本発明に係る一実施形態のシャワー装置1は、主たる機能を有する装置本体10に加えて、オプションとして椅子3やオーバーヘッドシャワー4を設けることができる。すなわち、椅子3及びオーバーヘッドシャワー4は、本実施形態のシャワー装置1において、必ずしも必要な構成ではない。
シャワー装置1は例えば図1〜図3に示されるように浴室の壁5に沿って設けられる。なお、以下ではシャワー装置1を壁5に設置したときの方向を基準にして説明する。また、壁5に直交する方向を前後方向とし、シャワー装置1から見て壁5側を後側として説明する。
図1に示されるシャワー装置1は、オプションとして椅子3を備えている。図2に示されるシャワー装置1は装置本体10だけで構成されている。図3に示されるシャワー装置1は、オプションとしてオーバーヘッドシャワー4を備えている。
装置本体10は、湯水混合栓20、アーム型シャワー22、ハンドシャワー23、及び本体カバー24を備えている。
湯水混合栓20は、上水道から給水管60(図4参照)を介して供給された水と、給湯器から給湯管61(図4参照)を介して供給された湯を混合して所望温度の湯水を生成する。給水管60及び給湯管61は、例えば浴室外から壁5の本体カバー24に対応する部分を通して浴室内に導入され、この浴室内に導入された部分が湯水混合栓20に接続される。
図4に示されるように給水管60には湯水混合栓20への給水の有無を切り替える止水栓62が設けられている。給湯管61には湯水混合栓20への給湯の有無を切り替える止水栓63が設けられている。止水栓62、63は逆止弁付きの止水栓である。止水栓62は、給水管60において壁5から浴室内に導入された部分に設けられる。止水栓63は、給湯管61において壁5から浴室内に導入された部分に設けられる。
図1等に示されるように湯水混合栓20は横長である。湯水混合栓20の外殻は、カウンター部200と、このカウンター部200の前端部に位置する円筒状部201とで構成されている。カウンター部200は左右に長い略矩形箱状に形成されている。カウンター部200の後端は鉛直な壁5に沿って配置され、湯水混合栓20はこの状態で壁5に取り付けられる。すなわち、本実施形態では湯水混合栓20がシャワー装置1において壁5に固定される被固定部2となる。
このように、本実施形態のシャワー装置1は、浴室の壁5に固定される被固定部2を備えている。この被固定部2は、湯水混合栓20によって構成されている。
湯水混合栓20はカウンター部200の上面が略水平となるように設置される。カウンター部200の上面は、石鹸置きやシャンプーボトル等の小物を載置するための載置部を構成する。湯水混合栓20の円筒状部201は湯水混合栓20の前端部に位置する。円筒状部201は、湯水混合栓20を壁5に取り付けたときに壁5から前方に離れた位置に配置される。
アーム型シャワー22は、湯水混合栓20の長手方向の両端部に夫々設けられている。各アーム型シャワー22は、アーム部220と、アーム部220に設けられた複数のシャワーノズル221(第1のシャワーノズル)とを有している。
各アーム型シャワー22のアーム部220は、直線状に形成され、詳しくは円筒状に形成されている。アーム部220の長手方向の一端部(第1の端部220A)は、回動部材222を介して湯水混合栓20に連結されている。各回動部材222は、湯水混合栓20の円筒状部201に左右軸(第1の回転軸)回り方向に回動可能に設けられている。前記左右軸回り方向に回動可能とは、左右方向と平行な回動軸を中心にして回動可能であることを意味する。両アーム型シャワー22は湯水混合栓20に対して夫々独立して上下に回動可能となっている。各アーム型シャワー22の上下方向の回動範囲は湯水混合栓20によっては規制されていない。このため、各アーム型シャワー22は、図1等に示されるように湯水混合栓20から後斜め下方に向けて突出してその先端部が浴室の壁5に当接する下位置から、湯水混合栓20から後斜め上方に向けて突出してその先端部が浴室の壁5に当接する上位置までの範囲で回動可能となる。
このように、アーム部220は一方向に長さを有している。アーム部220は、第1の端部220Aと第2の端部220Bとを備えている。第1の端部220Aは、長さ方向の湯水混合栓20側の端部である。第2の端部220Bは、長さ方向において第1の端部220Aとは反対側の端部である。第1の端部220Aには回動部材222が設けられている。回動部材222は、アーム部220と湯水混合栓20とを連結する。回動部材222は、湯水混合栓20に対して、アーム部220を、第1の回転軸回りに回転可能な状態で連結する。これにより、アーム部220の第2の端部は、湯水混合栓20よりも下方において浴室の壁5に当たる位置(下位置)から、湯水混合栓20よりも上方において、浴室の壁5に当たる位置(上位置)までの範囲で移動する。また、湯水混合栓20の左側に設けられたアーム部220と、右側に設けられたアーム部220とは、互いに独立して上下に回動できるように構成されている。
各回動部材222は一定以上の力を加えたときのみ湯水混合栓20に対して回動する。すなわち、回動部材222は、アーム部220に対して所定の力以上の力で左右軸(第1の回転軸)回りに回転力が加えられると、アーム部220の左右軸回りの回転を許容する。一方、回転部材222は、アーム部220に対して、一定の力未満の力で左右軸回りに回転力が加えられても、アーム部220の回転を規制する。このため、各アーム型シャワー22は湯水混合栓20によって所望の回動位置で保持されるようになっている。
シャワーノズル221は各アーム部220の長手方向に複数設けられている。各シャワーノズル221は、湯水混合栓20からアーム型シャワー22に供給された湯水をシャワー(シャワー水)にして吐出する。このシャワーは、広角に拡散して吐出される多数の水流で構成される。また、このシャワーを構成する水流は直径400μm程度の微細水流である。
各アーム型シャワー22のシャワーノズル221はアーム部220の長手方向に一列に等間隔で並べて設けられている。各シャワーノズル221はアーム部220の周方向において同位置に配置されている。同一のアーム部220に設けられたシャワーノズル221の向きは全て同じである。このため、同一のアーム部220に設けられた各シャワーノズル221からは略同一方向にシャワーが吐出される。両アーム部220は左右対称である。このため、両アーム部220のシャワーノズル221同士は対向する位置に配置可能である。
このように本実施形態のシャワー装置1は、一つのアーム部220に設けられた複数のシャワーノズル221の吐出方向は、全て同じ方向に向けられているが、次のような構成であってもよい。
各アーム部220には、シャワーノズル221を取り付けるためのノズル取付部27(図6参照)が複数箇所に設けられる。各ノズル取付部27に1つのシャワーノズル221が取り付けられることで、アーム部220には、複数のシャワーノズル221が一定の間隔をおいて設けられる。シャワーノズル221同士は、同一直線上に位置する。シャワーノズル221の並ぶ方向は、アーム部220の長手方向に平行となる。
また、複数のシャワーノズル221のうち、最も被固定部2側(第1の端部220A側)に位置するシャワーノズル221と、最も先端側(第2の端部220B側)に位置するシャワーノズル221とが、吐出方向自在ノズル25によって構成される。また、この吐出方向自在ノズル25以外のノズルは、吐出方向固定ノズル26によって構成される。
吐出方向自在ノズル25の一例を図6Bに示す。吐出方向自在ノズル25は、シャワーの吐出方向を変更できるように構成されている。具体的に説明すると、吐出方向自在ノズル25の吐出方向は、アーム部220の長手方向と、この長手方向に直角な方向とに所定の範囲で変更でき、これにより、図6B中の矢印Aの方向に見て、360°の範囲で変更できるように構成されている。
吐出方向自在ノズル25は、ノズル本体250と、噴出部251とを備えている。ノズル本体250は、ノズル取付部27に回転自在に保持される可動部252と、可動部252から突出した突出部253とを備えている。噴出部251は、突出部253の突出先端に取り付けられる。吐出方向自在ノズル25は、突出部253が設けられていることで、アーム部220と干渉しない範囲で吐出方向を変更することができる。
吐出方向固定ノズル26の一例を図6Aに示す。吐出方向固定ノズル26は、シャワーの吐出方向が一方向に固定されたものである。吐出方向固定ノズル26同士は、ノズル取付部27に取り付けられると、それぞれの吐出方向が平行となる。吐出方向固定ノズル26は、ノズル本体250と、噴出部251とを備えている。ノズル本体250には噴出部251が取り付けられる。噴出部251の周囲にはノズル取付部27が近接する。これにより、吐出方向固定ノズル26は、噴出部251がノズル取付部27に干渉することで、吐出方向が変更できないように構成され、吐出方向が一定の方向に固定される。
なお、吐出方向自在ノズル25は、複数のシャワーノズル221のうち、最も被固定部2側に位置するシャワーノズル221と、その反対側に位置するシャワーノズル221とのうち、いずれか一方のみに用いられていてもよい。また、アーム部220の長手方向に並んだシャワーノズル221の端のシャワーノズル221に限らず、全てのうちのいずれか1つのみを吐出方向自在ノズル25によって構成してもよい。
各アーム型シャワー22のアーム部220は回動部材222に対してアーム部220の長手方向(左右方向と直交する方向)と平行な回動軸(第2の回転軸)を中心にして回動可能に設けられている。各アーム部220を回動部材222に対して回動することで、各アーム部220に設けられた複数のシャワーノズル221の向きを所望の向きに変更することができる。各アーム部220は、回動部材222に対して、第2の回転軸回りに、一回転(360°)以上回動させることができる。このため、例えば各シャワーノズル221の向きを他のアーム部220側に向けた状態から、他のアーム部220とは反対側となる外側に向けた状態まで回動することができる。また、各アーム型シャワー22のアーム部220は、第2の回転軸回りに一定以上の力を加えたときにのみ、回動部材222に対して回動する。このため、各アーム部220は、回動部材222によって、第2の回転軸回りの所望の回動位置で保持される。
図2や図3に示されるように装置本体10の本体カバー24は水平断面形状が後方に開口する溝形に形成されている。本体カバー24は湯水混合栓20又は壁5あるいはその両方に着脱自在に取り付けられる。本体カバー24は湯水混合栓20の下方に隣接して配置される。給水管60及び給湯管61において前記壁5から浴室内に引き出された部分及び同部に設けられた止水栓62、63は、本体カバー24によって覆われる。止水栓62、63は本体カバー24を取り外すことで操作可能となる。
本体カバー24は左右方向に幅を有している。本体カバー24の下面部の幅方向の中央部には、吐水口部240が設けられている。吐水口部240は下方に向かって開口している。吐水口部240は本体カバー24で覆われた図示しない配管を介して湯水混合栓20に接続される。湯水混合栓20から吐水口部240に供給された湯水は、一本の水流となって下方に向かって吐出される。この水流はオーバーヘッドシャワー4又はハンドシャワー23から吐出される水流と比較してかなり太い。
本体カバー24の下面部の幅方向の両側には下方に突出した台部241が形成されている。各台部241は斜め下方を向く前面部を有している。各台部241の前面部にはシャワーノズル242(第2のシャワーノズル28)が設けられている。両シャワーノズル242は、互いに同レベルに配置されている。また、両シャワーノズル242は吐水口部240とも同レベルに位置している。両シャワーノズル242は湯水混合栓20よりも下方に配置される。また、両シャワーノズル242及び吐水口部240は、左右方向において両アーム型シャワー22の間に配置されている。
各シャワーノズル242は、本体カバー24で覆われた図示しない配管を介して湯水混合栓20に接続される。各シャワーノズル242は台部241から前側に向かって突出するように設けられており、その先端部にシャワーを吐出するためのノズル孔が形成されている。各シャワーノズル242は湯水混合栓20から供給された湯水をシャワーとして吐出する。このシャワーは、アーム型シャワー22のシャワーノズル221から吐出されるものと同様に、広角に拡散して吐出される多数の水流で構成される。また、このシャワーを構成する水流は直径400μm程度の微細水流である。
各シャワーノズル242は本体カバー24の台部241に対して自在継手部243を介して回動可能に設けられている。このため、各シャワーノズル242はその向きを上下方向及び左右方向のいずれにも変更できるようになっている。
シャワー装置1の装置本体10が設けられる高さは使用形態等に応じて適宜決定される。例えば図1のように椅子3を備える場合、装置本体10は高位置に設けられる。また、椅子3を備えない場合は、図2のように装置本体10を低位置に設けたり、図3のように高位置に設けたりすることができる。
図2のように装置本体10を低位置に設けた場合、シャワーノズル242は、シャワー装置1の直ぐ前方に立った利用者の脚部や、風呂椅子等を利用して座った利用者の脚部に近い位置に配置される。この場合、シャワーノズル242は主に利用者の脚部に向けてシャワーを吐出することとなる。また、図3のように装置本体10を高位置に設けた場合、シャワーノズル242は、シャワー装置1の直ぐ前方に立った利用者の腰に近い位置に配置される。この場合、シャワーノズル242は主に利用者の腰に向けてシャワーを吐出することとなる。
ハンドシャワー23は、図1〜図3に示されるように、屈曲可能な接続管231と、接続管231の一端部に設けられたシャワーヘッド232とを有している。接続管231は屈曲可能な蛇腹管や可撓性を有するホース等で構成される。
接続管231のシャワーヘッド232と反対側の端部は湯水混合栓20の長手方向の一端部に連結されている。また、このハンドシャワー23は壁5に設けられたフック65に着脱自在に取り付けられる。すなわち、ハンドシャワー23は、湯水混合栓20に接続されている。シャワーヘッド232は、フック65に取り外し自在に保持されている。
湯水混合栓20からハンドシャワー23に湯水が供給されると、この湯水は接続管231を介してシャワーヘッド232に供給され、シャワーヘッド232に設けられた多数の吐水孔から吐出される。シャワーヘッド232からシャワーが吐出されるとき、シャワーヘッド232の各吐水孔からは直径1mm程度の比較的太い水流が吐出される。
オーバーヘッドシャワー4は、オプションとしてシャワー装置1に取り付けられる。オーバーヘッドシャワー4は、図3に示されるように立上管40とシャワーヘッド41とで構成されている。
立上管40は湯水混合栓20のカウンター部200に接続される。立上管40はカウンター部200の左右方向の中央部から立ち上げられた後、壁5と反対側となる前側に向けて屈曲され、この後、下側に向けて屈曲される。立上管40のカウンター部200から立ち上げられた部分は上下方向の複数箇所が壁5に固定される。シャワーヘッド41は立上管40の先端部に設けられている。シャワーヘッド41は湯水混合栓20よりも高位置に配置される。また、シャワーヘッド41は最も上方に位置させたアーム型シャワー22の先端よりも上方に配置される。
このようにオーバーヘッドシャワー4は、立上管40と、シャワーヘッド41とを備えている。立上管40は、湯水混合栓20に接続されている。また、立上管40は、長管部40Aと、横管部40Bと、短管部40Cとを備えている。長管部40A、横管部40B、及び短管部40Cは、相互に連通している。長管部40Aは、カウンター部200から上方に向かって突出している。横管部40Bは、長管部40Aの上端から前方に向かって突出している。短管部40Cは、横管部40Bの前端から下方に向かって突出している。短管部40Cの下端には、シャワーヘッド41が設けられている。
湯水混合栓20からオーバーヘッドシャワー4に湯水が供給されると、この湯水は立上管40を介してシャワーヘッド41に供給される。そして、シャワーヘッド41の下面に設けられた多数の吐水孔から下側に向けて吐出される。シャワーヘッド41の各吐水孔からは直径1mm程度の比較的太い水流が吐出される。
椅子3は折り畳み式である(すなわち、シャワー装置1には、折り畳み式椅子が設けられる)。椅子3は、図1に示されるように椅子本体30と背凭れ31とで構成されている。背凭れ31は、カバー310と、カバー310に設けられたシャワーノズル311とを有している。カバー310は水平断面形状が後方に開口する溝形に形成されている。カバー310は左右方向に幅を有している。カバー310の幅方向の寸法は本体カバー24の幅方向の寸法と同じである。カバー310は壁5又は本体カバー24あるいはその両方に取り付けられる。カバー310は本体カバー24の下方に隣接して配置される。カバー310は本体カバー24に連続したような外観を有する。カバー310は本体カバー24の吐水口部240及びシャワーノズル242を覆う。すなわち、オプションとして椅子3を設けた場合、吐水口部240及びシャワーノズル242は利用されない。また、この場合、吐水口部240及びシャワーノズル242は湯水混合栓20に接続されない。なお、椅子3を利用する場合、本体カバー24として吐水口部240やシャワーノズル242が設けられていないものを用いてもよい。
カバー310の前面には前方に僅かに膨出した凭れ部312が形成されている。凭れ部312の上部には後方に凹んだ凹部313が形成されている。凹部313の奥面部の左右両側にはシャワーノズル311が夫々設けられている。両シャワーノズル311は、互いに同レベルに位置している。両シャワーノズル311は、本体カバー24及び背凭れ31によって覆われた配管(不図示)を介して、湯水混合栓20に接続される。
各シャワーノズル311は、湯水混合栓20から供給された湯水をシャワーとして吐出する。このシャワーは、アーム型シャワー22のシャワーノズル221から吐出されるものと同様に、広角に拡散して吐出される多数の水流で構成される。また、このシャワーを構成する水流は直径400μm程度の微細水流である。
各シャワーノズル311は、凹部313の底部から前側に向かって突出するように設けられており、その先端部にシャワーを吐出するためのノズル孔315が形成されている。各シャワーノズル311は、凭れ部312に対して自在継手部314を介して回動可能に設けられている。これにより、各シャワーノズル311は、その向き(吐出方向)を上下方向及び左右方向のいずれにも変更できるようになっている。なお、シャワーノズル311の吐出方向とは、シャワーの中心線に平行な方向である。
椅子本体30は、座部300、及び前後の脚部301、302で構成されている。後側の脚部301は壁5又は背凭れ31あるいはその両方に取り付けられる。脚部301は、左右方向に幅を有している。脚部301の幅方向の寸法は、背凭れ31のカバー310の幅方向の寸法と同じである。脚部301は背凭れ31の下方に隣接して配置される。脚部301は、背凭れ31のカバー310に連続したような外観を有する。脚部301は、背凭れ31と浴室の床との間に配置される。また、脚部301は浴室の床上にも載置される。
座部300は略板状に形成されている。座部300は図5Bに示されるように略水平にしたときにおいて後端に位置する端部が、脚部301の上端部に左右軸回り方向に回動自在に連結されている。これにより、座部300は、図5Bに示すような略水平な状態(使用位置)から、図5Aに示すような背凭れ31の前面に沿う略鉛直な状態(非使用位置)となるまでの範囲で、上下方向に回動可能となっている。
前側の脚部302は略板状に形成されている。脚部302は略鉛直にしたときにおいて上端に位置する端部が、座部300の脚部301を連結した側と反対側の端部に左右軸回り方向に回動自在に連結されている。これにより、脚部302は、図5Bに示すような座部300に対して略垂直になった状態(使用位置)から、図5Aに示すような座部300に対して略平行になった状態(非使用位置)となるまでの範囲で、回動可能となっている。
図5Bに示されるように座部300が使用位置に配置されたとき、座部300は後側の脚部301から前方に突出する。また、このとき、前側の脚部302が使用位置に配置されると、脚部302は座部300の前端部から下方に突出し、その下端が浴室の床面に載置される。このようにすることで、利用者は図5Bに示されるように座部300に腰を下ろし、凭れ部312に背を凭せ掛けて壁5と反対側を向いた状態で座ることができる。このように利用者が椅子3に着座したとき、利用者の背側には各シャワーノズル311が配置されるように設定されている。また、各アーム型シャワー22は前記のように椅子3に座った利用者に対してシャワーノズル221から吐出されたシャワーを当てることができる位置に設けられている。
図5Aに示されるように座部300及び前側の脚部302が前記非使用位置に配置されたとき、座部300及び前側の脚部302は凭れ部312の前面に沿って配置され、椅子本体30が折り畳まれた状態となる。
前記アーム型シャワー22、吐水口部240、シャワーノズル242、ハンドシャワー23、オーバーヘッドシャワー4、及びシャワーノズル311は、シャワー装置1の湯水吐出部を構成する。
湯水混合栓20の円筒状部201(図1等参照)には図示しないシリンダーが内蔵されている。シリンダーには、弁装置として、図4に示されるサーモバルブ202、第一切替弁203、及び第二切替弁204が組み込まれている。
サーモバルブ202には給水管60及び給湯管61が連通接続される。シリンダーに形成されたサーモバルブ202の下流側の流路205は、二流路206、207に分岐している。このうち一方の流路206はさらに第一給水路208と第二給水路209に分岐している。また、他方の流路207はさらに第三給水路210と第四給水路211に分岐している。
第一給水路208にはハンドシャワー23が直接接続される。第二給水路209には前記本体カバー24で覆われた配管(不図示)を介して吐水口部240が接続される。また、オプションとして椅子3を備える場合、第二給水路209には吐水口部240に代えてシャワーノズル311が本体カバー24及び背凭れ31で覆われた配管を介して接続される。また、オプションとしてオーバーヘッドシャワー4を備える場合、第三給水路210には直接オーバーヘッドシャワー4が連通接続される。また、第四給水路211には直接アーム型シャワー22が連通接続される。シャワーノズル242を利用する場合、第四給水路211には本体カバー24で覆われた配管を介してシャワーノズル242が連通接続される。第四給水路211においてアーム型シャワー22及びシャワーノズル242の上流側部分にはハイカット弁213が設けられている。
流路206において第一給水路208と第二給水路209に分岐する箇所には、第一切替弁203が設けられている。流路207において第三給水路210と第四給水路211とに分岐する箇所には第二切替弁204が設けられている。
図1等に示されるように、湯水混合栓20の左右に長い円筒状部201には、操作部として、複数のハンドル214〜216が設けられている。操作部21は、湯水混合栓20を操作するものである。操作部21は、ハンドル214,215,216を備えている。ハンドル214〜216は円筒状部201の長手方向(左右方向)においてアーム型シャワー22が連結される両端部よりも内側に位置している。また、ハンドル214〜216は、湯水混合栓20の長手方向における中央部よりも外側にずれた位置に設けられている。つまり、すべての操作部21は、湯水混合栓20の長手方向における中央部には設けられていない。
各ハンドル214〜216は、円筒部217と突起部218とを有している。各ハンドル214〜216の円筒部217の外周面は、円筒状部201の外周面と略面一となる。各ハンドル214〜216の突起部218は円筒部217の周方向の一部から径外方向に向かって突出している。円筒部217は、湯水混合栓20の円筒状部201に対して左右軸回りに回動可能に設けられている。各ハンドル214〜216は、突起部218を手指で操作することで、円筒部217に対して上下に回動可能となっている。
ハンドル214は湯水混合栓20の向かって左側に設けられている。ハンドル214を上下に回動操作することで、サーモバルブ202によって混合される湯と水の割合が変わる。すなわち、ハンドル214は湯温を調節するための湯温調整用操作部29を構成する。
ハンドル215は湯水混合栓20の向かって右側に設けられている。ハンドル215が上下に回動操作されると、第一切替弁203は、第一給水路208側、第二給水路209側、及び止水状態のいずれかに切り替えられる。第一切替弁203が第一給水路208側に切り替えられると、湯水混合栓20で混合された湯水はハンドシャワー23に供給される。第一切替弁203が第二給水路209側に切り替えられると、湯水混合栓20で混合された湯水は吐水口部240又はシャワーノズル311に供給される。第一切替弁203が止水状態に切り替えられると、第一給水路208及び第二給水路209への湯水の供給が停止される。
ハンドル216は湯水混合栓20の向かって右側に設けられている。ハンドル216はハンドル215の右側に隣接して配置されている。ハンドル216が上下に回動操作されると、第二切替弁204は、第三給水路210側、第四給水路211側、及び止水状態のいずれかに切り替えられる。第二切替弁204が第三給水路210側に切り替えられると、湯水混合栓20で混合された湯水はオーバーヘッドシャワー4に供給される。第二切替弁204が第四給水路211側に切り替えられると、湯水混合栓20で混合された湯水がアーム型シャワー22及びシャワーノズル242に供給される。第二切替弁204が止水状態に切り替えられると、第三給水路210及び第四給水路211への湯水の供給が停止される。
シャワー装置1のアーム型シャワー22、吐水口部240、シャワーノズル242、ハンドシャワー23、シャワーノズル311、及びオーバーヘッドシャワー4は、例えば以下のように利用される。なお、この利用は、予め止水栓62、63を開き、且つ、ハンドル214の操作により吐出湯水の温度調節を行った上で行われる。
利用者は湯水混合栓20のハンドル216を操作して第二切替弁204を第四給水路211側に切り替えることで、アーム型シャワー22を利用できる。このようにすると、湯水混合栓20で混合された湯水が、第四給水路211を介して各アーム型シャワー22に供給され、各シャワーノズル221から吐出される。これにより、利用者は両アーム型シャワー22の間に位置して、各シャワーノズル221から吐出された湯水(シャワー)を浴びることができる。
また、利用者は各アーム型シャワー22を湯水混合栓20に対して上下に回動することで、シャワー装置1の前側に立った状態及び座った状態のいずれの状態にあるときでも、アーム型シャワー22から吐出されたシャワーを身体の所望の部位に浴びることができる。
例えば、利用者がシャワー装置1の直ぐ前方に立った状態でシャワーを浴びたいとき、利用者は、図5Aに示されるように、アーム型シャワー22を水平よりも上側に回動して略鉛直にし、シャワーノズル221を前側に向ければよい。このようにすることで、利用者は、アーム型シャワー22から吐出されたシャワーを、浴室に立った状態で頭部側から浴びたり、上半身等に浴びたりすることができる。また、利用者が椅子3又は風呂椅子等を利用してシャワー装置1の直ぐ前方に座った状態でシャワーを浴びたいとき、利用者はアーム型シャワー22を図5Aに示される位置よりも下側に回動すればよい。これにより、利用者は、アーム型シャワー22を図5Bに示されるように略水平にしたり、水平よりも下側の回動位置に配置したり(先端に向かうほど下方に位置するように傾斜した状態に)することができる。従って、利用者はアーム型シャワー22から吐出されたシャワーを椅子3や風呂椅子等に座った状態で浴びることができる。
また、両アーム型シャワー22は夫々独立して上下方向に回動することができる。このため、利用者は、例えば一方のアーム型シャワー22を水平よりも上側に回動し且つ他方のアーム型シャワー22を水平よりも下側に回動して、両アーム型シャワー22から吐出されたシャワーを身体の広い範囲に浴びることもできる。また、利用者は、各アーム型シャワー22のアーム部220を回動部材222に対して回動することで、アーム部220に設けられた複数のシャワーノズル221の向きを利用者の所望の部位に当たるように変更することもできる。
また、シャワー装置1がオプションとして椅子3を備えない場合、前記のようにアーム型シャワー22から湯水が吐出されているときには、湯水混合栓20で混合された湯水は各シャワーノズル242にも供給される。この湯水は各シャワーノズル242から前側に吐出される。このため、浴室に立った利用者や、浴室に風呂椅子等を用いて座った利用者は、アーム型シャワー22から吐出されたシャワーを浴びると同時に、壁5側に位置する各シャワーノズル242から吐出されたシャワーを背や腰、脚等に浴びることができる。また、利用者は各シャワーノズル242の上下方向及び左右方向の向きを調節することができる。このため、利用者は各シャワーノズル242から吐出されたシャワーを所望の部位に浴びることができる。
また、各アーム型シャワー22を利用しないときは、利用者は各アーム型シャワー22を湯水混合栓20に対して壁5側に回動することで、各アーム型シャワー22を図1等に示されるように湯水混合栓20から後斜め下方に向けて突出した位置に配置できる。なお、この場合、利用者は湯水混合栓20から後斜め上方に向けて突出した位置に配置しても構わない。
このように各アーム型シャワー22を後斜め下方又は後斜め上方に向けて突出させることで、各アーム型シャワー22を浴室に居る人にとって邪魔になり難い位置に配置することができる。また、このように各アーム型シャワー22を後斜め下方又は後斜め上方に向けて突出させたとき、壁5とアーム型シャワー22との間に手を入れるための隙間64を形成することができる。このため、利用者は、湯水混合栓20から後斜め下方又は後斜め上方に向けて突出したアーム型シャワー22を持って前方に引き出すとき、隙間64から手を入れてアーム型シャワー22を容易に掴むことができる。
利用者は、湯水混合栓20のハンドル215を操作して第一切替弁203を第二給水路209側に切り替えることで、吐水口部240を利用できる。このようにすると、湯水混合栓20で混合された湯水は吐水口部240から吐出される。また、利用者は、このように吐水口部240から湯水を吐出しているとき、第二切替弁204を第四給水路211側に切り替えて、各アーム型シャワー22からシャワーを吐出させることもできる。また、このとき、各シャワーノズル242(第2のシャワーノズル28)からもシャワーを吐出させることができる。
利用者は、湯水混合栓20のハンドル215を操作して第一切替弁203を第一給水路208側に切り替えることで、ハンドシャワー23を利用できる。このようにすると、湯水混合栓20で混合された湯水はハンドシャワー23のシャワーヘッド232からシャワーとして吐出される。これにより、利用者はハンドシャワー23から吐出されたシャワーを所望の部位に浴びることができる。また、このようにハンドシャワー23から湯水が吐出しているとき、利用者は第二切替弁204を第四給水路211側に切り替えることで、各アーム型シャワー22からもシャワーを吐出させることもできる。またこのとき、シャワー装置1が椅子3を備えていない場合には各シャワーノズル242からもシャワーを吐出させることができる。
シャワー装置1がオプションとして椅子3を備える場合、利用者は背凭れ31に設けられた各シャワーノズル311を利用することができる。利用者は、各シャワーノズル311を利用する場合、図1や図5Bに示されるように椅子本体30を前方に引き出した状態とし、この状態で湯水混合栓20のハンドル215を操作して第一切替弁203を第二給水路209側に切り替えればよい。このようにすると、湯水混合栓20で混合された湯水は背凭れ31の各シャワーノズル311から吐出される。このため、利用者は椅子3に座った状態で、各シャワーノズル311から吐出されたシャワーを背や腰等に浴びることができる。また、前述のように各シャワーノズル311はその上下方向及び左右方向の向きを調節することができる。このため、椅子3に座った利用者は各シャワーノズル242から吐出されたシャワーを背や腰等の所望の部位に浴びることができる。
また、このように各シャワーノズル311から湯水が吐出されているとき、利用者は、第二切替弁204を第四給水路211側に切り替えることで、各アーム型シャワー22からシャワーを吐出させることができる。このため、利用者は椅子3に座った状態で、アーム型シャワー22から吐出されたシャワーを浴びると同時に、利用者の背側に配置された各シャワーノズル311から吐出されたシャワーを背や腰等に浴びることができる。
シャワー装置1がオプションとしてオーバーヘッドシャワー4を備える場合、利用者は湯水混合栓20のハンドル216を操作して第二切替弁204を第三給水路210側に切り替えることで、オーバーヘッドシャワー4を利用できる。このようにすると、湯水混合栓20で混合された湯水はオーバーヘッドシャワー4のシャワーヘッド41からシャワーとして吐出される。このため、利用者はオーバーヘッドシャワー4から吐出されたシャワーを頭部側(上側)から浴びることができる。
以上説明したように、本実施形態のシャワー装置1は、以下の第1の特徴を有する。
第1の特徴では、シャワー装置1は、浴室の壁5に固定される被固定部2と、この被固定部2に対して上下方向に回動可能に設けられたアーム型シャワー22とを備える。アーム型シャワー22には、アーム型シャワー22の長手方向に並ぶように複数のシャワーノズル221が設けられる。アーム型シャワー22は、長手方向と平行な回転軸(第2の回転軸)を中心にして回動可能となるように構成される。
このため、本実施形態のシャワー装置1は、利用者がアーム型シャワー22を湯水混合栓20に対して上下に回動するだけで、アーム型シャワー22から吐出されるシャワーを身体の所望の部位に簡単に浴びることができ、使い勝手が良い。また、アーム型シャワー22は、その長手方向に並べて設けられた複数のシャワーノズル221を有し、アーム型シャワー22はその長手方向と平行な回動軸を中心に回動可能である。このため、利用者は、アーム型シャワー22を回動部材222に対して回動して、シャワーノズル221から吐出されるシャワーを利用者の所望の部位に浴びることもできる。また、アーム型シャワー22を回動部材222に対して回動する一度の動作により、複数のシャワーノズル221の向きを変更することができ、使い勝手も良い。
また、本実施形態のシャワー装置1は、以下の第2〜第13の特徴を有していてもよい。なお、第2〜第13の特徴は任意の特徴である。
第2の特徴では、第1の特徴において、アーム型シャワー22が、水平よりも上側に回動して浴室に立った利用者に向けてシャワーを吐出する位置から、この位置よりも下側(図5Bの例では水平よりも下側)に回動して浴室に座った利用者に向けてシャワーを吐出する位置まで回動できるように構成される。なお、浴室に座った利用者に向けてシャワーを吐出するアーム型シャワー22の姿勢は、水平よりも下側に傾いた状態であってもよいし、水平よりも上側に傾いた状態であってもよいし、水平な状態であってもよい。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第2の特徴によれば、利用者は適宜アーム型シャワー22を上下に回動することで、アーム型シャワー22から吐出されたシャワーを、浴室に立った状態及び座った状態のいずれの状態にあるときにも浴びることができる。
第3の特徴では、第1の特徴において、アーム型シャワー22が被固定部2の左右両側に設けられる。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第3の特徴によれば、利用者は左右両側に位置するアーム型シャワー22から吐出されたシャワーを浴びることができる。
第4の特徴では、第3の特徴において、両アーム型シャワー22(左右両側のアーム型シャワー22)が、夫々独立して上下方向に回動できるように構成される。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第4の特徴によれば、利用者は、左右両側のアーム型シャワー22を夫々独立して回転操作をすることができるため、使い勝手がよい。
第5の特徴では、第1の特徴において、アーム型シャワー22が、被固定部2において、浴室の壁5から前方に離れた箇所に、上下方向に回動できるように連結される。アーム型シャワー22は、被固定部2から後斜め下方、又は後斜め上方に向けて突出する位置まで回動できるように構成される。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第5の特徴によれば、利用者は、各アーム型シャワー22を湯水混合栓20から後斜め下方、又は後斜め上方に向けて突出させて、浴室に居る人にとって邪魔になり難い位置に配置することができる。
また、このように各アーム型シャワー22を後斜め下方、又は後斜め上方に向けて突出させたとき、壁5とアーム型シャワー22の間に手を入れるための隙間64を形成することができる。このため、利用者は、前記のように湯水混合栓20から後斜め下方又は後斜め上方に向けて突出したアーム型シャワー22を持って前方に引き出すときに、隙間64から手を入れてアーム型シャワー22を容易に掴むことができる。
また、利用者は、湯水混合栓20から後斜め下方又は後斜め上方に向けて突出したアーム型シャワー22の先端部を、壁5に接触させておくことができる。このため、壁5でアーム型シャワー22の先端部を支持してアーム型シャワー22を固定することができる。
第6の特徴では、第1の特徴において、被固定部2が湯水混合栓20で構成される。湯水混合栓20にはハンドシャワー23が接続される。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第6の特徴によれば、利用者は、ハンドシャワー23を利用して身体の所望の部位にシャワーを浴びることができる。また、湯水混合栓20、アーム型シャワー22、及びハンドシャワー23をユニット化することができ、シャワー装置1の施工を容易にすることができる。
第7の特徴では、第1の特徴において、被固定部2が湯水混合栓20で構成される。湯水混合栓20にはオーバーヘッドシャワー4が接続される。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第7の特徴によれば、利用者はオーバーヘッドシャワー4を利用して頭上からシャワーを浴びることができる。また、湯水混合栓20、アーム型シャワー22、及びオーバーヘッドシャワー4をユニット化することができ、シャワー装置1の施工を容易にすることができる。
第8の特徴では、第1の特徴において、折り畳み式椅子3が設けられている。折り畳み椅子3は、利用者がアーム型シャワー22から吐出されたシャワーを浴びる位置に座るためのものである。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第8の特徴によれば、利用者は椅子3に座った状態で各アーム型シャワー22から吐出されたシャワーを浴びることができる。また、椅子3を折り畳むことで、椅子3を浴室に居る人にとって邪魔になり難い位置に配置することができる。また、椅子3を折り畳むことで、シャワー装置1の直ぐ前方に立つためのスペースを確保することができる。
第9の特徴では、第1の特徴において、被固定部2が横長の湯水混合栓20で構成される。湯水混合栓20は、湯温を調整するための湯温調整用操作部29を有する。アーム型シャワー22は、湯水混合栓20の長手方向の端部に上下方向に回動できるように連結されている。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第8の特徴によれば、アーム型シャワー22が横長の湯水混合栓20に連結されているため、湯水混合栓20とアーム型シャワー22とをユニット化することができる。従って、シャワー装置1の施工の際には、アーム型シャワー22を湯水混合栓20に配管等を介して接続する手間を省くことができ、シャワー装置1の施工を容易にすることができる。また、アーム型シャワー22を湯水混合栓20に設けられた湯温調整用操作部29に近い位置に配置することができる。このため、アーム型シャワー22を利用する利用者は、ハンドル214を容易に操作することができる。
第10の特徴では、第1の特徴において、被固定部2が横長の湯水混合栓20で構成される。湯水混合栓20には、この湯水混合栓20を操作するための操作部21が設けられる。操作部21は、湯水混合栓20の長手方向における中央部よりも外側にずれた位置に設けられる。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第10の特徴によれば、浴室に立った利用者や椅子3や風呂椅子等に座った利用者が湯水混合栓20に近接しても、操作部21(ハンドル214〜216)が利用者に当たりにくい。これにより、シャワー装置1の使い勝手をよくすることができる。
第11の特徴では、第1の特徴において、当該シャワー装置1は、下方に水を吐水する吐水口部240と、この吐水口部240を利用する利用者に向けてシャワーを吐出する第2のシャワーノズル28とをさらに備える。シャワー装置1は、吐水口部240からの水と第2のシャワーノズル28からのシャワーとが同時に吐出できるように構成される。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第11の特徴によれば、利用者は、第2のシャワーノズル28から吐出されたシャワーを浴びながら、吐水口部240を快適に利用することができる。
第12の特徴では、第1の特徴において、アーム型シャワー22に設けられた複数のシャワーノズル221のうち、少なくとも1つのシャワーノズル221が吐出方向を変更できるように構成される。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第12の特徴によれば、利用者は、アーム型シャワー22の角度と、シャワーノズル221の吐出方向とをそれぞれ調節することで、シャワーノズル221から吐出されるシャワーを、利用者の身体の望ましい部位に当てることができる。
第13の特徴は、第12の特徴において、次のように構成される。アーム型シャワー22の長手方向において、最も被固定部2側に位置するシャワーノズル221と、最も先端側に位置するシャワーノズル221とのうち、少なくとも1つのシャワーノズル221は吐出方向が変更できるように構成される。アーム型シャワー22に設けられた全てのシャワーノズル221のうち、吐出方向の変更が可能なシャワーノズル221以外のシャワーノズル221は、吐出方向が一方向に固定される(吐出方向が変更できないように構成される)。なお、吐出方向の変更が可能なシャワーノズル221が2つ設けられた場合には、シャワーノズル221は、この吐出方向の変更が可能なシャワーノズル221を含めて3つ以上設けられる。
このため、本実施形態のシャワー装置1の第13の特徴によれば、大部分のシャワーノズル221の吐出方向が一方向に固定されているため、アーム型シャワー22を第2の回転軸回りに回転させるだけで、複数のシャワーノズル221の吐出方向の制御を容易に行える。さらに、並ぶように設けられたシャワーノズル221のうち、少なくとも一つの端のシャワーノズル221の吐出方向が可変であるため、アーム型シャワー22が傾斜した場合であっても、すべてのシャワーノズル221のシャワーを利用者の身体に当てやすくできる。
以上述べたように、本実施形態のシャワー装置1は、上述の構成を備えたことで、アーム型シャワー22を湯水混合栓20に対して上下に回動するだけで、アーム型シャワー22から吐出されるシャワーを身体の望ましい部位に簡単に当てることができる。また、本実施形態のシャワー装置1は、上述の構成を備えたことで、利用者がアーム型シャワー22をその長手方向と平行な回動軸(第2の回転軸)を中心に回動して、シャワーノズル221から吐出されるシャワーを利用者の所望の部位に当てることもできる。さらに、本実施形態のシャワー装置1によれば、利用者はアーム型シャワー22を前記回動軸(第2の回転軸)を中心に回転させるだけで、複数のシャワーノズル221の向きを変更することができる。これによって、本実施形態のシャワー装置1によれば、利用者は、シャワーを身体の望ましい部位に簡単に当てることができる。
なお、本実施形態ではアーム型シャワー22を湯水混合栓20に連結したが、アーム型シャワー22は壁5に固定される湯水混合栓20以外の被固定部2に連結しても構わない。また、本実施形態では湯水混合栓20の両端部にアーム型シャワー22を設けたが、アーム型シャワー22を湯水混合栓20の一端部にのみ設けてもよい。また、本実施形態の各アーム型シャワー20は、湯水混合栓20から後斜め下方に向けて突出して先端部が浴室の壁5に当接する下位置から、湯水混合栓20から後斜め上方に向けて突出して先端部が浴室の壁5に当接する上位置まで回動可能としている。しかし、各アーム型シャワー22の上下方向の回動範囲はこれに限定されるものではない。例えば各アーム型シャワー22は上位置には回動不能で且つ下位置には回動可能なものであってもよい。また、各アーム型シャワー22は下位置には回動不能で上位置には回動可能なものであってもよい。また、各アーム型シャワー22は上位置や下位置に配置したとき、壁5に当接せず、壁5の近傍に配置されるものであってもよい。また、各アーム型シャワー22は湯水混合栓20から後斜め方向に突出する位置まで回動不能なものであってもよい。また、本実施形態では各アーム部220を直線状にしたが、アーム部220は屈曲させてもよい。また、この場合、各アーム部220は回動部材222に対して湯水混合栓20との連結部分(回動部材22)における長手方向と平行な回動軸を中心に回動自在するのがよい。また、各アーム型シャワー20の回動部材222に対する回動範囲は回動部材222に対して360度未満としてもよい。また、本実施形態の椅子3は壁5に対して固定されるものであるが、壁5に対して着脱自在に固定されるものであってもよい。
また、本実施形態のシャワー装置1は、両シャワーノズル242が吐水口部240と同じ高さ位置に設けられたが、吐水口部240よりも下側に配置されてもよいし、吐水口部240よりも上側に配置されてもよい。また、本実施形態のシャワーノズル242は、上下方向及び左右方向の向きが調整可能となっていたが、吐出方向については、上下方向のみ又は左右方向のみに調整可能となったものであってもよい。
また、この他、シャワー装置1は本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更しても構わない。