JP6474541B2 - パイプ式ボールペンチップの製造方法 - Google Patents
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尚、本発明において、ボールペンチップにおける「前」とはボール側を指し、「後」とはその反対側を指す。本発明において、押圧ピンにおける「前」とは先端面を指し、「後」とはその反対側を指す。
図1にボール受け座形成工程の前の状態の金属製筒体2を示す。
金属製筒体2の先端外周面には、円錐面が形成される。それにより、前記金属製筒体2の先端に先細状のエッジ部21が形成される。
図2にボール受け座形成工程を示し、図3及び図4に、図2のボール受け座形成工程に用いる押圧ピン5を示す。図5及び図6に、ボール受け座形成工程の後の状態を示す。
前記ボール受け座形成工程の後、カシメ工程が行われる(図示せず)。前記カシメ工程において、内方突出部23の前面に金属製筒体2の先端開口部からボール3を挿入配置し、その後、先細状のエッジ部21を円周状に内方に折り曲げることにより、内向きの環状突起よりなるカシメ部22が形成される。前記カシメ工程において、ボール3をカシメ部22の内周面に圧接させることにより、前記カシメ部22の内周面にボール3と同等の曲率を有する曲面状凹部が形成される。
図7にハンマーリング工程を示す。図8に前記ハンマーリング工程の後の状態を示す。前記カシメ工程の後、前記ハンマーリング工程が行われる。
図9に、本実施の形態の製造方法で得られるパイプ式ボールペンチップ1を適用したボールペン7を示す。
前記ボールペンチップのチップ本体は、直円筒状の金属製筒体2よりなる。前記金属製筒体2は、例えば、SUS304、SUS305、SUS321等のオーステナイト系ステンレス鋼により得られる。前記チップ本体の先端近傍内面には、内方への押圧変形により、複数(例えば、4個)の内方突出部23(即ちボール受け座)が周方向に等間隔に形成される。また、チップ本体の先端には、先細状のエッジ部21が予め形成され、前記エッジ部21が周状に内方に押圧変形されることにより、内向きのカシメ部22が形成される。前記内方突出部23の前面と前記カシメ部22の後面との間にはボール3が回転可能に抱持される。前記内方突出部23の相互間には、中心部から径方向外方に延び且つ軸方向に貫通するインキ流通間隙24が形成される。
前記スプリング73は、前部のロッド部73aと、後部のコイル部73bが一体に連設される。前記インキ流通間隙24に、スプリング73のロッド部73aが挿通される。前記ロッド部73aによって、直接ボール3が前方に付勢され、それにより、ボール3がカシメ部22の内周面に密接される。
前記インキ収容筒72は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)の押出成形により得られる、両端が開口された円筒体である。前記インキ収容筒72の内部には、インキと、該インキの消費に伴って前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
前記ホルダー71は合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)の射出成形によって得られる筒状体である。前記ホルダー71は、ボールペンチップ1が取り付けられる先細状の前部と、インキ収容筒72の先端面に当接する鍔部と、インキ収容筒72の先端開口部に圧入される後部とからなる。前記ホルダー71の後部内面には、係止突起が形成され、前記係止突起にスプリング73のコイル部73bの後端が係止される。
本実施の形態のパイプ式ボールペンチップの製造方法は、ハンマーリング工程の前に、予め各々の内方突出部23の前面に周方向に延びる溝23aを形成し、ハンマーリング工程で、前記溝23aを、ハンマー4により後方に押圧されたボール3で押し潰すことによって、ハンマー4によるボール3への押圧を強くしても、筆記時のボール3と内方突出部23との接触面積が大きく増加することがなく、筆記時にボール3後面への十分なインキ供給を行うことができ、その結果、筆記時、筆跡のカスレや途切れが生じることがなく、潤沢なインキ流出が可能なパイプ式ボールペンチップ1が得られる。
2 金属製筒体
21 エッジ部
22 カシメ部
23 内方突出部
23a 溝
23b 窪み部
24 インキ流通間隙
3 ボール
4 ハンマー
5 押圧ピン
51 円錐面
52 円柱面
53 段部
54 凸部
6 ポンチ
7 ボールペン
71 ホルダー
72 インキ収容筒
73 スプリング
73a ロッド部
73b コイル部
Claims (1)
- 金属製筒体の先端近傍の内周面にボール受け座用の複数の内方突出部を形成するボール受け座形成工程と、前記ボール受け座形成工程の後、前記内方突出部の前側の金属製筒体の先端開口部にボールを挿入し、金属製筒体の先端の先細状のエッジ部を内方に円周状に折り曲げることによりカシメ部を形成するカシメ工程と、前記カシメ工程の後、ボールをハンマーで後方に押圧し、ボールを各々の内方突出部の前面に押し付けることにより、筆記時のカシメ部内周面とボールとの前後方向の隙間を確保するハンマーリング工程とからなり、前記ハンマーリング工程の前に、予め各々の内方突出部の前面に溝を形成し、前記ハンマーリング工程の後に、前記溝を完全には潰さず存在させてなるパイプ式ボールペンチップの製造方法であって、
前記ハンマーリング工程の前に、前記各々の溝が、金属製筒体の軸心を中心とする仮想円上に形成され、前記各々の溝が径方向内方に開放されてなり、
前記ボール受け座形成工程において、ポンチにより金属製筒体の先端近傍の側壁の複数箇所を周方向に等間隔に径方向内方に押圧変形すると同時に、円錐面からなる先端面に環状の凸部を備えた押圧ピンを各々の内方突出部の前面に押し当てることにより、前記各々の内方突出部の前面に円錐面状の窪み部を圧潰形成するとともに該窪み部の軸心側に前記溝を形成することを特徴とするパイプ式ボールペンチップの製造方法。
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