JP6346819B2 - 筆記具及び該筆記具の製造方法 - Google Patents
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Description
このような従来の筆記具では、例えば、先口(11)を軸筒(1)とは異なる質感の材料(例えば金属材料等)により形成して、装飾性を容易に向上することが可能である。
そこで、先口(11)を、カシメ加工等により軸筒(1)に対し回転不能に固定することが提案されるが、このようにした場合には、筆記芯(レフィール2)を軸筒(1)の後端側から挿入する必要が生じ、この筆記芯(レフィール2)が、先口(1)後端側の筒状部と軸筒(1)内周面との間の段部に当接し、製造性が損なわれてしまうおそれがある。
ここで、前記「筆記芯」には、ボールペン用筆記芯(リフィール)や、シャープペンシル用筆記芯、出没式サインペンや出没式マーカーペンの筆記芯、電子ペン用の筆記芯、修正ペン用の筆記芯等を含む。
前記構成によれば、軸筒内に後方側から挿入される筆記芯を、末広がり部にスムーズに通過させて先口内に配置することができ、その上、先口に前方への引張力が作用した場合に、末広がり部が、小径部に係止されるため、先口が軸筒から前方へ引き抜かれてしまうようなことを防ぐことができる。
この構成によれば、軸筒の内周面に先口の末広がり部を圧接するようにしているため、先口が回転してしまうのを防ぐことができる。
この構成によれば、金属材料からなる凸部が、軟質な材料である軸筒に対し食込むようにして圧接されるため、先口が回転してしまうようなことを効果的に防ぐことができる。
この構成によれば、前記末広がり部及び/又は前記凸部等、筒状部の後端側部分を、カシメ治具の押圧により容易に形成することができる。
この構成によれば、カシメ治具の円錐状押圧部及び突起状押圧部により、末広がり部及び凸部を効率的に形成することができる。
なお、本明細書中、「軸筒軸方向」とは、軸筒の中心線の延びる方向を意味する。また、「前」とは、軸筒軸方向の一方側であって筆記部の先端方向を意味する。また、「後」とは、軸筒軸方向の前記一方側に対する逆方向側を意味する。また、「軸筒径方向」とは、軸筒軸方向に対し直交する方向を意味する。また、「軸筒径外方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心から離れる方向を意味する。「軸筒径内方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心へ近づく方向を意味する。
前軸11は、その内周面に、小径部11aと、該小径部11aよりも後側で拡径された大径部11bと、これら小径部11aと大径部11bの境界となる境界面11cとを有する。
この前軸11の材質は、後述する先口20よりも軟質な材料であればよく、本実施の一例では合成樹脂材料としているが、他例としては、先口20よりも軟質の金属材料等とすることも可能である。
大径部11bは、小径部11aよりも径の大きい円筒状の内面である。
境界面11cは、軸筒10の軸芯に対し略直交する面であり、小径部11aの後端と、大径部11bの前端との間に、段付き状に形成される。
この筒状部22の後端側には、後述するカシメ加工が施されることで、末広がり部22aと、該末広がり部22aよりも前側に位置する複数の凸部22bとが設けられる。
より詳細に説明すれば、各凸部22bは、図6に示すように、後方斜め軸筒径外方向へ傾斜しており、小径部11a後端の角部分に当接し該角部分を変形させるようにして、該角部分に食込んでいる。
この筆記芯30は、後軸12から外された状態の前軸11に対し、その後方側から挿入され、前端部(詳細には、ボールペンチップ前端)を、先口20の前端から前方へ突出させる。
また、図1中、符号13は、前軸11と後軸12の間に介在されて、これら前軸11と後軸12の間の螺合状態が緩むのを防止したり、軸筒10の外周面を装飾したりする環状のリングである。このリング13は、省くことも可能である。
軸筒10に対し先口20を組付ける際、図2に示すように、前軸11の前端開口部に対し、その前方側から後方へ向かって、先口20の筒状部22が挿入される。
そして、図3に示すように、軸筒10の後端開口部、あるいは前軸11の後端開口部から、その内部にカシメ治具Aが挿入され、このカシメ治具Aの前端側部分を筒状部22の後端側部分に押圧することで、該後端側部分がカシメ加工される。
各突起状押圧部a2は、筒状部22の後端側に押圧されることで、末広がり部22aの後端よりも若干前側の位置を、周方向において部分的に軸筒径外方向へ変形させて、凸部22bを形成する。
筆記具2は、上記筆記具1の一部を変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、他の部分については同一の符号を付けることで重複する詳細説明を省略する。
この筆記具2は、上記筆記具1に対し、前軸11を前軸11’に置換し、先口20を先口20’に置換したものであり、先口20’の後端側がカシメ治具B(図15)によってカシメ加工されている。
この境界面11c’には、周方向において部分的に凹むように凹部11c1’が設けられる。この凹部11c1’は、周方向に一定間隔を置いて複数配設される(図11及び図14参照)。
隣り合う凹部11c1’,11c1’の間は、後方へ突出する山形状の突起11c2’になっている。
筒状部22’は、上記先口20の筒状部22に対し、後端側のカシメ加工部分の形状が異なるものである。詳細に説明すれば、筒状部22’の後端側には、略円筒状の部分に対し後方側から後述するカシメ治具Bが押圧されることで、軸筒径外方向へ突出する凸部22a’が複数(図示例によれば2つ)形成される。
そして、各凸部22a’は、前軸11’側の複数の凹部11c1’のうちの何れかに嵌り合う。
そして、軸筒10の後端開口部、あるいは前軸11’の後端開口部から、その内部にカシメ治具Bが挿入され、このカシメ治具Bの前端側部分を筒状部22’の後端側部分に押圧することで、該後端側部分にカシメ加工が施される。
突起状押圧部b2は、図示例によれば、前後方向へ延びるリブ状に形成され、周方向に間隔を置いて複数設けられる。
さらに他例としては、前軸11の内周面を、小径部11a、大径部11b及び境界面11c等の区分のない同径の内周面とし、この内周面に、径外方向へ部分的に凹む凹部を設け、この凹部に、先口20側の凸部22a’を嵌め合せるようにすることも可能である。
10:軸筒
11,11’:前軸
11a:小径部
11b:大径部
11c,11c’:境界面
11c1’:凹部
11c2’:突起
20:先口
22,22’:筒状部
22a:末広がり部
22a’:凸部
22b:凸部
30:筆記芯
A,B:カシメ治具
a1:円錐状押圧部
a2,b2:突起状押圧部
b1:円錐部
Claims (5)
- 軸筒と、該軸筒の前端側に接続された先口と、前記軸筒に対し後方側から挿入されて前記先口内に位置する筆記芯とを具備した筆記具であって、
前記軸筒の内周面に、小径部と、該小径部よりも後側で拡径された大径部とを有し、
前記先口の後端側に、前記軸筒の前端側に挿入された筒状部を有し、
前記筒状部の後端側に、後方へゆくにしたがって徐々に拡径するとともに最大径が前記小径部の内径よりも大きい末広がり部を設け、この末広がり部を前記大径部側に配置したことを特徴とする筆記具。 - 前記末広がり部を、前記軸筒の内周面に圧接したことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 前記先口を金属材料により形成するとともに、前記軸筒を前記先口よりも軟質の材料により形成し、
前記筒状部の後端側に、周方向において部分的に径外方向へ曲げられて、前記軸筒における前記大径部よりも前側の部分に圧接された凸部を有することを特徴とする請求項2記載の筆記具。 - 前記軸筒に対し前方側から前記筒状部を挿入した後、カシメ治具を前記筒状部の後端側部分に押圧することで、前記筒状部の後端側部分をカシメ加工するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の筆記具の製造方法。
- 前記軸筒に対し前方側から前記筒状部を挿入した後、カシメ治具を前記筒状部の後端側部分に押圧することで、前記筒状部の後端側部分をカシメ加工するようにした筆記具の製造方法であって、
前記カシメ治具は、前記末広がり部を形成するための円錐状押圧部と、前記凸部を形成するために前記円錐状押圧部の外周面に突設された突起状押圧部とを有することを特徴とする請求項3記載の筆記具の製造方法。
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