JP5892641B2 - 酸化亜鉛薄膜製造方法、およびこの方法で製造した帯電防止薄膜、紫外線カット薄膜、透明電極薄膜 - Google Patents
酸化亜鉛薄膜製造方法、およびこの方法で製造した帯電防止薄膜、紫外線カット薄膜、透明電極薄膜 Download PDFInfo
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Description
1)、その中でも、塗布法は、装置が簡便で膜形成速度が速い為生産性が高く製造コストが低い、真空容器を用いる必要がなく真空容器による制約がない為大きな酸化亜鉛薄膜の作成も可能である、等の利点がある。
特許文献2、3の発明においては、溶媒として電子供与性有機溶媒のみを用いているが、本発明の組成物の塗布法による成膜等の工業的な使用における適用範囲をより広くするためには、電子供与性有機溶媒以外にも炭化水素溶媒等の工業的に一般的に用いられているその他の溶媒の使用が望ましく、さらなる工夫が必要と考えた。
(請求項1)
下記組成物A、B、CまたはDを、不活性ガス雰囲気下、基板表面に塗布し、次いで、得られた塗布膜を加熱する操作を少なくとも1回行うことを含む、可視光線に対して80%以上の平均透過率を有する酸化亜鉛薄膜の製造方法。
組成物A:
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒との混合溶媒に溶解した溶液である組成物。
組成物B:
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を水で少なくとも部分加水分解して得られる部分加水分解物および電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒との混合有機溶媒を含む組成物。
組成物C:
上記組成物AまたはBに、下記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物を前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.005〜0.1の割合になるよう添加して得られる組成物。
組成物D:
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および、前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.005〜0.09の割合の下記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物を水で部分加水分解して得られる部分加水分解物および電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒との混合有機溶媒を含む組成物。
R1−Zn−R1 (1)
(式中、R1は炭素数1〜7の直鎖または分岐したアルキル基である。)
(式中、Mは3B族元素であり、R2、R3、R4は独立に、水素、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル、カルボン酸、または、アセチルアセトナート基であり、Lは窒素、酸素、またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
McXd・aH2O (3)
(式中、Mは3B族元素であり、Xは、ハロゲン原子、硝酸または硫酸であり、Xがハロゲン原子または硝酸の場合、cは1、dは3、Xが硫酸の場合、cは2、dは3、aは0〜9の整数である。)
(請求項2)
前記組成物Aにおいて、混合有機溶媒は、電子供与性有機溶媒を3〜90重量%含有し、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物は混合有機溶媒に4〜12質量%の範囲の濃度で含有される請求項1記載の製造方法。
(請求項3)
前記組成物Bにおいて、混合有機溶媒は電子供与性有機溶媒を3〜90重量%含有する請求項1記載の製造方法。
(請求項4)
前記組成物Bにおいて、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解は、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒に、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を溶解した溶液に水を添加することで行う請求項1記載の製造方法。
(請求項5)
前記組成物Bにおいて、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒に、4〜12質量%の範囲の濃度に溶解した溶液を部分加水分解する請求項4記載の製造方法。
(請求項6)
前記組成物Bにおいて、前記部分加水分解物は、前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.05〜0.8の範囲になるよう水を添加して行う、請求項4または5記載の製造方法。
(請求項7)
前記組成物Dにおいて、前記混合有機溶媒は電子供与性有機溶媒を3〜90重量%含有する請求項1記載の製造方法。
(請求項8)
前記組成物Dにおいて、部分加水分解は、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒に、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物を溶解した溶液に水を添加することで行う請求項1記載の製造方法。
(請求項9)
前記組成物Dにおいて、前記有機亜鉛化合物および前記3B族元素化合物の、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒における濃度は、4〜12質量%の範囲である請求項8記載の製造方法。
(請求項10)
前記組成物Dにおいて、前記部分加水分解は、前記有機亜鉛化合物および前記3B族元素化合物に対するモル比が0.05〜0.8の範囲になるよう水を添加して行う請求項8または9記載の製造方法。
(請求項11)
前記電子供与性有機溶媒の沸点が230℃以下である請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
(請求項12)
前記の電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒が、直鎖、分岐炭化水素化合物、または環状炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物およびそれらの混合物のうち少なくとも一つを含む請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
(請求項13)
前記の電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒がヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンのうち少なくとも一つを含む請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
(請求項14)
前記有機亜鉛化合物がジエチル亜鉛である請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
(請求項15)
前記一般式(2)の3B族元素化合物がトリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトガリウム、トリスアセチルアセトナトインジウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシインジウム、トリイソプロポキシガリウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリtert−ブトキシインジウム、トリtert−ブトキシガリウムのうち少なくとも一つを含む請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法。
(請求項16)
前記電子供与性有機溶媒が1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンのいずれか1つを含む請求項1〜15のいずれかに記載の製造方法。
(請求項17)
前記不活性ガス雰囲気が水蒸気を含有する、請求項1〜16のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
(請求項18)
水蒸気を含有する不活性ガス雰囲気は、相対湿度2〜15%の範囲である請求項17に記載の製造方法。
(請求項19)
請求項1に記載の組成物A、B、CまたはDを、水蒸気を含有する不活性ガス雰囲気下、加熱された基板表面にスプレー塗布することを含む、可視光線に対して80%以上の平均透過率を有する酸化亜鉛薄膜の製造方法。
(請求項20)
水蒸気を含有する不活性ガス雰囲気は、大気圧または加圧下で、基板表面付近に水蒸気を供給することで形成する、請求項19に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
(請求項21)
基板表面の加熱温度が400℃以下である請求項19に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
(請求項22)
前記水蒸気の供給量は、供給された前記組成物中の亜鉛に対する水のモル比が0.1〜5の範囲になるように行う請求項20または21に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
(請求項23)
請求項1〜22のいずれかに記載の製造方法を用いて製造した酸化亜鉛薄膜からなる帯電防止薄膜。
(請求項24)
請求項1〜22のいずれかに記載の製造方法を用いて製造した酸化亜鉛薄膜からなる紫外線カット薄膜。
(請求項13)
請求項1〜22のいずれかに記載の製造方法を用いて製造した酸化亜鉛薄膜からなる透明電極薄膜。
本発明の製造方法で用いる酸化亜鉛薄膜製造用組成物は、以下の(i)〜(v)に示す5つの態様を含む。
組成物a:
電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒において電子供与性有機溶媒が3〜90重量%含有する混合有機溶媒に、下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を4〜12質量%の範囲の濃度に溶解した溶液に、溶解して得られる生成物
組成物b:
電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒において電子供与性有機溶媒が3〜90重量%含有する混合有機溶媒に、上記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を4〜12質量%の範囲の濃度に溶解した後、前記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物の少なくとも1種を添加して得られる生成物
電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒において電子供与性有機溶媒が3〜90重量%含有する混合有機溶媒に、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物と前記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物の少なくとも1種とを4〜12質量%の範囲の濃度に溶解して得られる生成物
組成物d:
電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒において電子供与性有機溶媒が3〜90重量%含有する混合有機溶媒に、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を4〜12質量%の範囲の濃度に溶解した溶液に、水を前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.05〜0.8の範囲になるよう添加して、前記有機亜鉛化合物を少なくとも部分的に加水分解して得られる生成物
組成物e:
電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒において電子供与性有機溶媒が3〜90重量%含有する混合有機溶媒に、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を4〜12質量%の範囲の濃度に溶解した溶液に、水を前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.05〜0.8の範囲になるよう添加して、前記有機亜鉛化合物を少なくとも部分的に加水分解した後、前記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物の少なくとも1種を添加して得られる生成物
(式中、R1は炭素数1〜7の直鎖または分岐したアルキル基である)
(式中、Mは3B族元素であり、R2、R3、R4は独立に、水素、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、カルボン酸基、もしくはアセチルアセトナート基であり、さらに、Lは窒素、酸素、リンいずれかを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
McXd・aH2O (3)
(式中、Mは3B族元素であり、Xは、ハロゲン原子、硝酸または硫酸であり、Xがハロゲン原子または硝酸の場合、cは1、dは3、Xが硫酸の場合、cは2、dは3、aは0〜9の整数である。)
組成物f:
電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒において電子供与性有機溶媒が3〜90重量%含有する混合有機溶媒に、前記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物と前記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物の少なくとも1種とを4〜12質量%の範囲の濃度に溶解した溶液に、水を前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.05〜0.8の範囲になるよう添加して、少なくとも前記有機亜鉛化合物を少なくとも部分的に加水分解して得られる生成物
R1−Zn−[O−Zn]p−R1 (4)
(式中、R1は一般式(1)におけるR1と同じであり、pは2〜20の整数である。)
(R1−Zn)− (5)
−[O−Zn]m− (6)
(式中、R1は一般式(1)におけるR1と同じであり、mは2〜20の整数である。)
(式中、Mは一般式(2)または(3)におけるMと同じであり、Qは一般式(2)または(3)におけるX、R2、R3、R4のいずれかと同じであり、mは2〜20の整数である。)
本発明は、酸化亜鉛薄膜の製造方法に関する。この製造方法は、前記組成物A、B、CまたはDを基板表面に塗布し、次いで、得られた塗布膜を加熱して酸化亜鉛薄膜を得る方法である。より具体的には、本発明の製造方法では、不活性ガス雰囲気下、基板表面に上記組成物A〜Dのいずれかを塗布し、次いで、得られた塗布物を加熱する操作を少なくとも1回行うことを含む。塗布および得られた塗布物の加熱操作は、導電性など所望の物性を得るために必要な回数を適宜行なうことができるが、好ましくは1回〜50回、より好ましくは、1回〜30回さらに好ましくは1回〜10回等の範囲で適宜実施できる。
上記方法により作製した酸化亜鉛薄膜は、優れた透明性と導電性を有することから、帯電防止膜、紫外線カット膜、透明導電膜等として使用できる。帯電防止膜は、例えば、固体電界コンデンザ、化学増幅系レジスト、窓ガラス等の建材等の分野に利用できる。紫外線カット膜は、例えば、画像表示装置の前面フィルター、ドライブレコーダー等の撮像装置、高圧放電ランプ等の照明器具、時計用カバーガラス、窓ガラス等の建材等の分野に利用できる。さらに、透明導電膜は、例えば、FPD、抵抗膜式タッチパネルおよび静電容量式タッチパネル、薄膜シリコン太陽電池および化合物(CdTe、CIS)系薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機系薄膜太陽電池等の分野に利用できる。但し、これらの分野に限定される意図ではない。
テトラヒドロフラン30重量%およびn−ヘキサン70重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、トリメチルインジウム(TMI)を、仕込んだジエチル亜鉛に対してモル比で0.04になるよう添加し、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、インジウムを含有する溶液を56.4g得た。真空乾燥により溶媒等を除去した後のNMR(THF−d8,ppm)測定により図2のスペクトルを得た。
実施例1のようにして得た塗布液を、図1のスプレー製膜装置中スプレーボトルに充填した。18mm角のコーニング1737ガラス基板を基板ホルダに設置した。窒素ガス雰囲気下で、ガラス基板を300℃に加熱した後、35℃の水を毎分10Lでバブリングした窒素ガスを水蒸気導入用チューブ6で基板付近に導入することにより水を導入した。その後、スプレーノズルより塗布液を4ml/minで8分間噴霧した。スプレーノズルより吐出する液滴の大きさは、3〜20μmの範囲であり、かつスプレーノズルと基板との距離を30cmとして行った。形成された薄膜は、表1のようになった。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、トリメチルインジウム(TMI)を、仕込んだジエチル亜鉛に対してモル比で0.04になるよう添加し、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、インジウムを含有する溶液を56.4g得た。
実施例3のようにして得た塗布液を、ガラス基板の加熱温度を300℃として、実施例2と同様の装置および成膜条件でスプレー成膜を行った。表1のようになった。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、トリメチルガリウム(TMG)を、仕込んだジエチル亜鉛に対してモル比で0.04になるよう添加し、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、ガリウムを含有する溶液を56.4g得た。
実施例5のようにして得た塗布液を用い、ガラス基板の加熱温度を300℃として、実施例2と同様の装置および成膜条件でスプレー成膜を行った。形成された薄膜は、表1のようになった。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、三塩化ガリウム(GaCl3)を、仕込んだジエチル亜鉛に対してモル比で0.04になるよう添加し、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、ガリウムを含有する溶液を56.4g得た。
1,2−ジエトキシエタン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、溶液を56.2g得た。
テトラヒドロフラン10重量%およびトルエン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、溶液を56.2g得た。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、12℃まで冷却した。5.0%水を含有したテトラヒドロフラン溶液を、水のジエチル亜鉛に対するモル比が0.3になるように滴下した。その後、室温(22℃)まで昇温し室温で18時間反応させた後、トリメチルインジウム(TMI)を、仕込んだジエチル亜鉛に対してモル比で0.04になるよう添加し、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、インジウムを含有する溶液を56.7g得た。
実施例10のようにして得た塗布液を、ガラス基板の加熱温度を300℃として、実施例2と同様の装置および成膜条件でスプレー成膜を行った。形成された薄膜は、表1のようになった。
テトラヒドロフラン24重量%およびn−ヘキサン76重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、12℃まで冷却した。5.0%水を含有したテトラヒドロフラン溶液を、水のジエチル亜鉛に対するモル比が0.6になるように滴下した。その後、室温(22℃)まで昇温し室温で18時間反応させた後、トリメチルインジウム(TMI)を、仕込んだジエチル亜鉛に対してモル比で0.04になるよう添加し、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、インジウムを含有する溶液を56.8g得た。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、12℃まで冷却した。5.0%水を含有したテトラヒドロフラン溶液を、水のジエチル亜鉛に対するモル比が0.3になるように滴下した。その後、室温(22℃)まで昇温し室温で18時間反応させた後、以上のようにして得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、溶液を56.5g得た。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、12℃まで冷却した。5.0%水を含有したテトラヒドロフラン溶液を、水のジエチル亜鉛に対するモル比が0.6になるように滴下した。その後、室温(22℃)まで昇温し室温で18時間反応させた後、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、溶液を56.6g得た。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、12℃まで冷却した。5.0%水を含有したテトラヒドロフラン溶液を、水のジエチル亜鉛に対するモル比が0.8になるように滴下した。その後、室温(22℃)まで昇温し室温で18時間反応させた後、得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、溶液を56.8g得た。
テトラヒドロフラン10重量%およびn−ヘキサン90重量%の混合溶媒51.7gにジエチル亜鉛4.5g(8.0重量%相当)を加えた。十分攪拌した後、12℃まで冷却した。5.0%水を含有したテトラヒドロフラン溶液を、水のジエチル亜鉛に対するモル比が0.3になるように滴下した。その後、室温(22℃)まで昇温し室温で18時間反応させた後、トリメチルインジウム(TMI)を仕込んだジエチル亜鉛に対してモル比で0.02になるよう添加した。以上のようにして得た溶液をメンブレンフィルターでろ過することにより、インジウムを含有する溶液を56.5g得た。
実施例16のように得た生成物含有塗布液をスピンコート法により18mm角のコーニング1737ガラス基板表面上に実施例12と同様の条件で塗布成膜し、酸化亜鉛を形成させた。形成された薄膜は、表1のようになった。
2−メトキシエタノール24.12gに、酢酸亜鉛二水和物1.23gと助剤としてエタノールアミン0.34g、さらに、トリスアセチルアセナトアルミニウムを酢酸亜鉛二水和物に対してモル比0.02の割合で加え、十分攪拌することでアルミニウムを含有する塗布液を得た。
トリスアセチルアセナトアルミニウムを塩化ガリウムに変更した以外は、比較例1と同様にしてガリウムを含有する塗布液を得た。
トリスアセチルアセナトアルミニウムを塩化インジウム四水和物に変更した以外は、比較例1と同様にしてインジウムを含有する塗布液を得た。
2・・・基板ホルダ(ヒーター付)、
3・・・スプレーノズル、
4・・・コンプレッサー、
5・・・無アルカリガラス基板、
6・・・水蒸気導入用チューブ
Claims (24)
- 下記組成物A、B、C、またはDを、不活性ガス雰囲気下、基板表面に塗布し、次いで、得られた塗布膜を400℃以下の温度で加熱する操作を少なくとも1回行うことを含む、可視光線に対して80%以上の平均透過率を有する酸化亜鉛薄膜の製造方法。
組成物A:
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒との混合溶媒に溶解した溶液である組成物。
組成物B:
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を水で少なくとも部分加水分解して得られる部分加水分解物および電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒との混合有機溶媒を含む組成物。
組成物C:
上記組成物AまたはBに、下記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物を前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.005〜0.1の割合になるよう添加して得られる組成物。
組成物D:
下記一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および、前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.005〜0.09の割合の下記一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物を水で部分加水分解して得られる部分加水分解物および電子供与性有機溶媒と電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒との混合有機溶媒を含む組成物(但し、前記組成物A、B、C及びDにそれぞれ含まれる、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒は、直鎖、分岐炭化水素化合物、または環状炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物およびそれらの混合物のうち少なくとも一つを含む有機溶媒である)。
R1−Zn−R1 (1)
(式中、R1は炭素数1〜7の直鎖または分岐したアルキル基である。)
(式中、Mは3B族元素であり、R2、R3、R4は独立に、水素、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル、カルボン酸、または、アセチルアセトナート基であり、Lは窒素、酸素、またはリンを含有した配位性有機化合物であり、nは0〜9の整数である。)
McXd・aH2O (3)
(式中、Mは3B族元素であり、Xは、ハロゲン原子、硝酸または硫酸であり、Xがハロゲン原子または硝酸の場合、cは1、dは3、Xが硫酸の場合、cは2、dは3、aは0〜9の整数である。) - 前記組成物Aにおいて、混合有機溶媒は、電子供与性有機溶媒を3〜90重量%含有し、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物は混合有機溶媒に4〜12質量%の範囲の濃度で含有される請求項1記載の製造方法。
- 前記組成物Bにおいて、混合有機溶媒は電子供与性有機溶媒を3〜90重量%含有する請求項1記載の製造方法。
- 前記組成物Bにおいて、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物の部分加水分解は、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒に、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を溶解した溶液に水を添加することで行う請求項1記載の製造方法。
- 前記組成物Bにおいて、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物を、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒に、4〜12質量%の範囲の濃度に溶解した溶液を部分加水分解する請求項4記載の製造方法。
- 前記組成物Bにおいて、前記部分加水分解は、前記有機亜鉛化合物に対するモル比が0.05〜0.8の範囲になるよう水を添加して行う、請求項4または5記載の製造方法。
- 前記組成物Dにおいて、前記混合有機溶媒は電子供与性有機溶媒を3〜90重量%含有する請求項1記載の製造方法。
- 前記組成物Dにおいて、部分加水分解は、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒に、一般式(1)で表される有機亜鉛化合物および一般式(2)または(3)で表される3B族元素化合物を溶解した溶液に水を添加することで行う請求項1記載の製造方法。
- 前記組成物Dにおいて、前記有機亜鉛化合物および前記3B族元素化合物の、電子供与性有機溶媒、電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒またはそれらを混合した有機溶媒における濃度は、4〜12質量%の範囲である請求項8記載の製造方法。
- 前記組成物Dにおいて、前記部分加水分解は、前記有機亜鉛化合物および前記3B族元素化合物に対するモル比が0.05〜0.8の範囲になるよう水を添加して行う請求項8または9記載の製造方法。
- 前記電子供与性有機溶媒の沸点が230℃以下である請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 前記の電子供与性有機溶媒とは異なる種類の有機溶媒がヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンのうち少なくとも一つを含む請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
- 前記有機亜鉛化合物がジエチル亜鉛である請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
- 前記一般式(2)の3B族元素化合物がトリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトガリウム、トリスアセチルアセトナトインジウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシインジウム、トリイソプロポキシガリウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリtert−ブトキシインジウム、トリtert−ブトキシガリウムのうち少なくとも一つを含む請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
- 前記電子供与性有機溶媒が1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンのいずれか1つを含む請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法。
- 前記不活性ガス雰囲気が水蒸気を含有する、請求項1〜15のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
- 水蒸気を含有する不活性ガス雰囲気は、相対湿度2〜15%の範囲である請求項16に記載の製造方法。
- 請求項1に記載の組成物A、B、CまたはDを、水蒸気を含有する不活性ガス雰囲気下、加熱された基板表面にスプレー塗布することを含む、可視光線に対して80%以上の平均透過率を有する酸化亜鉛薄膜の製造方法。
- 水蒸気を含有する不活性ガス雰囲気は、大気圧または加圧下で、基板表面付近に水蒸気を供給することで形成する、請求項18に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
- 基板表面の加熱温度が400℃以下である請求項18に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
- 前記水蒸気の供給量は、供給された前記組成物中の亜鉛に対する水のモル比が0.1〜5の範囲になるように行う請求項19または20に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
- 請求項1〜21のいずれかに記載の方法を用いて酸化亜鉛薄膜からなる帯電防止薄膜を得ることを含む、帯電防止薄膜の製造方法。
- 請求項1〜21のいずれかに記載の方法を用いて酸化亜鉛薄膜からなる紫外線カット薄膜を得ることを含む、紫外線カット薄膜の製造方法。
- 請求項1〜21のいずれかに記載の方法を用いて酸化亜鉛薄膜からなる透明電極薄膜を得ることを含む、透明電極薄膜の製造方法。
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