JP6443979B2 - リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
近年、半導体装置の小型化から形成するめっきエリア精度の向上が要求され、規定のめっきエリアからめっき漏れやめっきにじみの無いリードフレームが必要とされている。
このレジストマスクの密着力の低下は、リードフレーム全体に発生した場合は検査によって検出が可能であるが、部分的に発生した場合では検出が不可能なリードフレーム製品もある。
本発明のリードフレームは、リードフレーム基材をなすCu板にNiP/Auの順にめっき層が部分的に形成され、その上にAgめっき層が形成され、NiPめっき層の厚さが0.2μm以上0.5μm以下、Auめっき層の厚さが0.003μm以上0.01μm以下、Agめっき層の厚さが0.5μm以上1.0μm以下に形成されている。
そして、NiP、Au、Agの3層構成により、めっき総厚さを薄くできることで、レジストマスクへ与える影響も少なくなり、また、後述のようにNiPめっき液はレジストマスクの密着性を低下させないめっき液であるので、めっき漏れが無いめっきが形成できることから、リードフレームのファインピッチ化が可能となる。
また、Agめっき層の薄膜化およびNiP、Au、Agの3層構成によるめっき総厚さの薄化によりコスト低減も可能となる。
また、本発明のリードフレームは、製造に際し、NiP、Au、Agの3層めっき構成以外は、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して製造プロセスに違いは無く、めっきを施す際に基材の保護カバーとして使用するレジストも同様のものを用いることができるため、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して、めっきを施すためのめっき液への漬浸時間も短縮化できる。
さらに、NiPめっき液はAgめっき液に比べて低pHめっき液であるため、めっきエリアを形成するレジストの密着力の低下抑制が可能となり、めっきブリードの発生を防止できる。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態にかかるリードフレームにおける要部構成の一例を示す説明図である。
なお、図1では3層めっき構成5をCu板1の両面に施した構成を示したが、3層めっき構成5は、金属板1の片側の面に施した構成であってもよい。
NiPめっき層2の厚さは、0.2μm〜0.5μm、Auめっき層3の厚さは、0.003μm〜0.01μm、Agめっき層4の厚さは、0.5μm〜1.0μmに形成されている。そして、NiP/Au/Agの3層の総厚さは、最大1.51μmであり、従来のAgめっき1層構成のリードフレームにおいて必要とされていたAgめっきの最小の厚さである3μmを下回る薄さに形成されている。
詳しくは、本実施形態のリードフレームによれば、NiP、Au、Agの3層めっき構成5に関し、NiPめっき層2の厚さを最小で0.2μm、Auめっき層3の厚さを最小で0.003μm、Agめっき層4の厚さを最小で0.5μmにして薄膜化でき、リードフレームのファインピッチ化も可能となる。また、このように薄膜化しても、Cuの拡散を阻止することができる。また、ボンディング性にも問題を生じない。
更に、めっき層の薄膜化によりコスト低減も可能となる。
本実施形態のリードフレームは、製造に際し、後述する実施例で示すように、NiPめっき層の厚さを0.2μm以上0.5μm以下、Auめっき層の厚さを0.003μm以上0.01μm以下、Agめっき層の厚さを0.5μm以上1.0μm以下に形成する、NiP、Au、Agの3層めっき構成以外は、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して製造プロセスに違いは無く、めっきを施す際に基材の保護カバーとして使用するレジストも同様のものを用いることができる。このため、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して、めっきを施すためのめっき液への漬浸時間も短縮化できる。
さらに、NiPめっき液が低pHめっき液であるため、めっきエリアを形成するレジストの密着力の低下抑制が可能となり、めっきブリードの発生を防止できる。
図2は本発明の実施例1にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図であって、リードフレーム基材をなすCu板の片側に3層めっき構成を形成するリードフレームの製造工程を示す図である。図3は本発明の実施例1の変形例にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図であって、リードフレーム基材をなすCu板の両側に3層めっき構成を形成するリードフレームの製造工程を示す図である。
まず、リードフレーム基材をなすCu板1として厚さが0.100mmの銅材を用い、Cu板1の両面にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ株式会社:AQ−2558)を貼り付け、レジスト層11を形成した(図2(a)、図3(a)参照)。
次に、めっきを形成するためのパターンが形成された上面側用と裏面側用のガラスマスクを用いて、露光・現像を行うことで、めっきを形成する部分のレジストを除去して部分的にCu板1を露出させためっきマスク12(レジストマスク)を形成した(図2(b)、図3(b)参照)。
次に、めっき加工を行ない、Cu板1の露出部分にめっきを形成した。本実施例では、Cu板1の露出面から順に、設定値0.2μmのNiPめっき、設定値0.003μmのAuめっき、設定値0.5μmのAgめっきを施して、3層めっき構成5を形成し(図2(c)、図3(c)参照)、その後、Cu板1の両面に形成されているめっきマスク12(レジストマスク)を水酸化ナトリウム水溶液により剥離した(図2(d)、図3(d)参照)。
次に、3層めっき構成5が形成されたCu板1の両面にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ株式会社:AQ−4096)を貼り付け、レジスト層11’を形成し(図2(e)、図3(e)参照)、その後、リードフレームの形状が形成されたガラスマスクを用いて両面を露光し現像を行ってエッチングマスク13(レジストマスク)を形成した(図2(f)、図3(f)参照)。
次に、塩化第二鉄液を用いてスプレーエッチング加工を行い、Cu板1の露出部分を溶解し(図2(g)、図3(g)参照)、その後、エッチングマスク13を水酸化ナトリウム水溶液により剥離して、Cu板1の片側に3層めっき構成5を形成するリードフレーム、Cu板1の両側に3層めっき構成5を形成するリードフレームを夫々完成させた(図2(h)、図3(h)参照)。
3層のめっきが形成されたシート状のリードフレームを50枚抜き取り、めっき漏れを検査した結果、めっき漏れは無く良好な結果が得られた。また、200℃で2時間の加熱処理後、φ20μmのAuワイヤによりボンディングし、めっき上のワイヤのピール強度を測定した結果、4.5〜5.6g/Fであったことから、Cuの拡散は抑制されていると判断した。
図4は本発明の実施例2にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図である。
本実施例では、NiP、Au、Agの3層めっき構成が全面に施されたリードフレームを製造した。
まず、リードフレーム基材をなすCu板1として厚さが0.100mmの銅材を用い、Cu板1の両面にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ株式会社:AQ−2058)を貼り付け、レジスト層11を形成した(図4(a)参照)。
次に、リードフレームの形状が形成されたガラスマスクを用いて、両面を露光し現像を行い、エッチングマスク13(レジストマスク)を形成した(図4(b)参照)。
次に塩化第二鉄液を用いてスプレーエッチング加工を行い、Cu板1の露出部分を溶解し(図4(c)参照)、その後、エッチングマスク13を水酸化ナトリウム水溶液により剥離して、リードフレームの形成を行った(図4(d)参照)。
次に、めっき加工を行ってエッチング加工したリードフレーム全面にめっきを形成した。本実施例では、Cu板1の露出部から順に、設定値0.3μmのNiPめっき、設定値0.007μmのAuめっき、設定値0.8μmのAgめっきを施して、3層めっき構成5を形成し、リードフレームを完成させた(図4(e)参照)。
本実施例で完成したリードフレームは、Agのめっき量が、従来のAgめっき1層構成のリードフレームにおけるAgの最小めっき量に比べて4/15(=0.8/3)であり、またAgより高価なAuを使用しているがこれらの貴金属のめっき厚が非常に薄く、これら以外のめっき層には貴金属では無いNiPを用いているため、コストの低減効果が大きく、3層めっき構成を全面に施しながらもコストの増加を抑制することができる。
図5は本発明の実施例3にかかるリードフレームであって、ファインピッチ要求に対応したCu板上に微細な形状で多数のめっきエリアが設定され、Cu板の片側に3層めっき構成を形成したリードフレームの一部を示す説明図である。
次に、めっき加工を行ない、Cu板の露出部分にめっきを形成した。本実施例では、Cu板の露出面から順に、設定値0.5μmのNiPめっき、設定値0.009μmのAuめっき、設定値0.9μmのAgめっきを施して、3層めっき構成を形成し、その後、Cu板の両面に形成されているめっきマスク(レジストマスク)を水酸化ナトリウム水溶液により剥離した。
その後、実施例1と同様に、エッチングマスク(レジストマスク)の形成、エッチング加工、エッチングマスクの剥離を行い、Cu板の片側に3層めっき構成を形成するリードフレームを夫々完成させた。
実施例1と同じく、3層のめっきが形成されたシート状のリードフレームを50枚抜き取り、めっき漏れを検査した結果、めっき漏れは無く良好な結果が得られた。
2 NiPめっき層
3 Auめっき層
4 Agめっき層
5 3層めっき構成
11、11’ レジスト層
12 めっきマスク
13 エッチングマスク
Claims (4)
- リードフレーム基材をなすCu板にNiP/Auの順にめっき層が部分的に形成され、その上にAgめっき層が形成され、
NiPめっき層の厚さが0.2μm以上0.5μm以下、Auめっき層の厚さが0.003μm以上0.01μm以下、Agめっき層の厚さが0.5μm以上1.0μm以下に形成されていることを特徴とするリードフレーム。 - 所定のパターンに形成したレジストマスクから露出したリードフレーム基材をなすCu板に、NiP/Au/Agの順にめっき層を形成するリードフレームの製造方法であって、
NiPめっき層の厚さを0.2μm以上0.5μm以下、Auめっき層の厚さを0.003μm以上0.01μm以下、Agめっき層の厚さを0.5μm以上1.0μm以下に形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。 - NiP/Au/Agの3層のめっきを電気めっきにより連続的に形成することを特徴とする請求項2に記載のリードフレームの製造方法。
- NiP/Au/Agのめっき層が部分的に形成されたリードフレーム基材に、前記めっき層を覆い、且つリードフレーム形状のレジストマスクを形成し、エッチング加工によってリードフレーム形状を形成することを特徴とする請求項2又は3に記載のリードフレームの製造方法。
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