JP5575387B2 - シャープペンシル用リフィールと駒体の接続構造 - Google Patents
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Description
前記構成によれば、前記駒体と前記シャープペンシル用リフィールの後端部との隙間から前記シャープペンシル用リフィールの芯収容管内に前記潤滑剤が浸入してしまう場合がある。芯収容管内に潤滑剤が浸入した場合には、その潤滑剤によって鉛芯が芯収容管内面等に付着してしまい、ひいては、鉛芯の繰出し不良を生じてしまうおそれがある。
そこで、例えば、特許文献1に記載された発明によれば、鉛芯の折損を防止するためのゴム製の後部緩衝部材(19)を駒体(スライド駒20)の前端側に設け、該後部緩衝部材(19)を芯収容管(14)の後端側内周面に密接させることで、芯収容管(14)の内外に連通する隙間が形成されるのを防いでいる。
また、同特許文献1に記載された発明では、芯収容管(14)の内周面と駒体(スライド駒20)の外周面とを凹凸嵌合させることで、芯収容管(14)から駒体(スライド駒20)及び後部緩衝部材(19)が抜けてしまうのを防いでいた。
この構成によれば、芯収容管の内周面に駒体の圧入部を圧入することで、芯収容管と駒体とが密接し、これらの間に内外に連通する隙間が形成されるのを防ぐ。そして、芯収容管の外周面を駒体に係合させて軸方向の引張強度を維持する構造であるため、芯収容管に内在される圧入部を必要最小限の長さにすることができる。
この構成によれば、係合部と被係合部との内の一方の凸湾曲状の面に対し、その他方の被係合部の角部が全周にわたって圧接されることで、これらの間の密封性(シール性)が効果的に向上する。
この構成によれば、鉛芯補充等の作業のために芯収容管と駒体との間に軸方向の引張力が作用した場合であっても、前記引張力によって芯収容管の被係合部の角部と、駒体の凸湾曲状の係合部との圧接状態を維持することができる。すなわち、仮に角部を被係合部の前端側に設けた場合には、その角部が前記引張力によって前記被係合部から離れて密封性が損なわれてしまうおそれがある。
この構成によれば、角部と係合部との圧接状態を、芯収容管の後端部と被挿入穴の底面との当接力によって維持することができる。
この構成によれば、芯収容管の後端開口部に圧入部を挿入する際の作業性や駒体を寸法測定する際の作業性等を向上することができる。
生産性の良好な簡素な構造でもって芯収容管と駒体との接続箇所の密封性を向上することができる上、芯収容管に内在される部分の長さを比較的短くしても芯収容管と駒体との接続強度を十分に確保することができる。
図1は、本発明の実施の形態であるシャープペンシル用リフィールの一例を具備した回転繰出式の筆記具Aを示している。
この筆記具Aは、軸筒10と、該軸筒10内で前後方向へスライドするように設けられたシャープペンシル用リフィール21及びボールペン用リフィール22と、これらシャープペンシル用リフィール21とボールペン用リフィール22の後端部にそれぞれ接続された駒体31,32と、軸筒10内で回転する傾斜面によって各駒体31(又は32)を軸筒前方へ押動する略山形の回転カム40と、駒体31,32をそれぞれ後方へ付勢するスプリング51,52と、これらスプリング51,52の前端を受けるとともにシャープペンシル用リフィール21及びボールペン用リフィール22を挿通して軸筒10内面に固定されシャープペンシル用リフィール21及び駒体31,32をそれぞれ軸方向へ案内するガイド駒60とを具備し、前記回転カム40が回転操作されることにより、シャープペンシル用リフィール21又はボールペン用リフィール22の筆記先端部を選択的に出没させるようしている。
そして、前記グリスの塗布の後、接続状態にあるシャープペンシル用リフィール21及び駒体31が軸筒10内に収容される。
したがって、前記軸筒10内における回転カム40とガイド駒60との間の空間には、シャープペンシル用リフィール21と駒体31の接続箇所が位置するとともに、この接続箇所を含む範囲に前記グリスが存在することになる。
この芯収容管21aは、好ましくは真鍮等の金属材料から構成される。
この駒体31は、硬質な合成樹脂材料によって成形されている。
また、同被挿入穴31aの内周面における開口端部側(図2及び3によれば左端部側)には、当該被挿入穴31aの内部側の内径よりも拡径された拡径部31a2が形成されている。
この係合部31a1の前後方向の幅は、少なくとも被係合部21a1の前後方向の幅よりも大きく設定されている。
また、係合部31a1における求心方向の突端部の内径は、少なくとも芯収容管21a外周面における被係合部21a1よりも後側(図2によれば右側)の部分(テーパー部21a2は含まない)の外径よりも小さく設定されている。更に、本実施の形態の好ましい一例では、前記突端部の内径を、芯収容管21a外周面における被係合部21a1よりも前側の部分の外径よりも小さく設定している。
前記構成によれば、被係合部21a1後端の角部21a11を、係合部31a1に対し効果的に食い込ませることができる。
なお、この構成を用いれば、係合部31a1の前後方向の幅を被係合部21a1の前後方向の幅よりも小さくすることも構成とすることも可能である。
この圧入部31bの突端側の外周には、面取り部31b1が形成されている。この面取り部31b1は、圧入部31bを芯収容管21aの後端内部へ挿入する際の芯合わせを容易にしている。
また、圧入部31bにおける前記面取り部31b1よりも後部側は、芯収容管21aの内径よりも若干大きい外径の円柱状に形成されることで、芯収容管21a内周面に対し圧接される圧入外周面31b2となっている。この圧入外周面31b2と被挿入穴31aの底部側の内周面との間は、芯収容管21a後端側の周壁部分を挿入する環状の空間Sとなっている。
シャープペンシル用リフィール21の芯収容管21aに対し駒体31が接続される際、図3に示すように、芯収容管21aの後端側部分に対し、駒体31が環状に装着される。換言すれば、駒体31の被挿入穴31aに対し芯収容管21aの後端側が挿入される。
次に、駒体31の周囲には、十分な量のグリスが塗布される。
したがって、係合部31a1に対する角部21a11の圧接状態が、芯収容管21a後端面と被挿入穴31a底面との間の当接力によって維持されることになる。
そして、更に、芯収容管21aの後端側内周面に対し、圧入部31bの圧入外周面31b2が圧入される。
すなわち、仮に、圧入部31bを係合部31a1と重なる位置または該位置よりも前方側に配置した場合には、芯収容管21aに駒体31を圧入する際の圧入長さが長くなる。その上、圧入作業の際、軸方向の同位置において、芯収容管21aの周壁に対し、駒体31の係合部31a1からの求心方向の押圧力と、圧入部31b外周面からの遠心方向の押圧力との双方が加わるため、圧入力を過大に要することになり、圧入作業性が低下するおそれがある。また、部品管理等のために駒体31の係合部31a1の内径寸法を計測する際には、計測器等が圧入部31bに干渉して、計測不能になってしまうおそれがある。
この場合、凹状に形成した係合部31a1の剛性を、凸状に形成した被係合部21a1よりも大きくして、凹状の係合部31a1の角部を、凸状の被係合部21a1に食い込ませる構成とするのが好ましい。
21a1:被係合部 21a11:角部
31:駒体 31a:被挿入穴
31a1:係合部 31b:圧入部
A:筆記具
Claims (4)
- シャープペンシル用リフィールにおける芯収容管の後端開口部に、シャープペンシル用リフィールを進退させるための駒体を接続しているシャープペンシル用リフィールと駒体の接続構造であって、
前記芯収容管は、その後端側外周面に被係合部を有し、
前記駒体は、前記芯収容管の後端側が挿入される有底穴状の被挿入穴と、前記被挿入穴内の底面から突設して芯収容管の後端側内周面に圧入される圧入部とを有し、
前記被挿入穴の内周面には、前記被係合部に嵌り合う係合部が形成され、
前記係合部と前記被係合部との内の一方は、断面凸湾曲状であって且つ全周にわたる環状に形成され、
その他方は、断面凹状に形成されるとともに前記一方に対し全周にわたって圧接される角部を有することを特徴とするシャープペンシル用リフィールと駒体の接続構造。 - 前記係合部を前記断面凸湾曲状に形成するとともに前記被係合部を前記断面凹状に形成し、前記角部を少なくとも前記被係合部の後端側に設けたことを特徴とする請求項1記載のシャープペンシル用リフィールと駒体の接続構造。
- 前記係合部を前記断面凸湾曲状に形成するとともに前記被係合部を前記断面凹状に形成し、前記角部を前記被係合部の後端側に設け、この角部を前記係合部に圧接させた状態で、前記芯収容管の後端部を前記被挿入穴の底面に当接させていることを特徴とする請求項1記載のシャープペンシル用リフィールと駒体の接続構造。
- 前記断面凸湾曲状の部分の前後方向の幅を、前記断面凹状の部分の前後方向の幅よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のシャープペンシル用リフィールと駒体の接続構造。
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