JP4175770B2 - 浴室の吐水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、浴室の吐水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、折り畳み椅子に着座して全身にシャワーを浴びることのできるシャワー装置が、例えば特開平10−28656号公報に開示されているが、この構造では、洗い場側に置いた洗面器に吐水する時には、先ずハンドシャワーを低い位置のシャワーフックに引っ掛けて、ハンドシャワーと全身シャワーの水路の切り替えをハンドルで行なって、ハンドシャワー側に切り替え、さらにハンドシャワーをシャワー状態から通常の吐水状態に切り替える必要があり、しかも洗面器への吐水はシャワーフックに引っ掛けたハンドシャワーから斜めに行なうために、シャワーヘッドの引っ掛け具合によっては上手く洗面器内に吐水することができないという問題点があり、また、洗面器に吐水するための操作に手間が掛かりすぎるという問題点があった。また、散水状態の切り替えを忘れた場合等には、思わぬ散水状態で驚いたり、思わぬ所に散水して身体等が濡れるという問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、操作が容易で、しかも確実に洗面器内に吐水できる浴室の吐水装置を提供せんことを目的とし、その第1の要旨は、折り畳み椅子を折り畳んで壁際に収納した時に、該折り畳み椅子に形成した穴または切欠から室内側へ吐水可能に、前記穴または切欠に吐水口を臨ませて配置したことである。
また、第2の要旨は、折り畳み洗面器置台を折り畳んで壁際に収納した時に、該折り畳み洗面器置台に形成した穴または切欠から室内側へ吐水可能に、前記穴または切欠に吐水口を臨ませて配置したことである。
また、第3の要旨は、前記吐水口からの吐水と止水を操作する操作ハンドルを設けたことである。
また、第4の要旨は、前記折り畳み椅子または折り畳み洗面器置台が、複数の散水ノズルを備えたシャワー装置に取り付けられていることである。
【0004】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、浴室内の壁面に設けられた折り畳み椅子の斜視構成図であり、この折り畳み椅子1は、浴室の壁面Wから水平方向に突出して着座することのできる座面部2と、床面に垂設される足部3で構成されており、座面部2に対し足部3を折り畳んで、かつ折り畳んだ状態の座面部2と足部3を壁面W側に立設状に収納できるように構成されている。
【0005】
この折り畳み椅子1の座面部2には、長孔状の穴2aが形成されており、また足部3にも、折り畳んだ状態で穴2aと整合する位置に長孔状の穴3aが形成されており、壁面W側に突出状に設けられた吐水口4が、折り畳み椅子1を壁面W側に折り畳んで収納した時に、穴2a,3a内に入り込んで、吐水口4の先端が穴3aと面一、または僅かに室内側へ突出した状態となり、吐水口4から、洗い場側の洗面器に対し良好に吐水できるように構成されている。
なお、この折り畳み椅子1は、洗面器を載せることのできる洗面器台として構成することもでき、洗面器台を折り畳み状に壁面W側に収納できるようにして、折り畳み洗面器台に形成した穴または切欠に吐水口4を臨ませて構成しても良い。
【0006】
なお、図2及び図3では、浴室の洗い場の壁面Wに設置されたシャワー装置7に折り畳み椅子1を設けた場合の例を示す。
即ち、図2の正面図で、また図3の使用状態の側面図で示すように、壁面Wにはシャワー装置7のパネル6が固設され、このパネル6の下部に折り畳み椅子1が取り付けられて、折り畳み椅子1は、パネル6と面一状となる図2の折り畳んだ収納状態から、図3に示すような使用状態に亘り開閉できるように構成されており、座面部2の後端がパネル6に設けられた軸2bで上下方向に回動可能となっており、また、足部3の上端に設けられた軸3bを介し、座面部2に対し足部3が回動可能に折り畳むことができるように構成されている。
なお、図2のように、前記穴2a,3aは長孔に限らず、大径の円形穴にして、この穴2a,3a内に吐水口4が収納状態で入り込み、吐水口4の先端から吐水できるように構成しておくことができる。
【0007】
パネル6の上部には、シャワー装置7を構成する左アーム8と右アーム9が収納可能に設けられており、左アーム8は、ヒンジ8aを介して水平面内で回動できる回動片8bと、回動片8bの先端から垂下する垂下片8cで構成されており、また、右アーム9も同様に、ヒンジ9aを中心として回動できる回動片9bの先端に垂下片9cが形成されたものとなっており、この左アーム8及び右アーム9の垂下片8c,9cの内側に、複数の散水ノズル10が設けられて、図3に示すように、前方側へ引き出して、折り畳み椅子1に着座した使用者に対して、散水ノズル10からシャワー水を噴出させることができるように構成されている。
【0008】
なお、パネル6には、背中側へシャワー水を噴出させる背用ノズル11,11が設けられており、鏡12の下方には、シャワー水の温度を調節できる温調ハンドル16と、切替ハンドル17が配置されており、その下方に、吐水操作ハンドル18が設けられたものとなっている。なお、パネル6には凹み状に手掛け凹部6aが形成されており、折り畳み椅子1が収納された状態から、この手掛け凹部6a内に指を入れて良好に折り畳み椅子1を使用状態へ引き出すことができるように構成されている。また、パネル6にはハンドシャワー15を引っ掛けるフック13が設けられている。なお、ハンドシャワー15は壁面Wに設けられた低い位置のフック14にも引っ掛けて使用できるように構成されている。
前記切替ハンドル17は、このハンドシャワー15と前記シャワー装置7への流路の切り替えを行なうことができるとともに、流量調整もできるものとなっている。なお、その下方の前記吐水操作ハンドル18は、吐水口4専用に設けられたハンドルであり、吐水口4からの吐水と止水を操作できるものである。
【0009】
このような構造では、左アーム8または右アーム9、または両アーム8,9を図3のように前方側へ回動させ、折り畳み椅子1に着座して良好に全身にシャワーを浴びることができるものであり、洗い場で洗髪等を行なう際には、切替ハンドル17を切り替え操作して、ハンドシャワー15からシャワー水を噴出させて洗髪とか身体を洗う際に使用できるものであり、また、洗い場で洗面器内に湯を溜めたい時には、吐水操作ハンドル18を操作することにより、吐水口4から良好に吐水させて、例えば図3に示すように、折り畳み椅子1の座面部2上に洗面器19を置いて、この洗面器19内に良好に吐水口4からの吐水を溜めることができるものである。
なお、図3には別途、洗面器置台20が壁面Wから突出状に設けられており、この洗面器置台20上に置いた洗面器19にも良好に吐水口4から吐水できるものである。
【0010】
このように本例では、吐水口4専用の吐水操作ハンドル18が設けられているため、従来のように切替ハンドル17をハンドシャワー15側へ切り替え、さらにハンドシャワー15の吐水をシャワー水から通常吐水に切り替える面倒な操作が不要となり、吐水操作ハンドル18の操作のみで、洗面器19内等への吐水を吐水口4から行なえるものであり、ハンドシャワー15が高い位置のフック13に設けられている場合にも、関係なく、吐水口4から良好に洗面器19内への吐水が可能となり、洗い場で良好に吐水口4からの吐水を使用することができるものとなる。
【0011】
なお、図2のような折り畳み椅子1の収納状態で、吐水口4の先端が殆ど折り畳み椅子1内に収納されるようにしておけば、スッキリとした収納状態が得られて、吐水口4が突出することがなく、この折り畳み椅子1の収納状態でも、良好に吐水操作ハンドル18の操作により吐水口4から洗い場に吐水させることができるものとなる。
【0012】
【発明の効果】
本発明の浴室の吐水装置は、折り畳み椅子を折り畳んで壁際に収納した時に、折り畳み椅子に形成した穴または切欠から室内側へ吐水可能に、穴または切欠に吐水口を臨ませて配置したことにより、折畳み椅子の収納状態でも良好に吐水口から洗い場側に吐水することができるものとなり、折り畳み椅子が壁際にスッキリとした状態で収納されるとともに、吐水口が突出することなく良好に穴または切欠内に収納されて、スッキリとした設置状態が得られるものとなる。
【0013】
また、折り畳み洗面器置台を折り畳んで壁際に収納した時に、折り畳み洗面器置台に形成した穴または切欠から室内側へ吐水可能に、穴または切欠に吐水口を臨ませて配置したことにより、折り畳み洗面器置台の収納状態で穴または切欠内に良好に吐水口を臨ませてスッキリとした状態で配置させることができ、良好に吐水口から吐水させて洗い場で洗面器内等に吐水を溜めることができるものとなる。また、折り畳み洗面器置台を引き出して、その上に洗面器を載せ、吐水口からの吐水を洗面器内に良好に溜めることができるものとなる。
【0014】
また、吐水口からの吐水と止水を操作する操作ハンドルを設けたことにより、浴室に設けられているシャワー装置とは別個独立で操作ハンドルを操作して、吐水口から吐水させることができるため、操作が容易で良好な吐水が得られるものとなる。
【0015】
また、折り畳み椅子または折り畳み洗面器置台が、複数の散水ノズルを備えたシャワー装置に取り付けられていることにより、シャワー装置に一体で折り畳み椅子または折り畳み洗面器置台を設けて、このシャワー装置内に良好に吐水口を配置させてスッキリとした状態が得られ、シャワー装置とは無関係に吐水口からの吐水を使用することができるものとなり、操作性が良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】折り畳み椅子と吐水口の配置状態の斜視構成図である。
【図2】シャワー装置に折り畳み椅子と吐水口を組み込んだ正面図である。
【図3】図2の使用状態の側面構成図である。
【符号の説明】
1 折り畳み椅子
2 座面部
2a 穴
3 足部
3a 穴
4 吐水口
6 パネル
7 シャワー装置
8 左アーム
9 右アーム
10 散水ノズル
13,14 フック
15 ハンドシャワー
17 切替ハンドル
18 吐水操作ハンドル
19 洗面器
20 洗面器置台
W 壁面

Claims (4)

  1. 折り畳み椅子を折り畳んで壁際に収納した時に、該折り畳み椅子に形成した穴または切欠から室内側へ吐水可能に、前記穴または切欠に吐水口を臨ませて配置したことを特徴とする浴室の吐水装置。
  2. 折り畳み洗面器置台を折り畳んで壁際に収納した時に、該折り畳み洗面器置台に形成した穴または切欠から室内側へ吐水可能に、前記穴または切欠に吐水口を臨ませて配置したことを特徴とする浴室の吐水装置。
  3. 前記吐水口からの吐水と止水を操作する操作ハンドルを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浴室の吐水装置。
  4. 前記折り畳み椅子または折り畳み洗面器置台が、複数の散水ノズルを備えたシャワー装置に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の浴室の吐水装置。
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