JP6234186B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6234186B2
JP6234186B2 JP2013243290A JP2013243290A JP6234186B2 JP 6234186 B2 JP6234186 B2 JP 6234186B2 JP 2013243290 A JP2013243290 A JP 2013243290A JP 2013243290 A JP2013243290 A JP 2013243290A JP 6234186 B2 JP6234186 B2 JP 6234186B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
fluorine
based polymer
active material
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013243290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015103405A (ja
Inventor
靖男 高野
靖男 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung SDI Co Ltd
Original Assignee
Samsung SDI Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung SDI Co Ltd filed Critical Samsung SDI Co Ltd
Priority to JP2013243290A priority Critical patent/JP6234186B2/ja
Priority to KR1020140153510A priority patent/KR102290315B1/ko
Priority to US14/551,552 priority patent/US20150147627A1/en
Publication of JP2015103405A publication Critical patent/JP2015103405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6234186B2 publication Critical patent/JP6234186B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
特許文献1には、いわゆる非水電解質二次電池の製造方法が開示されている。非水電解質二次電池は、例えば、セパレータ(Separator)に非水電解質溶液をゲル状に保持させた二次電池である。
ところで、近年のタブレット(Tablet)端末、スマートフォン(Smartphone)の急激な普及により、非水電解質二次電池は高容量だけでなく、薄型化が要求されている。このため、非水電解質二次電池の外装材には、アルミラミネートフィルム(Aluminum Laminated film)が使用される事が多い。外装材にアルミラミネートフィルムを使用した電池は、電池サイズ(Size)設計の自由度が高いので、薄型化も容易に行えるからである。
特開平10−189054号公報
しかし、アルミラミネートフィルムは剛性が低いため、これを外装材として使用した二次電池の剛性を大きく向上させることが出来ないという問題があった。
さらに、近年の近年の非水電解質二次電池の負極製造では、製造時の環境配慮やコスト低減といった理由により、水系スラリー(Slurry)(水系バインダ(binder))を用いて負極を作製することが要請されている。ここで、水系スラリーは、水溶性高分子、ラテックスポリマー(Latex polymer)、及び負極活物質を水に分散させたものである。水系スラリーを集電体に塗布し、乾燥することで負極が作製される。水系スラリーを用いて作製された負極は水系負極とも称される。
そして、水系負極を用いた二次電池は、水系負極以外の負極を有する二次電池よりも折り曲げに対する耐性(以下、耐座屈性という)が低いという問題があった。具体的には、水系負極とセパレータとの結着力が弱いという問題があった。
このため、外装体がアルミラミネートフィルムで構成され、かつ負極が水系負極である非水電解質二次電池は、耐座屈性が大きく低下するという問題があった。
この問題について、特許文献1に開示された技術は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を主成分とするバインダ(Binder)樹脂を用いてセパレータと各電極とを結着する技術を開示する。特許文献1では、負極のバインダ樹脂はPVDFで構成されている。この技術は、剛直な筺体がなくても電池構造を維持することを目的とするものである。しかし、特許文献1に開示されたスラリーは、PVDFがN−メチル−2−ピロリドン(N−methyl−2− pyrrolidone)に溶解された有機溶媒系スラリーであるので、負極は水系負極ではない。したがって、特許文献1に開示された技術では、上記問題を解決することができない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、水系負極とセパレータとの結着力を向上させることが可能な、新規かつ改良された二次電池用負極及びこれを使用した二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、非水電解液と、セパレータと、第1のフッ素系高分子を含むフッ素系高分子の微粒子、水溶性高分子、及び負極活物質を含む負極活物質層と、非水電解液をゲル状に保持する第2のフッ素系高分子を含み、セパレータの表裏面のうち、負極活物質層に対向する面に形成される負極側バインダ層と、を備え、フッ素系微粒子は、負極活物質層の総質量に対して1〜10質量%で負極活物質層に含まれることを特徴とする、非水電解質二次電池が提供される。
この観点によれば、負極活物質層に分布したフッ素系高分子の微粒子が負極側バインダ層に融着することで、負極側バインダ層と負極活物質層とが強固に結着する。したがって、この観点によれば、水系負極とセパレータとの結着力を向上させることができる。
ここで、フッ素系微粒子は、負極活物質層の最表面に融着していてもよい。
この観点によれば、フッ素系高分子の微粒子は、負極活物質層の最表面に分布しているので、負極側バインダ層と容易に結着することができ、ひいては、水系負極とセパレータとの結着力を向上させることができる。
また、第1のフッ素系高分子及び第2のフッ素系高分子は同じ種類のフッ素系高分子であってもよい。
この観点によれば、負極とセパレータとがさらに強固に結着する。
また、第1のフッ素系高分子及び第2のフッ素系高分子は、ポリフッ化ビニリデンを含んでいてもよい。
この観点によれば、負極とセパレータとがさらに強固に結着する。
また、フッ素系微粒子は、第1のフッ素系高分子を構成するモノマーを乳化重合することにより作製されてもよい。
この観点によれば、粒径の非常に小さなフッ素系高分子の微粒子が容易に製造される。
また、フッ素系高分子の微粒子は、第1のフッ素系高分子を構成するモノマーを懸濁重合することにより合成された粗粒子を粉砕することで作製されてもよい。
この観点によれば、粒径の非常に小さなフッ素系高分子の微粒子が容易に製造される。
また、水溶性高分子は、セルロース系高分子を含んでいてもよい。
この観点によれば、負極活物質同士の結着力がより向上する。
また、セルロース系高分子は、カルボキシメチルセルロースの金属塩であってもよい。
この観点によれば、負極活物質同士の結着力がより向上する。
また、アルミラミネートフィルムで構成された外装体を備えていてもよい。
この観点によれば、外装体の低い剛性を負極活物質層とセパレータとの強固な結合により補うことができるので、リチウムイオン二次電池の耐座屈性が向上する。
以上説明したように本発明によれば、水系負極とセパレータとの結着力を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池の外観構成を示す斜視図である。 非水電解質二次電池の内部構成を概略的に示す側断面図である。 リチウムイオン(Lithium ion)二次電池を押圧する圧子に加えられる荷重(試験力)と圧子の変位との対応関係を示すグラフである。 負極活物質(黒鉛)の表面にフッ素系高分子の微粒子(PVDF微粒子)が付着した様子を示すSEM写真である。 負極活物質(黒鉛)の表面にフッ素系高分子の微粒子(PVDF微粒子)が融着した様子を示すSEM写真である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.リチウムイオン二次電池の構成>
本発明に係る非水電解質二次電池は、あらゆる種類の非水電解質二次電池に適用可能である。そこで、本実施形態では、本発明をリチウムイオン二次電池に適用した例について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10は、正極20と、負極30と、セパレータ層40と、外装体100と、正極集電体タブ110と、負極集電体タブ120とを備える。
セパレータ層40は、セパレータ40aと、正極側バインダ層40bと、負極側バインダ層40cと、非水電解液とを含む。セパレータ40aは、特に制限されず、リチウムイオン二次電池のセパレータとして使用されるものであれば、どのようなものであってもよい。セパレータ40aとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。セパレータ40aを構成する樹脂としては、例えばポリエチレン(polyethylene),ポリプロピレン(polypropylene)等に代表されるポリオレフィン(polyolefin)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate),ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)等に代表されるポリエステル(Polyester)系樹脂、PVDF、フッ化ビニリデン(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(par fluorovinyl ether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン(fluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン(hexafluoroacetone)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン(propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン(trifluoro propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)−ヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体等を挙げることができる。
正極側バインダ層40bは、セパレータ40aの表裏面のうち、正極20に対向する面に形成される。正極側バインダ層40bは、非水電解液によって膨潤することで、ゲル状になる。すなわち、正極側バインダ層40bは、非水電解液をゲル状に保持する。さらに、正極側バインダ層40bは、セパレータ層40と正極20(より具体的には正極活物質層22)とを結着する。正極側バインダ層40bは、具体的には、非水電解液によって膨潤し、ゲル状となるフッ素系高分子(第2のフッ素系高分子)を含む。好ましくは、正極側バインダ層40bは、このようなフッ素系高分子で構成される。正極側バインダ層40bを構成するフッ素系高分子としては、例えばPVDF、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等が挙げられる。なお、HFPのVDFに対する質量比が大きすぎると、フッ素系高分子が非水電解液に溶解してしまうので、VDFとHFPとの質量比は、フッ素系高分子が非水電解液に溶解しない程度で調整されればよい。なお、正極側バインダ層40bを構成するフッ素系高分子の他の例としては、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体P(VDF−TFE)、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体P(VDF−TFE−HFP)等が挙げられる。正極側バインダ層40bは省略されてもよい。
負極側バインダ層40cは、セパレータ40aの表裏面のうち、負極30に対向する面に形成される。負極側バインダ層40cは、非水電解液によって膨潤することで、ゲル状になる。すなわち、負極側バインダ層40cは、非水電解液をゲル状に保持する。さらに、負極側バインダ層40cは、セパレータ層40と負極30(より具体的には負極活物質層32)とを結着する。負極側バインダ層40cは、具体的には、非水電解液によって膨潤し、ゲル状となるフッ素系高分子(第2のフッ素系高分子)を含む。好ましくは、負極側バインダ層40cは、このようなフッ素系高分子で構成される。負極側バインダ層40cを構成するフッ素系高分子としては、例えばPVDF、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等が挙げられる。なお、HFPのVDFに対する質量比が大きすぎると、フッ素系高分子が非水電解液に溶解してしまうので、VDFとHFPとの質量比は、フッ素系高分子が非水電解液に溶解しない程度で調整されればよい。負極側バインダ層40cを構成するフッ素系高分子の他の例としては、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体P(VDF−TFE)、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体P(VDF−TFE−HFP)等が挙げられる。
非水電解液は、従来からリチウム二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。非水電解液は、非水溶媒に電解質塩を含有させた組成を有する。非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(propylene carbonate)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate)、ブチレンカーボネート(ethylene carbonate)、クロロエチレンカーボネート(chloroethylene carbonate)、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate)等の環状炭酸エステル(ester)類;γ−ブチロラクトン(butyrolactone)、γ−バレロラクトン(valerolactone)等の環状エステル類;ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate)等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル(methyl formate)、酢酸メチル(methyl acetate)、酪酸メチル(butyric acid methyl)等の鎖状エステル類;テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)またはその誘導体;1,3−ジオキサン(dioxane)、1,4−ジオキサン(dioxane)、1,2−ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、1,4−ジブトキシエタン(dibutoxyethane)、メチルジグライム(methyl diglyme)等のエーテル(ether)類;アセトニトリル(acetonitrile)、ベンゾニトリル(benzonitrile)等のニトリル(nitrile)類;ジオキソラン(Dioxolane)またはその誘導体;エチレンスルフィド(ethylene sulfide)、スルホラン(sulfolane)、スルトン(sultone)またはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、電解質塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF,LiPF6−x(C2n+1[但し、1<x<6,n=1or2],LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−CNClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム(stearyl sulfonic acid lithium)、オクチルスルホン酸リチウム(octyl sulfonic acid)、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム(dodecyl benzene sulphonic acid)等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。なお、電解質塩の濃度は、従来のリチウム二次電池で使用される非水電解液と同様でよく、特に制限はない。本実施形態では、適当なリチウム化合物(電解質塩)を0.8〜1.5mol/L程度の濃度で含有させた非水電解液を使用することができる。
正極20は、正極集電体21と、正極活物質層22とを備える。正極集電体21は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム(Aluminum)、ステンレス鋼(stainless steel)、及びニッケルメッキ鋼(nickel plating steel)等で構成される。正極集電体21は、正極集電体タブ110に接続される。
正極活物質層22は、少なくとも正極活物質を含み、導電剤と、正極結着剤とをさらに含んでいてもよい。正極活物質は、例えばリチウムを含む固溶体酸化物であるが、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出することができる物質であれば特に制限されない。固溶体酸化物は、例えば、LiMnCoNi(1.150≦a≦1.430、0.45≦x≦0.6、0.10≦y≦0.15、0.20≦z≦0.28)、LiMnCoNi(0.3≦x≦0.85、0.10≦y≦0.3、0.10≦z≦0.3)、LiMn1.5Ni0.5となる。固溶体酸化物は、より具体的には、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiCo0.5Ni0.5、LiNi0.7Co0.2Mn0.1などのリチウム含有遷移金属酸化物、MnOなどのリチウムを含有していない金属酸化物等であってもよい。
導電剤は、例えばケッチェンブラック(ketjenblack)、アセチレンブラック(acetylene black)等のカーボンブラック(carbon black)、天然黒鉛、人造黒鉛等であるが、正極の導電性を高めるためのものであれば特に制限されない。
正極結着剤は、正極活物質及び導電剤を集電体21上に結着させることができるものであれば、特に制限されないが、フッ素系高分子で構成されることが好ましい。フッ素系高分子としては、例えばPVDF、PTFE、P(VDF−HFP)、P(VDF−TFE)、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体P(VDF−CTFE)、P(VDF−TFE−HFP)等が挙げられる。正極結着剤を構成する樹脂の他の例としては、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(Ethylene propylene diene terpolymer)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(acrylonitrile butadiene rubber)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリエチレン(polyethylene)、ニトロセルロース(nitrocellulose)等が挙げられる。
正極結着剤は、正極側バインダ層40bを構成する樹脂と同じ種類であることが好ましい。例えば、正極側バインダ層40bがPVDFで構成される場合、正極結着剤はPVDFで構成されることが好ましい。正極側バインダ層40b及び正極結着剤がいずれもPVDFで構成される場合、正極活物質層22と正極側バインダ層40bとの結着力が特に向上する。この結果、リチウムイオン二次電池10の耐座屈性が向上する。
正極活物質層22は、例えば、正極活物質、導電剤、及び正極結着剤を乾式混合することで正極合剤を形成し、この正極合剤を適当な有機溶媒に分散させることで正極合剤スラリーを形成し、この正極合剤スラリーを正極集電体21上に塗工し、乾燥、圧延することで形成される。
負極30は、負極集電体31と、負極活物質層32とを含む。負極集電体31は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。負極集電体31は、負極集電体タブ120に接続される。
負極活物質層32は、負極活物質と、水溶性高分子と、フッ素系高分子の微粒子とを含む。負極活物質は、例えば、黒鉛活物質(人造黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛と天然黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛等)、ケイ素(Silicon)もしくはスズ(tin)もしくはそれらの酸化物の微粒子と黒鉛活物質との混合物、ケイ素もしくはスズの微粒子、ケイ素もしくはスズを基本材料とした合金、及びLiTi12等の酸化チタン系化合物等が考えられる。ケイ素の酸化物は、SiO(0.5≦x≦1.5)で表される。なお、負極活物質は、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出することができる物質であれば特に制限されない。
水溶性高分子は、増粘剤となるものである。水溶性高分子としては、例えばセルロース系高分子、ポリアクリル酸(Polyacrylic acid)系高分子、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)等が挙げられる。セルロース系高分子としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)の金属塩、メチルセルロース(methylcellulose)、エチルセルロース(ethyl cellulose)、ヒドロキシアルキルセルロース(hydroxy alkyl cellulose)などのセルロース(Cellulose)誘導体の金属塩等が挙げられる。したがって、負極30はいわゆる水系負極である。
フッ素系高分子の微粒子は、フッ素系高分子(第1のフッ素系高分子)を含む微粒子であり、負極活物質層32の結着剤となるものである。フッ素系微粒子は、好ましくはフッ素系高分子で構成される。フッ素系微粒子は、負極活物質層32内に分散しており、かつ、負極活物質同士を結着する。また、フッ素系高分子の微粒子は、負極活物質層32の最表面、すなわち負極側バインダ層40cに接触する面に融着している。そして、最表面のフッ素系微粒子は、負極側バインダ層40cにも融着(相溶)することで、負極側バインダ層40cと負極活物質層32とを強固に結着する。なお、フッ素系高分子を微粒子とした理由は以下のとおりである。すなわち、本実施形態では、負極は水系負極なので、負極合剤を分散させる溶媒には水を用いる。しかし、フッ素系高分子、特にPVDFは水に溶けない。この問題を解消する方法として、PVDFを溶解する溶媒を用意することが挙げられるが、この方法では別途の溶媒を必要とする。そこで、本実施形態では、フッ素系高分子を微粒子とした。これにより、フッ素系高分子の微粒子は、水中で分散してラテックスを形成するので、負極活物質層内に(均一に)分散する。
フッ素系高分子の微粒子を構成するフッ素系高分子は、結晶性を有するものである。このようなフッ素系高分子としては、例えばPVDF及びPVDFを含む共重合体等が挙げられる。PVDFを含む共重合体としては、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等が挙げられる。なお、HFPのVDFに対する質量比が大きすぎると、フッ素系高分子の微粒子が非水電解液に溶解してしまうので、VDFとHFPとの質量比は、フッ素系微粒子が非水電解液に溶解しない程度で調整されればよい。なお、フッ素系高分子の微粒子を構成するフッ素系高分子の他の例としては、フッ化ビニリデン(VDF)とテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体等が挙げられる。
フッ素系高分子の微粒子を構成するフッ素系高分子は、負極側バインダ層40cを構成する樹脂と同じ種類であることが好ましい。例えば、負極側バインダ層40cがPVDFで構成される場合、フッ素系高分子の微粒子はPVDFで構成されることが好ましい。負極側バインダ層40c及びフッ素系高分子の微粒子がいずれもPVDFで構成される場合、負極活物質層32と負極側バインダ層40cとの結着力が特に向上する。この結果、リチウムイオン二次電池10の耐座屈性が向上する。
フッ素系高分子の微粒子の粒径(フッ素系高分子の微粒子を球体とみなした時の直径)は特に制限されず、負極活物質層32内に分散できる粒径であればどのような値であってもよい。例えば、フッ素系高分子の微粒子の平均粒径(粒径の算術平均値)は、150nm前後であればよい。フッ素系高分子の微粒子の平均粒径は、例えばレーザ回折法(laser diffractometry)によって測定される。具体的には、レーザ回折法によってフッ素系高分子の微粒子の粒度分布を測定し、この粒度分布に基づいて粒径の算術平均値を算出すればよい。ここでの平均粒径は、溶融前の粒径の算術平均値である。
フッ素系高分子の微粒子は、例えばフッ素系高分子を構成するモノマー(monomer)(例えばVDF)を乳化重合することにより作製(合成)される。フッ素系高分子の微粒子は、フッ素系高分子を構成するモノマーを懸濁重合させ、これによって得られた粗粒子を粉砕することで作製されてもよい。
フッ素系高分子の微粒子は、負極活物質層32の総質量に対して1〜10質量%で負極活物質層32に含まれる。フッ素系高分子の微粒子の含有量が1質量%未満となる場合、負極活物質層32と負極側バインダ層40cとの結着力が十分でない。また、フッ素系高分子の微粒子の含有量が10質量%を超える場合、負極活物質層32内の負極活物質密度が低下し、リチウムイオン二次電池10のエネルギー(energy)密度が低下する。
負極活物質層は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、負極活物質、水溶性高分子、及びフッ素系高分子の微粒子を水に分散させることで負極合剤スラリーを形成し、この負極合剤スラリーを集電体上に塗工し、乾燥する。負極合剤スラリー中では、フッ素系高分子が負極活物質層32内に分散し、かつ、負極活物質の表面に付着している。ついで、乾燥した負極合剤を集電体31とともに圧延する。圧延後の負極合剤のSEM写真を図4に示す。この例では、負極活物質である黒鉛32a上にフッ素系高分子の微粒子であるPVDF微粒子32bが付着している。
そして、圧延後の塗膜をフッ素系高分子の微粒子の融点以上の温度で加熱する。これにより、フッ素系高分子の微粒子が負極活物質の表面に融着し、負極活物質同士を強固に結着する。さらに、フッ素系高分子の微粒子は、負極活物質層32の最表面に融着する。例えば、フッ素系高分子の微粒子がPVDFで構成される場合、PVDFの融点は165℃程度なので、圧延後の塗膜を170℃程度で加熱すればよい。フッ素系高分子の微粒子が負極活物質の表面に融着している例を図5に示す。図5では、負極活物質である黒鉛32a上にフッ素系高分子の微粒子であるPVDF微粒子32bが融着している。
フッ素系高分子の微粒子は、負極活物質層32の最表面に8個/μm程度の面密度で分布していればよい。面密度の測定方法は例えば以下のとおりである。すなわち、負極活物質層32の最表面に10μm程度の観測面を複数設定し、各観測面を電子顕微鏡(SEM)で観察することで、各観測面に存在するフッ素系微粒子の数を計測する。そして、各観測面に存在するフッ素系微粒子の総数を観測面の総面積で除算することで、フッ素系高分子の微粒子の面密度を測定する。
外装体100は、アルミラミネートフィルムによって構成され、図2に示す構成、すなわち正極20、負極30、及びセパレータ層40を内蔵する。正極集電体タブ110は、正極集電体21と接続され、外装体100の外部に突出する。負極集電体タブ120は、負極集電体31と接続され、外装体100の外部に突出する。
リチウムイオン二次電池10は、正極20、負極30、及びセパレータ層40が順次積層された積層体であってもよく、正極20、負極30、及びセパレータ層40からなるシートが巻回された巻回素子であってもよい。リチウムイオン二次電池10は、これら以外の構造を有していてもよい。
<2.リチウムイオン二次電池の製造方法>
次に、リチウムイオン二次電池10の製造方法について説明する。正極20は、以下のように作製される。まず、正極活物質、導電剤、及び正極結着剤を所望の割合で混合することで、正極合剤を作製する。ついで、正極合剤を有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることで正極合剤スラリーを形成する。次いで、正極合剤スラリーを集電体21上に形成(例えば塗工)し、乾燥させる。なお、塗工の方法は、特に限定されない。塗工の方法としては、例えば、ナイフコーター(knife coater)法、グラビアコーター(gravure coater)法等が考えられる。以下の各塗工工程も同様の方法により行われる。次いで、乾燥した塗膜及び正極集電体をプレス(press)機により所望の厚さとなるように圧延する。これにより、正極活物質層22、すなわち正極20が作製される。ここで、正極活物質層22の厚さは特に制限されず、リチウムイオン二次電池の正極活物質層が有する厚さであればよい。次いで、正極集電体に正極集電体タブ110を溶接する。
負極30は、以下のように作製される。まず、負極活物質、水溶性高分子、及びフッ素系高分子の微粒子を所望の割合で混合することで、負極合剤を作製する。ついで、負極合剤を水に分散させることで負極合剤スラリーを形成する。次いで、負極合剤スラリーを集電体31上に形成(例えば塗工)し、乾燥する。ついで、乾燥した塗膜を集電体31とともに圧延する。ついで、負極合剤をフッ素系高分子の微粒子の融点以上の温度で加熱する。これにより、負極活物質層32を形成する。これにより、負極30が作製される。次いで、負極集電体31に負極集電体タブ120を溶接する。
一方、セパレータ40aの両面(または片面)にフッ素系高分子溶液(例えばPVDFをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させたもの)を塗工する。ついで、セパレータ40aを水浴させる等の方法によりフッ素系高分子を凝固させ、その後フッ素系高分子を乾燥させる。これにより、正極側バインダ層40b及び負極側バインダ層40c(または負極側バインダ層40cのみ)をセパレータ40aに形成する。
次いで、バインダ層が形成されたセパレータを正極及び負極で挟むことで、電極構造体シートを作製する。次いで、電極構造体をラミネート形に加工する。例えば、電極構造体シートを巻回した後、押しつぶすことで、巻回素子を作製する。そして、この巻回素子を外装体100に挿入する。ここで、正極集電体タブ110及び負極集電体タブ120は外装体100の外側に突出させておく。次いで、外装体100の注液部以外の部分を熱溶着する。次いで、注液部から外装体100内に上記組成の電解液を注入することで、セパレータ内の各気孔に電解液を含浸させる。ついで、外装体100を封止し、外装体100を加熱する。これにより、フッ素系高分子の微粒子及び負極側バインダ層40cが電解液を吸収して膨潤し、互いに融着する。さらに、正極側バインダ層40bも電解液を吸収して膨潤し、正極活物質層22の結着剤に融着する。その後、外装体100を冷却する。これにより、各融着部分が固化し、セパレータ層40と正極活物質層22、負極活物質層32との結合が強固になる。以上の工程により、リチウムイオン二次電池を作製する。
[実施例1]
[正極の作製]
次に、正極活物質としての(コバルト酸リチウム(LiCoO))と、正極導電剤としてのカーボンブラック粉末と、正極結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、活物質:導電剤:バインダの質量比が、96:2:2となるように乾式混合することで正極合剤を作製した。ついで、正極合剤を分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させることで、正極合剤スラリーを得た。
ついで、この正極合剤スラリーを、正極集電体としての厚み13μmのアルミニウム箔の両面に塗工し、乾燥した後、圧延した。これにより、集電体上に正極活物質層を形成した。すなわち、正極を作製した。正極活物質層の充填密度は、集電体の両面に正極活物質層が形成されている部分で3.95g/cmであった。
[負極の作製]
負極活物質としての人造黒鉛、水溶性高分子としてのCMC−Na(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、及びフッ素系高分子の微粒子としてのPVDF微粒子を98:1:1の質量比(重量比)で混合することで負極合剤を作製した。ついで、負極合剤を溶媒である水に分散させることで、負極合剤スラリーを得た。ここで、PVDF微粒子の平均粒径を上述した測定方法により測定したところ、約150nmであった。
ついで、この負極合剤スラリーを、負極集電体としての厚み8μmの銅箔の両面に塗工し、乾燥した。ついで、乾燥した負極合剤を負極集電体とともに圧延した。ついで、圧延後の負極合剤をPVDFの融点以上の温度である170℃で加熱した。これにより、集電体上に負極活物質層を形成した。すなわち、負極を作製した。集電体上の負極活物質層の充填密度は、集電体の両面に負極活物質層が形成されている部分で1.65g/cmであった。また、PVDF微粒子の面密度を上述した測定方法により測定したところ、8個/μmであった。
[セパレータの作製]
ポリフッ化ビニリデン(KF9300;クレハ製)をN−メチル−2−ピロリドンに対して5質量%となるように加え、撹拌して完全に溶解させた。次にディップコータ(dip coater)を用いて厚さ9μmのポリエチレン製微多孔膜(セパレータ)上の両面に塗布し、水浴で凝固させた後、乾燥させることでセパレータの両面にPVDFからなるバインダ層を形成した。乾燥後の全膜厚は12μmであった。
[二次電池の作製]
以上のようにして作製した正極、負極及びセパレータを重ね合わせた後、長手方向に巻回してつぶすことにより、扁平状巻回電池素子を作製した。この電池素子を内側からポリプロピレン/アルミニウム/ナイロン(nylon)の3層からなる厚み120μmのラミネートフィルムからなる外装材に挿入し、電極端子を熱融着により外装材に取り出した。電池素子を収容した外装部材内に、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとをエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7の質量比で混合した溶媒に1.2mol/Lの割合で六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を溶解させた電解液を注入し、減圧下で外装材の残りの1辺を熱融着して減圧封止した。これを金属板間に挿入し、80℃で3分間加熱した。これにより、サイズが厚み3mm×幅30mm×高さ30mmであるリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例2〜実施例5]
表1の組成に従って負極合剤組成とセパレータを変更して負極を作製したほかは、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
[比較例1〜比較例4]
表1の組成に従って負極合剤組成とセパレータを変更して負極を作製したほかは、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
[初回放電容量]
実施例および比較例の各二次電池について、25℃で56mAの定電流で4.35Vまで充電し、続いて充電電流14mAまで定電圧充電を行った。その後56mAで終止電圧2.75Vまで定電流放電を行った。この時放電された電気量を初回放電容量とした。
[25℃充放電試験の容量維持率]
実施例および比較例の各二次電池について、上記の初回放電容量を測定後、25℃の恒温槽内で280mA4.35Vまで充電し、続いて電流14mAまで定電圧充電行った。その後2.75Vまで280mAで定電流放電を行った。以上の充放電操作を300回繰り返した後、上記初回放電容量と同様の操作により、25℃充放電試験後の放電容量を測定した。容量維持率は、(25℃充放電試験後の放電容量)/(初回放電容量)により算出した。表1に、各二次電池の組成及び評価結果を対比して示す。
[屈曲試験]
実施例および比較例の各二次電池について、上記の初回放電容量を測定後、島津製作所社製卓上型精密万能試験機AGS−Xを用いて座屈強度(耐座屈性)を測定した。具体的には、非水電解質二次電池を15mmの間隙を持った治具に載せ、間隙直径2mmφの曲率、幅30mmの圧子を捲回素子に対して平行になるように配置した。そして、圧子で下方に5mm/分で押していく際にかかる荷重を計測し、荷重の最大値を非水電解質二次電池の座屈点とみなし、座屈強度とした。図2に示すグラフは、圧子の変位と圧子にかかる荷重(試験力)との相関関係の一例を示す。このグラフによれば、非水電解質二次電池は、3100mN/mmの荷重で座屈していることになる。したがって、この非水電解質二次電池は、3100mN/mmの座屈強度を有する。
表1中、PVDF層は、上述したバインダ層を意味する。PVDF層「有」は、セパレータの両面にPVDF層が形成されていることを意味し、「無」はセパレータのいずれの面にもPVDF層が形成されていないことを意味する。「←」は、左欄と同じであることを意味する。SBRはスチレンブタジエンゴムを意味する。
したがって、実施例1では、セパレータの両面にPVDF層が形成されており、かつ、負極活物質層にPVDF微粒子が含まれている。実施例2〜4は、実施例1に対してPVDF微粒子の含有量を変更している。一方、比較例1では、負極活物質層の結着剤としてPVDF微粒子の代わりにスチレンブタジエンゴムを1質量%使用している。比較例2では、セパレータにPVDF層を形成せず、かつ、PVDF微粒子を使用していない。したがって、比較例2は従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成である。比較例3ではPVDF微粒子を使用しているが、セパレータにPVDF層が形成されていない。比較例4は、負極活物質層にPVDF微粒子を含み、かつセパレータにPVDF層が形成されているが、PVDF微粒子の含有量が1〜10質量%の範囲を下回っている。
[対比]
比較例1〜4と実施例1とを比較すると、実施例1は、比較例1〜4と同等以上の容量維持率を維持し、かつ、比較例1〜4よりも座屈強度が大きく向上している。この理由として、実施例1では、フッ素系微粒子が負極側バインダ層に融着することで、負極活物質層とセパレータ層とが強固に結合していることが挙げられる。また、実施例2〜5によれば、フッ素系高分子の微粒子の含有量は、1〜10質量%の範囲内であれば、含有量が増えるほど座屈強度及び容量維持率が向上することがわかる。また、比較例4では、フッ素系高分子の微粒子が使用されているにもかかわらず、比較例1よりも座屈強度が低下している。この理由としては、比較例4ではフッ素系高分子の微粒子が少なすぎるために、集電体と負極活物質層との結着が剥がれてしまったことが考えられる。
以上により、本実施形態によれば、リチウムイオン二次電池10は、セパレータ40aと負極活物質層32との間に形成された負極側バインダ層40cを備え、かつ、負極活物質層32にフッ素系微粒子を含む。そして、負極活物質層32の最表面に分布したフッ素系微粒子が負極側バインダ層40cに融着することで、負極側バインダ層40c、すなわちセパレータ層40と負極活物質層32とが強固に結着する。したがって、リチウムイオン二次電池10は、水系負極である負極30とセパレータ層40との結着力を向上させることができる。
さらに、フッ素系高分子の微粒子を構成するフッ素系高分子と負極側バインダ層40cを構成するフッ素系高分子とは同じ種類であってもよく、この場合、負極30とセパレータ層40とがさらに強固に結着する。
さらに、フッ素系高分子の微粒子及び負極側バインダ層40cはいずれもPVDFで構成されてもよく、この場合、負極30とセパレータ層40とがさらに強固に結着する。
さらに、フッ素系高分子の微粒子は、フッ素系高分子を構成するモノマーを乳化重合することで合成されてもよく、この場合、粒径の非常に小さなフッ素系高分子の微粒子が容易に製造される。
さらに、フッ素系高分子の微粒子は、フッ素系高分子を構成するモノマーを懸濁重合することにより合成された粗粒子を粉砕することで作製されてもよく、この場合、粒径の非常に小さなフッ素系微粒子が容易に製造される。
さらに、水溶性高分子は、セルロース系高分子を含んでいてもよく、この場合、負極活物質同士の結着力がより向上する。
さらに、セルロース系高分子は、カルボキシメチルセルロースの金属塩であってもよく、この場合、負極活物質同士の結着力がより向上する。
さらに、リチウムイオン二次電池10は、アルミラミネートフィルムで構成された外装体100を備えていてもよい。この場合、外装体100の低い剛性を負極活物質層32とセパレータ層40との強固な結合により補うことができるので、リチウムイオン二次電池10の耐座屈性が向上する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 リチウムイオン二次電池
20 正極
21 集電体
22 正極活物質層
30 負極
31 集電体
32 負極活物質層

Claims (9)

  1. 非水電解液と、
    セパレータと、
    第1のフッ素系高分子を含むフッ素系高分子の微粒子、水溶性高分子、及び負極活物質を含む負極活物質層と、
    前記非水電解液をゲル状に保持する第2のフッ素系高分子を含み、前記セパレータの表裏面のうち、前記負極活物質層に対向する面に形成される負極側バインダ層と、を備え、
    前記フッ素系高分子の微粒子は、前記負極活物質層の総質量に対して1〜10質量%で前記負極活物質層に含まれることを特徴とする、非水電解質二次電池。
  2. 前記フッ素系高分子の微粒子は、前記負極活物質層の最表面に融着していることを特徴とする、請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第1のフッ素系高分子及び前記第2のフッ素系高分子は同じ種類のフッ素系高分子であることを特徴とする、請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記第1のフッ素系高分子及び前記第2のフッ素系高分子は、ポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とする、請求項3記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記フッ素系高分子の微粒子は、前記第1のフッ素系高分子を構成するモノマーを乳化重合することにより作製されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記フッ素系高分子の微粒子は、前記第1のフッ素系高分子を構成するモノマーを懸濁重合することにより合成された粗粒子を粉砕することで作製されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記水溶性高分子は、セルロース系高分子を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記セルロース系高分子は、カルボキシメチルセルロースの金属塩であることを特徴とする、請求項7記載の非水電解質二次電池。
  9. アルミラミネートフィルムで構成された外装体を備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。

JP2013243290A 2013-11-25 2013-11-25 非水電解質二次電池 Active JP6234186B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013243290A JP6234186B2 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 非水電解質二次電池
KR1020140153510A KR102290315B1 (ko) 2013-11-25 2014-11-06 리튬 이차 전지
US14/551,552 US20150147627A1 (en) 2013-11-25 2014-11-24 Rechargeable lithium battery

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013243290A JP6234186B2 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015103405A JP2015103405A (ja) 2015-06-04
JP6234186B2 true JP6234186B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=53378946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013243290A Active JP6234186B2 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6234186B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9839940B2 (en) 2002-04-15 2017-12-12 Samsung Display Co., Ltd. Apparatus for depositing a multilayer coating on discrete sheets
US10950821B2 (en) 2007-01-26 2021-03-16 Samsung Display Co., Ltd. Method of encapsulating an environmentally sensitive device

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000077059A (ja) * 1998-08-31 2000-03-14 Fujitsu Ltd 電池及びその製造方法
JP2003297337A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Tdk Corp 電極構造物およびその製造方法、二次電池
JP4986629B2 (ja) * 2004-12-10 2012-07-25 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池およびその製造方法
JP2007012559A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Sony Corp 電池
JP2007128847A (ja) * 2005-10-06 2007-05-24 Sony Corp 負極および電池、並びにそれらの製造方法
US8298446B2 (en) * 2007-10-11 2012-10-30 Kureha Corporation Vinylidene fluoride based polymer powder and use thereof
JP2013145669A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Hitachi Maxell Ltd 非水電解液二次電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9839940B2 (en) 2002-04-15 2017-12-12 Samsung Display Co., Ltd. Apparatus for depositing a multilayer coating on discrete sheets
US10950821B2 (en) 2007-01-26 2021-03-16 Samsung Display Co., Ltd. Method of encapsulating an environmentally sensitive device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015103405A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6399921B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法
JP6830757B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池用巻回素子、及び非水電解質二次電池
JP4433329B2 (ja) リチウム二次電池の正極およびその製造方法
KR102273647B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP6805374B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池
JP6494273B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法
JP6995738B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池
US20150147627A1 (en) Rechargeable lithium battery
JP6959010B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池
JP4992203B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6399922B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法
JP6282458B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極巻回素子、それを用いた非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用電極巻回素子の製造方法
JP6406813B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極活物質層及びこれを用いた非水電解質二次電池
JP3501113B2 (ja) 非水系二次電池およびその製造方法
JP7088969B2 (ja) リチウムイオン(lithium ion)二次電池用セパレータ(separator)及びリチウムイオン二次電池
JP6234186B2 (ja) 非水電解質二次電池
US9960459B2 (en) Method of manufacturing nonaqueous electrolyte secondary battery
JP6571330B2 (ja) 二次電池用正極活物質層、巻回素子、及び二次電池
JP7064709B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP7003775B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2020145062A (ja) 二次電池用負極合剤、二次電池用負極、および二次電池
JP6554261B2 (ja) 非水電解質二次電池パック
JP2016122628A (ja) 非水電解質二次電池用巻回素子及び非水電解質二次電池
JP2009238433A (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池
JP2020155378A (ja) リチウムイオン二次電池用電解液、及びリチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161125

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6234186

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250