち、損傷
が少なく、更に保形性が良い、なお、ウォータージェッ
トニードリングでは水圧、水量を自由に変えることがで
きるので、これを変えることにより、所望の特性のシー
ト状物を得ることができる。例えば、水圧を低(、水量
を多くすると、シート状物の表面の繊維束の開繊が進み
1表面平滑性が増し、逆に水圧を高くすると繊維の交絡
が多くなり2強い結合力が得られる。
上記の繊維質シート状物は、従来のC3M、CM。
NM等と同様にFRP製品の補強材として使用される。
例えば、熱硬化性樹脂を含浸させて樹脂含浸シートを作
り9次いで、この樹脂含浸シートを金型にセットして加
圧、加熱することにより、FRP’!!品を作ることが
できる。前記したように本発明のシート状物では繊維束
が開繊され偏平となっているので、繊維束がFRP製品
の表面に筋状に現れることが少なく、平滑な製品表面を
得ることができる。また、繊維が損傷していないので1
強度の大きいFRP製品が得られる。しかも、接着剤を
使用していないか、或いは使用したとしても少量である
ので、接着剤に起因する着色等の欠点を生じることがな
い、更に2本発明のシート状物はウォータージェットニ
ードリングによる繊維同志の絡み合いによって保形性を
持っているシートなので、柔軟で取扱性が良く2曲面を
有する金型に対してもなじみ易く、探しぼりに適してお
り1表面のシワ等の欠点が少ない製品を作ることができ
る。
本願第二の発明になる繊維質シート状物は、無撚の無機
繊維束と無撚の熱可塑性樹脂繊維束で形成したマット状
物にウォータージェットニードリングを施し。
繊維束を開繊すると共に繊維を交絡させたものであり。
上記した本願第一の発明の繊維質シート状物と同様に。
繊維束が偏平になった目が細かい構造をしており、かつ
繊維のケバ立ち、損傷が少なく、更に保形性が良いとい
う特性を有している。
この繊維質シート状物は、スタンピング成型法における
スタンパブルシートとして使用される。すなわち。
この繊維質シート状物を単独で或いは積層して金型内に
セントし、加圧、加熱することにより、シート状物中の
熱可塑性樹脂繊維が溶融し、無機繊維中にマトリックス
樹脂として浸透し、その後冷却することにより、無機繊
維で補強されたFRP製品を得ることができる。ここで
、マトリックス樹脂となる熱可塑性樹脂繊維は、補強繊
維である無機繊維間に混在しているため、これを溶融す
ることにより、容易に無機繊維間に浸透させることがで
き、補強繊維とマトリックス樹脂の分散状態の良い製品
を得ることができる。特に、成型の際の作業幅の狭いポ
リアミド樹脂、溶融粘度が高く流れのよくないポリカー
ボネート樹脂、フッ素樹脂等をマトリックス樹脂として
使用したFRP製品を製造する際には、これらの樹脂の
繊維を無機繊維中に混在させた本発明のシート状物を用
いたスタンピング成型により、効果的に高品質のFRP
製品を製造できる。
本願第二の発明になる繊維質シート状物においても補強
材となる無機繊維束は開繊され偏平となっているので1
表面平滑性の良いFRP製品が得られる。また。
繊維が損傷していないので1強度の大きいFRP製品が
得られる。しかも、接着剤を使用していないが、或いは
使用したとしても少量であるので、接着剤に起因する着
色等の欠点を生じることがない、更に、ウォータージェ
ットニードリングによる繊維同志の絡み合いによって保
形性を持っているシートなので、柔軟で取扱性が良く9
曲面を有する金型に対してもなじみ易く。
探しぼりに通しており1表面のシワ等の欠点が少ない製
品を作ることができる。
本発明の繊維質シート状物の製造方法では、まず。
繊維束を水中に落とし、水中を走行するコンベア上にマ
ント状に堆積させている。繊維束を水中でマット状に堆
積させる工程は、繊維束が水によって開繊され。
空中でコンベア状に堆積させる場合に比べて繊維束の偏
平化を進めることができるという作用を存している。
特に、紡糸直後の繊維に集束剤を付与して集束し、その
繊維束を直ちに水中に落とす場合には、集束剤が乾いて
いないので、水中で繊維がばらけ易く、繊維束がより開
繊されたマット状物を形成できる。更に、水中でマット
状物を形成したため、このマット状物を水の外に搬送し
た時、流出する水流及び保有する水の表面張力によって
、マット状物を形成する繊維束がコンベアに密着した状
態となり、マント状物の密度が高くなっている。このた
め、このマット状物に対して効率良くウォータージェッ
トニードリングを施すことが可能となる。
上記のようにして形成されたマット状物は、その後ウォ
ータージェットニードリングを施される。すなわち、高
圧水噴射ノズル群からのウォータージェットで叩かれ、
繊維束は開繊されてひろがり1個々の繊維も一部はウォ
ータージェットの下向きの流れ及び衝突してからの上向
き及び水平方向の流れに乗って他の場所の繊維の間に流
れ込み、水の流出後はその位置に留まって交絡を作る。
かくして1本願第一の発明或いは第二の発明になる繊維
質シート状物を効率良(、製造することができる。
〔実施例〕
以下9本発明の詳細な説明する。
実施例I 補強用の無機繊維束として、繊維径9μのガラス繊99
200本を50本ずつに4分割して集束したガラス繊維
束(67,5g /1000Il)のケーキ2個を、マ
トリックス樹脂用の熱可塑性樹脂繊維束として、繊維径
25μのポリエーテルイミド樹脂繊維を48本集束した
ポリエーテルイミド樹脂繊維束(86g /1000m
 )のケーキを用意し、これらの繊維束をエアサッカー
により、同時に引き揃え、振り分けしながら、水中を1
5m/分で移動するネットコンベア上に供給し、240
 glrdのマット状物を形成した0次いで、このマッ
ト状物を水中から外に搬送し、水平面内で直径3.2 
elmの円を描くように350回転/分の回転数で回転
している高圧水噴射ノズル群から、水圧200に+r/
cjで噴射されるウォータージェットで処理し、その後
乾燥して繊維質シート状物を得た。
得られた繊維質シート状物は、接着剤、金属針によるニ
ードリングなどの結合手段を使用することなく。
ハンドリングに十分な強度、保形性を有しており、また
、その表面は、従来のC3M、CM、NMに対して繊維
束が偏平になっており、目の細かい外観を呈していた。
この繊維質シート状物を20X20cmに切断し、成型
用プレスの金型中に8枚重ねて入れ、予備加熱後。
360℃で30分間、圧力50kg/−をかけて1.7
flの板状に成型した。得られた成型品の物性を表−1
に示す。
比較例I 295 glrdのニードルパンチしたC3M4枚と。
150 glrdにしたポリエーテルイミド樹脂シート
5枚を樹脂が最外層にくるように積み重ねた後、実施例
Iと同条件で成型した。結果を表−1に示す。
表−1 この表−1の結果より明らかなように、実施例Iによっ
て作った成型品は、比較例■のものに比べ2曲げ強度が
太き(9表面が平滑であり、樹脂含浸が良い等の利点を
有していた。
実施例■ 繊維径9μのガラス繊維に酢酸ビニル系の集束剤を固形
分で0.5wt%付与し、200本を50本ずつに4分
割して集束したガラス繊維束< 67.5 g /10
00m )のケーキ4個を用意し、これらの繊維束をエ
アサンカーにより、同時に引き揃え、振り分けしながら
、水中を15m/分で移動するネットコンベア上に供給
し。
240 g/+t?のマント状物を形成した。次いで、
このマット状物を水中から外に搬送し、水平面内で直径
3゜5cmの円を描くように350回転/分の回転数で
回転している高圧水噴射ノズル群から、水圧200 k
g/c+!で噴射されるウォータージェットで処理し、
その後乾燥して繊維質シート状物を得た。
得られた繊維質シート状物は、接着剤、金属針によるニ
ードリングなどの結合手段を使用することなく。
ハンドリングに十分な強度、保形性を有しており、また
、その表面は、従来のC3M、CM、NMに対して繊維
束が偏平になっており、目の細かい外観を呈していた。
この繊維質シート状物を20X20aiに切断し、それ
を8枚、115℃に保たれた下型上に重ね、不飽和ポリ
エステル樹脂を注ぎ、120℃に加熱した上型を降下さ
せ、10分間加熱し、1.25u+のFRPを得た。
比較例■ 実施例■と同じガラス繊維束のケーキを用い1繊維東ケ
ーキに巻いた繊維束からC3Mを製造する従来の製造法
に従って、繊維束のマットを形成し、且つ不飽和ポリエ
ステル樹脂粉末を3.5wt%付与し、加熱し長尺マッ
トとしてC3Mを形成した。このC3Mを20×20C
11に切断し、実施例■と同様に成型してFRPを得た
これらの実施例■、比較例■によって作った成型品を比
較したところ、実施例■の成型品表面は、比較例■のも
のに比べて1表面のガラス繊維束の浮き出しがなく、平
滑な光沢を持っていた。
〔発明の効果〕
以上に説明したように1本願第一の発明による繊維質シ
ート状物は、シート状物を構成する繊維束が開繊されて
いるので、樹脂の含浸性が良<、FRPに使用した場合
、FRP表面に筋杖に現れることが少なく。
平滑なFRPを得ることができる。また、繊維のケバ立
ち、損傷が少ないので1強度の大きいFRPを得ること
ができる。更に、接着剤を多く使用しないので。
接着剤による着色等の問題がなり、シかも、繊維同志の
絡み合いによって保形性を与えているので、柔軟で取扱
性が良く、探しぼりに適している。
本願第二の発明による繊維質シート状物は、補強材とな
る無1m繊維束と、マトリックス樹脂となる熱可塑性樹
脂繊維束とを混在させており、しかも各繊維を交絡させ
ているので、樹脂の含浸不良がなく、スタンピング成型
に使用して、補強用繊維とマトリックス樹脂とが良好に
分散したFRPを製造することができる。
しかも、上記本願第一の発明と同様に、平滑な表面の且
つ強度の大きいFRPを得ることができ、また、柔軟で
取扱性が良(、探しぼりに遺している等の効果を有して
いる。
更に1本願第三の発明によれば、繊維束から構成したマ
ット状物に対して極めて効率良くウォータージェットニ
ードリングを施すことが可能であり、上記した本願第−
及び第二の発明になる繊維質シート状物を効率良く製造
することができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の繊維質シート状物を製造する装置の1
例を示す概略側面図である。 1.2−・−繊維束ケーキ、3・−引き出しローラ、4
−繊維束、5・−・水槽、6−・−コンベア、63−・
水中走行部。 7−・駆動ローラ、8−ガイドローラ、9・−・マット
状物。 1〇−高圧水噴射ノズル群、11−ウォータージェッ)
、12−繊維質シート状物、13〜・サクションボック
ス、14−・−乾燥機、15−巻取機。 代理人 弁理士 乗 松 恭 三

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) 無撚の無機繊維束で形成したマット状物にウォ
    ータージェットニードリングを施し,繊維束を開繊する
    と共に繊維を交絡させてなるFRP用繊維質シート状物
  2. (2) 無撚の無機繊維束と無撚の熱可塑性樹脂繊維束
    で形成したマット状物にウォータージェットニードリン
    グを施し,繊維束を開繊すると共に繊維を交絡させてな
    るFRP用繊維質シート状物。
  3. (3) 水中から水面上方に向かって傾斜して走行する
    通水性のコンベアを有する水槽中に,無撚の繊維束を連
    続したまま或いは切断しながら供給し,前記コンベア上
    にマット状に集積し,該コンベア上に形成したマット状
    物を水面上方に搬送した後,ノズルから噴射される液状
    流体をマット状物の上方からマット面に衝突させること
    により,繊維束を開繊すると共に繊維を交絡させること
    を特徴とするFRP用繊維質シート状物の製造方法。
JP1068993A 1989-03-20 1989-03-20 Frp用繊維質シート状物及びその製造方法 Pending JPH02251651A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994007668A1 (en) * 1992-10-05 1994-04-14 Polyplastics Co., Ltd. Structure of fiber-reinforced thermoplastic resin and method of manufacturing the same
JP2002178331A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Asahi Fiber Glass Co Ltd シートモールディングコンパウンド
JP2016132680A (ja) * 2015-01-15 2016-07-25 王子ホールディングス株式会社 繊維強化プラスチック成形体用基材、繊維強化プラスチック成形体及び繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法
JP2017125192A (ja) * 2012-02-29 2017-07-20 王子ホールディングス株式会社 繊維強化プラスチック成形用複合材及び繊維強化プラスチック成形体

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