JP2016126857A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることが可能な、新規かつ改良された非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電極及びセパレータが順次積層された電極積層体と、電極の表面の一部に設けられた集電タブと、集電タブの面方向の周囲に設けられた充填部材と、を備えることを特徴とする、非水電解質二次電池が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、小型情報機器の高機能化に伴い二次電池の高性能化、小型化、高エネルギー密度化が求められている。特に、リチウムイオン(lithium ion)二次電池などの非水電解液を用いた非水電解質二次電池は電池電圧を高くすることができ、高エネルギー(energy)密度化が可能なことから研究開発が盛んに行われている。中でも外装材にラミネート(Laminate)を用い、その中に電極積層体(電極及びセパレータ(separator)を順次積層したもの)及び電解液を収納した非水電解質二次電池は、形状の自由度が高く、薄型化が可能であることから、注目されている。
ところで、非水電解質二次電池の作製工程においては、電極積層体をプレス(press)する場合がある。例えば、電極積層体を扁平状の巻回素子とする場合に、電極積層体をプレスする。以下、扁平状の巻回素子の作製工程を簡単に説明する。まず、正極、負極、セパレータを順次積層することで電極積層体を作製する。ここで、正極、負極には、積層前に集電タブ(集電リードとも称される)が溶接される。ついで、電極積層体を円筒状に巻回することで、円筒状の巻回素子を作製する。ここで、集電タブは、巻回素子の最内周部分に配置される。ついで、円筒状の巻回素子をプレスする(押しつぶす)ことで、扁平状の巻回素子を作製する。
特開2003−157888号公報 特開2006−164956号公報 特開2012−174387号公報
ところで、電極積層体には、上述したように集電タブが設けられる。集電タブは、電極積層体の厚さ方向に突出した構造体となっている。このため、電極積層体のうち、集電タブが形成された部分は、他の部分よりも集電タブの厚さ分だけ厚くなる。したがって、電極積層体をプレスした際に、電極積層体に圧力が不均一に掛かる。例えば、扁平状の巻回素子を作製する場合、円筒状の巻回素子をプレスする。ここで、集電タブの面方向(厚さ方向に垂直な方向)の周囲には、電極積層体及び集電タブによって囲まれた空間が形成されている。したがって、電極積層体をプレスすると、集電タブの厚さ方向上に存在する部分と、空間の厚さ方向上に存在する部分とに異なる圧力が掛かる。すなわち、電極積層体に圧力が不均一に掛かる。この結果、電極積層体を構成する電極及びセパレータの厚さにばらつきが生じうる。電極及びセパレータの厚さにばらつきが生じた場合、充放電時に電流密度が不均一になりうる。この結果、電極積層体内でひずみが発生し、座屈などが生じうる。このようなひずみ、座屈によって、リチウム金属の析出などが起こり、ひいては、巻回素子が厚くなる。
このように、従来の非水電解質二次電池においては、集電タブによる厚さの不均一に起因して非水電解質二次電池の厚さが増大するという問題があった。この問題は、外装材がラミネートフィルムとなる場合にとくに顕著であった。すなわち、外装材が金属製の缶となる場合、外装材は巻回素子の変形をある程度抑えることができる。一方、ラミネートフィルムは、金属製の缶に比べて強度が小さいので、巻回素子の変形を抑えにくい。一方、特許文献1〜3は、巻回素子に関する技術を開示するが、これらの技術では、上記問題を何ら解決することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることが可能な、新規かつ改良された非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電極及びセパレータが順次積層された電極積層体と、電極の表面の一部に設けられた集電タブと、集電タブの面方向の周囲に設けられた充填部材と、を備えることを特徴とする、非水電解質二次電池が提供される。
この観点によれば、充填部材が電極積層体と集電タブとで囲まれる空間を充填することができるので、圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることができる。
ここで、充填部材の表面と集電タブの表面とは面一となっていてもよい。
この観点によれば、充填部材が電極積層体と集電タブとで囲まれる空間をより確実に充填することができるので、圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることができる。
また、電極積層体は、電極及びセパレータが巻回された巻回素子であり、集電タブは、巻回素子の最内周部分に設けられ、充填部材は、巻回素子と電極とで囲まれる空間に設けられてもよい。
この観点によれば、充填部材が電極積層体と集電タブとで囲まれる空間をより確実に充填することができるので、圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることができる。
また、セパレータ上の領域は、電極が形成される厚肉領域と、電極が形成されない薄肉領域とに区分され、薄肉領域上に設けられる充填部材は、厚肉領域上に設けられる充填部材よりも厚くてもよい。
この観点によれば、充填部材が電極積層体と集電タブとで囲まれる空間をより確実に充填することができるので、圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることができる。
本発明の他の観点によれば、電極の表面の一部に集電タブを形成する工程と、集電タブの面方向の周囲に充填部材を設ける工程と、集電タブ及び充填部材が形成された電極とセパレータとを順次積層することで、電極積層体を作製する工程と、電極積層体をプレスする工程と、を含むことを特徴とする、非水電解質二次電池の製造方法が提供される。
この観点によれば、充填部材が電極積層体と集電タブとで囲まれる空間をより確実に充填することができるので、圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることができる。
以上説明したように本発明によれば、この観点によれば、充填部材が電極積層体と集電タブとで囲まれる空間を充填することができるので、圧力の不均一性を抑制し、ひいては、非水電解質二次電池の厚さの増大を抑えることができる。
本発明の実施形態に係る巻回素子の概略構成を示す平断面図である。 同実施形態に係る正極、正極集電タブ、セパレータ、及び正極充填部材の概略構成を示す説明図である。 同実施形態に係る負極、負極集電タブ、セパレータ、及び負極充填部材の概略構成を示す説明図である。 非水電解質二次電池の変形例を示す側断面図である。 従来の巻回素子をプレスしている様子を示す平断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明者による検討>
本発明者は、巻回素子について鋭意検討し、その結果、本実施形態に係る非水電解質二次電池に想到した。そこで、まず、図5に基づいて、本発明者が行った検討について説明する。
図5は、従来の巻回素子100をプレスしている様子を示す説明図である。まず、巻回素子の製造方法について簡単に説明する。まず、帯状セパレータ120a、帯状正極110、帯状セパレータ120b、及び帯状負極130をこの順で積層することで電極積層体を作製する。なお、正極110の長さ方向(MD方向)端部には、積層前に集電タブ115が溶接される。同様に、負極130の長さ方向端部には、積層前に集電タブ135が溶接される。
ついで、電極積層体を円筒状に巻回することで、円筒状の巻回素子100を作製する。ここで、集電タブ115、135は、巻回素子100の最内周部分に配置される。ついで、円筒状の巻回素子100をプレスする(押しつぶす)ことで、扁平状の巻回素子100を作製する。図5に示す矢印Pは、プレス方向を示す。ここで、図5から明らかな通り、集電タブ115、135は、電極積層体の厚さ方向に突出した構造体となっている。このため、電極積層体のうち、集電タブ115、135が形成された部分は、他の部分よりも集電タブの厚さ分だけ厚くなる。
したがって、電極積層体をプレスした際に、電極積層体に圧力が不均一に掛かる。具体的には、電極積層体をプレスしていくと、負極集電タブ135の表面(負極30に溶接されていない方の面)がセパレータ20aに接触する。この時点で、集電タブ115、135の面方向(厚さ方向に垂直な方向)の周囲には、電極積層体及び集電タブ115、135によって囲まれた空間150、160が形成されている。この状態からさらに電極積層体をプレスすると、電極積層体のうち、集電タブ115、135の厚さ方向上に存在する部分と、空間の厚さ方向上に存在する部分とに異なる圧力が掛かる。すなわち、電極積層体に圧力が不均一に掛かる。この結果、正極110、負極130、及びセパレータ120a、120bの厚さにばらつきが生じうる。正極110、負極130、及びセパレータ120a、120bの厚さにばらつきが生じた場合、充放電時に電流密度が不均一になりうる。この結果、電極積層体内でひずみが発生し、座屈などが生じうる。
そこで、本発明者は、圧力の不均一性が生じる原因である空間150、160を低減するための方法について鋭意検討した。この結果、本発明者は、空間150、160を充填部材で充填することで、空間150、160の体積を低減することに想到した。そして、本発明者は、このような知見の元、本実施形態に係る非水電解質二次電池に想到した。
<2.巻回素子の構成>
次に、図1〜図3に基づいて、本実施形態に係る非水電解質二次電池の構成について説明する。非水電解質二次電池1は、扁平状の巻回素子1aと、正極集電タブ15と、正極充填部材51と、負極集電タブ35と、負極充填部材61と、非水電解質溶液と、外装材とを備える。
巻回素子1aは、帯状セパレータ20a、帯状正極10、帯状セパレータ20b、帯状負極30がこの順で積層された電極積層体を長手方向に巻回し、矢印P方向にプレスしたものである。
(帯状正極及び正極集電タブの構成)
帯状正極10(以下、単に「正極10」とも称する)は、正極集電体と、正極集電体の両面に形成された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、導電剤と、結着剤とをさらに含んでいてもよい。正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能な物質であれば特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム(LCO)、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(以下、「NCA」と称する場合もある。)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(以下、「NCM」と称する場合もある。)、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、硫化ニッケル、硫化銅、硫黄、酸化鉄、酸化バナジウム等が挙げられる。これらの正極活物質は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
正極活物質は、上記に挙げた正極活物質の例のうち、特に、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩であることが好ましい。このような層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩としては、例えば、Li1−x−y−zNiCoAl(NCA)またはLi1−x−y−zNiCoMn(NCM)(0<x<1、0<y<1、0<z<1、かつx+y+z<1)で表される3元系の遷移金属酸化物のリチウム塩が挙げられる。
導電剤は、例えばケッチェンブラック(Ketjenblack)、アセチレンブラック(acetylene black)等のカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等であるが、正極の導電性を高めるためのものであれば特に制限されない。
結着剤は、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質と正極集電体とを結合する。結着剤の種類は特に限定されず、従来のリチウムイオン二次電池の正極活物質層に使用された結着剤であればどのようなものであっても使用できる。例えばポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、フッ化ビニリデン(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(par fluorovinyl ether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、エチレンプロピレンジエン(ethylene−propylene−diene)三元共重合体、スチレンブタジエンゴム(Styrene−butadiene rubber)、アクリロニトリルブタジエンゴム(acrylonitrile−butadiene rubber)、フッ素ゴム(fluororubber)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリエチレン(polyethylene)、ニトロセルロース(cellulose nitrate)等であるが、正極活物質及び導電剤を正極集電体上に結着させることができるものであれば、特に制限されない。
正極集電体は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。正極集電体には、正極端子が接続される。
図2に示すように、正極10の長さ(図2中左右方向(MD方向)の長さ)及び幅(図2中上下方向(TD方向)の長さ)は、帯状セパレータ20b(以下、単に「セパレータ20b」とも称する)よりも小さめになっていることが好ましい。負極30との短絡を抑制するためである。このため、セパレータ20b上には、正極10が形成されている領域(厚肉領域)と、正極10が形成されていない領域(薄肉領域)とが存在する。図1、図2中の領域70は、薄肉領域を示す。
正極10は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、正極活物質層の材料を有機溶剤または水に分散させることで正極合剤スラリーを形成し、この正極合剤スラリーを集電体上に塗工する。これにより、塗工層が形成される。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を正極集電体とともに圧延する。これにより、正極10が作製される。
正極集電タブ15は、例えば正極集電体と同様の材料で構成される。正極集電タブ15は、正極10の長さ方向の先端に溶接される。また、正極集電タブ15は、巻回素子1aの最内周部分に配置される。
(正極充填部材の構成)
次に、図1及び図2に基づいて、正極充填部材51の構成について説明する。正極充填部材51は、正極集電タブ15の面方向の周囲、より詳細には、正極集電タブ15と電極積層体とで囲まれる領域(すなわち図5に示す空間150)に設けられる。正極充填部材51は、空間150を充填するための部材である。
正極充填部材51のうち、薄肉領域に設けられる部分51bは、厚肉領域に設けられる部分51aよりも厚いことが好ましい。結果として、正極充填部材51の表面(セパレータ20aに対向する面)は、正極集電タブ15の表面(正極10に溶接されていない方の面)と面一になっていることが好ましい。なお、厚肉領域上に設けられる部分51aの厚さは、正極集電タブ15の厚さよりも厚くてもよい。
また、正極充填部材51の幅は、セパレータ20a(以下、単に「セパレータ20a」とも称する)、セパレータ20bの幅と同じであることが好ましい。なお、図2では、各層の重なり状態をわかりやすくするために、正極充填部材51の外縁をセパレータ20bの外縁よりも内側に描いた。また、正極充填部材51の長さL1は、空間150を全て充填できるように設定されることが好ましい。
正極充填部材51を構成する材料は特に制限されないが、電解質存在下で安定している材料が好ましい。具体的には、絶縁性の材料が好ましい。絶縁性の材料としては、セパレータ20a、20bに使用される材料が挙げられる。なお、絶縁性の材料以外の材料として正極充填部材51に使用可能な材料としては、アルミニウム箔等が挙げられる。
(負極及び負極集電タブの構成)
帯状負極30(以下、単に「負極30」とも称する)は、負極集電体と、負極集電体の両面に形成された負極活物質層とを含む。
負極活物質層は、リチウムイオン二次電池の負極活物質層として使用されるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、負極活物質層は、負極活物質を含み、結着剤をさらに含んでいてもよい。負極活物質は、例えば、黒鉛活物質(人造黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛と天然黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛等)、ケイ素(Si)もしくはスズ(Sn)もしくはそれらの酸化物の微粒子と黒鉛活物質との混合物、ケイ素もしくはスズの微粒子、ケイ素もしくはスズを基本材料とした合金、およびLiTi12等の酸化チタン(TiO)系化合物等を使用することができる。なお、ケイ素の酸化物は、SiO(0≦x≦2)で表される。また、負極活物質としては、これらの他に、例えば金属リチウム等を使用することができる。
負極集電体は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、銅、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。
図3に示すように、負極30の長さ(図3中左右方向(MD方向)の長さ)及び幅(図3中上下方向(TD方向)の長さ)は、セパレータ20bよりも小さめになっていることが好ましい。正極10との短絡を抑制するためである。ただし、負極30の長さ及び幅は、正極10の長さ及び幅より大きくてもよい。このため、セパレータ20b上には、負極30が形成されている領域(厚肉領域)と、負極30が形成されていない領域(薄肉領域)とが存在する。図1、図3中の領域71は、薄肉領域を示す。
負極30は、例えば、以下の方法により作製される。まず、負極活物質および結着剤を所望の割合で混合したものを、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることでスラリーを形成する。次に、スラリーを負極集電体上に形成(例えば塗工)し、乾燥させることで、負極活物質層を形成する。さらに、圧縮機により負極活物質層を所望の厚さとなるように圧縮する。これにより、負極30が製造される。ここで、負極活物質層の厚さは特に制限されず、リチウムイオン二次電池の負極活物質層が有する厚さであればよい。また、負極活物質層として金属リチウムを用いる場合、負極集電体に金属リチウム箔を重ねれば良い。
負極集電タブ35は、例えば負極集電体と同様の材料で構成される。負極集電タブ35は、負極30の長さ方向の先端に溶接される。また、負極集電タブ35は、巻回素子1aの最内周部分に配置される。
(負極充填部材の構成)
次に、図1及び図3に基づいて、負極充填部材61の構成について説明する。負極充填部材61は、基本的には正極充填部材51と同様である。すなわち、負極充填部材61は、負極集電タブ35の面方向の周囲、より詳細には、負極集電タブ35と電極積層体とで囲まれる領域(すなわち図5に示す空間160)に設けられる。負極充填部材61は、空間160を充填するための部材である。
負極充填部材61のうち、薄肉領域に設けられる部分61bは、厚肉領域に設けられる部分61aよりも厚いことが好ましい。結果として、負極充填部材61の表面(巻回素子1aをプレスした際に負極30に接触する面)は、負極集電タブ35の表面(負極30に溶接されていない方の面)と面一になっていることが好ましい。なお、厚肉領域上に設けられる部分61aの厚さは、負極集電タブ35の厚さよりも厚くてもよい。
また、負極充填部材61の幅は、セパレータ20a、20bの幅と同じであることが好ましい。なお、図3では、各層の重なり状態をわかりやすくするために、負極充填部材61の外縁をセパレータ20bの外縁よりも内側に描いた。また、負極充填部材61の長さL2は、空間160を全て充填できるように設定されることが好ましい。負極充填部材61を構成する材料は、正極充填部材51と同様であれば良い。
(セパレータの構成)
セパレータ20a、20bは、特に制限されず、リチウムイオン二次電池のセパレータとして使用されるものであれば、どのようなものであってもよい。セパレータ20a、20bとしては、優れた高率放電性能を示す多孔質膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。セパレータ20a、20bを構成する樹脂としては、例えばポリエチレン(polyethylene),ポリプロピレン(polypropylene)等に代表されるポリオレフィン(polyolefin)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate),ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)等に代表されるポリエステル(Polyester)系樹脂、PVDF、フッ化ビニリデン(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(par fluorovinyl ether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン(fluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン(hexafluoroacetone)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン(propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン(trifluoro propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)−ヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体等を挙げることができる。
また、セパレータ20a、20bの両面には、接着層が形成されることが好ましい。接着層は、各電極とセパレータ20a、20bとの接着力を向上させるものであり、多孔質体となっている。接着層は、非水電解質二次電池に使用されるものであれば特に制限されない。接着層を構成する好ましい樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系のフッ素樹脂が挙げられる。このようなフッ素樹脂としては、例えば、PVDFの他、フッ化ビニリデン(VDF)と他の単量体(ヘキサフルオロプロピレン(HFP)等)との共重合体等が挙げられる。
フッ素系樹脂を含む接着層は、例えば以下の第1の方法または第2の方法によりセパレータ20a、20bの表面に形成される。
第1の方法では、NMP(N−メチルピロリドン)、ジメチルアセトアミド、アセトン(acetone)等の有機溶剤中にフッ素樹脂を溶解させることでスラリー(slurry)を作製する。そして、このスラリーをセパレータ20a、20bに塗工後、水、メタノール、トリプロピレングリコール等の貧溶媒を用いてフッ素樹脂を相分離させることでフッ素樹脂を多孔質化させた接着層を形成する。第2の方法では、フッ素樹脂をジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等を溶媒とする加熱電解液中に溶解させることで加熱スラリーを作製する。そして、この加熱スラリーをセパレータ20a、20bに塗工することで塗工層を形成する。そして、塗工層を冷却することで、フッ素樹脂をゲル(電解液で膨潤した多孔質膜)に転移させる。すなわち、接着層を作製する。
このような接着層をセパレータ20a、20bの表面に形成する趣旨は以下のとおりである。すなわち、外装材がラミネートとなる場合、充放電に伴って正極10、負極30の膨張収縮がおこりやすい。そして、このような膨張収縮の結果、非水電解質二次電池1内部の応力が集中する部分が生じ、そこを起点として非水電解質二次電池1の座屈、ゆがみが生じる場合がある。さらに、座屈、ゆがみが生じることにより、正極10、負極30間の極間距離が不均一となり、リチウムイオンのスムーズな移動が妨げられる。この結果、充放電サイクルに伴う容量劣化や電池厚みの増加が顕著になってしまう。
そこで、非水電解質二次電池1の座屈、ゆがみを抑制するために、セパレータ20a、20bの表面に接着層を形成する。接着層をセパレータ20a、20bの表面に形成することで、セパレータ20a、20bと各電極との接着力が向上するので、電池の内部応力によるゆがみ、正負極間の極間距離が不均一になることを抑制することが期待できる。
ただし、接着層の接着性を発現させるため、電解液存在下で一定の圧力、温度で電極積層体をプレスするいわゆるヒートプレス工程が必要となる。このヒートプレス工程は、ポリマーのゾルゲル転移が起こるような高い温度で行われる。これにより、接着層中のポリマーが電極あるいはセパレータの微細孔に入り込む(いわゆるアンカー効果)。さらに、接着層中のポリマーは、電極表面に存在するバインダーと相互作用する。これらの作用により、電極間の接着力が発現される。ヒートプレスの条件は特に制限されないが、例えば、温度は25〜150℃、圧力は10〜100kgf/cmであることが好ましい。温度が25℃未満となる場合、セパレータ20a、20bと正極10、負極30との接着力が十分でなくなる可能性がある。温度が150℃を超える場合、電解液が沸騰しガスが発生する可能性がある。圧力が10kgf/cm未満となる場合、セパレータ20a、20bと正極10、負極30との接着力が十分でなくなる可能性がある。圧力が100kgf/cmを超える場合、電極積層体が過剰に圧縮されて、特性がかえって低下する可能性がある。
本実施形態では、充填部材51、61が集電タブ15、35の面方向の周囲に設けられるので、ヒートプレス時に電極積層体に掛かる圧力をより均一にすることができる。この結果、接着層の接着力を正極10、負極30との界面上でより均一にすることができ、また、接着層の厚さもより均一にすることができる。この結果、非水電解質二次電池1のひずみ、座屈等を抑制することができる。
なお、接着層には、非水電解質二次電池1の耐熱性等を向上するために、耐熱性フィラーを添加してもよい。耐熱性フィラーは、例えばセラミック粒子であり、より具体的には、金属酸化物粒子である。金属酸化物粒子としては、例えばアルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の微粒子が挙げられる。
(非水電解質溶液の構成)
非水電解質溶液は、電解質を有機溶媒に溶解させた溶液である。電解質は特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF,LiPF6−x(C2n+1(但し、1<x<6,n=1or2),LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−CNClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム(stearyl sulfonic acid lithium)、オクチルスルホン酸リチウム(octyl sulfonic acid)、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム(dodecyl benzene sulphonic acid)等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。なお、電解質塩の濃度は、従来のリチウム二次電池で使用される非水電解液と同様でよく、特に制限はない。本実施形態では、適当なリチウム化合物(電解質塩)を0.8〜1.5mol/L程度の濃度で含有させた非水電解液を使用することができる。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(propylene carbonate)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate)、ブチレンカーボネート(ethylene carbonate)、クロロエチレンカーボネート(chloroethylene carbonate)、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate)等の環状炭酸エステル(ester)類;γ−ブチロラクトン(butyrolactone)、γ−バレロラクトン(valerolactone)等の環状エステル類;ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate)等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル(methyl formate)、酢酸メチル(methyl acetate)、酪酸メチル(butyric acid methyl)、酢酸エチル(ethyl acetate)、プロピオン酸エチル(ethyl propionate)等の鎖状エステル類;テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)またはその誘導体;1,3−ジオキサン(dioxane)、1,4−ジオキサン(dioxane)、1,2−ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、1,4−ジブトキシエタン(dibutoxyethane)、メチルジグライム(methyl diglyme)等のエーテル(ether)類;アセトニトリル(acetonitrile)、ベンゾニトリル(benzonitrile)等のニトリル(nitrile)類;ジオキソラン(Dioxolane)またはその誘導体;エチレンスルフィド(ethylene sulfide)、スルホラン(sulfolane)、スルトン(sultone)またはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。非水電解質溶液は、セパレータ20a、20bに含浸される。なお、上記の各電極には、公知の導電助剤、添加剤等を適宜加えてもよい。
(外装材の構成)
外装材の構成は特に制限されず、非水電解質二次電池に適用可能なものであれば本実施形態でも好適に使用可能である。例えば、外装材は、アルミラミネート等のラミネートであってもよい。外装材がラミネートとなる場合、外装材は電極積層体の形状変化を抑制しにくい。したがって、本実施形態による効果が特に顕著に現れる。
なお、図1では充填部材を正極集電タブ15の周囲、負極集電タブ35の周囲に設けたが、いずれか一方の周囲にのみ設けてもよい。この場合であっても、厚さの増加を抑えることができる。もちろん、正極集電タブ15の周囲、負極集電タブ35の周囲の両方に充填部材を設けることが好ましい。
<3.非水電解質リチウムイオン二次電池の製造方法>
次に、非水電解質リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
(帯状正極の作製及び集電タブの取り付け)
正極10は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、正極活物質層の材料を有機溶媒や水に分散させることで正極合剤スラリーを形成し、この正極合剤スラリーを集電体上に塗工する。これにより、塗工層が形成される。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を正極集電体とともに圧延する。これにより、正極10が作製される。ついで、正極10の長さ方向先端に正極集電タブ15を溶接する。
(帯状負極の作製及び集電タブの取り付け)
負極30は、例えば、以下の方法により作製される。まず、負極活物質および結着剤を所望の割合で混合したものを、溶媒(例えば水、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)等)に分散させることでスラリーを形成する。次に、スラリーを負極集電体上に形成(例えば塗工)し、乾燥させることで、負極活物質層を形成する。さらに、圧縮機により負極活物質層を所望の厚さとなるように圧縮する。これにより、負極30が製造される。ここで、負極活物質層の厚さは特に制限されず、リチウムイオン二次電池の負極活物質層が有する厚さであればよい。また、負極活物質層として金属リチウムを用いる場合、負極集電体に金属リチウム箔を重ねれば良い。ついで、負極30の長さ方向先端に負極集電タブ35を溶接する。
(巻回素子及び電池の製造方法)
ついで、セパレータ20bの一方の表面に正極10を積層する。ついで、正極集電タブ15の面方向の周囲に正極充填部材51を設ける。ここで、正極充填部材51のうち、薄肉領域上に設けられる部分51bは、厚肉領域上に設けられる部分51aよりも厚いことが好ましい。すなわち、正極集電タブ15の表面と正極充填部材51の表面とは面一になることが好ましい。また、正極充填部材51の幅はセパレータ20bの幅と同じであることが好ましい。正極充填部材51の長さL1は、空間150を全て充填できる長さであることが好ましい。なお、セパレータ20bの両面には、事前に接着層が形成されていることが好ましい。
ついで、セパレータ20bの他方の表面に負極30を積層する。ついで、負極集電タブ35の面方向の周囲に負極充填部材61を設ける。ここで、負極充填部材61のうち、薄肉領域上に設けられる部分61bは、厚肉領域上に設けられる部分61aよりも厚いことが好ましい。すなわち、負極集電タブ35の表面と負極充填部材61の表面とは面一になることが好ましい。また、負極充填部材61の幅はセパレータ20bの幅と同じであることが好ましい。負極充填部材61の長さL2は、空間160を全て補充できる長さであることが好ましい。
ついで、正極集電タブ15及び正極充填部材51の表面にセパレータ20aを積層する。なお、セパレータ20aの両面には、事前に接着層が形成されていることが好ましい。これにより、電極積層体を作製する。ついで、電極積層体を巻き芯に巻きつけることで、円筒状の巻回素子1aを作製する。ついで、円筒状の巻回素子1aを矢印P方向にプレスする(接着層が存在する場合にはヒートプレスを行う)。ヒートプレスの条件は特に制限されないが、例えば、温度は25〜150℃、圧力は10〜100kgf/cmであることが好ましい。加熱を伴わない場合であっても、プレスの圧力は10〜100kgf/cmであることが好ましい。
これにより、扁平状の巻回素子1aを作製する。なお、集電タブ15、35の面方向の周囲には、充填部材51、61が設けられている。したがって、巻回素子1aのうち、充填部材51、61の厚さ方向上に存在する部分に掛かる圧力を、集電タブ15、35の厚さ方向上の部分に掛かる圧力に近づけることができる。すなわち、圧力の不均一性を抑制することができる。この結果、非水電解質二次電池1内のひずみ、座屈を抑制することができ、ひいては、非水電解質二次電池1の厚さの増大を抑えることができる。
ついで、扁平状の巻回素子1aを非水電解液とともに外装体(例えばラミネートフィルム)に挿入し、外装体を封止することで、非水電解質二次電池1を作製する。なお、外装体を封止する際には、集電タブ15、35を外装体の外部に突出させる。
<4.変形例>
図4に本実施形態の変形例を示す。この変形例では、正極10、セパレータ20、及び負極30が順次積層されることで電極積層体1bが形成され、電極積層体1bの厚さ方向両端に正極集電タブ15、負極集電タブ35が形成されている。そして、電極積層体1bが外装材200内に収納されている。この変形例では、外装材200、正極集電タブ15、及び電極積層体1bで囲まれる領域に空間が形成されている。同様に、外装材200、負極集電タブ35、及び電極積層体1bで囲まれる領域に空間が形成されている。そこで、本変形例では、これらの空間を充填する充填部材が各空間内に形成されている。具体的には、正極集電タブ15の面方向の周囲に正極充填部材51が形成され、負極集電タブ35の面方向の周囲に負極充填部材61が形成されている。正極充填部材51、負極充填部材61の具体的な構成は上述した実施形態と同様である。この変形例によっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
(実施例1)
(正極の作製)
コバルト酸リチウム、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分の質量比98:1:1でN−メチルピロリドン中に溶解分散させることで正極合剤スラリーを作製した。ついで、正極合剤スラリーを厚さ12μmのアルミ箔集電体の両面に塗布後、乾燥した。乾燥後の塗工層を圧延することで正極活物質層を作製した。すなわち、正極10を作製した。正極10の総厚は120μmであった。ついで、厚さ80μmのアルミリード線を正極集電タブ15として正極10の長さ方向先端に溶接した。なお、正極10の長さ及び幅は後述するセパレータ20a、20bよりも小さくした。したがって、正極10の周囲には薄肉領域が形成される。
(負極の作製)
天然黒鉛、カルボキシメチルセルロース、SBR(スチレンブタジエンゴム)を固形分の質量比98:1:1で水溶媒中に溶解分散させることで、負極合剤スラリーを作製した。ついで、この負極合剤スラリーを厚さ8μmの銅箔集電体の両面に塗布後、乾燥した。乾燥後の塗工層を圧延することで負極活物質層を得た。すなわち、負極30を作製した。負極30の総厚は120μmであった。その後、ニッケルリード線を負極集電タブ35として負極30の先端に溶接した。なお、負極30の長さ及び幅は、正極10の長さ及び幅より大きく、セパレータ20a、20bの幅より小さくした。したがって、負極30の周囲には薄肉領域が形成される。
(セパレータの作製)
セパレータ20a、20bとして、コロナ処理済みの厚さ12μmの多孔質ポリエチレンセパレータフィルムを用意した。一方、PVDFをNMPに溶解させることでスラリーを作製した。ここで、スラリーの固形分濃度は8質量%とした。そして、このスラリーをセパレータ20a、20bの両面に塗工することで塗工層を形成した。ついで、塗工層を含むセパレータ20a、20bを洗浄することで、PVDFを相分離させた。これにより、接着層を形成した。接着層の厚さは2μmとした。
(巻回素子及び電池の作製)
ついで、セパレータ20bの一方の表面に正極10を積層した。ついで、正極充填部材51として厚さ80μm(すなわち正極集電タブ15と同じ厚さ)の多孔質ポリエチレンセパレータフィルムを用意した。また、正極充填部材51の長さL1は30mmとし、幅はセパレータ20a、20bと同じとした。そして、正極充填部材51を正極集電タブ15の面方向の周囲に設けた。
ついで、セパレータ20bの他方の表面に負極30を積層した。ついで、負極充填部材61として厚さ80μm(すなわち負極集電タブ35と同じ厚さ)の多孔質ポリエチレンセパレータフィルムを用意した。また、負極充填部材61の長さL2は30.3mmとし、幅はセパレータ20a、20bと同じとした。ついで、負極集電タブ35の面方向の周囲に負極充填部材61を設けた。
ついで、正極集電タブ15及び正極充填部材51の表面にセパレータ20aを積層した。これにより、電極積層体を作製した。ついで、電極積層体を直径3cmの巻き芯に巻きつけた。巻回方向は電極積層体の長さ方向とした。これにより、円筒状の巻回素子1aを作製した。巻回素子1aの端部をテープにて固定した後、巻き芯を取り除いた。ついで、巻回素子1aを厚さ3cmの2枚の金属プレートの間に挟んだ。そして、巻回素子1aを98℃まで加熱しつつ、730kPaの圧力で120秒間プレスした。これにより、扁平状の巻回素子1aを得た。巻回素子1aの平断面を目視で観察したところ、正極充填部材51、負極充填部材61は、空間150、160の長さ方向の全域に渡って空間150、160を充填していた。
(電池の作製)
上記巻回素子1aをポリプロピレン/アルミ/ナイロンの3層からなるラミネートフィルムに、2本のリード線が外に出るように電解液とともに減圧封止することで、電池を作製した。電解液には、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネートを3対7(体積比)で混合した溶媒に1MのLiPFを溶解させたものを使用した。この電池を80℃に加熱した厚さ3cmの2枚の金属プレートの間に挟み、5分間保持した。以上の工程により、非水電解質二次電池1を作製した。
(特性評価)
以上のように作成した非水電解質二次電池1を用いて充放電サイクル試験を行った。1サイクル目のみ充電条件0.2Cで定電流定電圧(CCCV)0.05Ccutoffで充電し、放電は0.5CでCC放電、3.5Vcutoffとした。2サイクル目以降は電流量を充電、放電ともに0.7Cとして同様な方法で充放電試験を行った。一方、サイクル試験中の非水電解質二次電池1の厚さを、非水電解質二次電池1に平板金属板を30g/cmの力で押しあてることで測定した。厚さの測定は、1サイクル後、100サイクル後、200サイクル後、300サイクル後、400サイクル後、500サイクル後のそれぞれで行った。
(比較例)
正極充填部材51、負極充填部材61を設けなかったこと以外は実施例1と同様の処理を行った。表1に評価結果をまとめて示す。表1から明らかな通り、実施例は比較例よりも厚さの増大を抑えることができた。
(実施例2〜10)
更に、正極充填部材51及び負極充填部材61の厚さを以下の表2に示す厚さにした他は、実施例1と同様の処理を行った。具体的には、厚肉領域及び薄肉領域上に形成される各充填部材の厚さを変更した。実施例2では、厚肉領域上の充填部材厚さがタブの厚さと同等である80μmとなっており、かつ薄肉領域上の充填部材厚さが200μmとなっている。したがって、実施例2では、薄肉領域上の充填部材厚さと厚肉領域上の充填部材厚さとの差が電極の厚さ(=120μm)に等しくなっている。すなわち、充填部材の表面と集電タブの表面とは面一となっている。実施例3〜10では、厚肉領域上の充填部材厚さと薄肉領域上の充填部材厚さとをそれぞれ変更している。表2から明らかな通り、実施例2では、300サイクル後のセル厚みが最も抑制されていた。また、厚肉領域の充填部材厚さが80μmより厚い方が薄いものより300サイクル後のセル厚みが抑制されていた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 非水電解質二次電池
1a 巻回素子
10 正極
15 正極集電タブ
20a、20b セパレータ
30 負極
35 負極集電タブ
51 正極充填部材
61 負極充填部材

Claims (5)

  1. 電極及びセパレータが順次積層された電極積層体と、
    前記電極の表面の一部に設けられた集電タブと、
    前記集電タブの面方向の周囲に設けられた充填部材と、を備えることを特徴とする、非水電解質二次電池。
  2. 前記充填部材の表面と集電タブの表面とは面一となっていることを特徴とする、請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記電極積層体は、前記電極及びセパレータが巻回された巻回素子であり、
    前記集電タブは、前記巻回素子の最内周部分に設けられ、
    前記充填部材は、前記巻回素子と前記電極とで囲まれる空間に設けられることを特徴とする、請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記セパレータ上の領域は、前記電極が形成される厚肉領域と、前記電極が形成されない薄肉領域とに区分され、
    前記薄肉領域上に設けられる充填部材は、前記厚肉領域上に設けられる充填部材よりも厚いことを特徴とする、請求項3記載の非水電解質二次電池。
  5. 電極の表面の一部に集電タブを形成する工程と、
    前記集電タブの面方向の周囲に充填部材を設ける工程と、
    前記集電タブ及び充填部材が形成された電極とセパレータとを順次積層することで、電極積層体を作製する工程と、
    前記電極積層体をプレスする工程と、を含むことを特徴とする、非水電解質二次電池の製造方法。
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