JP6423117B2 - ビスマレイミドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着剤、粘着剤、構造材料等として有用なビスマレイミド(以下、「BMI」と略記することがある)およびその製造方法に関する。
BMIは、例えば、溶媒中、酸触媒下、ジアミンと、無水マレイン酸とを反応させてマレアミック酸(以下、「MAA」と略記することがある)とした後、酸触媒等によりマレイミド化(脱水による閉環)して粗BMI溶液を得、これを精製することにより製造され、積層材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着剤、粘着剤、構造材料等として広く利用されている。製造されたBMIには、MAA、フマルアミック酸、マイケル付加体(MAAにアミンがマイケル付加反応して生成する化合物にさらに無水マレイン酸が反応して生成する化合物)等の酸成分が、不純物として微量残留しており、これらの酸成分が、半導体用の接着剤や粘着剤として使用した際に、半導体装置にBMIに起因する腐食が発生する要因となることがある。また、酸成分によるBMIの吸湿性が増加し、これが、電気特性の悪化をもたらすことがある。そこで、BMIの精製工程において、微量残留している酸成分を除去する方法、すなわちBMIの酸価を低減させる方法が種々提案されている。なお、アミンと無水マレイン酸とを反応させてマレアミック酸とした後、酸触媒等によりマレイミド化して得られる粗マレイミド溶液中には、前記したような酸成分が含まれていることは、非特許文献1に記載されている。
例えば、ジアミンとして芳香族ジアミンを用いたBMIについては、精製前の粗BMI溶液を、晶析、再沈殿、水洗等の方法で精製することにより、酸価が2mg−KOH/g以下であるBMIを得る方法が、特許文献1〜6に開示されている。
一方、脂肪族ジアミンを用いたBMIについては、特許文献7〜12に、後述するダイマジアミン等の脂肪族ジアミンを用いた種々のBMIが開示されている。また、特許文献11、12に、イミド延長された脂肪族ジアミンを用いたBMIが開示されている。脂肪族ジアミンを用いたBMIは、芳香族ジアミンを用いたBMIと比較して、靭性や誘電特性等に優れているので、半導体分野での使用が期待されている。これら脂肪族ジアミンを用いたBMIは、MAAの脱水触媒として、蟻酸、メタンスルホン酸、カチオン性イオン交換樹脂酸またはその塩を用いることにより得ることができる。また、MAAの脱水触媒として、ジシクロヘキシルカルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとからなる混合物を用いることもできる。これら脂肪族ジアミンを用いたBMIは、Designer Molecules Inc.(以下、「DMI社」と略記することがある)から、BMI−689、BMI−1500、BMI−1700、BMI−3000等の商品名で市販もされている。
特開平01−238568号公報 特開平03−145462号公報 特開平06−345730号公報 特開平07−002768号公報 特開平07−118230号公報 特開平08−119939号公報 米国法定発明登録H424号 米国特許6281314号 米国特許5973166号 特表平10−505599号公報 米国公開2008/0262191号 特開2012−117070号公報
日本化学会誌、1996、(4)、頁375〜384
しかしながら、公知の方法で得られた脂肪族ジアミンを用いたBMIは、未閉環であるMAA等の酸成分が微量残留しているため、酸価としては、2mg−KOH/gを大幅に超えるものであった。このBMIは、前記した晶析、再沈殿、水洗等による溶媒抽出等公知の精製方法を駆使しても、半導体等分野での使用が可能な2mg−KOH/g以下のレベルまで酸価を低減させることはできず、これまで、脂肪族ジアミンを用いたBMIで、酸価が2mg−KOH/g以下のものは知られていなかった。また、前記DMI社の市販品についても、酸価は、2mg−KOH/gを超えるものであった。
そこで本発明は、脂肪族ジアミンを用いたBMIであって、前記した、BMI中に不純物として微量残存する酸成分が効率よく除去された、すなわち酸価が充分に低減された、脂肪族ジアミンを用いたBMIおよびその製造方法の提供を目的とする。
粗BMI中に微量残留する酸成分を特定の化合物と反応させることにより、粗BMIの酸価が著しく低減され、これまで知られていなかったレベルの低酸価のBMIが得られることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は下記を趣旨とするものである。
<1> ジアミン成分として脂肪族ジアミンを用いたBMIであって、その酸価が2mg−KOH/g以下であることを特徴とするBMI。
<2> 酸価が2mg−KOH/g超である粗BMIからなる溶液に、カルボジイミド(以下、「CDI」と略記することがある)を加え、粗BMI中の酸成分と、CDIとを反応させることにより、酸価が2mg−KOH/g以下のBMIとすることを特徴とする前記BMIの製造方法。
<3> 酸価が2mg−KOH/g超である粗BMIからなる溶液に、CDIを加え、粗BMI中の酸成分と、CDIとを反応させた後、カルボジイミド尿素誘導体(以下、「CDI−U」と略記することがある)を除去することを特徴とする請求項1記載のBMIの製造方法。
<4> CDI−Uがメタノールに可溶である前記BMIの製造方法。
<5> CDI−Uを除去する方法が溶媒抽出法である前記BMIの製造方法。
本発明のBMIは、酸価が著しく低いので、耐腐食性に優れ、かつ吸湿性が低い。従い、半導体等に適用される接着剤、粘着剤、封止剤等の成分として好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のBMIは、ジアミン成分として脂肪族ジアミンを用いる。ここで、脂肪族ジアミンを用いたBMIとは、BMIを構成するジアミン成分が脂肪族ジアミンからなるBMIをいう。
脂肪族ジアミンの具体例としては、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4′−メチレンビスシクロヘキシルアミン、ダイマジアミン(以下、「DDA」と略記することがある)等を挙げることがでる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、DDAが好ましい。DDAは炭素原子数24〜48のダイマ酸から誘導される脂肪族ジアミンである。DDAは、例えばオレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸を重合させてダイマ酸とし、これを還元、アミノ化(還元的アミノ化)することにより得られる。DDAは、「プリアミン1074、同1075」(クローダジャパン社製の商品名)、「バーサミン551、同552」(コグニスジャパン社製の商品名)等の市販品を用いることができる。
脂肪族ジアミンとしては、特許文献11、12に記載されたような「イミド延長されたジアミン」も、好ましく用いることができる。ここで、イミド延長されたジアミンとは、テトラカルボン酸二無水物と、過剰量の脂肪族ジアミンとを反応させて脱水閉環した「両末端にアミノ基を有するポリイミドまたはオリゴイミド」(以下、「ATPI」と略記することがある)のことである。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4′−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(BDCP)、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、PMDA、ODPA、BTDAが好ましい。また、脂肪族ジアミンとしては、前記した脂肪族ジアミンを用いることができ、DDAが好ましい。
脂肪族ジアミンは、芳香族ジアミン(複素環式ジアミンを含む)と混合して用いることもできる。芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2′−メトキシ−4,4′−ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノベンズアニリド、ビスアニリンフルオレン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1−(3−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4′−(4−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4′−(3−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレンジ−o−トルイジン、4,4′−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4′−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、3,3′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシベンジジン、4,4′′−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3′′−ジアミノ−p−テルフェニル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら芳香族ジアミンの使用量は用いるジアミンの全量に対し、20モル%以下とすることが好ましく、10モル%以下とすることがより好ましい。
本発明のBMIは、酸価が2mg−KOH/g以下である。この酸価は、JIS K0070(1992)の規定に基づき、中和滴定法で測定した値である。BMIの酸価は、1.5mg−KOH/g以下であることが好ましく、1.0mg−KOH/g以下であることがより好ましい。このようにすることにより、BMIの良好な耐腐食性と低吸湿性とを確保することができる。ここで、酸価が2mg−KOH/g以下のBMIとは、BMIと、前記したBMI中に微量残留している酸成分(MAA、フマルアミック酸、マイケル付加体等)とからなる組成物としての酸価が2mg−KOH/g以下であることを意味する。
本発明のBMIは、例えば、溶媒中で、酸触媒下、脂肪族ジアミンと無水マレイン酸とを反応させて、粗BMI溶液を得た後、次の精製工程において、微量残留している酸成分とCDIとを反応させて、酸価を低減させることにより得ることができる。粗BMI溶液は、例えば、後述する公知の方法において脂肪族ジアミンと無水マレイン酸との反応によりMAAを得たのち、脱水閉環(マレイミド化)して得られる、未精製のBMIの溶液であってもよいし、または当該未精製のBMI溶液を晶析、再沈殿、水洗等の公知の方法により精製して得られるBMIの溶液であってもよい。脱水閉環するための触媒としては、前記した酸触媒以外に、無水酢酸、ジシクロヘキシルカルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとからなる混合物等も用いることもできる。
粗BMI溶液を得るには、公知の方法を用いることができる。すなわち、例えば、溶媒中で、0℃〜50℃の温度で脂肪族ジアミンと略等当量の無水マレイン酸とを反応させて、MAAを得たのち、これを酸触媒下、50℃〜200℃の温度で、脱水閉環(マレイミド化)することにより得ることができる。用いる溶媒に制限はないが、トルエン、キシレン(o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)、エチルベンゼン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド系溶媒、炭化水素系溶媒とアミド系溶媒との混合溶媒等が好ましい。
また、用いる酸触媒に制限はないが、硫酸、蟻酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、マレイン酸、カチオン性イオン交換樹脂等を用いることができる。これらの酸のトリエチルアミン塩を用いることもできる。酸触媒としてマレイン酸を用いる場合は、BMI合成の原料として用いる無水マレイン酸が、反応中に加水分解されて生成するマレイン酸も含まれる。従い、原料として大過剰の無水マレイン酸を用いた場合は、別途酸触媒を用いる必要はない。脱水閉環する際は、マレイミド化による生成する水を、共沸等により反応系外に除去することが好ましい。なお、ジアミンとしてATPIを用いた場合の粗BMI溶液を得る方法としては、特許文献11、12に記載の方法を参照することができる。この方法の詳細については、後述する参考例に示した。
本発明のBMI製造方法においては、前記のようにして得られた粗BMI溶液から、不純物として微量残留している粗BMI中の酸成分と、CDIとを反応させることにより、粗BMIの酸価を著しく低減させることができる。粗BMI中の酸成分とCDIとが反応した場合、主生成物として、酸成分が脱水閉環したマレイミド体と、CDI−Uとが生成する。このCDI−Uを含有したBMIは、これをそのまま用いることができるが、CDI−Uを除去したBMIとすることが好ましい。なお、粗BMI中に残存している酸成分のアシル尿素誘導体である、O−アシルイソ尿素またはN−アシル尿素が生成していてもよい。アシル尿素誘導体の生成によっても、BMIの酸価は低減される。CDIによるCDI−Uおよびアシル尿素誘導体の生成については、Tetrahedron 63(28)6508〜6511(2007)等を参照することができる。
粗BMIとしては、DMI社等から工業化学品として市販されているBMI、試薬として市販されているBMI等も用いることができる。
CDIとしては、モノカルボジイミド、ポリカルボジイミド、環状カルボジイミド等を用いることができる。モノカルボジイミドの具体例としては、例えば、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミドN,N′−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等を挙げることができる。ポリカルボジイミド(数平均分子量:300〜20000)の具体例としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)ポリ(4,4′−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)ポリ(4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼンおよび1,5−ジイソプロピルベンゼンカルボジイミド、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。カルボジイミドの中では、反応後、副生するCDI−U等のカルボジイミド誘導体の除去が容易なモノカルボジイミドが好ましい。モノカルボジイミドの中では、DICおよびEDCがより好ましく、DICが特に好ましい。なお、ポリカルボジイミドは、「カルボジライト」(日清紡ケミカル社製の商品名)、「スタバクゾール」(ラインケミー社製の商品名)等の市販品を用いることができる。また、環状カルボジイミドは、「TCC」(帝人社製の商品名)を用いることができる。

微量残留している粗BMI中の酸成分と、CDIとを反応させるには、CDIをBMI質量に対し0.5〜10質量%加え、溶媒中で、反応させる。その際の反応温度としては50〜150℃とすることが好ましく、70〜120℃とすることがより好ましい。反応の際のBMI濃度としては、20〜70質量%とすることが好ましい。反応溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶媒とすることが好ましい。このように粗BMI中の酸成分と、CDIとを反応させることにより、2mg−KOH/g以下のBMIとすることができる。なお、前記したように、CDIが、BMI中の酸成分と反応すると、CDI−Uが副生するので、これらは、再沈殿、濾過、溶媒抽出等の方法でBMI溶液から除去することができる。
CDI−Uの除去については、操作が簡便な、溶媒抽出法を用いることが好ましい。溶媒抽出の際用いる抽出剤としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン等を単独または混合して用いることができ、メタノールが好ましい。なお、前記したDICまたはEDCから誘導されるCDI−Uは、これらの抽出剤への溶解性が良好なので、溶媒抽出法により、CDI−Uを除去する場合は、DICまたはEDCを用いることが好ましい。
粗BMI中の酸成分とCDIとの反応後、CDI−Uが反応液中に析出する場合、CDI−Uは濾過法により除去することができる。
除去されたCDI−Uは、公知の方法、例えば脱水触媒などを用いて脱水反応を行うことによりCDIに再生することができ、再生されたCDIは繰り返し用いることができる。
なお、本発明の製造方法にかかるCDIを用いた粗BMIからの酸成分除去方法は、BMIが、ジアミン成分として芳香族ジアミンを用いたBMIの場合にも、適用することができる。すなわち、酸価が2mg−KOH/g超である、粗BMIからなる溶液に、CDIを加え、ジアミン成分として芳香族ジアミンを用いた粗BMI中の酸成分と、カルボジイミドとを反応させた後、CDI−Uを除去することにより、容易に、酸価が2mg−KOH/g以下のBMI溶液を得ることができる。ここで用いられる芳香族ジアミンは、前記した芳香族ジアミンを用いることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
以下の参考例において、実施例および比較例で用いた粗BMI溶液の調製例を示す。
<参考例1>
特許文献12、実施例1の記載に準じて、以下のようにして、粗BMI溶液を調製した。すなわち、反応容器に、250mlのトルエン、0.35モルのトリエチルアミン、0.36モルのメタンスルホン酸を加えて混合した。次に、0.11モルのバーサミン552(コグニスジャパン社製のDDAで分子量は520)および0.05モルのPMDAを、撹拌しつつ加えた。ディーンスタークトラップとコンデンサーとを反応容器に取り付け、混合物を2時間還流して、イミド化による生成する水を系外に除去することによりATPIを得た。反応混合物を、室温に冷却し、0.13モルの無水マレイン酸を反応容器に加え、続いて0.05モルのメタンスルホン酸を加えた。混合物を、さらに12時間還流し、マレイミド化による生成する水を反応系外に除去した。室温に冷却後、さらにトルエン100mlを加え、沈殿物を生成させた。濾過により沈殿物を除去することにより、BMIのトルエン溶液を得た。この溶液を大量のメタノールに加え、BMIを再沈殿して、沈殿物をトルエンに溶解することにより、BMI濃度が50質量%の粗BMI(C−1)溶液(L−1)を得た。C−1の酸価を、JIS K0070(1992)の規定に基づき測定した結果、9.52mg−KOH/gであった。
<参考例2>
特許文献12、実施例2の記載に準じて、以下のようにして、粗BMI溶液を調製した。すなわち、反応容器に、250mlのトルエン、0.38モルのトリエチルアミン、0.39モルのメタンスルホン酸を加えて混合した。次に、0.11モルのバーサミン552および0.05モルのBTDAを、撹拌しつつ加えた。ディーンスタークトラップとコンデンサーとを反応容器に取り付け、混合物を15時間還流して、イミド化による生成する水を系外に除去した。反応混合物を、室温に冷却し、0.23モルの無水マレイン酸を反応容器に加え、混合物を12時間還流して、マレイミド化による生成する水を反応系外に除去することにより、BMIのトルエン溶液を得た。室温に冷却後、さらにトルエン100mlを加え、沈殿物を生成させた。濾過により沈殿物を除去することにより、BMIのトルエン溶液を得た。この溶液を大量のメタノールに加え、BMIを再沈殿させ、沈殿物を採取して、トルエンと混合することにより、BMI濃度が50質量%の粗BMI(C−2)溶液(L−2)を得た。C−2の酸価は、8.61mg−KOH/gであった。
<参考例3>
「0.11モルのバーサミン552」を「0.105モルのバーサミンと0.05モルの2,2′−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンとの混合物」としたこと以外は、参考例2と同様に行いBMI濃度が50質量%の粗BMI(C−3)溶液(L−3)を得た。C−3の酸価は、9.17mg−KOH/gであった。
<参考例4>
特許文献10、実施例1の記載に準じて、以下のようにして、粗BMI溶液を調製した。すなわち、0.058モルのバーサミン552をテトラヒドロフラン(THF)90mlに溶解した溶液を、0.127モルの無水マレイン酸をTHF60mlに溶解した溶液中にゆっくり加えた。添加1時間後に、無水酢酸125mLを加え、この反応混合物を24時間撹拌した。この反応混合物を還流させ、その還流温度に3時間保持した。この反応混合物にベンゾキノン0.1gを加えた後、真空下で溶媒を除去した。得られた残分にTHF75mLと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加え、室温で溶解し、24時間攪拌した。その後、その溶媒を30℃で除去し、その残分を500mLのペンタンで2回抽出した。これらのペンタン部分を合わせ、それをドライアイス/イソプロピルアルコール浴中で冷却すると、白色の固体が晶出したので、これを冷時濾過後、濃縮することにより、BMI濃度が50質量%の粗BMI(C−4)溶液(L−4)を得た。C−4の酸価は、9.83mg−KOH/gであった。粗BMIの溶液を得た。
<参考例5>
特許文献10、実施例3の記載に準じて、以下のようにして、粗BMI溶液を調製した。すなわち、0.096モルのバーサミン552をTHF60mLに溶解した溶液を、0.206モルの無水マレイン酸を、300mLのTHFに溶解した溶液にゆっくり加えた。添加完了後に、この反応混合物を一時間撹拌し、次いでHOBtをその中に溶解させた。この撹拌された反応混合物を氷浴中で冷却し、その後、0.238モルのDCCを、少しずつ加えた。この添加の完了後に、反応混合物を氷浴中で更に1時間撹拌した。次いで、氷浴を取り外し、その撹拌された反応混合物を一晩かけて室温まで暖めた。この反応混合物を濾過し、得られた固体をTHFで洗浄した。これらのTHF部分を全部合わせ、これにメトキシフェノール0.2gを加え、その後、30℃でTHFを除去した。この残分をヘキサンで抽出した後、そのヘキサンを除去した。次に、これを再度ペンタンで抽出することにより、BMI濃度が50質量%の粗BMI(C−5)溶液(L−5)を得た。C−5の酸価は、6.68mg−KOH/gであった。
<実施例1>
粗BMI溶液(L−1)100gに、DIC1gを加え、100℃で5時間反応させた。冷却後、反応液中のBMIの酸価を測定したところ、0.84mg−KOH/gであった。この反応液にトルエンを加えた液を、攪拌下で、大量のメタノールに加え、BMIを再沈殿させ、副生するDICの尿素誘導体をメタノールに溶解させて除去後、沈殿物をトルエンと混合することにより、BMI濃度が50質量%の精製されたBMI(P−1)溶液を得た。P−1の酸価測定結果を表1に示す。なお、このメタノールによる溶媒抽出で副生したDICの尿素誘導体がメタノール相に移行していることはメタノール相のNMRを測定することにより確認した。
<実施例2>
DICの添加量を1.5gとしたこと以外は、実施例1と同様に行い、精製されたBMI(P−2)溶液を得た。P−2の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例3>
DICの添加量を0.8gとしたこと以外は、実施例1と同様に行い、精製されたBMI(P−3)溶液を得た。P−3の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例4>
粗BMI溶液(L−1)100gに、DCC4gを加え、100℃で5時間反応させた。冷却後、トルエンを加え、副生するDCCの尿素誘導体を、メンブランフィルターを用いた濾過により除去して、精製されたBMI(P−4)溶液を得た。P−4の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例5>
粗BMI溶液を、L−2としたこと以外は、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−5)溶液を得た。P−5の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例6>
粗BMI溶液を、L−2としたこと以外は、実施例4と同様にして、精製されたBMI(P−6)溶液を得た。P−6の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例7>
粗BMI溶液を、L−3としたこと以外は、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−7)溶液を得た。P−7の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例8>
粗BMI溶液として、DMI社から市販されているBMI−689のトルエン溶液(濃度:50%質量%)を準備した。このBMIはジアミン成分として、DDAを用いたBMIであり、酸価は3.12mg−KOH/gであった。この粗BMI溶液を用い、実施例1と同様の条件で、DICと反応させ、冷却後、反応液中のBMIの酸価を測定したところ、0.27mg−KOH/gであった。次に、この液を実施例1と同様にしてメタノールによる溶媒抽出により、DICの尿素誘導体を除去して、精製されたBMI(P−8)溶液を得た。P−8の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例9>
粗BMI溶液として、DMI社から市販されているBMI−1500のトルエン溶液(濃度:50%質量%)を準備した。このBMIはジアミン成分として、ODPAによりイミド延長されたDDAを用いたBMIであり、酸価は6.44mg−KOH/gであった。このBMIを用い、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−9)溶液を得た。P−9の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例10>
粗BMI溶液として、DMI社から市販されているBMI−1700のトルエン溶液(濃度:50%質量%)を準備した。このBMIはジアミン成分として、BDCPによりイミド延長されたDDAを用いたDDAを用いたBMIであり、酸価は5.01mg−KOH/gであった。このBMIを用い、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−10)溶液を得た。P−10の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例11>
粗BMI溶液として、DMI社から市販されているBMI−3000のトルエン溶液(濃度:50%質量%)を準備した。このBMIはジアミン成分として、PMDAによりイミド延長されたDDAを用いたDDAを用いたBMIであり、酸価は5.63mg−KOH/gであった。このBMIを用い、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−11)溶液を得た。P−11の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例12>
粗BMI溶液を、L−4としたこと以外は、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−12)溶液を得た。P−12の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例13>
粗BMI溶液を、L−5としたこと以外は、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−13)溶液を得た。P−13の酸価測定結果を表1に示す。
<実施例14>
粗BMI溶液を、CDIとして、2gのEDCを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、精製されたBMI(P−14)溶液を得た。P−14の酸価測定結果を表1に示す。
<比較例1>
粗BMI溶液(L−1)に、等量の、水とトルエンとを加え、溶媒抽出する操作を2回行うことにより、水洗により精製されたBMI溶液(R−1)を得た。R−1の酸価測定結果を表1に示す。
<比較例2>
粗BMI溶液をL−2としたこと以外は、比較例1と同様にして、水洗により精製されたBMI溶液(R−2)を得た。R−2の酸価測定結果を表1に示す。
<比較例3>
粗BMI溶液(L−3)に、等量の、1%アンモニア水とトルエンとを加え、溶媒抽出する操作を2回行った後、さらに水のみで溶媒抽出することを2回行った後、水洗により精製されたBMI溶液(R−3)を得た。R−3の酸価測定結果を表1に示す。
<比較例4>
粗BMI溶液(L−1)にトルエンを加えた液を、大量のメタノールに加え、BMIを再沈殿させ、沈殿物を採取後、トルエンと混合することにより、精製されたBMI(R−4)溶液を得た。R−4の酸価測定結果を表1に示す。
<比較例5>
粗BMI溶液(L−3)にトルエンを加えた液を、大量のアセトンに加え、BMIを再沈殿させ、沈殿物を採取後、トルエンと混合することにより、精製されたBMI(R−5)溶液を得た。R−5の酸価測定結果を表1に示す。
<比較例6>
粗BMI溶液(L−1)〜(L−5)のそれぞれを−5℃に冷却し、BMIを析出させこれを濾過することにより、精製しようとしたが、いずれの溶液もBMIを析出させることはできなかった。
<比較例7>
溶媒抽出する操作を10回行なったこと以外は、比較例1と同様にして、水洗により精製されたBMI溶液を得たが、このBMIの酸価は、R−1と殆んど変わらなかった。
<比較例8>
比較例4において、再沈殿による精製操作をさらに5回行い、精製されたBMI溶液を得たが、このBMIの酸価は、R−4と殆んど変わらなかった。
実施例1〜14、比較例1〜5で得られたBMIの酸価測定結果を表1に示す。
Figure 0006423117
実施例、比較例で示したように、本発明のBMIは、公知の精製法で精製したBMIと比較して、その酸価が著しく低減されており、酸価としては、2mg−KOH/g以下であることが判る。
本発明のBMIは、酸価が著しく低いので、耐腐食性に優れ、かつ吸湿性が低い。従い、積層材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着剤、粘着剤、構造材料等として有用である。

Claims (6)

  1. ジアミン成分として脂肪族ジアミンを用いた、酸価が2mg−KOH/g以下であるビスマレイミドの製造方法であって、
    酸価が2mg−KOH/g超である粗ビスマレイミドからなる溶液に、カルボジイミドを加え、粗ビスマレイミド中の酸成分と、カルボジイミドとを反応させることにより、酸価が2mg−KOH/g以下のビスマレイミドとすることを特徴とするビスマレイミドの製造方法。
  2. 脂肪族ジアミンがダイマジアミンである、請求項1に記載のビスマレイミドの製造方法
  3. ジアミン成分として脂肪族ジアミンを用いた、酸価が2mg−KOH/g以下であるビスマレイミドの製造方法であって、
    酸価が2mg−KOH/g超である粗ビスマレイミドからなる溶液に、カルボジイミドを加え、粗ビスマレイミド中の酸成分と、カルボジイミドとを反応させた後、カルボジイミドの尿素誘導体を除去することを特徴とするビスマレイミドの製造方法。
  4. 脂肪族ジアミンがダイマジアミンである、請求項3に記載のビスマレイミドの製造方法。
  5. カルボジイミドの尿素誘導体がメタノールに可溶である請求項3または4記載のビスマレイミドの製造方法。
  6. カルボジイミドの尿素誘導体を除去する方法が溶媒抽出法である請求項3または4記載のビスマレイミドの製造方法。
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