JP2020157637A - 中間材、中間材の製造方法、及び成型体の製造方法 - Google Patents

中間材、中間材の製造方法、及び成型体の製造方法 Download PDF

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芳未 小山
Yoshimi Koyama
芳未 小山
勝司 池田
Katsushi Ikeda
勝司 池田
純 松井
Jun Matsui
純 松井
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Abstract

【課題】曲げ強度等の機械物性に優れた成型体が得られる中間材、中間材の製造方法、及び成型体の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂基材(B)10の両面に、炭素繊維を含む繊維目付が200〜600g/m2の炭素繊維基材(A)12が積層一体化され、かつ炭素繊維基材(A)12の熱可塑性樹脂基材(B)10と反対側の表面の表面粗さSaが1500〜70000nmである、成形体製造に用いられる中間材1。中間材1をプレスして成型体を得る、成型体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、中間材、中間材の製造方法、及び成型体の製造方法に関する。
強化繊維を含む繊維強化樹脂複合材料は、軽量で高強度であるため、自動車、鉄道、航空等の運輸機器、電子機器、家具、建材等の様々な分野で広く使用されている。繊維強化樹脂複合材料としては、ガラス繊維と熱可塑性樹脂を含むガラス繊維強化樹脂基材と、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維を含む炭素繊維基材とを積層し、一対の熱板でプレス成型した成型体が知られている。
成型体の製造方法としては、ガラス繊維強化樹脂基材と炭素繊維基材の積層体を熱可塑性樹脂の融点以上に加熱し、融点以上の高温の熱板でプレス成型した後、融点未満の低温の熱板でプレスしつつ冷却固化するヒートアンドクール成型法がある(特許文献1、2)。また、ガラス繊維強化樹脂基材と炭素繊維基材の積層体をオーブン等で熱可塑性樹脂の融点以上に加熱した後、融点未満の低温の熱板でプレス成型する恒温成型法も知られている(特許文献3)。
特開2014−28510号公報 特開2013−208791号公報 特開2009−286817号公報
しかし、特許文献1〜3のような成型方法で得た成型体は、2次成型後における曲げ強度等の機械物性が充分でないことがある。
本発明は、曲げ強度等の機械物性に優れた成型体が得られる中間材、中間材の製造方法、及び成型体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の表面に、炭素繊維を含む繊維目付が200〜600g/mの炭素繊維基材が積層一体化され、かつ前記炭素繊維基材の前記熱可塑性樹脂基材と反対側の表面の表面粗さSaが1500〜70000nmである、成形体製造に用いられる中間材。
[2]前記繊維目付が250〜400g/mであり、かつ前記表面粗さSaが1500〜30000nmである、[1]に記載の中間材。
[3][1]又は[2]に記載の中間材を製造する方法であって、
前記熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の表面に前記炭素繊維基材を重ねてプレスし、
前記熱板プレスの条件は、前記熱可塑性樹脂基材を構成する熱可塑性樹脂の融点をTm(℃)としたとき、プレス温度をTm+50〜Tm+90℃とするか、もしくは重ねられた前記熱可塑性樹脂基材及び前記炭素繊維基材の温度をTm+20〜Tm+60℃とする、中間材の製造方法。
[4]プレス時間を1〜10分間とする、[3]に記載の中間材の製造方法。
[5][1]又は[2]に記載の中間材をプレスして成型体を得る、成型体の製造方法。
本発明によれば、曲げ強度等の機械物性に優れた成型体が得られる中間材、中間材の製造方法、及び成型体の製造方法を提供できる。
本発明の中間材の一例を示した断面図である。 本発明の中間材の他の例を示した断面図である。 本実施例における中間材の表面粗さSaの測定点を説明した図である。
[中間材]
本発明の中間材は、熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の表面に炭素繊維強化樹脂層が積層された積層体である成型体の製造に用いる中間材である。
本発明の中間材は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂基材(以下、「熱可塑性樹脂基材(B)」と記す。)の少なくとも一方の表面に、炭素繊維を含む繊維目付が200〜600g/mの炭素繊維基材(以下、「炭素繊維基材(A)」と記す。)が積層一体化されている。中間材は、炭素繊維基材(A)と熱可塑性樹脂基材(B)が熱板プレスされることで、それらが互いの隣接面で接着されて一体化している。本発明の中間材では、炭素繊維基材(A)の熱可塑性樹脂基材(B)と反対側の表面の表面粗さSaが1500〜70000nmである。中間材をさらに成型することで熱可塑性樹脂基材の熱可塑樹脂が炭素繊維基材に含浸され、熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の表面に炭素繊維強化樹脂層が積層された積層体とすることができる。
中間材では、熱可塑性樹脂基材(B)の一方の面だけに炭素繊維基材(A)が積層されていてもよく、熱可塑性樹脂基材(B)の両面にそれぞれ炭素繊維基材(A)が積層されていてもよい。具体的には、図1に示すように、熱可塑性樹脂基材(B)10の両面に炭素繊維基材(A)12が積層された中間材1であってもよい。図2に示すように、熱可塑性樹脂基材(B)10の一方の面に炭素繊維基材(A)12が積層された中間材2であってもよい。
熱可塑性樹脂基材(B)の両面に炭素繊維基材(A)が積層されている場合、中間材の両側に配置された炭素繊維基材(A)の熱可塑性樹脂基材(B)と反対側の表面のそれぞれで、表面粗さSaが1500〜70000nmになっている。
炭素繊維基材(A)は、熱可塑性樹脂基材(B)の全体を覆っていてもよく、熱可塑性樹脂基材(B)を部分的に覆っていてもよい。
炭素繊維基材(A)は、炭素繊維を含む基材である。炭素繊維基材(A)は、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含む基材であることが好ましい。熱板プレスされる前の炭素繊維基材(A)は、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなる基材であることが好ましい。
炭素繊維としては、特に限定されず、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、PITCH系炭素繊維を例示できる。
炭素繊維基材(A)に含まれる炭素繊維は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
炭素繊維の平均繊維長は、10〜150mmが好ましく、30〜80mmがより好ましい。炭素繊維の平均繊維長が前記範囲の下限値以上であれば、機械物性に優れた成型体が得られやすい。炭素繊維の平均繊維長が前記範囲の上限値以下であれば、賦形時に優れた流動性が得られ、炭素繊維間に熱可塑性樹脂が流動しやすい。そのため、リブやボス等の複雑な3次元形状の成型体でも得ることが容易である。
なお、平均繊維長は、無作為に400本選び出して測定した繊維長を平均して算出する。例えば、炭素繊維の平均繊維長は、樹脂成分を焼き飛ばした後に残った炭素繊維を顕微鏡で観察して繊維長を測定することで算出できる。
炭素繊維の平均繊維直径は、1〜50μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。炭素繊維の平均繊維直径が前記範囲の下限値以上であれば、機械物性に優れた成型体が得られやすい。炭素繊維の平均繊維直径が前記範囲の上限値以下であれば、成型性、賦形性が向上する。
なお、平均繊維直径は、無作為に400本選び出して測定した繊維直径を平均して算出する。繊維の繊維軸方向に垂直な断面の形状が円形でない、例えば楕円形である場合には、長径と短径の平均値を繊維直径とする。例えば、炭素繊維の平均繊維直径は、樹脂成分を焼き飛ばした後に残った炭素繊維を顕微鏡で観察して繊維直径を測定することで算出できる。
熱板プレスされる前の炭素繊維基材(A)中の炭素繊維の含有量は、炭素繊維基材(A)の総質量に対して、20〜100質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。炭素繊維の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、機械物性に優れた成型体が得られやすい。炭素繊維の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、成型性、賦形性が向上する。
熱可塑性樹脂繊維を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロンMXD6等)、ポリオレフィン樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等)、変性ポリオレフィン樹脂(変性ポリプロピレン樹脂等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、アクリロニトリルとスチレンの共重合体、ナイロン6とナイロン66の共重合体を例示できる。
変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、マレイン酸等の酸によりポリオレフィン樹脂を変性した樹脂を例示できる。
熱可塑性樹脂繊維を形成する熱可塑性樹脂としては、炭素繊維との接着性、炭素繊維への含浸性、原料コストのバランスの点から、ポリオレフィン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく、紡糸性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂がより好ましい。
熱可塑性樹脂繊維を形成する熱可塑性樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
熱可塑性樹脂繊維の平均繊維直径は、20〜150μmが好ましく、30〜70μmがより好ましい。熱可塑性樹脂繊維の平均繊維直径が前記範囲の下限値以上であれば、解繊工程やニードルパンチの工程において均一に作製することができ、炭素繊維基材(A)の機能を発現する。熱可塑性樹脂繊維の平均繊維直径が前記範囲の上限値以下であれば、成型性が向上する。
熱板プレスされる前の炭素繊維基材(A)中の熱可塑性樹脂繊維の含有量は、炭素繊維基材(A)の総質量に対して、0〜80質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。熱可塑性樹脂繊維の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、成型性が向上する。熱可塑性樹脂繊維の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、機械物性に優れた成型体が得られやすい。
熱板プレスされる前の炭素繊維基材(A)の繊維目付は、200〜600g/mであり、250〜400g/mが好ましい。炭素繊維基材(A)の繊維目付が前記範囲の下限値以上であれば、機械物性に優れた成型体が得られやすい。炭素繊維基材(A)の繊維目付が前記範囲の上限値以下であれば、成型性が向上する。
炭素繊維基材(A)の製造方法は、特に限定されない。例えば、カットした熱可塑性樹脂繊維と炭素繊維とを混ぜた状態でカード機に投入して解繊混合し、ウェブを得た後、クロスレイヤーでウェブを重ね、ニードルパンチで交絡させる方法を例示できる。
熱可塑性樹脂基材(B)は、熱可塑性樹脂を含む基材である。熱可塑性樹脂基材(B)は、熱可塑性樹脂とガラス繊維を含むガラス繊維強化樹脂基材であることが好ましい。熱板プレスされる前の熱可塑性樹脂基材(B)は、ガラス繊維と熱可塑性樹脂とからなるガラス繊維強化樹脂基材であることが好ましい。
ガラス繊維の平均繊維長は、1〜100mmが好ましく、3〜70mmがより好ましい。ガラス繊維の平均繊維長が前記範囲の下限値以上であれば、機械物性に優れた成型体が得られやすい。ガラス繊維の平均繊維長が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂含浸性や成型性が向上する。
ガラス繊維の平均繊維直径は、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。ガラス繊維の平均繊維直径が前記範囲の下限値以上であれば、耐衝撃性といった機械物性に優れた成型体が得られやすい。ガラス繊維の平均繊維直径が前記範囲の上限値以下であれば、繊維は折れにくく耐衝撃性のような機械物性が発現できる。
熱板プレスされる前の熱可塑性樹脂基材(B)中のガラス繊維の含有量は、熱可塑性樹脂基材(B)の総質量に対して、0〜60質量%が好ましく、20〜55質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。ガラス繊維の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、耐衝撃性といった機械物性が付与できる。ガラス繊維の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、流動性や成型性が向上する。
熱可塑性樹脂基材(B)に含まれる熱可塑性樹脂としては、炭素繊維基材(A)の熱可塑性樹脂繊維で例示した熱可塑性樹脂と同じものを例示でき、好ましい態様も同じである。炭素繊維基材(A)に含まれる熱可塑性樹脂繊維と、熱可塑性樹脂基材(B)に含まれる熱可塑性樹脂は、同じ熱可塑性樹脂であってもよく、異なる熱可塑性樹脂であってもよい。炭素繊維基材(A)と熱可塑性樹脂基材(B)の接着性の点では、炭素繊維基材(A)に含まれる熱可塑性樹脂繊維と、熱可塑性樹脂基材(B)に含まれる熱可塑性樹脂は、同じ熱可塑性樹脂であることが好ましく、いずれもポリプロピレンであることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂基材(B)に含まれる熱可塑性樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
熱板プレスされる前の熱可塑性樹脂基材(B)中の熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂基材(B)の総質量に対して、40〜100質量%が好ましく、45〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%がさらに好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、流動性や成型性が向上する。熱可塑性樹脂の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、耐衝撃性といった機械物性が付与できる。
熱可塑性樹脂基材(B)の製造方法は、特に限定されない。例えば、ガラス繊維で構成されたガラス繊維基材に熱可塑性樹脂シートを重ねて加熱加圧し、熱可塑性樹脂を溶融させてガラス繊維基材に含浸させる方法を例示できる。前記ガラス繊維基材に熱可塑性樹脂繊維を混ぜ込んだ状態で熱可塑性樹脂シートを重ねて加熱加圧してもよい。
中間材における炭素繊維基材(A)の熱可塑性樹脂基材(B)と反対側の表面の表面粗さSaは、1500〜70000nmである。前記表面の表面粗さSaが前記範囲内であれば、中間材において、熱可塑性樹脂の炭素繊維基材(A)への含浸性が低い。これにより、成型体の製造における予備加熱時に炭素繊維基材(A)がスプリングバックしたときでも、熱可塑性樹脂の炭素繊維基材(A)への含浸性が低くなる。そのため、成型体の炭素繊維強化樹脂層における炭素繊維の密度(繊維質量含有率)が高くなり、機械物性が高くなる。
中間材における炭素繊維基材(A)の熱可塑性樹脂基材(B)と反対側の表面の表面粗さSaは、1500〜50000nmが好ましく、1500〜30000nmがより好ましい。中間材の表面粗さSaは、炭素繊維基材(A)と熱可塑性樹脂基材(B)を熱板プレスする際のプレス条件を調節することによって調節できる。
なお、中間材の表面粗さSaは、1か所につき測定面積を1200μm×940μmとして計6か所測定し、その平均値をその中間材の表面粗さSaとする。試験機としてはブルカー「Contour GTX」(白色干渉計)を用い、光源はWhite、倍率は5倍(対物レンズ)/1倍(内部レンズ)で測定される。
本発明の中間材の製造方法としては、熱可塑性樹脂基材(B)の少なくとも一方の表面に炭素繊維基材(A)を重ねてプレス(一次成型)する方法が挙げられる。熱板プレスであることが好ましく、熱板プレスの条件は、熱可塑性樹脂基材を構成する熱可塑性樹脂の融点をTm(℃)としたとき、プレス温度(熱板の温度)をTm+50〜Tm+90℃とするか、もしくは重ねられた熱可塑性樹脂基材及び炭素繊維基材の温度をTm+20〜Tm+60℃とし、プレス時間を1〜10分間とする。
例えば、熱可塑性樹脂基材(B)を芯材とし、その少なくとも一方の表面に炭素繊維基材(A)を配置する。一対の熱板を備える加圧加熱可能なプレス機を用い、前記の熱板プレスの条件を満たすように、炭素繊維基材(A)と熱可塑性樹脂基材(B)を熱板で挟んでプレスし、冷却固化して中間材を得る。これにより、炭素繊維基材(A)の熱可塑性樹脂基材(B)と反対側の表面の表面粗さSaが1500〜70000nmである中間材が得られる。
一次成型時の加熱条件は、プレス温度(熱板の温度)をTm+50〜Tm+90℃とするか、もしくは重ねられた熱可塑性樹脂基材及び炭素繊維基材の温度をTm+20〜Tm+60℃とすることが好ましい。これにより、機械物性に優れた成型体を製造できる中間材が得られる。
一次成型時のプレス時間は、1〜10分間であり、2〜5分間が好ましい。プレス時間が前記範囲内であれば、機械物性に優れた成型体を製造できる中間材が得られる。
一次成型時のプレス圧力は、0.1〜1MPaが好ましく、0.2〜0.4MPaがより好ましい。プレス圧力が前記範囲内であれば、機械物性に優れた成型体を製造できる中間材が得られやすい。
中間材を冷却固化する方法は、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂の融点以下の熱板で挟んでプレスする方法を例示できる。
中間材の冷却固化時のプレス温度、すなわち熱板の温度は、熱可塑性樹脂基材(B)のTm以下であることが好ましい。
中間材の冷却固化時のプレス圧力は、0.1〜1MPaが好ましく、0.2〜0.4MPaがより好ましい。
[成型体の製造方法]
本発明の成型体の製造方法は、本発明の中間材を熱板プレス(二次成型)して成型体を得る方法である。例えば、本発明の中間材を予備加熱した後、一対の熱板を備える加圧加熱可能なプレス機によって中間材を熱板プレスし、冷却固化して成型体を得る。
中間材を予備加熱する方法は、特に限定されず、例えば、オーブンによる加熱を例示できる。
中間材の予備加熱の温度は、中間材の温度がTm+20〜Tm+100℃となる温度が好ましく、Tm+30〜Tm+60℃となる温度がより好ましい。
中間材の予備加熱の時間は、5〜15分が好ましく、8〜13分がより好ましい。
二次成型時のプレス温度、すなわち熱板の温度は、熱可塑性樹脂の融点(Tm)以下となることが好ましい。
二次成型時のプレス時間は、1〜10分間が好ましく、3〜6分間がより好ましい。
二次成型時のプレス圧力は、1〜10MPaが好ましく、3〜6MPaがより好ましい。
成型体を冷却固化する方法は、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂の融点(Tm)以下の熱板で挟んでプレスする方法を例示できる。
以上説明したように、本発明では、炭素繊維基材(A)の熱可塑性樹脂基材(B)を重ねて前記の特定の条件で熱板プレス(一次成型)し、前記の特定の条件を満たす中間材を得て、前記中間材を熱板プレス(二次成型)して成型体を得る。一次成型で炭素繊維基材(A)の表面の表面粗さSaを特定の範囲に制御した中間材とすることで、炭素繊維強化樹脂層の炭素繊維の密度が高く、機械物性に優れた成型体が得られる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[製造例1]
未延伸ポリプリピレン繊維を平均繊維長45mmにカットしたものと、PAN系炭素繊維(フィラメント数:15000本、平均繊維直径:7μm)を平均繊維長60mmにカットしたものとを、質量比が40:60となるように配合した。得られた配合物をカード機に投入し、解繊混合してウェブを得た。クロスレイヤーでウェブを重ね、ニードルパンチで交絡させて、繊維目付が250g/m、見かけ厚みが0.7mmの炭素繊維基材(A−1)を製造した。
[製造例2]
ウェブの積層枚数を変更した以外は、製造例1と同様にして、繊維目付が400g/m、見かけ厚みが1.0mmの炭素繊維基材(A−2)を製造した。
[製造例3]
ウェブの積層枚数を変更した以外は、製造例1と同様にして繊維目付が650g/m、見かけ厚みが1.5mmの炭素繊維基材(A−3)を製造した。
[実施例1]
クオドランド・プラスチック・コンポジッド・ジャパン製のガラス繊維複合材(GMT、品番:P4038−BK31、繊維質量含有率:40%、平均繊維直径:13μm、平均繊維長:40mm以上、厚み:3.8mm)を熱可塑性樹脂基材(B−1)とした。
熱可塑性樹脂基材(B−1)の両面に炭素繊維基材(A−1)を重ね、プレス温度210℃、プレス圧力0.34MPa、プレス時間2.5分間の条件で熱板プレスした後、25℃の熱板でプレス圧力0.34MPaで冷却固化して、厚み4.5mm×長さ200mm×幅200mmの中間材を得た。
[実施例2〜5]
炭素繊維基材の種類、中間材の成型条件を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして中間材を得た。
[比較例1〜2]
炭素繊維基材の種類、中間材の成型条件を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして中間材を得た。
[表面粗さSa]
ブルカー「Contour GTX」(白色干渉計)を用い、各例の中間材の表面粗さSaを測定した。
表面粗さSaの測定点は、中間材の表面については、図3(A)に示すように、中間材の4つの角からそれぞれ縦50mm、横50mmの地点と、中間材の中央との5点とした。中間材の裏面については、図3(B)に示すように、中間材の中央の1点とした。これら6点で測定した表面粗さSaを平均し、中間材における炭素繊維基材(A)の表面の表面粗さSaとした。
[含浸性]
各例の中間材における炭素繊維基材(A)への熱可塑性樹脂の含浸性を以下の方法で評価した。
中間材の片面の面積をα、前記片面における炭素繊維基材(A)の露出面積をβ、中間材の片面の面積をαとする。
(評価基準)
〇:0.95<β/α≦1。
△:0.5<β/α≦0.95。
×:0<β/α≦0.5。
[曲げ強度]
オーブンを用い、各例で得た中間材を215℃で13分間予備加熱し、80℃の熱板によって5.0MPaの圧力で5分間プレスし、厚みが3mmの成型体を得た。
得られた成型体から厚み3mm×長さ80mm×幅15mmの矩形の試験片を切り出し、以下の条件で三点曲げ物性を測定した。
(測定条件)
・測定機器:インテスコ社製、(製品名)万能引張圧縮試験機50kN Model2050。
・ISO14125に準拠し、3点曲げ試験治具(圧子半径5mm)を用いて支点間距離60mmに設定し、試験速度は2mm/分とした。
Figure 2020157637
表1に示すように、中間材の表面粗さSaが適切な範囲内である実施例1〜5では、中間材の表面粗さSaが大きい比較例1、2に比べて、中間材を二次成型して得られる成型体の曲げ強度が高く、機械物性に優れていた。
1,2…中間材、10…熱可塑性樹脂基材(B)、12…炭素繊維基材(A)。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の表面に、炭素繊維を含む繊維目付が200〜600g/mの炭素繊維基材が積層一体化され、かつ前記炭素繊維基材の前記熱可塑性樹脂基材と反対側の表面の表面粗さSaが1500〜70000nmである、成形体製造に用いられる中間材。
  2. 前記繊維目付が250〜400g/mであり、かつ前記表面粗さSaが1500〜30000nmである、請求項1に記載の中間材。
  3. 請求項1又は2に記載の中間材を製造する方法であって、
    前記熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の表面に前記炭素繊維基材を重ねてプレスし、
    前記熱板プレスの条件は、前記熱可塑性樹脂基材を構成する熱可塑性樹脂の融点をTm(℃)としたとき、プレス温度をTm+50〜Tm+90℃とするか、もしくは重ねられた前記熱可塑性樹脂基材及び前記炭素繊維基材の温度をTm+20〜Tm+60℃とする、中間材の製造方法。
  4. プレス時間を1〜10分間とする、請求項3に記載の中間材の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の中間材をプレスして成型体を得る、成型体の製造方法。
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