JP6801321B2 - リブ成形用積層基材 - Google Patents

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Description

本発明は、リブ成形用積層基材に関する。
近年、持続可能型社会の構築のため環境保全、省エネルギーの観点から、自動車、鉄道、航空、等運輸機器、ロボット、電子機器、家具、建材等の分野においてこれら製品の軽量化が望まれている。
強化繊維を用いた材料である繊維強化樹脂複合材料は金属材料に比較して比強度、比剛性が優れることから、軽量化に寄与することができる。そのため炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維などを強化繊維として用いた繊維強化複合材料は、その高い比強度・比弾性率を利用して、航空機や自動車などの構造材料やテニスラケット、ゴルフシャフト、釣竿などの一般産業やスポーツ用途などに広く利用されてきた。これらに用いられている強化繊維の形態としては、連続繊維を用いて作られる織物や1方向に繊維が引きそろえられたUDシート、カットした繊維を用いて作られるランダムマット、不織布がある。
特開平10−193350号公報(特許文献1)には、熱可塑性樹脂を含むガラス繊維抄造体からなる複合積層体を加熱及び加圧してシート状に成形してなるスタンピング成形材料および製造方法が開示されている。これによれば一体化成形にて立体形状製品を短時間で製造可能だが、流動させることで繊維の配向をコントロールすることは難しく、熱的・機械的に等方性を有し、配向による収縮差に起因する反りの少ない成形品を得るのは困難であった。
成形体の機械的特性を向上させる手段として、リブや製品形状多様化、多機能化により複雑な3次元突起物を付与するような構造が増えている。従来3次元突起物に対しても機械的強度を向上させるための方法の一つとして、繊維強化樹脂複合材料が用いられるが、多くの場合3次元突起物先端まで流動性を持たせるため短繊維が多く使用されている。しかし上記課題のように繊維の配向等を制御することは難しくまた短繊維では機械的物性はあまり高くない。
また非特許文献1より軽量化や材料費低減はもちろん機械的特性の向上のため材料の複合化技術として積層構造が一般的に知られており、その中でも異種材料を用いた複合化技術として、サンドイッチ構造をもったサンドイッチ板やハイブリッド板が広く用いられている。同一材料では断面形状を変化させることで大きな曲げモーメントに耐える材料を構築することは可能だが、応用範囲が狭い。そこで異種材料を用い、それぞれ役割分担を持たせた表面材と芯材で構成わせるサンドイッチ構造を採用することにより単位重量当たりの優れた強さと高い剛性を有することが可能となる。サンドイッチ材とは表面層とコア層で異なった弾性率をもつ材料の組合せで、引張や圧縮に強い表面層とせん断と圧縮に強いコア層を持ち合わせた特徴を持つ。
ハイブリッド材とは表面層とコア層との弾性率を少し変えることで梁や平板の曲げ強さや曲げ弾性率を向上させる特徴を持ち、CFRP/GFRP/CFRPの積層構造などは典型的なハイブリッド構造といえる。このようなサンドイッチ構造体は表面材とコア材との材料の選択と組み合わせパターンだけでなく、表面材とコア材がいかに密着しているかが性能発現の重要なポイントとなっており、その密着性が課題となっている。
特開平10−193350号公報
工業材料 2004年12月号 P76〜80
上記の機械的特性の向上、成形品の機能性向上、意匠性等の観点から付与される3次元突起物には一般的に高い機械的特性を付与させることが難しいとされ、また優れた特性をもつCFRP/GFRPのハイブリット材において成形時の流動性が低いという問題がある。上記の課題を同時に解決する複合材料が求められていた。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ある一定以上のスリット等が3次元突起物の入口に存在し、その長さ(面積)の合計が一定以上あれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、以下の(1)〜(14)に存する。
(1) 炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなり、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維の重量比が20:80以上100:0より小である混抄マット(A)と、ガラス繊維と熱可塑性樹脂からなるガラス繊維強化樹脂基材(B)を積層した積層基材であって、加熱加圧する成形によりリブを成形する部分の混抄マット(A)に切り目が設けられているリブ成形用積層基材。
(2)リブの形状が 三次元形状であり、基材面と異なる位置に基材面と略平行な面Cを有し、当該面Cと基材面との間に空間を有する形状である、上記(1)に記載のリブ成形用積層基材。
(3) 加熱加圧する成形がスタンピング成形であり、積層基材がスタンピング成形用積層基材である、上記(1)または(2)に記載のリブ成形用積層基材。
(4) 前記混抄マット(A)に設けられた切り目が、複数の直線および/または曲線で形成されている、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(5) 混抄マット(A)とガラス繊維強化樹脂基材(B)が一体化していない、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(6) 混抄マット(A)とガラス繊維強化樹脂基材(B)が接着している、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(7) 混抄マット(A)を3MPaの圧力印加後、5×10−2MPaまで除圧した際の厚みが、3MPa加圧印加前の厚みの40%以上95%以下である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(8) 混抄マット(A)の嵩密度が1.0×10−2g/cm以上、1.5×10−1g/cm以下である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(9) 前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中のガラス繊維と熱可塑性樹脂の比率が、0:100より大で60:40以下である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(10) 前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中のガラス強化繊維の平均繊維長が5mm以上である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(11) 前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中のガラス強化繊維の平均繊維径が5〜20μmである、上記(1)〜(10)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(12) 前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中の熱可塑性樹脂がポリプロピレンまたはポリアミドである、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(13) 前記混抄マット(A)中の熱可塑性樹脂繊維がポリプロピレンまたはポリアミドの繊維である、上記(1)〜(12)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
(14) 前記混抄マット(A)中の熱可塑性樹脂繊維がポリプロピレンであり、前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中の熱可塑性樹脂がポロプロピレンである、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
本発明は、複雑な形状の成形品に対してかかる繊維樹脂複合材料を積層させることで、効率的に機械的特性を発揮し、さらに微細で複雑な立体形状の成形体を簡便に作ることができるため、産業的価値が高い。
本発明のリブ成型用積層基材を用いて成形できるリブの形状を示す図である。 本発明のリブ成型用積層基材を用いて成形できるリブの形状を示す図である。 本発明のリブ成型用積層基材を用いて成形できるリブの形状を示す図である。 本発明のリブ成型用積層基材を用いて成形できるリブの形状を示す図である。 本発明のリブ成型用積層基材を用いて成形できるリブの形状を示す図である。 本発明における実施例のリブ成型用積層基材を示す図である。 本発明の実施例で用いた金型を示す図である。 本発明の実施例において混抄マットに施した切り目を示した図である。 本発明のリブ成形用積層基材の構成例を示す図である。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明におけるリブ成形用積層体とは、3次元突起物のようなリブを有する成形物を成形するための積層基材である。
本発明のリブ成形用積層基材は、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなり、炭素繊維:熱可塑性樹脂繊維が重量比で20:80より大〜100:0である混抄マット(A)と、ガラス繊維と熱可塑性樹脂からなるガラス繊維強化樹脂基材(B)を積層した積層基材であって、加熱加圧する成形によりリブを成形する部分の混抄マット(A)に切り目が設けられているリブ成形用積層基材である。前記切り目は混抄マット(A)に必須であるが、ガラス繊維強化樹脂基材(B)にも切り目が設けられていても良い。
成形の自由度の観点から、混抄マット(A)とガラス繊維強化樹脂基材(B)は一体化していないことが好ましいが、一体化していても成形性等に問題はない。また、接着の安定性や材料費削減の観点からは、混抄マット(A)とガラス繊維強化樹脂基材(B)が接着可能であることが好ましい。
加熱加圧する成形は、プレス成形やスタンピング成形等の成形方法が挙げられるが、成形サイクルが短いため大量生産の観点から、スタンピング成形が好ましい。
<リブ>
本発明のリブ成形用積層基材は、複雑な3次元構造のリブの成形を可能としたものであり、本発明のリブ成形用積層基材を加熱加圧して成形するリブの形状としては、三次元形状のものであり、図1や図2、図3、図4、図5のような形状が挙げられる。特に図5のように、基材面と異なる位置に基材面と略平行な面Cを有し、当該面Cと基材面との間に空間を有する形状のリブを形成できる点が本発明の特に優れた点である。
<混抄マット(A)>
混抄マット(A)は、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなり、炭素繊維:熱可塑性樹脂繊維が重量比で20:80以上100:0より小である。炭素繊維の重量比が低すぎると機械的特性においてガラス繊維と熱可塑性樹脂とからなるガラス繊維強化樹脂(B)のレベルまでしか発揮できない。好ましくは炭素繊維:熱可塑性樹脂繊維が重量比で30:70〜80:20、より好ましくは40:60〜70:30である。
混抄マット(A)とは、強化繊維への樹脂含浸性を高めるため所定の強化繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含んでおり、さらに下記クッション性、嵩密度を有して構成される。本発明でいう強化混抄マットは不連続な強化繊維から構成させる面状体(マット状物)である。本発明に関する強化繊維マットは強化繊維がサイジング剤やマットとするときに少量のバインダーを含んだものでもよくまた面内において強化繊維や熱可塑性樹脂繊維がランダムな方向に配向しており、実質的に面内の縦横方向の物性がほぼ同等であると好ましい。本発明の混抄マット中には、本発明の目的を損なわない範囲であれば無機繊維の各種繊維状または非繊維状フィラー、難燃剤、耐UV剤、顔料、離型剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、硬化剤の添加剤を含んでも良い。
本発明の混抄マット(A)は、積層体を加熱加圧する成形によりリブを成形する部分に切り目が設けられている。切り目の形状については特に限定はないが、例えば、複数の直線および/または曲線で形成されていることが好ましい。さらに一定以上の総長さを有していることが好ましい。
混抄マット(A)は、異種材料を積層した複合材における材料一体化の観点から、クッション性を有していることが好ましく、混抄マット(A)を3MPaの圧力印加後、除圧した際の厚みが、3MPa加圧印加前の厚みの40%以上95%以下であることが好ましい。
また、混抄マット(A)は、嵩密度が低すぎると強化繊維による補強効果が減少し、高すぎると樹脂の含浸性低下をもたらし機械的特性に影響を及ぼす。混抄マット(A)の嵩密度は好ましくは1.0×10−2g/cm以上、より好ましくは2.0×10−2g/cm以上であり、好ましくは1.5×10−1g/cm以下、より好ましくは1.3×10−1g/cm以下である。
<<炭素繊維>>
炭素繊維としては、特に限定されず、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、PITCH系炭素繊維等が挙げられる。
好ましい炭素繊維は、JIS R7601(1986)に準じて測定したストランド引張強度が1.0GPa以上9.0GPa以下で、かつストランド引張弾性率が150GPa以上1000GPa以下の炭素繊維である。より好ましい炭素繊維は、JIS R7601(1986)に準じて測定したストランド引張強度が1.5GPa以上9.0GPa以下で、かつストランド引張弾性率が200GPa以上1000GPa以下の炭素繊維である。
炭素繊維の平均繊維長は、1〜100mmが好ましく、3〜90mmがより好ましく、5〜80mmがさらに好ましく、特に好ましくは、20〜70mmが最も好ましい。
一般に炭素繊維が長いほど機械物性に優れた構造材が得られるが、特にスタンピング成形時において、流動性が低下するために複雑な3次元形状の構造材が得られにくくなる。炭素繊維の平均繊維長が上限値以下であれば、賦形時に優れた流動性が得られ、炭素繊維とマトリックス樹脂が流動しやすい。そのため、リブやボス等の複雑な3次元形状の構造材を得ることが容易である。また、炭素繊維の平均繊維長が下限値以上であれば、機械物性に優れた構造材を製造できる。
炭素繊維の平均繊維直径は、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
また本発明における炭素繊維は、単糸状に開繊した状態であってもよいし、複数の単糸が集まった繊維束であっても良いし、単糸と繊維束が混在していてもよい。
<<熱可塑性樹脂繊維>>
熱可塑性樹脂繊維を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されず、ポリアミド樹脂(ナイロン6(融点:220℃)、ナイロン66(融点:260℃)、ナイロン12(融点:175℃)、ナイロンMXD6(融点:237℃)等)、ポリオレフィン樹脂(低密度ポリエチレン(融点:95〜130℃)、高密度ポリエチレン(融点:120〜140℃)、ポリプロピレン(融点:165℃)等)、変性ポリオレフィン樹脂(変性ポリプロピレン樹脂(融点:160〜165℃)等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート樹脂(ガラス転移温度:145℃)、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、アクリロニトリルとスチレンの共重合体、ナイロン6とナイロン66の共重合体等が挙げられる。
変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、マレイン酸等の酸によりポリオレフィン樹脂を変性した樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、2種以上をポリマーアロイとして使用とてもよい。
熱可塑性樹脂としては、強化繊維との接着性、強化繊維への含浸性及び熱可塑性樹脂の原料コストの各々のバランスの点から、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。紡糸性等の観点から、特に好ましいのはポリプロピレン、ポリアミドである。
混抄マット(A)を構成する熱可塑性樹脂繊維の構成樹脂として使用される熱可塑性樹脂と、ガラス繊維強化樹脂基材(B)の構成樹脂として使用される熱可塑性樹脂は、同一でも異なっていてもよいが、接着性の観点から、同一種 のものを使用することが好ましい。具体的には、いずれもポリプロピレンであること、若しくはいずれもポリアミドであることが好ましい。混抄マット(A)の構成樹脂として使用される熱可塑性樹脂と、ガラス繊維強化樹脂基材(B)の構成樹脂として使用される熱可塑性樹脂は、同一でも異なっていてもよいが、接着性の観点から、同一種のものを使用することが好ましい。具体的には、いずれもポリプロピレンであること、若しくはいずれもポリアミドであることが好ましい。
熱可塑性樹脂繊維の平均繊維直径は、20〜150μmが好ましく、30〜70μmがより好ましい。
熱可塑性樹脂繊維の平均繊維長は、30mm以上が好ましく、30mm未満の場合、解繊工程やニードルパンチの工程において均一に作製できず混抄マットの機能を発現しない
<ガラス繊維強化樹脂基材(B)>
本発明におけるガラス繊維強化樹脂基材(B)は、ガラス繊維と熱可塑性樹脂からなる。ガラス繊維強化樹脂基材(B)中のガラス繊維の比率は、ガラス繊維:熱可塑性樹脂の重量比で0:100より大で60:40以下であることが好ましい。ガラス繊維の重量比が高すぎるとマトリックスとなる樹脂の強化繊維への含浸性、接着性が低下をもたらすため、より好ましくはガラス繊維:熱可塑性樹脂繊維が重量比で20:80〜50:50である。
<<ガラス繊維>>
本発明で用いるガラス繊維の平均繊維長は、1〜100mmが好ましく、3〜70mmがより好ましく、5〜50mmがさらに好ましく、10〜50mmが特に好ましく、10〜35mmが最も好ましい。一般にガラス繊維が長いほど機械物性に優れた構造材が得られる。
ガラス繊維の平均繊維直径は、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。平均繊維径が小さすぎるとマトリックス樹脂の繊維への含浸性が困難となり、大きすぎると成形性や加工性に悪影響をもたらす。
<<熱可塑性樹脂>>
上述の、混抄マット(A)を構成する熱可塑性樹脂繊維の熱可塑性樹脂として挙げたものと同様のものを使用することができる。
<混抄マット(A)の製造方法>
本発明の混抄マット(A)の製造方法は、特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂繊維からなる綿状または捲縮をかけた状態のものに、炭素繊維を一定の長さにそろえてカットしたものを混ぜた状態で、カード機に投入して解繊混合し、ウェブを得たのち、クロスレイヤーでウェブを重ね、ニードルパンチで交絡させる方法などがある。
また上記ウェブを得る方法として、事前に解繊機で解繊を行った後にカード機に投入する方法もある。
<混抄マット(A)への切り目の作成方法>
混抄マットへ切り目を入れる場合、3次元突起物入口箇所に任意の長さのスリットを入れ、深さは特に限定はないが、混抄マットの厚み分の切り目があると好ましい。この場合、スリットは線でも良いし、面積を持っていても良い。またスリットの入れ方は、直線でも曲線でも良い。切り目は1本だけでもよいが、リブの形状にあわせて×状や放射状に設けてもよいし、図8の様に直線状のものを平行に複数本設けても良い。
<ガラス繊維強化樹脂基材(B)の製造方法>
連続スワール状ガラス繊維ストランド及び/又はチョップドガラス繊維ストランドで構成された繊維層(A)の複数層と、該複数のガラス層(A)の間に介在された熱可塑性樹脂繊維不織布層(B)との積層体を上下両面からニードルパンチ処理してガラス繊維複合マットを作製する。さらにガラス繊維強化樹脂基材は前記マットの不織布層(B)に由来しない熱可塑性樹脂繊維(C)を押出機にてシート状に形成するとともに押し出された熱可塑性樹脂シートの両面に前記マットを積層し、加熱加圧装置ローラで加熱および加圧する。不織布層(B)を構成する熱可塑性樹脂繊維が完全に溶融し、冷却固化させることでシート状のガラス繊維強化樹脂基材を作製する。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
[混抄マット(A)の製造〕
未延伸ポリプリピレン繊維平均繊維長45mmにカットしたものと、PAN系炭素繊維(15K、繊維径7μm)を繊維長60mmに切断したものとを、重量比で40:60となるように配合した。得られた配合物をカード機に投入し、解繊混合し、ウェブを得たのち、クロスレイヤーでウェブを重ね、ニードルパンチで交絡させて、混抄マット(A)を製造した。
[ガラス繊維強化樹脂基材(B)の製造]
クオドランド・プラスチック・コンポジッド・ジャパン製ガラス繊維複合材GMT(品番:P4038−BK31、Vf20%、平均繊維径13μm、平均繊維長40mm以上)を、ガラス繊維強化樹脂基材(B)として使用した。
[リブ成型用積層基材の製造]
混抄マット(A)の、混抄マット(A)を図7に示す金型に配置した場合に、成形品本体から垂直に立ったリブ部の底面(幅5mm×長さ170mm)の中央に当たる部分に、長さ85mmの切れ目を入れ、ついでガラス繊維強化樹脂基材と積層した。(図6)
[リブ月成形品の成形]
上記切り目を施した混抄マット(A)を、予め160℃に加熱した金型に、図7に示す金型の成形品本体から垂直に立ったリブ部の底面(幅5mm×長さ170mm)の中央に当たる部分に混抄マット(A)に施した切り目が位置するように配置し、次いで、予め215℃設定の温風循環式オーブンで13分間加熱したガラス繊維強化樹脂基材(B)を配置し、直ちに5MPaの圧力で5分保持した後、金型を80℃以下まで冷却し、リブ付成形品を得る。
〔実施例2〕
リブ底面において、混抄マットの切れ目の総長さが85mm以上になるよう3か所に切れ目を入れた混抄マット(図8)を使用した以外は実施例1と同様にして、リブ付成形品を得る。
〔実施例3〕
PP樹脂に、繊維径14μmの長繊維ガラスファイバーを40wt%含有した厚さ3.8mmのクオドランド・プラスチック・コンポジッド・ジャパン製ガラス繊維複合材GMTを芯材として、その表裏面に繊維径53μm×繊維長60mmのPP繊維とPAN系炭素繊維(15K、繊維径7μm)を繊維長60mmに切断したものとを混抄させた炭素量60wt%、坪量250g/mとなるマットを配置させ、これを200℃、5MPaで10分加熱し、積層板を得る。成形品本体から垂直に立ったリブ部の底面(幅5mm×長さ170mm)中央に当たる積層板表面の混抄マット部分に長さ85mmの切れ目を入れ、設定温度215℃とした温風循環式オーブン内で13分加熱し、80℃に加温された金型に速やかにセットして、5MPaの圧力で10分保持し、成形品を得る。
〔実施例4〕
上記実施例3のリブ底面において、混抄マット部への切れ目の総長さが85mm以上になるよう3か所に切れ目を入れた積層板(図8)を使用し、上記同様にリブ付成形品を得る。
[比較例1]
切れ目をない入れない混抄マットを、予め160℃に加熱した金型に配置し、次いで、予め215℃設定の温風循環式オーブンで13分間加熱したGMTを配置し、更に切れ目を入れていない混抄マットを配置して、直ちに5MPaの圧力で5分保持した後、金型を80℃以下まで冷却し、リブ付成形品を得る。
[比較例2]
上記実施例1において、混抄マットの切れ目長さを15mmとした場合に得られたリブ付成形品。
[比較例3]
PP樹脂に、繊維径14μmの長繊維ガラスファイバーを40wt%含有した厚さ3.8mmのクオドランド・プラスチック・コンポジッド・ジャパン製ガラス繊維複合材GMTを芯材として、その表裏面に繊維径53μm×繊維長60mmのPP繊維とPAN系炭素繊維(15K、繊維径7μm)を繊維長60mmに切断したものとを混抄させた炭素量60wt%、坪量250g/mとなるマットを配置させ、これを200℃、5MPaで10分加熱し、積層板を得る。成形品本体から垂直に立ったリブ部の底面(幅5mm×長さ170mm)中央に当たる積層板表面の混抄マット部分に切れ目を入れず、設定温度215℃とした温風循環式オーブン内で13分加熱し、80℃に加温された金型に速やかにセットして、5MPaの圧力で10分保持し、成形品を得る。
<評価法>
リブ底面からリブ高さの15%部分の成形体(1)、リブの先端からリブ高さの15%部分の成形体(2)それぞれの単体において、灰化試験より以下の評価を行った。
I)強化繊維(GF)の含有率:成形体(2)のGFの含有率(質量%)が成形体(1)のGF含有率(質量%)と比較して−15%以内である。
II)ガラス繊維強化樹脂基材の充填率:成形体(2)部分の型体積における成形体の(2)部分の体積が100%である。
(A):炭素繊維強化樹脂基材(A)
(B):ガラス繊維強化樹脂基材(B)
1:面C
2:基材面
3:3次元突起物入口投影箇所
4:切り目

Claims (14)

  1. 炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなり、炭素繊維:熱可塑性樹脂繊維が重量比で30:70〜80:20である混抄マット(A)と、ガラス繊維と熱可塑性樹脂からなり、ガラス繊維:熱可塑性樹脂が重量比で20:80〜50:50であるガラス繊維強化樹脂基材(B)を積層した積層基材であって、加熱加圧する成形によりリブを成形する部分の混抄マット(A)に、総長さが85mm以上の切り目が設けられているリブ成形用積層基材。
  2. リブの形状が三次元形状であり、基材面と異なる位置に基材面と略平行な面Cを有し、当該面Cと基材面との間に空間を有する形状である、請求項1に記載のリブ成形用積層基材。
  3. 加熱加圧する成形がスタンピング成形であり、積層基材がスタンピング成形用積層基材である、請求項1または2に記載のリブ成形用積層基材。
  4. 前記混抄マット(A)に設けられた切り目が、複数の直線および/または曲線で形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  5. 混抄マット(A)とガラス繊維強化樹脂基材(B)が一体化していない、請求項1〜4のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  6. 混抄マット(A)とガラス繊維強化樹脂基材(B)が接着している、請求項1〜4のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  7. 混抄マット(A)を3MPaの圧力印加後、5×10−2MPaまで除圧した際の厚みが、3MPa加圧印加前の厚みの40%以上95%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  8. 混抄マット(A)の嵩密度が1.0×10−2g/cm以上、1.5×10−1g/cm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  9. 前記混抄マット(A)中の炭素繊維の平均繊維長が20〜70mmである、請求項1〜8のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  10. 前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中のガラス強化繊維の平均繊維長が5mm以上である、請求項1〜9のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  11. 前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中のガラス強化繊維の平均繊維径が5〜20μmである、請求項1〜10のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  12. 前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中の熱可塑性樹脂がポリプロピレンまたはポリアミドである、請求項1〜11のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  13. 前記混抄マット(A)中の熱可塑性樹脂繊維がポリプロピレンまたはポリアミドの繊維である、請求項1〜12のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
  14. 前記混抄マット(A)中の熱可塑性樹脂繊維がポリプロピレンであり、前記ガラス繊維強化樹脂基材(B)中の熱可塑性樹脂がポロプロピレンである、請求項1〜11のいずれかに記載のリブ成形用積層基材。
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