JP6389732B2 - 第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物およびその製造方法 - Google Patents

第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、加熱することにより、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成することができる有機亜鉛化合物を原料として調製した、発火性がなく取扱いが容易な第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物およびその製造方法に関する。
可視光線に対して高い透過性を有すマグネシウム(Mg)を代表とする第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜は、例えば、酸化亜鉛と酸化マグネシウムとの混晶(Zn1-xMgxO)を形成することによりバンドギャップを広くすることができることから酸化亜鉛光触媒膜、紫外線カット膜、赤外線反射膜、帯電防止膜等に使用され、幅広い用途を持つ。
第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の製造方法としては種々の方法が知られている。例えば、金属源として無機亜鉛化合物を原料として用いる代表的な方法としては、スパッタリング法によるZnMgO薄膜の形成が知られている(非特許文献1)。一方、有機亜鉛化合物を原料として用いる手法として、ジエチル亜鉛を原料として用いる成膜方法が知られており、特に、化学気相成長(CVD)法が広く用いられている。このCVD法の例としては、例えば、減圧下において、それ自身を気化させて使用する方法(非特許文献2)、ヘキサンなどの溶剤に溶解し、溶剤とともに気化させて使用する方法(特許文献1)等が報告されている。
特開2005−298874号公報 特開2010−254481号公報 特開2011−168407号公報 特開2012−106916号公報
「スパッタリングによるバッファ層を用いたCIGS 太陽電池の高効率化」、佐藤 正律、渡部 修、中川 隆史、柴田 肇、仁木 栄 第60 回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集 28a-G4-7(2013 春 神奈川工科大学) "Growth of Polycrystalline Zn1-XMgXO Thin Films Using EtCp2Mg and MeCp2Mg by Metal Organic Chemical Vapor Deposition" Yoshiyuki Chiba, Fanying Meng, Akira Yamada and Makoto Konagai , Jpn. J. Appl. Phys. 46 (2007) pp. 5040-5043
しかしながら、このジエチル亜鉛を原料として用いる成膜方法において、CVD法では、一般的には大型の真空容器を用いる必要があり、かつ製膜速度が非常に遅いために製造コストが高くなる。また、真空容器の大きさにより形成することのできる酸化亜鉛薄膜の大きさが制限される為に大型のものを形成することができない等の問題があった。
またCVD法による第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成においては、有機亜鉛化合物と第2族元素を含む化合物とをそれぞれ独立した供給装置から成膜装置に導入し、水と反応することで第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を成膜するが、各々の元素の酸化物形成速度が異なり、亜鉛と第2族元素とからなる酸化物について所望の元素組成比を得るために、原料供給に対して組成がずれないように各原料の厳密な制御がそれぞれ必要である(非特許文献2)。
このように、亜鉛元素の原料としてジエチル亜鉛を用いた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の形成方法においては、CVD法を用いていることから、前述のように真空装置の使用やジエチル亜鉛、水、第2族元素等の複数の原料を独立して供給する装置が必要等の装置コストや所望の元素組成比を得るために各原料供給の際に厳密な制御が必要といった課題がある。
上記の課題があることから、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜酸化物の成膜においては、真空を使用しない塗布成膜方法のような簡便な方法が望まれている。
本発明者らは、ジエチル亜鉛といったアルキル亜鉛を部分加水分解した組成物を用いることにより、組成物の塗布後に300℃以下といった低温で加熱することで酸化亜鉛の形成が容易に可能なことを見出した(特許文献2、3および4)。
しかしながら、ジエチル亜鉛といったアルキル亜鉛を原料とした部分加水分解物に第2族元素を含有させたものにおいて、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の形成に適した、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜酸化物製造用組成物およびその製造方法については未だ不明である。
本発明の目的は、有機亜鉛化合物として、ジエチル亜鉛といったアルキル亜鉛を原料とした部分加水分解物を用いる方法において、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の形成を1液での塗布成膜で可能とする、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物およびその製造方法を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物及び第2族元素を有機溶媒に溶解した溶液(但し、この溶液は、第13族元素をさらに含むことができる)であることを特徴とする、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
(有機亜鉛化合物)
1−Zn−R1 (1)
(式中、R1 は炭素数1〜7の直鎖または分岐したアルキル基である)
[2]
前記第2族元素が、下記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、
下記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び
下記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物
から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含まれることを特徴とする、請求項1記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
(有機第2族元素化合物A)
2−M−R2・(L)n (2)
(式中、Mは第2族元素であり、R2 は独立に、水素、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
(有機第2族元素化合物B)
3−M−X・(L)n (3)
(式中、Mは第2族元素であり、R3 は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
(無機第2族元素化合物)
cd・aH2O (4)
(式中、Mは第2族元素であり、Yは、水素、ハロゲン原子、硝酸根(NO3 -)または硫酸根(SO4 2-)であり、Yが水素、ハロゲン原子または硝酸根の場合、cは1、dは2、Y が硫酸根の場合、cは1、dは1、aは0〜9の整数である。)
[3]
第13族元素が、下記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物及び下記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含有されることを特徴とする、請求項1又は2記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
(式中、Aは第13族元素であり、R4 、R5 、R6 は独立に、水素、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
(無機第13族元素化合物)
ef・aH2O (6)
(式中、Aは第13族元素であり、Zは、ハロゲン原子、硝酸根(NO3 -)または硫酸根(SO4 2-)であり、Zがハロゲン原子または硝酸根の場合、eは1、fは3、Zが硫酸根の場合、eは2、fは3、aは0〜9の整数である。)
[4]
一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物、
一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、
一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び
一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物は、
前記化合物を、独立に、各化合物に対するモル比で0.05以上、 0.8以下の範囲で水を用いて部分的に、又は少なくとも部分的に加水分解して得た物であるか、又は少なくとも一部若しくは全部が、前記各化合物を、そのモル数の合計に対してモル比で0.05以上、 0.8以下の範囲で水を用いて部分的に、又は少なくとも部分的に加水分解して得た物である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
[5]
有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび無機第2族元素化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.001〜4の割合である請求項1〜4のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
[6]
亜鉛、第2族元素及び第13族元素を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
[7]
有機第13族元素化合物及び無機第13族元素化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.000001〜0.5の割合である請求項6に記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
[8]
前記有機亜鉛化合物の部分加水分解物、有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物の濃度の合計が0.1〜30質量%の範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
[9]
前記有機亜鉛化合物は、R1 が炭素数1〜6のアルキル基である化合物である請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記有機亜鉛化合物がジエチル亜鉛である請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
[11]
前記第2族元素が、Ca、Mg、Ba及びSrから成る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
[12]
前記第2族元素が、Mgである請求項11に記載の組成物。
[13]
前記有機第2族元素化合物Aは、R2 が炭素数1〜8のアルキル基である化合物である請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
[14]
前記有機第2族元素化合物Aが、エチルブチルマグネシウム、ジブチルマグネシウムである請求項13に記載の組成物。
[15]
前記有機第13族元素が、B、Al、Ga及びInから成る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
[16]
前記有機第13族元素化合物が、R4、R5、R6が独立に炭素数1〜8のアルキル基である化合物である請求項15に記載の組成物。
[17]
前記有機第13族元素化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム又はトリエチルインジウムである請求項16に記載の組成物。
[18]
前記有機溶媒が電子供与性有機溶媒および/または炭化水素化合物である請求項1〜17記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物
[19]
前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物及び第2族元素が有機溶媒に溶解した溶液(但し、この溶液は、第13族元素をさらに含むことができる)を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物の製造方法であって、下記[1]〜[6]のいずれかの工程を含む方法。
工程[1]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aを含有する有機溶媒に水を添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
工程[2]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aおよび前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を含有する有機溶媒及び水を、独立に又は一緒に混合して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
工程[3]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、及び前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに水を独立に、又は一緒に添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aおよび有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物(但し、一般式(4)で表される無機第2族元素化合物は除く)のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
工程[4]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒と、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒、前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物及び下記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに水を独立に、又は一緒に混合して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B及び有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物(但し、一般式(4)で表される無機第2族元素化合物及び一般式(6)で表される無機第13族元素化合物は除く)のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
工程[5]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に水を添加して、前記有機亜鉛化合物の部分加水分解物を得(但し、水添加量は、前記有機亜鉛化合物に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、次いで得られた有機亜鉛化合物の部分加水分解物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒を添加して組成物を得る工程(但し、前記有機第2族元素化合物A及び前記有機第2族元素化合物Bをそれぞれ少なくとも部分的に加水分解する場合の水添加量は、それぞれモル比で0.05以上、0.8以下の範囲であり、前記有機第2族元素化合物A及び前記有機第2族元素化合物Bの混合物を加水分解する場合には、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
工程[6]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に水を添加して、前記有機亜鉛化合物の部分加水分解物を得(但し、水添加量は、前記有機亜鉛化合物に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、次いで得られた有機亜鉛化合物の部分加水分解物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒を添加して組成物を得る工程(但し、前記有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物B及び前記有機第13族元素化合物をそれぞれ少なくとも部分的に加水分解する場合の水添加量は、それぞれモル比で0.05以上、0.8以下の範囲であり、前記有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物B及び前記有機第13族元素化合物の混合物を加水分解する場合には、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)。
[20]
工程[2]または[3]において、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aおよび前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bの各化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を添加して、前記有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A及び有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解する、請求項19記載の製造方法。
[21]
工程[4]において、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bおよび前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物の各化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を添加して、前記有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解する、請求項19記載の製造方法。
本発明によれば、塗布および加熱を行うだけで第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を容易に製造することができる。さらに、前記2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を容易に製造することができる、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物を製造することもできる。
スプレー成膜装置を示す図である。 実施例4で得られた組成物の減圧濃縮後の1H−NMRスペクトル 実施例4で得られた組成物の原料として用いたジエチル亜鉛(東ソー・ファインケム社製)1H−NMRスペクトル 実施例4で得られた組成物の原料として用いた、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)を減圧濃縮後の1H−NMRスペクトル 実施例4で得られた組成物の原料として用いた、1,2−ジエトキシエタンの1H−NMRスペクトル 実施例4で得られた組成物の減圧濃縮後のFT−IRスペクトル 参考例1で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の走査型電子顕微鏡写真(薄膜表面) 参考例1で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の走査型電子顕微鏡写真(薄膜断面) 参考例2で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の走査型電子顕微鏡写真(薄膜表面) 参考例2で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の走査型電子顕微鏡写真(薄膜断面) 参考例2で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜のXRD チャート 参考例10記載の参考例1および参考例3〜5で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の600nm以下の透過率 参考例11記載の参考例6〜8で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の600nm以下の透過率 参考例13で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜のXRD チャート
[第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物]
上記課題を解決するための本発明について、以下詳細に説明する。
本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物は、下記の組成物A、組成物Bおよび組成物Cのいずれかである。
<組成物A>
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物及び第2族元素が有機溶媒に溶解した溶液であることを特徴とする、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物であり、前記溶液は、第13族元素をさらに含むことができる。
(有機亜鉛化合物)
1−Zn−R1 (1)
(式中、R1 は炭素数1〜7の直鎖または分岐したアルキル基である)
<組成物B>
組成物Bは前記組成物Aにおいて、前記第2族元素が、下記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、
下記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び
下記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物
から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含まれることを特徴とする、組成物である。
(有機第2族元素化合物A)
2−M−R2・(L)n (2)
(式中、Mは第2族元素であり、R2 は独立に、水素、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
(有機第2族元素化合物B)
3−M−X・(L)n (3)
(式中、Mは第2族元素であり、R3 は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
(無機第2族元素化合物)
cd・aH2O (4)
(式中、Mは第2族元素であり、Yは、水素、ハロゲン原子、硝酸根(NO3 -)または硫酸根(SO4 2-)であり、Y が水素、ハロゲン原子または硝酸根の場合、cは1、dは2、Yが硫酸根の場合、cは1、dは1、aは0〜9の整数である。)
<組成物C>
組成物Cは、前記組成物A及び前記組成物Bにおいて、第13族元素が、下記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物及び下記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含有されることを特徴とする組成物である。
(式中、Aは第13族元素であり、R4 、R5 、R6 は独立に、水素、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
(無機第13族元素化合物)
ef・aH2O (6)
(式中、Aは第13族元素であり、Zは、ハロゲン原子、硝酸根(NO3 -)または硫酸根(SO4 2-)であり、Zがハロゲン原子または硝酸根の場合、eは1、fは3、Zが硫酸根の場合、eは2、fは3、aは0〜9の整数である。)
前記組成物A、B及びCにおいては、
一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物、
一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、
一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び
一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物は、
前記化合物を、独立に、各化合物に対するモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を用いて部分的に、又は少なくとも部分的に加水分解して得た物であるか、又は少なくとも一部若しくは全部が、前記各化合物を、そのモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を用いて部分的に、又は少なくとも部分的に加水分解して得た物であることができる。部分加水分解物調製に用いる水のモル比は、好ましくは0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲である。
尚、一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物は、それぞれの化合物を、部分的に加水分解した部分加水分解物であるか、または完全に加水分解した完全加水分解物であるか、両者の混合物であることを意味する。
さらに前記組成物B及びCにおいては、
有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび無機第2族元素化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.001〜4の割合であることができる。この割合(モル比)は、0.001〜0.5の範囲が好ましい。即ち、有機第2族元素化合物A及び有機第2族元素化合物Bは、少なくとも部分的に加水分解した加水分解物を含み、有機亜鉛化合物は、部分加水分解物を含む。
さらに前記Cにおいては、亜鉛、第2族元素及び第13族元素を含有することが好ましく、さらに有機第13族元素化合物及び無機第13族元素化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.000001〜0.5の割合であることが好ましい。この割合(モル比)は、0.00001〜0.1の範囲が好ましい。即ち、有機第13族元素化合物は、少なくとも部分的に加水分解した加水分解物を含み、有機亜鉛化合物は、部分加水分解物を含む。
前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物におけるR1 として表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、2−ヘキシル基、およびヘプチル基を挙げることができる。一般式(1)で表される化合物は、R1 が炭素数1、2、3、4、5、または6の化合物であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物は、特にR1 が炭素数2である、ジエチル亜鉛であることが好ましい。
前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aは、Mとして表される金属としてCa、Mg、Ba、Srを挙げることができるが、これらの中でも特にMgが好ましい。また、R2は水素あるいはアルキル基やシクロペンタジエニル基であることも好ましく、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、2−ヘキシル基、およびヘプチル基を挙げることができ、シクロペンタジエニル基としては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基を挙げることが出来る。Lとして表される配位子は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、モノフォリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリフェニルフォスフィン、ジメチル硫黄、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランを挙げることができる。一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aは、特に、エチルブチルマグネシウム、ジn−ブチルマグネシウム、ジsec-ブチルマグネシウム、ジtert−ブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルマグネシウムを挙げることができ、これらの中でも、エチルブチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、ビスシクロペンタジエニルが好ましく、価格が安く入手が容易であるという点から、エチルブチルマグネシウム、ジブチルマグネシウムが特に好ましい。
また、これら一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aにおいて、上記のR2 及びR3 が水素あるいはアルキル基やシクロペンタジエニル基であるアルキル基であるものは、本発明で溶媒として用いることのできる電子供与性有機溶媒や炭化水素化合物に溶解したものとして使用することもでき、例えば、エチルブチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム等、アルキルマグネシウム化合物のヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン溶液、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム等、シクロペンタジエニルマグネシウムのトルエン溶液等、本発明で溶媒として用いることのできる炭化水素化合物に溶解したものとして使用することが出来る。
炭化水素化合物溶液に対するアルキルマグネシウム化合物の溶解性や安定性を向上させるため、通常、トリエチルアルミニウムやトリオクチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム等の第13族元素を有するアルキル金属化合物を共存させることが知られている。本発明においても、アルキルマグネシウム化合物の炭化水素化合物溶液にアルキルアルミニウム等の第13族元素を有するアルキル金属化合物が共存したものを用いることが出来、例えば、エチルブチルマグネシウム/ヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム含有)やジブチルマグネシウム/ヘプタン(トリエチルアルミニウム含有)溶液等を用いることが出来る。
また、R2が、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、sec-プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチルアセトナト基であるものも用いることができ、これらの具体的な例として、例えば、ジエトキシカルシウム、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジi−プロポキシマグネシウム、ジn−ブトキシマグネシウム、ジsec−ブトキシマグネシウム、ジエトキシバリウム、ジtert−ブトキシバリウム、ジi−プロポキシストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム、カルシウムアセチルアセトナト、マグネシウムアセチルアセトナト、バリウムアセチルアセトナト、ストロンチウムアセチルアセトナト等を挙げることができる。
前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物BにおけるMとして表される金属としては、Ca、Mg、Ba、Srを挙げることができるが、これらの中でも特にMgが好ましい。また、R3 はアルキル基、アリール基やシクロペンタジエニル基であることも好ましく、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、2−ヘキシル基、およびヘプチル基を挙げることができ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トルイル基を挙げることが出来、またシクロペンタジエニル基としては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基を挙げることが出来る。一般式(3)におけるXは、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることが出来る。
この一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bは、特に、メチルマグネシウムアイオダイド、メチルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、イソプロピルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイドを挙げることができる。
これら、一般式(3)で表される有機第2族元素化合物BでMがMgのものは、Grignard試薬として良く知られており、本発明で溶媒として用いることのできる電子供与性有機溶媒に溶解したものとして供され、例えば、エチルブチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム等、アルキルマグネシウム化合物のテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルおよびアニソール溶液等の電子供与性有機溶媒に溶解したものとして使用することが出来る。
前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物におけるMとして表される金属の具体例としては、Ca、Mg、Ba、Srを挙げことができる。また、Yとして表される塩の具体例としては、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸、を挙げることができる。
一般式(4)で表される無機第2族元素化合物として、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができ、水素化カルシウム、水素化マグネシウム等の無機水素化物を挙げることができる。
前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物におけるMとして表される金属の具体例としては、B、Al、Ga、Inを挙げることができる。また、R4 、R5 、及びR6 は水素あるいはアルキル基であることが好ましく、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、2−ヘキシル基、およびヘプチル基を挙げることができる。R4 、R5 、及びR6は、少なくとも1 つが水素であり、残りがアルキル基であることも好ましい。Lとして表される配位子は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、モノフォリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリフェニルフォスフィン、ジメチル硫黄、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランを挙げることができる。
一般式(5)で表される有機第13族元素化合物は、特に、ジボラン、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボラン−トリエチルアミン錯体、トリエチルボラン、トリブチルボラン、アラン−トリメチルアミン錯体、アラン−トリエチルアミン錯体、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムヒドリド、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウムを挙げることができる。価格が安く入手が容易であるという点から、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウムが特に好ましい。
また、R4 、R5 、及びR6がメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、sec−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基のアシルオキシ基、アセチルアセトナト基であるものも用いることができ、これらの具体的な例として、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリn−ブチル、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシド、ガリウムトリエトキシド、ガリウムトリイソプロポキシド、ガリウムsec−ブトキシド、ガリウムn−ブトキシド、ガリウムtert−ブトキシド、インジウムトリエトキシド、インジウムトリイソプロポキシド、インジウムsec−ブトキシド、インジウムn−ブトキシド、インジウムtert−ブトキシド、酢酸アルミニウム、酢酸ガリウム、酢酸インジウム、アルミニウムトリアセチルアセトナト、ガリウムトリアセチルアセトナト、インジウムアセチルアセトナト等を挙げることができる。
前記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物におけるMとして表される金属の具体例としては、B、Al、Ga、Inを挙げることができる。また、Z として表される塩の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、硝酸、硫酸、リン酸を挙げることができる。
一般式(6)で表される無機第13族元素化合物は、特に、塩化ホウ素、塩化アルミニウム6水和物、硝酸アルミニウム9水和物、塩化ガリウム、硝酸ガリウム水和物、塩化インジウム4水和物、硝酸インジウム5水和物等を挙げることができる。
有機溶媒は、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、有機亜鉛化合物、有機第13族元素化合物および水に対して溶解性を有するものであればよいが、特に、電子供与性有機溶媒や炭化水素溶媒およびこれらの混合物の使用が好ましい。また、有機溶媒は、水に対して溶解性を有するものを用いることもでき、水に対して溶解性を有する有機溶媒と水に対する溶解性が低いものを併用することもできる。
電子供与性有機溶媒の例としては、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキエタンやジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、ジグライム、トリグライム、アニソール、メトキシトルエン等のエーテル系溶媒、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等のアミン系溶媒等を挙げることができる。電子供与性を有する溶媒としては、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンが好ましい。
また、本発明では、溶媒として炭化水素化合物を用いることが出来る。前記炭化水素化合物としては、炭素数5〜20のより好ましくは炭素数6〜12の直鎖、分岐炭化水素化合物または環状炭化水素化合物、炭素数6〜20の、より好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素化合物およびそれらの混合物を例示することが出来る。
これら炭化水素化合物の具体的な例として、ペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、イソヘキサン、メチルペンタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、n−ノナン、n−デカン、n−ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2−メチルオクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒を挙げることが出来る。
[第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物の製造方法]
本発明は、前記本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物の製造方法を包含する。この組成物は、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物及び第2族元素が有機溶媒に溶解した溶液(但し、この溶液は、第13族元素をさらに含むことができる)を含む物であることは前述のとおりである。本発明の製造方法は、下記[1]〜[6]のいずれかの工程を含む。
工程[1]は、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aを含有する有機溶媒に水を添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程である。この工程においては、有機亜鉛化合物および有機第2族元素化合物Aを含有する有機溶媒に水を添加するので、有機亜鉛化合物および有機第2族元素化合物Aがほぼ同一の条件で加水分解されて、部分加水分解物の混合物を形成する。水添加量は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。水添加量の好ましい範囲は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。
工程[1]には、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、第2族元素化合物の中から選ばれる化合物の少なくとも1つと有機亜鉛化合物とが溶解した有機溶媒に水を添加して、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bの中から選ばれる化合物の少なくとも1つが少なくとも部分的に加水分解され加水分解物と有機亜鉛化合物を部分的に加水分解して得られる部分加水分解物を含む組成物を得る方法も包含される。
工程[2]は、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aおよび前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を含有する有機溶媒及び水を、独立に又は一緒に混合して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程である。
この工程においては、有機亜鉛化合物、有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物を含有する有機溶媒に水を添加する態様、
有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に、有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物を含有する有機溶媒と水を添加する態様、
有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物を含有する有機溶媒に有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒にと水を添加する態様、が含まれる。
有機亜鉛化合物、有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物は、水に対する反応性に違いがあることが知られており、有機第2族元素化合物A及び有機第13族元素化合物の加水分解が有機亜鉛化合物の加水分解に比べて優先的に進行する傾向はある。また、加水分解の条件も上記添加の態様により異なるが、有機亜鉛化合物は部分加水分解物を形成し、有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物は、少なくとも部分的に加水分解された加水分解物を形成する。但し、水添加量は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。水添加量の好ましい範囲は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。
工程[3]は、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に、一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、及び一般式(4)で表される無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに水を独立に、又は一緒に添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aおよび有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程である。この工程においては、有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、及び無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに水独立に、即ち別々に添加するか、一緒に、即ち前記化合物を含有する有機溶媒と水の混合物を添加する。有機第2族元素化合物A及び有機第2族元素化合物Bの加水分解が有機亜鉛化合物の加水分解に比べて優先的に進行する傾向はある。但し、溶液の攪拌の状態や水の添加方法、条件により変動する。結果として、有機亜鉛化合物の部分加水分解物、並びに有機第2族元素化合物A及び有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解物した加水分解物の混合物が得られる。水添加量は、前記化合物(但し、一般式(4)で表される無機第2族元素化合物は除く)のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。水添加量の好ましい範囲は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。
工程[4]では、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒と、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒、前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物及び下記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに水を独立に、又は一緒に混合して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B及び有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る。
この工程は、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に、一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、一般式(4)で表される無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに一般式(5)で表される有機第13族元素化合物及び一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒と水を独立に、又は一緒に添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B及び有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程であることができる。
この工程は、前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記一般式(6)で表される第13族元素化合物の中から選ばれる化合物の少なくとも1つおよび有機亜鉛化合物が溶解した有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される第2族元素化合物の中から選ばれる化合物の少なくとも1つが溶解した有機溶媒と水とを独立に、又は一緒に添加して、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B及び有機第13族元素化合物の中から選ばれる化合物の少なくとも1つの化合物が、少なくとも部分的に加水分解された加水分解物、並びに有機亜鉛化合物の部分加水分解の混合物を含有する組成物を得る工程であることもできる。
この工程[4]においても、有機第2族元素化合物A及びB並びに有機第13族元素化合物の加水分解が、有機亜鉛化合物の加水分解に比べて優先的に進行する傾向はある。但し、溶液の添加の仕方、溶液の攪拌の状態や水の添加方法、条件により変動する。結果として、有機亜鉛化合物の部分加水分解物、並びに有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B及び有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物の混合物が得られる。水添加量は、前記化合物(但し、一般式(4)で表される無機第2族元素化合物及び一般式(6)で表される無機第13族元素化合物は除く)のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。水添加量の好ましい範囲は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。
工程[5]は、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に水を添加して、有機亜鉛化合物の部分加水分解物を得る。但し、水添加量は、前記有機亜鉛化合物に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。水添加量の好ましい範囲は、有機亜鉛化合物に対してモル比で0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。次いで得られた有機亜鉛化合物の部分加水分解物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒を添加して組成物を得る。この工程で得られる組成物は、有機亜鉛化合物の部分加水分解物に、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物の少なくとも1つの化合物が含有される。但し、前記有機第2族元素化合物A及び前記有機第2族元素化合物Bをそれぞれ少なくとも部分的に加水分解する場合の水添加量は、それぞれモル比で0.05以上、0.8以下の範囲であり、前記有機第2族元素化合物A及び前記有機第2族元素化合物Bの混合物を加水分解する場合には、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。前記水添加量は、それぞれ好ましくは0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。
工程[6]では、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に水を添加して、有機亜鉛化合物の部分加水分解物を得る。但し、水添加量は、前記有機亜鉛化合物に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。水添加量の好ましい範囲は、有機亜鉛化合物に対してモル比で0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。次いで得られた有機亜鉛化合物の部分加水分解物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒を添加して組成物を得る。この工程で得られる組成物は、有機亜鉛化合物の部分加水分解物に、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物の少なくとも1つの化合物並びに有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物が含有される。但し、前記有機第2族元素化合物A、及び前記有機第2族元素化合物Bをそれぞれ少なくとも部分的に加水分解する場合の水添加量は、それぞれモル比で0.05以上、0.8以下の範囲であり、前記有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物B及び前記有機第13族元素化合物の混合物を加水分解する場合には、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる。前記水添加量は、それぞれ好ましくは0.3以上、0.75以下の範囲、さらに好ましくは0.4以上、0.7以下の範囲とすることができる。但し、有機第13族元素化合物を単独で少なくとも部分的に加水分解する場合の水添加量は、前記化合物に対してモル比で0.05以上、1.3以下の範囲、好ましくは0.3以上、1.25以下、さらに好ましくは、0.4以上、1.2以下の範囲とすることができる。
上記工程[2]及び[3]においては、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aおよび一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bの各化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、有機第2族元素化合物A及び有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解することが好ましい態様の1つである。
上記工程[4]においては、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物、一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bおよび一般式(5)で表される有機第13族元素化合物の各化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を添加して、前記有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解することが好ましい態様の1つである。
以下の説明は上記[1]〜[6]の工程に共通する。
水の添加は、水を他の溶媒と混合することなく行うことも、水を他の溶媒と混合した後に行うこともできる。水の添加は、反応の規模にもよるが、例えば、60秒〜10時間の間の時間をかけて行うことができる。生成物の収率が良好であるという観点から、原料である前記一般式(1)の有機亜鉛化合物に水を滴下することにより添加することが好ましい。水の添加は、一般式(1)で表される化合物と電子供与性有機溶媒との溶液を攪拌しながら実施することができる。添加時の温度は、−90〜150℃の間の任意の温度を選択できる。−15〜30℃であることが水と有機亜鉛化合物、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび有機第13族元素化合物との反応性という観点から好ましい。
水の添加後に、水と有機亜鉛化合物、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび有機第13族元素化合物の各々との反応を進行させるために、例えば、1分から48時間の間攪拌する。反応温度については、−90〜150℃の間の任意の温度で反応させることができる。5〜80℃であることが部分加水分解物を高収率で得るという観点から好ましい。反応圧力は制限されない。通常は、常圧(大気圧)で実施できる。水と一般式(1)で表される化合物との反応の進行は、必要により、反応混合物をサンプリングし、サンプルをNMRあるいはIR等で分析、もしくは、発生するガスをサンプリングすることによりモニタリングすることができる。
前記の有機溶媒、原料である有機亜鉛化合物、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、無機第2族元素化合物、有機第13族元素化合物、無機第13族元素化合物そして水はあらゆる慣用の方法に従って反応容器に導入することができ、溶媒との混合物としても導入することができる。これらの反応工程は回分操作式、半回分操作式、連続操作式のいずれでもよく、特に制限はないが、回分操作式が望ましい。
上記反応により、前記一般式(1)の有機亜鉛化合物と前記一般式(2)の有機第2族元素化合物、もしくは、前記一般式(1)の有機亜鉛化合物または前記一般式(2)の有機第2族元素化合物は、水により部分的に加水分解されて、部分加水分解物を含む生成物が得られる。一般式(1)の有機亜鉛化合物がジエチル亜鉛である場合、水との反応により得られる生成物についての解析は古くから行われているが、報告により結果が異なり、生成物の組成が明確に特定されている訳ではない。また、水の添加モル比や反応時間等によっても、生成物の組成は変化し得る。本発明においては、生成物の主成分は、部分加水分解物2 については、下記一般式(7)および(8)で表される構造単位と下記一般式(9)および(10)で表される構造単位を組み合わせた化合物であるか、あるいはm が異なる複数種類の化合物の混合物である。
(R1−Zn)− (7)
−[O−Zn]m− (8)
(式中、R1 は一般式(1)におけるR1 と同じであり、mは1〜20の整数である。)
(R2−M)− (9)
−[O−M]m− (10)
(式中、MおよびR2 は一般式(2)におけるMおよびR2と同じであり、mは1〜20の整数である。)
さらに一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を水により部分的に加水分解することにより、下記一般式(11)および(12)で表される構造単位を含む部分加水分解物を含む生成物が得られるが、前記一般式(1)の有機亜鉛化合物と前記一般式(2)の有機第2族元素化合物に、一般式(5)で表される有機第13族元素化合物共存する状態において、水により部分的に加水分解することにより、上記一般式(7)、(8)、(9)および(10)で表される構造単位と下記一般式(11)および(12)で表される構造単位と任意に組み合わせた化合物が得られる。
(式中、Aは一般式(5)におけるAと同じであり、Qは一般式(5)におけるR4 、R5 、R6のいずれかと同じであり、mは1〜20の整数である。)
本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物における部分加水分解物は、例えば、下記一般式(13)〜(15)で表される化合物の混合物であるか、あるいは、前述のmが異なる複数種類化合物の混合物であると推定される。
1 −Zn−[O−Zn]p−R1 (13)
(式中、R1 は一般式(1)におけるR1 と同じであり、pは1〜20の整数である。)
2 −M−[O−M]p−R2 (14)
(式中、MおよびR2 は一般式(2)におけるMおよびR2 と同じであり、p は1〜20の整数である。)
(式中、Xは一般式(1)におけるZn、一般式(2)におけるM、一般式(5)におけるAの任意のいずれかであり、R7は一般式(1)におけるR1または一般式(2)におけるR2 の任意のいずれかであり、QはXが一般式(5)におけるAの場合にのみ存在し、一般式(5)におけるR4 、R5 、R6のいずれかと同じであるか、または
特に、本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物における部分加水分解物は、Znおよび第2族元素を必須として含み、前述の一般式(7)〜(12)の構造単位の任意の複数種類を含む化合物を含む一般式(15)の構造例を有するものが好ましく、前述の本発明の組成物の調製方法においても、例えばiii)、Vii)およびViii)のような、これら構造単位を複数種類含む化合物の形成を意図した方法で実施することが望ましい。特に本発明の組成物における部分加水分解物は、少なくとも−Zn−O−M−の構造単位を有することを意図している。
特に、本発明の有機亜鉛化合物の部分加水分解物は、工程[1]〜[4]の方法により製造されるような、有機亜鉛化合物と有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、および/または有機第13族元素化合物とが共存する状態で水を添加して得られるものにおいては、一般式(15)に示されるように、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、および/または有機第13族元素化合物の加水分解物は有機亜鉛化合物の部分加水分解物の構造中に取り込まれた形の加水分解物として存在するものと推察され、有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B、および有機第13族元素化合物の加水分解物は、加水分解の条件により、一般式(15)におけるR7やQ等の側鎖が残っている部分加水分解物、または側鎖が完全に加水分解されてなくなった加水分解物と、有機亜鉛化合物の部分加水分解物とが一体となった化合物として得られる。
本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物の調製において、第2族元素を含む有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび無機第2族元素化合物の各化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.001〜4、好ましくは、0.001〜0.5とすることが出来る。
また、本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物の調製において、有機第13族元素化合物、無機第13族元素化合物の各化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.000001〜0.5、好ましくは、0.00001〜0.1とすることが出来る。
第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成用組成物の固形分濃度は、前記有機亜鉛化合物の部分加水分解物、有機第2族元素化合物Aの部分加水分解物の部分加水分解物及び有機第2族元素化合物Bの部分加水分解物の一方又は両方、並びに有機第13族元素化合物の部分加水分解物の合計の濃度として0.1〜30質量%の範囲を任意に選択できる。濃度が高ければ高いほど少ない塗布回数で薄膜を製造できるが、有機亜鉛化合物の部分加水分解物を含む反応生成物の溶解度、例えば、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の形成の容易さを考慮すると0.1〜12質量%さらにこのましくは0.1〜6質量%が好ましい。
加水分解反応終了後、例えば、ろ過、濃縮、抽出、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって、上記生成物の一部または全部を回収及び精製することができる。
上記方法で有機溶媒から分離して回収した組成物は、反応に使用した有機溶媒と異なる、膜形成用有機溶媒に溶解して塗布用の溶液とすることもできる。
薄膜形成用有機溶媒として用いることが出来る溶媒の例としては、炭素数5〜20のより好ましくは炭素数6〜12の直鎖、分岐炭化水素化合物または環状炭化水素化合物、炭素数6〜20の、より好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素化合物およびそれらの混合物を例示することが出来る。
これら炭化水素化合物の具体的な例として、ペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、イソヘキサン、メチルペンタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、n−ノナン、n−デカン、n−ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2−メチルオクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒を上げることが出来る。
また薄膜形成用有機溶媒として用いることが出来るその他の例としては、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキエタンやジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、ジグライム、トリグライム、アニソール、メトキシトルエン等のエーテル系溶媒、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等のアミン系溶媒等を挙げることができる。
また、これらは単独で使用するのみならず、2種類以上を混合して用いることも可能である。また、有機溶媒を分離することなく反応生成混合物をそのまま、あるいは適宜濃度を調整して塗布用の溶液とすることもできる。
[第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の製造方法]
本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成用組成物を用いることで、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の製造することができる。この製造方法は、具体的には、前記本発明の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成用組成物を基板表面に塗布し、次いで、得られた塗布膜を加熱して第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成することを含む。
本発明の組成物を用いた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の製造方法は、前記組成物を基材表面に塗布し、次いで、得られた塗布膜を加熱して第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成することを含む。より具体的には、本発明の製造方法では、不活性ガス雰囲気下、基材表面に上記組成物を塗布し、次いで、得られた塗布物を加熱する操作を少なくとも1回行うことを含む。塗布および得られた塗布物の加熱操作は、導電性など所望の物性を得るために必要な回数を適宜行なうことができるが、好ましくは1回〜50回、より好ましくは、1回〜30回さらに好ましくは1回〜10回等の範囲で適宜実施できる。
基材表面への塗布は、スプレー塗布法、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、スロットコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレー熱分解法、静電塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法等の慣用手段により実施できる。スプレー熱分解法や静電塗布法は、基材を加熱しながら塗布と成膜を同時にできる方法であり、そのため、塗布と並行して溶媒を乾燥させることができ、条件によっては、溶媒乾燥のための加熱が不要である場合もある。さらに、条件によっては、乾燥に加えて、有機亜鉛化合物や有機第2族元素化合物あるいは有機第13族元素化合物の部分加水分解物の第2族元素を含有する酸化亜鉛への反応も少なくとも一部、進行する場合もある。そのため、後工程である、所定の温度での加熱による酸化物薄膜形成をより容易に行える場合もある。スプレー熱分解法における塗布および成膜の際の基材の加熱温度は、例えば、20〜400℃、好ましくは50〜400℃の範囲であることができる。特に基材に樹脂などの耐熱性の低い基材を用いる場合には、20〜350℃、更に耐熱性の低いものでは20〜250℃の範囲で行うことが出来る。
組成物の基板表面への塗布は、窒素等の不活性ガス雰囲気下、空気雰囲気下、水蒸気を多く含有した相対湿度が高い空気雰囲気下、酸素等の酸化ガス雰囲気下、水素等の還元ガス雰囲気下、もしくは、それらの混合ガス雰囲気下等のいずれかの雰囲気下、かつ、大気圧または加圧下で実施することができる。本発明の組成物に含まれる生成物は、雰囲気中の水分と反応し徐々に分解することから、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。尚、本発明の方法における塗布は、減圧下でも実施できるが、大気圧で実施するのが装置上も簡便であり、コストもかからず好ましい。
例えば、スプレー塗布法、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、スロットコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、静電塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法等の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成用組成物を基材に塗布する際や塗布した後に、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成用組成物と共存させる酸素源との反応による第2族元素を含有する酸化亜鉛の形成が困難な手法や状況においては、塗布成膜時において水分を実質的に含まない、または少ない雰囲気での成膜で行うことが出来る。成膜雰囲気において水分を完全に排除することは、困難なため、上記のモル比が0、即ち成膜雰囲気に水分を含まない条件とは、成膜雰囲気中の水分が0.01〜1000ppm、好ましくは、0.1〜400ppmといった、通常不活性ガスの使用で制御が可能な値を意味する。
また、本発明において、スプレー塗布法、スプレー熱分解法、静電塗布法、インクジェット法といった第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成用組成物が塗布によって基材にする到達するまでの空間において、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成用組成物と共存させる水等の酸素源との反応による第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の形成が容易な噴霧塗布の手法を用いるなど、水が存在する雰囲気での成膜が可能である。また、基材表面への噴霧塗布における「水が存在する雰囲気」とは、例えば、相対湿度10〜95%の水を含有した空気の雰囲気であることができる。空気の雰囲気で行う代わり窒素などの不活性ガス雰囲気と水を混合させた混合ガスの雰囲気下で行ってもよい。相対湿度は、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の生成がスムーズであるという観点からは、より好ましくは30〜90%である。
図1に、本発明で用いることができる噴霧塗布による成膜装置の例として、スプレー成膜装置を示す。図中、1は塗布液を充填したスプレーボトル、2は基材ホルダ、3スプレーノズル、4はコンプレッサ、5は基材、6は水蒸気導入用チューブを示す。スプレー塗布は、基材を基材ホルダ2 に設置し、必要によりヒーターを用いて所定の温度まで加熱し、その後、大気中(大気圧下、空気中)で、基材の上方に配置したスプレーノズル3から圧縮した不活性ガスと塗布液を同時供給し、塗布液を霧化、噴霧させ、水蒸気導入用チューブ6より水を導入して成膜雰囲気で共存させることにより、基材上に第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成することができる。第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜は、スプレー塗布することで、追加の加熱等することなしに形成される。
塗布液のスプレー塗布は、基材への付着性、溶媒の蒸発の容易性等を考慮すると、塗布液をスプレーノズルより液滴の大きさが30μm以下の範囲になるように吐出することが好ましい。また、スプレーノズルから基材に到達するまでに溶媒が幾分蒸発し液滴の大きさが減少すること等を考慮するとスプレーノズルと基材との距離を50cm以内として行うことが、良好な透明性の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を製造することができるという観点から好ましい。
さらに、基材および雰囲気温度を加熱することなく、基材の上方に配置したスプレーノズル3 から圧縮した不活性ガスと塗布液を同時供給し、塗布液を霧化、噴霧させることだけでも基材上に透明性の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成することができる。
尚、本発明の方法におけるいずれの塗布は、加圧下や減圧下でも実施できるが、大気圧で実施するのが装置上も簡便であり、コストもかからず好ましい。
基板表面へ塗布液を塗布した後、必要により基板を所定の温度とし、溶媒を乾燥した後、所定の温度で加熱することにより第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成させる。
溶媒を乾燥する条件は、共存する有機溶媒の種類や沸点(蒸気圧)に応じて適時設定することができるが、溶媒を乾燥する温度として、例えば、20〜350℃ の範囲であることができ、溶媒の沸点が200℃以下である場合は、20〜250℃、溶媒の沸点が150℃以下である場合は、あるいは20〜200℃とすることができる、その乾燥時間は、通常、0.2〜300分とすることができ、好ましくは0.5〜120分である。
本発明においては、溶媒乾燥後の第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜形成の為の加熱温度は、例えば、20〜800℃の範囲であり、好ましくは30〜800℃の範囲の範囲であり、この温度での処理を少なくとも1回行うことを特徴とする。この加熱温度における加熱時間は、通常、0.2〜300分であり、好ましくは0.5〜120分である。本発明の400℃以下の加熱によって形成した第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜は、通常、アモルファスであるが、さらに500℃以上での第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜が結晶化するような加熱温度・処理雰囲気での熱処理によって結晶化を行うこともできる。
溶媒乾燥温度とその後の第2族元素を含有する酸化亜鉛形成の為の加熱温度を同一にし、溶媒乾燥と第2族元素を含有する酸化亜鉛形成を同時に行うことも可能である。
また、必要に応じて、さらに、酸素等の酸化ガス雰囲気下、水素等の還元ガス雰囲気下、水素、アルゴン、酸素等のプラズマ雰囲気下で、上記加熱を行うことにより第2族元素を含有する酸化亜鉛の形成を促進、または、結晶性を向上させることも可能である。さらに、光照射処理を行うことによっても第2族元素を含有する酸化亜鉛の形成を促進、または、結晶性を向上させることも可能である。この光照射処理においては、一般的に知られている公知の手法を用いることが出来る。具体的には、水銀ランプ、重水素ランプ、希ガスの放電光、各種レーザー等の任意の光源としたものを用いることが出来、これらの光源の波長は特に限定されないが、好ましくは170nm〜600nm、より好ましくは170〜400nmを使用することが出来る。これらの加熱処理や光照射処理はそれぞれ単独または併用して行うことができる。
第2族元素を含有する酸化亜鉛の膜厚には特に制限はないが、実用的には0.001〜5μm、通常0.01〜5μmの範囲とすることが出来る。本発明の製造方法によれば、上記塗布(乾燥)加熱を1回以上繰り返すことで、上記範囲の膜厚の膜を適宜製造することができる。また、原理的には、塗布回数を繰り返したり、塗布時間を長くすることで、5μm以上の膜の形成も可能である。
尚、本発明で用いることのできるいずれの方法における溶媒乾燥や加熱及び光照射処理は、加圧下や減圧下でも実施できるが、大気圧で実施するのが装置上も簡便であり、コストもかからず好ましい。
上記製造方法において第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成するための基材として用いられるものとして、ガラス、金属、セラミックス等の無機物、プラスチック等の高分子基材や紙、木材等の有機物およびこれらの複合物がある。
これらの基材は、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜を形成に支障がなければ特に制限はないが、例えば、ガラスとしては石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、無アルカリ、鉛ガラス等のガラスやサファイヤ等の酸化物等が挙げられる。また、金属としては、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、アルミニウム、鉄、銅、チタン、シリコン、ニッケル、金、銀およびこれらを含む合金等が挙げられる。セラミックスとしては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の酸化物、ホウ素化窒素、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ガリウム等の窒化物、炭化ケイ素等の炭素化合物やこれらを含む複合物等が挙げられる。さらに、プラスチックを形成する高分子には、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ(メタ)アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン(COP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリウレタン、トリアセテート、トリアセチルセルロース(TAC)、セロファンフッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等)およびこれらを含む複合樹脂等を例示することができる。これらの中でも、EVA、COP、PP、PE、PET、PPS,PEN、PC、PMMA、PES、ポリイミド、ポリアミド、アラミド、PVC、PVAが好ましい。
また、これら基材の形状としては、例えば、フィルム状、板状や三次元の任意の形状を有する立体構造物のものおよびこれらの複合物が使用可能である。
さらに、これら機材は透明、半透明、不透明のいずれでもよい。
例えば、透明基材としてフィルム状のものは、薄板ガラス等の無機物や高分子基材としてプラスチックフィルム等の有機物を例示することができる。
基材がプラスチックフィルムの場合には、ポリマーの種類によって無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。例えば、ポリエステルフィルム例えばPETフィルムは、通常、二軸延伸フィルムであり、またPCフィルム、トリアセテートフィルム、セロファンフィルム等は、通常、無延伸フィルムである。
不透明な機材として、金属や金属の酸化物、窒化物、炭素化合物のウエハーやシート等やポリイミド、ポリアミド、アラミド、炭素繊維、PP、PE、PETシートや不織布等の高分子基材でも使用することが出来る。
さらに、これらの基材以外にも、金属、酸化物、窒化物、炭素化合物等の無機物や低分子、ポリマーなどの有機物および前述の無機物および有機物の複合物から形成される、電極、半導体、絶縁物等の電子デバイス膜等の機能性材料に対しても塗布成膜が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、実施例は本発明の例示であって、本発明は実施例に限定される意図ではない。
実施例において使用した試薬は市販のものを用いた。全ての有機亜鉛化合物からの部分加水分解物を含む生成物の調製およびそれを用いた成膜は窒素ガス雰囲気下で行い、溶媒は全て脱水および脱気して使用した。
各組成物中における、Zn、Mg、Al等の金属含有量は、組成物を加水分解して得られた溶液を用いてICP−AES(高周波誘導結合プラズマ発行分光分析)法によって測定した。
[実施例1]
水1.17gとテトラヒドロフラン56.6gを室温で混合して混合溶液(合計:57.77g(以下、溶液A))を調製した。これとは別に、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)4.0gと1,2−ジエトキシエタン 50.0gを室温で混合し、混合溶液(合計:54.0g(以下、溶液B))を調製した。
1,2−ジエトキシエタン 120gに、ジエチル亜鉛(東ソー・ファインケム社製)13.33gを加え、十分攪拌した後、2℃まで冷却した。このジエチル亜鉛/1,2−ジエトキシエタン溶液(133.33g(以下、溶液C))に、溶液Aおよび溶液Bを別々の場所から、溶液Aと溶液Bとがほぼ同時に滴下が終了するように各々の混合溶液の滴下の速度を調整し、撹拌しながら、30分かけてそれぞれ同時に滴下した。この滴下時において、溶液Cと溶液AおよびBとの混合物の温度は1〜2℃となるように調整した。
各混合溶液の滴下終了後、得られた混合物を室温(20℃)まで昇温し、室温(20〜24℃)で18時間、撹拌を継続した。反応終了後の生成物は微量の不溶物の析出により懸濁した黄色透明溶液であった。この生成物をフィルターによりろ過を行うことで不溶物を除去し、黄色透明溶液(組成物1)を回収した。
[実施例2]
実施例1において、溶液Aとして、水1.17gとテトラヒドロフラン53.5gを室温で混合した混合溶液(合計:54.67g)、溶液Bとして、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)1.55gと1,2−ジエトキシエタン 50.0gを室温で混合し、混合溶液(合計:51.55g)をそれぞれ用い、ジエチル亜鉛/1,2−ジエトキシエタン溶液への、溶液Aおよび溶液Bの滴下時間を44分、滴下時における、溶液Cと溶液AおよびBとの混合物の温度を2〜5℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、黄色透明溶液(組成物2)を回収した。
[実施例3]
実施例1において、溶液Aとして、水1.17gとテトラヒドロフラン59.9gを室温で混合した混合溶液(合計:61.07g)、溶液Bとして、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)6.7gと1,2−ジエトキシエタン 50.0gを室温で混合し、混合溶液(合計:56.7g)をそれぞれ用い、ジエチル亜鉛/1,2−ジエトキシエタン溶液への、溶液Aおよび溶液Bの滴下時間を50分、滴下時における、溶液Cと溶液AおよびBとの混合物の温度を1〜3℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、黄色透明溶液(組成物3)を回収した。
[実施例4]
実施例1において、溶液Aとして、水1.17gとテトラヒドロフラン58.0gを室温で混合した混合溶液(合計:59.17g)、溶液Bとして、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)13.41gとトルエン 40.0gを室温で混合し、混合溶液(合計:53.41g)をそれぞれ用い、ジエチル亜鉛/1,2−ジエトキシエタン溶液への、溶液Aおよび溶液Bの滴下時間を1時間24分、滴下時における、溶液Cと溶液AおよびBとの混合物の温度を0〜3℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、黄色透明溶液(組成物4)を回収した。
得られた溶液の一部を、減圧下で溶媒を除去することで濃縮して透明の液体を得た。この透明の液体について、1H−NMR(THF−d8,ppm) 測定を行い、図2のスペクトルを得た。比較のため、本実施例の組成物4の調製に用いた原料の1H−NMRスペクトル(THF−d8,ppm)について測定を行った。図3に、ジエチル亜鉛の1H−NMRスペクトル、図4に、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有))を減圧濃縮後の1H−NMRスペクトル、図5に、1,2−ジエトキシエタンの1H−NMRスペクトルをそれぞれ示す。
図2と図3〜5との各1H−NMRスペクトルの比較から、図2の組成物4を濃縮して得られた化合物のスペクトルにおいては、図3に見られるようなジエチル亜鉛由来のピーク(δ0.02ppm(q)、δ1.11ppm(t))および、図4で見られるようなジブチルマグネシウム溶液中の含有物由来のピーク(トリエチルアルミニウム:δ−0.9ppm(q))、ジブチルマグネシウム:−0.78ppm(t)、δ0.72(t)、δ1.09ppm(m)、δ1.39ppm(m))はそれぞれのピークが帰属が困難なほどに小さかった。さらに、ジエチル亜鉛やジブチルマグネシウム溶液中の含有物由来のピーク以外に観測されるピークとして、δ0〜0.5ppm(brs)、δ0.78〜0.9ppm(brs)、δ1.1〜1.7ppm(brs)、δ3.6〜4.1ppm(brs)、(δ0.78〜0.9ppm(brs)、δ1.1〜1.7ppm(brs)については残存ヘプタンピークとも重複)が確認された。これらの部分加水分解前の原料とは異なるピークは、ジエチル亜鉛、ジブチルマグネシウムおよびトリエチルアルミニウムの部分加水分解物の側鎖として原料由来のアルキル基に帰属される。なお、本濃縮物においては、図5にみられるような、1,2−ジエトキシエタンのピーク(δ1.1ppm(t)、δ3.4.ppm(q)およびδ3.43ppm(s))の残存が確認された。また、この濃縮物と希硝酸とを接触させると、濃縮物に残存するジエチル亜鉛やジブチルマグネシウムおよびトリエチルアルミニウム(1H−NMRより推算)の加水分解から発生するガスよりも、大幅に多い加水分解ガスが発生し、ジエチル亜鉛、ジブチルマグネシウムおよびトリエチルアルミニウムの部分加水分解物の側鎖として原料由来のアルキル基が存在していることを支持した。
このように、組成物4の濃縮物は、有機溶媒に可溶であり、原料のジエチル亜鉛やジブチルマグネシウム、トリエチルアルミの含有量が少なく、1H−NMRおよびガス分析により、ジエチル亜鉛およびジブチルマグネシウムがそれぞれ部分加水分解された化合物を含むこと確認した。すなわち、実施例4の方法で調製した組成物4は、ジエチル亜鉛およびジブチルマグネシウムがそれぞれ部分加水分解された化合物を含むものである。
さらに、前記の組成物4の減圧濃縮により得た透明な液体について、FT−IR(KBrセル,cm-1)測定を行い、図6のスペクトルを得た。
[実施例5]
実施例1において、溶液Aとして、水1.17gとテトラヒドロフラン58.0gを室温で混合した混合溶液(合計:59.17g)、溶液Bとして、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)25.34gとトルエン 26.0gを室温で混合し、混合溶液(合計:51.34g)をそれぞれ用い、ジエチル亜鉛/1,2−ジエトキシエタン溶液への、溶液Aおよび溶液Bの滴下時間を1時間23分、滴下時における、溶液Cと溶液AおよびBとの混合物の温度を1〜4℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、黄色透明溶液(組成物5)を回収した。
実施例2〜5で得られた組成物について、組成物中に含まれるZn、MgおよびAlの含有率(wt%)をICP−AESにより測定したところ、表1の結果を得た。
実施例2〜5で得られた組成物について、Zn、MgおよびAlの含有率(wt%)から、以下の式により溶液中の各金属成分のモル比を百分率で算出し、表2の結果を得た。
Zn、MgまたはAlのモル比=(Zn、MgまたはAlの含有率/Zn、MgまたはAlの分子量)
組成物中の各金属のモル比(百分率換算:%)
=(Zn、MgまたはAlのモル比/(各金属のモル比の和))×100
[実施例6]
水2.35gとテトラヒドロフラン53.34gを室温で混合して混合溶液(合計:55.69g(以下、溶液D))を調製した。これとは別に、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)8.13g、トリエチルガリウム 0.69gとトルエン 100.06gを室温で混合し、混合溶液(合計:108.88g(以下、溶液E))を調製した。
1,2−ジエトキシエタン 240.04g に、ジエチル亜鉛(東ソー・ファインケム社製)26.71gを加え、室温で十分攪拌した後、−2℃まで冷却した。このジエチル亜鉛/1,2−ジエトキシエタン溶液(266.75g:溶液F)に、溶液Dおよび溶液Eを別々の場所から、溶液Dと溶液Eとがほぼ同時に滴下が終了するように各々の混合溶液の滴下の速度を調整し、撹拌しながら2時間30分かけてそれぞれ同時に滴下した。この滴下時において、溶液Dと溶液Eおよび溶液Fとの混合物の温度は0〜−2℃となるように調整した。
各混合溶液の滴下終了後、得られた混合物を室温(23℃)まで昇温し、室温(20〜24℃)で18時間、撹拌を継続した。反応終了後の生成物は微量の不溶物の析出により懸濁した黄色透明溶液であった。この生成物をフィルターによりろ過を行うことで不溶物を除去し、黄色透明溶液406.00g(組成物6)を回収した。
得られた組成物6のZn、Mg、GaおよびAlの含有量をICP−AES法により測定したところ、Zn 3.4wt%、Mg 0.06wt%、Ga 0.06wt%およびAl 0.008wt%であった。
[実施例7]
1,2−ジエトキシエタン 117.60gに、ジエチル亜鉛(東ソー・ファインケム社製)15.0gおよびジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)4.15g を加えた。十分攪拌した後、−11℃まで冷却した。水1.31およびテトラヒドロフラン 12.0gの混合溶液を、水のジエチル亜鉛に対するモル比が0.6 になるように撹拌しながら滴下した。その後、室温(18℃)まで昇温し、室温で18時間反応させた。反応後の生成物は僅かに不溶物で懸濁した黄色透明溶液であった。この生成物をフィルターでろ過を行い、黄色透明溶液125.27g(組成物7)を回収した。
前記黄色透明溶液125.27gに、1,2−ジエトキシエタン 125.28gを加えたところ、均一溶液のままであり、得らえた1,2−ジエトキシエタンによる希釈溶液(組成物8)からは析出物等は見られなかった。このように、本発明の組成物は有機溶媒による希釈により、希釈前よりも金属が低濃度である溶液を調製することが出来る。
[実施例8]
1,2−ジエトキシエタン 225g に、ジエチル亜鉛(東ソー・ファインケム社製) 25.0gを溶解し、十分攪拌した後、−12℃まで冷却した。これに酢酸マグネシウム・4水和物2.17gおよび水 1.46gおよびテトラヒドロフラン16.89gの混合物を、撹拌下で滴下した。その後、室温(31℃)まで昇温し、室温(20〜31℃)で18時間反応させた。反応後の生成物は僅かに不溶物で懸濁した黄色透明溶液であった。この生成物をフィルターでろ過を行い、黄色透明溶液(組成物9)を回収した。
[実施例9]
1,2−ジエトキシエタン 225gに、ジエチル亜鉛(東ソー・ファインケム社製) 25.0gを溶解し、十分攪拌した後、−12℃まで冷却した。これに硝酸マグネシウム・6水和物2.17g および水1.09gおよびテトラヒドロフラン16.87gの混合物を、撹拌下で滴下した。その後、室温(25℃)まで昇温し、室温(20〜25℃)で18時間、撹拌を継続した。反応後の生成物は微量の不溶物の析出により懸濁した黄色透明溶液であった。この生成物をフィルターでろ過を行い、黄色透明溶液(組成物10)を回収した。
[実施例10]
実施例5で得らえた組成物5に、ジブチルマグネシウム(1mol/Lヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム(1wt%以下)含有)、シグマ−アルドリッチ社製)およびテトラヒドロフランを室温で添加し、十分混合して均一な溶液とし、Znに対してMgの共存量が多い(Mg/(Mg+Zn)モル比率の大きい)組成物を調製した。得られた混合物はいずれも析出物等の不溶物は見られず、透明な溶液であった。この操作で得らえられた組成物(組成物11〜15)を表3に示す。このように、本発明の組成物は、高濃度のMgを含む有機亜鉛化合物の組成物とすることができる。
実施例1〜9における組成物の調製で用いた水の金属に対するモル比を以下の表4に示す。
[参考例1]
以下の参考例において、各成膜での基材上のMgを含む酸化亜鉛薄膜およびその膜の形成は、ATR−IR(全反射 (attenuated total reflection,:ATR) 法による赤外分光法)、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer:電子線マイクロアナライザ)、XRD(X‐ray diffraction:X線回折)による解析で確認した。
可視光等の透過率は、分光光度計を用いて測定した。
Mgを含む酸化亜鉛薄膜は、触針式表面形状測定器による測定または薄膜断面の走査型電子顕微鏡(SEM)測定により行った。
実施例4で得た組成物4を、スピンコート法により25mm角のガラス基板(コーニング社製、EagleXG)表面上に塗布した。窒素雰囲気下、前記溶液50μlを前記ガラス基板に滴下し、回転数1000rpmで20秒間基板を回転させて溶液をガラス基板全体に塗布し、乾燥30秒の後、基板を200℃、2分加熱することで溶媒を乾燥させると同時にMgを含む酸化亜鉛を形成させた。この操作を3回繰り返し、薄膜Aを形成した。
得られた薄膜Aを、ATR−IRで分析し、2800〜3100cm-1の間に見られる、有機亜鉛化合物や有機マグネシウム化合物および溶媒の構造中に有するC−Hに由来するに帰属されるピークが観測されないことを確認した。さらに、形成された薄膜をSEMで観察したところ、図7および図8のように凹凸のない平坦な膜であることが確認され、薄膜の膜厚は284nm(1回塗布時の平均膜厚として94nm)であった。さらにこの薄膜のXRD分析を行ったところ、酸化物はアモルファス状であることが確認された。また、可視光(550nm)での透過率は98.3%であり、透明なMgを含む酸化亜鉛薄膜を得た。
[参考例2]
参考例1において、溶液塗布後の加熱温度を500℃とした以外は同様の操作、分析を行った。ATR−IRによる分析から、2800〜3100cm-1の間に見られる、有機亜鉛化合物や有機マグネシウム化合物および溶媒の構造中に有するC−Hに由来するに帰属されるピークが観測されないことを確認した。得られた薄膜を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図9および図10のように凹凸のない平坦な膜であり確認され、薄膜の膜厚は261nm(1回塗布時の平均膜厚として87nm)であった。また、XRD分析の結果、図11のピークが得られ、薄膜は結晶性であることを確認した。また、可視光(550nm)での透過率は90.5%であり、透明なMgを含む酸化亜鉛薄膜を得た。
[参考例3〜6]
参考例1において、組成物4の代わりに組成物2、3または5のいずれか1つをそれぞれ用いたこと以外は同様の操作、分析を行った。得られた結果を表5に示す。
[参考例6〜9]
参考例2において、組成物4の代わりに組成物2、3、5または8のいずれか1つをそれぞれ用いたこと以外は同様の操作、分析を行った。得られた結果を表6に示す。
[参考例10]
参考例1および参考例3〜5で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の透過率において、400nm以下における吸収の減少の状況を確認した。図12に各薄膜の600nm以下での透過率を示す。Mg濃度の添加により、吸収の落ち込みは短波長側にシフトし、本組成物を用いることにより得られたMgを含有する酸化亜鉛において、Mgの添加効果によるバンドギャップの増加効果があることを確認した。
[参考例11]
参考例2および参考例6〜8で得られた第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の透過率を測定し、400nm以下における吸収の減少の状況を確認した。図13に各薄膜の600nm以下での透過率を示す。Mg濃度が高いほど、吸収の落ち込みは短波長側にシフトし、本組成物を用いることにより得られたMgを含有する酸化亜鉛において、Mgの添加効果によるバンドギャップの増加効果があることを確認した。
[参考例12]
参考例8の組成物5を用いた成膜において、ガラス基板(コーニング社製、EagleXG)の代わりに、ポリプロピレン(PP)フィルム(30mm角(厚さ0.2mm))基板を用い、さらに加熱温度を130℃にしたこと以外は、参考例1と同様の操作により、Mgを含有する酸化亜鉛薄膜の形成および分析を行った。得られた薄膜について、EPMAにより分析を行い、薄膜中においてZn、Mg、Alが、組成物Eとほぼ同一のモル比で含有していることを確認した(Zn:Mg:Al=72:24:4(モル比))。さらに、基板に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(60mm角(厚さ75μm))を用いて同様の操作を行い、上記と同様の結果を得た。
[参考例13]
参考例8の組成物5を用いた成膜において、ガラス基板(コーニング社製、EagleXG)の代わりに、石英ガラス基板の加熱温度を130℃10分の加熱後に、300℃、500℃、700℃および800℃各60分の加熱をそれぞれ実施したこと以外は実施例1と同様の操作により、Mgを含有する酸化亜鉛薄膜の形成を行った。得られた薄膜について、XRD分析を行い、図14のチャートを得た。本組成物を用いた本成膜方法では、500℃以上でより結晶化が進んだ薄膜が得られることを確認した。
[比較例1]
2−メトキシエタノール24.1gに、酢酸亜鉛二水和物1.2gと助剤としてエタノールアミン0.3g、さらに、トリスアセチルアセナトマグネシウムを酢酸亜鉛二水和物に対して、Mg/(Mg+Zn)で表されるモル比で0.1の割合で加え、十分攪拌することでマグネシウムを含有する塗布液を得た。得られた塗布液を用いて参考例1と同様な操作で200℃において成膜を実施したが、Mgを含有した酸化亜鉛薄膜を得ることはできなかった。
本発明は、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜の製造分野に有用である。
1・・・スプレーボトル、
2・・・基材ホルダ(ヒーター付)、
3・・・スプレーノズル、
4・・・コンプレッサ−、
5・・・基材、
6・・・水蒸気導入用チューブ

Claims (24)

  1. 下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物及び第2族元素を有機溶媒に溶解した溶液(但し、この溶液は、第13族元素をさらに含むことができる)であることを特徴とする、第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
    (有機亜鉛化合物)
    1−Zn−R1 (1)
    (式中、R 1 は炭素数1〜7の直鎖または分岐したアルキル基である)
  2. 前記第2族元素が、下記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、
    下記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び
    下記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物
    から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含まれることを特徴とする、請求項1記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
    (有機第2族元素化合物A)
    2−M−R2・(L)n (2)
    (式中、Mは第2族元素であり、R2 は独立に、水素、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
    (有機第2族元素化合物B)
    3−M−X・(L)n (3)
    (式中、Mは第2族元素であり、R3 は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
    (無機第2族元素化合物)
    cd・aH2O (4)
    (式中、Mは第2族元素であり、Yは、水素、ハロゲン原子、硝酸根(NO3 -)または硫酸根(SO4 2-)であり、Yが水素、ハロゲン原子または硝酸根の場合、cは1、dは2、Yが硫酸根の場合、cは1、dは1、aは0〜9の整数である。)
  3. 第13族元素が、下記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物及び下記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含有されることを特徴とする、請求項1又は2記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
    (式中、Aは第13族元素であり、R4 、R5 、R6 は独立に、水素、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基であり、さらにLは窒素、酸素またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
    (無機第13族元素化合物)
    ef・aH2O (6)
    (式中、Aは第13族元素であり、Zは、ハロゲン原子、硝酸根(NO3 -)または硫酸根(SO4 2-)であり、Zがハロゲン原子または硝酸根の場合、eは1、fは3、Zが硫酸根の場合、eは2、fは3、aは0〜9の整数である。)
  4. 一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物は、前記有機亜鉛化合物に対する水のモル比0.05以上、0.8以下の範囲での部分的加水分解物である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
  5. 一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物は、前記有機第2族元素化合物Aに対する水のモル比0.05以上、0.8以下の範囲での部分的加水分解物であり、
    一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物は、前記有機第2族元素化合物Bに対する水のモル比0.05以上、0.8以下の範囲での部分的加水分解物である、請求項に記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
  6. 一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物は、前記有機第13族元素化合物に対する水のモル比0.05以上、0.8以下の範囲での部分的加水分解物である、請求項に記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
  7. 有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび無機第2族元素化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.001〜4の割合である請求項に記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
  8. 亜鉛、第2族元素及び第13族元素を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
  9. 有機第13族元素化合物及び無機第13族元素化合物(加水分解物を含む)のモル数の合計が有機亜鉛化合物(部分加水分解物を含む)のモル数に対して、0.000001〜0.5の割合である請求項に記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物。
  10. 前記有機亜鉛化合物の部分加水分解物、有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物の濃度の合計が0.1〜30質量%の範囲である、請求項2を引用する請求項3に記載の組成物。
  11. 前記有機亜鉛化合物は、R1 が炭素数1〜6のアルキル基である化合物である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. 前記有機亜鉛化合物がジエチル亜鉛である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  13. 前記第2族元素が、Ca、Mg、Ba及びSrから成る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
  14. 前記第2族元素が、Mgである請求項13に記載の組成物。
  15. 前記有機第2族元素化合物Aは、R2 が炭素数1〜8のアルキル基である化合物である請求項に記載の組成物。
  16. 前記有機第2族元素化合物Aが、エチルブチルマグネシウム、ジブチルマグネシウムである請求項15に記載の組成物。
  17. 前記第13族元素が、B、Al、Ga及びInから成る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜16のいずれかに記載の組成物。
  18. 前記有機第13族元素化合物が、R4、R5、R6が独立に炭素数1〜8のアルキル基である化合物である請求項に記載の組成物。
  19. 前記有機第13族元素化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム又はトリエチルインジウムである請求項に記載の組成物。
  20. 前記有機溶媒が電子供与性有機溶媒および/または炭化水素化合物である請求項1〜19のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜製造用組成物
  21. 前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物及び第2族元素が有機溶媒に溶解した溶液(但し、この溶液は、第13族元素をさらに含むことができる)を含み、前記第2族元素が、請求項2に記載の一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、
    請求項2に記載の一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び
    請求項2に記載の一般式(4)で表される無機第2族元素化合物
    から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含まれる酸化亜鉛薄膜製造用組成物の製造方法であって、下記[1]、[3]及び[5]のいずれかの工程を含む方法。
    工程[1]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aを含有する有機溶媒に水を添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
    工程[3]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、及び前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに水を独立に、又は一緒に添加して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aおよび有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物(但し、一般式(4)で表される無機第2族元素化合物は除く)のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
    工程[5]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に水を添加して、前記有機亜鉛化合物の部分加水分解物を得(但し、水添加量は、前記有機亜鉛化合物に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、次いで得られた有機亜鉛化合物の部分加水分解物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒を添加して組成物を得る工程(但し、前記有機第2族元素化合物A及び前記有機第2族元素化合物Bをそれぞれ少なくとも部分的に加水分解する場合の水添加量は、それぞれモル比で0.05以上、0.8以下の範囲であり、前記有機第2族元素化合物A及び前記有機第2族元素化合物Bの混合物を加水分解する場合には、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
  22. 前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解物及び第2族元素が有機溶媒に溶解した溶液(但し、この溶液は、第13族元素をさらに含む)を含み、
    前記第2族元素が、請求項2に記載の一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、
    請求項2に記載の一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び
    請求項2に記載の一般式(4)で表される無機第2族元素化合物
    から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含まれ、
    前記第13族元素が、請求項3に記載の一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物及び請求項3に記載の一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物として含有される酸化亜鉛薄膜製造用組成物の製造方法であって、下記[2]、[4]及び[6]のいずれかの工程を含む方法。
    工程[2]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aおよび前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物を含有する有機溶媒及び水を、独立に又は一緒に混合して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物Aおよび有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
    工程[4]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒と、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒、前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物及び下記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒並びに水を独立に、又は一緒に混合して、有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物B及び有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解して、有機溶媒に加水分解物(部分加水分解物を含む)が溶解した組成物を得る工程(但し、水添加量は、前記化合物(但し、一般式(4)で表される無機第2族元素化合物及び一般式(6)で表される無機第13族元素化合物は除く)のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、
    工程[6]前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を含有する有機溶媒に水を添加して、前記有機亜鉛化合物の部分加水分解物を得(但し、水添加量は、前記有機亜鉛化合物に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)、次いで得られた有機亜鉛化合物の部分加水分解物を含有する有機溶媒に、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物B、前記一般式(4)で表される無機第2族元素化合物、前記有機第2族元素化合物Aを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解した加水分解物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物、前記有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解した加水分解物、及び前記一般式(6)で表される無機第13族元素化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する有機溶媒を添加して組成物を得る工程(但し、前記有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物B及び前記有機第13族元素化合物をそれぞれ少なくとも部分的に加水分解する場合の水添加量は、それぞれモル比で0.05以上、0.8以下の範囲であり、前記有機第2族元素化合物A、前記有機第2族元素化合物B及び前記有機第13族元素化合物の混合物を加水分解する場合には、前記化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲とすることができる)。
  23. 程[3]において、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aおよび前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bの各化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を添加して、前記有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A及び有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解する、請求項21記載の製造方法。
  24. 工程[2]において、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物Aおよび前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bの各化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を添加して、前記有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A及び有機第2族元素化合物Bを少なくとも部分的に加水分解する、又は
    工程[4]において、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物、前記一般式(2)で表される有機第2族元素化合物A、前記一般式(3)で表される有機第2族元素化合物Bおよび前記一般式(5)で表される有機第13族元素化合物の各化合物のモル数の合計に対してモル比で0.05以上、0.8以下の範囲で水を添加して、前記有機亜鉛化合物を部分的に加水分解し、かつ有機第2族元素化合物A、有機第2族元素化合物Bおよび有機第13族元素化合物を少なくとも部分的に加水分解する、請求項22記載の製造方法。
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