JP2016122628A - 非水電解質二次電池用巻回素子及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用巻回素子及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】巻回素子の厚さをより均一にし、ひいては、非水電解質二次電池の膨張を抑制することが可能な、新規かつ改良された非水電解質二次電池用巻回素子及び非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、帯状集電体と、帯状集電体に設けられた集電タブと、帯状集電体に設けられた活物質層と、活物質層内に設けられた切り欠き部と、を備え、切り欠き部は、集電タブに対向する位置に形成されることを特徴とする、非水電解質二次電池用巻回素子が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用巻回素子及び非水電解質二次電池に関する。
近年、小型情報機器の高機能化に伴い二次電池の高性能化、小型化、高エネルギー密度化が求められている。特に、リチウムイオン(lithium ion)二次電池などの非水電解液を用いた非水電解質二次電池は電池電圧を高くすることができ、高エネルギー(energy)密度化が可能なことから研究開発が盛んに行われている。中でも外装材にラミネート(Laminate)を用い、その中に巻回素子及び電解液を収納した非水電解質二次電池は、体積エネルギー密度が高いことから注目されている。ここで、巻回素子は、概略以下の工程で作成される。
まず、正極、セパレータ、及び負極を順次積層することで、電極積層体を作製する。そして、電極積層体を巻回する。そして、巻回された電極積層体をプレスすることで、巻回素子を作製する。
特開2003−157888号公報 特開2006−164956号公報 特開2012−174387号公報
ところで、巻回素子を構成する電極には、集電タブが設けられる。集電タブは、電極の厚さ方向に突出した構造体となっている。このため、巻回素子のうち、集電タブが形成された部分は、他の部分よりも集電タブの厚さ分だけ厚くなる。したがって、巻回素子の厚さは不均一になる。一方、非水電解質二次電池は、充放電すると各電極の膨張収縮による応力が巻回素子に加わる。そして、充放電を繰り返すと、このような応力が巻回素子に繰り返し加わる。そして、上述したように、巻回素子の厚さは不均一なため、巻回素子内に応力が不均一に掛かる。具体的には、集電タブ及びその周囲に大きな応力が掛かる。このため、集電タブの周囲に存在する電極が座屈しやすいという問題があった。電極が座屈した場合、巻回素子の厚みが増大する。すなわち、電池が膨張する。また、電池が膨張した場合、電極間に隙間が生じ、リチウムイオンのスムーズな移動が阻害されるので、サイクル特性が低下する。
このように、従来の非水電解質二次電池においては、集電タブによる厚さの不均一に起因して非水電解質二次電池が膨張し、サイクル特性が低下するという問題があった。この問題は、外装材がラミネートフィルムとなる場合にとくに顕著であった。すなわち、外装材が金属製の缶となる場合、外装材は巻回素子の変形をある程度抑えることができる。一方、ラミネートフィルムは、金属製の缶に比べて強度が小さいので、巻回素子の変形を抑えにくい。一方、特許文献1〜3は、巻回素子に関する技術を開示するが、これらの技術では、上記問題を何ら解決することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、巻回素子の厚さをより均一にし、ひいては、非水電解質二次電池の膨張を抑制することが可能な、新規かつ改良された非水電解質二次電池用巻回素子及び非水電解質二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、帯状集電体と、帯状集電体に設けられた集電タブと、帯状集電体に設けられた活物質層と、活物質層内に設けられた切り欠き部と、を備え、切り欠き部は、集電タブに対向する位置に形成されることを特徴とする、非水電解質二次電池用巻回素子が提供される。
この観点によれば、切り欠き部が集電タブの厚さを吸収(相殺)することができるので、巻回素子の厚さをより均一にすることができる。したがって、この巻回素子を非水電解質二次電池に用いることで、非水電解質二次電池の膨張を抑制することができる。
ここで、切り欠き部の幅は、集電タブの幅以上であってもよい。
この観点によれば、切り欠き部は、集電タブの厚さをより確実に吸収することができる。このため、回素子の厚さをより均一にすることができる。したがって、この巻回素子を非水電解質二次電池に用いることで、非水電解質二次電池の膨張を抑制することができる。
また、切り欠き部の幅は、集電タブの幅より大きくてもよい。
この観点によれば、切り欠き部は、集電タブの厚さをより確実に吸収することができる。このため、回素子の厚さをより均一にすることができる。したがって、この巻回素子を非水電解質二次電池に用いることで、非水電解質二次電池の膨張を抑制することができる。
また、集電タブの厚さと切り欠き部の深さの差が、集電タブの厚さより小さくてもよい。
この観点によれば、切り欠き部は、集電タブの厚さをより確実に吸収することができる。このため、回素子の厚さをより均一にすることができる。したがって、この巻回素子を非水電解質二次電池に用いることで、非水電解質二次電池の膨張を抑制することができる。
また、集電タブは、正極集電タブと、負極集電タブとで構成され、切り欠き部は、正極集電タブに対向する位置と、負極集電タブに対向する位置との各々に形成されてもよい。
この観点によれば、切り欠き部は、正極集電タブの厚さ及び負極集電タブの厚さを吸収することができる。このため、回素子の厚さをより均一にすることができる。したがって、この巻回素子を非水電解質二次電池に用いることで、非水電解質二次電池の膨張を抑制することができる。
本発明の他の観点によれば、上記巻回素子を備えることを特徴とする、非水電解質二次電池が提供される。
この観点によれば、非水電解質二次電池の膨張を抑制することができる。
ここで、外装材がラミネートであってもよい。
この観点による非水電解質二次電池では、外装材がラミネートとなっている。しかし、この観点による非水電解質二次電池は、上記巻回素子を備える。したがって、外装材がラミネートであっても非水電解質二次電池の膨張が抑制される。
以上説明したように本発明によれば、切り欠き部が集電タブの厚さを吸収(相殺)することができるので、巻回素子の厚さをより均一にすることができる。したがって、この巻回素子を非水電解質二次電池に用いることで、非水電解質二次電池の膨張を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る巻回素子の概略構成を示す平断面図である。 (a)同実施形態に係る正極の概略構成を示す説明図である。(b)同実施形態に係る負極の概略構成を示す説明図である。 正極の変形例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.巻回素子の構成>
次に、図1及び図2に基づいて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池1の構成について説明する。リチウムイオン二次電池1は、扁平状の巻回素子1aと、非水電解質溶液と、外装材とを備える。なお、本発明はリチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池にも適用可能であることはもちろんである。
巻回素子1aは、帯状負極20、帯状セパレータ30、帯状正極10、及び帯状セパレータ30がこの順で積層された電極積層体を長手方向に巻回し、図1中上下方向にプレスしたものである。
(帯状正極の構成)
図1及び図2(a)に示すように、帯状正極10(以下、単に「正極10」とも称する)は、正極集電体11と、正極集電体11の両面に形成された正極活物質層12と、正極活物質層12内に形成された切り欠き部12a、12bと、正極集電タブ13とを備える。
正極集電体11は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。正極集電体11には、正極集電タブ13が接続される。
正極活物質層12は、少なくとも正極活物質を含み、導電剤と、結着剤とをさらに含んでいてもよい。正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能な物質であれば特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム(LCO)、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(以下、「NCA」と称する場合もある。)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(以下、「NCM」と称する場合もある。)、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、硫化ニッケル、硫化銅、硫黄、酸化鉄、酸化バナジウム等が挙げられる。これらの正極活物質は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
正極活物質は、上記に挙げた正極活物質の例のうち、特に、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩であることが好ましい。このような層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩としては、例えば、Li1−x−y−zNiCoAl(NCA)またはLi1−x−y−zNiCoMn(NCM)(0<x<1、0<y<1、0<z<1、かつx+y+z<1)で表される3元系の遷移金属酸化物のリチウム塩が挙げられる。
導電剤は、例えばケッチェンブラック(Ketjenblack)、アセチレンブラック(acetylene black)等のカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等であるが、正極の導電性を高めるためのものであれば特に制限されない。
結着剤は、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質と正極集電体とを結合する。結着剤の種類は特に限定されず、従来のリチウムイオン二次電池の正極活物質層に使用された結着剤であればどのようなものであっても使用できる。例えばポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、フッ化ビニリデン(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(par fluorovinyl ether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、エチレンプロピレンジエン(ethylene−propylene−diene)三元共重合体、スチレンブタジエンゴム(Styrene−butadiene rubber)、アクリロニトリルブタジエンゴム(acrylonitrile−butadiene rubber)、フッ素ゴム(fluororubber)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリエチレン(polyethylene)、ニトロセルロース(cellulose nitrate)等であるが、正極活物質及び導電剤を正極集電体上に結着させることができるものであれば、特に制限されない。
正極活物質層12の片面厚さ(正極集電体11の表裏両面に形成された各正極活物質層12のうち、一方の層の厚さ)は、集電タブ13の厚さ以上であることが好ましく、集電タブ13の厚さと略同一であることがさらに好ましい。
切り欠き部12a、12bは、正極活物質層12内に設けられる。切り欠き部12aは、巻回素子1a中で正極集電タブ13に対向する位置に設けられる。すなわち、正極集電タブ13の幅方向の中心を通り、かつ正極集電タブ13の厚さ方向に伸びる直線を引いた場合、この直線は、切り欠き部12a内を通る。好ましくは、この直線は、切り欠き部12aの幅方向の中心を通る。
切り欠き部12aの深さは、正極集電タブ13の厚さに一致することが好ましい。さらに、切り欠き部12aの幅は、正極集電タブ13の幅以上であることが好ましい。これらの条件が満たされる場合に、正極集電タブ13の厚さを全て切り欠き部12aによって吸収(相殺)できる。これにより、巻回素子1aのうち、正極集電タブ13が設けられる部分と、その周辺の部分との厚さをより均一にすることができる。
さらに、切り欠き部12aの幅は、正極集電タブ13の幅より大きいことが特に好ましい。この場合、巻回素子1a内で正極集電タブ13と切り欠き部12aとの間で位置ずれが生じた場合でも、切り欠き部12aは、このような位置ずれをも吸収することができる。すなわち、切り欠き部12aは、巻回素子1a内で正極集電タブ13と切り欠き部12aとの間で位置ずれが生じた場合でも、正極集電タブ13の厚さを吸収することができる。
なお、切り欠き部12aの深さは、正極集電タブ13の厚さより小さくてもよい。この場合、正極集電タブ13の厚さと切り欠き部12aの深さの差が、正極集電タブ13の厚さより小さいことが好ましい。この場合、正極集電タブ13の厚さのうち、切り欠き部12aの深さ分だけが切り欠き部12aによって吸収(相殺)される。また、切り欠き部12aの幅は、正極集電タブ13の幅より小さくてもよい。この場合、正極集電タブ13のうち、切り欠き部12aに対向する部分の厚さだけが切り欠き部12aによって吸収(相殺)される。
切り欠き部12bは、巻回素子1a中で負極集電タブ23に対向する位置に設けられる。すなわち、負極集電タブ23の幅方向の中心を通り、かつ負極集電タブ23の厚さ方向に伸びる直線を引いた場合、この直線は、切り欠き部12b内を通る。好ましくは、この直線は、切り欠き部12bの幅方向の中心を通る。
切り欠き部12bの深さは、負極集電タブ23の厚さに一致することが好ましい。さらに、切り欠き部12aの幅は、負極集電タブ23の幅以上であることが好ましい。これらの条件が満たされる場合に、負極集電タブ23の厚さを全て切り欠き部12bによって吸収(相殺)できる。さらに、巻回素子1aのうち、負極集電タブ23が設けられる部分と、その周辺の部分との厚さをより均一にすることができる。
さらに、切り欠き部12bの幅は、負極集電タブ23の幅より大きいことが特に好ましい。この場合、巻回素子1a内で負極集電タブ23と切り欠き部12bとの間で位置ずれが生じた場合でも、切り欠き部12bは、このような位置ずれをも吸収することができる。すなわち、切り欠き部12bは、巻回素子1a内で負極集電タブ23と切り欠き部12bとの間で位置ずれが生じた場合でも、負極集電タブ23の厚さを吸収することができる。
なお、切り欠き部12bの深さは、負極集電タブ23の厚さより小さくてもよい。この場合、負極集電タブ23の厚さと切り欠き部12bの深さの差が、負極集電タブ23の厚さより小さいことが好ましい。この場合、負極集電タブ23の厚さのうち、切り欠き部12bの深さ分だけが切り欠き部12bによって吸収(相殺)される。また、切り欠き部12bの幅は、負極集電タブ23の幅より小さくてもよい。この場合、負極集電タブ23のうち、切り欠き部12bに対向する部分の厚さだけが切り欠き部12bによって吸収(相殺)される。
また、図2(a)では、切り欠き部12a、12b及び正極集電タブ13を正極集電体11の同じ面に設けたが、これらを互いに異なる面に設けても良いことはもちろんである。また、切り欠き部12a、12bは、負極20に設けても良いことはもちろんである。また、図1では、切り欠き部12a、12bは、巻回素子1aの最内周部分に形成されている。すなわち、切り欠き部12a、12bは、正極集電タブ13、負極集電タブ23に近接する位置に設けられる。しかしながら、切り欠き部12a、12bの設置位置はこの位置に限られない。すなわち、切り欠き部12a、12bは、正極集電タブ13、負極集電タブ23に対向する位置(すなわち、これらの集電タブの幅方向の中心を通り、かつ巻回素子1aの厚さ方向に平行な直線が交差する位置)に設けられれば良い。また、切り欠き部12a、12bは、図1に示すように、開口面が正極集電タブ13、負極集電タブ23に対向することが好ましい。
正極集電タブ13は、例えば正極集電体11と同様の材料で構成される。正極集電タブ13は、正極10の長さ方向の先端に溶接される。具体的には、正極10の長さ方向の先端には、正極活物質層12が形成されていない未塗布部が形成される。この未塗布部に正極集電タブ13が設けられる。また、正極集電タブ13は、巻回素子1aの最内周部分に配置される。
正極10は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、正極活物質層12の材料を有機溶剤または水に分散させることで正極合剤スラリーを形成し、この正極合剤スラリーを正極集電体11上に塗工する。これにより、塗工層が形成される。ここで、正極合剤スラリーは、正極集電体11の長さ方向の先端には塗布しない。すなわち、正極集電体11の長さ方向の先端に未塗布部を形成する。また、正極合剤スラリーは、切り欠き部12a、12bには塗工しない。なお、切り欠き部12a、12bにも正極合剤スラリーを塗工しても良いが、他の部分よりも塗工層が薄くなる。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を正極集電体11とともに圧延する。その後、正極集電体11の未塗布部に正極集電タブ13を溶接する。これにより、正極10が作製される。
(負極及び負極集電タブの構成)
図1及び図2(b)に示すように、帯状負極20(以下、単に「負極20」とも称する)は、負極集電体21と、負極集電体21の両面に形成された負極活物質層22と、負極集電タブ23とを含む。
負極集電体21は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、銅、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。
負極活物質層22は、リチウムイオン二次電池1の負極活物質層として使用されるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、負極活物質層22は、負極活物質を含み、結着剤をさらに含んでいてもよい。負極活物質は、例えば、黒鉛活物質(人造黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛と天然黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛等)、ケイ素(Si)もしくはスズ(Sn)もしくはそれらの酸化物の微粒子と黒鉛活物質との混合物、ケイ素もしくはスズの微粒子、ケイ素もしくはスズを基本材料とした合金、およびLiTi12等の酸化チタン(TiO)系化合物等を使用することができる。なお、ケイ素の酸化物は、SiO(0≦x≦2)で表される。また、負極活物質としては、これらの他に、例えば金属リチウム等を使用することができる。ここで、負極活物質層22の厚さは特に制限されず、リチウムイオン二次電池の負極活物質層が有する厚さであればよい。また、負極活物質層22として金属リチウムを用いる場合、負極集電体21に金属リチウム箔を重ねれば良い。
負極集電タブ23は、例えば負極集電体21と同様の材料で構成される。負極集電タブ23は、負極20の長さ方向の先端に溶接される。具体的には、負極20の長さ方向の先端には、負極活物質層22が形成されていない未塗布部が形成される。この未塗布部に負極集電タブ23が設けられる。また、負極集電タブ23は、巻回素子1aの最内周部分に配置される。
負極20は、例えば、以下の方法により作製される。まず、負極活物質および結着剤を所望の割合で混合したものを、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることで負極合剤スラリーを形成する。次に、負極合剤スラリーを負極集電体21上に形成(例えば塗工)することで、塗工層を形成する。ここで、正極合剤スラリーは、負極集電体21の長さ方向の先端には塗布しない。すなわち、負極集電体21の長さ方向の先端に未塗布部を形成する。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を負極集電体21とともに圧延する。その後、負極集電体21の未塗布部に負極集電タブ23を溶接する。これにより、負極20が作製される。
(セパレータの構成)
セパレータ30は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池のセパレータとして使用されるものであれば、どのようなものであってもよい。セパレータ30としては、優れた高率放電性能を示す多孔質膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。セパレータ30を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン(polyethylene),ポリプロピレン(polypropylene)等に代表されるポリオレフィン(polyolefin)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate),ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)等に代表されるポリエステル(Polyester)系樹脂、PVDF、フッ化ビニリデン(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル(par fluorovinyl ether)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(trifluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン(fluoroethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン(hexafluoroacetone)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン(propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン(trifluoro propylene)共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)−ヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン(ethylene)−テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)共重合体等を挙げることができる。
また、セパレータ30の両面には、接着層が形成されることが好ましい。接着層は、各電極とセパレータ30との接着力を向上させるものであり、多孔質体となっている。接着層は、非水電解質二次電池に使用されるものであれば特に制限されない。接着層を構成する好ましい樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系のフッ素樹脂が挙げられる。このようなフッ素樹脂としては、例えば、PVDFの他、フッ化ビニリデン(VDF)と他の単量体(ヘキサフルオロプロピレン(HFP)等)との共重合体等が挙げられる。
フッ素系樹脂を含む接着層は、例えば以下の第1の方法または第2の方法によりセパレータ30の表面に形成される。
第1の方法では、NMP(N−メチルピロリドン)、ジメチルアセトアミド、アセトン(acetone)等の有機溶剤中にフッ素樹脂を溶解させることでスラリー(slurry)を作製する。そして、このスラリーをセパレータ30に塗工後、水、メタノール、トリプロピレングリコール等の貧溶媒を用いてフッ素樹脂を相分離させることでフッ素樹脂を多孔質化させた接着層を形成する。第2の方法では、フッ素樹脂をジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等を溶媒とする加熱電解液中に溶解させることで加熱スラリーを作製する。そして、この加熱スラリーをセパレータ30に塗工することで塗工層を形成する。そして、塗工層を冷却することで、フッ素樹脂をゲル(電解液で膨潤した多孔質膜)に転移させる。すなわち、接着層を作製する。
このような接着層をセパレータ30の表面に形成する趣旨は以下のとおりである。すなわち、外装材がラミネートとなる場合、充放電に伴って正極10、負極20の膨張収縮がおこりやすい。そして、このような膨張収縮の結果、リチウムイオン二次電池1内部の応力が集中する部分(集電タブ及びその周辺部分)が生じ、そこを起点としてリチウムイオン二次電池1の座屈、ゆがみが生じる場合がある。さらに、座屈、ゆがみが生じることにより、正極10、負極20間の極間距離が不均一となり、リチウムイオンのスムーズな移動が妨げられる。この結果、充放電サイクルに伴う容量劣化や電池厚みの増加が顕著になってしまう。
本実施形態では、このような座屈、歪みを切り欠き部12a、12bによって低減するが、上記接着層をセパレータ30に設けることで、座屈、歪みがさらに低減される。すなわち、接着層をセパレータ30の表面に形成することで、セパレータ30と各電極との接着力が向上するので、電池の内部応力によるゆがみ、正負極間の極間距離が不均一になることを抑制することが期待できる。このような接着層をセパレータ30に設けた場合、電極積層体のプレスは、例えばヒートプレスによって行われることが好ましい。これによって、接着層による接着力が発現しやすくなる。ヒートプレスの条件は特に制限されないが、例えば、温度は25〜150℃、圧力は10〜100kgf/cmであることが好ましい。加熱を伴わない場合であっても、プレスの圧力は10〜100kgf/cmであることが好ましい。
なお、接着層には、リチウムイオン二次電池1の耐熱性等を向上するために、耐熱性フィラーを添加してもよい。耐熱性フィラーは、例えばセラミック粒子であり、より具体的には、金属酸化物粒子である。金属酸化物粒子としては、例えばアルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の微粒子が挙げられる。
(非水電解質溶液の構成)
非水電解質溶液は、電解質を有機溶媒に溶解させた溶液である。電解質は特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF,LiPF6−x(C2n+1(但し、1<x<6,n=1or2),LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−CNClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム(stearyl sulfonic acid lithium)、オクチルスルホン酸リチウム(octyl sulfonic acid)、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム(dodecyl benzene sulphonic acid)等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。なお、電解質塩の濃度は、従来のリチウム二次電池で使用される非水電解液と同様でよく、特に制限はない。本実施形態では、適当なリチウム化合物(電解質塩)を0.8〜1.5mol/L程度の濃度で含有させた非水電解液を使用することができる。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(propylene carbonate)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate)、ブチレンカーボネート(ethylene carbonate)、クロロエチレンカーボネート(chloroethylene carbonate)、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate)等の環状炭酸エステル(ester)類;γ−ブチロラクトン(butyrolactone)、γ−バレロラクトン(valerolactone)等の環状エステル類;ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate)等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル(methyl formate)、酢酸メチル(methyl acetate)、酪酸メチル(butyric acid methyl)、酢酸エチル(ethyl acetate)、プロピオン酸エチル(ethyl propionate)等の鎖状エステル類;テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)またはその誘導体;1,3−ジオキサン(dioxane)、1,4−ジオキサン(dioxane)、1,2−ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、1,4−ジブトキシエタン(dibutoxyethane)、メチルジグライム(methyl diglyme)等のエーテル(ether)類;アセトニトリル(acetonitrile)、ベンゾニトリル(benzonitrile)等のニトリル(nitrile)類;ジオキソラン(Dioxolane)またはその誘導体;エチレンスルフィド(ethylene sulfide)、スルホラン(sulfolane)、スルトン(sultone)またはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。非水電解質溶液は、セパレータ30に含浸される。なお、上記の各電極には、公知の導電助剤、添加剤等を適宜加えてもよい。
(外装材の構成)
外装材の構成は特に制限されず、非水電解質二次電池に適用可能なものであれば本実施形態でも好適に使用可能である。例えば、外装材は、アルミラミネート等のラミネートであってもよい。外装材がラミネートとなる場合、外装材は巻回素子1aの形状変化を抑制しにくい。したがって、本実施形態による効果が特に顕著に現れる。
<3.非水電解質リチウムイオン二次電池の製造方法>
次に、非水電解質リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
(帯状正極の作製及び集電タブの取り付け)
正極10は、例えば、以下の方法により作製される。すなわち、正極活物質層12の材料を有機溶剤または水に分散させることで正極合剤スラリーを形成し、この正極合剤スラリーを正極集電体11上に塗工する。これにより、塗工層が形成される。ここで、正極合剤スラリーは、正極集電体11の長さ方向の先端には塗布しない。すなわち、正極集電体11の長さ方向の先端に未塗布部を形成する。また、正極合剤スラリーは、切り欠き部12a、12bには塗工しない。なお、切り欠き部12a、12bにも正極合剤スラリーを塗工しても良いが、他の部分よりも塗工層が薄くなる。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を正極集電体11とともに圧延する。その後、正極集電体11の未塗布部に正極集電タブ13を溶接する。これにより、正極10が作製される。
(帯状負極の作製及び集電タブの取り付け)
負極20は、例えば、以下の方法により作製される。まず、負極活物質および結着剤を所望の割合で混合したものを、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることで負極合剤スラリーを形成する。次に、負極合剤スラリーを負極集電体21上に形成(例えば塗工)することで、塗工層を形成する。ここで、正極合剤スラリーは、負極集電体21の長さ方向の先端には塗布しない。すなわち、負極集電体21の長さ方向の先端に未塗布部を形成する。ついで、塗工層を乾燥する。ついで、乾燥した塗工層を負極集電体21とともに圧延する。その後、負極集電体21の未塗布部に負極集電タブ23を溶接する。これにより、負極20が作製される。
(巻回素子及び電池の製造方法)
ついで、負極20、セパレータ30、正極10、及びセパレータ30をこの順で積層することで電極積層体を作製する。ついで、電極積層体を巻き芯に巻きつけることで、円筒状の巻回素子を作製する。ついで、円筒状の巻回素子をプレスする(接着層が存在する場合にはヒートプレスを行うことが好ましい)。ヒートプレスの条件は特に制限されないが、例えば、温度は25〜150℃、圧力は10〜100kgf/cmであることが好ましい。加熱を伴わない場合であっても、プレスの圧力は10〜100kgf/cmであることが好ましい。
これにより、扁平状の巻回素子1aを作製する。なお、正極集電タブ13、負極集電タブ23に対向する位置には切り欠き部12a、12bが配置されている。したがって、これらの切り欠き部12a、12bによって正極集電タブ13、負極集電タブ23の厚さが吸収(相殺)される。したがって、巻回素子1aのうち、正極集電タブ13、負極集電タブ23が形成された部分と、他の部分との厚さの差を低減することができる。すなわち、巻回素子1aの厚さをより均一にすることができる。この結果、リチウムイオン二次電池1内のひずみ、座屈を抑制することができ、ひいては、リチウムイオン二次電池1の膨張を抑えることができる。この結果、リチウムイオン二次電池1のサイクル特性の改善が期待できる。
ついで、巻回素子1aを非水電解液とともに外装体(例えばラミネートフィルム)に挿入し、外装体を封止することで、リチウムイオン二次電池1を作製する。なお、外装体を封止する際には、正極集電タブ13、負極集電タブ23を外装体の外部に突出させる。
<4.変形例>
図3に本実施形態の変形例を示す。この変形例では、正極集電タブ13が切り欠き部12a内に設けられる。この変形例でも上述した実施形態と同様の効果が得られる。なお、図3では未塗布部が形成されているが、この変形例では、未塗布部はなくてもよい。また、本変形例では、切り欠き部12a内に正極集電タブ13が形成されるので、切り欠き部12aの裏面側に正極活物質層12が存在する場合、正極集電タブ13を切り欠き部12a内に溶接できない場合がある。その一方、切り欠き部12aの裏面側に正極活物質層12を形成しないと、この部分が新たな切り欠き部となる。このため、切り欠き部の総深さが正極集電タブ13の厚さを超える場合がある。この場合、巻回素子1aの厚さが不均一になってしまう。そこで、本変形例では、切り欠き部12aの裏面側に正極活物質層12の代わりにスペーサを配置してもよい。スペーサの幅は切り欠き部12aの幅と略同一であることが好ましい。スペーサの厚さは、裏面側の正極活物質層12の厚さと異なっていても良いが、裏面側の正極活物質層12の厚さと略同一であることが好ましい。スペーサは、例えば正極集電タブ13と同じ材料で構成されればよい。
(実施例1)
(正極の作製)
コバルト酸リチウム、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分の質量比96:2:2で乾式混合することで正極合剤を作成し、この正極合剤をN−メチルピロリドン中に溶解分散させることで正極合剤スラリーを作製した。ついで、厚さ12μmのアルミ箔集電体を正極集電体11として用意し、正極集電体11のうち、切り欠き部12a、12bとなる部分を特定した。そして、正極合剤スラリーを正極集電体11の両面に塗工することで、塗工層を作製した。ここで、切り欠き部12a、12bには正極合剤スラリーを塗工しなかった。また、正極集電体11の長さ方向の先端にも正極合剤スラリーを塗工しなかった。
ついで、塗工層を乾燥し、乾燥した塗工層を正極集電体11とともに圧延した。ついで、正極集電体11の未塗布部に正極集電タブ13を超音波溶接した。正極集電タブ13は、幅3mm、厚さ60μmのAl板とした。以上の工程により正極10を作製した。なお、正極活物質層12の面密度及び充填密度は、正極集電体11の両面に正極活物質層12が形成されている部分で45mg/cm、及び3.95g/ccであった。また、正極活物質層12の厚さは、正極集電体11の片面あたり57μmであった。切り欠き部12a、12bの幅は5mm、深さは57μmであった。
(負極の作製)
炭素材(人造黒鉛)、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、及びSBR(スチレンブタジエンゴム)を98:1:1の質量比で混合することで負極合剤を作製した。ついで、負極合剤を溶媒である水に分散させることで、負極合剤スラリーを得た。ついで、この負極合剤スラリーを、負極集電体21としての厚み6μmの銅箔の両面に塗工することで、塗工層を作製した。ここで、負極集電体21の長さ方向の先端には負極合剤スラリーを塗工しなかった。ついで、塗工層を乾燥し、乾燥した塗工層を負極集電体21とともに圧延した。
ついで、負極集電体21の未塗布部に負極集電タブ23を超音波溶接した。負極集電タブ23は、幅3mm、厚さ70μmのNi板とした。以上の工程により負極20を作製した。負極集電体21上の負極活物質層22の面密度及び充填密度は、負極集電体21の両面に負極活物質層22が形成されている部分で23mg/cm、1.65g/ccであった。
(セパレータの作製)
ポリフッ化ビニリデン(KF9300;クレハ製)をN−メチル−2−ピロリドンに対して5質量%となるように加え、撹拌して完全に溶解させた。次にディップコータを用いて厚さ9マイクロメートルのポリエチレン製微多孔膜上の両面に塗布し、水浴で凝固させた後、乾燥させることで両面にポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる層を備えるセパレータ30を得た。乾燥後のセパレータ30の膜厚は12μmであった。
(二次電池の製造)
以上のようにして作製した正極10、負極20及びセパレータ30を、負極20、セパレータ30、正極10、及びセパレータ30の順で積層することで、電極積層体を作製した。ついで、電極積層体を直径3cmの巻き芯に巻きつけた。巻回方向は電極積層体の長さ方向とした。これにより、円筒状の巻回素子を作製した。巻回素子の端部をテープにて固定した後、巻き芯を取り除いた。ついで、巻回素子を厚さ3cmの2枚の金属プレートの間に挟むことで、巻回素子を押しつぶした。これにより、巻回素子1aを得た。巻回素子1aを目視で観察したところ、切り欠き部12a、12bは正極集電タブ13、負極集電タブ23に対向する位置に配置されていた。
ついで、巻回素子1aをポリプロピレン/アルミ/ナイロンの3層からなる厚み120μmのラミネートフィルムからなる外装材に挿入し、正極集電タブ13、負極集電タブ23を熱融着により外装材に取り出した。ついで、巻回素子1aを収容した外装部材内に、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとをエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7の質量比で混合した溶媒に1.2mol/lの割合で六フッ化リン酸リチウムを溶解させた電解液を注入し、減圧下で外装材の残りの1辺を熱融着して減圧封止した。これを金属板間で80℃3分間加熱することで、実施例に係るリチウムイオン二次電池1を得た。
(特性評価)
以上のようにして作製した非水二次電池を用いて充放電サイクル試験を行った。1サイクル目のみ0.2Cで定電流定電圧充電(CC−CV)、4.35Vで0.05Cカットオフで充電し、放電は定電流放電(CC)、0.5Cで3.5Vカットオフとした。2サイクル目以降は、充電、放電ともに0.7Cとして同様な方法で充放電試験を行った。一方、サイクル試験中のリチウムイオン二次電池1の厚さを、リチウムイオン二次電池1に平板金属板を30g/cmの力で押しあてることで測定した。厚さの測定は、1サイクル後、100サイクル後、200サイクル後、300サイクル後、400サイクル後、500サイクル後に行った。評価結果を表1にまとめて示す。
(実施例2)
切り欠き部12a内に正極集電タブ13を溶接した他は、実施例1と同様の処理を行った。なお、実施例2では、切り欠き部12aの裏面側に正極活物質層12の代わりにスペーサを配置した。スペーサの幅は切り欠き部12aの幅と同一とし、厚さは正極集電体11の片面あたりの厚さと同じとした。スペーサの材質はAlとした。評価結果を表1にまとめて示す。
(比較例)
切り欠き部12a、12bを設けなかった他は実施例1と同様の処理を行った。評価結果を表1にまとめて示す。
実施例1、2、及び比較例の厚さの増加量を比較すると、実施例1、2の厚さの増加量は、比較例よりも小さくなった。例えば、300サイクル時の厚さを比較すると、比較例の300サイクル時の厚さは、1サイクル時の厚さに対して0.182mm増加していた。これに対し、実施例1の300サイクル時の厚さは、1サイクル時の厚さに対して0.145mm増加していた。実施例2の300サイクル時の厚さは、1サイクル時の厚さに対して0.150mm増加していた。このように、実施例1、2は、比較例よりもリチウムイオン二次電池1の膨張を抑制することができた。したがって、実施例1、2では、巻回素子1a内の電極の座屈、ゆがみも抑制されていると推定される。
以上により、本実施形態によれば、切り欠き部12a、12bによって正極集電タブ13、負極集電タブ23の厚さを吸収することができるので、巻回素子1aの厚さをより均一にすることができる。この結果、リチウムイオン二次電池1内の電極の座屈、ゆがみを抑制することができ、ひいては、リチウムイオン二次電池1の膨張を抑制することができる。さらに、切り欠き部12a、12bによって正極集電タブ13、負極集電タブ23の厚さを吸収することができるので、巻回素子1aの厚さ(具体的には、正極集電タブ13、負極集電タブ23が形成される部分の厚さ)が薄くなる。このため、リチウムイオン二次電池1の体積エネルギー密度が向上することも期待できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 リチウムイオン二次電池
1a 巻回素子
10 正極
11 正極集電体
12 正極活物質層
12a、12b 切り欠き部
13 正極集電タブ
20 負極
21 負極集電体
22 負極活物質層
23 負極集電タブ

Claims (7)

  1. 帯状集電体と、
    前記帯状集電体に設けられた集電タブと、
    前記帯状集電体に設けられた活物質層と、
    前記活物質層内に設けられた切り欠き部と、を備え、
    前記切り欠き部は、前記集電タブに対向する位置に形成されることを特徴とする、非水電解質二次電池用巻回素子。
  2. 前記切り欠き部の幅は、前記集電タブの幅以上であることを特徴とする、請求項1記載の非水電解質二次電池用巻回素子。
  3. 前記切り欠き部の幅は、前記集電タブの幅より大きいことを特徴とする、請求項2記載の非水電解質二次電池用巻回素子。
  4. 前記集電タブの厚さと前記切り欠き部の深さの差が、前記集電タブの厚さより小さいことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用巻回素子。
  5. 前記集電タブは、正極集電タブと、負極集電タブとで構成され、
    前記切り欠き部は、前記正極集電タブに対向する位置と、前記負極集電タブに対向する位置との各々に形成されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用巻回素子。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用巻回素子を備えることを特徴とする、非水電解質二次電池。
  7. 外装材がラミネートであることを特徴とする、請求項6記載の非水電解質二次電池。
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