JPH0957862A - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents

繊維複合シートの製造方法

Info

Publication number
JPH0957862A
JPH0957862A JP7221700A JP22170095A JPH0957862A JP H0957862 A JPH0957862 A JP H0957862A JP 7221700 A JP7221700 A JP 7221700A JP 22170095 A JP22170095 A JP 22170095A JP H0957862 A JPH0957862 A JP H0957862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber bundle
thermoplastic resin
resin
suction
reinforced fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7221700A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hirao
浩一 平尾
Koji Yamaguchi
公二 山口
Mitsuo Okubo
光夫 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP7221700A priority Critical patent/JPH0957862A/ja
Publication of JPH0957862A publication Critical patent/JPH0957862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイド率を低くし強度が大で肉厚が均一な繊
維複合シートを得る。 【解決手段】 強化繊維束F1を、開繊しながら粉体状熱
可塑性樹脂13の流動床R中を通過せしめて粉体状熱可塑
性樹脂13を各モノフィラメントに付着させるとともにモ
ノフィラメント間に捕捉し、開繊された粉体状樹脂付着
強化繊維束F2を1次加熱してその熱可塑性樹脂13を溶融
せしめ、1次溶融樹脂付着強化繊維束F3を、周壁に多数
の吸引孔を有する一対の中空吸引ロール4間を通過せし
めて吸引加圧し、吸引加圧後の樹脂付着強化繊維束F4を
2次加熱してその熱可塑性樹脂を完全に溶融せしめ、2
次溶融樹脂付着強化繊維束F5を冷却一体化してシート状
となし、繊維複合シートSを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性樹脂中
に連続繊維が長手方向に配された繊維複合シートの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の繊維複合シートの製造方
法として、多数の連続モノフィラメントよりなる強化繊
維束を、開繊しながら粉体状熱可塑性樹脂の流動床中を
通過せしめて粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント
に付着させるとともにモノフィラメント間に捕捉し、開
繊された樹脂付着強化繊維束を加熱してその熱可塑性樹
脂を溶融せしめた後、冷却一体化してシート状となす方
法はよく知られている(例えば、特開昭46−454
5)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の上記繊維複合シ
ートの製造方法では、粉体状熱可塑性樹脂を強化繊維束
の各モノフィラメントに付着させるとともにモノフィラ
メント間に捕捉する工程において、強化繊維と粉体状熱
可塑性樹脂との間の空気及び熱可塑性樹脂の粉体どうし
の間の空気が除去されず、その結果、図4に示すよう
に、強化繊維(21)で補強せられた熱可塑性樹脂(22)より
なるシート(23)中にボイド(24)が残留する。ボイド(24)
の存在する繊維複合シート(23)は、当然強度が劣りかつ
肉厚が全体として不均一なものとなる。
【0004】本発明の目的は、残留ボイド率を低くする
ことにより強度が大でかつ肉厚が全体として均一となる
繊維複合シートの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による繊維複合シ
ートの製造方法は、多数の連続モノフィラメントよりな
る強化繊維束を、開繊しながら粉体状熱可塑性樹脂の流
動床中を通過せしめて粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィ
ラメントに付着させるとともにモノフィラメント間に捕
捉する工程と、開繊された粉体状樹脂付着強化繊維束を
1次加熱してその熱可塑性樹脂を溶融せしめる工程と、
1次溶融樹脂付着強化繊維束を、周壁に多数の吸引孔を
有する少なくとも一対の中空吸引ロール間を通過せしめ
て吸引加圧する工程と、吸引加圧後の樹脂付着強化繊維
束を2次加熱してその熱可塑性樹脂を完全に溶融せしめ
る工程と、2次溶融樹脂付着強化繊維束を冷却一体化し
てシート状となす工程とを含むことを特徴とするもので
ある。
【0006】本発明で用いられる強化繊維には、使用す
る熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維が
用いられ、その具体例としては、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、セラミックス長繊維等の無機繊維や、ア
ラミド繊維、ポリエステル繊維、ビニロン等の有機繊維
等が挙げられる。強化繊維のモノフィラメント径は、取
り扱い性の点から1〜50μm程度が好ましい。
【0007】本発明で用いられる粉体状熱可塑性樹脂の
具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が
挙げられる。粉体粒子の径は、強化繊維のモノフィラメ
ント径に対する比率や、モノフィラメント間への侵入及
び捕捉され易さの点を考慮すると10〜300μm程度
が好ましい。
【0008】なお、粉体状でない熱可塑性樹脂を常温粉
砕、冷凍粉砕等の方法によって、適度な粒子径の粉体状
熱可塑性樹脂として用いることも可能である。流動床
は、槽内に満たされた粉体状熱可塑性樹脂が多孔板製槽
底よりの噴出空気によって安定的な流動化状態となされ
たものである。
【0009】この流動床に対し、強化繊維束を開繊しな
がら通過させることによって粉体状熱可塑性樹脂を各モ
ノフィラメントに付着させるとともにモノフィラメント
間に捕捉するのであるが、このさい、粉体状熱可塑性樹
脂を強制的にモノフィラメント間に擦り込むために強化
繊維束が接触しながら通過するバーを流動床内に固定配
置してもよい。
【0010】このバーの形状は、粉体状熱可塑性樹脂を
モノフィラメント間に侵入させうる形状であればよく、
例えば、横断面が凸曲面に形成された面部材でもよい
し、横断面半円形、略三角形、略四角形等の棒状部材で
もよい。なお、略三角形、略四角形の場合には、強化繊
維束の接触する角はモノフィラメントを傷つけ破断させ
ないように、丸くされている。
【0011】バーの曲率は、接触通過する強化繊維が切
れない程度のものであればよく、半径5〜300mm程
度が好ましいが、扱い易さや設備的スペースと本数の兼
ね合いを考慮すると10〜50mm程度がよい。バーの
本数は、1本では擦り込み効果が低く、多すぎても粉体
状熱可塑性樹脂が強化繊維束に入り込むのに飽和状態と
なって擦り込み効果がなくなるので、2〜20本程度あ
ればよい。また、バーの材料には、金属、プラスチック
等が用いられ、かつモノフィラメントを傷つけたり破断
させたりしない表面状態のものが好ましい。
【0012】強化繊維束をバーに押し当てるためには強
化繊維束にある程度のテンションが必要であり、その大
きさは、小さすぎると強化繊維束表面に粉体状熱可塑性
樹脂が付着するだけでモノフィラメント間に侵入して捕
捉され難く、大きすぎるとモノフィラメント単位で破断
するおそれがあるので、4400tex、平均ガラス径
23μmのもので1本あたり100〜2000g/本程
度が望ましい。
【0013】また、モノフィラメント間への粉体状熱可
塑性樹脂の侵入を一層向上させるために、流動床内に振
動バーを設けて、強化繊維束を振動させてもよい。強化
繊維束を振動させると、強化繊維束が緊張と弛緩を繰り
返し、粉体状熱可塑性樹脂がモノフィラメント間に侵入
し易くなる。バーの本数は1本以上あればよく、バーの
形状、曲率、材料等は上記固定バーと同様のものでよ
い。
【0014】バーの振動は、強化繊維束に対して、繊維
の開繊性及びモノフィラメント間への粉体状熱可塑性樹
脂の侵入を促進するものであればよいが、振動数及び振
幅が経時的に変化すると、それに連れて粉体状熱可塑性
樹脂がモノフィラメント間に侵入する力が変化し、シー
ト厚みにむらが発生するので、振動数及び振幅が経時的
に変化することのない一定の振動を繰り返すようにする
ことが望ましい。
【0015】バーの振幅は、強化繊維束の繊維配向方向
に対して垂直方向より確実に振動を伝えうる程度となさ
れるが、モノフィラメントの開繊性及び粉体状熱可塑性
樹脂のフィラメント間への侵入を向上させるためには、
0.1〜10mm程度が好ましい。なお、振幅が大きす
ぎると、モノフィラメント単位で破断してしまうおそれ
がある。また、バーの振動数は、小さすぎるとモノフィ
ラメント間への侵入が充分でなく、大きすぎると、折角
各モノフィラメントに付着しかつモノフィラメント間に
捕捉された粉体状熱可塑性樹脂が落ちることがあるの
で、通常15〜250回/秒が好ましい。
【0016】振動装置としては、一般に、モーターカ
ム、エアー弁、油圧弁を使用したものや、高周波振動を
与えるバイブレーター等が単独で用いられるが、これら
を組み合わせて用いてもよい。
【0017】樹脂付着強化繊維束の1次加熱手段の具体
例としては、熱風、遠赤外線ヒーター等が挙げられる。
加熱温度及び加熱時間は、熱可塑性樹脂の種類、配合、
熱可塑性樹脂重量等に応じて適宜定められる。
【0018】粉体状樹脂付着強化繊維束の熱可塑性樹脂
を1次加熱により溶融すると同時に、または溶融直後に
一対の吸引ロール間を通過せしめるが、吸引ロールの一
端は真空ポンプ、サイクロン装置等に接続されており、
吸引ロール内部が減圧されて吸引孔から空気を吸い込
み、1次溶融樹脂付着強化繊維束に含まれている空気を
吸引しうるようになっている。
【0019】吸引ロールの直径は、1次溶融樹脂付着強
化繊維と線接触するため、余り大きくても吸引効果があ
がらず、構造上余り小さくすることも困難であるから、
50〜250mm程度が好ましい。
【0020】吸引ロールの材料としては、鋼、鋳鉄、真
鍮等が挙げられる。また、吸引ロールに熱可塑性樹脂が
溶融している状態で接触するので、その表面にはつぎの
ような表面処理が施されている方が望ましい。すなわ
ち、硬質クロムめっき、亜鉛めっき、ポリテトラフルオ
ロエチレンコーティング等であるが、熱可塑性樹脂との
離型性を考慮するとポリテトラフルオロエチレンコーテ
ィングが望ましい。
【0021】吸引ロールの圧力は、大きすぎると、強化
繊維束のモノフィラメント単位で破断され、小さすぎる
と強化繊維と粉体状熱可塑性樹脂との間の空気及び熱可
塑性樹脂の粉体どうしの間の空気を充分に追い出すこと
ができないので、0.5〜6kgf/cm2 程度が望ま
しい。
【0022】吸引孔の直径は、小さすぎれば空気を充分
吸引できず、大きすぎても減圧することが困難となるの
で、0.1〜5mm程度が望ましい。また、孔数は、孔
の直径との兼ね合いなどにより決定されるが、通常1〜
100個/cm2 が望ましい。
【0023】吸引ロールの減圧力は、大きすぎると1次
溶融樹脂付着強化繊維が吸引ロールに貼り付いて連続成
形に支障が起こり、小さすぎると強化繊維と粉体状熱可
塑性樹脂との間の空気及び熱可塑性樹脂の粉体どうしの
間の空気を吸い込み力が低減するので、0.1〜0.3
kgf/cm2 が望ましい。
【0024】2次加熱手段の具体例としては、加熱ロー
ル、熱風、遠赤外線ヒーター等が挙げられる。加熱ロー
ルを用いる場合、吸引加圧後の樹脂付着強化繊維を一対
の加熱ロール間で挾んで加圧すれば、表面性及び厚み均
一性が一層向上することになる。加熱温度及び加熱時間
は、粉体状熱可塑性樹脂の種類及びその配合に応じて適
宜決められる。
【0025】冷却方法は、用いる粉体状熱可塑性樹脂の
種類及び配合に応じて適宜定められ、その具体例として
は、常温での自然冷却、水冷、循環水等を用いた冷却ロ
ールによる方法等が挙げられる。冷却ロールを用いる場
合、2次溶融樹脂付着強化繊維束を一対の冷却ロールで
挾んで加圧すれば、表面性及び厚み均一性も向上するこ
とになる。冷却時間等は、用いる粉体状熱可塑性樹脂の
軟化点以下の温度まで下がるように設定するのが好まし
い。
【0026】
【発明の実施の形態】図1には、この発明の実施に用い
られる繊維複合シートの製造装置が示されている。以下
の説明において、前とは図1の左方向をいうものとす
る。
【0027】同図の装置は、流動床装置(1) と、流動床
装置(1) の後方に配置された強化繊維束(F1)を巻戻すた
めの複数の強化繊維束巻き戻しロール(2) と、流動床装
置(1) の前方に、後から順に配置された1次加熱用の遠
赤外線ヒータ(3) 、上下一対の吸引ロール(4) 、2次加
熱用の上下一対の加熱ロール(5) 、上下一対の冷却ロー
ル(6) 、上下一対の引き取りロール(7) 、巻き取りロー
ル(9) を有する巻き取り装置(8) を備えている。
【0028】流動床装置(1) の槽(10)の底は、多孔板(1
1)で形成されており、気体供給路(12)から送られてきた
空気(A) が、多孔板(11)の下方からこれの多数の孔を通
って上方に噴出せしめられる。その結果、流動床装置
(1) の槽内に満たされた粉体状熱可塑性樹脂(13)は噴出
空気(A) によって流動化状態となり、熱可塑性樹脂(13)
の流動床(R) が形成される。
【0029】槽(10)における流動床(R) 内の前後及び槽
(10)内上端前後には、固定バー(14)が配置せられてい
る。
【0030】吸引ロール(4) は、図2及び図3にその詳
細が示されているように、その周壁(15)に多数の吸引孔
(16)を有する中空状のものであり、その一端に設けられ
た外方突出中空軸(17)が導管(18)を介して真空ポンプ(1
9)に接続されている。なお、導管(18)と外方突出中空軸
(17)との間には、ベアリングが介在せられている。
【0031】上記繊維複合シート製造装置を用い、巻き
戻しロール(2) より多数の連続モノフィラメントよりな
る強化繊維束(F1)を巻き戻し、バー(14)により開繊しな
がら粉体状熱可塑性樹脂(13)の流動床(R) 中を通過せし
めて粉体状熱可塑性樹脂(13)を各モノフィラメントに付
着させるとともにモノフィラメント間に捕捉し、開繊さ
れた粉体状樹脂付着強化繊維束(F2)を遠赤外線ヒータ
(3) により1次加熱してその熱可塑性樹脂(13)を溶融せ
しめ、1次溶融樹脂付着強化繊維束(F3)を一対の中空吸
引ロール(4) 間を通過せしめて吸引加圧し、吸引加圧後
の樹脂付着強化繊維束(F4)を一対の加熱ロール(5) によ
り2次加熱してその熱可塑性樹脂を完全に溶融せしめ、
続いて2次溶融樹脂付着強化繊維束(F5)を一対の冷却ロ
ール(6) により冷却一体化してシート状となし、得られ
た繊維複合シート(S) を上下一対の引き取りロール(7)
により引き取って巻き取り装置(8) の巻き取りロール
(9) に巻き取る。
【0032】
【実施例】実施例 流動床装置(1) の槽(10)に満たされる粉体状熱可塑性樹
脂(13)としては、粉体状塩化ビニル樹脂(平均重合度=
800、平均粒子径100μm)100phrに対し
て、安定剤2.0phr及び滑剤0.5phrをスーパ
ーミキサーで混合120℃まで昇温した後、冷却ミキサ
ーで15分間冷却したものを用いた。また、気体供給路
(12)の通過時の空気(A) の気流速度を2m/minに設
定した。さらに、槽(10)に配置された4本のバー(14)に
は、直径30mm、長さ600mmの丸棒を用いた。
【0033】強化繊維束(F1)としては、ロービング状ガ
ラス繊維(4400tex、平均ガラス径23μm)の
ものを用いた。上記強化繊維束(F1)を500g/1本の
バックテンションをかけた状態で巻き戻しロール(2) か
ら16本巻き戻して流動床装置(1) に導入し、バー(14)
により開繊しながら粉体状熱可塑性樹脂(13)の流動床
(R) 中を通過せしめて粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィ
ラメントに付着させるとともにモノフィラメント間に捕
捉し、樹脂付着強化繊維束(F2)を得た。
【0034】遠赤外線ヒータ(3) としては、強化繊維束
直交方向の幅が600mm、同配向方向長さが1.5m
mのものを用いた。
【0035】また、吸引ロール(4) としては、表面に剥
離性をよくするためにポリテトラフルオロエチレンのコ
ーティング処理が施され、その周壁(15)に直径2mmの
吸引孔(16)が9個/cm2 あけられたものを用いた。
【0036】上記開繊された樹脂付着強化繊維束(F2)を
シート状になるように揃えた後、遠赤外線ヒータ(3) 内
を通過させ、樹脂付着強化繊維束(F2)の表面温度が20
8℃になるまで1次加熱してその熱可塑性樹脂を溶融せ
しめ、溶融樹脂付着強化繊維束(F3)を得た。
【0037】つぎに、熱可塑性樹脂溶融直後の溶融樹脂
付着強化繊維束(F3)を一対の吸引ロール(4) で挾み、圧
力5kgf/cm2 で加圧するとともに、吸引ロール
(4) の内部を0.2kgf/cm2 で減圧した。
【0038】続いて、吸引加圧後の樹脂付着強化繊維束
(F4)を、ロール表面温度が215℃の一対の加熱ロール
(5) 間を通過させて2次加熱し、樹脂付着強化繊維束(F
4)の熱可塑性樹脂を209℃まで加熱して溶融した後、
2次溶融樹脂付着強化繊維束(F5)を、ロール表面温度3
9℃の一対の冷却ロール(6) 間を通過させて冷却、78
℃まで冷却一体化して繊維複合シート(S) を得、これを
引き取りロール(7) によって引き取り、巻き取り装置
(8) の巻き取りロール(9) に巻き取った。この繊維複合
シート(S) は、幅560mm、長さ300m及び厚み
0.5mmであった。
【0039】比較例 1次加熱工程及び吸引加圧工程を除いた以外は実施例と
同様の方法で繊維複合シートを得た。上記実施例及び比
較例で得た繊維複合シートのサンプルについて、ボイド
率、肉厚CV値及び曲げ強度を測定した。
【0040】(ボイド率)サンプルを水中で測定した実
比重と、繊維含有率から算出した比重(繊維比重2.5
及び塩化ビニル比重1.4で計算)とにより算出を行っ
た。
【0041】(肉厚CV値)サンプルを、その幅方向に
20箇所、長手方向に10m毎に25箇所それぞれ切断
して合計500枚に分割し、これらの分割品の肉厚をマ
イクロメーターを用いて測定し、CV値(変動係数)を
算出した。
【0042】(曲げ強度)サンプルを幅30mm、長さ
100mmに切断し、これを繊維配向方向に対して垂直
方向の曲げ強度を、3点曲げ試験方法により測定した。
以上の測定結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】この発明の繊維複合シートの製造方法に
よれば、多数の連続モノフィラメントよりなる強化繊維
束を、開繊しながら粉体状熱可塑性樹脂の流動床中を通
過せしめて粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメントに
付着させるとともにモノフィラメント間に捕捉し、開繊
された粉体状樹脂付着強化繊維束を1次加熱してその熱
可塑性樹脂を溶融せしめ、1次溶融樹脂付着強化繊維束
を、周壁に多数の吸引孔を有する少なくとも一対の中空
吸引ロール間を通過せしめて加圧するものであるから、
加圧により各モノフィラメントに付着している溶融状態
の熱可塑性樹脂がモノフィラメント間に侵入すると同時
に、強化繊維と粉体状熱可塑性樹脂との間の空気及び熱
可塑性樹脂の粉体同士の間の空気が追い出される。
【0045】このさい、吸引ロールの周壁にある多数の
吸引孔から吸引を行なうため、加圧によって追い出され
た空気を除去しうるとともに、強化繊維と粉体状熱可塑
性樹脂との間の空気及び熱可塑性樹脂の粉体どうし間の
空気が吸引力により強制的に排除される。したがって、
残留ボイド率を低くすることができる。吸引ロールで加
圧された溶融樹脂付着強化繊維束の表面は、表面に凹凸
が生じて表面性が余りよくなく、厚みにもばらつきが発
生するが、本発明によれば、吸引加圧後の樹脂付着強化
繊維束を2次加熱してその熱可塑性樹脂を完全に溶融せ
しめた後、2次溶融樹脂付着強化繊維束を冷却一体化し
てシート状となすものであるから、ボイド率の低いこと
と相俟って繊維複合シートの強度が大でかつ優れた表面
性と全体としての厚みの均一性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用される繊維複合シートの
製造装置全体の垂直断面略図である。
【図2】真空ポンプに接続された吸引ロールの拡大斜視
図である。
【図3】図2のIII −III 線にそう拡大断面図である。
【図4】従来の方法で製造せられた繊維複合シートの部
分拡大横断面図である。
【符号の説明】
(4) :吸引ロール (13):粉体状熱可塑性樹脂 (15):周壁 (16):吸引孔 (F1):強化繊維束 (F2):粉体状樹脂付着強化繊維束 (F3):1次溶融樹脂付着強化繊維束 (F4):吸引加熱後の溶融樹脂付着強化繊維束 (F5):2次溶融樹脂付着強化繊維束 (S) :繊維複合シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントよりなる強
    化繊維束を、開繊しながら粉体状熱可塑性樹脂の流動床
    中を通過せしめて粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメ
    ントに付着させるとともにモノフィラメント間に捕捉す
    る工程と、開繊された粉体状樹脂付着強化繊維束を1次
    加熱してその熱可塑性樹脂を溶融せしめる工程と、1次
    溶融樹脂付着強化繊維束を、周壁に多数の吸引孔を有す
    る少なくとも一対の中空吸引ロール間を通過せしめて吸
    引加圧する工程と、吸引加圧後の樹脂付着強化繊維束を
    2次加熱してその熱可塑性樹脂を完全に溶融せしめる工
    程と、2次溶融樹脂付着強化繊維束を冷却一体化してシ
    ート状となす工程とを含むことを特徴とする繊維複合シ
    ートの製造方法。
JP7221700A 1995-08-30 1995-08-30 繊維複合シートの製造方法 Pending JPH0957862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7221700A JPH0957862A (ja) 1995-08-30 1995-08-30 繊維複合シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7221700A JPH0957862A (ja) 1995-08-30 1995-08-30 繊維複合シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0957862A true JPH0957862A (ja) 1997-03-04

Family

ID=16770914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7221700A Pending JPH0957862A (ja) 1995-08-30 1995-08-30 繊維複合シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0957862A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999043028A1 (en) 1998-02-23 1999-08-26 Cambridge Display Technology Ltd. Display devices
KR20160112933A (ko) * 2015-03-19 2016-09-28 후지 주코교 카부시키카이샤 복합재 부형 장치 및 복합재 부형 방법
US11155049B2 (en) 2016-02-23 2021-10-26 Subaru Corporation Composite material shaping device and composite material shaping method
JP2022509798A (ja) * 2018-11-26 2022-01-24 アルケマ フランス 相互貫入流動床中で繊維状材料に含浸させる方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999043028A1 (en) 1998-02-23 1999-08-26 Cambridge Display Technology Ltd. Display devices
KR20160112933A (ko) * 2015-03-19 2016-09-28 후지 주코교 카부시키카이샤 복합재 부형 장치 및 복합재 부형 방법
JP2016175242A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 富士重工業株式会社 複合材賦形装置及び複合材賦形方法
US11155049B2 (en) 2016-02-23 2021-10-26 Subaru Corporation Composite material shaping device and composite material shaping method
JP2022509798A (ja) * 2018-11-26 2022-01-24 アルケマ フランス 相互貫入流動床中で繊維状材料に含浸させる方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102021629B1 (ko) 랜덤 매트 및 섬유 강화 복합재료
JPH0660457B2 (ja) 粒子によるファイバーの被覆方法
JPS62135537A (ja) 柔軟性複合材料及びその製造方法
KR20130141658A (ko) 랜덤 매트, 및 강화섬유 복합재료
JPH0375339B2 (ja)
US5128199A (en) Method for fiber coating with particles
JP4974221B2 (ja) ニードルガラスマット
US5134959A (en) Apparatus for coating fibers with thermoplastics
JP3100567B2 (ja) 長繊維強化熱可塑性樹脂成形材料
JP2003165848A (ja) 長繊維強化熱可塑性樹脂シート、その製造方法および該シートにより補強された複合成形体
JPH0957862A (ja) 繊維複合シートの製造方法
JP4984973B2 (ja) 繊維強化樹脂の製造方法
JP3913854B2 (ja) 繊維複合シートの製造方法
JP2004143226A (ja) 圧縮成形用材料
US20150258762A1 (en) Method of Producing Isotropic Random Mat for Forming Thermoplastic Composite Material
JPH0985744A (ja) 繊維複合シートの製造方法
JP4482719B2 (ja) ガラスチョップドストランドマット及びそれを用いた自動車成形天井材
JP3724067B2 (ja) 複合材の製造方法及びマット状複合材
JPH1058448A (ja) 繊維複合シートの製造方法
JPH10166362A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法
JPH08267484A (ja) 繊維複合シートの製造方法
Bates et al. Continuous consolidation of commingled glass and polypropylene roving
JPH03279459A (ja) 混合不織布及びその製造方法
JPH09207229A (ja) 繊維複合シートの製造方法
JP2626345B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法