JP6411985B2 - 調整機構を備えた回転軸支持装置 - Google Patents

Description

本発明は、工作機械上に載置するユリカゴ式回転テーブルが備える回転軸支持装置に関する。

回転テーブルには、回転駆動装置を単体で使用する場合と、治具プレートを回転駆動装置と回転軸支持装置とで回転させる「ユリカゴ式」の回転テーブルがある。図９は、ユリカゴ式の回転テーブルの構成例である。ユリカゴ式回転テーブル１は、加工用のワーク５０が設置された治具プレート４０、該治具プレート４０を回転させる回転駆動装置１０、該回転駆動装置１０に対抗した位置に設けられ該治具プレート４０を支持する回転軸支持装置２０、該回転駆動装置１０と該回転軸支持装置２０の両者を載置するベースプレート４１を備えている。治具プレート４０は、回転駆動装置１０が備えるブラケット１１により一端を支持され、他端を回転軸支持装置２０に設けられたブラケット２３によって支持されている。また、回転軸支持装置２０は、回転軸２４の軸受を備えたハウジング２２がケース２１に取り付けられて構成される。

図９に示す構成を備えたユリカゴ式回転テーブル１では、回転駆動装置１０が回転軸１２の回転中心１３を軸としてブラケット１１を回転させると、該回転により一端をブラケット１１に支持される治具プレート４０が回転し、また、該治具プレート４０の他端を支持するブラケット２３は回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５を軸として回転するようになっている。そのため、それぞれの端部をブラケット１１，２３に支持される治具プレート４０に載置された加工用のワーク５０をスムースに回転させるためには、図１０（ａ）に示すように回転駆動装置１０の回転中心１３と回転軸支持装置２０の回転中心２５との高さ方向の位置が一致するように調整する必要があり、また、図１０（ｂ）に示すように回転駆動装置１０の回転中心１３と回転軸支持装置２０の回転中心２５との奥行方向の位置が一致するように調整する必要がある。更に、上記スムースな回転には回転中心１３の軸線方向と、回転中心２５の軸線方向とを一致させる必要があるので、図１１（ａ）及び図１１（ｂ）に示すように、各回転中心の高さ方向の傾き及び奥行方向の傾きの調整も必要になる。

上記した回転駆動装置１０の回転中心１３と回転軸支持装置２０の回転中心２５との位置と軸線方向とを合わせる調整をしていない場合、治具プレート４０を回転させた際に、回転中心１３及び回転中心２５の不一致が原因で治具プレート４０に歪が生じ、軸受などの部品の劣化を招く。

回転駆動装置１０の回転中心１３と回転軸支持装置２０の回転中心２５の高さ方向を調整する従来技術として、例えば特許文献１には、図１２に示すように、それぞれの回転中心１３，２５の間の高さの差に応じた高さ方向の調整用スペーサ４２，４３を製作し、回転駆動装置１０または回転軸支持装置２０の下にそのスペーサ４２，４３を設置することで回転駆動装置１０の回転中心１３と回転軸支持装置２０の回転中心２５との高さ方向を調整する技術が開示されている。また、図１３に示すように、回転駆動装置１０と回転軸支持装置２０を設置する為のベースプレート４１を回転駆動装置１０の回転中心１３の高さと回転軸支持装置２０の回転中心２５の高さとの差に合わせて追加工することで調整することも行われている。

一方で、回転駆動装置１０の回転中心１３と回転軸支持装置２０の回転中心２５との奥行き方向の調整には、回転駆動装置１０または回転軸支持装置２０全体を奥行き方向にスライドさせて対応している。

登録実用新案第３１８３３６５号公報

しかしながら、高さ方向の調整において、特許文献１に開示された回転中心１３の高さと回転中心２５の高さとの差に応じたスペーサ４２，４３を用いる方法では、回転駆動装置１０の回転中心１３の高さと回転軸支持装置２０の回転中心２５の高さとをそれぞれ計測し、その高さの差に応じてスペーサ４２，４３を製作する必要があり、また、ベースプレート４１を追加工する方法では、同様に回転駆動装置１０の回転中心１３の高さと回転軸支持装置２０の回転中心２５の高さとをそれぞれ計測し、その高さの差に応じたベースプレート４１の追加工が必要である。そのため、いずれの方法をとったとしても調整にそれなりの工数が必要となるという課題がある。

また、上記調整手法では回転駆動装置１０および回転軸支持装置２０を正確に平行移動させることが困難であるため、回転中心１３，２５の高さ方向、奥行き方向の調整を行った場合に既に調整済みの回転中心１３，２５の軸線方向の傾きの調整がずれてしまうことがあり、軸線方向の傾きを再調整する必要が生じるため、やはり調整の工数がかかるという課題がある。

そこで本発明の目的は、スペーサの製作やベースプレートの追加工を必要とせず、回転中心の傾きに影響を与えることなく回転軸の回転中心の位置を調整可能な回転軸支持装置を提供することである。

本願の請求項１に係る発明は、ワークを設置する治具プレートと、該治具プレートを回転させる回転駆動装置と、該回転駆動装置に対向した位置に設けられた前記治具プレートを支持する回転軸支持装置と、前記回転駆動装置及び前記回転軸支持装置を載置するベースプレートと、を備えた工作機械の回転テーブルであって、前記回転軸支持装置は、ハウジングと、該ハウジングに回転自在に軸承される回転軸と、前記ハウジングを固定する為のケースと、前記ハウジングの前記ケースに対する取付面は回転軸の軸線方向に対して垂直に構成されており、前記ハウジングは前記ケースに対し前記取付面と平行に相対移動可能に取り付けられ、前記ハウジングと前記ケースとを前記取付面と平行に相対移動させることで前記回転軸の位置調整を行う位置調整用ボルトを含む調整機構と、前記ハウジングを前記ケースに固定することで、前記調整機構により調整された前記回転軸の位置を固定する固定ボルトと、を備え、前記位置調整用ボルトは、高さ方向調整用ボルトと奥行方向調整用ボルトであることを特徴とする工作機械の回転テーブルである。

本願の請求項２に係る発明は、前記調整機構の前記位置調整用ボルトを前記ケースに配置し、該位置調整用ボルトを締め込むあるいは緩めることで前記ハウジングと前記ケースとを前記取付面と平行に相対移動させて前記回転軸の位置調整を行う、ことを特徴とする請求項１に記載の工作機械の回転テーブルである。

本願の請求項３に係る発明は、前記ケースの前記位置調整用ボルトの対向する側に弾性体を設ける、ことを特徴とする請求項１または２の何れか一つに記載の工作機械の回転テーブルである。
本願の請求項４に係る発明は、前記固定ボルトに替えて、電磁チャックまたは真空チャックを用いることを特徴とする請求項１〜３の何れか一つに記載の工作機械の回転テーブルである。

本発明により、ユリカゴ式回転テーブルにおいて回転軸支持装置の回転中心の高さ方向の調整に関しては、高さ方向調整用のスペーサの追加あるいはベースプレートの追加工を行う必要はない為、調整のために工数をかける必要がなくなる。また、回転中心の傾きに影響を与えることなく、回転中心の高さ、奥行き方向の調整が可能となる。

本発明の第１の実施形態によるユリカゴ式回転テーブルの側面図である。 図１における回転軸支持装置近傍の拡大図である。 本発明の第１の実施形態によるユリカゴ式回転テーブルの上面図である。 図３における回転軸支持装置近傍の拡大図である。 本発明の第２の実施形態によるユリカゴ式回転テーブルの側面図である。 図５における回転軸支持装置近傍の拡大図である。 本発明の第２の実施形態によるユリカゴ式回転テーブルの上面図である。 図７における回転軸支持装置近傍の拡大図である。 従来技術におけるユリカゴ式回転テーブルの側面図である。 ユリカゴ式回転テーブルにおける回転軸の高さ方向と奥行方向の位置調整を説明する図である。 ユリカゴ式回転テーブルにおける回転軸の高さ方向と奥行方向の傾き調整を説明する図である。 従来技術におけるスペーサを用いたユリカゴ式回転テーブルにおける回転軸の高さ方向の位置調整を説明する図である。 従来技術におけるベースプレートの追加工によるユリカゴ式回転テーブルにおける回転軸の高さ方向の位置調整を説明する図である。

以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、従来技術と同一または類似する構成は同じ符号を用いて説明する。
図１は、本発明の第１の実施形態による回転軸支持装置を備えたユリカゴ式回転テーブルの側面図である。なお、図１では回転軸支持装置の内部が把握できるように、ケースの近傍については一部を断面図として示している。図１に示すユリカゴ式回転テーブル１は、回転駆動装置１０と本発明の回転軸支持装置２０とがベースプレート４１上に配置されて構成される。本実施形態の回転軸支持装置２０は、ケース２１と、軸受を介して回転軸２４を回転自在に支持しているハウジング２２とから構成されており、ケース２１はベースプレート４１上面に固定され、ハウジング２２はケース２１に取り付けられている。また、ブラケット１１は回転駆動装置１０に、ブラケット２３は回転軸支持装置２０に、それぞれ固定される。ブラケット１１，２３には治具プレート４０が設置される。治具プレート４０上には、加工用のワークが設置され、該ワークを回転駆動装置１０により所望の角度に割出して加工が行われる。

図２は、図１に示すユリカゴ式回転テーブル１の回転軸支持装置２０近傍を拡大した図である。なお、図２では回転軸支持装置２０の内部が把握できるように、ケース２１の近傍については一部を断面図として示している。本実施形態の回転軸支持装置２０において、ケース２１に対するハウジング２２の取付面２６は、回転軸２４の軸線方向に対して垂直になっている。

図に示すように、ハウジング２２には、固定ボルト２７のボルト径よりも穴径がやや大きい複数の挿通穴２８が設けられている。また、ケース２１には、ハウジング２２を取り付けた際の挿通穴２８に対応する位置にネジ穴２９が設けられており、各挿通穴２８に対して固定ボルト２７を挿通し、該固定ボルト２７をケース２１のネジ穴２９にしっかりとねじ込むことで、固定ボルト２７の頭部によりハウジング２２がケース２１へと押し付けられて固定され、また、固定ボルト２７をわずかに緩めた仮止め状態とすることで、ハウジング２２をケース２１へ取り付けたままで、ケース２１に対して取付面２６に水平方向（例えば、高さ方向や奥行方向）に固定ボルト２７と挿通穴２８との間の隙間の分だけ相対的に移動させることができるようになっている。なお、図２では固定ボルト２７は２本しか示されていないが、ハウジング２２をケース２１に固定する際に十分な押し付け力が得られる程度の本数の固定ボルト２７を用いるようにすればよい。

一方で、ケース２１には、高さ方向調整用ボルト３０を挿通可能な高さ方向調整用挿通穴３１が設けられている。また、ハウジング２２には、ケース２１へ取り付けた際の高さ方向調整用挿通穴３１に対応する位置に高さ方向調整用ネジ穴３２が設けられており、高さ方向調整用挿通穴３１に対して高さ方向調整用ボルト３０を挿通して該高さ方向調整用ボルト３０を高さ方向調整用ネジ穴３２へとねじ込み、そのねじ込み量を変更することでケース２１とハウジング２２との高さ方向の位置関係を調整できるようになっている。これら構成が、本実施形態における回転中心２５の高さ方向の位置を調整する調整機構として機能する。

図３は、図１に示した本実施形態による回転軸支持装置２０を備えたユリカゴ式回転テーブルの上面図であり、図４は図３に示すユリカゴ式回転テーブル１の回転軸支持装置２０近傍を拡大した図である。なお、図３，４では回転軸支持装置の内部が把握できるように、ケースの近傍については一部を断面図として示している。
図４に示すように、ケース２１には、奥行方向調整用ボルト３３を挿通可能な奥行方向調整用挿通穴３４が設けられている。また、ハウジング２２には、ケース２１へ取り付けた際の奥行方向調整用挿通穴３４に対応する位置に奥行方向調整用ネジ穴３５が設けられており、奥行方向調整用挿通穴３４に対して奥行方向調整用ボルト３３を挿通して該奥行方向調整用ボルト３３を奥行方向調整用ネジ穴３５へとねじ込み、そのねじ込み量を変更することでケース２１とハウジング２２との奥行方向の位置関係を調整できるようになっている。なお、図４には奥行方向調整用ボルト３３が２つ示されているが、下方の奥行方向調整用ボルト３３の近傍の構成は上方の奥行方向調整用ボルト３３の構成と同様のものとなっている。これら構成が、本実施形態における回転中心２５の奥行方向の位置を調整する調整機構として機能する。

上記の構成を備えた本実施形態の回転軸支持装置２０において、回転中心２５の高さ方向の調整を行う際には以下の手順で行う。
●［手順１］あらかじめ、回転駆動装置１０の回転軸１２の回転中心１３の軸線方向の傾きと、回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５の軸線方向の傾きとを、高さ方向、奥行き方向共に調整しておく。
●［手順２］回転駆動装置１０の回転軸１２の回転中心１３の高さ方向の位置と、回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５の高さ方向の位置とを一致させるために、回転軸支持装置２０のハウジング２２をケース２１に固定している固定ボルト２７を緩め、仮止め状態とする。
●［手順３］回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５を高くする場合は、高さ方向調整用ボルト３０を締めこむ。逆に低くする場合は、高さ方向調整用ボルト３０を緩める。
●［手順４］調整後、ハウジング２２をケース２１に固定する為に固定ボルト２７を本締めする。

また、本実施形態の回転軸支持装置２０において、回転中心２５の奥行き方向の調整を行う際には以下の手順で行う。
●［手順５］回転駆動装置１０の回転軸１２の回転中心１３の奥行方向の位置と、回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５の奥行方向の位置とを一致させるために、回転軸支持装置２０のハウジング２２をケース２１に固定している固定ボルト２７を緩め、仮止め状態とする。
●［手順６］回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５を奥行き方向の＋方向に移動させる際は、−方向側の奥行方向調整用ボルト３３を緩め、＋方向側の奥行方向調整用ボルト３３を締め込む。逆に、−方向に移動させる際には、＋方向側の奥行方向調整用ボルト３３を緩めて−方向側の奥行方向調整用ボルト３３を締め込む。
●［手順６］調整後、ハウジング２２をケース２１に固定する為の固定ボルト２７を本締めする。

このように、本発明の構造により、ハウジングを高さ方向調整用ボルトにより簡単に移動することが可能である為、高さ調整用にスペーサを入れる必要もなく、ベースプレートを追加工する必要もない。また、ハウジングを高さ方向に平行移動させることが可能な為、回転中心の傾きを維持したまま、回転中心の高さ方向の調整が可能である。
また、本発明の構造により、回転中心の傾きを維持したまま、回転中心の奥行き方向の調整も可能となる。

図５は、本発明の第２の実施形態による回転軸支持装置２０を備えたユリカゴ式回転テーブルの側面図であり、図６は図５に示すユリカゴ式回転テーブル１の回転軸支持装置２０近傍を拡大した図である。なお、図５，６では回転軸支持装置の内部が把握できるように、ケースの近傍については一部を断面図として示している。本実施形態の回転軸支持装置２０では、回転中心２５の高さ方向の位置、奥行方向の位置を調整する調整機構に弾性体を導入している点で第１の実施形態と異なる。

本実施形態のハウジング２２は、第１の実施形態と同様に固定ボルト２７によりケース２１に固定され、また固定ボルト２７をわずかに緩めた仮止め状態とすることで、ハウジング２２をケース２１へ取り付けたままで、ケース２１に対して取付面２６に水平方向に相対的に移動させることができるようになっている。

また、本実施形態のケース２１には、内壁にネジ切りがされている高さ方向調整用ネジ穴３６が設けられており、その高さ方向調整用ネジ穴３６に対して高さ方向調整用ボルト３０をねじ込むことで高さ方向調整用ボルト３０の端部がケース２１の内部へ突出し、そのねじ込み量を変更することハウジング２２を高さ方向の−方向へと押し下げることができるようになっている。
一方で、ハウジング２２を挟んで高さ方向調整用ボルト３０に対向する位置には、ばねなどで構成される高さ方向調整用弾性体３７が配置されており、その弾性力によりハウジング２２は高さ方向の＋方向へ押し上げられるようになっている。

図７は、図５に示した本実施形態による回転軸支持装置２０を備えたユリカゴ式回転テーブルの上面図であり、図８は図７に示すユリカゴ式回転テーブル１の回転軸支持装置２０近傍を拡大した図である。なお、図７，８では回転軸支持装置の内部が把握できるように、ケース２１の近傍については一部を断面図として示している。

図８に示すように、本実施形態のケース２１には、内壁にネジ切りがされている奥行方向調整用ネジ穴３８が設けられており、その奥行方向調整用ネジ穴３８に対して奥行方向調整用ボルト３３をねじ込むことで奥行方向調整用ボルト３３の端部がケース２１の内部へ突出し、そのねじ込み量を変更することハウジング２２を奥行方向の−方向へと押すことができるようになっている。
一方で、ハウジング２２を挟んで奥行方向調整用ボルト３３に対向する位置には、ばねなどで構成される奥行方向調整用弾性体３９が配置されており、その弾性力によりハウジング２２は奥行方向の＋方向へ常に押しつけられるようになっている。

上記の構成を備えた本実施形態の回転軸支持装置２０において、回転中心２５の高さ方向の調整を行う際には以下の手順で行う。
●［手順１］あらかじめ、回転駆動装置１０の回転軸１２の回転中心１３の軸線方向の傾きと、回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５の軸線方向の傾きとを、高さ方向、奥行き方向共に調整しておく。
●［手順２］回転駆動装置１０の回転軸１２の回転中心１３の高さ方向の位置と、回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５の高さ方向の位置とを一致させるために、回転軸支持装置２０のハウジング２２をケース２１に固定している固定ボルト２７を緩め、仮止め状態とする。
●［手順３］回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５を高くする場合は、高さ方向調整用ボルト３０を緩める。高さ方向調整用ボルト３０を緩めると、高さ方向調整用弾性体３７の弾性力によりハウジング２２が持ち上がる。逆に低くする場合は、高さ方向調整用ボルト３０を締め込む。高さ方向調整用ボルト３０を締め込むことで、高さ方向調整用弾性体３７の弾性力に逆らって、ハウジング２２を下げることができる。
●［手順４］調整後、ハウジング２２をケース２１に固定する為に固定ボルト２７を本締めする。

また、本実施形態の回転軸支持装置２０において、回転中心２５の奥行き方向の調整を行う際には以下の手順で行う。
●［手順５］回転駆動装置１０の回転軸１２の回転中心１３の奥行方向の位置と、回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５の奥行方向の位置とを一致させるために、回転軸支持装置２０のハウジング２２をケース２１に固定している固定ボルト２７を緩め、仮止め状態とする。
●［手順６］回転軸支持装置２０の回転軸２４の回転中心２５を奥行き方向の＋方向に移動させる際は、奥行方向調整用ボルト３３を緩める。奥行方向調整用ボルト３３を緩めることで、奥行方向調整用弾性体３９の弾性力によりハウジング２２が奥行方向の＋方向へと移動する。逆に、−方向に移動させる際には、奥行方向調整用ボルト３３を締め込む。奥行方向調整用ボルト３３を締め込むことで、奥行方向調整用弾性体３９の弾性力に逆らって、ハウジング２２を奥行方向の−方向へ移動することができる。
●［手順６］調整後、ハウジング２２をケース２１に固定する為の固定ボルト２７を本締めする。

このように、本発明の構造により、ハウジングを高さ方向調整用ボルトにより簡単に移動することが可能である為、高さ調整用にスペーサを入れる必要もなく、ベースプレートを追加工する必要もない。また、ハウジングを高さ方向に平行移動させることが可能な為、回転中心の傾きを維持したまま、回転中心の高さ方向の調整が可能である。
また、本発明の構造により、回転中心の傾きを維持したまま、回転中心の奥行き方向の調整が可能である。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例にのみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。

例えば、上記実施の形態では、ハウジング２２をケース２１に固定するために固定ボルト２７を用いているが、例えば電磁チャックや真空チャックを用いてハウジング２２をケース２１に固定するようにし、回転中心の位置を調整する際には電磁チャックにおいては磁力を、真空チャックにおいては吸引力を弱めることで、ハウジング２２をケース２１に取り付けたまま取付面２６に平行に相対移動させることができるようになる。

１ ユリカゴ式回転テーブル
１０ 回転駆動装置
１１ ブラケット
１２ 回転軸
１３ 回転中心
２０ 回転軸支持装置
２１ ケース
２２ ハウジング
２３ ブラケット
２４ 回転軸
２５ 回転中心
２６ 取付面
２７ 固定ボルト
２８ 挿通穴
２９ ネジ穴
３０ 高さ方向調整用ボルト
３１ 高さ方向調整用挿通穴
３２ 高さ方向調整用ネジ穴
３３ 奥行方向調整用ボルト
３４ 奥行方向調整用挿通穴
３５ 奥行方向調整用ネジ穴
３６ 高さ方向調整用ネジ穴
３７ 高さ方向調整用弾性体
３８ 奥行方向調整用ネジ穴
３９ 奥行方向調整用弾性体
４０ 治具プレート
４１ ベースプレート
４２ スペーサ
４３ スペーサ
５０ ワーク

Claims (4)

1. ワークを設置する治具プレートと、
   該治具プレートを回転させる回転駆動装置と、
   該回転駆動装置に対向した位置に設けられた前記治具プレートを支持する回転軸支持装置と、
   前記回転駆動装置及び前記回転軸支持装置を載置するベースプレートと、
   を備えた工作機械の回転テーブルであって、
   前記回転軸支持装置は、
   ハウジングと、
   該ハウジングに回転自在に軸承される回転軸と、
   前記ハウジングを固定する為のケースと、
   前記ハウジングの前記ケースに対する取付面は回転軸の軸線方向に対して垂直に構成されており、前記ハウジングは前記ケースに対し前記取付面と平行に相対移動可能に取り付けられ、前記ハウジングと前記ケースとを前記取付面と平行に相対移動させることで前記回転軸の位置調整を行う位置調整用ボルトを含む調整機構と、
   前記ハウジングを前記ケースに固定することで、前記調整機構により調整された前記回転軸の位置を固定する固定ボルトと、
   を備え、
   前記位置調整用ボルトは、高さ方向調整用ボルトと奥行方向調整用ボルトであることを特徴とする工作機械の回転テーブル。
2. 前記調整機構の前記位置調整用ボルトを前記ケースに配置し、該位置調整用ボルトを締め込むあるいは緩めることで前記ハウジングと前記ケースとを前記取付面と平行に相対移動させて前記回転軸の位置調整を行う、
   ことを特徴とする請求項１に記載の工作機械の回転テーブル。
3. 前記ケースの前記位置調整用ボルトの対向する側に弾性体を設ける、ことを特徴とする請求項１または２の何れか一つに記載の工作機械の回転テーブル。
4. 前記固定ボルトに替えて、電磁チャックまたは真空チャックを用いることを特徴とする請求項１〜３の何れか一つに記載の工作機械の回転テーブル。