JP2016143731A - リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Agめっきが形成されるリードフレームにおいて、めっきブリードの問題がなく、またCuの拡散を十分に阻止し、さらにコストを低減でき、しかもめっき漏れを解消することでファインピッチの要求も満たすことの可能な信頼性の高いリードフレーム及びその製造方法を提供する。【解決手段】リードフレーム基材をなす銅等の金属板1にNiPめっき層2、Auめっき層3の順にめっき層を部分的に形成し、更にその上にAgめっき層4を形成する。NiPめっき層の厚さは0.2μm以上、Auめっき層の厚さは0.003μm以上、Agめっき層の厚さは0.5μm以上に形成し、3層の厚さが3μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体パッケージに用いられる多列型リードフレームであって、Agめっき厚さを薄く形成してコストダウンを図ると共に形成するめっきのにじみや漏れ等を抑えためっきエリア精度が高いリードフレーム及びその製造方法に関する。
従来、半導体装置に使用されるリードフレームは、ボンディングを行うリード部および半導体素子を搭載するパッドにAgめっきが3〜7μm程度の厚さで形成されている。また、コストダウンのためにリードの一部のみにAgめっきを形成した、例えば、特許文献1に示すようなリードフレームもある。
近年、半導体装置の小型化から形成するめっきエリア精度の向上が要求され、規定のめっきエリアからめっき漏れやめっきにじみの無いリードフレームが必要とされている。
特開2000−269399号公報
リードフレーム基材をなす金属板上にレジストマスクを形成してめっきエリアを設定し、Agめっきを形成する場合は、めっきを形成する位置や形成する形状は精度良く設定することができるが、めっきエリアを形成しているレジストマスクの密着力が、シアン化Ag浴でありpH11.5〜13の強アルカリ性のAgめっき液によって低下し、その密着力が低下した部位からめっきが漏れる(にじみ込む)ことで、例えば、図6に示すような、設定されためっきエリアの範囲を超えてめっきが形成されるブリードが問題となる。
このレジストマスクの密着力の低下は、リードフレーム全体に発生した場合は検査によって検出が可能であるが、部分的に発生した場合では検出が不可能なリードフレーム製品もある。
また、Agめっきは、めっき厚が薄いとワイヤーボンディングの際に、例えばリードフレーム基材がCu材である場合は、Cuの拡散の影響でボンディング不具合を起こし易い。このため、Agめっきの厚さは一般的には3μm以上が必要となるが、厚くめっきを形成すると、上述のめっき漏れは更に広がることとなりめっきエリア精度の要求を満足できず、またコスト高となる。
本発明は上記従来の課題を鑑みてなされたものであり、Agめっきが形成されるリードフレームにおいて、めっきブリードの問題がなく、またCuの拡散を十分に防止し、さらにコストを低減でき、しかもめっき漏れを解消することでファインピッチの要求も満たすことの可能な信頼性の高いリードフレーム及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるリードフレームは、リードフレーム基材をなす金属板にNiP/Auの順にめっき層が部分的に形成され、その上にAgめっき層が形成されている。
また、本発明のリードフレームにおいては、好ましくは、NiPめっき層の厚さが0.2μm以上、Auめっき層の厚さが0.003μm以上、Agめっき層の厚さが0.5μm以上に形成されている。
また、本発明のリードフレームにおいては、好ましくは、NiP/Au/Agの3層の厚さが3μm以下である。
また、本発明によるリードフレームの製造方法は、所定のパターンに形成したレジストマスクから露出したリードフレーム基材をなす金属板に、NiP/Au/Agの順にめっき層を形成する。
また、本発明のリードフレームの製造方法においては、好ましくは、NiPめっき層の厚さを0.2μm以上、Auめっき層の厚さを0.003μm以上、Agめっき層の厚さを0.5μm以上に形成する。
また、本発明のリードフレームの製造方法においては、好ましくは、NiP/Au/Agの3層の厚さを3μm以下に形成する。
また、本発明のリードフレームの製造方法においては、好ましくは、NiP/Au/Agの3層のめっきを電気めっきにより連続的に形成する。
また、本発明のリードフレームの製造方法においては、好ましくは、NiP/Au/Agのめっき層が部分的に形成されたリードフレーム基材に、前記めっき層を覆い、且つリードフレーム形状のレジストマスクを形成し、エッチング加工によってリードフレーム形状を形成する。
本発明によれば、めっきブリードの問題がなく、Cuの拡散を十分に防止し、さらにコストを低減でき、しかもファインピッチの要求を満たすことの可能なリードフレーム及びその製造方法が得られる。
本発明の一実施形態にかかるリードフレームにおける要部構成の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図であって、リードフレーム基材をなす金属板の片側に3層めっき構成を形成するリードフレームの製造工程を示す図である。 本発明の実施例1の変形例にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図であって、リードフレーム基材をなす金属板の両側に3層めっき構成を形成するリードフレームの製造工程を示す図である。 本発明の実施例2にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図である。 本発明の実施例3にかかるリードフレームであって、ファインピッチ要求に対応した金属板上に微細な形状で多数のめっきエリアが設定され、金属板の片側に3層めっき構成を形成したリードフレームの一部を示す説明図である。 設定されためっきエリアからめっき漏れが生じた状態の一例を破線で概略的に示す説明図である。
実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明のリードフレームは、リードフレーム基材をなす金属板にNiP/Auの順にめっき層が部分的に形成され、その上にAgめっき層が形成されている。
本発明のように、NiP、Au、Agの3層めっき構成を備えると、Agめっき1層構成の従来の3μm以上のめっき厚さを必要としたリードフレームに比べて、薄膜化が可能となり、ファインピッチ化が可能となる。また、めっきエリアを形成するレジストの密着力低下を抑え、めっきブリードの発生を防止することが可能となる。
例えば、従来、Cuの拡散によるボンディング面の劣化を防止するためには一般的にリードフレーム基材をなすCu板に施すAgめっき層のめっき厚は3μm以上必要であったが、本発明のリードフレームのようにNiP、Au、Agの3層めっき構成にすると、NiPめっき層の厚さを最小で0.2μm、Auめっき層の厚さを最小で0.003μm、Agめっき層の厚さを最小で0.5μmにしてもCuの拡散によるAg面の劣化を防止することができる。
そして、NiP、Au、Agの3層構成により、めっき総厚さを薄くできることで、レジストマスクへ与える影響も少なくなり、また、後述のようにNiPめっき液はレジストマスクの密着性を低下させないめっき液であるので、めっき漏れが無いめっきが形成できることから、リードフレームのファインピッチ化が可能となる。
また、Agめっき層の薄膜化およびNiP、Au、Agの3層構成によるめっき総厚さの薄化によりコスト低減も可能となる。
また、本発明のリードフレームは、製造に際し、NiP、Au、Agの3層めっき構成以外は、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して製造プロセスに違いは無く、めっきを施す際に基材の保護カバーとして使用するレジストも同様のものを用いることができるため、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して、めっきを施すためのめっき液への漬浸時間も短縮化できる。
さらに、NiPめっき液はAgめっき液に比べて低pHめっき液であるため、めっきエリアを形成するレジストの密着力の低下抑制が可能となり、めっきブリードの発生を防止できる。
その結果、本発明によれば、めっきブリードの問題がなく、Cuの拡散を十分に防止し、さらにコストを低減でき、しかもファインピッチの要求を満たすことの可能なリードフレーム及びその製造方法が得られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態にかかるリードフレームにおける要部構成の一例を示す説明図である。
本実施形態のリードフレームは、多列型リードフレームにおける製品単位を構成するリードフレームであって、Cu等からなるリードフレーム基材をなす金属板1に対し、順に、NiPめっき層2、Auめっき層3が部分的に形成され、その上にAgめっき層4が形成された3層めっき構成5を備えている。
なお、図1では3層めっき構成5を金属板1の両面に施した構成を示したが、3層めっき構成5は、金属板1の片側の面に施した構成であってもよい。
NiPめっき層2の厚さは、0.2μm〜0.5μm、Auめっき層3の厚さは、0.003μm〜0.01μm、Agめっき層4の厚さは、0.5μm〜1.0μmに形成されている。そして、NiP/Au/Agの3層の総厚さは、最大1.51μmであり、従来のAgめっき1層構成のリードフレームにおいて必要とされていたAgめっきの最小の厚さである3μmを下回る薄さに形成されている。
本実施形態のリードフレームによれば、リードフレーム基材をなす金属板1にNiP、Au、Agの3層めっき構成5のめっきを施したので、Agめっき1層構成の従来のリードフレームに比べて、薄膜化が可能となり、ファインピッチ化が可能となる。また、めっきエリアを形成するレジストの密着力低下を抑え、めっきブリードの発生を防止することが可能となる。
詳しくは、本実施形態のリードフレームによれば、NiP、Au、Agの3層めっき構成5に関し、NiPめっき層2の厚さを最小で0.2μm、Auめっき層3の厚さを最小で0.003μm、Agめっき層4の厚さを最小で0.5μmにして薄膜化でき、リードフレームのファインピッチ化も可能となる。また、このように薄膜化しても、Cuの拡散を阻止することができる。また、ボンディング性にも問題を生じない。
更に、めっき層の薄膜化によりコスト低減も可能となる。
本実施形態のリードフレームは、製造に際し、後述する実施例で示すように、NiP、Au、Agの3層めっき構成以外は、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して製造プロセスに違いは無く、めっきを施す際に基材の保護カバーとして使用するレジストも同様のものを用いることができる。このため、Agめっき1層構成の従来のリードフレームと比較して、めっきを施すためのめっき液への漬浸時間も短縮化できる。
さらに、NiPめっき液が低pHめっき液であるため、めっきエリアを形成するレジストの密着力の低下抑制が可能となり、めっきブリードの発生を防止できる。
その結果、本実施形態によれば、めっきブリードの問題がなく、Cuの拡散を十分に防止し、さらにコストを低減でき、しかもファインピッチの要求を満たすことの可能なリードフレーム及びその製造方法が得られる。
実施例1
図2は本発明の実施例1にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図であって、リードフレーム基材をなす金属板の片側に3層めっき構成を形成するリードフレームの製造工程を示す図である。図3は本発明の実施例1の変形例にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図であって、リードフレーム基材をなす金属板の両側に3層めっき構成を形成するリードフレームの製造工程を示す図である。
本実施例では、NiP、Au、Agの3層めっき構成が部分的に施されたリードフレームを製造した。
まず、リードフレーム基材をなす金属板1として厚さが0.100mmの銅材を用い、金属板1の両面にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ株式会社:AQ−2558)を貼り付け、レジスト層11を形成した(図2(a)、図3(a)参照)。
次に、めっきを形成するためのパターンが形成された上面側用と裏面側用のガラスマスクを用いて、露光・現像を行うことで、めっきを形成する部分のレジストを除去して部分的に金属板1を露出させためっきマスク12(レジストマスク)を形成した(図2(b)、図3(b)参照)。
次に、めっき加工を行ない、金属板1の露出部分にめっきを形成した。本実施例では、金属板1の露出面から順に、設定値0.2μmのNiPめっき、設定値0.003μmのAuめっき、設定値0.5μmのAgめっきを施して、3層めっき構成5を形成し(図2(c)、図3(c)参照)、その後、金属板1の両面に形成されているめっきマスク12(レジストマスク)を水酸化ナトリウム水溶液により剥離した(図2(d)、図3(d)参照)。
次に、3層めっき構成5が形成された金属板1の両面にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ株式会社:AQ−4096)を貼り付け、レジスト層11’を形成し(図2(e)、図3(e)参照)、その後、リードフレームの形状が形成されたガラスマスクを用いて両面を露光し現像を行ってエッチングマスク13(レジストマスク)を形成した(図2(f)、図3(f)参照)。
次に、塩化第二鉄液を用いてスプレーエッチング加工を行い、金属板1の露出部分を溶解し(図2(g)、図3(g)参照)、その後、エッチングマスク13を水酸化ナトリウム水溶液により剥離して、金属板1の片側に3層めっき構成5を形成するリードフレーム、金属板1の両側に3層めっき構成5を形成するリードフレームを夫々完成させた(図2(h)、図3(h)参照)。
3層のめっきが形成されたシート状のリードフレームを50枚抜き取り、めっき漏れを検査した結果、めっき漏れは無く良好な結果が得られた。また、200℃で2時間の加熱処理後、φ20μmのAuワイヤによりボンディングし、めっき上のワイヤのピール強度を測定した結果、4.5〜5.6g/Fであったことから、Cuの拡散は抑制されていると判断した。
実施例2
図4は本発明の実施例2にかかるリードフレームの製造工程を示す説明図である。
本実施例では、NiP、Au、Agの3層めっき構成が全面に施されたリードフレームを製造した。
まず、リードフレーム基材をなす金属板1として厚さが0.100mmの銅材を用い、金属板1の両面にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ株式会社:AQ−2058)を貼り付け、レジスト層11を形成した(図4(a)参照)。
次に、リードフレームの形状が形成されたガラスマスクを用いて、両面を露光し現像を行い、エッチングマスク13(レジストマスク)を形成した(図4(b)参照)。
次に塩化第二鉄液を用いてスプレーエッチング加工を行い、金属板1の露出部分を溶解し(図4(c)参照)、その後、エッチングマスク13を水酸化ナトリウム水溶液により剥離して、リードフレームの形成を行った(図4(d)参照)。
次に、めっき加工を行なってエッチング加工したリードフレーム全面にめっきを形成した。本実施例では、金属板1の露出部から順に、設定値0.3μmのNiPめっき、設定値0.007μmのAuめっき、設定値0.8μmのAgめっきを施して、3層めっき構成5を形成し、リードフレームを完成させた(図4(e)参照)。
本実施例で完成したリードフレームは、Agのめっき量が、従来のAgめっき1層構成のリードフレームにおけるAgの最小めっき量に比べて4/15(=0.8/3)であり、またAgより高価なAuを使用しているがこれらの貴金属のめっき厚が非常に薄く、これら以外のめっき層には貴金属では無いNiPを用いているため、コストの低減効果が大きく、3層めっき構成を全面に施しながらもコストの増加を抑制することができる。
実施例3
図5は本発明の実施例3にかかるリードフレームであって、ファインピッチ要求に対応した金属板上に微細な形状で多数のめっきエリアが設定され、金属板の片側に3層めっき構成を形成したリードフレームの一部を示す説明図である。
本実施例のリードフレームの製造工程における基本的な手順は、実施例1に記載した工程と略同様である。まず、リードフレーム基材をなす金属板として厚さが0.15mmの銅材を用い、金属板の両面にドライフィルムレジストを貼り付け、レジスト層を形成し、めっきを形成するためのパターンが形成された上面側用のガラスマスクと全面を覆う裏面側用のガラスマスクを用いて、露光・現像を行うことで、めっきを形成する部分のレジストを除去して部分的に金属板1を露出させためっきマスク(レジストマスク)を形成した。
次に、めっき加工を行ない、金属板の露出部分にめっきを形成した。本実施例では、金属板の露出面から順に、設定値0.5μmのNiPめっき、設定値0.009μmのAuめっき、設定値0.9μmのAgめっきを施して、3層めっき構成を形成し、その後、金属板の両面に形成されているめっきマスク(レジストマスク)を水酸化ナトリウム水溶液により剥離した。
その後、実施例1と同様に、エッチングマスク(レジストマスク)の形成、エッチング加工、エッチングマスクの剥離を行い、金属板の片側に3層めっき構成を形成するリードフレームを夫々完成させた。
実施例1と同じく、3層のめっきが形成されたシート状のリードフレームを50枚抜き取り、めっき漏れを検査した結果、めっき漏れは無く良好な結果が得られた。
本発明のリードフレームは、非磁性を必要とする半導体製品にも用いることができる。
1 金属板(基材)
2 NiPめっき層
3 Auめっき層
4 Agめっき層
5 3層のめっき構成
11、11’ レジスト層
12 めっきマスク
13 エッチングマスク

Claims (8)

  1. リードフレーム基材をなす金属板にNiP/Auの順にめっき層が部分的に形成され、その上にAgめっき層が形成されていることを特徴とするリードフレーム。
  2. NiPめっき層の厚さが0.2μm以上、Auめっき層の厚さが0.003μm以上、Agめっき層の厚さが0.5μm以上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
  3. NiP/Au/Agの3層の厚さが3μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリードフレーム。
  4. 所定のパターンに形成したレジストマスクから露出したリードフレーム基材をなす金属板に、NiP/Au/Agの順にめっき層を形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
  5. NiPめっき層の厚さを0.2μm以上、Auめっき層の厚さを0.003μm以上、Agめっき層の厚さを0.5μm以上に形成することを特徴とする請求項4に記載のリードフレームの製造方法。
  6. NiP/Au/Agの3層の厚さを3μm以下に形成することを特徴とする請求項5に記載のリードフレームの製造方法。
  7. NiP/Au/Agの3層のめっきを電気めっきにより連続的に形成することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のリードフレームの製造方法。
  8. NiP/Au/Agのめっき層が部分的に形成されたリードフレーム基材に、前記めっき層を覆い、且つリードフレーム形状のレジストマスクを形成し、エッチング加工によってリードフレーム形状を形成することを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のリードフレームの製造方法。
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