JP6399921B2 - 非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法に関する。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系のフッ素樹脂をリチウムイオン(lithiumion)二次電池のゲル(gel)電解質のマトリックスポリマー(matrix polymer)として使用する例は、数多く存在する。例えば、PVDF系のフッ素(fluorine)樹脂からなる多孔質膜をセパレータ(separator)の表面に形成する技術が知られている。この技術では、例えば以下に示す方法によって多孔質膜をセパレータの表面に形成する。
第1の方法では、NMP(N−メチルピロリドン)、ジメチルアセトアミド、アセトン(acetone)等の有機溶剤中にフッ素樹脂を溶解させることでスラリー(slurry)を作製する。そして、このスラリーをセパレータや電極に塗工後、水、メタノール、トリプロピレングリコール等の貧溶媒、あるいはそれらの蒸気を用いてフッ素樹脂を相分離させることでフッ素樹脂を多孔質化させた塗工層を形成する。第2の方法では、フッ素樹脂をジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等を溶媒とする加熱電解液中に溶解させることで加熱スラリーを作製する。そして、この加熱スラリーをセパレータや電極に塗工することで塗工層を形成する。そして、塗工層を冷却することで、フッ素樹脂をゲル(電解液で膨潤した多孔質膜)に転移させる。
特開平10−110052号公報 特開2012−190784号公報 特表2010−538173号公報 特開2011−204627号公報 特開2013−165061号公報 特開2013−197092号公報 特開2004−214042号公報 得開2005−135674号公報
ところで、上記の方法によってPVDFの多孔質膜が表面に形成されたセパレータは、未形成のセパレータに比べて滑り性が悪く、静電気も発生しやすいので、製造工程上で取り扱いにくいという問題があった。具体的には、当該セパレータを巻回素子のセパレータとした場合に、帯状の正極、負極、セパレータを重ねたときの相互の滑り性が悪いため、巻回素子が歪んでしまうという問題があった。巻回素子が歪んだ場合、巻回素子をケースに収納しにくくなるといった問題が生じうる。また、この歪みの影響によりこの巻回素子を使用した非水電解質二次電池は、サイクル(cycle)寿命が十分でないという問題もあった。
一方、例えば特許文献1〜4に開示されているように、フッ素樹脂の粒子またはセラミック(ceramic)粒子を使用した技術が知られている。特許文献1に開示された技術では、セパレータである多孔質フィルムからフッ素樹脂からなる粒子の一部を突出させる。特許文献2に開示された技術では、セパレータ内にセラミック粒子を含有させる。特許文献3に開示された技術では、不織布内の細孔の一部をフッ素樹脂の粒子で充填する。特許文献4に開示された技術では、フッ素樹脂と含酸素官能基を有する高分子との複合化高分子が分散した水系スラリーを用いて負極を作製する。しかし、これらの技術では上記の問題を何ら解決することができなかった。
さらに、近年では、セパレータの加熱時の熱収縮を抑えるために、耐熱性フィラーを多孔質膜に添加することが提案されている。しかし、上記の多孔質膜(ゲル電解質膜)には、耐熱性フィラー粒子を高密度で含ませることが難しかった。このため、多孔質膜に耐熱性を発現させようとすると、多孔質膜が厚膜化してしまうという問題があった。多孔質膜が厚膜化すると、二次電池のエネルギー密度が小さくなってしまう。
一方、特許文献5〜8は、上記耐熱性フィラー粒子に関する技術を開示する。特許文献5は、負極活物質の結着剤内に耐熱性フィラー粒子の一種である無機粒子を含有させる技術を開示する。特許文献6は、セパレータの表面に無機化合物を含むコーティング層を形成する技術を開示する。この無機化合物が耐熱性フィラー粒子に相当する。特許文献7は、フッ化ビニリデン構造を有する接着性樹脂、非導電性粉末、及び溶剤を含む接着剤をセパレータの表面に塗工する技術を開示する。非導電性粉末が耐熱性フィラー粒子に相当する。特許文献8は、正極または負極上にフィラー及び結着剤からなる多孔質膜を形成する技術を開示する。このフィラーが耐熱性フィラー粒子に相当する。特許文献8では、フィラー及び結着剤を含む有機溶剤(NMP)を正極または負極に塗工することで、多孔質膜を形成する。このフィラーが耐熱性フィラー粒子に相当する。ただし、特許文献5〜8は、多孔質膜を薄膜化するための技術は何ら提案していなかった。したがって、特許文献5〜8に開示された技術では上記の問題を何ら解決することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、セパレータの製造工程上での取り扱い性を改善し、巻回素子の歪みを抑制し、かつ、耐熱性及びエネルギー密度を向上させることが可能な、新規かつ改良された非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、帯状正極と、帯状負極と、帯状正極及び帯状負極の間に配置された帯状多孔質膜と、帯状多孔質膜の表面に形成される接着層と、を備え接着層は、フッ素樹脂含有微粒子と、フッ素樹脂含有微粒子を担持し、かつ、総体積がフッ素樹脂含有微粒子の総体積よりも小さい結着剤粒子と、耐熱性フィラー粒子と、を含み、結着剤粒子の平均粒子径は100〜500nmであり、耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は10〜100nmであることを特徴とする、非水電解質二次電池用電極巻回素子が提供される。
この観点によれば、接着層は、フッ素樹脂含有微粒子と、フッ素樹脂含有微粒子を担持し、かつ、総体積がフッ素樹脂含有微粒子の総体積よりも小さい結着剤粒子と、を含むので、セパレータの取り扱い性が改善される。さらに、巻回素子の歪みが抑制される。
さらに、結着剤粒子の平均粒子径及び耐熱性フィラー粒子の平均粒子径が上述した要件を満たすので、接着層が薄膜化され、ひいては、エネルギー密度が向上する。さらに、巻回素子の耐熱性、すなわち巻回素子を使用した非水電解質二次電池の耐熱性が向上する。
ここで、結着剤粒子の平均粒子径及び耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は、以下の数式(1)及び(2)のうち、少なくとも一方を満たしてもよい。
y<50/17*(x+70)・・・(1)
y>10/7*(120−x)・・・(2)
数式(1)、(2)中、yは結着剤粒子の平均粒子径であり、xは耐熱性フィラー粒子の平均粒子径である。
この観点によれば、結着剤粒子の平均粒子径及び耐熱性フィラー粒子の平均粒子径が上述した要件を満たすので、接着層が薄膜化され、ひいては、エネルギー密度が向上する。
また、結着剤粒子の平均粒子径及び耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は、数式(1)及び(2)の両方を満たしてもよい。
この観点によれば、結着剤粒子の平均粒子径及び耐熱性フィラー粒子の平均粒子径が上述した要件を満たすので、接着層が薄膜化され、ひいては、エネルギー密度が向上する。
また、帯状負極は、負極活物質と、フッ素樹脂含有微粒子とを含む負極活物質層を備え、接着層は、負極活物質層に結着していてもよい。
この観点によれば、巻回素子の歪みがさらに改善される。
また、フッ素樹脂含有微粒子は、球状粒子であってもよい。
この観点によれば、セパレータの取り扱い性及び巻回素子の歪みがさらに改善される。
また、フッ素樹脂は、ポリフッ化ビニリデンを含んでいてもよい。
この観点によれば、セパレータの取り扱い性及び巻回素子の歪みがさらに改善される。
本発明の他の観点によれば、上記非水電解質二次電池用電極巻回素子を備えることを特徴とする、非水電解質二次電池が提供される。
この観点によれば、セパレータの取り扱い性及び巻回素子の歪みが改善される。さらに、接着層が薄膜化され、ひいては、エネルギー密度が向上する。さらに、非水電解質二次電池の耐熱性が向上する。
本発明の他の観点によれば、フッ素樹脂含有微粒子と、フッ素樹脂含有微粒子を担持し、かつ、総体積がフッ素樹脂含有微粒子の総体積よりも小さい結着剤粒子と、耐熱性フィラー粒子と、を含む水系スラリーを帯状多孔質膜の表面に塗工し、乾燥する工程を含み、結着剤粒子の平均粒子径は100〜500nmであり、耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は10〜100nmであることを特徴とする、非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法が提供される。
この観点によれば、セパレータの取り扱い性及び巻回素子の歪みが改善される。さらに、接着層が薄膜化され、ひいては、エネルギー密度が向上する。さらに、巻回素子の耐熱性、すなわち巻回素子を使用した非水電解質二次電池の耐熱性が向上する。
以上説明したように本発明によれば、セパレータの取り扱い性及び巻回素子の歪みが改善される。さらに、接着層が薄膜化され、ひいては、エネルギー密度が向上する。さらに、巻回素子の耐熱性、すなわち巻回素子を使用した非水電解質二次電池の耐熱性が向上する。
本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る電極積層体の概略構成を示す断面図である。 結着剤粒子の平均粒子径と、耐熱性フィラー粒子の平均粒子径と、二次電池の特性(総合評価)との対応関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.リチウムイオン二次電池の構成>
(リチウムイオン二次電池の全体構成)
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構成について説明する。図1は、巻回素子100の平面図と、巻回素子100の領域Aを拡大した拡大図とを示す。図2は、正極、負極および2枚のセパレータが積層された電極積層体100aの平面図と、電極積層体100aの領域Aを拡大した拡大図とを示す。
リチウムイオン二次電池は、巻回素子100と、非水電解質溶液と、外装材とを備える。巻回素子100は、帯状負極10、帯状セパレータ20、帯状正極30、及び帯状セパレータ20がこの順で積層された電極積層体100aを長手方向に巻回し、矢印B方向に圧縮した(押しつぶした)ものである。
(負極の構成)
帯状負極10は、負極集電体10bと、負極集電体10bの両面に形成された負極活物質層10aとを含む。帯状負極10は、いわゆる水系負極である。したがって、本実施形態に係る巻回素子100及びリチウムイオン二次電池は、水系負極を備えたものである。
具体的には、負極活物質層10aは、負極活物質と、増粘剤と、結着剤とを含む。負極活物質層10aを構成する負極活物質としては、リチウムとの合金化、又は、リチウム(Li)の可逆的な吸蔵及び放出が可能な物質であれば特に限定されず、例えば、リチウム、インジウム(In)、スズ(Sn)、アルミ(Al)、ケイ素(Si)等の金属及びこれらの合金や酸化物、Li4/3Ti5/3、SnO等の遷移金属酸化物や、人造黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛と天然黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛、難黒鉛化性炭素、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス(coke)、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール(furfuryl alcohol)樹脂焼成炭素、ポリアセン(polyacene)、ピッチ(pitch)系炭素繊維等の炭素材料などが挙げられる。これらの負極活物質は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。中でも、黒鉛系材料を主材料として用いるのが好ましい。
増粘剤は、負極合剤スラリーを塗工に適した粘度に調整するとともに、負極活物質層10a内で結着剤として機能するものである。増粘剤としては水溶性高分子が好適に用いられ、例えばセルロース系高分子、ポリアクリル酸(Polyacrylic acid)系高分子、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)等が挙げられる。セルロース系高分子としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)の金属塩またはアンモニウム塩、メチルセルロース(methylcellulose)、エチルセルロース(ethyl cellulose)、ヒドロキシアルキルセルロース(hydroxy alkyl cellulose)などのセルロース(Cellulose)誘導体等が挙げられる。他の例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、スターチ(starch)、リン酸スターチ、カゼイン(casein)、各種変性デンプン(starch)、キチン(chitin)、キトサン(chitosan)誘導体などが挙げられる。これらの増粘剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が特に好ましい。
結着剤は、負極活物質同士を結着するものである。結着剤は、水系負極の結着剤として使用可能なものであれば特に制限されない。本実施形態に使用可能な結着剤としては、例えば、エラストマー系高分子の微粒子が挙げられる。エラストマー系高分子としては、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、CR(クロロプレンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの共重合体、および、これらの部分水素化物、あるいは完全水素化物、アクリル酸エステル系共重合体等が挙げられる。これらは結着性向上のため、カルボン酸やスルホン酸、リン酸、水酸基等の極性官能基をもつ単量体により変性されていてもよい。また、負極活物質層10aは、結着剤として、後述するフッ素樹脂含有微粒子を含んでいてもよい。フッ素樹脂含有微粒子は、粉体を後からスラリー中で分散させてもよく、水分散体の状態のものをスラリー中に添加してもよい。したがって、負極活物質層10aを形成するためのスラリーの溶媒として水を使用することができる。
増粘剤及び結着剤の負極活物質層内の含有比は特に制限されず、リチウムイオン二次電池の負極活物質層に適用可能な含有比であればよい。
負極集電体10bは、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、銅、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。負極集電体10bには、負極端子が接続される。
帯状負極10は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、負極活物質層の材料を水に分散させることで負極合剤スラリー(水系スラリー)を形成し、この負極合剤スラリーを集電体上に塗工する。これにより、塗工層を形成する。ついで、塗工層を乾燥する。負極合剤スラリー中では、フッ素樹脂微粒子及びエラストマー系高分子の微粒子が負極活物質層10a内に分散している。ついで、乾燥した塗工層を負極集電体10bとともに圧延する。これにより、帯状負極10が作製される。
帯状セパレータ20は、帯状多孔質膜20cと、帯状多孔質膜20cの両面に形成された接着層20aとを含む。
帯状多孔質膜20cは、特に制限されず、リチウムイオン二次電池のセパレータとして使用されるものであれば、どのようなものであってもよい。帯状多孔質膜20cとしては、優れた高率放電性能を示す多孔質膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。帯状多孔質膜20cを構成する樹脂としては、例えばポリエチレン(polyethylene),ポリプロピレン(polypropylene)等に代表されるポリオレフィン(polyolefin)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate),ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)等に代表されるポリエステル(Polyester)系樹脂、PVDF、フッ化ビニリデン(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(par fluorovinyl ether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン(fluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン(hexafluoroacetone)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン(propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン(trifluoro propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)−ヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体等を挙げることができる。
接着層20aは、上述したフッ素樹脂含有微粒子20b−1と、結着剤粒子20b−2と、耐熱性フィラー粒子20b−3とを含み、帯状セパレータ20と帯状負極10及び帯状正極30とを結着する。図1では、接着層20aは、帯状セパレータ20の両面に形成されているが、少なくとも一方の表面に形成されていてもよい。
フッ素樹脂含有微粒子20b−1は、フッ素樹脂を含む微粒子である。フッ素樹脂含有微粒子20b−1を構成するフッ素樹脂の好ましい例としては、PVDF及びPVDFを含む共重合体等が挙げられる。PVDFを含む共重合体としては、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、フッ化ビニリデン(VDF)とテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体等が挙げられる。これらのフッ素樹脂はカルボン酸等の極性基によって変性されていても良い。
フッ素樹脂含有微粒子20b−1の粒径(フッ素樹脂含有微粒子20b−1を球体とみなした時の直径)は特に制限されず、負極活物質層10a内に分散できる粒径であればどのような値であってもよい。例えば、フッ素樹脂含有微粒子20b−1の平均粒子径(粒径の算術平均値)は、80〜500nm程度であればよい。フッ素樹脂含有微粒子20b−1の平均粒子径は、例えばレーザ回折法(laser diffractometry)によって測定される。具体的には、レーザ回折法によってフッ素樹脂含有微粒子20b−1の粒度分布を測定し、この粒度分布に基づいて粒径の算術平均値を算出すればよい。他の粒子の平均粒子径も同様の方法により測定可能である。
なお、フッ素樹脂含有微粒子20b−1は、本実施形態の効果を損なわない範囲内で各種の加工、例えば他の樹脂によって複合化されていてもよい。例えば、フッ素樹脂含有微粒子20b−1は、アクリル樹脂と複合化されていてもよい。このフッ素樹脂含有微粒子20b−1は、IPN(Inter−penetrating network polymer)状の構造をしている。
フッ素樹脂含有微粒子20b−1は、例えばフッ素樹脂を構成するモノマー(monomer)(例えばVDF)を乳化重合することにより作製(合成)される。フッ素樹脂含有微粒子20b−1は、フッ素樹脂を構成するモノマーを懸濁重合させ、これによって得られた粗粒子を粉砕することで作製されてもよい。
本実施形態のフッ素樹脂含有微粒子20b−1は、球状粒子であることが特に好ましい。球状のフッ素樹脂含有微粒子20b−1は、例えば上述した乳化重合法により作製可能である。また、フッ素樹脂含有微粒子20b−1の形状は、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)によって確認できる。
結着剤粒子20b−2は、接着層20a内でフッ素樹脂含有微粒子20b−1を担持するものである。接着層20a内に占める結着剤粒子20b−2の総体積は、接着層20a内に占めるフッ素樹脂含有微粒子20b−1の総体積よりも小さい。具体的には、(フッ素樹脂含有微粒子20b−1の総体積)/(結着剤粒子20b−2の総体積)は、2〜20程度であることが好ましい。
接着層20aは、フッ素樹脂含有微粒子20b−1及び結着剤粒子20b−2を上記の体積比で含むので、後述する実施例に示されるように、帯状セパレータ20の製造工程上での取り扱い性を改善することができる。具体的には、帯状セパレータ20の滑り性を改善し、巻回素子100の歪みを抑制することができる。この結果、サイクル寿命も向上する。
結着剤粒子20b−2の平均粒子径は、100〜500nmである。また、結着剤粒子20b−2の種類は特に制限されないが、例えば、イオン性非水溶性結着剤粒子、及び非イオン性非水溶性結着剤粒子からなる群のうち、少なくとも1種以上で構成されることが好ましい。なお、結着剤粒子20b−2は、上記の結着剤粒子に加え、非イオン性水溶性結着剤及びイオン性水溶性結着剤のうち少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。ただし、イオン性水溶性結着剤の含有率(フッ素樹脂含有微粒子の質量に対する含有率)は2質量%以下となる。イオン性水溶性結着剤の含有率は、1.0質量%以下となることが好ましい。
イオン性結着剤の含有率が2質量%を超えた場合、接着層20aの接着性が低下する。本発明者は、この理由を以下のように推察している。すなわち、接着層20aの接着性は、接着層20aを構成するフッ素樹脂含有微粒子20b−1、及びイオン性非水溶性結着剤粒子等が有する極性基が電極(特に負極)との界面で特定方向に配向することによって発現される。そして、イオン性水溶性結着剤の含有率が2質量%より大きいと、塗工乾燥工程で一様に分布したイオン性水溶性結着剤が電極表面の極性基の配向に悪影響を与える可能性がある。この結果、接着層20aの接着性が低下する。
本実施形態に適用可能なイオン性非水溶性結着剤粒子は特に制限されない。イオン性非水溶性結着剤粒子を構成する結着剤の例としては、例えば、カルボン酸変性アクリル酸エステル、ポリオレフィンアイオノマー、及びカルボン酸変性スチレン−ブダジエン共重合体等が挙げられる。イオン性非水溶性結着剤粒子は、これらのうち1種で構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。
本実施形態に適用可能な非イオン性非水溶性結着剤粒子も特に制限されない。非イオン性非水溶性結着剤粒子を構成する結着剤の例としては、非イオン性非水溶性結着剤の例としては、アクリル酸ブチル等のラジカル重合性モノマー、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、過硫酸カリウムのような水溶性開始剤から乳化重合で得られるポリアクリル酸ブチル水分散体などが挙げられる。アクリル酸−2−ヒドロキシエチルのような水酸基を含有したモノマーを適宜共重合させて、水中の分散安定性を向上させたものでもよい。非イオン性非水溶性結着剤粒子は、これらのうち1種で構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。
本実施形態に適用可能な非イオン性水溶性結着剤も特に制限されない。非イオン性水溶性結着剤を構成する結着剤の例としては、ポリ−N−ビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルガーガム、ローカストビーンガム、及びポリオキシエチレン等が挙げられる。非イオン性水溶性結着剤は、これらのうち1種で構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。
本実施形態に適用可能なイオン性水溶性結着剤も特に制限されない。イオン性水溶性結着剤を構成する結着剤の例としては、ポリアクリル酸、カルボキメチルセルロース(CMC)、スチレン−マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸共重合体、N−ビニルアクリルアミド−アクリル酸共重合体、これらのアルカリ金属塩、及びこれらのアンモニウム塩等が挙げられる。イオン性水溶性結着剤は、これらのうち1種で構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。
接着層20aは、上述した塗工に適した粘度付与、耐熱性フィラーの分散安定性のため、増粘剤を更に含んでいてもよい。増粘剤としては、上記の非イオン性水溶性結着剤が好ましい。また、接着層20aは、多孔質度調整や熱安定性のため耐熱性フィラー粒子20b−3を更に含む。
ここで、耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径は、10〜100nmである。このように、耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径は、結着剤粒子20b−2の平均粒子径以下である。これは以下の理由による。すなわち、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を向上させるためには、接着層20aを薄膜化する必要がある。接着層20aを薄膜化する方法の一つとして、接着層20aを構成する粒子の平均粒子径を小さくすることが考えられる。そこで、本実施形態では、耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径を小さく、すなわち10〜100nmとした。
ただし、結着剤粒子20b−2の平均粒子径まで小さくしてしまうと、結着剤粒子20b−2及び耐熱性フィラー粒子20b−3が多孔質膜20cの気孔内に入り込んで目詰りを起こしてしまう。この場合、リチウムイオン二次電池の特性がかえって低下してしまう。そこで、本実施形態では、結着剤粒子20b−2の平均粒子径を耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径以上とすることで、上記のような目詰まりを抑制している。具体的には、結着剤粒子20b−2の平均粒子径を100〜500nmとする。
このように、本実施形態では、耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径を小さくし、結着剤粒子20b−2の平均粒子径を大きくすることで、接着層20aを薄膜化しつつ、エネルギー密度を向上することができる。また、耐熱性フィラー粒子20b−3をセパレータ20の表層(接着層20a)に含ませるので、リチウムイオン二次電池の耐熱性が向上する。
さらに、本発明者は、耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径と結着剤粒子20b−2の平均粒子径との対応関係についてさらに詳細に調査した。この結果、耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径と結着剤粒子20b−2の平均粒子径とが以下の数式(1)、(2)のうち、少なくとも一方を満たすことが好ましく、両方を満たすことがさらに好ましいことがわかった。これらの場合、リチウムイオン二次電池の特性がさらに向上する。
y<50/17*(x+70)・・・(1)
y>10/7*(120−x)・・・(2)
数式(1)、(2)中、yは結着剤粒子20b−2の平均粒子径であり、xは耐熱性フィラー粒子20b−3の平均粒子径である。
本実施形態に適用可能な耐熱性フィラー粒子は特に制限されない。例えば、耐熱性フィラー粒子は、耐熱性有機フィラー粒子であっても、耐熱性無機フィラー粒子(無機粒子)であっても、これらの混合物であってもよい。ただし、耐熱性無機フィラー粒子は、耐熱性有機フィラー粒子よりも耐熱性に優れていることが多いので、より好ましい。耐熱性有機フィラー粒子及び無機フィラー粒子の混合比は特に制限されない。
耐熱性有機フィラー粒子としては、例えば、架橋ポリスチレン(架橋PS)、架橋ポリメタクリル酸メチル(架橋PMMA)、シリコーン樹脂、エポキシ硬化物、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド、メラミン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂の微粒子等が挙げられる。耐熱性有機フィラー粒子は、これらのうち1種で構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。耐熱性無機フィラー粒子は、具体的にはセラミック粒子であり、より具体的には、金属酸化物粒子である。金属酸化物粒子としては、例えばアルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の微粒子が挙げられる。耐熱性フィラー粒子の含有率は本実施形態の効果が得られる範囲内であれば特に制限されないが、例えば接着層20aの総質量に対して70質量%以下であれば良い。
接着層20aは、以下の方法により作製される。すなわち、接着層20aの材料を水に分散、溶解させることで接着層合剤スラリー(水系スラリー)を作成する。ついで、この接着層合剤スラリーを帯状多孔質膜20cの両面のうち、少なくとも一方の表面に塗工することで塗工層を形成する。ついで、この塗工層を乾燥する。これにより、接着層20aが形成される。
帯状正極30は、正極集電体30bと、正極集電体30bの両面に形成された正極活物質層30aとを有する。正極活物質層30aは、少なくとも正極活物質を含み、導電剤と、結着剤とをさらに含んでいてもよい。正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能な物質であれば特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム(LCO)、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(以下、「NCA」と称する場合もある。)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(以下、「NCM」と称する場合もある。)、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、硫化ニッケル、硫化銅、硫黄、酸化鉄、酸化バナジウム等が挙げられる。これらの正極活物質は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
正極活物質は、上記に挙げた正極活物質の例のうち、特に、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩であることが好ましい。このような層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩としては、例えば、Li1−x−y−zNiCoAl(NCA)またはLi1−x−y−zNiCoMn(NCM)(0<x<1、0<y<1、0<z<1、かつx+y+z<1)で表される3元系の遷移金属酸化物のリチウム塩が挙げられる。
導電剤は、例えばケッチェンブラック(Ketjenblack)、アセチレンブラック(acetylene black)等のカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等であるが、正極の導電性を高めるためのものであれば特に制限されない。
結着剤は、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質と正極集電体30bとを結合する。結着剤の種類は特に限定されず、従来のリチウムイオン二次電池の正極活物質層に使用された結着剤であればどのようなものであっても使用できる。例えばポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、フッ化ビニリデン(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(par fluorovinyl ether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、エチレンプロピレンジエン(ethylene−propylene−diene)三元共重合体、スチレンブタジエンゴム(Styrene−butadiene rubber)、アクリロニトリルブタジエンゴム(acrylonitrile−butadiene rubber)、フッ素ゴム(fluororubber)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリエチレン(polyethylene)、ニトロセルロース(cellulose nitrate)等であるが、正極活物質及び導電剤を集電体21上に結着させることができるものであれば、特に制限されない。
正極集電体30bは、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。正極集電体30bには、正極端子が接続される。
帯状正極30は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、正極活物質層の材料を有機溶剤または水に分散させることで正極合剤スラリーを形成し、この正極合剤スラリーを集電体上に塗工する。これにより、塗工層が形成される。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を正極集電体30bとともに圧延する。これにより、帯状正極30が作製される。
電極積層体100aは、帯状負極10、帯状セパレータ20、帯状正極30、及び帯状セパレータ20をこの順で積層することで製造される。したがって、電極積層体100aの一方の面(表面)には帯状セパレータ20が配置され、裏面には帯状負極10が配置されるので、電極積層体100aを巻回すると、電極積層体100aのある部分の表面(すなわち帯状セパレータ20)に電極積層体100aの他の部分の裏面(すなわち帯状負極10)が接触する。
非水電解質溶液は、電解質を有機溶媒に溶解させた溶液である。電解質は特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF,LiPF6−x(C2n+1(但し、1<x<6,n=1or2),LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−CNClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム(stearyl sulfonic acid lithium)、オクチルスルホン酸リチウム(octyl sulfonic acid)、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム(dodecyl benzene sulphonic acid)等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。なお、電解質塩の濃度は、従来のリチウム二次電池で使用される非水電解液と同様でよく、特に制限はない。本実施形態では、適当なリチウム化合物(電解質塩)を0.8〜1.5mol/L程度の濃度で含有させた非水電解液を使用することができる。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(propylene carbonate)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate)、ブチレンカーボネート(ethylene carbonate)、クロロエチレンカーボネート(chloroethylene carbonate)、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate)等の環状炭酸エステル(ester)類;γ−ブチロラクトン(butyrolactone)、γ−バレロラクトン(valerolactone)等の環状エステル類;ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate)等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル(methyl formate)、酢酸メチル(methyl acetate)、酪酸メチル(butyric acid methyl)、酢酸エチル(ethyl acetate)、プロピオン酸エチル(ethyl propionate)等の鎖状エステル類;テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)またはその誘導体;1,3−ジオキサン(dioxane)、1,4−ジオキサン(dioxane)、1,2−ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、1,4−ジブトキシエタン(dibutoxyethane)、メチルジグライム(methyl diglyme)等のエーテル(ether)類;アセトニトリル(acetonitrile)、ベンゾニトリル(benzonitrile)等のニトリル(nitrile)類;ジオキソラン(Dioxolane)またはその誘導体;エチレンスルフィド(ethylene sulfide)、スルホラン(sulfolane)、スルトン(sultone)またはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。非水電解質溶液は、帯状セパレータ20に含浸される。なお、上記の各電極には、公知の導電助剤、添加剤等を適宜加えてもよい。外装材は、例えばアルミラミネートである。
<2.非水電解質リチウムイオン二次電池の製造方法>
次に、非水電解質リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
(帯状正極の製造方法)
帯状正極30は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、正極活物質層の材料を有機溶媒や水に分散させることで正極合剤スラリーを形成し、この正極合剤スラリーを集電体上に塗工する。これにより、塗工層が形成される。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を正極集電体30bとともに圧延する。これにより、帯状正極30が作製される。
(帯状負極の製造方法)
帯状負極10は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、負極活物質層の材料を水に分散させることで負極合剤スラリーを形成し、この負極合剤スラリーを集電体上に塗工する。これにより、塗工層を形成する。ついで、塗工層を乾燥する。負極合剤スラリー中では、フッ素樹脂微粒子及びエラストマー系高分子の微粒子が負極活物質層10a内に分散している。ついで、乾燥した塗工層を負極集電体10bとともに圧延する。これにより、帯状負極10が作製される。
(帯状セパレータの製造方法)
帯状セパレータ20は、以下の方法により作製される。すなわち、接着層20aの材料を水に分散、溶解させることで接着層合剤スラリーを作成する。ついで、この接着層合剤スラリーを帯状多孔質膜20cの両面のうち、少なくとも一方の表面に塗工することで塗工層を形成する。ついで、この塗工層を乾燥する。これにより、接着層20aが形成される。すなわち、帯状セパレータ20が作製される。
(巻回素子及び電池の製造方法)
ついで、帯状負極10、帯状セパレータ20、帯状正極30、及び帯状セパレータ20をこの順で積層することで電極積層体100aを作製する。ついで、電極積層体100aを巻回する。これにより、電極積層体100aのある部分の表面(すなわち帯状セパレータ20)に電極積層体100aの他の部分の裏面(すなわち帯状負極10)が接触する。これにより、巻回素子100が作製される。ついで、巻回素子100を押しつぶすことで扁平状の巻回素子100を作製する。ついで、扁平状の巻回素子100を非水電解液とともに外装体(例えばラミネートフィルム)に挿入し、外装体を封止することで、リチウムイオン二次電池を作製する。なお、外装体を封止する際には、各集電体に導通する端子を外装体の外部に突出させる。
(実施例1)
(正極の作製)
コバルト酸リチウム、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分の質量比96:2:2でN−メチルピロリドン中に溶解分散させることで正極合剤スラリーを作製した。ついで、正極合剤スラリーを厚さ12μmのアルミ箔集電体の両面に塗布後、乾燥した。乾燥後の塗工層を圧延することで正極活物質層を作製した。集電体及び正極活物質層の総厚は120μmであった。ついで、アルミリード線を電極端部に溶接することで帯状正極を得た。
(負極の作製)
黒鉛、変性SBR微粒子の水分散体、PVDF水分散体中でアクリル樹脂を重合させて複合化したフッ素樹脂含有微粒子の水分散体、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を固形分の質量比97:1:1:1で水溶媒中に溶解分散させることで、負極合剤スラリーを作製した。ついで、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔集電体の両面に塗布後、乾燥した。乾燥後の塗工層を圧延することで負極活物質層を得た。集電体及び負極活物質層の総厚は120μmであった。その後、ニッケルリード線を端部に溶接することで帯状負極を得た。なお、本実施例で使用したフッ素樹脂含有微粒子の平均粒子径をレーザ回折法で測定したところ、300nm程度であった。なお、他の粒子の平均粒子径も同様の方法で測定した。また、フッ素樹脂含有微粒子をSEMで観察したところ、球状粒子であった。
(セパレータの作製)
上記のフッ素樹脂含有微粒子の水分散体と、平均粒子径480nmのポリエチレンアイオノマー水分散体(結着剤粒子)と、ポリアクリル酸ナトリウムと、平均粒子径90nmのベーマイト粒子(耐熱性フィラー粒子)とを水溶媒中に溶解分散させることで接着層合剤スラリーを作製した。ここで、フッ素樹脂含有微粒子と、結着剤粒子と、ポリアクリル酸ナトリウムと、耐熱性フィラー粒子との混合比(体積比)は、40:10:0.3:50とした。
ついで、この接着層合剤スラリーをコロナ処理済みの厚さ12μmの多孔質ポリエチレンセパレータフィルムの両面に塗工することで塗工層を形成した。そして、これらの塗工層を乾燥することで、両面に厚さ3μm(セパレータ片面当りの厚さ)の接着層が形成されたセパレータを得た。
(巻回素子の作製)
負極、セパレータ、正極、セパレータをこの順に積層し、直径3cmの巻き芯を用いて、この積層体を長手方向に巻きつけた。端部をテープにて固定した後、巻き芯を取り除き、厚さ3cmの2枚の金属プレートの間に円筒状電極巻回素子を挟み、3秒間保持することで、扁平状の電極巻回素子を得た。ここで、正極、負極、及びセパレータのTD方向(巻回方向(MD方向)と垂直な方向)の長さは、セパレータ(32mm)>負極(30mm)>正極(28mm)とした。これらを中央合わせで配置することで、セパレータのTD方向の端部から正極のTD方向の端部までの距離、いわゆるマージンは上下それぞれ2mmとなる。
(厚み増加率の評価)
この電極巻回素子を48時間放置前後の素子の厚み増加率を計測し、形状安定性とした。厚み増加率が小さいほど形状安定性が良好なので(すなわち、巻回素子の歪みが小さいので)好ましい。厚み増加率は、48時間放置前後の素子の厚み増加量を放置前の素子の厚みで除算することで得られる。
(電池の作製)
上記電極巻回素子をポリプロピレン/アルミ/ナイロンの3層からなるラミネートフィルムに、2本のリード線が外に出るように電解液とともに減圧封止することで、電池を作製した。電解液には、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートを3対7(体積比)で混合した溶媒に1MのLiPFを溶解させたものを使用した。この電池を90℃に加熱した厚さ3cmの2枚の金属プレートの間に挟み、5分間保持した。この電池を設計容量の1/10CA(1CAは1時間放電率)で4.4Vまで定電流充電行い、引き続き4.4Vで1/20CAになるまで定電圧充電を行った。その後1/2CAで3.0Vまで定電流放電を行うことで、二次電池を作製した。また、このときの容量を初期放電容量とした。
(負荷特性)
次に、上記と同条件で充電を行った後、3/2CAで3.0Vまで低電流放電を行い、その時の放電容量を計測した。この放電容量を初期放電容量で除算することで、放電容量維持率(負荷特性)を算出した。放電容量維持率が高いほどエネルギーを効率よく利用することができるので好ましい。
(寿命試験)
作製した電池を0.5CA、4.4Vの定電流充電、0.05CAまでの定電圧充電、の充電工程と、0.5CA、3.0Vの定電流放電の放電工程を繰り返すサイクル試験を行い、100サイクル後の初期放電容量に対する放電容量の減少率(維持率)を計測し、寿命性能評価とした。放電容量の減少率が小さいほど寿命特性に優れているおり、好ましい。維持率は、100サイクル後の放電容量を初期放電容量で除算することで得られる。
(塗工層必要厚み)
上記(セパレータの作製)と同様の処理により、フィルム両面に厚さ1、1.5、2、2.5μm(セパレータ片面当りの厚さ)の塗工層を形成し、各塗工層を乾燥することで、フィルム両面に接着層を形成した。すなわち、接着層の厚さが互いに異なる複数種類のセパレータを準備した。そして、これらのセパレータを用いて上述した処理により二次電池を作製した。これらの二次電池を150℃の恒温槽に1時間静置した。二次電池を恒温槽から取り出して放冷した後、二次電池を解体し、二次電池素子中央部のセパレータのTD方向の収縮を観察した。塗工層厚み(接着層厚み)が小さいほど収縮が大きいが、試験後、正極と負極がセパレータで隔絶されるのに必要な最小限度の厚みを塗工層必要厚み(接着層必要厚み)と判定した。必要厚みが小さいほど二次電池を薄膜化することができ、電池の高エネルギー密度化に寄与するので好ましい。
(実施例2〜8)
実施例2〜8では、結着剤粒子及び耐熱性フィラー粒子を表1に示す構成に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。
(比較例1)
セパレータ製造において、PVDFをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液を、厚さ12μmの多孔質ポリエチレンフィルムの両面に塗布し、溶液が塗布されたフィルムを水中に浸漬させた後乾燥することで、フィルムの両面に網目状に多孔質化した接着層を形成した。接着層の厚さは3μmであった。上記以外は実施例1と同様の処理を行った。
(比較例2、3、4)
比較例2、3では、結着剤粒子及び耐熱性フィラー粒子を表1に示す構成に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。
Figure 0006399921
また、評価結果を表2及び図3に示す。なお、図3の横軸xは耐熱性フィラー粒子の平均粒子径を示し、縦軸yは結着剤粒子の平均粒子径を示す。図3の「●」は、「結着剤粒子の平均粒子径が100〜500nmであり、耐熱性フィラー粒子の平均粒子径が10〜100nmである」という条件の他、上述した数式(1)、(2)の条件を全て満たす点である。「■」は、「結着剤粒子の平均粒子径が100〜500nmであり、耐熱性フィラー粒子の平均粒子径が10〜100nmである」という条件を満たすが、数式(1)、(2)の条件を満たさない点である。「◆」は、「結着剤粒子の平均粒子径が100〜500nmであり、耐熱性フィラー粒子の平均粒子径が10〜100nmである」という条件を満たさない(即ち本発明の範囲外の)点である。グラフL1は数式y=50/17*(x+70)を示し、グラフL2はy=10/7*(120−x)を示す。
Figure 0006399921
実施例1〜8では、いずれも厚み増加率が小さく、サイクル寿命も良好であった。さらに、実施例1〜8では、接着層必要厚みも小さく、負荷特性も良好であった。したがって、実施例1〜8では、接着層が薄膜化され、エネルギー密度も良好であった。一方、比較例1は、フッ素樹脂含有高分子が粒子状ではなく網目状構造をしているため扁平型巻回素子の製造後の形状安定性が劣っていた。すなわち、比較例1の巻回素子は実施例の巻回素子よりも大きく歪んでいた。さらに、比較例1では、サイクル寿命も劣化しているが、この理由は扁平型巻回素子の歪みにあると考えられる。すなわち、比較例1の帯状セパレータは、実施例1〜8の帯状セパレータよりも滑り性が悪く、巻回素子を扁平状にする際に電極積層体同士の接触部分がうまく滑らなかった。この結果、巻回素子が歪んだ。そして、比較例1では、歪んだ巻回素子を用いて電池を作製している。このため、電池内で電極間距離が安定せず、サイクル寿命が低下したと考えられる。
また、比較例2〜4では、接着層必要厚み及び負荷特性のうち少なくとも一方が実施例1〜8よりも悪かった。したがって、実施例1〜8と比較例2〜3とを比較すると、結着剤粒子の平均粒子径は100〜500nmであり、耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は10〜100nmであることが必要であることがわかる。
また、実施例1〜6と実施例7〜8とを比較すると、実施例1〜6の特性の方が良好であった。実施例1〜6は、数式(1)、(2)の条件をいずれも満たす。したがって、数式(1)、(2)の少なくとも一方が満たされることが好ましく、両方満たされることがさらに好ましいこともわかる。
以上により、本実施形態に係る巻回素子は、製造工程上で取り扱いやすいセパレータを用いて作製される。また、巻回素子は、その歪みを抑制し、かつ、非水電解質二次電池のサイクル寿命を向上させることができる。さらに、結着剤粒子の平均粒子径及び耐熱性フィラー粒子の平均粒子径が上述した要件を満たすので、接着層が薄膜化され、ひいては、エネルギー密度が向上する。さらに、巻回素子の耐熱性、すなわち巻回素子を使用した非水電解質二次電池の耐熱性が向上する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 巻回素子
100a 積層体
10 帯状負極
10a 負極活物質層
10b 負極集電体
20 帯状セパレータ
20a 接着層
20b−1 フッ素樹脂含有微粒子
20b−2 結着剤粒子
20b−3 耐熱性フィラー粒子
20c 帯状多孔質膜
30 帯状正極
30a 正極活物質層
30b 正極集電体

Claims (8)

  1. 帯状正極と、
    帯状負極と、
    前記帯状正極及び帯状負極の間に配置された帯状多孔質膜と、
    前記帯状多孔質膜の表面に形成される接着層と、を備え
    前記接着層は、フッ素樹脂含有微粒子と、前記フッ素樹脂含有微粒子を担持し、かつ、総体積が前記フッ素樹脂含有微粒子の総体積よりも小さい結着剤粒子と、耐熱性フィラー粒子と、を含み、
    前記結着剤粒子の平均粒子径は100〜500nmであり、
    前記耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は10〜100nmであることを特徴とする、非水電解質二次電池用電極巻回素子。
  2. 前記結着剤粒子の平均粒子径及び前記耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は、以下の数式(1)及び(2)のうち、少なくとも一方を満たすことを特徴とする、請求項1記載の非水電解質二次電池用電極巻回素子。
    y<50/17*(x+70)・・・(1)
    y>10/7*(120−x)・・・(2)
    前記数式(1)、(2)中、yは前記結着剤粒子の平均粒子径であり、xは前記耐熱性フィラー粒子の平均粒子径である。
  3. 前記結着剤粒子の平均粒子径及び前記耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は、前記数式(1)及び(2)の両方を満たすことを特徴とする、請求項2記載の非水電解質二次電池用電極巻回素子。
  4. 前記帯状負極は、負極活物質と、前記フッ素樹脂含有微粒子とを含む負極活物質層を備え、
    前記接着層は、前記負極活物質層に結着していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極巻回素子。
  5. 前記フッ素樹脂含有微粒子は、球状粒子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極巻回素子。
  6. 前記フッ素樹脂は、ポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極巻回素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極巻回素子を備えることを特徴とする、非水電解質二次電池。
  8. フッ素樹脂含有微粒子と、前記フッ素樹脂含有微粒子を担持し、かつ、総体積が前記フッ素樹脂含有微粒子の総体積よりも小さい結着剤粒子と、耐熱性フィラー粒子と、を含む水系スラリーを帯状多孔質膜の表面に塗工し、乾燥する工程を含み、
    前記結着剤粒子の平均粒子径は100〜500nmであり、
    前記耐熱性フィラー粒子の平均粒子径は10〜100nmであることを特徴とする、非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法。

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