JPH10166362A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JPH10166362A
JPH10166362A JP8336796A JP33679696A JPH10166362A JP H10166362 A JPH10166362 A JP H10166362A JP 8336796 A JP8336796 A JP 8336796A JP 33679696 A JP33679696 A JP 33679696A JP H10166362 A JPH10166362 A JP H10166362A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
powdery
sheet
fiber bundle
resin
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JP8336796A
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English (en)
Inventor
Koji Fujimoto
浩司 藤本
Hiroshi Sugawara
宏 菅原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B15/00Pretreatment of the material to be shaped, not covered by groups B29B7/00 - B29B13/00
    • B29B15/08Pretreatment of the material to be shaped, not covered by groups B29B7/00 - B29B13/00 of reinforcements or fillers
    • B29B15/10Coating or impregnating independently of the moulding or shaping step
    • B29B15/12Coating or impregnating independently of the moulding or shaping step of reinforcements of indefinite length

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートの表面部分等の特定の層状領域もしく
は全体に、シートの樹脂成分とは異なる粉体状物を、シ
ートの樹脂成分に対して均等に分散させた状態で含有さ
せることのできる、繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造
方法を提供する。 【解決手段】 多数の連続モノフィラメントよりなる繊
維束11を、凸曲面を有する振動部材2およびガイド部
材3に交互に圧接させながら通過させ、その通過中に粉
体状熱可塑性樹脂12を連続的に供給して各モノフィラ
メント間に捕捉・含浸させ、その含浸工程中に、粉体状
熱可塑性樹脂12とは異なる粉体状物13を繊維束上に
連続供給した後に、加熱することでシート化することに
より、粉体状物13をシートの粉体樹脂12中に分散さ
せた状態でシート化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリプレグ
シート等、各種繊維強化樹脂成形品等に用いられる複合
シートの製造方法に関し、更に詳しくは、シート中の任
意の層状領域もしくは全体に、そのシートの熱可塑性樹
脂とは異なる成分の粉体状物が均等に分散配置された繊
維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法
として、従来、例えば特開平5−154838号に見ら
れるように、多数の連続モノフィラメントからなる繊維
束を粉体樹脂が収容された流動槽内に導くとともに、繊
維束をモノフィラメント状に開繊させ、開繊した繊維に
粉体樹脂を付着させた後、加熱装置に導いてシート化す
る方法が知られている。
【0003】また、特開平6−278218号において
は、上記と同様に流動槽内で粉体樹脂を付着させた後、
加熱装置に導く前に、樹脂付着繊維束を流動槽の外部に
設けたバーに押し当てつつ、更に粉体樹脂を供給して付
着させる工程を追加することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、繊維強化熱
可塑性樹脂シートに、その熱可塑性樹脂とは異なる粉体
状の物質を混合させたい場合、具体的には、例えばその
シートの表面近傍に別の機能を持たせたい場合等におい
て、上記した特開平6−278218号の提案を適用す
ることが考えられる。
【0005】すなわち、特開平6−278218号の提
案は、流動槽の外部にて更に粉体樹脂を供給することに
よって、強化繊維方向に直交する方向(シートの幅方
向)に均一な肉厚を有するシートを得ることを主たる目
的とするものであり、従ってこの提案方法では、流動槽
の外部で供給する粉体樹脂は、流動槽内部で供給する粉
体樹脂と同一としているのであるが、流動槽内部の樹脂
とは異なる粉体状物を流動槽外部にて供給すれば、その
粉体状物を表面部分に含有した繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートが得られるものと期待される。
【0006】しかし、このような方法によれば、流動槽
外部で供給された粉体状物は、既に流動槽内部にて含浸
された樹脂の表面に散布されるため、繊維束の各フィラ
メント相互間に捕捉、含浸されず、従って、流動槽内部
で供給される樹脂と外部で供給される粉体状物との接着
性が良好でない場合には、得られたシートから粉体状物
が直ぐに剥がれ落ちてしまうという問題がある。
【0007】また、流動槽内において、粉体樹脂と上記
のような粉体状物をあらかじめ混合しておき、その粉体
混合物を流動槽内において繊維束に付着させた場合、粒
径や比重の違い、あるいは強化繊維と接着性の違いによ
り、付着しやすいものから繊維束に付着していくため、
流動槽中の各粉体の割合が徐々に変化し、繊維束に対す
る付着量も樹脂含有率も経時的に変化してしまうという
問題が生じる。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、例えばシートの表面部
分等の特定の層状領域に、もしくはその全体に、シート
の樹脂成分とは異なる粉体状物を、シートの樹脂成分に
対して略均等に分散させた状態で含有させることのでき
る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法
は、多数の連続モノフィラメントよりなる繊維束を、凸
曲面を有する振動部材と、その振動部材に対して交互に
配置され、かつ、凸曲面を有するガイド部材とにそれぞ
れ圧接させながら通過させ、その通過中に、振動してい
る繊維束上に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に供給するこ
とにより、繊維束を開繊させつつ、粉体状熱可塑性樹脂
をその各モノフィラメント相互間に捕捉させて含浸せし
めるとともに、その含浸工程中に、上記粉体状熱可塑性
樹脂とは異なる粉体状物を繊維束上に連続的に供給し、
その後、繊維束に含浸した熱可塑性樹脂を加熱溶融させ
てシート化することによって特徴付けられる。
【0010】ここで、本発明における含浸工程において
は、粉体状熱可塑性樹脂とそれとは異なる粉体状物の供
給の順序は特に限定されないが、シートの表面部分に層
状の粉体状物の含有領域を形成する場合には、粉体状物
を含浸工程の最終段階で供給すること、つまり振動して
いる繊維束上に、粉体状熱可塑性樹脂を供給した後に引
き続いて粉体状物を供給すればよい。
【0011】以上の本発明によれば、繊維束は振動して
いる凸曲面とガイド部材の凸曲面に圧接されることで、
開繊されると同時に各モノフィラメントに振動が付与さ
れ、その振動状態の各モノフィラメントの上から粉体状
熱可塑性樹脂と粉体状物が散布されることで、その各粉
体は各モノフィラメント相互間に確実に浸入する。そし
て、このような振動状態の繊維束に粉体状熱可塑性樹脂
並びに粉体状物を供給するため、これらの各粉体は互い
に混ざり合い、粉体状熱可塑性樹脂の加熱溶融によるシ
ート化後には、粉体状物が樹脂層中に均等に分散される
ことになる。
【0012】そして、本発明における含浸工程の最終段
階で粉体状物を供給すると、その粉体状物は粉体状熱可
塑性樹脂の表層所定領域内においてのみ均等に分散さ
れ、得られるシートには、樹脂層内の表面近傍にのみ粉
体状物が分散して、表面近傍にのみ機能を付与した繊維
強化熱可塑性樹脂シートとなり、しかもその粉体状物は
剥離しにくい。
【0013】なお、粉体状熱可塑性樹脂を流動槽中にお
いて繊維束に含浸させた後、流動槽外部にて、粉体状物
と粉体状熱可塑性樹脂との混合物を散布することも考え
られるが、本発明のように粉体状熱可塑性樹脂の含浸工
程中に粉体状物を散布することにより、あらかじめ混合
する作業を省略することができ、しかも、含浸工程時に
おける各粉体の散布割合や散布手順等の条件によって、
粉体状物の含有率や、粉体状物の含有層の厚みなどを制
御することが可能となり、簡単でよりフレキシビリティ
に富んだ製造方法となり得る。
【0014】本発明において用いられる繊維束として
は、粉体状熱可塑性樹脂の溶融温度において安定である
ものを使用することが好ましく、例えばガラス繊維、カ
ーボン繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ポリアミド
繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維等を挙げることが
でき、引張弾性率が10GPa以上の繊維であれば使用
可能である。
【0015】繊維のモノフィラメントの直径は、1〜5
0μmが好ましく、2〜30μmが特に好ましい。直径
が1μm未満の場合には、振動に生じる張力に耐え得る
強度が得られず、また、得られる繊維強化熱可塑性樹脂
シート強度が充分ではなく、逆に直径が50μmを越え
ると、繊維束に粉体樹脂を付着させるのに充分な開繊状
態とすることができずに付着不足となり、繊維強化熱可
塑性樹脂シートとして要求される強度を得ることが難し
くなる傾向にある。
【0016】繊維束は、通常、フィラメントの集合をポ
リ酢酸ビニル、でんぷん、ポリエステル等の収束剤によ
り結束して繊維束とされるが、繊維に粉体樹脂を均一に
含浸させるためには、モノフィラメント状への開繊が容
易である必要があり、従って収束剤は少量の方がよく、
その量は通常0.1〜5重量%が好ましい。
【0017】本発明において用いられる粉体状熱可塑性
樹脂としては、粉体状であれば任意のものを使用するこ
とができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリ
エーテルエーテルケトン等のほか、熱可塑性エラストマ
ー等を挙げることができる。また、粉体として得られな
い樹脂でも、粉砕等による粉末化が可能であれば使用可
能である。
【0018】上記の粉体状熱可塑性樹脂の粒子径は10
〜300μmが好ましい。粒子径が10μm未満の場合
は、強化繊維に対する粉体樹脂の付着量が少なく、逆に
粒子径が300μmを越えると場合には、フィラメント
が粉体の粒子径以上に開繊しにくくなり、粉体樹脂の含
浸が悪くなる傾向がある。
【0019】なお、上記の熱可塑性樹脂は単独で使用さ
れても併用されてもよく、熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填材、補強単繊
維等の、添加剤、充填材、加工助剤、改質剤等が添加さ
れてもよい。
【0020】一方、本発明の含浸工程中に供給される粉
体状物としては、粉体状のものであれば特に限定され
ず、粉体状の樹脂ならば、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスル
ホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化エチレ
ン、ポリメタクリル酸メチル等のほか、熱可塑性エラス
トマー等を挙げることができる。粉体として得られない
樹脂でも、粉砕等による粉末化が可能であれば使用可能
である。
【0021】シート表面近傍に機能性を付加するという
観点からは、粉体状物としてポリフッ化エチレンを用い
ることにより表面摩擦抵抗の低減、ポリメタクリル酸メ
チルを用いることによって耐候性付与といった機能を持
たせることができる。
【0022】また、本発明おいては、樹脂以外の粉体状
物として、木粉や砂等を用いることもでき、木粉を利用
した場合には、表面に木質感を付与したシートが得られ
る。本発明において用いる粉体状物の粒子径は、粉体状
熱可塑性樹脂と同様に10〜300μmとすることが好
ましい。粒子径が10μm未満の場合には、粉体状物を
保持するためには粉体状熱可塑性樹脂と接触面積が多く
必要となる点に鑑みたとき、熱可塑性樹脂との接触が少
なくなるが故に表面より剥がれ落ちやすくなる。逆に粒
子径が300μmを越えると、熱可塑性樹脂中に含浸し
にくくなるが故に、同じく剥がれ落ちやすくなる。
【0023】本発明において用いられる、凸曲面を有す
る振動部材は、強化繊維束に対して粉体状熱可塑性樹脂
および粉体状物の浸入を促進するものであればよい。ま
た、振動部材の振動数および振幅は、それが経時的に変
化するとそれに連れて粉体樹脂がフィラメント間に浸入
する力が変化し、成形品厚みにムラが発生するので、振
動部材の振動数および振幅は経時的に変化しない一定の
振動を繰り返すようにすることが望ましい。
【0024】そして、その振動部材の振幅は、強化繊維
束に対して確実に振動が伝わり、かつ、その振動によっ
て粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維間への浸入を向上させ
るために、0.1〜10mm程度とすることが好まし
い。振幅が0.1mm未満であれば強化繊維束に対して
振動を確実に伝達することができず、また、振幅が10
mmを越えると強化繊維束がモノフィラメント単位で破
断してしまう可能性があるので好ましくない。振動数は
通常15〜300Hzとすることが好ましく、振動数が
小さすぎると粉体樹脂の含浸性の効果が小さく、大きす
ぎると粉体状樹脂が落下してしまうので好ましくない。
【0025】この凸曲面を有する振動部材の形状は、振
動を強化繊維束に伝達できる形状であればよく、横断面
が凸状の曲面に形成された面状(板状)の部材であって
もよいし、横断面が円形、半円形、略三角形、略四角形
等に形成された棒状部材であってもよい。ただし、横断
面が略三角形および略四角形の場合は、強化繊維に接触
する角部はモノフィラメントを傷つけず、かつ、破断さ
せないように丸みを持たせる必要がある。
【0026】また、凸曲面を有する振動部材の設置数
は、1つでは粉体状樹脂を強化繊維束中に取り込む効果
が少なく、また、多すぎても粉体状樹脂が強化繊維束に
入り込むのに飽和状態となるので、2〜20個程度でよ
い。
【0027】この凸曲面を有する振動部材の材質は、金
属、プラスチック等のフィラメントを傷つけず、かつ、
破断させない表面状態のものが好ましいが、これらに限
定されるものではない。
【0028】上記の振動部材を振動させる装置ないしは
機構としては、モータとカム、エアー弁、油圧弁を使用
したものや、高周波の振動を与えるバイブレータ等を用
いることができる。また、これらを組み合わせた振動装
置を使用してもよい。
【0029】一方、凸曲面を有するガイド部材の形状、
材質等は、上記した振動部材と同様のものでよい。ま
た、このガイド部材は、振動せずに固定されたものとす
るかほ、振動部材と同様に振動させてもよい。このガイ
ド部材の設置数は、上記した振動部材の数に応じて適宜
に設定される。
【0030】本発明において、振動している強化繊維束
上に一定量の粉体状熱可塑性樹脂を供給するには、一般
的な供給装置を用いればよく、具体的には、例えば一定
目開きの篩、ベルトフィーダ、スクリューフィーダ等を
挙げることができる。
【0031】また、粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束中
の各モノフィラメント間への侵入を容易にするために、
空気と粉体状熱可塑性樹脂とを混合した後、これを強制
的に上方あるいは上下左右方向より繊維束に吹きつけて
供給する方法を採用することができる。この場合には、
例えばエゼクタフィーダやエアスライドフィーダ等を用
いればよい。
【0032】粉体状物の強化繊維束に対する供給は、粉
体状熱可塑性樹脂の供給と同等の方法を用いて強化繊維
束上に均一に散布するか、あるいは、成形品の厚みムラ
が発生しない範囲で不均一に散布してもよい。
【0033】繊維束中のフィラメントに付着した粉体状
熱可塑性樹脂を加熱して溶融させるための加熱装置とし
ては、加熱ロール、熱風装置、遠赤外線ヒータ等の汎用
加熱手段を使用することができる。また、シート化する
ための押圧部材としては、加熱装置として加熱ロールを
用いる場合にはそのロール面に圧接するだけでよく、熱
風装置、遠赤外線ヒータを用いる場合には、ガイドロー
ルに押圧しながら加熱を行う。加熱温度は粉体状熱可塑
性樹脂の種類、加熱時間に応じて適宜選択される。
【0034】また、加熱溶融してシート化したものを冷
却する方法としては、冷却ロール、ブロア等を用いるこ
とができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明を適用して実際に繊維強化熱可
塑性樹脂シートを製造した実施例について、比較例とと
もに述べる。
【0036】<実施例>図1はこの実施例で用いた製造
装置の構成を示す模式図であり、強化繊維束11は図中
左方から右方へと向かって送られ、以下の説明において
は、図中右方を前方と称する。
【0037】強化繊維束11を巻回した繰り出し機1の
前方に、それぞれが凸曲面を持つ複数の振動部材2並び
にガイド部材3とを交互に配置した。各振動部材2・・2
並びに各ガイド部材3・・3は、この例においてそれぞれ
円柱状部材であり、強化繊維束11の進行方向に対して
直交する姿勢で配列した。各振動部材2・・2は、フレー
ム2aを介して振動装置4に連結して、一斉に振動を与
えた。このフレーム2aは、各振動部材2・・2の両端を
それぞれ鉛直の支持部材の頂部で支持するとともに、そ
の各支持部材の根元部分を水平のフレーム本体に固着し
た構造とし、フレーム本体を振動装置4の加振部分に接
触させることにより、各振動部材3・・3を加振した。な
お、各ガイド部材3・・3は、フレーム2aとは切り離さ
れた別のフレーム(図示せず)に固定した。
【0038】振動部材2・・2とガイド部材3・・3の列の
上方には、粉体状熱可塑性樹12を散布するための粉体
樹脂供給装置5,5と、粉体状物13を散布するための
粉体状物供給装置6を配置した。
【0039】振動部材2・・2とガイド部材3・・3の前方
には、加熱ロール7、冷却ロール8、および引取機9を
順に配置し、更にその前方に巻取機10を配置した。さ
て、以上の製造装置を用いて、繰り出し機1から、直径
約23μmのフィラメントより構成されるロービング状
のガラス繊維束11(4400tex)を上下各16本
ずつ繰り出し、振動部材2・・2とガイド部材3・・3の列
に導き、振動部材2とガイド部材3に交互に圧接させな
がら通過させつつ、その上方から粉体状熱可塑性樹脂1
2を散布した後に、続いて粉体状物13を散布すること
により、繊維束11を開繊させるとともに、振動してい
る繊維束11に粉体状熱可塑性樹脂12を散布して、そ
の粉体状熱可塑性樹脂12を繊維束11の各モノフィラ
メント相互間に捕捉させて含浸させたうえで、更に振動
している繊維束11に粉体状物13を散布した。
【0040】粉体状熱可塑性樹脂12の組成は、ポリ塩
化ビニル(溶融粘度2.4×105ポイズ)100重量
部、錫系熱安定剤2重量部、ポリエチレンワックス0.
5重量部からなるものとし、粒子径は約80μmのもの
とした。また、粉体状物13は、粒径が約100μmの
木粉とした。
【0041】振動部材2・・2およびガイド部材3・・3は
いずれも鉄製とし、横断面が直径50mmの円形で、長
さが600mmのものを用いた。振動装置4にはバイブ
レータを用い、振動方向を上下方向とし、振幅0.3m
m、振動数240Hzの振動を各振動部材2・・2に付与
した。
【0042】粉体状熱可塑性樹脂12および粉体状物1
3の散布後の繊維束11を、約200°Cに加熱ロール
7にて加熱、加圧し、粉体状熱可塑性樹脂12を溶融・
含浸させた後、冷却ロール8にて冷却し、引取機9によ
り厚み0.5mm、幅560mmで、その片側の表面に
木質感を有する繊維強化熱可塑性樹脂シート14を引き
取り、巻取装置10に巻き取った。
【0043】このようにして得られた繊維強化熱可塑性
樹脂シート14の断面図を、図2に模式的に示す。図に
おいてPは熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)、Gは
ガラスフィラメント、Wは木粉である。
【0044】<比較例>図1に示した製造装置におい
て、粉体状物供給装置6を用いず、粉体状物(木粉)1
3を加熱ロール7の直前において、繊維束11に振動を
加えることなく散布した。その他は実施例と全く同じと
した。
【0045】この比較例によって得られた繊維強化熱可
塑性樹脂シートの断面図を図3に模式的に示す。 <実施例および比較例で得たシートの評価>実施例およ
び比較例で得たシートの各模式的断面図に示したよう
に、実施例で得られた繊維強化熱可塑性樹脂シートの表
面近傍には、木粉Wが熱可塑性樹脂Pにほぼ均等に分散
した状態で混じり合っているのに対し、比較例により得
られた繊維強化熱可塑性樹脂シートでは、木粉Wは熱可
塑性樹脂Pと混じることなく、シートの表面のみに単独
で存在している。その結果、実施例により得られたシー
ト表面の木粉Wは熱可塑性樹脂P中に含浸されているが
故に剥がれ落ちが少ないのに対し、比較例で得られたシ
ートの表面の木粉は容易に剥がれ落ちてしまうことが確
かめられた。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、多数の
連続モノフィラメントよりなる繊維束を、振動部材とガ
イド部材とに交互に圧接させて振動させつつ開繊させる
とともに、その振動中の繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を
連続的に供給して各モノフィラメント間に含浸させる工
程中に、その粉体状熱可塑性樹脂とは異なる粉体状物
を、振動している繊維束に連続的に供給するから、加熱
溶融してシート化することによって得られた繊維強化熱
可塑性樹脂シートには、例えばその表面近傍等の所望の
領域に、粉体状物が樹脂中に均等に分散した層を形成す
ることができ、例えば表面近傍のみに特定の機能を備え
た繊維強化熱可塑性樹脂シートを安定して得ることがで
きる。
【0047】また、粉体状物をシートの表面近傍にのみ
混合させる場合には、粉体状熱可塑性樹脂の含浸工程の
最終段階において振動している繊維束に粉体状物を供給
するため、その粉体状物の供給前に散布した粉体状熱可
塑性樹脂の落下物は、粉体状物と混じることなく一成分
であるため、回収・再利用が可能である、という利点も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例で用いた繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートの製造装置の構成を示す模式図
【図2】本発明実施例で得られた繊維強化熱可塑性樹脂
シートの模式的断面図
【図3】比較例で得られた繊維強化熱可塑性樹脂シート
の模式的断面図
【符号の説明】
1 繰り出し機 2・・2 振動部材 3・・3 ガイド部材 4 振動装置 5 粉体状熱可塑性樹脂供給装置 6 粉体状物供給装置 7 加熱ロール 8 冷却ロール 9 引取機 10 巻取機 11 強化繊維束 12 粉体状熱可塑性樹脂 13 粉体状物 14 繊維強化熱可塑性樹脂シート G ガラスフィラメント P 熱可塑性樹脂 W 木粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントよりなる繊
    維束を、凸曲面を有する振動部材と、その振動部材に対
    して交互に配置され、かつ、凸曲面を有するガイド部材
    とにそれぞれ圧接させながら通過させ、その通過中に、
    振動している繊維束上に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に
    供給することにより、繊維束を開繊させつつ、粉体状熱
    可塑性樹脂をその各モノフィラメント相互間に捕捉させ
    て含浸せしめるとともに、その含浸工程中に、上記粉体
    状熱可塑性樹脂とは異なる粉体状物を上記繊維束上に連
    続的に供給し、その後、繊維束に含浸した熱可塑性樹脂
    を加熱溶融させてシート化する、繊維強化熱可塑性樹脂
    シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記粉体状物を、上記含浸工程における
    最終段階において供給することを特徴とする、請求項1
    に記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
JP8336796A 1996-12-17 1996-12-17 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 Pending JPH10166362A (ja)

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