JP6458802B2 - プレス成形品の製造方法およびプレス金型 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス成形品の製造方法およびプレス金型に関する。
周知のように、自動車の車体は、いわゆるモノコック構造を有している。すなわち、自動車の車体は、多数の成形パネルが互いに重ね合わされて接合された箱状の構造体における、応力が作用する部分や重量物を支持する部分等の要部に、補強用の骨格部材が接合されたボディシェルにより構成される。
図12A〜図12Dは、いずれも、ボディシェルの要部に配置される骨格部材1〜4を示す説明図である。これらの図に示すように、骨格部材1〜4は、通常、素材であるブランクにパンチおよびダイを用いてプレス成形を行うことにより、ハット型横断面形状を有するハット型部材として製造される。具体的には、骨格部材1〜4は、天板5(第1壁部)と、天板5の両縁に形成される二つの稜線6a,6bと、二つの稜線6a,6bにそれぞれつながる二つの縦壁7a,7b(第2壁部)と、二つの縦壁7a,7bにそれぞれつながる二つの曲線部8a,8bと、二つの曲線部8a,8bにそれぞれつながる二つのフランジ9a,9b(第3壁部)と、を含んで構成されている。なお、図12Dは、骨格部材4にフランジ9a,9bを介してクロージングプレートPをスポット溶接した場合を示している。
近年、骨格部材1〜4は、CO2排出量のさらなる低減と衝突安全性の向上とを両立するための車体軽量化の一環として、一段と高強度化および薄板化される傾向にある。このため、骨格部材1〜4は、例えば590MPa以上、780MPa以上、場合によっては980MPa以上の引張強度を有する素材鋼板により構成されている。
図13A〜図13Cは、骨格部材1〜4のプレス成形後の離型時に発生する縦壁7a,7bのスプリングバック(本明細書では「縦壁反り」ともいう)の発生状況を示す説明図である。具体的には、図13Aは、骨格部材1〜4のプレス成形の状況を示す断面図であり、図13Bは、プレス成形後における骨格部材1〜4の縦壁7a,7bのモーメント分布を示すコンター図であり、図13Cは、骨格部材1〜4の縦壁反りを示す断面図である。
図13Aに示されるように、骨格部材1〜4のプレス成形では、ブランクBにおける縦壁7a,7bに成形される部分B1,B2が、プレス成形の過程においてパンチ10およびダイ11により曲げ、曲げ戻し変形を受ける。このため、図13Bに示されるように、骨格部材1〜4の高強度化に伴って、成形された縦壁7a,7bには、ブランクBの板厚方向における応力差(外側面(表面)の応力と内側面(裏面)の応力との応力差)によって生じるモーメントが発生する。詳しくは、成形後の縦壁7a,7bの基端側の部分には、外側面(表面)に圧縮応力が作用し、内側面(裏面)に引張応力が作用する。このため、縦壁7a,7bの基端側の部分には、縦壁7a,7bの外側面の応力と内側面の応力との差によって、縦壁7a,7bの基端側の部分が縦壁7a,7bの表面側に凸になるように(骨格部材1〜4の内側へ巻かれるように)反るモーメント(以下、「内反りモーメント」という)が生じる。
一方、成形後の縦壁7a,7bの先端側の部分には、外側面(表面)に引張応力が作用し、内側面(裏面)に圧縮応力が作用する。このため、縦壁7a,7bの先端側の部分には、縦壁7a,7bの外側面の応力と内側面の応力との差によって、縦壁7a,7bの先端側の部分が縦壁7a,7bの裏面側に凸になるように(骨格部材1〜4の外側へ巻かれるように)反るモーメント(以下、「外反りモーメント」という)が生じる。そして、図13Cに示されるように、プレス成形後の離型時にパンチ10およびダイ11による骨格部材1〜4に対する加圧が取り除かれると、二つの縦壁7a,7bが、弾性的な変形回復により加圧時の形状(製品形状)からずれて口開きした形状(二つのフランジ9a,9bが互いに離間する形状)に戻る縦壁反りが発生し易い。
これに対して、図14A〜図14Cに示されるように、縦壁7a,7bの一部にビード12や段差13等を設けることによって、縦壁反りを抑制する技術が知られている。また、例えば、日本国特許第4984414号公報(特許文献1)では、縦壁に連続した凹凸形状を形成し、スプリングバックを抑制する技術が開示されている。
さらに、日本国特許出願公開2007−111725号公報(特許文献2)には、複数回のプレス成形によりプレス成形品のスプリングバックを低減させる技術が開示されている。例えば、図15に示されるように、1回目のプレス成形を施したプレス成形品(図15の左側の図を参照)に対して、幅寸法を大きくしたポンチを用いて2回目のプレス成形をすることにより(図15の右側の図を参照)、プレス成形品のスプリングバックを低減させる技術が開示されている。
しかしながら、上記図14A〜図14Cに示される従来技術及び特許文献1により開示された技術は、縦壁に生じる上記モーメント自体を抑制または解消するものではない。特に、縦壁の基端部に生じる内反りモーメントを抑制または解消するものではない。また、図14A〜図14Cに示される従来技術は、縦壁7a,7bにビード12や段差13を形成する必要があり、特許文献1により開示された技術は、縦壁を凹凸状に形成する必要がある。このため、骨格部材1〜4において、ビード12や段差13を形成することや縦壁を凹凸状に形成することが設計上許されない場合には実施できない。
また、特許文献2により開示された技術も、縦壁7a,7bに生じる上記モーメント自体を抑制または解消するものではない。特に、縦壁7a,7bの基端部に生じる内反りモーメントを抑制または解消するものではない。以上により、これらの技術では、縦壁の基端部に生じる内反りモーメントを抑制または解消するという点において、改善の余地がある。
本開示は、上記事実を考慮し、例えば590MPa以上、780MPa以上、場合によっては980MPa以上といった高強度を有するプレス成形品において、第2壁部の基端部における壁反りの発生を抑制できるプレス成形品を製造方法およびプレス金型を得ることに関する。
本開示のプレス成形品の製造方法は、第1壁部と、前記第1壁部の長手方向の少なくとも一方側の端部から前記第1壁部の裏面側へ延出された第2壁部と、前記第2壁部の先端部から前記第2壁部の表面側へ延出された第3壁部と、を有するプレス成形品を、パンチ及びダイを有するプレス金型を用いて製造する方法であって、前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の基端側の部分が前記第2壁部の表面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の基端側の部分を、前記第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状に前記パンチ及び前記ダイによって加圧狭持し、かつ、前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の先端側の部分が前記第2壁部の裏面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の先端側の部分を、前記第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状に前記パンチ及び前記ダイによって加圧狭持して矯正する。
上記課題を解決するプレス成形品の製造方法によれば、当該製造方向によって成形されるプレス成形品が、第1壁部と、第1壁部の長手方向の少なくとも一方側の端部から第1壁部の裏面側へ延出された第2壁部と、第2壁部の先端部から第2壁部の表面側へ延出された第3壁部と、を有している。すなわち、プレス成形品の横断面形状が、所謂ハット型又はZ字型(クランク型)を成している。
ころで、上記のような横断面形状を成すプレス成形品をパンチ及びダイを用いて製造する場合では、成形後の第2壁部の基端側の部分(第1壁部側の部分)には、表面(外側面)に圧縮応力が作用し、裏面(内側面)に引張応力が作用する。このため、第2壁部の基端側の部分には、第2壁部の基端側の部分の板厚方向における応力差(第2壁部の基端側の部分における表面(外側面)の応力と裏面(内側面)の応力との差)によって、第2壁部の基端側の部分が第2壁部の表面(外側面)側へ凸になるように反る(プレス成形品の内側へ巻かれるように反る)モーメント(以下、このモーメントを「内反りモーメント」という)が生じる。
また、成形後の第2壁部の先端側の部分(第3壁部側の部分)には、表面(外側面)に引張応力が作用し、裏面(内側面)に圧縮応力が作用する。このため、第2壁部の先端側の部分には、第2壁部の先端側の部分の板厚方向における応力差(第2壁部の先端側の部分における表面(外側面)の応力と裏面(内側面)の応力との差)によって、第2壁部の先端側の部分が第2壁部の裏面側へ凸になるように反る(プレス成形品の外側へ巻かれるように反る)モーメント(以下、このモーメントを「外反りモーメント」という)が生じる。
ここで、プレス金型の離型前の状態における横断面視で、第2壁部の基端側の部分が、第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状にパンチ及びダイによって加圧狭持される。このため、プレス金型の離型前のプレス成形品では、上記内反りモーメントによって第2壁部の表面側(プレス成形品の外側)へ凸に反ろうとする第2壁部の基端側の部分が、第2壁部の裏面側(プレス成形品の内側)へ凸に反る第1の反り形状に矯正される。よって、第2壁部に生じる上記内反りモーメントがキャンセルされる。その結果、プレス金型の離型時にパンチおよびダイによる加圧が取り除かれたときには、第2壁部の基端側の部分の板厚方向における歪み差が低減されて、第2壁部の基端部における壁反りの発生を抑制することができる。
また、プレス金型の離型前の状態における横断面視で、第2壁部の先端側の部分が、第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状にパンチ及びダイによって加圧狭持される。このため、プレス金型の離型前のプレス成形品では、上記外反りモーメントによって第2壁部の裏面側(プレス成形品の内側)へ凸に反ろうとする第2壁部の先端側の部分が、第2壁部の表面側(プレス成形品の外側)へ凸に反る第2の反り形状に矯正される。よって、第2壁部の先端側の部分に生じる上記外反りモーメントがキャンセルされる。その結果、その結果、プレス金型の離型時にパンチおよびダイによる加圧が取り除かれたときには、第2壁部の先端側の部分の板厚方向における歪み差が低減されて、第2壁部の壁反りの発生を抑制することができる。
また、本開示のプレス金型は、第1壁部と、前記第1壁部の長手方向の少なくとも一方側の端部から前記第1壁部の裏面側へ延出された第2壁部と、前記第2壁部の先端部から前記第2壁部の表面側へ延出された第3壁部と、を有するプレス成形品を製造するためのプレス金型であって、互いに接近する方向に相対移動することで前記プレス成形品を成形するパンチ及びダイを備え、前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の基端側の部分が前記第2壁部の表面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の基端側の部分を前記第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状に加圧狭持して矯正する第1加圧部が、前記パンチ及び前記ダイに形成され、かつ、前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の先端側の部分が前記第2壁部の裏面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の先端側の部分を前記第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状に加圧狭持して矯正する第2加圧部が、前記パンチ及び前記ダイに形成されている。
上記課題を解決するプレス金型によれば、パンチ及びダイの離型前の状態における横断面視で、第2壁部の基端側の部分を第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状に加圧狭持する第1加圧部が、パンチ及びダイに形成されている。このため、上述と同様に、プレス金型の離型前のプレス成形品では、上記内反りモーメントによって第2壁部の表面側(プレス成形品の外側)へ凸に反ろうとする第2壁部の基端側の部分が、第2壁部の裏面側(プレス成形品の内側)へ凸に反る第1の反り形状に矯正される。よって、第2壁部に生じる上記内反りモーメントがキャンセルされる。その結果、プレス金型の離型時にパンチおよびダイによる加圧が取り除かれたときには、第2壁部の基端側の部分の板厚方向における歪み差が低減されて、第2壁部の基端部における壁反りの発生を抑制することができる。
また、パンチ及びダイの離型前の状態における横断面視で、第2壁部の先端側の部分を第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状に加圧狭持して矯正する第2加圧部が、パンチ及びダイに形成されている。このため、上述と同様に、プレス金型の離型前のプレス成形品では、上記外反りモーメントによって第2壁部の裏面側(プレス成形品の内側)へ凸に反ろうとする第2壁部の先端側の部分が、第2壁部の表面側(プレス成形品の外側)へ凸に反る第2の反り形状に矯正される。よって、第2壁部の先端側の部分に生じる上記外反りモーメントがキャンセルされる。その結果、その結果、プレス金型の離型時にパンチおよびダイによる加圧が取り除かれたときには、第2壁部の先端側の部分の板厚方向における歪み差が低減されて、第2壁部の壁反りの発生を抑制することができる。
本開示のプレス成形品の製造方法及びプレス金型によれば、第2壁部の基端部における壁反りの発生を抑制することができる。
図1Aは、本実施の形態に係るプレス金型の一例の構成を示す断面図である。 図1Bは、本実施の形態に係るプレス金型の他の例の構成を示す断面図である。 図2は、図1Aに示されるプレス金型のパンチ側凹曲面部及びダイ側凸曲面部の周辺を示す拡大した断面図(図1AのA部拡大部)である。 図3は、本実施の形態に係るプレス金型を用いて成形されたプレス成形品の形状を説明するための説明図である。 図4Aは、第1のプレス成形の終了後かつ離型後におけるプレス成形品の縦壁反りの発生状況を示す説明図である。 図4Bは、必要に応じて行われる第2のプレス成形の終了後かつ離型後におけるプレス成形品における縦壁反りの発生状況を示す説明図である。 図5Aは、図1Aに示されるプレス金型によってブランクを成形する直前の状態を示す断面図である。 図5Bは、図5Aに示される状態からパンチがダイ側へ相対移動された状態を示す断面図である。 図6Aは、実施例1で製造されたプレス成形品の形状を示す説明図である。 図6Bは、図6Aのプレス成形品の寸法を示す説明図である。 図7は、実施例1及び実施例2において製造されたプレス成形品と比較例のプレス成形品とを評価した表である。 図8は、ブランクとして引張強度980MPa級DP鋼を用いた場合の各ケースにおける、比較例及び実施例1のプレス成形品のそれぞれの縦壁反りの曲率をまとめて示すグラフである。 図9は、3水準の引張強度のブランクを素材とした場合について、比較例及び実施例1のプレス成形品のそれぞれの縦壁反りの曲率をまとめて示すグラフである。 図10は、ブランクとして引張強度980MPa級DP鋼を用いた場合の各ケースにおける、比較例及び実施例2のプレス成形品のそれぞれの縦壁反りの曲率をまとめて示すグラフである。 図11は、3水準の引張強度のブランクを素材とした場合について、比較例及び実施例2のプレス成形品のそれぞれの縦壁反りの曲率をまとめて示すグラフである。 図12Aは、ボディシェルの要部に配置される骨格部材を示す説明図である。 図12Bは、ボディシェルの要部に配置される骨格部材の他の例を示す説明図である。 図12Cは、ボディシェルの要部に配置される骨格部材の他の例を示す説明図である。 図12Dは、ボディシェルの要部に配置される骨格部材の他の例を示す説明図である。 図13Aは、図12A〜図12Dの骨格部材のプレス成形の状況を示す断面図である。 図13Bは、図12A〜図12Dの骨格部材の縦壁のモーメント分布を示すコンター図である。 図13Cは、図12A〜図12Dの骨格部材の縦壁反りを示す断面図である。 図14Aは、従来技術の説明をするための説明図である。 図14Bは、従来技術の説明をするための説明図である。 図14Cは、従来技術の説明をするための説明図である。 図15は、特許文献2により開示された技術を示す説明図である。
以下、初めに本実施に係るプレス成形品の製造方法によって成形されるプレス成形品26について説明し、次いでプレス成形品26を成形するためのプレス金型について説明する。なお、プレス成形品26は、後述するプレス金型が離型された状態の成形品とされている。
(プレス成形品26について)
図3に示されるように、プレス成形品26は、所謂ハット型横断面形状を有する形態に形成されている。すなわち、プレス成形品26は、プレス成形品26の幅方向(図3の矢印W方向)を長手方向とする「第1壁部」としての天板21と、この天板21の長手方向両端部にそれぞれつながる一対の稜線22a,22bと、これら一対の稜線22a,22bにそれぞれつながると共に当該各稜線22a,22bから天板21の板厚方向一方側(裏面側)へ延出される「第2壁部」としての一対の縦壁23a,23bと、これら一対の縦壁23a,23bの先端部(下端部)にそれぞれつながる一対の曲線部24a,24bと、これら一対の曲線部24a,24bにそれぞれつながると共に曲線部24a,24bから天板21の長手方向両側(縦壁23a,23bの表面側)へそれぞれ延出される「第3壁部」としての一対のフランジ25a,25bと、を含んで構成されている。なお、以下の説明では、プレス成形品26の表面側をプレス成形品26の外側と称し、プレス成形品26の裏面側をプレス成形品26の内側と称する。
また、一対の稜線22a,22bは、プレス成形品26の外側へ凸となる略円弧状に湾曲されている。すなわち、二つの稜線22a,22bは、プレス成形品26の外側へ凸となる角部として構成されている。さらに、一対の曲線部24a,24bは、プレス成形品26の内側へ凸となる略円弧状に湾曲されている。また、縦壁23a,23bは、プレス成形品26の横断面視で、先端側へ向かうに従い天板21の長手方向両側(外側)に傾斜されている。換言すると、二つの縦壁23a,23bは、先端側へ向かうに従い互いに離間する方向へ傾斜している。これにより、プレス成形品26では、縦壁23a,23bの先端部が天板21の長手方向外側へ開くように形成されて、天板21と縦壁23a,23bとの成す角度が鈍角に設定されている。
なお、本開示におけるプレス成形品26は、上記の形態に限定されるものではない。例えば、プレス成形品26が、横断面形状(具体的には、Z字型(クランク型))を有する形態にも同様に適用される。すなわち、この場合には、プレス成形品26が、天板21と、この天板21の長手方向一方側の端部につながる一つの稜線22aと、この稜線22aにつながると共に稜線22aから天板21の板厚方向一方側へ延びる一つの縦壁23aと、この縦壁23aにつながる一つの曲線部24aと、この曲線部24aにつながると共に曲線部24aから天板21の長手方向一方側へ延びる一つのフランジ25aと、を含んで構成される。
また、上記のハット型横断面形状を有するプレス成形品26では、プレス成形品26の幅方向中央線に対して左右対称の形状を成しているが、プレス成形品26が左右非対称の形状を成していてもよい。さらに、上記のハット型横断面形状を有するプレス成形品26では、一例として天板21と縦壁23a,23bとの成す角度を鈍角に設定しているが、後述するプレス成形品において例えばカム曲げ工法によってプレス成形品26する場合では、天板21と縦壁23a,23bとの成す角度を、略直角や鋭角に設定してもよい。
また、本開示のプレス成形品26は、後述するプレス成形品の製造方法によって、冷間または温間でブランク又は余加工を施したブランクに対してプレス成形(第1のプレス成形)を施すことによって得られる。さらに、本開示のプレス成形品26は、上記の第1のプレス成形を行った後に、必要に応じてリストライク(第2のプレス成形)を行うことによって、得られてもよい。
また、プレス成形品26の成形素材であるブランクまたはプレス成形品26の引張強度は、590MPa以上であり、望ましくは780MPa以上であり、さらに望ましくは980MPa以上である。引張強度が590MPa未満では、本発明の課題である縦壁反りが発生し難くなり、引張強度が高まるほど縦壁反りが発生し易くなるからである。このような観点から、ブランクまたはプレス成形品26の引張強度の上限を規定する必要はないが、プレス荷重の実用上の上限から2000MPa以下であることが望ましい。
なお、以下の説明では、便宜上、後述するプレス金型の離型前の状態におけるプレス成形品に符号20を付して、プレス成形品をプレス金型の離型前の状態と離型後の状態とで区別している。
(プレス金型について)
図1Aには、後述する第1のプレス成形において、ブランクに絞り成形を施すことで、プレス成形品26を製造する場合のプレス金型30Aが図示されている。また、図1Bには、後述する第1のプレス成形において、ブランクに曲げ成形を施すことで、プレス成形品26を製造する場合のプレス金型30Bが図示されている。なお、図1A及び図1Bでは、プレス成形品20の幅方向とプレス金型30A,30Bの幅方向とが一致している。
図1Aに示すように、ブランクに絞り成形を施す場合の第1のプレス成形では、プレス金型30Aが、パンチ31と、ダイ32と、一対のブランクホルダ33と、を含んで構成されている。具体的には、ダイ32が、プレス金型30Aの上部を構成し、横断面視で下方側へ開放された凹状に形成されている。また、パンチ31は、ダイ32の凹部の下方側に配置されると共に、上方側へ突出された凸状に形成されている。そして、パンチ31がダイ32に対して上方側に相対移動可能に構成されている。また、一対のブランクホルダ33はパンチ31の幅方向両側に配置されて、一対のブランクホルダ33とダイ32とによってブランクにおけるフランジ25a,25bに成形される部分を狭持するように構成されている。
一方、図1Bに示すように、ブランクに曲げ成形を施す場合の第1のプレス成形では、プレス金型30Bが、パンチ31と、一対のダイ32と、ダイパッド34を含んで構成されている。具体的には、一対のダイ32が、プレス金型30Bの上部を構成し、全体として下方側へ開放された凹状に形成されている。また、パンチ31は、ダイ32の下方側に配置されると共に、上方側へ突出された凸状に形成されている。そして、ダイ32がパンチ31に対して下方側に相対移動可能に構成されている。また、ダイパッド34は一対のダイ32の間に配置されて、ダイパッド34とパンチ31とによってブランクにおける天板21に成形される部分を狭持するように構成されている。
さらに、図1A及び図1Bに示されるように、パンチ31は、プレス成形品20の天板21、稜線22a,22bおよび縦壁23a,23bの一部それぞれと同じ外面形状を有している。また、ダイ32は、プレス成形品20の天板21、稜線22a,22bおよび縦壁23a,23bの一部それぞれの外面形状と同じ内面形状を有している。
また、プレス成形品26では、天板21と縦壁23a,23bとの成す角度が鈍角に設定されているため、図5Aに示されるように、ダイ32の角部32Aがパンチ31の角部31Aに対してプレス金型30A(30B)の幅方向外側に離間して配置されている。そして、プレス金型30A(30B)の幅方向におけるパンチ31の角部31A(横断面視で天板21を成形する成形面と縦壁23a,23bを成形する成形面との交点)とダイ32の角部32A(横断面視で縦壁23a,23bを成形する成形面とフランジ25a,25bを成形する成形面との交点)との距離が距離Xとされている。
ここで、本開示のプレス金型30A(30B)では、パンチ31及びダイ32における縦壁23a,23bを成形する部分に、凹凸状の加圧部が形成されている。これにより、パンチ31及びダイ32によってプレス成形品20を成形し且つプレス金型30A(30B)を離型した後に、プレス成形品26の縦壁23a,23bにおいて、縦壁23a,23bの板厚方向における歪み差を低減するようになっている。以下、具体的に説明する。
パンチ31における縦壁23a,23bの基端側の部分(天板21及び稜線22a,22b側の部分)を成形する部分には、「第1加圧部」としてのパンチ側凹曲面部31Bが形成されている。このパンチ側凹曲面部31Bは、パンチ31の幅方向内側(プレス成形品20の内側)へ凸となる凹曲面状に形成されている。
また、パンチ31における縦壁23a,23bの先端側の部分(曲線部24a,24b及びフランジ25a,25b側の部分)を成形する部分には、「第2加圧部」としてのパンチ側凸曲面部31Cが形成されている。このパンチ側凸曲面部31Cは、パンチ31の幅方向外側(プレス成形品20の外側)へ凸となる凸曲面状に形成されている。
一方、ダイ32における縦壁23a,23bの基端側の部分を成形する部分には、「第1加圧部」としてのダイ側凸曲面部32Bが形成されている。このダイ側凸曲面部32Bは、ダイ32の幅方向内側(プレス成形品20の内側)へ凸となる凸曲面状に形成されている。これにより、パンチ31及びダイ32によって縦壁23a,23bを成形するときには、縦壁23a,23bの基端側の部分が、パンチ側凹曲面部31B及びダイ側凸曲面部32Bによって加圧狭持されるようになっている(図1A参照)。
また、ダイ32における縦壁23a,23bの先端側の部分を成形する部分には、「第2加圧部」としてのダイ側凹曲面部32Cが形成されている。このダイ側凹曲面部32Cは、ダイ32の幅方向外側(プレス成形品20の外側)へ凸となる凹曲面状に形成されている。これにより、パンチ31及びダイ32によって縦壁23a,23bを成形するときには、縦壁23a,23bの先端側の部分がパンチ側凸曲面部31C及びダイ側凹曲面部32Cによって加圧狭持されるようになっている(図1A参照)。
したがって、図1A及び図1Bに示されるように、パンチ31及びダイ32によるプレス成形終了後かつプレス金型30A(30B)の離型前のプレス成形品20では、一対の縦壁23a,23bにおける基端側の部分が、パンチ31及びダイ32によって、プレス成形品26の内側(縦壁23a,23bの裏面側)へ凸となる第1の反り形状23a−1,23b−1に加圧狭持されるようになっている。さらに、プレス成形品20では、一対の縦壁23a,23bの先端側の部分が、パンチ31及びダイ32によって、プレス成形品26の外側(縦壁23a,23bの表面側)へ凸となる第2の反り形状23a−2,23b−2に加圧狭持されるようになっている。すなわち、この状態におけるプレス成形品20では、二つの縦壁23a,23bが、S字状横断面形状となるように、パンチ31及びダイ32によって加圧狭持されるようになっている。これにより、具体的には後述するが、縦壁23a,23bの延出方向の全体に亘って、縦壁23a,23bの反りを矯正するように構成されている。なお、本開示のプレス金型30A(30B)を、例えばプレス成形品の仕様等に応じて、パンチ側凸曲面部31C及びダイ側凹曲面部32Cを設けない構成としてもよい。すなわち、パンチ側凸曲面部31C及びダイ側凹曲面部32Cを平面状に成形してもよい。
また、プレス成形品20における第1の反り形状23a−1,23b−1及び第2の反り形状23a−2,23b−2は、一定の曲率を有する形状に形成されている。具体的には、第1の反り形状23a−1,23b−1及び第2の反り形状23a−2,23b−2の曲率半径が、いずれも10mm〜800mm以下になるように、パンチ側凹曲面部31B、パンチ側凸曲面部31C、ダイ側凸曲面部32B、ダイ側凹曲面部32Cが形成されている。この曲率半径が10mm未満であると、プレス成形品26の縦壁23a,23bに曲げ後残りが発生して、ブランクの引張強度が590MPa以上である場合には、曲げ割れが発生するおそれがある。一方、曲率半径が800mm超であると、プレス成形品26の縦壁23a,23bの板厚方向における歪み差に対して矯正効果が少なくなり、縦壁23a,23bのスプリングバック(壁反り)を減少することができない可能性がある。なお、第1の反り形状23a−1,23b−1及び第2の反り形状23a−2,23b−2が、楕円弧形状、複数の曲率を有する形状などであってもよい。
さらに、第1の反り形状23a−1,23b−1の断面周長と、第2の反り形状23a−2,23b−2の断面周長と、の合計が、プレス成形品26の縦壁23a,23bの断面周長の50%以上に設定されている。この合計が縦壁23a,23bの断面周長の50%未満であると、縦壁23a,23bの板厚方向における歪み差に対する矯正効果が少なくなり、縦壁23a,23bのスプリングバック(壁反り)を減少することができない可能性がある。
また、図1A及び図1Bに示されるように、第1の反り形状23a−1,23b−1と、第2の反り形状23a−2,23b−2とは、連続して形成されるようにパンチ31及びダイ32における縦壁23a,23bを成形する部分を構成してもよいし、両者の間に例えば直線状部や曲線状部等を介在させるようにパンチ31及びダイ32における縦壁23a,23bを成形する部分を構成してもよい。
さらに、第1の反り形状23a−1,23b−1の断面周長が、プレス金型30A(30B)の幅方向におけるパンチ31の角部31Aとダイ32の角部32Aとの間の距離X以上であり、縦壁23a,23bの断面周長の1/2以下に設定されている。すなわち、縦壁23a,23bを成形するときには、ブランクが、パンチ31の角部31Aによって押圧された部分を起点に曲げられて、縦壁23a,23bが形成されるため、第1の反り形状23a−1,23b−1の断面周長を距離X以上にすることが望ましい。また、縦壁23a,23bを成形するときには、ブランクが縦壁23a,23bを成形される部分に引き込まれる。このため、引き込まれるブランクを考慮して、第1の反り形状23a−1,23b−1の断面周長を縦壁23a,23bの1/2以下の長さに設定している。
また、第1の反り形状23a−1,23b−1の配置は以下のように設定されている。すなわち、図2に示されるように、先ず、第1の反り形状23b−1(23a−1)の上端(稜線22b(22a)との交点)を通過し且つプレス成形品26の上下方向(天板21の板厚方向)に沿った線を基準線Lとする。そして、第1の反り形状23b−1(23a−1)の上端を通過し且つ第1の反り形状23b−1(23a−1)に接する接線を接線L1とすると、接線L1が縦壁23b(23a)の先端側へ向かうに従いプレス成形品20の幅方向外側へ傾斜している。換言すると、基準線Lに対する接線L1の傾斜角度をθ1とすると、傾斜角度をθ1が負の値にならないように設定されている。つまり、傾斜角度θが負の値になる場合には、接線L1が縦壁23b(23a)の先端側へ向かうに従いプレス成形品20の幅方向内側へ傾斜する。このため、この場合において、パンチ31及びダイ32によってプレス成形品20を成形すると、パンチ側凹曲面部31B及びダイ側凸曲面部32Bの一部が、第1の反り形状23b−1(23a−1)と上下方向にラップする(重なる)状態になる。これにより、パンチ31及びダイ32を上下方向に離型するときに、パンチ側凹曲面部31B及びダイ側凸曲面部32Bによって第1の反り形状23b−1(23a−1)が抉られて、プレス成形品26に傷がつく可能性がある。したがって、プレス成形品26の傷つきを防止するために、傾斜角度をθ1が負の値にならないように設定されている。
また、縦壁23a,23bがS字状横断面形状に形成される前の、ブランクにおける縦壁形成予定部は、横断面で直線状である必要はなく、例えば凹形状や湾曲形状等がS字横断面形状を形成される前に形成されていてもよい。
次に、プレス成形品の製造方法について説明しつつ、本開示のプレス成形品の製造方法の作用及び効果について説明する。
プレス成形品の製造方法では、第1のプレス成形を有している。この第1のプレス成形では、図1Aに示すようにブランクにパンチ31、ダイ32およびブランクホルダ33を用いて絞り成形によるプレス成形を行うこと、または、図1Bに示すようにブランクにパンチ31、ダイ32およびダイパッド34を用いて曲げ成形によるプレス成形を行うことによって、プレス成形品26を製造する。なお、第1のプレス成形として、その他の工法を利用してもよい。例えば、パンチとダイおよびダイパットとブランクホルダを用いて行うパット絞り工法や、パンチとダイを用いて行うスタンピング工法、さらには、パンチとダイおよびダイパッドを用いて行うカム曲げ工法などが挙げられる。
そして、図1Aに示される、ブランクに絞り成形を施す第1のプレス成形を例とすると、第1のプレス成形では、ブランクの長手方向両端部を、一対のブランクホルダ33とダイ32とによって狭持する。そして、図5Aに示されるように、パンチ31を上方側へ移動させてダイ32に接近させる。さらに、図5Bに示されるように、この状態からパンチ31を上方側へさらに移動させてダイ32の凹部内に挿入させる。このため、ブランクがパンチ31の角部31Aによって曲げられると共に、ダイ32の角部32Aによって曲げられる。このとき、パンチ31の角部31Aとダイ32の角部32Aとは、プレス金型30A,30Bの幅方向に離間しているため、ブランクにおける縦壁23a,23bの基端側に形成される部分は、パンチ31の角部31Aの径方向外側へ凸となるように湾曲し、ブランクにおける縦壁23a,23bの先端側に形成される部分は、ダイ32の角部32Aの径方向外側へ凸となるように湾曲される。
そして、パンチ31をさらに上方側へ移動させて、パンチ31とダイ32とによってブランクを加圧狭持することで、プレス成形品20が成形される(図1A参照)。これにより、パンチ31の角部31A(図5B参照)及びダイ32の角部32A(図5B参照)によって曲げられたブランクが曲げ戻されて縦壁23a,23bが形成される。このように、縦壁23a,23bが成形されるときには、パンチ31及びダイ32によってブランクが曲げ、曲げ戻し変形して、縦壁23a,23bには、縦壁23a,23bの板厚方向における応力差(縦壁23a,23bの表面(外側面)の応力と裏面(内側面)の応力との差)によるモーメントが発生する。
具体的には、成形後の縦壁23a,23bの基端側の部分には、表面(外側面)に圧縮応力が作用し、裏面(内側面)に引張応力が作用する。このため、縦壁23a,23bの基端側の部分には、縦壁23a,23bの表面(外側面)の応力と裏面(内側面)の応力との差によって、縦壁23a,23bの基端側の部分がプレス成形品20の内側へ巻かれるように反る(換言すると、縦壁23a,23bの表面側へ凸に反る)モーメント(内反りモーメント)が生じる(図3の点線で示される縦壁23a,23bの基端側の部分を参照)。
一方、成形後の縦壁23a,23bの先端側の部分には、表面(外側面)に引張応力が作用し、裏面(内側面)に圧縮応力が作用する。このため、縦壁23a,23bの先端側の部分には、縦壁23a,23bの表面(外側面)の応力と裏面(内側面)の応力との差によって、縦壁23a,23bの先端側の部分がプレス成形品20の外側へ巻かれるように反る(換言すると、縦壁23a,23bの裏面側へ凸に反る)モーメント(外反りモーメント)が生じる(図3の点線で示される縦壁23a,23bの先端側の部分を参照)。
ここで、パンチ31における縦壁23a,23bの基端側の部分(天板21及び稜線22a,22b側の部分)を成形する部分には、パンチ側凹曲面部31Bが形成されており、パンチ31における縦壁23a,23bの先端側の部分(曲線部24a,24b及びフランジ25a,25b側の部分)を成形する部分には、パンチ側凸曲面部31Cが形成されている。また、ダイ32における縦壁23a,23bの基端側の部分を成形する部分には、ダイ側凸曲面部32Bが形成されており、ダイ32における縦壁23a,23bの先端側の部分を成形する部分には、ダイ側凹曲面部32Cが形成されている。
このため、図1A及び図1Bに示されるように、第1のプレス成形終了後かつプレス金型30Aの離型前の状態では、一対の縦壁23a,23bにおける基端側の部分が、縦壁23a,23bの裏面側へ凸となる第1の反り形状23a−1,23b−1にパンチ側凹曲面部31B及びダイ側凸曲面部32Bによって加圧狭持される。一方、一対の縦壁23a,23bの先端側の部分が、縦壁23a,23bの表面側へ凸となる第2の反り形状23a−2,23b−2にパンチ側凸曲面部31C及びダイ側凹曲面部32Cによって加圧狭持される。すなわち、離型前におけるプレス成形品20では、一対の縦壁23a,23bが、S字状横断面形状となるように、パンチ31及びダイ32によって加圧狭持される。
これにより、プレス金型30Aの離型前のプレス成形品20では、上記内反りモーメントによって縦壁23a,23bの表面側(プレス成形品20の外側)へ凸に反ろうとする縦壁23a,23bの基端側の部分が、縦壁23a,23bの裏面側へ凸に反る第1の反り形状23a−1,23b−1に矯正される。また、プレス成形品20では、上記外反りモーメントによって縦壁23a,23bの裏面側(プレス成形品20の内側)へ凸に反ろうとする縦壁23a,23bの先端側の部分が、縦壁23a,23bの表面側へ凸に反る第2の反り形状23a−2,23b−2に矯正される。よって、縦壁23a,23bの基端側の部分に生じる内反りモーメントがキャンセルされると共に、縦壁23a,23bの先端側の部分に生じる外反りモーメントがキャンセルされる。その結果、図4Aに示されるように、プレス金型30Aの離型時にパンチ31およびダイ32による加圧がプレス成形品20に対して取り除かれたときには、縦壁23a,23bの基端側の部分及び先端側の部分の板厚方向における歪み差が低減されて、縦壁23a,23b(図4Aでは、縦壁23bのみを図示している)の壁反りの発生を抑制することができる。
そして、図4Aに示されるプレス成形品26の形状が製品形状を満足する場合には、プレス成形品26をこのまま最終製品とすればよい。しかし、プレス成形品26において、稜線22a,22bをさらに押し込む必要がある場合には、第1のプレス成形に引き続いて、プレス成形品26をリストライクして最終製品としてのプレス成形品を成形してもよい。すなわち、第1のプレス成形の後に、リストライク用パンチおよびリストライク用ダイを用いて第2のプレス成形を行って稜線22a,22bをリストライクによりさらに押し込むことによって、図4Bに示す所望の断面形状を有する最終製品とすればよい(図4Bでは、縦壁23bのみを図示している)。なお、プレス成形品26をリストライクするリストライク用パンチおよびリストライク用ダイでは、縦壁23a,23bを成形する面が平面状(横断面視で直線状)に形成されている。
このように、本開示のプレス成形品の製造方法によれば、例えば590MPa以上、780MPa以上、場合によっては980MPa以上といった高い引張強度を有するプレス成形品26において、縦壁23a,23bにビードや段差を形成することなく、縦壁23a,23bのスプリングバック(縦壁反り)を実質的に解消しつつ、プレス成形品26を製造することができる。
また、プレス成形品20における第1の反り形状23a−1,23b−1及び第2の反り形状23a−2,23b−2の曲率半径が、いずれも10mm〜800mm以下になるように、パンチ側凹曲面部31B、パンチ側凸曲面部31C、ダイ側凸曲面部32B、ダイ側凹曲面部32Cが形成されている。これにより、プレス成形品26の縦壁23a,23b全体の壁反りを良好に低減することができる。
さらに、プレス成形品20における第1の反り形状23a−1,23b−1の断面周長と、第2の反り形状23a−2,23b−2の断面周長と、の合計が、プレス成形品26の縦壁23a,23bの断面周長の50%以上に設定されている。これにより、プレス成形品26の縦壁23a,23b全体の壁反りを効果的に低減することができる。
また、プレス成形品20における第1の反り形状23a−1,23b−1の断面周長が、プレス金型30A(30B)の幅方向におけるパンチ31の角部31Aとダイ32の角部32Aとの間の距離X以上であり、縦壁23a,23bの断面周長の1/2以下に設定されている。これにより、第1のプレス成形における曲げ成形や絞り成形等に対応して、プレス成形品26の縦壁23a,23bの壁反りを低減することができる。
(実施例1)
実施例1では、ハット型の横断面形状を有するプレス成形品26を製造した場合を例としている。具体的には、3水準の鋼製かつ矩形のブランク(長さ250mm,幅27mm,板厚:1.2mm,材質:引張強度1180MPa級DP鋼(A鋼),引張強度980MPa級DP鋼(B鋼),引張強度590MPa級DP鋼(C鋼))に、図1Aに示されるプレス金型30Aを用いて第1のプレス成形を行って、プレス成形品26を製造した。そして、図6Aには、離型後におけるプレス成形品26が斜視図にて示されており、図6Bには、離型後におけるプレス成形品26の寸法が示されている。
そして、プレス金型30Aの離型前のプレス成形品20における縦壁23a,23bの角度(縦壁角度、詳しくは基準線Lに対する縦壁23a,23bの角度)と、第1の反り形状23a−1,23b−1及び第2の反り形状23a−2,23b−2のそれぞれの曲率半径とを、図7の表に示すように種々変更して、多数のプレス成形品26(図7の表に示される実施例1−(1)〜実施例1−(9))を製造した。
そして、図6Aおよび図6Bに示されるように、離型後のプレス成形品26の縦壁23bにおける上部、中央部および下部の3か所の測定位置27〜29を通過する曲率半径を測定して、縦壁23bのスプリングバック(縦壁23bの壁反り)を比較例と共に評価した。なお、比較例では、プレス金型30Aのパンチ31においてパンチ側凹曲面部31B及びパンチ側凸曲面部31Cが設けられておらず、プレス金型30Aのダイ32においてダイ側凸曲面部32B及びダイ側凹曲面部32Cが設けられていない。すなわち、プレス金型30Aの離型前の比較例のプレス成形品では、縦壁23a,23bが、第1の反り形状23a−1,23b−1及び第2の反り形状23a−2,23b−2に形成されずに略直線状に形成されるようになっている。
図8は、ブランクとして引張強度980MPa級DP鋼(B鋼)を用いた各ケースについて、比較例3において測定された曲率半径を1としたときの、比較例1〜3および実施例1−(1)〜1−(9)においてそれぞれ測定された曲率半径を、相対値で示すグラフである。
また、図9は、上記3水準の引張強度のブランク(A〜C鋼)を素材とした場合について、A鋼からなる比較例3において測定された曲率半径を1としたときの、比較例2,3および実施例1−(3),1−(5)のそれぞれの測定された曲率半径を、相対値で示すグラフである。
そして、図8のグラフに示すように、実施例1−(1)〜1−(9)のプレス成形品26における曲率が、比較例1〜3のプレス成形品の曲率の略1/5よりも小さくなっていることがわかる。すなわち、実施例1−(1)〜1−(9)のプレス成形品26では、縦壁23a,23bの壁反りが比較例1〜3に比べて、大幅に抑制され、実質的に解消されたことがわかる。
また、図9のグラフに示すように、実施例1−(3),1−(5)のプレス成形品26では、ブランクの引張強度によって若干の差があるものの、曲率が、比較例2及び3のプレス成形品の曲率に比べて大幅に小さくなっていることがわかる。すなわち、実施例1−(3),1−(5)のプレス成形品26では、縦壁23a,23bの壁反りが比較例2及び3に比べて、大幅に抑制され、実質的に解消されたことがわかる。
以上により、プレス金型30A,30Bを用いたプレス成形品の製造方法によれば、プレス成形品26の縦壁23a,23bにおける壁反りを低減することができる。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様に、3水準の鋼製かつ矩形のブランクに、図1Aに示されるプレス金型30Aを用いて第1のプレス成形を行って、プレス成形品26を製造した。ただし、実施例2では、プレス金型30Aにおいて、パンチ31のパンチ側凸曲面部31Cが設けられておらず、ダイ32のダイ側凹曲面部32Cが設けられていない。すなわち、離型前のプレス成形品20では、縦壁23a,23bの基端側の部分のみが、第1の反り形状23a−1,23b−1に加圧されるようになっており、縦壁23a,23bの先端側の部分は、横断面視で略直線状に加圧されるようになっている。なお、実施例2において用いられるブランクは実施例1と同様のブランクを用いており、実施例2のプレス成形品26は実施例1と同一の寸法を有している。
そして、実施例1と同様に、離型前のプレス成形品20の縦壁23a,23bの角度(縦壁角度)と、第1の反り形状23a−1,23b−1の曲率半径とを、図7の表に示すように種々変更して、多数のプレス成形品26(図7の表に示される実施例2−(1)〜2−(4))を製造した。
そして、実施例2では、離型後のプレス成形品26の縦壁23bにおける基端側の部分(プレス成形品20の第1の反り形状23b−1に対応する部分)の上部、中央部および下部の3か所の測定位置27A〜29A(図3を参照)を通過する曲率半径を測定することにより、縦壁23bにおける基端側の部分の壁反りを上述の比較例と共に評価した。
そして、図10は、ブランクとして引張強度980MPa級DP鋼(B鋼)を用いた各ケースについて、比較例3の測定位置27A〜29Aの曲率半径を1とした場合における比較例1〜3および実施例2−(1)〜2−(4)のそれぞれの測定位置27A〜29Aの曲率半径の相対値を示すグラフである。
また、図11は、上記3水準の引張強度のブランク(A〜C鋼)を素材とした場合について、A鋼からなる比較例3の測定位置27A〜29Aの曲率半径を1とした場合における比較例2,3および実施例2−(2),2−(3)のそれぞれの測定位置27〜29の曲率半径の相対値を示すグラフである。
図10のグラフに示すように、実施例2においても、実施例2−(1)〜2−(4)のプレス成形品26における縦壁23a,23bの壁反りが比較例1〜3に比べて、抑制され、実質的に解消されたことがわかる。特に、実施例2−(4)のプレス成形品26の壁反りが比較例1〜3に比べて、大幅に抑制されたことがわかる。
また、図11のグラフに示すように、各ブランクの引張強度において、実施例2−(2),2−(3)のプレス成形品26における縦壁23a,23bの曲率が、比較例2及び3のプレス成形品の曲率に比べて小さくなっていることがわかる。すなわち、実施例2−(2),2−(3)のプレス成形品26では、縦壁23a,23bの壁反りが比較例2及び3に比べて、抑制され、実質的に解消されたことがわかる。
以上により、プレス成形品20の縦壁23a,23bの基端側の部分のみを、プレス金型30A(30B)を用いて第1の反り形状23a−1,23b−1に加圧狭持した場合でも、プレス成形品26の基端部における縦壁23a,23bにおける壁反りを低減することができる。
なお、2014年6月26日に出願された日本国特許出願2014−13190号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
(付記)
本開示のプレス成形品の製造方法は、第1壁部と、前記第1壁部の長手方向の少なくとも一方側の端部から前記第1壁部の裏面側へ延出された第2壁部と、前記第2壁部の先端部から前記第2壁部の表面側へ延出された第3壁部と、を有するプレス成形品を、パンチ及びダイを有するプレス金型を用いて製造する方法であって、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の基端側の部分を、前記第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状に前記パンチ及び前記ダイによって加圧狭持する。
また、本開示のプレス成形品の製造方法は、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の先端側の部分を、前記第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状に前記パンチ及び前記ダイによって加圧狭持することが好ましい。
また、本開示のプレス成形品の製造方法は、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状及び前記第2の反り形状の曲率半径を10mm〜800mmとすることが好ましい。
また、本開示のプレス成形品の製造方法は、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長と、前記第2の反り形状の断面周長と、の合計が、前記第2壁部の断面周長の50%以上であることが好ましい。
また、本開示のプレス成形品の製造方法は、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長が、前記プレス金型の幅方向における前記パンチの角部と前記ダイの角部との間の距離以上であり、前記第2壁部の断面周長の1/2以下に設定されていることが好ましい。
また、本開示のプレス成形品の製造方法は、前記プレス成形品の引張強度が590Mpa以上であることが好ましい。
本開示のプレス金型は、第1壁部と、前記第1壁部の長手方向の少なくとも一方側の端部から前記第1壁部の裏面側へ延出された第2壁部と、前記第2壁部の先端部から前記第2壁部の表面側へ延出された第3壁部と、を有するプレス成形品を製造するためのプレス金型であって、互いに接近する方向に相対移動することで前記プレス成形品を成形するパンチ及びダイを備え、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の基端側の部分を前記第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状に加圧狭持する第1加圧部が、前記パンチ及び前記ダイに形成されている。
また、本開示のプレス金型は、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の先端側の部分を前記第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状に加圧狭持する第2加圧部が、前記パンチ及び前記ダイに形成されていることが好ましい。
また、本開示のプレス金型は、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状及び前記第2の反り形状の曲率半径を10mm〜800mmとするように、前記第1加圧部及び前記第2加圧部が形成されていることが好ましい。
また、本開示のプレス金型は、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長と、前記第2の反り形状の断面周長と、の合計が、前記第2壁部の断面周長の50%以上となるように、前記第1加圧部及び前記第2加圧部の断面周長が設定されていることが好ましい。
また、本開示のプレス金型は、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長が、前記プレス金型の幅方向における前記パンチの角部と前記ダイの角部との間の距離以上であり、前記第2壁部の断面周長の1/2以下となるように、前記第1加圧部の長さが設定されていることが好ましい。
また、本開示のプレス成形品の製造方法は、ブランクに第1のパンチおよび第1のダイを用いて、天板と、該天板につながる稜線と、該稜線につながる縦壁と、該縦壁につながる曲線部と、該曲線部につながるフランジとにより構成される横断面形状を有し、かつ、前記縦壁が、前記稜線の側に形成される、前記横断面形状の内部へ向けた曲線からなる凸形状部と、前記曲線部の側に形成される、前記横断面形状の外部へ向けた曲線からなる凸形状部とを有するS字状横断面形状を有する成形品とした後に離型する第1のプレス成形を行う。
また、本開示のプレス金型は、ブランクを、天板と、該天板につながる稜線と、該稜線につながる縦壁と、該縦壁につながる曲線部と、該曲線部につながるフランジとにより構成される横断面形状を有し、かつ、前記縦壁が、前記稜線の側に形成される、前記横断面形状の内部へ向けた曲線からなる凸形状部と、前記曲線部の側に形成される、前記横断面形状の外部へ向けた曲線からなる凸形状部とを有するS字状横断面形状を有する成形品に成形する第1のプレス成形を行う第1のパンチおよび第1のダイを備えるプレス成形品の製造装置であって、前記第1のパンチは、前記天板、前記稜線、および前記縦壁の一部それぞれの内面形状と同じ外面形状を有するとともに、前記第1のダイは、前記天板、前記稜線および前記縦壁の一部それぞれの外面形状と同じ内面形状を有すること、および前記内部へ向けた曲線からなる凸形状、および前記外部へ向けた曲線からなる凸形状それぞれの曲率半径は、いずれも、10〜800mmである。

Claims (9)

  1. 第1壁部と、前記第1壁部の長手方向の少なくとも一方側の端部から前記第1壁部の裏面側へ延出された第2壁部と、前記第2壁部の先端部から前記第2壁部の表面側へ延出された第3壁部と、を有するプレス成形品を、パンチ及びダイを有するプレス金型を用いて製造する方法であって、
    前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の基端側の部分が前記第2壁部の表面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の基端側の部分を、前記第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状に前記パンチ及び前記ダイによって加圧狭持して矯正し、かつ、前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の先端側の部分が前記第2壁部の裏面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の先端側の部分を、前記第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状に前記パンチ及び前記ダイによって加圧狭持して矯正するプレス成形品の製造方法。
  2. 前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状及び前記第2の反り形状の曲率半径を10mm〜800mmとする請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長と、前記第2の反り形状の断面周長と、の合計が、前記第2壁部の断面周長の50%以上である請求項1又は請求項2に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. 前記プレス金型の離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長が、前記プレス金型の幅方向における前記パンチの角部と前記ダイの角部との間の距離以上であり、前記第2壁部の断面周長の1/2以下に設定されている請求項1〜3の何れか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 前記プレス成形品の引張強度が590Mpa以上である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
  6. 第1壁部と、前記第1壁部の長手方向の少なくとも一方側の端部から前記第1壁部の裏面側へ延出された第2壁部と、前記第2壁部の先端部から前記第2壁部の表面側へ延出された第3壁部と、を有するプレス成形品を製造するためのプレス金型であって、
    互いに接近する方向に相対移動することで前記プレス成形品を成形するパンチ及びダイを備え、
    前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の基端側の部分が前記第2壁部の表面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の基端側の部分を前記第2壁部の裏面側へ凸に反る第1の反り形状に加圧狭持して矯正する第1加圧部が、前記パンチ及び前記ダイに形成され、かつ、前記プレス金型の離型時に前記パンチ及び前記ダイによる加圧が取り除かれたときに、前記第2壁部の先端側の部分が前記第2壁部の裏面側へ凸になるように反る壁反りの発生が抑制されるように、前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第2壁部の先端側の部分を前記第2壁部の表面側へ凸に反る第2の反り形状に加圧狭持して矯正する第2加圧部が、前記パンチ及び前記ダイに形成されているプレス金型。
  7. 前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状及び前記第2の反り形状の曲率半径を10mm〜800mmとするように、前記第1加圧部及び前記第2加圧部が形成されている請求項6に記載のプレス金型。
  8. 前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長と、前記第2の反り形状の断面周長と、の合計が、前記第2壁部の断面周長の50%以上となるように、前記第1加圧部及び前記第2加圧部の断面周長が設定されている請求項6又は請求項7に記載のプレス金型。
  9. 前記パンチ及び前記ダイの離型前の状態における横断面視で、前記第1の反り形状の断面周長が、前記プレス金型の幅方向における前記パンチの角部と前記ダイの角部との間の距離以上であり、前記第2壁部の断面周長の1/2以下となるように、前記第1加圧部の長さが設定されている請求項6〜請求項8の何れか1項に記載のプレス金型。
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